JP4081829B2 - パチンコ島台 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数のパチンコ機が並設されると共にそのほぼ中央部にパチンコ玉を上部に揚送する玉揚送装置を設置し、その玉揚送装置の一側に並設されるパチンコ機から排出されるパチンコ玉を回収する第1の回収通路と玉揚送装置の他側に並設されるパチンコ機から排出されるパチンコ玉を回収する第2の回収通路とが接続される貯留タンクが内蔵されたパチンコ島台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、遊技者が獲得した賞球を玉返却装置を介してパチンコ島台に直接返却して、従来のように景品交換場に返却された賞球を各パチンコ島台に還流するための機構を省略するものが提案されている。このようなパチンコ島台には、返却されるパチンコ玉を貯留するために大型の貯留タンクが内蔵されている。
【0003】
このような貯留タンクを備えたパチンコ島台として、出願人は、先に特願平7−56684号(特開平8−224354号として出願公開されている)を提案した。この先行技術は、玉揚送装置の一側に並設されるパチンコ機から排出されるパチンコ玉を回収する第1の回収通路と玉揚送装置の他側に並設されるパチンコ機から排出されるパチンコ玉を回収する第2の回収通路とが貯留タンクに接続され、その貯留タンクからのみ玉揚送装置にパチンコ玉を供給するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、貯留タンクに内在されない第2の回収通路の末端が、ただ単に貯留タンクの前板の中程に形成された接続口に接続されているだけであるため、貯留タンク内に多量のパチンコ玉が貯留されている場合には、第2の回収通路から回収されるパチンコ玉がその貯留玉によって閉塞されるため、貯留タンク内に流入し得ない構造となっている。このため、第2の回収通路によって回収されたパチンコ玉であってパチンコ機から排出された汚れたパチンコ玉が第2の回収通路に滞った状態が長く続くために第2の回収通路内で玉詰まり等のトラブルが発生するという欠点があった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、パチンコ機から排出されて回収通路によって貯留タンク内に回収されたパチンコ玉を貯留されるパチンコ玉より優先して玉揚送装置に供給することができるパチンコ島台を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために本発明が採用した具体的な解決手段について図面を参照して説明する。図1に示すように、多数のパチンコ機2が並設されると共にそのほぼ中央部にパチンコ玉を上部に揚送する玉揚送装置5を設置し、その玉揚送装置5の一側に並設されるパチンコ機2から排出されるパチンコ玉を回収する第1の回収通路9a,34と玉揚送装置5の他側に並設されるパチンコ機2から排出されるパチンコ玉を回収する第2の回収通路9b,34a,43とが接続される貯留タンク20が内蔵されたパチンコ島台1において、前記貯留タンク20には、前記第1の回収通路9a,34の一部であるアウト玉バイパス誘導路34が内在され、その内部下流側に前記アウト玉バイパス誘導路34と第2の回収通路9b,34a,43とからそれぞれ排出されるパチンコ玉の合流部46が当該貯留タンク20の下流端側に形成されると共に、当該合流部46が該合流部46の上部を覆うように固定される圧抜き板36,37を設けることにより内部に貯留されるパチンコ玉の玉圧を受けない状態で形成され、前記合流部46から排出されるパチンコ玉を前記玉揚送装置5の導入樋5aに供給するようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
このように構成することにより、第2の回収通路9b,34a,43から貯留タンク20に移送されるパチンコ玉が貯留タンク20に貯留される玉圧に邪魔されることなく貯留タンク20内に移送され且つ合流部46からスムーズに玉揚送装置5に供給されるものである。また、合流部46を貯留タンク20内に形成したので、合流部を貯留タンク20の外側に形成する場合に比べて、貯留タンク20から玉揚送装置5までの距離を短くすることができるため、貯留タンク20の傾斜底板22の下流端を低くすることができ、これによって貯留タンク20の玉の貯留量を増大することができる。更に、予め合流部46を貯留タンク20内に形成したことにより、従来のように合流部を貯留タンクの外側に取り付ける作業を遊技場でしていた場合に比べて作業能率が向上すると共に、製造工場で大量生産することができるという利点もある。
【0007】
また、図4に示すように、前記貯留タンク20は、傾斜状の底板22と前板25と後板24と側板23とによって上面が開放した直方体状のボックスとして構成され、前記合流部46は、前記圧抜き板36,37の下方であって前記貯留タンク20の下流端側の底板22に固定されて貯留玉を一方の側板23に向けて誘導する誘導板38によって形成される合流通路47を含み、前記第1の回収通路9a,34の末端であるアウト玉バイパス誘導路34の端部を前記合流通路47に臨ませると共に前記第2の回収通路9b,34a,43の末端である連絡樋43の端部を前記前板25の前記圧抜き板36より下部に形成される連絡開口42に接続し、該連絡開口42に対面する位置に連絡開口42から排出されるパチンコ玉を前記合流通路47に導く垂直板40を立設することにより、第1の回収通路9a,34、及び第2の回収通路9b,34a,43を流下するパチンコ玉、貯留タンク20に貯留されるパチンコ玉を合流通路47でスムーズに合流させることができる。
【0008】
更に、図5に示すように、前記第1の回収通路9a,34の貯留タンク内20に内在される部分であるアウト玉バイパス誘導路34の末端を前記合流通路47の上流側で底板22よりも高い位置に臨ませると共に、前記垂直板40と前板25とで形成される移送玉通路41の末端を前記合流通路47の下流側で底板22よりも高い位置に臨ませ、前記第1の回収通路9a,34及び前記第2の回収通路9b,34a,43から排出されるパチンコ玉を前記貯留タンク20に貯留されるパチンコ玉より優先して前記玉揚送装置5の導入樋5aに供給することにより、パチンコ機2で使用されて汚れたパチンコ玉を優先的に玉揚送装置5で研磨して揚送することができ、パチンコ玉の研磨効率を向上させることができると共に、長期的に見れば、貯留タンク20に貯留されるパチンコ玉のほとんどが研磨済のパチンコ玉となって貯留タンク20をきれいに保つことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るパチンコ島台1の概略構成について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ島台1の内部を一側から見た側面図であり、図2は、パチンコ島台1のほぼ中央部を同じく一側から見た側面図であって玉揚送装置5部分を省略してオーバーフローボックス10部分を表示したものである。
【0010】
図において、パチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向側面中央にパチンコ機2を背向列設するようになっている。また、パチンコ島台1には、各パチンコ機2に挟持されるように台間玉貸機3が設けられている。この台間玉貸機3は、パチンコ機2と1対1対応するように設けられていると共に、硬貨又は紙幣、あるいはプリペイドカードによって遊技玉を貸し出すようになっている。なお、図示しないがパチンコ島台1には、遊技者が獲得した賞球を返却する玉返却装置が付設されるが、その付設箇所は、後述する玉揚送装置収納部4の隣接する1つのパチンコ機2を取り除いてその個所に設置するか、あるいは島端の外側に設置するかのいずれかである。いずれの場合でも、後述する大型の貯留タンク20が設置される側に設けることが望ましい。なお、玉返却装置には、返却口が形成され、その返却口は、図示しないが電気的駆動源(例えば、モータやソレノイド)によって開閉駆動されるようになっている。
【0011】
また、パチンコ島台1のほぼ中央には、玉揚送装置収納部4が構成され、該玉揚送装置収納部4内に玉揚送装置5が収納設置されている。本実施形態に係る玉揚送装置5は、詳細には説明しないが帯状の搬送ベルトによってパチンコ玉を揚送するものであり、その帯状の搬送ベルトがパチンコ島台1の長手方向と直交するように設置されて下部の導入樋5aから導入したパチンコ玉を上部に研磨しながら揚送して上部の排出樋5bから排出するものである。なお、導入樋5aを一方の貯留タンク20にのみ対面するように設けた理由として、搬送ベルト方式の玉揚送装置5においては、揚送する玉を内部で一列状に整列させて揚送する方式を採用しているため、整列機能を有する導入樋5aに万遍なくパチンコ玉を供給しないとパチンコ玉の揚送効率が悪くなるという欠点がある。しかして、導入樋5aにパチンコ玉を万遍なく供給するためには、パチンコ玉の流下方向と導入樋5aにおける玉の整列方向とが一致することが望ましい。このような望ましい配置にするために本実施形態のように導入樋5aを一方の貯留タンク20にのみ対面させてパチンコ玉の流下方向と導入樋5aにおける玉の整列方向とを一致させたものである。
【0012】
玉揚送装置5の上部には、揚送されたパチンコ玉を一時的に貯留する上部タンク6,7が設けられ、その上部タンク6,7から左右に補給樋8が傾斜状に設けられており、上部タンク6,7からパチンコ玉を流下させるようになっている。なお、上部タンク6,7は、玉揚送装置5の左右に配置される上部主タンク6と上部従タンク7とから構成され、排出樋5bから排出されたパチンコ玉は、一旦上部主タンク6に受け入れられた後、まず、最優先で上部主タンク6に接続される右補給樋8にパチンコ玉を補給し、次いで過剰のパチンコ玉を上部従タンク7に移送して該上部従タンク7に接続される左補給樋8にパチンコ玉を補給し、更に過剰のパチンコ玉を上部主タンク6から後述するオーバーフローボックス10の第1誘導片14に誘導するようになっている。
【0013】
補給樋8には、各パチンコ機2に対応して分配シュート(図示しない)が設けられ、補給樋8を流下するパチンコ玉を取り込むようになっている。分配シュートによって取り込まれたパチンコ玉は、分配シュートの下部に設けられる計数装置(図示しない)によって計数された後、パチンコ機2の背面上部に設けられる賞球タンクあるいは台間玉貸機3に供給され、遊技によって遊技者に払い出される賞球あるいは遊技玉として使用される。
【0014】
一方、各パチンコ機2から排出される使用済玉は、計数機能を有するアウト玉回収箱(図示しない)から下方に排出される。アウト玉回収箱から排出されたパチンコ玉は、パチンコ島台1の両端部からそのほぼ中央に立設される玉揚送装置5の下部に向けて傾斜状に設けられるアウト玉回収樋9a,9bに落下せしめられる。ただし、アウト玉回収樋9a,9bの下流側の一部は、後に詳述する貯留タンク20,21内に設けられるようになっている。しかして、図示の実施形態において、玉揚送装置5の両サイドには、貯留タンク20,21が設けられるが、玉揚送装置5の導入樋5aが対面する貯留タンク20は、大型であってパチンコ機2の横幅寸法の3〜4台分に相当する長さに形成されており(所謂1ユニット島の長さ)、その貯留タンク20の反対側に配置される貯留タンク21は、小型であってパチンコ機2の横幅寸法の1台分に相当する長さに形成されている。具体的には、貯留タンク20,21に貯留されるパチンコ玉数は、当該パチンコ島台1に設置される複数のパチンコ機2の各種の遊技状態に十分対処し得る程度(例えば、約20万個と約5万個)の大きさにそれぞれ設計される。なお、この貯留タンク20,21の詳細な構造については、後に詳述する。
【0015】
上記した貯留タンク20,21には、前記上部主タンク6からオーバフローしたパチンコ玉を下部に還流するオーバーフローボックス10がそれぞれ接続されている。オーバーフローボックス10は、玉揚送装置5の背面空間(図1の手前側空間)を利用する形で設けられた直方体状のボックスであり、図2に示すように、その内部が分岐仕切13によって縦方向に仕切られている。分岐仕切13は、オーバーフローボックス10の一側に寄せて設けられ、その幅広領域に連通する一側の通路内に複数の落下勢防止片16を段差状に交互に設けて優先通路11を構成し、その幅狭領域に連通する他側の通路内にも複数の落下勢防止片16を段差状に交互に設けて非優先通路12を構成している。即ち、上部主タンク6からオーバーフローしたパチンコ玉は、第1誘導片14及び第2誘導片15を介して優先通路11に優先的に導かれ、その優先通路11が満杯となったときに非優先通路12に溢れ出るようになっている。そして、優先通路11は、優先接続樋18を介して図1の右側の貯留タンク20(以下、優先貯留タンク20という場合がある)に連通され、非優先通路12は、非優先接続樋19を介して図1の左側の貯留タンク21(以下、非優先貯留タンク21という場合がある)に連通するようになっている。このように、本実施形態においては、オーバーフロー機構を従来のフレキシブルパイプに代えてボックス状に構成したので、還流されるパチンコ玉による騒音の発生を極めて小さくすることができると共に、還流機能だけでなく相当量のパチンコ玉(本実施形態においては、約2〜3万個)を貯留する貯留機能もあるので、従来使用されていなかった空間を利用してパチンコ島台1内部における玉の貯留空間として有効に利用し得る。なお、非優先通路12の中程よりやや上部内側に満タン検出センサ17が取り付けられ、この満タン検出センサ17が貯留玉を検出したときには、玉揚送装置5の駆動が停止されるようになっている。
【0016】
また、優先貯留タンク20の内側側壁には、貯留玉量を検出するための玉量検出センサ48が設けられている。本出願人らの実験によれば、貯留タンク20内のパチンコ玉の貯留変化は、各貯留タンク20の上流側から順次滞留するものであることが分かった。このため、玉量検出センサ48は、ほぼ水平方向の直線状に配置し、優先貯留タンク20の下流側にある玉量検出センサ48が貯留量が上限に近づきつつあることを検出して図示しない玉返却装置の返却口を閉じるように制御されるものである。なお、図示しないが、パチンコ島台1の島端上部には、玉量検出センサ48の検出信号に基づいて優先貯留タンク20内の貯留量を報知する貯留レベル報知器が設けられている。
【0017】
次に、貯留タンク20,21のより詳細な構造について図3乃至図5を参照して説明する。図3は、貯留タンク20,21と玉揚送装置5との関係を示す斜視図であり、図4は、貯留タンク20,21の内部を透視した状態の斜視図であり、図5は、優先貯留タンク20の内部の合流部分の拡大側面図である。
【0018】
まず、優先貯留タンク20の構造について説明すると、優先貯留タンク20は、パチンコ島台1のカウンター台板26より下方の下部空間に設置される上面が開放した直方体状のタンク基台によって構成されている。タンク基台は、底板22と側板23と後板24と前板25とからなり、底板22は、後板24から前板25に向かって傾斜していると共に一側の側板23に向かっても僅かに傾斜しており、その傾斜下端側板23側の下部隅角部に後に詳述する貯留玉バイパス誘導路35及びアウト玉バイパス誘導路34が設けられている。
【0019】
また、優先貯留タンク20の内部には、前端上部に上段プレート30が傾斜状に固定され、その上段プレート30の両サイドに所定の間隔を開けて一対の溢れ玉樋33が接続されている。この左右一対の溢れ玉樋33は、図示しないが、適宜間隔を置いてその一端が側板23に蝶番によって固定され、その他端がカウンター台板26の後端に適宜間隔を置いて固着される支柱27に止着される調節金具28に取り付けられている。しかして、調節金具28は、溢れ玉樋33の短辺方向の傾斜角度を調節するもので、溢れ玉樋33の傾斜角度を、前記オーバーフローボックス10の優先通路11及び優先接続樋18から流下するパチンコ玉や図示しないアウト玉回収箱から落下する大部分のパチンコ玉を優先貯留タンク20の後板24に向けて流下させるように作用し、その流下する過程で一部のパチンコ玉を一対の溢れ玉樋33の間隔から優先貯留タンク20の貯留空間に落下させるように調節されるものである。なお、溢れ玉樋33を転動するパチンコ玉が後端まで到達することなく途中で落下する割合を調節するためには、前記調節金具28の調節ネジによって行うことができる。なお、優先接続樋18が接続される前板25の上部一側には、溢れ玉入口29が切り欠き形成されている。
【0020】
また、上段プレート30には、その下流側中央に上段プレート30に落下したパチンコ玉を左右の溢れ玉樋33に分岐するための分流突起板31が突設され、その上流側中央に下方に落下する落下口32が形成されている。この落下口32は、オーバーフローされた過剰のパチンコ玉を優先貯留タンク20の貯留部に落下させるためのものである。
【0021】
また、優先貯留タンク20の下流端部であって前記上段プレート30の下方には、圧抜き板36が傾斜状に設けられ、その圧抜き板36の先端部が下方に折曲された折曲片37となっている。この圧抜き板36は、パチンコ玉が大量に貯留されている場合に、次に説明する各誘導路34,35を流下するパチンコ玉以外の貯留されているパチンコ玉の合流通路47への流出を確実に行うためであると共に、非優先貯留タンク21から移送されるパチンコ玉をスムーズに移送するための合流部46を構成するものである。したがって、この圧抜き板36の折曲片37の先端と後述するアウト玉バイパス誘導路34との間隔がパチンコ玉の直径よりも小さくなるように固定されていると共に、次に説明する誘導板38の上面を覆うように固定されている。なお、折曲片37の下端辺は、アウト玉バイパス誘導路34の上端との間隔がパチンコ玉の直径よりも小さくなるだけでなく、例えば、アウト玉バイパス誘導路34と貯留玉バイパス誘導路35とが分離設置された場合の各誘導路34,35、及び誘導板38の上端部との間隔がパチンコ玉の直径よりも小さくなるように形成することが望ましい。
【0022】
また、タンク基台の底板22の流下端(前端)には、底板22を流下するパチンコ玉をその傾斜にしたがって導くためのほぼ三角形状の誘導板38が固着されており、その誘導板38の誘導先に合流通路47が形成され、該合流通路47の末端部に相当する前板25に導出口39が開設されている。導出口39の外側には、玉揚送装置5の導入樋5aに接続される連結樋50が止着されている。
【0023】
ところで、上記した合流通路47の上流側には、優先貯留タンク20の隅角部に敷設されるアウト玉バイパス誘導路34及び貯留玉バイパス誘導路35の流下端が臨むようになっている。アウト玉バイパス誘導路34及び貯留玉バイパス誘導路35は、上下に積層状に構成されるが、下段の貯留玉バイパス誘導路35は、優先貯留タンク20の長手方向寸法より若干短い長さであってその上流入口が優先貯留タンク20の上流部分に臨むと共にその下流出口が合流通路47からやや離れた上流側に臨むようになっている。一方、上段のアウト玉バイパス誘導路34は、その上流端が優先貯留タンク20の後板24に接続されて前記アウト玉回収樋9aに連通しており、その下流出口が合流通路47の上流の直前位置に臨むようになっている。つまり、アウト玉バイパス誘導路34の下流出口が貯留玉バイパス誘導路35の下流出口よりも上方であってより下流側に臨むようになっている。なお、貯留玉バイパス誘導路35の中程にも貯留玉を取り入れる取入口が形成されており、優先貯留タンク20に貯留されているパチンコ玉であって上流部及び中流部に滞留しているパチンコ玉を取り込んで下流側に導き、長期間に亘って滞留玉が一か所に滞ることがないようにしている。なお、アウト玉バイパス誘導路34と貯留玉バイパス誘導路35とを必ずしも上下に重複させる必要はなく、分離して優先貯留タンク20内に設置してもよいが、この場合でもアウト玉バイパス誘導路34を流下するパチンコ玉が優先して合流通路47に導かれるようにすれば良い。
【0024】
このように、アウト玉バイパス誘導路34の下流出口を貯留玉バイパス誘導路35の下流出口及び底板22を転動する玉の出口よりも前方で且つ上部に位置させることにより、アウト玉バイパス誘導路34からの玉を優先的に合流通路47に導き、アウト玉バイパス誘導路34及びアウト玉回収樋9aに使用済のパチンコ玉が滞留しないようにしている。なお、貯留玉バイパス誘導路35の流出出口及び底板22を転動する玉の出口から流出するパチンコ玉の合流通路47への誘導においては、それらの間に優劣はなく均等に導かれるものである。なお、上記した構成のうち、アウト玉回収樋9aとアウト玉バイパス誘導路34とが第1の回収通路を構成するものである。
【0025】
また、合流通路47の下流側には、非優先貯留タンク21側から移送されるパチンコ玉が導かれる移送玉通路41が形成されている。この移送玉通路41は、前記誘導板38の下辺部に対して垂直状に立設される垂直板40によって区画され、その垂直板40と対面する部分の前板25には、連絡開口42が開設され、該連絡開口42に連絡樋43の下流端が接続されている。連絡樋43の上流端は、非優先貯留タンク21の前板25aに開設される連絡開口42aに接続されている。
【0026】
ここで、非優先貯留タンク21の構造について簡単に説明すると、非優先貯留タンク21は、小型にしただけで優先貯留タンク20とほぼ同じ内部構造を有し、上面が開放された直方体状のタンク基台から構成されている。タンク基台は、前方に向かって下り傾斜する底板22aと左右の側板23aと後板24aと前板25aとから構成されている。前板25aの上端一側には、前記非優先接続樋19が接続される溢れ玉入口29aが形成され、その溢れ玉入口29aから流入するパチンコ玉を非優先貯留タンク21の貯留部に誘導する溢れ玉樋33aが内側上端辺に沿って固定されている。なお、この溢れ玉樋33aは、一側側板23aに沿ってだけ設けられるものであり、非優先貯留タンク21の貯留部側に傾斜して設けられている。また、底板22aの一側隅角部には、貯留玉バイパス誘導路35aが固定され、その貯留玉バイパス誘導路35aの上部にアウト玉バイパス誘導路34aが積層状に固定されている。アウト玉バイパス誘導路34aは、その上流端が後板24aに形成される回収樋接続口44に接続され、その下流端出口が連絡開口42aの直前位置に臨むようになっている。なお、回収樋接続開口44には、前述した一方のアウト玉回収樋9bの下流端が接続されるようになっている。更に、底板22aの連絡開口42aに対応しない側には、非優先貯留タンク21に貯留されるパチンコ玉を連絡開口42aに向かって誘導する三角形状の誘導板38aが固着されている。なお、上記したアウト玉バイパス誘導路34aは、溢れ玉樋33aから落下するパチンコ玉の衝撃を緩和する緩衝部材45(ゴム又は合成樹脂で形成されている)によって覆われている。
【0027】
上記した構成からなる非優先貯留タンク21においても、アウト玉回収樋9bから流入するアウト玉をアウト玉バイパス誘導路34aで優先的に連絡開口42aに導き、アウト玉の流出量が少なくなったときに非優先貯留タンク21の貯留部に貯留されていたパチンコ玉が連絡開口42aに向かって誘導されるようになっている。連絡開口42aから流出したパチンコ玉は、連絡樋43を介して優先貯留タンク20の連絡開口42から垂直板40に衝突して移送玉通路41に導かれる。移送玉通路41に導かれたパチンコ玉は、合流通路47に放出されるが、移送玉通路41の下流端高さが合流通路47よりも高く形成されているので、合流通路47を流れるパチンコ玉の流れに上部から乗ってスムーズに導出口39に導かれる。なお、上記した構成のうち、アウト玉回収樋9bとアウト玉バイパス誘導路34aと連絡樋43とが第2の回収通路を構成するものである。
【0028】
以上、実施形態に係るパチンコ島台1の構成について説明してきたが、本実施形態においては、多数のパチンコ機2が並設されると共にそのほぼ中央部にパチンコ玉を上部に揚送する玉揚送装置5を設置し、その玉揚送装置5の一側に並列されるパチンコ機2から排出されるパチンコ玉を回収する第1の回収通路としてのアウト玉回収樋9a,アウト玉バイパス誘導路34と玉揚送装置5の他側に並設されるパチンコ機2から排出されるパチンコ玉を回収する第2の回収通路としてのアウト玉回収樋9b,アウト玉バイパス誘導路34a,連絡樋43とが接続される優先貯留タンク20が内蔵されたパチンコ島台1において、優先貯留タンク20には、第1の回収通路9a,34の一部であるアウト玉バイパス誘導路34が内在されると共に、その内部下流側にアウト玉バイパス誘導路34と第2の回収通路9b,34a,43とからそれぞれ排出されるパチンコ玉の合流部46が内部に貯留されるパチンコ玉の玉圧を受けない状態で形成され、該合流部46から排出されるパチンコ玉のみを玉揚送装置5の導入樋5aに供給するようにしたので、第2の回収通路9b,34a,43から優先貯留タンク20に移送されるパチンコ玉が優先貯留タンク20に貯留される玉圧に邪魔されることなく優先貯留タンク20内に移送され且つ合流部46からスムーズに玉揚送装置5に供給されるものである。また、合流部46を優先貯留タンク20内に形成したので、合流部を優先貯留タンク20の外側に形成する場合に比べて、優先貯留タンク20から玉揚送装置5までの距離を短くすることができるため、優先貯留タンク20の傾斜底板22の下流端を低くすることができ、これによって優先貯留タンク20の玉の貯留量を増大することができる。更に、予め合流部46を貯留タンク20内に形成したことにより、従来のように合流部を貯留タンクの外側に取り付ける作業を遊技場でしていた場合に比べて作業能率が向上すると共に、製造工場で大量生産することができるという利点もある。
【0029】
また、本実施形態においては、優先貯留タンク20は、傾斜状の底板22と前板25と後板24と側板23とによって上面が開放した直方体状のボックスとして構成され、合流部46は、優先貯留タンク20の下流端側の上方から前方上部を覆うように固定される圧抜き板36,37と、該圧抜き板36,37の下方であって優先貯留タンク20の下流端側の底板22に固定されて貯留玉を一方の側板23に向けて誘導する誘導板38と、によって形成される合流通路47を含み、第1の回収通路9a,34の末端であるアウト玉バイパス誘導路34の端部を合流通路47に臨ませると共に第2の回収通路9b,34a,43の末端である連絡樋43の端部を前板25の圧抜き板36より下部に形成される連絡開口42に接続すると共に該連絡開口42に対面する位置に連絡開口42から排出されるパチンコ玉を合流通路47に導く垂直板40を立設することにより、第1の回収通路9a,34、及び第2の回収通路9b,34a,43を流下するパチンコ玉、優先貯留タンク20に貯留されるパチンコ玉を合流通路47でスムーズに合流させることができる。
【0030】
更に、第1の回収通路9a,34の貯留タンク内20に内在される部分であるアウト玉バイパス誘導路34の末端を合流通路47の上流側で底板22よりも高い位置に臨ませると共に、垂直板40と前板25とで形成される移送玉通路41の末端を合流通路47の下流側で底板22よりも高い位置に臨ませることにより、図5に示すように、第1の回収通路9a,34及び第2の回収通路9b,34a,43から排出されるパチンコ玉を優先貯留タンク20に貯留されるパチンコ玉より優先して合流通路47に導いて玉揚送装置5の導入樋5aに供給することができ、これにより、パチンコ機2で使用されて汚れたパチンコ玉を優先的に玉揚送装置5で研磨して揚送することができ、パチンコ玉の研磨効率を向上させることができると共に、長期的に見れば、優先貯留タンク20に貯留されるパチンコ玉のほとんどが研磨済のパチンコ玉となって優先貯留タンク20をきれいに保つことができる。
【0031】
なお、上記した実施形態においては、第2の回収通路の一部が小型の非優先貯留タンク21に内在されるものを示したが、アウト玉回収樋9bと連絡樋43とを直接接続して非優先貯留タンクが存在しない形式のパチンコ島台であっても、あるいは優先貯留タンク20とほぼ同じ大きさの非優先貯留タンクであってその内部に第2の回収通路の一部を内在する形式のパチンコ島台であっても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、多数のパチンコ機が並設されると共にそのほぼ中央部にパチンコ玉を上部に揚送する玉揚送装置を設置し、その玉揚送装置の一側に並設されるパチンコ機から排出されるパチンコ玉を回収する第1の回収通路と玉揚送装置の他側に並設されるパチンコ機から排出されるパチンコ玉を回収する第2の回収通路とが接続される貯留タンクが内蔵されたパチンコ島台において、前記貯留タンクには、前記第1の回収通路の一部が内在され、その内部下流側に前記第1の回収通路と第2の回収通路とからそれぞれ排出されるパチンコ玉の合流部が当該貯留タンクの下流端側に形成されると共に、当該合流部が該合流部の上部を覆うように固定される圧抜き板を設けることにより内部に貯留されるパチンコ玉の玉圧を受けない状態で形成され、前記合流部から排出されるパチンコ玉を前記玉揚送装置の導入樋に供給するようにしたので、第2の回収通路から貯留タンクに移送されるパチンコ玉が貯留タンクに貯留される玉圧に邪魔されることなく貯留タンク内に移送され且つ合流部からスムーズに玉揚送装置に供給されるものである。また、合流部を貯留タンク内に形成したので、合流部を貯留タンクの外側に形成する場合に比べて、貯留タンクから玉揚送装置までの距離を短くすることができるため、貯留タンクの傾斜底板の下流端を低くすることができ、これによって貯留タンクの玉の貯留量を増大することができる。更に、予め合流部を貯留タンク内に形成したことにより、従来のように合流部を貯留タンクの外側に取り付ける作業を遊技場でしていた場合に比べて作業能率が向上すると共に、製造工場で大量生産することができるという利点もある。
【0033】
また、前記貯留タンクは、傾斜状の底板と前板と後板と側板とによって上面が開放した直方体状のボックスとして構成され、前記合流部は、前記圧抜き板の下方であって前記貯留タンクの下流端側の底板に固定されて貯留玉を一方の側板に向けて誘導する誘導板によって形成される合流通路を含み、前記第1の回収通路の末端であるアウト玉バイパス誘導路の端部を前記合流通路に臨ませると共に前記第2の回収通路の末端である連絡樋の端部を前記前板の前記圧抜き板より下部に形成される連絡開口に接続し、該連絡開口に対面する位置に連絡開口から排出されるパチンコ玉を前記合流通路に導く垂直板を立設することにより、第1の回収通路、及び第2の回収通路を流下するパチンコ玉、貯留タンクに貯留されるパチンコ玉を合流通路でスムーズに合流させることができる。
【0034】
更に、前記第1の回収通路の貯留タンク内に内在される部分である前記アウト玉バイパス誘導路の末端を前記合流通路の上流側で前記底板よりも高い位置に臨ませると共に、前記垂直板と前記前板とで形成される移送玉通路の末端を前記合流通路の下流側で前記底板よりも高い位置に臨ませ、前記第1の回収通路及び前記第2の回収通路から排出されるパチンコ玉を前記貯留タンクに貯留されるパチンコ玉より優先して前記玉揚送装置の導入樋に供給することにより、パチンコ機で使用されて汚れたパチンコ玉を優先的に玉揚送装置で研磨して揚送することができ、パチンコ玉の研磨効率を向上させることができると共に、長期的に見れば、貯留タンクに貯留されるパチンコ玉のほとんどが研磨済のパチンコ玉となって貯留タンクをきれいに保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係るパチンコ島台の内部を一側から見た側面図である。
【図2】 パチンコ島台のほぼ中央部を同じく一側から見た側面図であって玉揚送装置部分を省略してオーバーフローボックス部分を表示したものである。
【図3】 貯留タンクと玉揚送装置との関係を示す斜視図である。
【図4】 貯留タンクの内部を透視した状態の斜視図である。
【図5】 貯留タンクの内部の合流部分の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 パチンコ島台
2 パチンコ機
5 玉揚送装置
5a 導入樋
9a アウト玉回収樋(第1の回収通路)
9b アウト玉回収樋(第2の回収通路)
10 オーバーフローボックス
11 優先通路
12 非優先通路
20 優先貯留タンク(貯留タンク)
21 非優先貯留タンク
22 底板
23 側板
24 後板
25 前板
33 溢れ玉樋
34 アウト玉バイパス誘導路(第1の回収通路)
34a アウト玉バイパス誘導路(第2の回収通路)
36 圧抜き板
37 折曲片
38 誘導板
40 垂直板
41 移送玉通路
42 連絡開口
43 連絡樋(第2の回収通路)
46 合流部
47 合流通路

Claims (3)

  1. 多数のパチンコ機が並設されると共にそのほぼ中央部にパチンコ玉を上部に揚送する玉揚送装置を設置し、その玉揚送装置の一側に並設されるパチンコ機から排出されるパチンコ玉を回収する第1の回収通路と玉揚送装置の他側に並設されるパチンコ機から排出されるパチンコ玉を回収する第2の回収通路とが接続される貯留タンクが内蔵されたパチンコ島台において、
    前記貯留タンクには、前記第1の回収通路の一部が内在され、その内部下流側に前記第1の回収通路と第2の回収通路とからそれぞれ排出されるパチンコ玉の合流部が当該貯留タンクの下流端側に形成されると共に、当該合流部が該合流部の上部を覆うように固定される圧抜き板を設けることにより内部に貯留されるパチンコ玉の玉圧を受けない状態で形成され、
    前記合流部から排出されるパチンコ玉を前記玉揚送装置の導入樋に供給するようにしたことを特徴とするパチンコ島台。
  2. 前記貯留タンクは、傾斜状の底板と前板と後板と側板とによって上面が開放した直方体状のボックスとして構成され、
    前記合流部は、前記圧抜き板の下方であって前記貯留タンクの下流端側の底板に固定されて貯留玉を一方の側板に向けて誘導する誘導板によって形成される合流通路を含み、
    前記第1の回収通路の末端を前記合流通路に臨ませると共に前記第2の回収通路の末端を前記前板の前記圧抜き板より下部に形成される連絡開口に接続し、該連絡開口に対面する位置に連絡開口から排出されるパチンコ玉を前記合流通路に導く垂直板を立設したことを特徴とする請求項1記載のパチンコ島台。
  3. 前記第1の回収通路の貯留タンク内に内在される部分の末端を前記合流通路の上流側で前記底板よりも高い位置に臨ませると共に、前記垂直板と前記前板とで形成される移送玉通路の末端を前記合流通路の下流側で前記底板よりも高い位置に臨ませ、
    前記第1の回収通路及び前記第2の回収通路から排出されるパチンコ玉を前記貯留タンクに貯留されるパチンコ玉より優先して前記玉揚送装置の導入樋に供給するようにしたことを特徴とする請求項2記載のパチンコ島台。
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