以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、図1を参照して本実施形態に係るパチンコ島台1の概略構成について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ島台1の縦断面図である。図1において、パチンコ島台1は、周知のように、直方体状に枠組み構成され、その長手方向側面中央にパチンコ機2を背向並設するようになっている。また、パチンコ島台1には、その中央部の玉揚送装置収納部4の一側にパチンコ機2で獲得したパチンコ玉を返却するための玉返却装置3もパチンコ機2と並列状に設けられている。この玉返却装置3は、後述する非優先側の貯留タンク9が内蔵されるパチンコ機列側に設けられることが望ましい。これは、通常の営業状態でほとんど満杯状態となることのない非優先側の貯留タンク9への玉返却装置3からの賞球の返却を確実に行うことができるからである。なお、玉返却装置3には、図2に示すように、返却口3aが形成され、その返却口3aから返却されたパチンコ玉(賞球)は、接続樋3bを介して後述する搬送樋48・49上に導かれるようになっている。さらに、玉返却装置3の返却口3aは、対面するパチンコ島台1の貯留量が減少した状態となったとき(例えば、対面するパチンコ島台1の後述する玉量センサS1がOFFしたとき)、又は、自身のパチンコ島台1の貯留量がほぼ上限に達した状態となったとき(例えば、後述する玉量センサS5がONしたとき)に、図示しない電気的駆動源(例えば、モータやソレノイド)によって開閉駆動される開閉蓋又は表示板によって返却動作が禁止され、その状態が解除されたときに開放されるようになっている。
また、パチンコ島台1のほぼ中央には、玉揚送装置収納部4が構成され、該玉揚送装置収納部4内に玉揚送装置5が収納設置されている。本実施形態に係る玉揚送装置5は、帯状の搬送ベルト5aによってパチンコ玉を揚送するものであり、その帯状の搬送ベルト5aがパチンコ島台1に対して縦方向(直交方向)に設置されてパチンコ玉を上部に揚送するものである。玉揚送装置5の上部には、揚送されたパチンコ玉を一時的に貯留する上部タンク6が設けられている。その上部タンク6からは、左右に図示しない補給樋が傾斜状に設けられており、上部タンク6からパチンコ玉を流下させるようになっている。この補給樋には、各パチンコ機2に対応して分配シュート(図示しない)が設けられ、補給樋を流下するパチンコ玉を取り込むようになっている。分配シュートによって取り込まれたパチンコ玉は、分配シュートの下部に設けられる計数装置(図示しない)によって計数された後、パチンコ機2の背面上部に設けられる賞球タンク(図示しない)に供給され、遊技によって遊技者に払い出される賞球として使用される。なお、図1中には、台間玉貸機を設けないパチンコ島台1を図示しているが、各パチンコ機2に挟まれるようにして台間玉貸機を設けた場合には、分配シュートの玉供給蛇腹を2本に増設して、そのうちの1本をパチンコ機2に、また他方の1本を台間玉貸機にそれぞれ接続するようにすれば良い。
一方、各パチンコ機2から排出される使用済玉は、計数機能を有するアウト玉箱7の玉排出ノズル(図示しない)から下方に排出される。この玉排出ノズルは、貯留タンク9・10の上部に個々に設けられる後述の上部優先樋50・29に臨んで配される。これにより、アウト玉箱7から排出されたパチンコ玉は、貯留タンク9内の上部優先樋50又は貯留タンク10内の上部優先樋29に導かれるようになっている。なお、貯留タンク9・10は、それぞれパチンコ機2の3〜4台分に相当する長さに形成されるため(所謂1ユニット島の長さ)、その貯留タンク9・10が収納されるユニット島の外側にさらにユニット島が接続される場合(多くの場合接続される)には、その外側に接続されるユニット島の下部中央にアウト玉誘導レール8が設けられ、貯留タンク9・10の上方位置から外れたパチンコ機2から排出される使用済玉が受け入れられるようになっている。このアウト玉誘導レール8の下流端は、貯留タンク9・10の上流部外側に個々に設けられる後述の中継ボックス51・37に連通するようになっている。
また、パチンコ島台1の下部であって玉揚送装置5の両サイドには、貯留タンク9・10が設けられている。この貯留タンク9・10には、多量のパチンコ玉を貯留する程大きく形成される。具体的には、貯留タンク9・10の貯留部9a・10aに貯留されるパチンコ玉数は、当該パチンコ島台1に設置される複数のパチンコ機2の各種の遊技状態に十分対処し得る程度(例えば、各15〜20万個ずつ)の大きさに設計される。なお、この貯留タンク9・10の詳細な構造については、後に詳述する。
上記した貯留タンク9・10には、上部タンク6からオーバーフローしたパチンコ玉を下部に還流するオーバーフローボックス11がそれぞれ接続されている。オーバーフローボックス11は、玉揚送装置5の隣接空間を利用する形で設けられた直方体状のボックスであり、その内部が分岐仕切12によって縦方向に仕切られている。分岐仕切12は、図7に示すように、オーバーフローボックス11の一側に寄せて設けられ、その幅広領域に連通する一側の通路内に複数の流下板12aを段差状に交互に設けてボックス優先通路11aを構成し、その幅狭領域に連通する他側の通路内にも複数の流下板12aを段差状に交互に設けてボックス非優先通路11bを構成している。即ち、上部タンク6からオーバーフローしたパチンコ玉は、ボックス優先通路11aに優先的に導かれ、そのボックス優先通路11aが満杯となったときにボックス非優先通路11bに溢れ出るようになっている。そして、ボックス優先通路11a及びボックス非優先通路11bは、それぞれ後述する上段プレート26・47を介して右側の貯留タンク10(以下、優先貯留タンク10という場合がある)及び左側の貯留タンク9(以下、非優先貯留タンク9という場合がある)に連通するようになっている。このように、本実施形態においては、オーバーフロー機構を従来のフレキシブルパイプに代えてボックス状に構成したので、還流されるパチンコ玉による騒音の発生を極めて小さくすることができると共に、還流機能だけでなく相当量のパチンコ玉(本実施形態においては、約2〜3万個)を貯留する貯留機能もあるので、従来使用されていなかった空間を利用してパチンコ島台1内部における貯留空間として有効に利用し得る。
また、貯留タンク9・10の内側側壁には、それぞれ貯留玉量を検出するための玉量センサS1〜S5が設けられている。本出願人らの実験によれば、貯留タンク9・10内のパチンコ玉の貯留変化は、各貯留タンク9・10の上流側から滞留するものであることが分かった。このため、玉量センサS1〜S5は、ほぼ水平方向の直線状に配置し、優先貯留タンク10の上流側に配された玉量センサS1で貯留量の下限を検出する一方、非優先貯留タンク9の下流側に配された玉量センサS5で貯留量の上限を検出する構成としている。そして、これら検出センサS1〜S5の検出信号に基づいて、パチンコ島台1の両端外部に取り付けられた貯留レベル報知器15が貯留タンク9・10内の貯留量を報知するようになっている。なお、図1中には、符号を付した玉量センサ以外の玉量センサも描かれてはいるが、これらの玉量センサは貯留量を表示するためだけに使用されるものである。
次に、貯留タンク9・10の詳細な構造について説明する。先ず、優先貯留タンク10について図3及び図4を参照して説明する。優先貯留タンク10は、図3に示すように、パチンコ機2の下端に配設されるカウンター台16(図1参照)より下方の下部空間に設置される直方体状のタンク基台17によってパチンコ玉の貯留部10aを構成しており、該タンク基台17は、底板18と、接続底板19と、左右一対の側壁板20・21と、前壁板22と、後壁板23と、から形成されている。底板18は、後壁板23から前壁板22に向かう長手方向と、側壁板20から側壁板21に向かう幅方向と、で傾斜状に設けられており、この幅方向の傾斜下端と側壁板21との間には、底板18の長手方向の傾斜に沿って接続底板19が取り付けられている。接続底板19の上面には、下部優先樋24と玉誘導路25とが上下二段に設けられている。下部優先樋24は、優先タンク10内に貯留されるパチンコ玉が入り込まないような閉断面形状をなし、その後端部は、図4に示すように、後壁板23に穿設された玉導入口23bに接続されている。一方、玉誘導路25は、優先タンク10内に貯留されるパチンコ玉を取り込むための取込口25aがその中央部及び後端部に形成されている。なお、本実施形態では、玉誘導路25の中央部及び後端部の計2箇所に取込口25aを設けているが、これに限らず、少なくとも玉誘導路25の中央部乃至後端部、言い換えれば優先タンク10の中流部乃至上流部に取込口25aを設けた構成であればよい。また、下部優先樋24の前端部は、玉誘導路25の前端部よりも前壁板22側に延びた位置に配されている。接続底板19の前端部は、前壁板22に穿設された玉導出口22aに接続されている。
また、タンク基台17の前端を形成する側壁板20・21及び前壁板22の上部には、T字状の上段プレート26が後端側に下り傾斜して固設されている。T字状を形取る上段プレート26の切込部26aは、側壁板20・21及び前壁板22との間で貫通穴を形成している。上段プレート26の前端部は、前壁板22に穿設された玉導入口22bに接続されている。また、側壁板20・21の内面上部には、それぞれ後端側に下り傾斜した平板状の搬送樋27・28が所定間隔を空けて固設されている。この搬送樋27・28は、各前端部が上段プレート26の後端部に接続される一方、各後端部が後壁板23から所定の間隔を置いて配されている。上段プレート26の後端部中央には、上段プレート26上を流下するパチンコ玉を左右の搬送樋27・28に分岐する分流突起26bが突設されている。各搬送樋27・28の間には、後端側に下り傾斜した断面コの字状の上部優先樋29が設けられている。この上部優先樋29は、前端部が上段プレート26の後端側に配される一方、後端部が後壁板23に穿設された玉導出口23aを介して中継ボックス37に連通されている。なお、上記切込部26aによって形成された貫通穴は、前記玉返却装置3からパチンコ玉が送り込まれるのと同時に玉導入口22bからパチンコ玉が送り込まれたときに、玉導入口22bからのパチンコ玉の一部をそのまま落下させることで、玉導入口22b付近での玉詰りを防止するようになっている。
また、タンク基台17の前端であって上段プレート26の下方には、圧抜きプレート30が後端側に下り傾斜して固設されている。圧抜きプレート30は、優先タンク10内にパチンコ玉が大量に貯留されている場合、優先タンク10の前端(パチンコ玉の流下端)にかかるパチンコ玉の圧力を分散させてパチンコ玉の円滑な流下を招来するようになっている。この圧抜きプレート30と底板18との間には、仕切板31〜34が設けられている。仕切板31・32によって仕切られたその内部空間は、前壁板22に穿設された玉導入口22cと連通されることで、該玉導入口22cから送り込まれるパチンコ玉の転送路35(図4参照)を形成している。仕切板31・32の外部と仕切板33・34との間の空間は、前壁板22に穿設された玉導入口22dと連通されることで、該玉導入口22dから送り込まれるパチンコ玉の転送路36(図4参照)を形成している。また、この転送路36には、該転送路36内でのパチンコ玉の滞留状態を検出する滞留検出センサS7が設けられている(図1参照)。タンク基台17の後端となる後壁板23の外面には、中継ボックス37が設けられている。この中継ボックス37には、前記アウト玉誘導レール8を接続する玉導入口37aが穿設されると共に、そのアウト玉誘導レール8乃至上部優先樋29からのパチンコ玉を後壁板23の玉導入口23bに誘導する誘導片37b・37cが設けられている。なお、中継ボックス37は、下部優先樋24での玉詰り時にアウト玉誘導レール8乃至上部優先樋29からパチンコ玉が送り込まれる場合、そのパチンコ玉を一時的に貯留する機能を有している。
しかして、上記した優先貯留タンク10は、玉導入口22bを介してボックス優先通路11aから還流玉を受け入れる。そして、この還流玉を上段プレート26及び搬送樋27・28で流下させてタンク基台17の底板18上に貯留し、これを玉導出口22aから玉揚送装置5に導出する。なお、搬送樋27・28を流下するパチンコ玉の流量が多い場合、パチンコ玉の一部は、搬送樋27・28と上部優先樋29との間隙から直接的に底板18上に落下される。また、貯留後に玉導出口22aから導出されるパチンコ玉は、貯留順に圧抜きプレート30を介して導出されるものと、取込口25aで取り込まれて玉誘導路25から導出されるものと、の2種類がある。このように、本実施形態では、取込口25aが形成された玉誘導路25を貯留タンク10に設けることで、優先タンク10内の上流乃至下流に位置するパチンコ玉を均等に玉揚送装置5に送ることができる。このため、優先タンク10内の一定部分にパチンコ玉を長期間に亘って滞留させることがなく、結果として滞留に伴うパチンコ玉のサビ付きを防止することができる。また、優先貯留タンク10は、前記アウト玉箱7の玉排出ノズルから排出された使用済玉を上部優先樋29(又はアウト玉誘導レール8)を介して受け入れる。そして、この使用済玉を中継ボックス37及び下部優先樋24を介して優先タンク10の下流端に転送し、これを玉導出口22aから玉揚送装置5に導出する。
次に、非優先貯留タンク9について図5及び図6を参照して説明する。非優先貯留タンク9は、優先貯留タンク10と同様にカウンター台16より下方の下部空間に設置されると共に、図5に示すように、直方体状のタンク基台40によってパチンコ玉の貯留部9aを構成している。タンク基台40は、底板41と、左右一対の側壁板42・43と、前壁板44と、後壁板45と、から形成されている。底板41は、後壁板45から前壁板44に向かう長手方向で傾斜状に設けられており、側壁板43寄りの底板41上には、前記玉誘導路25と同様な玉誘導路46が設けられている。即ち、この玉誘導路46は、非優先貯留タンク9内に貯留されるパチンコ玉を流路途中で取り込む取込口46aが形成されて、非優先タンク9内での滞留に伴うパチンコ玉のサビ付きを防止するようになっている。
また、タンク基台40の前端を形成する側壁板42・43及び前壁板44の上部には、T字状の上段プレート47が後端側に下り傾斜して固設されている。T字状を形取る上段プレート47の切込部47aは、側壁板42・43及び前壁板44との間で貫通穴を形成している。側壁板42・43の内面上部には、それぞれ後端側に下り傾斜した平板状の搬送樋48・49(図5中には、搬送樋49のみを図示)が所定間隔を空けて固設されている。この搬送樋48・49は、各前端部が上段プレート47の後端部に接続される一方、各後端部が後壁板45から所定の間隔を置いて配されている。上段プレート47の後端部中央には、プレート47上を流下するパチンコ玉を左右の搬送樋48・49に分岐する分流突起47bが突設されている。各搬送樋48・49の間には、後端側に下り傾斜した断面コの字状の上部優先樋50が設けられている。この上部優先樋50は、前端部が上段プレート47の後端側に配される一方、後端部が後壁板45に穿設された玉導出口45aを介して中継ボックス51に連通されている。中継ボックス51には、図6に示すように、前記アウト玉誘導レール8を接続する玉導入口51aが穿設されると共に、そのアウト玉誘導レール8乃至上部優先樋50からのパチンコ玉を後壁板45の玉導入口45bに誘導する誘導片51b・51cが設けられている。また、中継ボックス51は、下部優先樋52の玉詰り時にアウト玉誘導レール8乃至上部優先樋50からパチンコ玉が送り込まれる場合、そのパチンコ玉を一時的に貯留する機能を有している。なお、中継ボックス51を非優先タンク9内に内蔵した状態で製造しても良い。後壁板45の玉導入口45bには、非優先タンク9内で前端側に下り傾斜して配される下部優先樋52の後端部が接続されている。この下部優先樋52は、上部優先樋50と玉誘導路46との間の高さ位置で側壁板43の内面に固設され、非優先タンク9内に貯留されるパチンコ玉が入り込まないような閉断面形状をなしている。
また、タンク基台40の前端であって上段プレート47の下方には、仕切板53〜55が設けられている。これらの仕切板53〜55によって仕切られた空間は、前壁板44に穿設された玉導出口44aと下部優先樋52の前端部との連通路を形成している。また、タンク基台40の前端下側には、圧抜きプレート56が後端側に下り傾斜して固設されており、この圧抜きプレート56の下方空間が前壁板44に穿設された玉導出口44bと玉誘導路46の前端部との連通路を形成している。なお、前壁板44と側壁板42との隅角部に位置する底板41上には、非優先貯留タンク9内のパチンコ玉を玉導出口44bに誘導する誘導片57が設けられている。また、玉導出口44bには、該玉導出口44b近傍でのパチンコ玉の滞留状態を検出する滞留検出センサS6が設けられている(図1参照)。
しかして、上記した非優先貯留タンク9は、上段プレート47を介してボックス非優先通路11bから還流玉を受け入れると共に、玉返却装置3から返却玉を受け入れる。そして、この還流玉と返却玉とをそれぞれ搬送樋48・49で流下させてタンク基台40の底板41上に貯留し、これを玉導出口44bから導出する。なお、搬送樋48・49を流下するパチンコ玉の流量が多い場合、パチンコ玉の一部は、搬送樋48・49と上部優先樋50との間隙から直接的に底板41上に落下される。貯留後に玉導出口44bから導出されるパチンコ玉は、貯留順に圧抜きプレート56を介して導出されるものと、取込口46aで取り込まれて玉誘導路46から導出されるものと、の2種類がある。また、非優先貯留タンク9は、前記アウト玉箱7の玉排出ノズルから排出された使用済玉を上部優先樋50(又はアウト玉誘導レール8)を介して受け入れる。そして、この使用済玉を中継ボックス51及び下部優先樋52を介してタンク9の下流端に転送し、これを玉導出口44aから導出する。なお、滞留検出センサS6の設置位置は、図示の位置よりも上流側であってもよい。
次に、上記した非優先貯留タンク9と優先貯留タンク10との間に配設される各種構成部材について説明する。各貯留タンク9・10間には、図7及び図8に示すように、非優先タンク9側の玉導出口44aと優先タンク10側の玉導入口22cとを接続する接続樋59と、非優先タンク9側の玉導出口44bと優先タンク10側の玉導入口22dとを接続する小型玉揚送装置60と、が設けられている。小型玉揚送装置60は、搬送路62を傾斜状に支持し、その搬送路62の下部一側に導入樋63を接続し、その上部他側に排出樋64を接続してなる。導入樋63の末端部は非優先タンク9側の玉導出口44bに接続され、排出樋64の末端部は優先タンク10側の玉導入口22dに接続されている。搬送路62には、詳細には図示しないが、玉係止条が平行に形成されたコンベアベルトが旋回するように周設され、この旋回駆動は、基板(図示しない)上に設けられたモータ66の出力軸に固着されるプーリ67とコンベアベルトを駆動するローラ68との間に掛け渡されるVベルト69によって行われる。また、搬送路62には、詳細には図示しないが、コンベアベルトの駆動で異常が生じた場合これを検出する異常検出センサが設けられており、小型玉揚送装置60の空回り異常や玉詰り異常が即座に検出でき、異常発生の対応を確実に行うことができる。
しかして、非優先タンク9側の玉導出口44aから導出されるパチンコ玉は、接続樋59を流下して優先タンク10側の玉導入口22c(転送路35)に転送される。一方、非優先タンク9側の玉導出口44bから導出されるパチンコ玉は、導入樋63を介して小型玉揚送装置60の搬送路62に送り込まれ、コンベアベルトの駆動に伴って揚送された後に排出樋64を介して優先タンク10側の玉導入口22d(転送路36)に転送される。
このように、本実施形態に係るパチンコ島台1では、優先貯留タンク10に貯留されたパチンコ玉は導入樋72から玉揚送装置5に送り込まれると共に、非優先貯留タンク9に貯留されたパチンコ玉は傾斜状の底面(底板41)上を流下して小型玉揚送装置60に導出された後、小型玉揚送装置60によって優先貯留タンク10に揚送され、導入樋72から玉揚送装置5に送り込まれる。このため、非優先貯留タンク9から玉揚送装置5へのパチンコ玉の転送がスムーズに行われるのみならず、構造上優先的にパチンコ玉を貯留する優先貯留タンク10から小型玉揚送装置60を経由せずに直接玉揚送装置5にパチンコ玉を送り込むことができるので、玉揚送装置5を常に効率的に駆動することができる。
なお、優先貯留タンク10側の玉導出口22aには、図8に示すように、玉導出口22aから排出されるパチンコ玉を玉揚送装置5に導入する導入樋72と、玉導出口22aの開閉を行うシャッター装置73と、が設けられている。シャッター装置73は、通常時には玉導出口22aを開放して玉揚送装置5へのパチンコ玉の流下を可能にする一方、玉揚送装置5の故障等の異常発生時及び営業終了時には玉導出口22aを閉鎖して玉揚送装置5へのパチンコ玉の流下を阻止するようになっている。
ところで、本実施形態に係る優先貯留タンク10は、玉導出口22aの近傍構造(下部優先樋24や転送路35・36等)に基づいて、玉導出口22aから導出するパチンコ玉の優先順位を決定している。具体的に、このパチンコ玉の導出優先順位は、玉導出口22aに導かれるパチンコ玉の種類によって決定されている。玉導出口22aに導かれるパチンコ玉の種類は、以下に示す(1)〜(4)の4種類である。
(1)優先貯留タンク10の底板18上に貯留されるパチンコ玉、言い換えれば優先貯留タンク10に送り込まれる還流玉。なお、この・のパチンコ玉は、前述した貯留順に圧抜きプレート30を介して導出されるものと、取込口25aで取り込まれて玉誘導路25から導出されるものと、を合せたパチンコ玉である。
(2)優先貯留タンク10の下部優先樋24を流下するパチンコ玉、言い換えれば優先貯留タンク10に送り込まれる使用済玉。
(3)非優先貯留タンク9の底板41上に貯留されるパチンコ玉、言い換えれば非優先貯留タンク9に送り込まれる還流玉及び返却玉。
(4)非優先貯留タンク9の下部優先樋52を流下するパチンコ玉、言い換えれば非優先貯留タンク9に送り込まれる使用済玉。
このうち、最も優先的に玉導出口22aから導出されるパチンコ玉は、優先タンク10内を通って直接的に玉導出口22aに導かれる(2)のパチンコ玉である。2番目は、非優先タンク9内を通って直接的に優先タンク10内の転送路35に導かれる(4)のパチンコ玉である。3番目は、非優先タンク9内に貯留された後に小型玉揚送装置60を介して優先タンク10内の転送路36に導かれる(3)のパチンコ玉である。4番目は、優先タンク10内に貯留された後に圧抜きプレート30又は玉誘導路25を介して玉導出口22aに導かれる(1)のパチンコ玉である。また、玉揚送装置5が1分間に揚送するパチンコ玉の数を15000個とすると共に、小型玉揚送装置60が1分間に揚送(非優先貯留タンク9から優先貯留タンク10への転送)するパチンコ玉の数を7000個とした場合には、各種パチンコ玉の1分間当りの揚送個数は、おおよそ(1)のパチンコ玉が4000個、(2)のパチンコ玉が2000個、(3)のパチンコ玉が7000個、(4)のパチンコ玉が2000個、となる。即ち、本実施形態のパチンコ島台1では、並設した複数のパチンコ機2から1分間に排出される4000個程度の使用済玉((2)及び(4)のパチンコ玉)を最優先で揚送し、次に、小型玉揚送装置60が稼働しているときには非優先貯留タンク9から優先貯留タンク10へ1分間に転送される7000個程度の還流玉及び返却玉((3)のパチンコ玉)を揚送して、最後に優先貯留タンク10内に貯留された還流玉((1)のパチンコ玉)から残りの4000個程度を揚送する。一方、小型玉揚送装置60が稼働していないときは、(1)のパチンコ玉から11000個程度が揚送されることとなる。
次に、前記小型玉揚送装置60の駆動制御について、図9乃至図12を参照して、以下、説明する。図9は、制御モード選択手段としての制御ボックス80の正面図であり、図10は、制御モード選択処理手順を示すフロー図であり、図11及び図12は、小型玉揚送装置60の駆動制御処理手順を示すフロー図である。
本実施形態においては、前記小型玉揚送装置60の駆動制御は、制御モード選択手段としての制御ボックス80により、後述する出玉制御処理又は省エネ制御処理のいずれかを選択して行うことができるようになっている。図9に示すように、制御ボックス80(コンベア制御BOXと表示)は、制御ボックス80の電源のONスイッチ81,OFFスイッチ82と、電源の投入状態を示す表示ランプ83と、制御モード選択スイッチとしての出玉制御スイッチ84,省エネ制御スイッチ85と、が一体的に設けられるものである。この出玉制御スイッチ84をONすると出玉制御モードが選択され、小型玉揚送装置60の駆動制御処理手順として出玉優先制御処理が行われる。また、省エネ制御スイッチ85をONすると省エネ制御モードが選択され、小型玉揚送装置60の駆動制御処理手順として省エネ制御処理が行われる。なお、これらのスイッチにはランプが内蔵されており、スイッチを操作するとランプが点灯して、操作の確実を期すことができるようになっている。
この制御ボックス80による小型玉揚送装置60の制御モード選択処理手順について、図10を参照して説明する。まず、ステップ10で、制御ボックス80の電源が投入されているか否かが判別される。ステップ10で、電源が投入されていると判別されなかった場合は電源が投入されるまで待機することとなるが、電源が投入されていると判別された場合は、ステップ11で初期化された後、ステップ12で出玉制御モード又は省エネ制御モードのいずれが選択されているかが判別される。ステップ12で、出玉制御モードが選択されていると判別された場合には、ステップ13で小型玉揚送装置60の駆動制御処理手順として出玉優先制御処理が行われ、省エネ制御モードが選択されていると判別された場合には、ステップ14で、小型玉揚送装置60の駆動制御処理手順として省エネ制御処理が行われる。
ここで、上記したステップ13の出玉優先制御処理の内容について、図11を参照して説明する。まず、図11に示す出玉優先制御処理サブルーチンにおいて、ステップ20で、非優先貯留タンク9の玉導出口44b近傍に転送すべきパチンコ玉が滞留して導出口滞留センサS6がONしており、且つ、転送路36内でパチンコ玉が玉詰まりを起こして滞留しておらず転送路滞留センサS7がOFFしているか否かが判別される。ステップ20で、導出口滞留センサS6がONしており且つ転送路滞留センサS7がOFFしていると判別された場合には、ステップ21で、非優先貯留タンク9に貯留されたパチンコ玉を優先貯留タンク10に転送すべく、小型玉揚送装置60(コンベア1と表示)が駆動制御される。一方、ステップ20で、導出口滞留センサS6がONしており且つ転送路滞留センサS7がOFFしていると判別されなかった場合には、ステップ22で、小型玉揚送装置60が停止制御される。
このように、出玉優先制御処理によって小型玉揚送装置60を駆動制御することにより、非優先貯留タンク9に貯留されたパチンコ玉がほとんどなくなって導出口滞留センサS6が玉導出口44b近傍のパチンコ玉を検出しなくなるまで優先貯留タンク10に転送し続け、非優先貯留タンク9に貯留されたパチンコ玉を優先貯留タンク10に貯留されたパチンコ玉と共に玉揚送装置5に送り込み、その揚送能力を最大限活用することができるので、営業中に多量の賞品玉を排出する場合にも十分対応することができる一方、非優先貯留タンク9の余剰空間を増やして多量のパチンコ玉の返却に備えることができる。
次に、上記したステップ14の省エネ制御処理の内容について、図12を参照して説明する。図12において、ステップ30でフラグAがONしているか否かが判別される。このフラグAは、ステップ31で非優先貯留タンク9の貯留量が所定の玉量センサS4未満であると判別され且つステップ32で優先貯留タンク10の貯留量が所定の玉量センサS2未満であると判別された場合にステップ33でONされるものである。しかして、この省エネ制御処理においては、フラグAがONしている場合と、ONしていない場合とでは、コンベア1に対して異なる制御が行われる。
そこで、まず、フラグAがONしていない場合について説明すると、ステップ31で非優先貯留タンク9の貯留量が玉量センサS4以上と判別されている場合、即ち、非優先貯留タンク9に所定量以上の貯留量があるときには、ステップ34で導出口滞留センサS6がONで且つ転送路滞留センサS7がOFFであるか否かが判別され、導出口滞留センサS6がONで且つ転送路滞留センサS7がOFFであると判別されたときには、ステップ35でコンベア1が始動される。その後、ステップ36で優先貯留タンク10の貯留量がほぼ満杯状態を検出する玉量センサS3がONしたか否かが判別され、ONしていなければ、省エネ制御処理サブルーチンを終了し、ONしていれば、ステップ38に進んでフラグAをOFFとする。このように、玉量センサS3がONしてもコンベア1を停止せずにフラグAだけをOFFとするのは、非優先貯留タンク9の貯留量が玉量センサS4以上ある状態において、優先貯留タンク10がほぼ満杯となっていてもコンベア1を始動状態に保持しておきたいためである。
また、前記ステップ31で非優先貯留タンク9の貯留量が玉量センサS4未満であると判別されても、ステップ32で優先貯留タンク10の貯留量が玉量センサS2以上であると判別されたときには、ステップ37でコンベア1が停止された後に、ステップ38でフラグAをOFFとして省エネ制御処理サブルーチンを終了する。
このように、フラグAがONしていない場合には、非優先貯留タンク9の貯留量が所定量以上ある限り、小型玉揚送装置60が連続的に駆動され、その後、非優先貯留タンク9の貯留量が所定量以下となっても優先貯留タンク10の貯留量が所定量以上あれば、小型玉揚送装置60の駆動を停止するものである。
一方、フラグAがONしている場合について説明すると、ステップ30でフラグAがONしていると判別されたときには、ステップ31〜ステップ33の処理を実行することなく、ステップ34に進んで導出口滞留センサS6がONで且つ転送路滞留センサS7がOFFであるか否かが判別され、導出口滞留センサS6がONで且つ転送路滞留センサS7がOFFであると判別されたときには、ステップ35でコンベア1が始動される。その後、ステップ36で優先貯留タンク10の貯留量がほぼ満杯状態を検出する玉量センサS3がONしたか否かが判別され、ONしていなければ、省エネ制御処理サブルーチンを終了し、ONしていれば、ステップ38に進んでフラグAをOFFとして省エネ制御処理サブルーチンを終了するが、次のサブルーチン処理開始時にステップ30→31→32→37という処理手順が実行される。したがって、このフラグAがONしている場合には、非優先貯留タンク9及び優先貯留タンク10の貯留量が共に所定量以下となる状態が出現したときに、優先貯留タンク10の貯留量がほぼ満杯となるまで連続的に小型玉揚送装置60を駆動するものである。
つまり、省エネ制御処理においては、非優先貯留タンク9の貯留量が所定量以上あるときには、非優先貯留タンク9の貯留量が当該所定量以下であって優先貯留タンク10の貯留量が所定量以上となるまで小型玉揚送装置60を駆動し、また、非優先貯留タンク9及び優先貯留タンク10の貯留量が共に所定量以下となる状態が出現したときに、優先貯留タンク10の貯留量がほぼ満杯となるまで小型玉揚送装置60を駆動するので、前述した出玉優先制御処理における小型玉揚送装置60の稼働時間に比べてその稼働時間を少なくすることができるため、消費電力の低減を図ることができると共に小型玉揚送装置60の耐久性の向上を図ることができるという利点がある。
なお、上記した図9乃至図12に示した制御(以下、第1制御という)においては、出玉制御処理と省エネ制御処理とを任意に選択していずれか一方の制御だけを実行させるものを示したが、出玉制御処理においては、小型玉揚送装置60の省エネという点で問題がある反面、玉返却装置3から非優先貯留タンク9への急激な玉の返却動作が行われた場合、あるいは複数台のパチンコ機2等で同時に大当りが発生して優先貯留タンク10の貯留量が急激に減少したときに迅速に対応することができるという利点があり、一方、省エネ制御処理においては、小型玉揚送装置60の省エネという点で利点がある反面、非優先貯留タンク9及び優先貯留タンク10の貯留量が常時所定量あることとなるので、玉返却装置3から非優先貯留タンク9への急激な玉の返却動作が行われた場合、あるいは複数台のパチンコ機2等で同時に大当りが発生して優先貯留タンク10の貯留量が急激に減少したときに迅速に対応できない事態も考えられる。そこで、出玉制御処理と省エネ制御処理とを自動的に選択し得るように制御することが考えられるが、そのような制御(以下、第2制御という)について図13乃至図16を参照して説明する。図13は、第2制御に係る制御モード選択手段としての制御ボックス90の正面図であり、図14は、制御モード選択処理手順を示すフロー図であり、図15及び図16は、制御モード自動切換処理手順を示すフロー図である。
第2制御において、前記小型玉揚送装置60の駆動制御は、制御モード選択手段としての制御ボックス90により、出玉制御処理、タイマー制御モード又は自動制御モードのいずれかを選択して行うことができるようになっている。図13に示すように、制御ボックス90(コンベア制御BOXと表示)は、制御ボックス90の電源のONスイッチ91,OFFスイッチ92と、電源の投入状態を示す表示ランプ93と、制御モード選択スイッチとしての出玉制御スイッチ94,タイマー制御スイッチ95、自動制御スイッチ96と、現在時刻表示部97,設定時刻表示部98,現在時刻設定スイッチ99,設定時刻設定スイッチ100からなる自動制御操作部と、タイマー表示部101,タイマー設定スイッチ102,タイマースタートスイッチ103,確認ランプ104からなるタイマー制御操作部と、が一体的に設けられるものである。出玉制御スイッチ94をONすると出玉制御処理が選択され、小型玉揚送装置60の駆動制御処理手順として前述した図11に示す処理と同じ出玉優先制御処理が行われる。タイマー制御スイッチ95をONするとタイマー制御モードが選択され、後述する図16に示すタイマー制御処理が行われる。自動制御スイッチ96をONすると自動制御モードが選択され、後述する図15に示す自動制御処理が行われる。なお、これらのスイッチにはランプが内蔵されており、スイッチを操作するとランプが点灯して、操作の確実を期すことができるようになっている。
また、自動制御操作部は、自動制御スイッチ96が選択されたときに出玉制御処理と省エネ制御処理とを設定時刻が経過したときに自動的に切り換えるためのものであり、基準となる現在時刻を現在時刻設定スイッチ99で設定して現在時刻表示部97で確認した後、出玉制御処理と省エネ制御処理を切り換える時刻を設定時刻設定スイッチ100で設定して設定時刻表示部98で確認することができる。出玉制御処理と省エネ制御処理とを設定時刻が経過したときに自動的に切り換える制御の詳細については、後述する。タイマー制御操作部は、タイマー制御スイッチ95が選択されたときに出玉制御処理と省エネ制御処理とをタイマーで設定した時間が経過したときに自動的に切り換えるためのものであり、出玉制御処理と省エネ制御処理を切り換える時間をタイマー設定スイッチ102で設定してタイマー表示部101で表示させた後、タイマースタートスイッチ103でタイマーのカウントダウンを開始することができる。出玉制御処理と省エネ制御処理とを設定時間が経過したときに自動的に切り換える制御の詳細については、後述する。
次に、制御ボックス90による小型玉揚送装置60の制御モード選択処理手順について、図14を参照して説明する。まず、ステップ50で、制御ボックス90の電源が投入されているか否かが判別される。ステップ50で、電源が投入されていると判別されなかった場合は電源が投入されるまで待機することとなるが、電源が投入されていると判別された場合は、ステップ51で初期化された後、ステップ52で出玉制御モード、タイマー制御モード又は自動制御モードのいずれが選択されているかが判別される。ステップ52で、出玉制御モードが選択されていると判別された場合には、ステップ53で、前述した出玉優先制御処理が行われ、タイマー制御モードが選択されていると判別された場合には、ステップ54で、タイマー制御処理が行われ、自動制御モードが選択されていると判別された場合には、ステップ55で、自動制御処理が行われる。
ここで、上記したステップ55の自動制御処理の内容について、図15を参照して説明する。まず、図15に示す自動制御処理において、ステップ60で、設定時刻設定スイッチ100で設定された時刻を経過しているか否かが判別される。ステップ60で、設定時刻を経過していると判別された場合には、ステップ61で、前述した図11に示す出玉優先制御処理に切り換えられる。一方、ステップ60で、設定時刻を経過していると判別されなかった場合には、ステップ62で、前述した図12に示す省エネ制御処理が継続される。かかる制御は、通常営業時には省エネ制御処理を行うことにより、小型玉揚送装置60の駆動を最小限に抑えて耐久性の向上、消費電力の低減を図ることができると共に、閉店前等遊技客の景品玉の返却が集中する時間帯には自動的に出玉優先制御処理を行うことにより、非優先貯留タンク9の余剰空間を増やして多量のパチンコ玉の返却に備えることができる点で有利である。したがって、設定時刻としては、景品玉の返却が集中する時刻よりもやや早い時刻を見計らって設定すれば良いことになる。
次に、上記したステップ54のタイマー制御処理の内容について、図16を参照して説明する。まず、図16に示すタイマー制御処理において、省エネ制御処理から出玉制御処理へと切り換える時間がタイマー設定スイッチ102で設定された後、ステップ70で、タイマースタートスイッチ103がONしているか否かが判別される。ステップ70で、タイマースタートスイッチ103がONしていると判別されなければ、ステップ79で、そのまま省エネ制御処理が続けられる。一方、ステップ70で、タイマースタートスイッチ103がONしていると判別された場合には、ステップ71で確認ランプ104が点灯された後、ステップ72で既にタイマーのカウントダウンが開始されているか否かが判別される。ステップ72で、タイマーのカウントダウンが開始されていると判別されなかった場合には、ステップ73でタイマーがリセットされ、その後、ステップ74でカウントダウンが開始され、ステップ75で出玉優先制御処理に切り換えられる。ステップ75で、出玉優先制御処理に切り換えられた後は、ステップ76で、タイマーの設定時間が経過したと判別されるまでまで出玉優先制御処理が継続される。一方、ステップ72で、タイマーのカウントダウンが開始されていると判別された場合には、ステップ73のタイマーのリセット、ステップ74のカウントダウンの開始、ステップ75の出玉優先制御処理への切換は行われず、設定時間が経過するまで出玉優先制御処理が継続される。ステップ76で、タイマーの設定時間が経過したと判別された場合には、ステップ77でタイマースタートスイッチ103がOFFされ、ステップ78で確認ランプ104が消灯され、再び省エネ制御処理に切り換えられる。かかる制御は、通常営業時には省エネ制御処理を行うと共に、一日の営業中において遊技客が集中し、短時間に多量のパチンコ玉がパチンコ島台1を出入りする場合には出玉制御処理を行い、所定時間が経過した後は再び自動的に省エネ制御処理を行うことができる点で有利である。
上記したように、第2制御に係るパチンコ島台1においては、出玉制御処理と省エネ制御処理とを所望の時間が経過したときに自動的に切り換える自動切換手段としての制御ボックス90を設けたことにより、1日の営業を予測して上記した出玉制御処理、省エネ制御処理の切換作業を効率的に且つ的確に行うことができる。
なお、上記した第1実施形態に係るパチンコ島台1においては、玉返却装置3がパチンコ島台1のほぼ中央部に設けられるものを示したが、これに限定するものではなく、パチンコ島台1の島端部に設けられるものであっても良い。かかる構成を有する実施形態(以下、第2実施形態という)について、図17を参照して、以下、説明する。図17は、第2実施形態に係るパチンコ島台1Aの縦断面図である。なお、以下の説明では、第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を付すると共に、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
図において、パチンコ島台1Aの島端部(図示右側)には、パチンコ機2で獲得したパチンコ玉を返却するための玉返却装置3が設けられるが、この玉返却装置3は、優先側の貯留タンク10が内蔵されるパチンコ機列側に設けられる。これは、前述したように、返却されたパチンコ玉を優先貯留タンク10から直接玉揚送装置5にパチンコ玉を送り込むことにより、玉揚送装置5を常に効率的に駆動することができるからである。この玉返却装置3には、詳細には図示しないが、返却口が形成され、その返却口から返却されたパチンコ玉(賞球)は、接続樋を介してパチンコ島台1Aの下部中央に設けられるアウト玉誘導レール8に導かれるようになっている。このアウト玉誘導レール8は、優先貯留タンク10の上方位置から外れたパチンコ機2から排出される使用済玉と共に、玉返却装置3から返却される返却玉を受け入れ、その下流端が優先貯留タンク10の上流部外側に設けられる中継ボックス37に連通するようになっている。このように構成することにより、玉返却装置3がパチンコ島台1の島端部に設けられる場合であっても、玉揚送装置5を常に効率的に駆動することができる。
なお、第2実施形態に係るパチンコ島台1Aの小型玉揚送装置60に対する制御も、基本的には、第1実施形態に係るパチンコ島台1の第1制御及び第2制御とほぼ同じ制御で良いが、省エネ制御処理の一部のステップで相違する。即ち、図12のステップ34においては、小型玉揚送装置60の基本的な駆動条件として、導出口滞留センサS6がONでないという条件と転送路滞留センサS7がOFFでないという条件とが同時に成立したときに、コンベア1が停止されると共にフラグAがOFFにされるのに対し、第2実施形態に係るパチンコ島台1Aの省エネ制御処理においては、小型玉揚送装置60の基本的な駆動条件として、ステップ341で導出口滞留センサS6がONでないという条件の成立が判別されたときに、ステップ37でコンベア1を停止すると共にステップ38でフラグAをOFFにするが、導出口滞留センサS6がONであり、そのときステップ342で転送路滞留センサS7がONである(OFFでない)と判別されたときに、ステップ343でコンベア1を停止するだけでフラグAをOFFとしない。
このような制御を行う理由として、第1実施形態に係るパチンコ島台1のように、玉返却装置3が非優先タンク9側に臨むように配置されているときには、玉返却装置3から返却された玉が非優先タンク9側に貯留されるだけであるため、特に導出口滞留センサS7を煩雑にON・OFF動作させることはないが、第2実施形態に係るパチンコ島台1Aのように玉返却装置3が優先貯留タンク10側に臨み、しかも玉返却装置3から返却された玉がアウト玉誘導レール8及び下部優先樋24を介して玉導出口22aに急激に送り込まれるので、小型玉揚送装置60によって転送路36に送り込まれた玉が転送路36内に滞留するという事態が玉返却装置3への玉の返却動作毎に生じるため、導出口滞留センサS7が煩雑にON・OFFを繰り返すことになる。しかして、このように導出口滞留センサS7が煩雑にON・OFFを繰り返す毎にフラグAをOFFにすると、フラグAがONしているときの処理である玉量センサS3までの非優先貯留タンク9から優先貯留タンク10への玉の移動という制御が行えなくなるので、導出口滞留センサS7が煩雑にON・OFFを繰り返しても、小型玉揚送装置60を停止したり、再駆動したりしてフラグAがONしたときの動作を確実に行わしめるためである。
以上、実施形態に係るパチンコ島台1の構成及び作用について説明してきたが、本実施形態によれば、複数のパチンコ機2を並設すると共にその中央部にパチンコ玉を上部に揚送する玉揚送装置5を設置したパチンコ島台1において、前記玉揚送装置5の下部一側に返却されるパチンコ玉を優先的に貯留する優先貯留タンク10と、前記玉揚送装置5の下部他側に返却されるパチンコ玉を非優先的に貯留する非優先貯留タンク9と、を設け、前記優先貯留タンク10と前記非優先貯留タンク9の貯留量がほぼ同一となるようにその傾斜底面高さを同じにする一方、前記非優先貯留タンク9から流出するパチンコ玉を小型玉揚送装置60で前記優先貯留タンク10に転送すると共に、前記玉揚送装置5の導入樋72を前記優先貯留タンク10に臨ませたことを特徴とするものである。このように構成することにより、優先貯留タンク10に貯留されたパチンコ玉は導入樋72から玉揚送装置5に送り込まれると共に、非優先貯留タンク9に貯留されたパチンコ玉は傾斜状の底面(底板41)上を流下して小型玉揚送装置60に導出された後、小型玉揚送装置60によって優先貯留タンク10に揚送され、導入樋72から玉揚送装置5に送り込まれる。このため、非優先貯留タンク9から玉揚送装置5へのパチンコ玉の転送がスムーズに行われるのみならず、構造上優先的にパチンコ玉を貯留する優先貯留タンク10から小型玉揚送装置60を経由せずに直接玉揚送装置5にパチンコ玉を送り込むことができるので、玉揚送装置5を常に効率的に駆動することができる。
また、前記小型玉揚送装置60に向かってパチンコ玉が導出される玉導出口近傍にパチンコ玉の滞留状態を検出する導出口滞留センサ38(S6)を設けると共に、前記小型玉揚送装置60によって揚送されたパチンコ玉が転送される転送路内にパチンコ玉の滞留状態を検出する転送路滞留センサ39(S7)を設け、前記導出口滞留センサS6がパチンコ玉を検出し且つ前記転送路滞留センサS7がパチンコ玉を検出しないときに、前記小型玉揚送装置60を駆動制御することにより、非優先貯留タンク9に貯留されたパチンコ玉がほとんどなくなるまで優先貯留タンク10に転送し続け、優先貯留タンク10に貯留されたパチンコ玉と共に玉揚送装置5に送り込み、その揚送能力を最大限活用することができるので、営業中に多量の賞品玉を排出する場合にも十分対応することができる一方、非優先貯留タンク9の余剰空間を増やして多量のパチンコ玉の返却に備えることができる。
また、前記優先貯留タンク10及び前記非優先貯留タンク9のそれぞれの内側面にパチンコ玉の貯留量を検出する玉量センサ14a,14b,14c,13a,13b(S1,S2,S3,S4,S5)を設け、前記非優先貯留タンク9の貯留量が一定以上であることを所定の玉量センサS4が検出したときに該非優先貯留タンク9の貯留量が前記一定未満であり且つ前記優先貯留タンク10の貯留量が一定以上(玉量センサS2がON)となるまで前記小型玉揚送装置60を駆動制御し、前記非優先貯留タンク9の貯留量が一定未満であり且つ前記優先貯留タンク10の貯留量も一定未満であることを所定の玉量センサS4,S2が検出したときに前記優先貯留タンク10が満杯(玉量センサS3がON)になるまで前記小型玉揚送装置60を駆動制御することにより、非優先貯留タンク9の貯留量がある程度多く余剰空間が少ない場合、又は優先貯留タンク10の貯留量が少ない場合には小型玉揚送装置60を駆動し、その後、その駆動を停止させるので、小型玉揚送装置60の駆動を最小限に抑えて耐久性の向上、消費電力の低減を図ることができる。
また、前記優先貯留タンク10及び前記非優先貯留タンク9のそれぞれの内側面にパチンコ玉の貯留量を検出する玉量センサS1,S2,S3,S4,S5を設けると共に、前記小型玉揚送装置60に向かってパチンコ玉が導出される玉導出口近傍にパチンコ玉の滞留状態を検出する導出口滞留センサS6を設け、前記小型玉揚送装置60によって揚送されたパチンコ玉が転送される転送路内にパチンコ玉の滞留状態を検出する転送路滞留センサS7を設け、前記導出口滞留センサS6がパチンコ玉を検出し且つ前記転送路滞留センサS7が滞留するパチンコ玉を検出しないときに前記小型玉揚送装置60を駆動制御する出玉制御処理と、前記非優先貯留タンク9の貯留量が一定以上であることを所定の玉量センサS4が検出したときに該非優先貯留タンク9の貯留量が前記一定未満であり且つ前記優先貯留タンク10の貯留量が一定以上(玉量センサS2がON)となるまで前記小型玉揚送装置60を駆動制御し、前記非優先貯留タンク9の貯留量が一定未満であり且つ前記優先貯留タンク10の貯留量も一定未満であることを所定の玉量センサS4,S2が検出したときに前記優先貯留タンク10が満杯(玉量センサS3がON)になるまで前記小型玉揚送装置60を駆動制御する省エネ制御処理と、を任意に選択する選択手段を設けたことにより、新規開店時や新台入替時等、短時間に多量のパチンコ玉がパチンコ島台1を出入りする場合には、出玉制御処理を選択して、営業中に多量の賞品玉を排出する場合にも十分対応することができる一方、非優先貯留タンク9の余剰空間を増やして多量のパチンコ玉の返却に備えることができ、通常営業時には、省エネ制御処理を選択して、小型玉揚送装置60の駆動を最小限に抑えて耐久性の向上、消費電力の低減を図ることができる。
また、前記優先貯留タンク10及び前記非優先貯留タンク9のそれぞれの内側面にパチンコ玉の貯留量を検出する玉量センサS1,S2,S3,S4,S5を設けると共に、前記小型玉揚送装置60に向かってパチンコ玉が導出される玉導出口近傍にパチンコ玉の滞留状態を検出する導出口滞留センサS6を設け、前記小型玉揚送装置60によって揚送されたパチンコ玉が転送される転送路内にパチンコ玉の滞留状態を検出する転送路滞留センサS7を設け、前記導出口滞留センサS6がパチンコ玉を検出し且つ前記転送路滞留センサS7が滞留するパチンコ玉を検出しないときに前記小型玉揚送装置60を駆動制御する出玉制御処理と、前記非優先貯留タンク9の貯留量が一定以上であることを所定の玉量センサS4が検出したときに該非優先貯留タンク9の貯留量が前記一定未満であり且つ前記優先貯留タンク10の貯留量が一定以上(玉量センサS2がON)となるまで前記小型玉揚送装置60を駆動制御し、前記非優先貯留タンク9の貯留量が一定未満であり且つ前記優先貯留タンク10の貯留量も一定未満であることを所定の玉量センサS4,S2が検出したときに前記優先貯留タンク10が満杯(玉量センサS3がON)になるまで前記小型玉揚送装置60を駆動制御する省エネ制御処理と、を所望の時間が経過したときに自動的に切り換える自動切換手段を設けたことにより、1日の営業を予測して上記した出玉制御処理、省エネ制御処理の切換作業を効率的に且つ的確に行うことができる。