JP3885242B2 - パチンコ島台 - Google Patents

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JP3885242B2 JP20132995A JP20132995A JP3885242B2 JP 3885242 B2 JP3885242 B2 JP 3885242B2 JP 20132995 A JP20132995 A JP 20132995A JP 20132995 A JP20132995 A JP 20132995A JP 3885242 B2 JP3885242 B2 JP 3885242B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数のパチンコ機が並設されると共にその下部空間に配置され且つ当該パチンコ島台で使用されるパチンコ玉を貯留してその下流側の導出口からパチンコ玉を上部に揚送する玉揚送装置に向かって貯留したパチンコ玉を供給する貯留タンクを内蔵するパチンコ島台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、遊技者が獲得した賞球を玉返却装置を介してパチンコ島台に直接返却して、従来のように景品交換場に返却された賞球を各パチンコ島台に還流するための機構を省略するものが提案されている。このようなパチンコ島台には、返却されるパチンコ玉を貯留するために大型の貯留タンクが内蔵されている。
【0003】
このような貯留タンクを備えたパチンコ島台として、出願人は、先に特願昭63−37760号(特公平6−44947号として出願公告されている;以下、第1先行技術という)、及び特願平5−235619号(特開平7−59937号として出願公開されている;以下、第2先行技術という)を提案した。
【0004】
第1先行技術は、貯留タンクの内部の中央に一対の隔壁を立設し、該隔壁の内部の上段をアウト玉が流下するアウト玉誘導路(誘導レール部と称している)とし、下段を貯留タンクに貯留されるパチンコ玉を下流に導くバイパス誘導路(誘導傾斜面と称している)とし、貯留タンクの玉貯留部とバイパス誘導路とを上流から下流にかけて所定間隔を置いて複数形成される貯留球流入口を介して連通するようになっている。一方、第2先行技術は、パチンコ島台の玉揚送装置の左右両側に一対の貯留タンクを設け、一方の貯留タンクを玉が優先的に貯留される優先貯留タンクとして設定するものにおいて、優先・非優先両貯留タンクの内部に上記したバイパス誘導路やアウト玉誘導路を設けないと共に、優先タンク側に賞球を返却する玉返却装置を臨ませていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、第1先行技術における貯留タンクは、タンク中央部に一対の隔壁を立設して、その隔壁内に玉が貯留されないようになっているので、パチンコ玉を貯留する貯留部の容積が少なくなるため、所定量のパチンコ玉を貯留しようとすれば貯留タンクが大型化するという欠点があり、このような欠点を解消するために第2先行技術の貯留タンクのようにバイパス誘導路やアウト玉誘導路を設けないことが考えられるが、バイパス誘導路やアウト玉誘導路を設けないように構成すると、貯留タンク内に貯留されるパチンコ玉の一部の玉が長期間に亘って一箇所に停滞してサビ付いてしまうという欠点がある。
【0006】
このため、両先行技術の欠点を解消するために、両先行技術を組合せて隔壁の高さを低くして且つ上段のアウト玉誘導路の上面を覆うようにすることが考えられるが、下段のバイパス誘導路の構成が、複数の貯留球入口に対して1つの誘導路として形成されているため、下流側の貯留球入口からバイパス誘導路に流入したパチンコ玉が優先的に流下して、上流側の貯留球入口からバイパス誘導路に流入したパチンコ玉がなかなか流下せず、結果的に貯留タンクの上流側の貯留パチンコ玉が長期間に亘って滞留してサビ付いてしまうという欠点が依然として考えられる。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その主たる目的とするところは、多量のパチンコ玉を貯留することができると共に貯留されたパチンコ玉が長期間に亘って滞留することのない貯留タンクを備えたパチンコ島台を提供することにある。
【0007】
また、第2先行技術のように優先貯留タンク側に玉返却装置を臨ませている場合には、通常の営業状態において優先貯留タンクが満杯状態となっていることが多く、このように満杯状態となっている優先貯留タンクに玉返却装置から賞球が返却されたときには、返却されたパチンコ玉が満杯となっているパチンコ玉によって返却されないので、玉返却装置から取り込まれないという欠点があった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その従たる目的とするところは、多量のパチンコ玉を貯留することができると共に貯留されたパチンコ玉が長期間に亘って滞留することがなく且つ玉返却装置から返却される玉をどのようなときでも受け入れることが可能な貯留タンクを備えたパチンコ島台を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、図3乃至図5に示すように、貯留タンク12,13には、その底面隅角部に、貯留タンク12,13の長手方向寸法とほぼ同じ長さであってその上流入口39aが貯留タンク12,13の上流部分に臨むと共にその下流出口39bが貯留タンク12,13の下流端に形成される導出口37のやや上流側に臨む第1のバイパス誘導路39と、該第1のバイパス誘導路39に隣接して貯留タンク12,13の長手方向寸法のほぼ半分の長さであってその上流入口40aが貯留タンク12,13の中流部分に臨むと共にその下流出口40bが導出口37のやや上流側に臨む第2のバイパス誘導路40と、少なくとも一方のバイパス誘導路39の上部に隣接してその上流入口41aが貯留タンク12,13の上流端に接続されるアウト玉誘導レール11に連通すると共にその下流出口41bが導出口37の直前に臨むアウト玉誘導路40と、を設け、その上部左右に、玉揚送装置5によって揚送されたパチンコ玉であってオーバーフローしたパチンコ玉を貯留タンク12,13の上流部側に向けて誘導する溢れ玉樋26をほぼ水平方向に支持することにより、第一に、貯留タンク12,13の隅角部にバイパス誘導路39,40及びアウト玉誘導路41が設けられてそれらの上部にもパチンコ玉を貯留することができるように構成したので、多量のパチンコ玉を貯留することができ、第二に、貯留タンク12,13の上流部分に滞留しているパチンコ玉を第1のバイパス誘導路39で、貯留タンク12,13の中流部分に滞留しているパチンコ玉を第2のバイパス誘導路40で、それぞれ導出口37に導くと共に貯留タンク12,13の下流部分に滞留しているパチンコ玉を直接導出口37に導くように構成されているので、貯留タンク12,13のいずれの部分に滞留しているパチンコ玉をも確実に導出口37に導くことができ、長期間に亘って貯留玉を滞留させることがない。
【0009】
また、上記のような構成を有する貯留タンク12,13を、パチンコ島台1の玉揚送装置5の両側に各々設け、その各々の貯留タンク12,13には、玉揚送装置5によって揚送されたパチンコ玉であってオーバーフローしたパチンコ玉をいずれか一方の貯留タンク12に優先して還流するオーバーフロー機構14を接続すると共に、少なくとも非優先側の貯留タンク13が内蔵されるパチンコ機列側に遊技者が獲得した賞球を返却する玉返却装置3を臨ませることにより、通常の営業状態でほとんど満杯状態となることのない非優先側貯留タンク13への玉返却装置3からの賞球の返却を確実に行うことができる。
更に、上記のような構成を有する貯留タンク12,13の側板に、前記各誘導路39,41の側面の一部が臨み且つ各誘導路39,40,41を点検するための点検開口46を形成することにより、各誘導路39,40,41を点検開口46から取り出したりして修理点検することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1乃至図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ島台1の概略構成について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ島台1の一側から見た側面図であり、図2は、パチンコ島台1を他側から見た側面図であり、図3は、パチンコ島台1の内部を示す正面図である。図において、パチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向側面中央にパチンコ機2を背向列設するようになっている。また、パチンコ島台1には、その中央部の玉揚送装置収納部4の一側にパチンコ機2で獲得したパチンコ玉を返却するための玉返却装置3もパチンコ機2と並列状に設けられるが、この玉返却装置3は、後述する非優先側の大型貯留タンク13が内蔵されるパチンコ機列側に設けられることが望ましい。これは、通常の営業状態でほとんど満杯状態となることのない非優先側貯留タンク13への玉返却装置3からの賞球の返却を確実に行うことができるからである。なお、玉返却装置3には、返却口が形成され、その返却口から返却されたパチンコ玉(賞球)は、後述する溢れ玉樋26上に導かれるようになっている。更に、玉返却装置3の返却口は、図示しないが電気的駆動源(例えば、モータやソレノイド)によって開閉駆動されるようになっている。
【0011】
また、パチンコ島台1のほぼ中央には、玉揚送装置収納部4が構成され、該玉揚送装置収納部4内に玉揚送装置5が収納設置されている。本実施形態に係る玉揚送装置5は、詳細には図示しないが帯状の搬送ベルトによってパチンコ玉を揚送するものであり、その帯状の搬送ベルトがパチンコ島台1の長手方向と平行となるように設置されてパチンコ玉を上部に揚送するものである。玉揚送装置5の上部には、揚送されたパチンコ玉を一時的に貯留する上部タンク6が設けられ、その上部タンク6から左右に補給樋7が傾斜状に設けられており、上部タンク6からパチンコ玉を流下させるようになっている。補給樋7には、各パチンコ機2に対応して分配シュート8が設けられ、補給樋7を流下するパチンコ玉を取り込むようになっている。分配シュート8によって取り込まれたパチンコ玉は、下部に設けられる計数装置9によって計数された後、パチンコ機2の背面上部に設けられる賞球タンクに供給され、遊技によって遊技者に払い出される賞球として使用される。なお、図示のでは、分配シュート8を各パチンコ機2にだけ対応するものを示したが、各パチンコ機2に挟まれるようにして台間玉貸機が設けられる場合には、この台間玉貸機にも対応するように分配シュート8が設けられるものである。
【0012】
一方、各パチンコ機2から排出される使用済玉は、計数機能を有するアウト玉回収箱10から下方に排出される。アウト玉回収箱10から排出されたパチンコ玉は、大型の貯留タンク12,13の上部に設けられる溢れ玉樋26上に落下して貯留タンク12,13の貯留空間に貯留される。なお、貯留タンク12,13は、それぞれパチンコ機2の3〜4台分に相当する長さに形成されるため(所謂1ユニット島の長さ)、その貯留タンク12,13が収納されるユニット島の外側にさらにユニット島が接続される場合(多くの場合接続される)には、その外側に接続されるユニット島の下部中央にアウト玉誘導レール11が設けられ、該アウト玉誘導レール11の末端が貯留タンク12,13の上流部に接続されて後述するアウト玉誘導路41の入口41aに連通するようになっている。
【0013】
また、パチンコ島台1の下部であって前記玉揚送装置5の両サイドに貯留タンク12,13が設けられている。この貯留タンク12,13には、多量のパチンコ玉を貯留する程大きく形成される。具体的には、貯留タンク12,13に貯留されるパチンコ玉数は、当該パチンコ島台1に設置される複数のパチンコ機2の各種の遊技状態に十分対処し得る程度(例えば、各15〜20万個ずつ)の大きさに設計される。なお、この貯留タンク12,13の詳細な構造については、後に詳述する。
【0014】
上記した貯留タンク12,13には、前記上部タンク6からオーバフローしたパチンコ玉を下部に還流するオーバーフローボックス14がそれぞれ接続されている。オーバーフローボックス14は、玉揚送装置5の背面空間を利用する形で設けられた直方体状のボックスであり、その内部が分岐仕切15によって縦方向に仕切られている。分岐仕切15は、オーバーフローボックス14の一側に寄せて設けられ、その幅広領域に連通する一側の通路内に複数の流下板を段差状に交互に設けて優先通路14aを構成し、その幅狭領域に連通する他側の通路内にも複数の流下板を段差状に交互に設けて非優先通路14bを構成している。即ち、上部タンク6からオーバーフローしたパチンコ玉は、優先通路14aに優先的に導かれ、その優先通路14aが満杯となったときに非優先通路14bに溢れ出るようになっている。そして、優先通路14aは、図3の左側の貯留タンク12(以下、優先貯留タンク12という場合がある)に連通され、非優先通路14bは、図3の右側の貯留タンク13(以下、非優先貯留タンク13という場合がある)に連通するようになっている。このように、本実施例においては、オーバーフロー機構を従来のフレキシブルパイプに代えてボックス状に構成したので、還流されるパチンコ玉による騒音の発生を極めて小さくすることができると共に、還流機能だけでなく相当量のパチンコ玉(本実施形態においては、約2〜3万個)を貯留する貯留機能もあるので、従来使用されていなかった空間を利用してパチンコ島台1内部における貯留空間として有効に利用し得る。
【0015】
また、上記したオーバーフローボックス14には、溢れ出たパチンコ玉を優先通路14aよりも先に優先して非優先貯留タンク13のやや下流側部分に導く最優先ホース16が設けられている。即ち、最優先ホース16は、その上端が優先通路14aの上流側に接続され、その下端が非優先タンク13の下流側の底面に固定される最優先ホース接続具38に接続されている。そして、最優先ホース16を流下したパチンコ玉は、図3に示すように、非優先貯留タンク13の下流部分に最優先に貯留されるようになっており、これによって優先貯留タンク12側からと非優先タンク13側からの玉揚送装置5への玉の供給を均等にして玉の揚送効率を高めるようにしている。
【0016】
また、貯留タンク12,13の内側側壁には、貯留玉量を検出するための貯留レベル検出センサ17a〜17g、18(ただし、17eは、優先通路14aに設けられ、18は、非優先通路14bに設けられる)が設けられている。本出願人らの実験によれば、貯留タンク12,13内のパチンコ玉の貯留変化は、各貯留タンク12,13の上流側から滞留するものであることが分かった。このため、貯留レベル検出センサ17a〜17d、17f,17gは、ほぼ水平方向の直線状に配置し、優先貯留タンク12の上流側にある貯留レベル検出センサ17aが下限を検出するものであり、非優先貯留タンク13の下流側にある貯留レベル検出センサ17gが上限直前を検出し、非優先通路14bにある貯留レベル検出センサ18が上限を検出するものである。これらの検出センサの検出信号に基づいてパチンコ島台1の両端外部に取り付けられている貯留レベル報知器19が貯留タンク12,13内の貯留量を報知するようになっていると共に、上限センサ18からの信号に基づいて玉返却装置3の返却口が閉塞されるようになっている。
【0017】
次に、貯留タンク12,13部分のより詳細な構造について図4乃至図12を参照して説明する。図4は、貯留タンク12,13の内部を透視した状態の斜視図であり、図5は、貯留タンク12,13の上方部分を取り除いた状態の斜視図であり、図6は、貯留タンク12,13の下部隅角部に設けられる各誘導路39,40,41を示す斜視図であり、図7は、パチンコ島台1のカウンター台33を貯留タンク12,13の上部に固定した状態の斜視図であり、図8は、溢れ玉樋26の取付状態を示す断面図であり、図9は、一対の貯留タンク12,13の接続部分を示す斜視図であり、図10は、一対の貯留タンク12,13と玉揚送装置5との関係を示す側方断面図であり、図11は、図2のA−A線で切断した断面図であり、図12は、図2のB−B線で切断した断面図である。
【0018】
左右の一対の貯留タンク12,13の構造は、ほぼ同じであるので、一方の貯留タンク13についてのみ説明する。貯留タンク13は、カウンター台17より下方の下部空間に設置される直方体状のタンク基台20によって構成されている。タンク基台20の底板21は、図4及び図11に示すように、後端から前端に向かって傾斜していると共に一側の側板22に向かっても傾斜しており、その傾斜下端側板22側の下部隅角部に後に詳述するバイパス誘導路39,40及びアウト玉誘導路41が設けられている。
【0019】
また、貯留タンク13の内部には、前端上部に上段プレート23が傾斜状に固定され、その上段プレート23の両サイドに所定の間隔を開けて一対の溢れ玉樋26が接続されている。この左右一対の溢れ玉樋26は、図4、図7、図8に示すように、適宜間隔を置いてその一端が側板22に蝶番28によって固定され、その他端がカウンター台33の裏面に固着される水平板31に立設される垂直桟32に止着される支持金具30に調節ネジ29を介して連結されるL字状の載置取付具27に載置支持された状態で貯留タンク13の端部に向けて傾斜状に設けられ、前記オーバーフローボックス14の非優先通路14bから流下するパチンコ玉や前記アウト玉回収箱10から落下する大部分のパチンコ玉を貯留タンク13の端部に向けて流下させるように作用し、その流下する過程で一部のパチンコ玉を一対の溢れ玉樋26の間隔から貯留タンク13の貯留空間に落下させるものである。なお、溢れ玉樋26を転動するパチンコ玉が後端まで到達することなく途中で落下する割合を調節するためには、前記調節ネジ29によって行うことができる。また、上段プレート23には、その下流側中央に上段プレート23に落下したパチンコ玉を左右の溢れ玉樋26に分岐するための分流突起板24が突設され、その上流側中央に後述する連絡樋52が接続されるための流出口25が形成されている。この流出口25は、玉返却装置3から返却されたパチンコ玉の一部を他方の貯留タンク12に向けて誘導するためのものである。
【0020】
また、貯留タンク13の前端であって上記上段プレート23の下方には、圧抜きプレート35が傾斜状に設けられるが、この圧抜きプレート35は、図10に示すように、パチンコ玉が大量に貯留されている場合に、次に説明する各誘導路39,40,41を流下するパチンコ玉以外のパチンコ玉の導出口37への流出を確実に行うために設けられるものである。したがって、この圧抜きプレート35は、その先端と後述するカバー体42との間隔がパチンコ玉の直径よりも小さくなるように固定されている。
【0021】
また、タンク基台20の底板21の流下端(前端)には、底板21を流下するパチンコ玉をその傾斜にしたがって導くためのほぼ三角形状の誘導プレート36が固着されており、その誘導プレート36の誘導先に導出口37が形成されている。導出口37には、導出口37から流出するパチンコ玉を玉揚送装置5に列状にして導く導入樋が接続されるようになっている。また、貯留タンク13の下流に近い部分の中央には、前記最優先ホース16の下端が接続される最優先接続具38が固着されるが、この接続具38には、下流側に向けて流出口が形成されているので、最優先ホース16によって導かれたパチンコ玉が底板21を下流側に向けて流下し、その流下したパチンコ玉が滞留して接続具38の流出口部分まで到達すると、それ以上の流出がなくなり、最優先ホース16内にパチンコ玉が貯留され、遂には、最優先ホース16の上端に到達するとオーバーフローボックス14内に溢れたパチンコ玉が優先通路14aに導かれるようになっている。
【0022】
更に、貯留タンク12の内部には、前述したように、その傾斜下端側板22側の下部隅角部にバイパス誘導路39,40及びアウト玉誘導路41が設けられている。即ち、図5、図6及び図11に示すように、貯留タンク13の底板21と傾斜下端側板22とによって構成される隅角部には、貯留タンク13の長手方向寸法とほぼ同じ長さであってその上流入口39aが貯留タンク13の上流部分に臨むと共にその下流出口39bが貯留タンク13の下流端に形成される導出口37のやや上流側に臨む断面コ字状の第1のバイパス誘導路39がビス50によって底板21に固定され、該第1のバイパス誘導路39に隣接して貯留タンク13の長手方向寸法のほぼ半分の長さであってその上流入口40aが貯留タンク13の中流部分に臨むと共にその下流出口40bが導出口37のやや上流側に臨む断面コ字状の第2のバイパス誘導路40がビス50によって底板21に固定され、第1のバイパス誘導路39の上部に隣接してその上流入口41aが貯留タンク13の上流端に接続されるアウト玉誘導レール11に連通すると共にその下流出口41bが導出口37の直前に臨む断面コ字状のアウト玉誘導路40がビス50によって側板22に固定されている。
【0023】
そして、それら3つの誘導路39,40,41の上部及び一側側方を被覆するようにカバー体42が側板22に固定される取付金具51によって取り付けられている。なお、第1のバイパス誘導路39の入口39aと第2のバイパス誘導路40の入口40aは、カバー体42の側面を切り欠くことにより形成されている。また、アウト玉誘導路41の入口41aは、予め三角形状の立体筒状に形成されてタンク基台20の側板22と後壁にビスで止着されて貯留タンク13の後壁に連結されるアウト玉誘導レール11に連通されている。更に、バイパス誘導路39,40の出口39b,40bは、導出口37のやや前方であって底板21を転動して誘導プレート36によって誘導されるパチンコ玉と合流し得る位置に臨んでいるのに対し、アウト玉誘導路41の出口41bは、それらの出口よりも前方であって導出口37の直前に臨ましめてある。このように、アウト玉誘導路41の出口41bをバイパス誘導路39,40の出口39b,40b及び底板21を転動する玉の出口よりも前方で且つ上部に位置させることにより、アウト玉誘導路41からの玉を優先的に導出口37に導き、アウト玉誘導路41及びアウト玉誘導レール11に使用済のパチンコ玉が滞留しないようにしている。なお、バイパス誘導路39,40の出口39b,40b及び底板21を転動する玉の出口から流出するパチンコ玉の導出口37への誘導においては、それらの間に優劣はなく均等に導かれるものである。
【0024】
貯留タンク13には、上記した構成以外に、図1、図2、図12に示すように、各誘導路39,40,41の設置側と反対側の側板22下流側に貯留タンク13内に玉が滞留して流れないトラブルが生じたとき等に内部の玉を玉抜きする玉抜き口43が形成され、各誘導路39,40,41の設置側の側板22下流側に前記各誘導路39,40,41を修理点検するための長方形状の点検開口46が形成されている。
【0025】
まず、玉抜き口43について説明すると、玉抜き口43は、上下方向にスライドするスライド板44によって閉塞されており、そのスライド板44に対応する位置の腰板34に開閉蓋45が設けられている。したがって、貯留タンク13内で玉停留等のトラブルが生じたときには、開閉蓋45を開放した後、スライド板44を上昇せしめることにより、貯留タンク13内の貯留玉を玉抜き口43及び開閉蓋45を開放することにより、外部に取り出すことができる。
【0026】
次に、点検開口46について説明すると、点検開口46は、通常時閉塞板47によって閉塞されており、その閉塞板47は、腰板34によって覆われている。このため、閉塞板47を取り外すためには、腰板34を取り外さなければならないが、点検開口46部分の腰板34(図1の符号34を付した部分の内側)は、図12に示すように、その下部がタンク基台20の側板22に固定される掛止金具48によって係止され、その上部だけがビス49によって螺着されているので、ビス49を緩めて取り外した後に、掛止金具48との係合を外すことにより簡単に腰板34を外すことができる。そのような状態で閉塞板47を取り外すと第1バイパス誘導路39及びアウト玉誘導路41の側面一部が点検開口46から臨んだ状態となるので、パチンコ機2を開放して上部からビス50等を緩めて動くようにした各誘導路39,40,41を点検開口46から取り出したりして修理点検することができる。なお、この修理点検を点検開口46からできるようにした理由は、パチンコ機2を開放して上からのぞき込んで各誘導路39,40,41を取り出すことが島内の配線や前記カウンター台33の後方延設部等によってほとんど行うことができないからである。
【0027】
以上、一対の貯留タンク12,13のほぼ共通する構成について説明してきたが、一部相違する点として、図9及び図10に示すように、非優先貯留タンク13には、前記した上段プレート23に流出口25が形成されるのに対し、優先貯留タンク12の上段プレート23には、流出口25が形成されていない。その代わり、優先貯留タンク12には、上段プレート23の下方に返却ダクト53が設けられ、該返却ダクト53と非優先貯留タンク13の流出口25とが連絡樋52によって連絡されている。これらの構成は、玉返却装置3から返却される玉の一部を連絡樋52を介して優先貯留タンク12側に導くものである。
【0028】
以上、実施形態に係る貯留タンク12,13の構成について説明してきたが、本実施形態によれば、貯留タンク12,13には、その底面隅角部に、貯留タンク12,13の長手方向寸法とほぼ同じ長さであってその上流入口39aが貯留タンク12,13の上流部分に臨むと共にその下流出口39bが貯留タンク12,13の下流端に形成される導出口37のやや上流側に臨む第1のバイパス誘導路39と、該第1のバイパス誘導路39に隣接して貯留タンク12,13の長手方向寸法のほぼ半分の長さであってその上流入口40aが貯留タンク12,13の中流部分に臨むと共にその下流出口40bが導出口37のやや上流側に臨む第2のバイパス誘導路40と、少なくとも一方のバイパス誘導路39の上部に隣接してその上流入口41aが貯留タンク12,13の上流端に接続されるアウト玉誘導レール11に連通すると共にその下流出口41bが導出口37の直前に臨むアウト玉誘導路40と、を設け、その上部左右に、玉揚送装置5によって揚送されたパチンコ玉であってオーバーフローしたパチンコ玉を貯留タンク12,13の上流部側に向けて誘導する溢れ玉樋26をほぼ水平方向に支持することにより、第一に、貯留タンク12,13の隅角部にバイパス誘導路39,40及びアウト玉誘導路41が設けられてそれらの上部にもパチンコ玉を貯留することができるように構成したので、多量のパチンコ玉を貯留することができ、第二に、貯留タンク12,13の上流部分に滞留しているパチンコ玉を第1のバイパス誘導路39で、貯留タンク12,13の中流部分に滞留しているパチンコ玉を第2のバイパス誘導路40で、それぞれ導出口37に導くと共に貯留タンク12,13の下流部分に滞留しているパチンコ玉を直接導出口37に導くように構成されているので、貯留タンク12,13のいずれの部分に滞留しているパチンコ玉をも確実に導出口37に導くことができ、長期間に亘って貯留玉を滞留させることがない。なお、図示の実施形態において、第2のバイパス誘導路40へは、第1のバイパス誘導路39の入口39aから入ったパチンコ玉も誘導されるようになって上流部分及び中流部分のパチンコ玉を誘導しているようにしているが、入口39aからはいったパチンコ玉は、第1のバイパス誘導路39にだけ誘導されるようにしても良い。
【0029】
また、上記のような構成を有する貯留タンク12,13を、パチンコ島台1の玉揚送装置5の両側に各々設け、その各々の貯留タンク12,13には、玉揚送装置5によって揚送されたパチンコ玉であってオーバーフローしたパチンコ玉をいずれか一方の貯留タンク12に優先して還流するオーバーフロー機構14を接続すると共に、少なくとも非優先側の貯留タンク13が内蔵されるパチンコ機列側に遊技者が獲得した賞球を返却する玉返却装置3を臨ませることにより、通常の営業状態でほとんど満杯状態となることのない非優先側貯留タンク13への玉返却装置3からの賞球の返却を確実に行うことができる。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、第一に、貯留タンクの隅角部にバイパス誘導路及びアウト玉誘導路が設けられてそれらの上部にもパチンコ玉を貯留することができるように構成したので、多量のパチンコ玉を貯留することができ、第二に、貯留タンクの上流部分に滞留しているパチンコ玉を第1のバイパス誘導路で、貯留タンクの中流部分に滞留しているパチンコ玉を第2のバイパス誘導路で、それぞれ導出口に導くと共に貯留タンクの下流部分に滞留しているパチンコ玉を直接導出口に導くように構成されているので、貯留タンクのいずれの部分に滞留しているパチンコ玉をも確実に導出口に導くことができ、長期間に亘って貯留玉を滞留させることがない。
【0031】
また、上記のような構成を有する貯留タンクを、パチンコ島台の玉揚送装置の両側に各々設け、その各々の貯留タンクには、玉揚送装置によって揚送されたパチンコ玉であってオーバーフローしたパチンコ玉をいずれか一方の貯留タンクに優先して還流するオーバーフロー機構を接続すると共に、少なくとも非優先側の貯留タンクが内蔵されるパチンコ機列側に遊技者が獲得した賞球を返却する玉返却装置を臨ませることにより、通常の営業状態でほとんど満杯状態となることのない非優先側貯留タンクへの玉返却装置からの賞球の返却を確実に行うことができる。
更に、上記のような構成を有する貯留タンク12,13の側板に、前記各誘導路39,41の側面の一部が臨み且つ各誘導路39,40,41を点検するための点検開口46を形成することにより、各誘導路39,40,41を点検開口46から取り出したりして修理点検することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るパチンコ島台の一側から見た側面図である。
【図2】パチンコ島台を他側から見た側面図である。
【図3】パチンコ島台の内部を示す正面図である。
【図4】貯留タンクの内部を透視した状態の斜視図である。
【図5】貯留タンクの上方部分を取り除いた状態の斜視図である。
【図6】貯留タンクの下部隅角部に設けられる各誘導路を示す斜視図である。
【図7】パチンコ島台のカウンター台を貯留タンクの上部に固定した状態の斜視図である。
【図8】溢れ玉樋の取付状態を示す断面図である。
【図9】一対の貯留タンクの接続部分を示す斜視図である。
【図10】一対の貯留タンクと玉揚送装置との関係を示す側方断面図である。
【図11】図2のA−A線で切断した断面図である。
【図12】図2のB−B線で切断した断面図である。
【符号の説明】
1 パチンコ島台
2 パチンコ機
3 玉返却装置
5 玉揚送装置
11 アウト玉誘導レール
12 貯留タンク(優先貯留タンク)
13 貯留タンク(非優先貯留タンク)
14 オーバーフローボックス(オーバーフロー機構)
14a 優先通路
14b 非優先通路
20 タンク基台
21 底板
22 側板
26 溢れ玉樋
33 カウンター台
34 腰板
37 導出口
39 第1のバイパス誘導路
39a 入口
39b 出口
40 第2のバイパス誘導路
40a 入口
40b 出口
41 アウト玉誘導路
41a 入口
41b 出口
42 カバー体

Claims (3)

  1. 多数のパチンコ機が並設されると共にその下部空間に配置され且つ当該パチンコ島台で使用されるパチンコ玉を貯留してその下流側の導出口からパチンコ玉を上部に揚送する玉揚送装置に向かって貯留したパチンコ玉を供給する貯留タンクを内蔵するパチンコ島台において、
    前記貯留タンクには、
    その底面隅角部に、貯留タンクの長手方向寸法とほぼ同じ長さであってその上流入口が貯留タンクの上流部分に臨むと共にその下流出口が前記導出口のやや上流側に臨む第1のバイパス誘導路と、該第1のバイパス誘導路に隣接して貯留タンクの長手方向寸法のほぼ半分の長さであってその上流入口が貯留タンクの中流部分に臨むと共にその下流出口が前記導出口のやや上流側に臨む第2のバイパス誘導路と、少なくとも一方のバイパス誘導路の上部に隣接してその上流入口が貯留タンクの上流端に接続されるアウト玉誘導レールに連通すると共にその下流出口が前記導出口の直前に臨むアウト玉誘導路と、を設け、
    その上部左右に、前記玉揚送装置によって揚送されたパチンコ玉であってオーバーフローしたパチンコ玉を貯留タンクの上流部側に向けて誘導する溢れ玉樋をほぼ水平方向に支持したことを特徴とするパチンコ島台。
  2. 請求項1記載の貯留タンクを、パチンコ島台の前記玉揚送装置の両側に各々設け、その各々の貯留タンクには、前記玉揚送装置によって揚送されたパチンコ玉であってオーバーフローしたパチンコ玉をいずれか一方の貯留タンクに優先して還流するオーバーフロー機構を接続すると共に、少なくとも非優先側の貯留タンクが内蔵されるパチンコ機列側に遊技者が獲得した賞球を返却する玉返却装置を臨ませたことを特徴とするパチンコ島台。
  3. 多数のパチンコ機が並設されると共にその下部空間に配置され且つ当該パチンコ島台で使用されるパチンコ玉を貯留してその下流側の導出口からパチンコ玉を上部に揚送する玉揚送装置に向かって貯留したパチンコ玉を供給する貯留タンクを内蔵するパチンコ島台において、
    前記貯留タンクには、
    その底面隅角部に、貯留タンクの長手方向寸法とほぼ同じ長さであってその上 流入口が貯留タンクの上流部分に臨むと共にその下流出口が前記導出口のやや上流側に臨む第1のバイパス誘導路と、該第1のバイパス誘導路に隣接して貯留タンクの長手方向寸法のほぼ半分の長さであってその上流入口が貯留タンクの中流部分に臨むと共にその下流出口が前記導出口のやや上流側に臨む第2のバイパス誘導路と、少なくとも一方のバイパス誘導路の上部に隣接してその上流入口が貯留タンクの上流端に接続されるアウト玉誘導レールに連通すると共にその下流出口が前記導出口の直前に臨むアウト玉誘導路と、を設け、
    その上部左右に、前記玉揚送装置によって揚送されたパチンコ玉であってオーバーフローしたパチンコ玉を貯留タンクの上流部側に向けて誘導する溢れ玉樋をほぼ水平方向に支持し、
    前記貯留タンクの側板に、前記各誘導路の側面の一部が臨み且つ各誘導路を点検するための点検開口を形成したことを特徴とするパチンコ島台。
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