JP4089538B2 - パチンコ島台 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のパチンコ機を並設すると共に該パチンコ機で使用するパチンコ玉を循環的に利用するパチンコ島台に関するものである。
従来、一般に、複数のパチンコ機を並設してなるパチンコ島台は、その下部空間に配設した貯留タンクでパチンコ玉を貯留しておき、この貯留したパチンコ玉を玉揚送装置で揚送して再度パチンコ機に供給するようになっていた。これにより、パチンコ島台の内部では、パチンコ玉が循環的に使用されていた。また、貯留タンクには、パチンコ機から排出されたパチンコ玉であってアウト玉箱を介して排出される使用済のパチンコ玉と、揚送後パチンコ機に供給されず余剰玉還流通路を介して還流される余剰のパチンコ玉と、パチンコ島台に設けられた玉返却装置から返却されるパチンコ玉と、が送り込まれて、これらのパチンコ玉を貯留するようになっていた。
ところで、上記従来のパチンコ島台では、図9に示すように、アウト玉箱の玉排出ノズル60から排出された使用済のパチンコ玉61をそのまま自然落下させて貯留タンク62に貯留していた。このため、貯留タンク62内に多量のパチンコ玉63が貯留された状態で玉排出ノズル60からパチンコ玉61を排出した場合には、玉排出ノズル60の下方位置でパチンコ玉61が山積みされる現象が生じていた。そして、この山積みされたパチンコ玉61が玉排出ノズル60からアウト玉箱の貯留部に溜まって玉詰りを起こしたり、仮に玉詰りが生じなくてもアウト玉箱の貯留部に玉が滞った場合には、アウト玉箱から玉が溢れてしまうことがあった。このため、アウト玉箱の重要な機能である使用済玉を計数するという作業が正確に行われないという欠点があった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、パチンコ機から排出される使用済のパチンコ玉を優先的に玉揚送装置に送ることで、パチンコ機の下方位置でパチンコ玉が山積みされる現象を回避し得るパチンコ島台を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明の採用した具体的な手段について図面を参照して説明する。請求項1の発明においては、図1及び図5に示すように、複数のパチンコ機2を並設すると共に該パチンコ機2で使用するパチンコ玉を循環的に利用するパチンコ島台1において、前記複数のパチンコ機2のうちの一部のパチンコ機2の下方位置に配されて該パチンコ機2から排出される使用済のパチンコ玉をアウト玉箱7を介してその貯留部9a・50aに貯留する貯留タンク9・50と、該貯留タンク9・50に貯留されるパチンコ玉を揚送して前記パチンコ機2に供給する玉揚送装置5と、を備え、前記貯留タンク9・50には、前記貯留部9a・50aに貯留されるパチンコ玉が所定高さ以上となったときにその所定高さ以上となったパチンコ玉を前記貯留部9a・50aに貯留することなく前記貯留タンク9・50の外部に設けられる中継ボックス37に誘導する上部優先通路51と、該上部優先通路51によって前記中継ボックス37に誘導されたパチンコ玉を前記玉揚送装置5に優先的に誘導する下部優先通路24と、からなる優先通路を設け、前記一部のパチンコ機2に対応して設けられるアウト玉箱7の下端を前記上部優先通路51よりもやや上方の前記上部優先通路51を避けた前記貯留部9a・50aに臨ませることにより、当該アウト玉箱7の下端から排出されたパチンコ玉が直接的に前記貯留部9a・50aに落下するようにすると共に、該アウト玉箱7から排出されたパチンコ玉が前記貯留部9a・50aに貯留されて前記上部優先通路51の高さ以上となったときに前記アウト玉箱7から排出される後続のパチンコ玉を前記貯留部9a・50aに貯留されているパチンコ玉に当たって前記上部優先通路51側に向かって弾かれることにより、前記上部優先通路51及び前記下部優先通路24を介して前記玉揚送装置5に優先的に誘導することを特徴とする。
また、請求項2の発明において、上記請求項1の貯留タンク9・50には、その底面(底板18)に端部から前記玉揚送装置5に向けて下り傾斜状に配置され且つ任意の箇所に貯留部9a・50aに貯留されるパチンコ玉を取り込む取込口25aが形成された玉誘導路25を設け、前記アウト玉箱7の下端を前記取込口25aのほぼ上方位置に対応させたことを特徴とする。
請求項1の発明においては、アウト玉箱7から排出されたパチンコ玉が貯留部9a・50aに貯留されて所定の高さ(上部優先樋51の高さ)以上となった場合、アウト玉箱7からのパチンコ玉は、アウト玉箱7の下方位置で山積みされることなく優先通路51・24を介して優先的に玉揚送装置5に送られる。このため、アウト玉箱7の下方位置でパチンコ玉が山積みされることに起因して発生するアウト玉箱7での玉詰り及び玉溢れを防止することができ、アウト玉箱7による使用済玉の計数作業が正確に行われ、ひいてはパチンコ島台1の内部でパチンコ玉を円滑に循環することができる。
請求項2の発明においては、玉誘導路25を設けることで貯留タンク9・50内の上流乃至下流に位置するパチンコ玉を均等に玉揚送装置5に送ることができる。このため、貯留タンク9・50内の一定部分にパチンコ玉を長期間に亘って滞留させることがなく、結果として滞留に伴うパチンコ玉のサビ付き防止することができる。また、このような構成において、玉誘導路25の取込口25aでパチンコ玉が偏り減少する現象が生ずるが、その場合には、その減少部分にアウト玉箱7からのパチンコ玉が確実に補われるため、貯留タンク9・50内でのパチンコ玉の偏り減少が回避される。従って、貯留したパチンコ玉の玉量を検出する玉量検出手段を貯留タンクに設けた場合でも、パチンコ玉の偏り減少がないためパチンコ玉の適正な貯留管理が行える。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、図1を参照して本実施形態に係るパチンコ島台1の概略構成について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ島台1の縦断面図である。図1において、パチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向側面中央にパチンコ機2を背向並設するようになっている。また、パチンコ島台1には、その中央部の玉揚送装置収納部4の一側にパチンコ機2で獲得したパチンコ玉を返却するための玉返却装置3もパチンコ機2と並列状に設けられるが、この玉返却装置3は、後述する非優先側の貯留タンク10が内蔵されるパチンコ機列側に設けられることが望ましい。これは、通常の営業状態でほとんど満杯状態となることのない非優先側の貯留タンク10への玉返却装置3からの賞球の返却を確実に行うことができるからである。なお、玉返却装置3には、返却口が形成され、その返却口から返却されたパチンコ玉(賞球)は、後述する搬送樋27・28上に導かれるようになっている。さらに、玉返却装置3の返却口は、図示しないが電気的駆動源(例えば、モータやソレノイド)によって開閉駆動されるようになっている。
また、パチンコ島台1のほぼ中央には、玉揚送装置収納部4が構成され、該玉揚送装置収納部4内に玉揚送装置5が収納設置されている。本実施形態に係る玉揚送装置5は、詳細には図示しないが帯状の搬送ベルトによってパチンコ玉を揚送するものであり、その帯状の搬送ベルトがパチンコ島台1に対して縦方向に設置されてパチンコ玉を上部に揚送するものである。玉揚送装置5の上部には、揚送されたパチンコ玉を一時的に貯留する上部タンク6が設けられている。その上部タンク6からは、左右に図示しない補給樋が傾斜状に設けられており、上部タンク6からパチンコ玉を流下させるようになっている。この補給樋には、各パチンコ機2に対応して分配シュート(図示しない)が設けられ、補給樋を流下するパチンコ玉を取り込むようになっている。分配シュートによって取り込まれたパチンコ玉は、分配シュートの下部に設けられる計数装置(図示しない)によって計数された後、パチンコ機2の背面上部に設けられる賞球タンク(図示しない)に供給され、遊技によって遊技者に払い出される賞球として使用される。なお、図1中には、台間玉貸機を設けないパチンコ島台1を図示しているが、各パチンコ機2に挟まれるようにして台間玉貸機を設けた構成とした場合には、この台間玉貸機にも対応するように分配シュートが設けられるものである。
一方、各パチンコ機2から排出される使用済玉は、計数機能を有するアウト玉箱7の玉排出ノズル7a(図2参照)から下方に排出される。この玉排出ノズル7aは、貯留タンク9・10の上部に設けられる後述の上部優先樋29に臨んで配される。これにより、アウト玉箱7から排出されたパチンコ玉は、貯留タンク9・10内の上部優先樋29に導かれるようになっている。なお、貯留タンク9・10は、それぞれパチンコ機2の3〜4台分に相当する長さに形成されるため(所謂1ユニット島の長さ)、その貯留タンク9・10が収納されるユニット島の外側にさらにユニット島が接続される場合(多くの場合接続される)には、その外側に接続されるユニット島の下部中央にアウト玉誘導レール8が設けられる。このアウト玉誘導レール8の下流端は、貯留タンク9・10の上流部外側に設けられる後述の中継ボックス37に連通するようになっている。
また、パチンコ島台1の下部であって玉揚送装置5の両サイドには、貯留タンク9・10が設けられている。この貯留タンク9・10には、多量のパチンコ玉を貯留する程大きく形成される。具体的には、貯留タンク9・10の貯留部9a・10aに貯留されるパチンコ玉数は、当該パチンコ島台1に設置される複数のパチンコ機2の各種の遊技状態に十分対処し得る程度(例えば、各15〜20万個ずつ)の大きさに設計される。なお、この貯留タンク9・10の詳細な構造については、後に詳述する。
上記した貯留タンク9・10には、上部タンク6からオーバーフローしたパチンコ玉を下部に還流するオーバーフローボックス11がそれぞれ接続されている。オーバーフローボックス11は、玉揚送装置5の隣接空間を利用する形で設けられた直方体状のボックスであり、その内部が分岐仕切12によって縦方向に仕切られている。分岐仕切12は、オーバーフローボックス11の一側に寄せて設けられ、その幅広領域に連通する一側の通路内に複数の流下板を段差状に交互に設けてボックス優先通路11aを構成し、その幅狭領域に連通する他側の通路内にも複数の流下板を段差状に交互に設けてボックス非優先通路11bを構成している。即ち、上部タンク6からオーバーフローしたパチンコ玉は、ボックス優先通路11aに優先的に導かれ、そのボックス優先通路11aが満杯となったときにボックス非優先通路11bに溢れ出るようになっている。そして、ボックス優先通路11a及びボックス非優先通路11bは、それぞれ後述する玉導入口22bを介して左側の貯留タンク9(以下、優先貯留タンク9という場合がある)及び右側の貯留タンク10(以下、非優先貯留タンク10という場合がある)に連通するようになっている。このように、本実施形態においては、オーバーフロー機構を従来のフレキシブルパイプに代えてボックス状に構成したので、還流されるパチンコ玉による騒音の発生を極めて小さくすることができると共に、還流機能だけでなく相当量のパチンコ玉(本実施形態においては、約2〜3万個)を貯留する貯留機能もあるので、従来使用されていなかった空間を利用してパチンコ島台1内部における貯留空間として有効に利用し得る。
また、貯留タンク9・10の内側側壁には、それぞれ貯留玉量を検出するための貯留レベル検出センサ13a〜13e・14a〜14eが設けられている。本出願人らの実験によれば、貯留タンク9・10内のパチンコ玉の貯留変化は、各貯留タンク9・10の上流側から滞留するものであることが分かった。このため、貯留レベル検出センサ13a〜13e・14a〜14eは、ほぼ水平方向の直線状に配置し、貯留タンク9・10の各上流側に配された貯留レベル検出センサ13a・14aで貯留量の下限を検出する一方、貯留タンク9・10の各下流側に配された貯留レベル検出センサ13e・14eで貯留量の上限を検出する構成としている。そして、これら検出センサ13a〜13e・14a〜14eの検出信号に基づいて、パチンコ島台1の両端外部に取り付けられた貯留レベル報知器15が貯留タンク9・10内の貯留量を報知するようになっている。
次に、貯留タンク9・10の詳細な構造について説明する。先ず、非優先貯留タンク10について図2及び図3を参照して説明する。非優先貯留タンク10は、図2に示すように、カウンター台16より下方の下部空間に設置される直方体状のタンク基台17によってパチンコ玉の貯留部10aを構成しており、該タンク基台17は、底板18と、接続底板19と、左右一対の側壁板20・21と、前壁板22と、後壁板23と、から形成されている。底板18は、後壁板23から前壁板22に向かう長手方向と、側壁板20から側壁板21に向かう幅方向と、で傾斜状に設けられており、この幅方向の傾斜下端と側壁板21との間には、底板18の長手方向の傾斜に沿って接続底板19が取り付けられている。接続底板19の上面には、下部優先樋24と玉誘導路25とが上下二段に設けられている。下部優先樋24は、タンク10内に貯留されるパチンコ玉が入り込まないような閉断面形状をなし、その後端部は、図3に示すように、後壁板23に穿設された玉導入口23bに接続されている。一方、玉誘導路25は、タンク10内に貯留されるパチンコ玉を取り込むための取込口25aがその中央部及び後端部に形成されている。なお、本実施形態では、玉誘導路25の中央部の2箇所及び後端部の1箇所からなる計3箇所に取込口25aを設けているが、これに限らず、少なくとも玉誘導路25の中央部乃至後端部、言い換えれば貯留タンク10の中流部乃至上流部に取込口25aを設けた構成であればよい。また、下部優先樋24の前端部は、玉誘導路25の前端部よりも前壁板22側に延びた位置に配されている。接続底板19の前端部は、前壁板22に穿設された玉導出口22aに接続されており、該玉導出口22aは、玉揚送装置5側の導入樋41に接続されている。
また、タンク基台17の前端を形成する側壁板20・21及び前壁板22の上部には、T字状の上段プレート26が後端側に下り傾斜して固設されている。T字状を形取る上段プレート26の切込部26aは、側壁板20・21及び前壁板22との間で貫通穴を形成している。上段プレート26の前端部は、前壁板22に穿設された玉導入口22bに接続されている。また、側壁板20・21の内面上部には、それぞれ後端側に下り傾斜した平板状の搬送樋27・28が所定間隔を空けて固設されている。この搬送樋27・28は、各前端部が上段プレート26の後端部に接続される一方、各後端部が後壁板23から所定の間隔を置いて配されている。上段プレート26の後端部中央には、プレート26上を流下するパチンコ玉を左右の搬送樋27・28に分岐する分流突起26bが突設されている。各搬送樋27・28の間には、後端側に下り傾斜した断面コの字状の上部優先樋29が設けられている。この上部優先樋29は、前端部が上段プレート26の後端側に配される一方、後端部が後壁板23に穿設された玉導出口23aを介して中継ボックス37に連通されている。なお、上記切込部26aによって形成された貫通穴は、前記玉返却装置3からパチンコ玉が送り込まれるのと同時に玉導入口22bからパチンコ玉が送り込まれたときに、玉導入口22bからのパチンコ玉の一部をそのまま落下させることで、玉導入口22b付近での玉詰りを防止するようになっている。
また、タンク基台17の前端であって上段プレート26の下方には、圧抜きプレート30が後端側に下り傾斜して固設されている。圧抜きプレート30は、タンク10内にパチンコ玉が大量に貯留されている場合、タンク10の前端(パチンコ玉の流下端)にかかるパチンコ玉の圧力を分散させてパチンコ玉の円滑な流下を招来するようになっている。この圧抜きプレート30と底板18との間には、仕切板31〜34が設けられている。仕切板31・32によって仕切られたその内部空間は、前壁板22に穿設された玉導入口22cと連通されることで、該玉導入口22cから送り込まれるパチンコ玉の転送路35(図3中の実線矢印)を形成している。仕切板31・32の外部と仕切板33・34との間の空間は、前壁板22に穿設された玉導入口22dと連通されることで、該玉導入口22dから送り込まれるパチンコ玉の転送路36(図3中の一点鎖線矢印)を形成している。また、タンク基台17の後端となる後壁板23の外面には、中継ボックス37が設けられている。この中継ボックス37には、前記アウト誘導レール8を接続する玉導入口37aが穿設されると共に、そのアウト誘導レール8乃至上部優先樋29からのパチンコ玉を後壁板23の玉導入口23bに誘導する誘導片37b・37cが設けられている。なお、中継ボックス37は、貯留タンク10の満タン時にアウト誘導レール8乃至上部優先樋29からパチンコ玉が送り込まれる場合には、そのパチンコ玉を一時的に貯留する機能を有している。
しかして、上記した非優先貯留タンク10は、玉導入口22bを介してボックス非優先通路11bから還流玉を受け入れると共に、玉返却装置3から返却玉を受け入れる。そして、この還流玉と返却玉とをそれぞれ上段プレート26及び搬送樋27・28で流下させてタンク基台17の底板18上に貯留し、これを玉導出口22aから玉揚送装置5側の導入樋41に導出する。なお、搬送樋27・28を流下するパチンコ玉の流量が多い場合、パチンコ玉の一部は、搬送樋27・28と上部優先樋29との間隙から直接的に底板18上に落下される。また、貯留後に玉導出口22aから導出されるパチンコ玉は、貯留順に圧抜きプレート30を介して導出されるものと、取込口25aで取り込まれて玉誘導路25から導出されるものと、の2種類がある。このように、本実施形態では、取込口25aが形成された玉誘導路25を貯留タンク10に設けることで、タンク10内の上流乃至下流に位置するパチンコ玉を均等に玉揚送装置5に送ることができる。このため、貯留タンク10内の一定部分にパチンコ玉を長期間に亘って滞留させることがなく、結果として滞留に伴うパチンコ玉のサビ付きを防止することができる。また、非優先貯留タンク10は、図4に示すように、前記アウト玉箱7の玉排出ノズル7aから排出された使用済玉を上部優先樋29(又はアウト誘導レール8)を介して受け入れる。そして、この使用済玉を中継ボックス37及び下部優先樋24を介してタンク9の下流端に転送し、これを玉導出口22aから玉揚送装置5側の導入樋41に導出する。
次に、優先貯留タンク9の構造を図1に基づいて説明する。なお、優先貯留タンク9は、前述の非優先貯留タンク10とほぼ同様な構造をなしているため、貯留タンク10と同一機能を有する構成部材については同一の符号を付記すると共に、その詳細な説明を省略するものである。優先貯留タンク9は、ボックス優先通路11aから受け入れた還流玉を上段プレート26及び搬送樋27・28で流下させて底板18上に貯留し、これを導入樋38に転送する。導入樋38に転送されたパチンコ玉は、ミニリフト39の揚送によって非優先貯留タンク10の前記玉導入口22dに送り込まれる。なお、優先貯留タンク9の底板18上には、非優先貯留タンク10と同様な玉誘導路25が設けられている。また、優先貯留タンク9は、並設されたパチンコ機2からの使用済玉を上部優先樋29及びアウト誘導レール8を介して受け入れる。そして、この使用済玉を中継ボックス37及び下部優先樋24を介してバイパスレール40に転送し、該バイパスレール40から非優先貯留タンク10の前記玉導入口22cに送り込む。このように、優先貯留タンク9は、受け入れたパチンコ玉を直接的に玉揚送装置5に導出するのではなく、ミニリフト39又はバイパスレール40を介して非優先貯留タンク10に送り込む。即ち、本実施形態のパチンコ島台1では、貯留タンク9・10で受け入れたパチンコ玉を貯留タンク10側の玉導出口22aから一括して玉揚送装置5に導出する構成となっている。
ところで、本実施形態に係る貯留タンク10は、玉導出口22aの近傍構造(下部優先樋24や転送路35・36等)に基づいて、玉導出口22aから導出するパチンコ玉の優先順位を決定している。具体的に、このパチンコ玉の導出優先順位は、玉導出口22aに導かれるパチンコ玉の種類によって決定されている。玉導出口22aに導かれるパチンコ玉の種類は、以下に示す(1)〜(4)の4種類である。
(1)非優先貯留タンク10の底板18上に貯留されるパチンコ玉、言い換えれば非優先貯留タンク10に送り込まれる還流玉及び返却玉。なお、この(1)のパチンコ玉は、前述した貯留順に圧抜きプレート30を介して導出されるものと、取込口25aで取り込まれて玉誘導路25から導出されるものと、を合せたパチンコ玉である。
(2)非優先貯留タンク10の下部優先樋24を流下するパチンコ玉、言い換えれば非優先貯留タンク10に送り込まれる使用済玉。
(3)優先貯留タンク9の底板18上に貯留されるパチンコ玉、言い換えれば優先貯留タンク9に送り込まれる還流玉。
(4)優先貯留タンク9の下部優先樋24を流下するパチンコ玉、言い換えれば優先貯留タンク9に送り込まれる使用済玉。
このうち、最も優先的に玉導出口22aから導出されるパチンコ玉は、タンク10内を通って直接的に玉導出口22aに導かれる(2)のパチンコ玉である。2番目は、タンク9内を通って直接的にタンク10内の転送路35に導かれる(4)のパチンコ玉である。3番目は、タンク9内に貯留された後にミニリフト39を介してタンク10内の転送路36に導かれる(3)のパチンコ玉である。4番目は、タンク10内に貯留された後に圧抜きプレート30又は玉誘導路25を介して玉導出口22aに導かれる(1)のパチンコ玉である。また、玉揚送装置5が1分間に揚送するパチンコ玉の数を15000個とすると共に、ミニリフト39が1分間に揚送(優先貯留タンク9から非優先貯留タンク10への転送)するパチンコ玉の数を10000個とした場合には、各種パチンコ玉の1分間当りの揚送個数は、おおよそ(1)のパチンコ玉が1000個、(2)のパチンコ玉が2000個、(3)のパチンコ玉が10000個、(4)のパチンコ玉が2000個、となる。即ち、本実施形態のパチンコ島台1では、並設した複数のパチンコ機2から1分間に排出される4000個程度の使用済玉((2)及び(4)のパチンコ玉)を最優先で揚送し、次に優先貯留タンク9から非優先貯留タンク10へ1分間に転送される10000個程度の還流玉((3)のパチンコ玉)を揚送して、最後に非優先貯留タンク10内に貯留された還流玉及び返却玉((1)のパチンコ玉)から残りの1000個程度を揚送する。
以上、実施形態に係る貯留タンク9・10の構成について説明してきたが、この実施形態は、本発明の実施形態ではないものの主要な構成が類似する実施形態である。そして、この実施形態によれば、貯留タンク9・10には、アウト玉箱7の下端が臨む上部優先樋29と、該上部優先樋29から転送されるパチンコ玉を玉揚送装置5に導く閉断面形状の下部優先樋24と、を設けている。このように構成することにより、貯留タンク9・10内に多量のパチンコ玉が貯留された状態でアウト玉箱7からパチンコ玉を排出した場合でも、アウト玉箱7からのパチンコ玉は、アウト玉箱7の下方位置で山積みされることなく上部優先樋29及び下部優先樋24を介して優先的に玉揚送装置5に送られる。このため、アウト玉箱7の下方位置でパチンコ玉が山積みされることに起因して発生するアウト玉箱7での玉詰り及び玉溢れを防止することができ、アウト玉箱7による使用済玉の計数作業が正確に行われ、ひいてはパチンコ島台1の内部でパチンコ玉を円滑に循環することができる。
なお、上記実施形態(第一実施形態)の貯留タンク9・10では、アウト玉箱7から排出されるパチンコ玉を全て断面コの字状の上部優先樋29(及びアウト玉誘導レール8)で受け止めて、これを優先的に玉揚送装置5に導出しているが、この構成と異なる実施形態として本発明の実施形態である第二実施形態の構成を図5乃至図8を参照して説明する。第二実施形態の貯留タンク50は、上部優先樋29を除いて前記第一実施形態の貯留タンク9・10と同一の構成部材から構成されている。このため、以下の説明では、第一実施形態と同一の構成部材については同一の符号を付記すると共に、第一実施形態と異なる構成についてのみ説明を行う。また、第一実施形態と異なる構成は、左右の貯留タンクで同一部分となっているため、右側の非優先貯留タンク50を例に挙げて説明する。第二実施形態の貯留タンク50は、図5及び図6に示すように、各搬送樋27・28の間に平板状の上部優先樋51を備えている。この上部優先樋51は、各搬送樋27・28と所定の間隔を置いた状態でタンク50の後端側(上流側)に下り傾斜して配され、その前端部が上段プレート26の後端側に配される一方、後端部が後壁板23に穿設された玉導出口23aを介して中継ボックス37に連通されている。また、上部優先樋51の上方に配されるアウト玉箱7の玉排出ノズル7aは、図7(A)(B)に示すように、上部優先樋51と搬送樋27・28との間隙に対応して配される。
次に、上記した上部優先樋51による使用済玉の転動動作について説明する。先ず、図7(A)に示すように、タンク50内で貯留するパチンコ玉が比較的少ない状態、具体的には貯留するパチンコ玉の上端部が上部優先樋51及び搬送樋27・28よりも下方に位置する状態では、玉排出ノズル7aから排出される使用済玉は、上部優先樋51と搬送樋27・28との間隙から直接的にタンク50内の貯留部に落下する。このため、パチンコ玉の貯留量が少ない状態では、上部優先樋51による使用済玉の転動動作は行われない。これに対して、図7(B)に示すように、タンク50内で多量のパチンコ玉を貯留した状態、具体的には貯留するパチンコ玉の上端部が上部優先樋51及び搬送樋27・28よりも上方に位置して、このパチンコ玉が上部優先樋51と搬送樋27・28との間隙を覆った状態では、玉排出ノズル7aからの使用済玉は、上部優先樋51と搬送樋27・28との間隙を覆ったパチンコ玉によって上部優先樋51側に弾かれ、その上部優先樋51上を流下する。即ち、パチンコ玉の貯留量が多い状態でのみ、上部優先樋51によるパチンコ玉の転動動作が行われる。なお、上部優先樋51上を流下した使用済玉は、図8に示すように、一旦、中継ボックス37に入った後、下部優先樋24を通ってタンク50の下流端に導かれる。
以上のように、第二実施形態に係る上部優先樋51は、タンク50内でのパチンコ玉の貯留量が多いときには、アウト玉箱7から排出される使用済玉を転動して優先的にタンク50の下流端(玉導出口22a)に導くようになっている。従って、貯留タンク50内に多量のパチンコ玉が貯留された状態でアウト玉箱7からパチンコ玉を排出した場合でも、アウト玉箱7からのパチンコ玉は、アウト玉箱7の下方位置で山積みされることなく優先的に玉揚送装置5に送られる。このため、アウト玉箱7の下方位置でパチンコ玉が山積みされることに起因して発生するアウト玉箱7での玉詰り及び玉溢れを防止することができ、アウト玉箱7による使用済玉の計数作業が正確に行われ、ひいてはパチンコ島台1の内部でパチンコ玉を円滑に循環することができる。
また、上記した上部優先樋51とアウト玉箱7の玉排出ノズル7aとの関係は、タンク50内でのパチンコ玉の貯留量が少ないとき、アウト玉箱7からの使用済玉を転動せずにそのまま貯留部50aに落下させる構成となっている。このため、貯留玉のサビ付き防止用に設けた玉誘導路25の取込口25aで貯留玉が偏り減少するような現象に対しては、その減少部分をアウト玉箱7からの使用済玉で補うことができる。従って、貯留レベル検出センサ13a〜13e・14a〜14e(玉量検出手段)でパチンコ玉の貯留量を検出するときでも、貯留玉の偏り減少がないためタンク50内のパチンコ玉を適正に貯留管理することができる。なお、このような貯留玉の偏り減少部分を使用済玉で補う構成においては、アウト玉箱7(玉排出ノズル7a)の下端を取込口25aのほぼ上方位置(貯留玉の偏り減少位置)に対応させることが望ましく、この構成を採用することにより、玉排出ノズル7aからの使用済玉で貯留玉の偏り減少部分をより確実に補わせることができる。
なお、以上説明した実施形態から把握できる発明として以下のものがある。
(1)前記貯留タンクは、前記玉揚送装置の左側方に配される左側貯留タンクと、玉揚送装置の右側方に配される右側貯留タンクと、から構成され、これら左右の貯留タンクのいずれか一方の貯留タンク(優先貯留タンク9)に送り込まれたパチンコ玉を他方の貯留タンク(非優先貯留タンク10)に送り込み、この他方の貯留タンクから一括して玉揚送装置にパチンコ玉を導出することを特徴とする。このように構成することにより、玉揚送装置の左右側方に一対の貯留タンクを設けてパチンコ島台の内部でより多量なパチンコ玉を循環するような場合でも、玉揚送装置へのパチンコ玉の導出優先順位を明確化することができ、ひいてはパチンコ島台での円滑なパチンコ玉の循環が可能になる。
本発明の一実施形態におけるパチンコ島台を示す縦断面図である。 パチンコ機と非優先貯留タンクとを示す斜視図である。 非優先貯留タンク内でのパチンコ玉の流れを示す説明図である。 上部優先樋及び下部優先樋でのパチンコ玉の流れを示す説明図である。 第二実施形態におけるパチンコ機と非優先貯留タンクとを示す斜視図である。 第二実施形態における非優先貯留タンク内でのパチンコ玉の流れを示す説明図である。 同図(A)(B)はそれぞれ第二実施形態における上部優先樋でのパチンコ玉の流れを示す説明図である。 第二実施形態における上部優先樋及び下部優先樋でのパチンコ玉の流れを示す説明図である。 従来例の貯留タンクにパチンコ玉が貯留される状態を示す説明図である。
符号の説明
1 パチンコ島台
2 パチンコ機
3 玉返却装置
5 玉揚送装置
7 アウト玉箱
7a 玉排出ノズル
8 アウト玉誘導レール
9・10 貯留タンク
11 オーバーフローボックス
16 カウンター台
17 タンク基台
18 底板
19 接続底板
20・21 側壁板
22 前壁板
22a 玉導出口
22b〜22d 玉導入口
23 後壁板
23a 玉導出口
23b 玉導入口
24 下部優先樋
25 玉誘導路
25a 取込口
27・28 搬送樋
29 上部優先樋
35・36 転送路
37 中継ボックス
37a 玉導入口
39 ミニリフト
40 バイパスレール

Claims (2)

  1. 複数のパチンコ機を並設すると共に該パチンコ機で使用するパチンコ玉を循環的に利用するパチンコ島台において、
    前記複数のパチンコ機のうちの一部のパチンコ機の下方位置に配されて該パチンコ機から排出される使用済のパチンコ玉をアウト玉箱を介してその貯留部に貯留する貯留タンクと、
    該貯留タンクに貯留されるパチンコ玉を揚送して前記パチンコ機に供給する玉揚送装置と、を備え、
    前記貯留タンクには、前記貯留部に貯留されるパチンコ玉が所定高さ以上となったときにその所定高さ以上となったパチンコ玉を前記貯留部に貯留することなく前記貯留タンクの外部に設けられる中継ボックスに誘導する上部優先通路と、該上部優先通路によって前記中継ボックスに誘導されたパチンコ玉を前記玉揚送装置に優先的に誘導する下部優先通路と、からなる優先通路を設け、
    前記一部のパチンコ機に対応して設けられるアウト玉箱の下端を前記上部優先通路よりもやや上方の前記上部優先通路を避けた前記貯留部に臨ませることにより、当該アウト玉箱の下端から排出されたパチンコ玉が直接的に前記貯留部に落下するようにすると共に、該アウト玉箱から排出されたパチンコ玉が前記貯留部に貯留されて前記上部優先通路の高さ以上となったときに前記アウト玉箱から排出される後続のパチンコ玉が前記貯留部に貯留されているパチンコ玉に当たって前記上部優先通路側に向かって弾かれることにより、前記上部優先通路及び前記下部優先通路を介して前記玉揚送装置に優先的に誘導することを特徴とするパチンコ島台。
  2. 前記貯留タンクには、
    その底面に端部から前記玉揚送装置に向けて下り傾斜状に配置され且つ任意の箇所に貯留部に貯留されるパチンコ玉を取り込む取込口が形成された玉誘導路を設け、
    前記アウト玉箱の下端を前記取込口のほぼ上方位置に対応させたことを特徴とする請求項1記載のパチンコ島台。
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