JPH0235940Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、瓦葺と外壁パネルとの境界部分に
おける壁際水切構造に関するものである。

従来のこの種の水切構造は、例えば第５図に示
すように瓦葺ａの上縁部つまり瓦尻ｂと、外壁パ
ネルｃの下縁ｄとの間に、複数枚ののし瓦ｅ…
が、土、セメント等ｆを介して積層状に設けられ
た構造であつた。

しかしながら、上記のような構造では、工事が
熟練を要し、困難であり、工事費が高くなるとい
う問題があつた。また、のし瓦ｅ…に経年変化に
よる亀裂が生じて水切機能を低下もしくは損失し
易いという問題もあつた。

本考案はかかる従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、構造が簡単で寿命が長い水切部材
を用いることにより、工事に熟練を要せず、かつ
十分な水切機能を安定して確保することができる
壁際水切構造を提供することを目的とする。

以下、本考案の構成を、実施例につき図面に基
いて説明する。

〔実施例１〕 本考案に係る壁際水切構造を第１図に示し、水
切構造１は１階部分の瓦葺２と、２階部分の外壁
パネル３との境界部分のものであつて、水切部材
４を主要部として備えている。上記瓦葺２は野地
板５の上側に瓦６…が瓦桟７…を介して葺かれて
なり、また、外壁パネル３は型材８…を枠組みし
てなる軸組９に張設されている。なお、１０は２
階部分の窓枠サツシであつて、軸組９に固定した
木枠１１に取付けられている。

上記瓦葺２の最上部の瓦６は第２図に示すよう
な形状であつて、瓦葺２の瓦尻となる基端６ａが
立上がつて立上がり部１２が形成されている。該
立上がり部１２は上記水切部材４の底部４ａを支
持するためのものであつて、その上面１２ａには
係止突起１３が立上がり部１２の全長にわたつて
形成されている。

水切部材４は第３図に示すように空洞１４を有
するアルミニウム押出型材であつて、室外側部４
ｂが段付きの下向き傾斜状とされて、水切作用が
円滑に行われるように形成されている。また、水
切部材４の底部４ａには、上記立上がり部１２の
係止突起１３に対応して係止溝１５が形成される
一方、該係止溝１５の前後両側には立上がり部１
２の上面１２ａに当接する突片１６，１７が設け
られ、さらに該突片１６の前側つまり室外側に
は、立上がり部１２の室外側面１２ｂに当接する
当接部１８が設けられている。水切部材４の室内
側部４ｃには立上がり片１９が上方へ延びて形成
され、該立上がり片１９の背面１９ａには、支持
板２０に当接する突起２１，２１が設けられてい
る。該支持板２０は外壁パネル３の下側において
軸組９に取付けられている。

また、外壁パネル３と支持板２０との間には、
アルミニウム製の水切板２２が挾持状に介装され
ている。該水切板２２は下端部２２ａが外壁パネ
ル３の下縁部３ａに沿うとともに、、水切部材４
の立上がり片１９の上縁部１９ｂを被覆するよう
な形状に折曲形成されており、上端部２２ｂが外
壁パネル３の背面３ｂに当接係止されている。

しかして、上記水切部材４は、底部４ａを最上
部の瓦６の立上がり部１２に被覆状に嵌合して支
持される一方、立上がり片１９の上縁部１９ｂが
外壁パネル３の下縁部３ａに水切板２２を介して
係合されている。

〔実施例２〕 本例は第４図に示し、水切部材４の構造を改変
したものである。すなわち、水切部材４はブロツ
ク状の本体２３と、該本体２３の上面に固着され
た水切板２４とからなる。

本体２３は焼物あるいは樹脂製のもので、その
底部２３ａには、実施例１の係止溝１５、突片１
６，１７および当接部１８と同様の機能を有する
嵌合部２５が形成され、該嵌合部２５を介して上
記底部２３ａが最上部の瓦６の立上がり部１２に
被覆状に嵌合して支持されている。

また、水切板２４の立上がり片２６は支持板２
０に当接支持されるとともに、上縁部２６ａが折
曲形成され、これに対応して、水切板２２の下端
部２２ａも該上縁部２６ａを被覆するような形状
に折曲形成されている。

また、水切部材４の室外側部４ｂは第４図に示
すように、本体２３と水切板２４とから形成され
ている。その他の構成は実施例１と同様である。
なお、上述の実施例１および２は１階部分の瓦葺
２と、２階部分の外壁パネル３との境界部分に適
用したものであるが、この他、同様の構造を有す
る壁際にも適用することができることは勿論であ
る。

以上詳述したように、本考案は、瓦葺と該瓦葺
より上側に設けられた外壁パネルとの境界部分に
おいて、上記瓦葺の瓦尻に立上がり部が設けら
れ、該立上がり部に係止突起が全長にわたつて形
成され、該係止突起を介して水切部材の底部が上
記立上がり部に被覆状に嵌合され、該水切部材の
上縁部に上記外壁パネルの下縁部が係合されてい
るから、構造が簡単で熟練を要することなく簡単
に工事が行なえ、工事費を低く抑えることががで
きる。

また、経年変化を生じ易いのし瓦や土等を用い
ることなく、主要部として寿命が長い水切部材を
備えているので、十分な水切機能を長年にわたり
安定して確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の実施態様を例示
し、第１図は実施例１の壁際水切構造を示す縦断
面図、第２図は瓦葺の最上部の瓦を示す斜視図、
第３図は水切部材を示す斜視図、第４図は実施例
２の壁際水切構造を示す縦断面図、第５図は従来
の壁際水切構造を示す縦断面図である。 ２……瓦葺、３……外壁パネル、３ａ……下縁
部、４……水切部材、４ａ……底部、６ａ……基
端（瓦尻）、１２……立上がり部、１３……係止
突起、１９ａ，２６ａ……上縁部、２２……水切
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 瓦葺と該瓦葺より上側に設けられた外壁パネル
   との境界部分において、前記瓦葺の瓦尻に立上が
   り部が設けられ、該立上がり部に係止突起が全長
   にわたつて形成され、該係止突起を介して水切部
   材の底部が前記立上がり部に被覆状に嵌合され、
   該水切部材の上縁部に前記外壁パネルの下縁部が
   係合されていることを特徴とする壁際水切構造。