JP3886866B2 - バルコニーの床構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主として木造住宅におけるバルコニーの床構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
木造住宅のバルコニーの床構造として、床梁上に構造材としての構造用合板を直接施工して剛床としたものがある。図4及び図5は、剛床を採用したバルコニーの床構造の一例を示している。
【0003】
図において、(1)(1)…は、木製の角材からなる床梁、(2)(2)…は、床梁(1)(1)…間に差し渡された根太であって、これら床梁(1)(1)…及び根太(2)(2)…の上面に、構造用合板(3)が固定されて剛床を構成している。
【0004】
また、(4)は、構造用合板(3)上に設置された勾配床であって、この勾配床(4)は、断熱材(5)の上面に防火遮音材(6)を貼り合わせてなる。(7)は、バルコニー先端付近において、バルコニーの幅方向に沿って形成された排水溝、(8)は、室内とバルコニーの間に設けられた境界壁であって、この境界壁(8)には室内とバルコニーとの間を出入りするための窓部(9)が設けられている。そして、バルコニーにおける排水性を良好にするために、勾配床(4)の上面が、バルコニー先端側の排水溝(7)からバルコニー奥側の窓部(9)の立上り壁(10)へ向かって上り傾斜している。
【0005】
(11)は、勾配床(4)の上面に敷設された防水層、(12)は、バルコニーの手摺壁、(13)は、屋根である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のバルコニーの床構造では、床梁(1)(1)…上に合板(3)が固定され、その合板(3)の上側に排水溝(7)が設けられているので、バルコニー先端側の排水溝(7)の仕上げレベルが高くなっていた。このため、上記のようにバルコニー先端側からバルコニー奥側へ向かうほど床面が高くなるような水勾配を確保した場合、特にバルコニーの奥行き寸法が長くなると、バルコニーの奥側における床面レベルも高くなり、室内側への浸水を防止するように立ち上げられている立上り壁(10)の高さレベルも必然的に高くなっていた。
【0007】
このため、室内床面(14)から窓部(9)の下端までの高さすなわち跨ぎ段差(H)も大きくなり、バルコニーと室内との間の出入りがし難くなるといった不具合があった。
【0008】
そこで、この発明は、上記の不具合を解消して、床剛性を良好に維持しながら、跨ぎ段差を小さく抑えることができるバルコニーの床構造の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、床梁上に設置した構造用下地材上に、バルコニー先端側の排水溝付近からバルコニー奥側の窓部の防水立上り壁へ向かって上面が上り傾斜した勾配床を設けてなるバルコニーの床構造において、バルコニー先端の床梁に対して略平行な補助床梁を設けて、これら先端床梁と補助床梁の互いに対向する側面に際根太をそれぞれ取り付けて、前記先端床梁と補助床梁の間に落とし込んだバルコニー先端付近の構造用下地材を、前記際根太の上面間に跨って設置するとともに、その構造用下地材上に排水溝を設けたことを特徴とする。
【0010】
具体的には、前記補助床梁を、バルコニー先端から約0.5モジュール奥側に配置している。また、前記バルコニー先端付近の構造用下地材上面の高さレベルを、前記先端床梁及び補助床梁の上面の高さレベルに合わせるようにしている。
【0011】
上記の床構造は、木造住宅に適用されるもので、前記床梁が木製角材からなり、前記下地材が構造用合板からなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態に係るバルコニーは、例えば木造住宅の2階部分に設けられている。そして、そのバルコニーの床は、基本的には剛床となっており、その排水溝を形成した先端側の床面レベルを下げることで、先端側から奥側へ向かって上り傾斜する水勾配を良好に確保しながら、奥側の床面レベルを下げるようにしている。
【0013】
以下、このバルコニーの床構造を、図面に基づいて詳細に説明する。図において、(20)(20)…は、例えば木製角材からなる床梁であって、そのうちバルコニー幅方向に沿って延びる先端床梁(20)、中間床梁(20)及び後端床梁(20)は、バルコニー奥行き方向にほぼ等間隔をあけて互いに略平行に配されている。先端床梁(20)と中間床梁(20)との間には、これら床梁(20)(20)に対して略平行な例えば木製角材からなる補助床梁(21)が設けられている。
【0014】
補助床梁(21)は、バルコニー先端から約0.5モジュール(約50cm)奥側に配置されており、その上面の高さレベルは、他の床梁(20)(20)…の上面の高さレベルに揃えられている。
【0015】
そして、先端床梁(20)と補助床梁(21)との間には、図3に示すように、例えば木製角材からなる際根太(25)(25)…が方形枠状に組み付けられた状態で取り付けられており、その先端側と後端側の際根太(25)(25)が、先端床梁(20)と補助床梁(21)の互いに対向する側面に釘打ち等によってそれぞれ固定されている。これら際根太(25)(25)…の上面の高さレベルは、床梁(20)(21)…の上面の高さレベルよりも低くなっている。
【0016】
なお、補助床梁(21)と中間床梁(20)との間、及び中間床梁(20)と後端床梁(20)との間には、例えば木製の角材からなる根太(26)(26)…が差し渡されており、その上面の高さレベルは、床梁(20)(21)…の上面の高さレベルに揃えられている。
【0017】
(30)は、構造用合板からなるバルコニー先端付近の構造用下地材であって、この下地材(30)は、例えばその上面の高さレベルを床梁(20)(21)…の上面の高さレベルに合わせるようにして、先端床梁(20)と補助床梁(21)との間に落とし込まれて、際根太(25)(25)…の上面間に跨って固定されている。(31)は、同じく構造用合板からなる下地材であって、この下地材(31)は、図3に示すように、その先端部が下地材(30)の後端部に上方から被さるようにして、先端床梁(20)を除く床梁(20)(21)…及び根太(26)(26)上に直接固定されて剛床を構成している。
【0018】
そして、バルコニー先端付近の下地材(30)上には、バルコニー幅方向に沿った排水溝(35)を形成するようにしてバルコニー先端付近の水平床(36)が施工され、残りの下地材(31)上には、バルコニー先端側の水平床(36)に連続するようにして勾配床(37)が施工されている。これら床(36)(37)は、断熱材(38)の上面に防火遮音材(39)を貼り合わせてなる。そして、勾配床(37)の上面は、バルコニー先端側の排水溝(35)付近からバルコニー奥側へ向かって上り傾斜している。具体的には、約1/100の勾配で上り傾斜している。
【0019】
(40)は、バルコニーの先端側及び側端側に立設された手摺壁、(41)は、バルコニー奥側において室内とバルコニーを仕切る境界壁である。手摺壁(40)の上端部には、手摺(44)が取り付けられている。また、境界壁(41)には、室内とバルコニーとの間を出入りするための窓部(42)が設けられ、この窓部(42)の下側は、防水立上り壁(43)となっていてバルコニー側から室内側への水の浸入を防止している。(45)は、水平床(36)、勾配床(37)、排水溝(35)、手摺壁(40)下端及び立上り壁(42)を被覆する防水層である。
【0020】
このような床構造においては、バルコニー先端側の床面レベルを、下地材(30)の落とし込みによって従来よりも下げているので、バルコニー先端側の水平床(36)に連続する勾配床(37)の先端側の厚みを薄くすることができ、これに伴って勾配床(37)の後端側の厚みも従来より薄くなって、バルコニー奥側の床面レベルを低く抑えることができる。従って、バルコニー奥側における窓部(42)の立上り壁(43)の高さレベルも低く抑えることができ、これによって室内床面(46)から窓部(42)の下端までの高さすなわち跨ぎ段差(H)も小さくなり、バルコニーと室内との間の出入りを楽に行うことができるようになっている。
【0021】
例えば、品確法の住宅性能表示制度において定められた高齢者配慮等級4に対応するためには、跨ぎ段差(H)を180mm以下にする必要があるが、上記の床構造では、バルコニーの奥行き寸法が約3m確保されている場合でも、跨ぎ段差(H)を180mm以下に抑えることが可能となり、従来の床構造では達成が困難であった高齢者配慮等級4にも対応し易い仕様を確立することができる。
【0022】
また、バルコニーの床面レベルを全体的に下げることで、手摺壁(40)の手摺(44)の上端高さレベルも低く抑えることができ、これによって屋根(50)と手摺(44)との間の間隔(h)を広げて、バルコニーの開放性を高めることができる。さらに、このようにバルコニーの開放性が高まると、バルコニーの床面積算定方法において、そのバルコニーの床面積を2階床面積に含まなくても良い場合があり、容積率算定において有利に働くこともある。
【0023】
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明の床構造は、床梁上に構造用下地材を設置して、その構造用下地材上に勾配床を設けた剛床としながら、床剛性にさほど影響を与えることのないバルコニー先端において、構造用下地材を落とし込んで排水溝の仕上げレベルを低く抑えているので、この排水溝付近から上り傾斜したバルコニーの床面全体の高さレベルを下げ易くなり、バルコニーの奥側の床面レベルも低く抑えることができる。従って、良好な床剛性を維持しながら、バルコニー奥側の立上り壁の高さレベルを下げて跨ぎ段差を小さくし、バルコニーと室内との間の出入りを容易にすることができる。
【0025】
また、バルコニーの床面レベルを低く抑えることで、手摺壁における手摺の上端高さレベルも低く抑えることができるようになり、これによってバルコニーの開放性を高めることができる。
【0026】
さらに、バルコニー先端側の下地材を落とし込んだだけであって、根本的な施工方法等については従来に比べて大きな変更はなく、従って施工費等の高騰も抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るバルコニーの床構造を示す図である。
【図2】同じくその要部拡大断面図である。
【図3】同じくそのバルコニー先端側の拡大断面図である。
【図4】従来のバルコニーの床構造を示す図である。
【図5】同じくその要部拡大断面図である。
【符号の説明】
(20) 床梁
(21) 補助床梁
(25) 際根太
(30) バルコニー先端付近の構造用下地材
(31) 残りの構造用下地材
(35) 排水溝
(37) 勾配床
(42) 窓部
(43) 防水立上り壁
Claims (4)
- 床梁上に設置した構造用下地材上に、バルコニー先端側の排水溝付近からバルコニー奥側の窓部の防水立上り壁へ向かって上面が上り傾斜した勾配床を設けてなるバルコニーの床構造において、バルコニー先端の床梁に対して略平行な補助床梁を設けて、これら先端床梁と補助床梁の互いに対向する側面に際根太をそれぞれ取り付けて、前記先端床梁と補助床梁の間に落とし込んだバルコニー先端付近の構造用下地材を、前記際根太の上面間に跨って設置するとともに、その構造用下地材上に排水溝を設けたことを特徴とするバルコニーの床構造。
- 前記補助床梁を、バルコニー先端から約0.5モジュール奥側に配置した請求項1記載のバルコニーの床構造。
- 前記バルコニー先端付近の構造用下地材上面の高さレベルを、前記先端床梁及び補助床梁の上面の高さレベルに合わせるようにした請求項1又は2記載のバルコニーの床構造。
- 木造住宅に適用されるもので、前記床梁が木製角材からなり、前記構造用下地材が構造用合板からなる請求項1乃至3のいずれかに記載のバルコニーの床構造。
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JP2002254508A JP3886866B2 (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | バルコニーの床構造 |
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CN111519751A (zh) * | 2020-04-02 | 2020-08-11 | 河南五方合创建筑设计有限公司 | 装配式木结构断热桥阳台 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002254508A patent/JP3886866B2/ja not_active Expired - Lifetime
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