JP3883403B2 - 作業車の変速操作装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速レバーの操作位置として、複数の前進位置と変速中立位置と後進位置とを備えたトラクタなど作業車の変速操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の作業車の変速操作装置、例えば、前進位置として低速前進位置Lと高速前進位置Hとの二つを備えた変速操作装置では、図13の(イ)(ロ)に示すように、変速中立位置Nを挟んで位置する箇所のうち一方側、例えば、前方側に低速前進位置Lを配置し、他方側、例えば、後方側に高速前進位置Hと後進位置Rとを並列接続する状態で配置していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術によるときは、各操作位置間で変速レバーを移動させる変速操作経路として、中間に変速中立位置Nを備えた前後向き姿勢などの第2縦操作経路Aと、この第2縦操作経路Aの変速中立位置Nから他方側に向かって分岐させた第1縦操作経路Bとから形成されたものを設け、前記第2縦操作経路Aの一方側端に前記低速前進位置Lをかつ他方側端に前記後進位置Rをそれぞれ配置する一方、前記第1縦操作経路Bの他方側端に前記高速前進位置Hを配置する手段を採用することにより、作業時に頻繁に要求される低速前進と後進との切り換えを、変速レバーを第2縦操作経路Aに沿って一直線的に操作移動させるだけで行え、操作性が良い。
【0004】
しかし、上記従来の技術によるときは、高速前進位置Hが前進位置であるにかかわらず、変速中立位置Nの他方側、つまり、低速前進位置Lとは反対側に位置するから、高速前進する際、変速レバーを低速前進時とは逆の後方に操作することになって、運転者にまごつきを与えるといった操作面での問題があった。
【0005】
本発明の目的は、操作性を改善する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明による作業車の変速操作装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0007】
〔特徴〕
エンジンの回転動力が伝達される第1軸と、後輪デファレンシャル機構に回転動力を伝達する第2軸との間で、前記第1軸からの回転動力を変速して前記第2軸に伝達する、第1ギヤ変速部と第2ギヤ変速部とからなる変速機構を備え、
前記第1ギヤ変速部は、機体前方側に位置させた第1駆動ギヤまたは機体後方側に位置させた第2駆動ギヤを選択的に前記第1軸に連結させるクラッチユニットと、前記第2軸に連結されているとともに前記第1駆動ギヤと噛み合い可能な第1従動ギヤと、前記第2軸に連結されているとともに前記第2駆動ギヤと逆転用アイドラーギヤを介して噛み合い可能な第2従動ギヤとの組み合わせによって、前記第1軸からの回転動力を低速前進に変速して前記第2軸に伝達する低速前進変速段と、前記第1軸からの回転動力を後進低速に変速して前記第2軸に伝達する後進変速段と、中立変速段とを選択的に切り換えるように構成してあり、
前記第2ギヤ変速部は、前記第1軸に装着されている第3駆動ギヤと前記第2軸に装着されている第3従動ギヤとを、機体前方側への操作で噛合させることにより、前記第1軸からの回転動力を前記第2軸に伝達する高速前進変速段と、機体後方側への操作で前記高速前進変速段の選択を解除した状態に切り換えるように構成してあり、
前記変速機構の各変速段を選択的に切り換えるための変速レバーを備え、
その変速レバーの変速操作経路は、作業車の横方向に延びた横操作経路と、前記横操作経路から作業車の前後方向に沿って前方に延びた第1縦操作経路と、前記第1縦操作経路と間隔をあけて前記横操作経路から前記前後方向に沿って前方に延びた第2縦操作経路と、前記横操作経路から前記前後方向に沿って後方に延びた第3縦操作経路とから構成され、
前記変速レバーが前記第1縦操作経路の端部に位置することで高速前進変速段が選択され、前記変速レバーが前記第2縦操作経路の端部に位置することで低速前進変速段が選択され、前記変速レバーが前記第3縦操作経路の端部に位置することで後進変速段が選択され、前記変速レバーが前記横操作経路に位置することで中立変速段が選択されるように構成してあり、
さらに、前記低速前進変速段を備えた第2縦操作経路は、高速前進変速段を備えた前記第1縦操作経路よりも、前記横操作経路に沿う方向で前記第3縦操作経路に近づけて配設されている。
【0008】
〔作用〕
前進変速段の全部を変速中立位置の前方側に配置し、後進変速段を変速中立位置の後方側に配置してあるから、各前進変速時の変速レバーの操作方向を同じにでき、後進変速時の変速レバーの操作方向を前進時とは反対方向にすることができる。
【0009】
〔効果〕
従って、変速操作をまごつきなく行えて、使用勝手を優れたものにできるようになった。
また、低速前進と後進との切り換えを操作性良く行えるようになった。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
請求項2に係る本発明による作業車の変速操作装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0019】
〔特徴〕
上記請求項1に係る本発明による作業車の変速操作装置において、前記第3縦操作経路から第2縦操作経路へ至る変速経路部分が変速中立位置においてクランク部を形成したものである点にある。
【0020】
〔作用〕
第2縦操作経路と第3縦操作経路との間における変速中立位置にクランク部を形成することで、変速レバーを第2縦操作経路と第3縦操作経路とに沿って前進位置と後進位置との間で操作する際、変速レバーのクランク部での若干の引っ掛かりにより変速レバーが変速中立位置に操作されたことを感覚的に知ることができるようにしてあるから、変速中立位置に変速レバーが操作されたことを容易に把握することができる。
【0021】
〔効果〕
従って、第2縦操作経路と第3縦操作経路との間における直線的な変速レバーの操作で前進と後進との切り換えを操作性良く行えながらも、変速中立状態への操作を確実・容易に行えるようになった。
【0022】
請求項3に係る本発明による作業車の変速操作装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0023】
〔特徴〕
上記請求項1や2に係る本発明による作業車の変速操作装置において、前記変速レバーが運転座席の左右一側に配置されている点にある。
【0024】
〔作用〕
作業車では、変速レバーを運転座席の左右一側に配置したい場合がある。
そのような場合、変速レバーの操作方向と車体の進行方向とを一致させて使用勝手を良くすることで変速レバーを運転座席の左右一側に配置した場合であっても、所期の変速を操作性良く行うことができる点に着目して、運転座席の左右一側に変速レバーを配置した。
【0025】
〔効果〕
従って、所期の変速操作性を良好に維持しながらも、前記の要望を充足できるようになった。
【0026】
請求項4に係る本発明による作業車の変速操作装置の特徴・作用・効果は次の通りである。
【0027】
〔特徴〕
上記請求項1や2、3に係る本発明による作業車の変速操作装置において、高速前進変速段を備えた第1縦操作経路が低速前進変速段を備えた第2縦操作経路よりも機体中心側に配置されている点にある。
【0028】
〔作用〕
作業車では、高速前進よりも低速前進の方が使用頻度が高い。
上記の点に着目して、使用頻度の低い高速前進変速段を操作に制約を受けやすい機体中心側に配置し、使用頻度の高い低速前進変速段を操作しやすい機体外側に配置してあるから、使用頻度の高い低速前進への切り換えを操作性良く行えるようになった。
【0029】
〔効果〕
従って、操作性をより一層向上できるようになった。
【0030】
【発明の実施の形態】
作業車の一例であるトラクタは、図1に示すように、操向用の左右一対の駆動前輪1と左右一対の駆動後輪2とを備えた車体の前部にエンジン3を搭載し、車体の後部に運転座席4を搭載するとともに保護フレーム5を設けて構成されている。
【0031】
前記エンジン3から前記駆動後輪2に対する後輪デフ6への後輪伝動系は、図4に示すように、エンジン3の出力を断続する主クラッチ7と、この主クラッチ7の出力を変速する4段変速の主変速装置8と、この主変速装置8の出力を変速して後輪デフ6に伝達する副変速装置9を設けて構成されている。
【0032】
また、前記後輪デフ6を内装する後輪デフケース10の後部には、動力取出し軸11が装着されており、前記主クラッチ7からこの動力取出し軸11への取出し伝動系には、動力取出しクラッチ12が介装されている。
【0033】
前記副変速装置9は前記後輪デフケース10を変速ケースとするものである。
【0034】
そして、前記副変速装置9は、図5に詳しく示すように、低速前進状態と高速前進状態と後進状態と変速中立状態との4状態に切り換え自在な変速機構Mを後輪デフ6の近傍に配置したものであって、変速機構Mは、エンジン3の回転動力が伝達される第1軸としての前後向き姿勢の入力軸14から前記後輪デフ6に回転動力を伝達する第2軸としての前後向き姿勢の出力軸18に低速前進伝動する低速前進伝動状態と伝動しない中立状態と後進伝動する後進伝動状態とに切り換え自在なコンスタントメッシュ式の第1ギヤ変速部M1と、前記入力軸14から出力軸18に高速前進伝動する高速前進伝動状態と伝動しない中立状態とに切り換え自在なギヤ噛み合い式の第2ギヤ変速部M2とを軸芯方向に近接配置させて構成されている。
【0035】
前記第1ギヤ変速部M1は、入力軸14に、第1駆動ギヤとしての低速前進伝動ギヤ15と第2駆動ギヤとしての後進伝動ギヤ16とを回転のみ自在な状態で装着し、前記出力軸18に、前記低速前進伝動ギヤ15に常時噛み合い連動する第1従動ギヤとしての低速前進受動ギヤ部19と前記動力取出し軸11に回転のみ自在に装着した逆転用アイドラーギヤ21を介して前記後進伝動ギヤ16に常時噛み合い連動する第2従動ギヤとしての後進受動ギヤ部22とを備えた受動ギヤ体23を一体回転する状態に装着し、前記入力軸14のうち低速前進伝動ギヤ15と後進伝動ギヤ16との間の位置に分配出力ギヤ24を一体回転する状態に装着し、軸芯方向に沿ってシフト移動することにより、前記低速前進伝動ギヤ15に形成の入力ギヤ部25及び分配出力ギヤ24にわたって噛み合い連動して分配出力ギヤ24の動力を低速前進伝動ギヤ15に伝達する低速前進位置と、後進伝動ギヤ16に形成の入力ギヤ部26及び分配出力ギヤ24にわたって噛み合い連動して分配出力ギヤ24の動力を後進伝動ギヤ16に伝達する後進位置と、両入力ギヤ部25,26に対してともに噛み合い連動しなくて分配出力ギヤ24の動力を低速前進伝動ギヤ15及び後進伝動ギヤ16に伝達しない中立位置とに変更自在なクラッチユニットとしてのスリーブ状の第1シフト部材27を設けて構成されている。
【0036】
前記第2ギヤ変速部M2は、入力軸14のうち低速前進伝動ギヤ15とで後進伝動ギヤ16を挟む位置に第3駆動ギヤとしての高速前進伝動ギヤ17を一体回転する状態に装着し、前記出力軸18に、軸芯方向に沿ってシフト移動することにより前記高速前進伝動ギヤ17に噛み合い連動する高速前進位置と噛み合い連動しない中立位置とに変更自在な第3従動ギヤとしての高速前進受動ギヤ、つまり、第2シフト部材28を一体回転する状態に装着して構成されている。
【0037】
つまり、第1シフト部材27及び第2シフト部材28をともに中立位置にシフトすることにより、低速前進伝動・高速前進伝動・後進伝動のいずれをも行わない変速中立状態を現出し、第2シフト部材28を中立位置にシフトした状態で第1シフト部材27を低速前進位置にシフトすることにより、入力軸14の動力を出力軸18に低速前進伝達する低速前進状態を現出し、第1シフト部材27を中立位置にシフトした状態で第2シフト部材28を高速前進位置にシフトすることにより、入力軸14の動力を出力軸18に高速前進伝達する高速前進状態を現出し、第2シフト部材28を中立位置にシフトした状態で第2シフト部材27を後進位置にシフトすることにより、入力軸14の動力を出力軸18に後進伝達する後進状態を現出するように構成されている。
【0038】
なお、図4中の13は、前記出力軸18からギヤ列を介して取り出した動力を前記駆動前輪1への伝動軸20に伝達するクラッチである。
【0039】
図6〜図8に示すように、左右向き軸芯周りに揺動することで前記第1シフト部材27を第1シフトタ29を介してシフト移動させる第1シフト操作軸30及び、左右向き軸芯周りに揺動することで前記第2シフト部材28を第2シフタ31を介してシフト移動させる第2シフト操作軸32並びに、前記副変速装置9を操作するために前記運転座席4の左右一側に配置させた副変速レバー33(図2、図3参照)の枢支軸34は、前記後輪デフ6の出力軸周りに沿って配置する状態で後輪デフケース10に装着されている。
【0040】
前記副変速レバー33は、図9にも前記枢支軸34に枢支軸軸芯周りで前後揺動自在に支持させた揺動ブラケット35に左右揺動自在に取り付けられて前後・左右に十字揺動操作自在に構成されている。
【0041】
そして、前記の副変速レバー33を備えた変速操作装置は、前記副変速装置9を操作するように、副変速レバー33の操作位置として、ともに前進位置の一例である低速前進位置Lと高速前進位置H及び、変速中立位置N並びに、後進位置Rとを備えている。
【0042】
図10に示すように、前記低速前進位置Lと高速前進位置Hとは、変速中立位置Nの前方側(一方側)に変速中立位置Nに並列接続する状態で配置され、後進位置Rは、変速中立位置Nの後方側(他方側)に配置されている。つまり、変速中立位置Nの後方には後進位置Rのみが配置されている。
【0043】
詳述すれば、前記各操作位置間で副変速レバー33を移動させる変速操作経路は、前記変速中立位置Nを備えて機体の横方向に延びている横操作経路Dと、前後向き姿勢の第2縦操作経路Aと、この第2縦操作経路Aに対して前記運転座席4側に位置する状態で前記横操作経路Dの変速中立位置Nから前方に向かって分岐させた第1縦操作経路Bと、前記横操作経路Dから前記前後方向に沿って後方に延びた第3縦操作経路Cとから構成されており、前記第2縦操作経路Aの前端(一方側端)に前記低速前進位置Lが配置され、第2縦操作経路Aの後端(他方側端)に後進位置Rが配置され、前記第1縦操作経路Bの前端(一方側端)に前記高速前進位置Hが配置されている。つまり、高速前進位置Hは低速前進位置Lよりも機体中心側に配置されている。また、変速中立位置Nから高速前進位置Hへの操作ストロークSHは、変速中立位置Nから低速前進位置Lへの操作ストロークSLよりも大に設定されている。
【0044】
前記副変速レバー33を溝に挿通させて前記変速操作経路に沿って移動するように案内する変速案内板36は、鉄板製の基板37とこれの上面に積層させた樹脂製の表面板38とからなり、表面板38が副変速レバー33を摺動案内するように構成されている。そして、図2、図3に示すように、前記駆動後輪2に対する後輪フェンダー39を支持するステー40のうち後輪フェンダー39の取付側面aとは異なる面、つまり、上部折り曲げ片40aの上面bに前記運転座席4側に突出する片持ち状にボルト・ナットで取り付けられている。なお、副変速レバー33は、図9の(イ)に示すように、第2縦操作経路A側にバネ41で揺動付勢されている。また、図10に示すように、前記第2縦操作経路A側の変速中立位置Nには、副変速レバー33を左右揺動させて僅かに入り込ませて第2縦操作経路A側での変速中立Nを感覚的に運転者に分からせる凹部42が形成されている。
【0045】
前記副変速レバー33の操作に連動して前記副変速装置9を切り換えるリンク機構は、図8、図9の(イ)(ロ)に示すように、前記後輪デフケース10に後輪デフ6の出力軸周りに沿う状態で外装されている。具体的には、前記枢支軸34に、その枢支軸軸芯周りで前後に揺動することにより前記第1シフト操作軸30の外端に一体揺動する状態に装着した第1操作アーム43を長さ調整自在な第1ロッド44を介して揺動させる第1レバー45と、枢支軸軸芯周りで前後に揺動することにより前記第2シフト操作軸32の外端に一体揺動する状態に装着した第2操作アーム46を長さ調整自在な第2ロッド47を介して揺動させる第2レバー48とを装着し、前記副変速レバー33に、第1レバー45が変速中立姿勢にあるとき前記変速操作経路の変速中立位置Nのうち第2縦操作経路Aの変速中立位置Nに副変速レバー33が左右揺動で位置することで第1レバー45と一体揺動する第1アーム45aに前後に一体揺動する状態に係合する一方、第2レバー48が変速中立姿勢にあるとき前記変速操作経路の変速中立位置Nのうち第1縦操作経路Bの変速中立位置に副変速レバー33が左右揺動で位置することで第2レバー48と一体揺動する第2アーム48aに前後に一体揺動する状態に係合する変速選択具49を固着し、相互牽制手段を設けて構成されている。
【0046】
前記相互牽制手段は、前記第1操作アーム43が変速中立姿勢以外の姿勢、つまり、低速前進姿勢及び後進姿勢に揺動位置する状態では、前記第2操作アーム46の変速中立姿勢から高速前進姿勢への揺動を阻止して第2操作アーム46を変速中立姿勢に維持する一方、前記第2操作アーム46が高速前進姿勢に揺動位置する状態では、前記第1操作アーム43の変速中立姿勢から低速前進姿勢及び後進姿勢への揺動を阻止して第1操作アーム43を変速中立姿勢に維持する手段である。
【0047】
具体的には、前記第2操作アーム46と一体に揺動する操作アーム50に係合ピン51を連設し、前記第1操作アーム43に、前記第1シフト操作軸30周りに沿う姿勢の第1長孔52と第1操作アーム43が変速中立姿勢にある状態で前記第2シフト操作軸32周りに沿う姿勢の第2長孔53とを互いに連通する状態に形成して、係合ピン51が第1長孔52に係合する状態でこの第1長孔52に沿って移動することにより、第2操作アーム46を変速中立姿勢に維持した状態で第1操作アーム43の揺動を許容する一方、係合ピン51が第2長孔53に係合する状態でこの第2長孔53に沿って移動することにより、第1操作アーム43を変速中立姿勢に維持した状態で第2操作アーム46の揺動を許容するように構成されている。
【0048】
〔別実施形態〕
上記実施の形態では、変速操作経路として、第2縦操作経路Aとそれよりも機体中心側に位置する第1縦操作経路Bとを備えたものを示したが、変速操作経路としては、図11の(イ)(ロ)に示すようなものであっても良い。つまり、
(イ)に示す変速操作経路は、第2縦操作経路Aを第1縦操作経路Bよりも機体中心側に配置したものである。 (ロ)に示す変速操作経路は、上記実施の形態において、第2縦操作経路Aとして、変速中立位置Nにおいてクランク部54を形成したものである。この場合、クランク部54が凹部42と同じ機能を発揮するから、凹部42は形成していない。
【0049】
上記実施の形態では、低速前進位置Lと高速前進位置Hと後進位置Rと変速中立位置Nとを備えた変速操作装置を示したが、図12に示すように、前記の位置に加え、中速前進位置Mを備えた変速操作装置にも本発明は適用することができる。
【0050】
上記実施の形態では、副変速レバー33を運転座席4の左右一側位置に設けたが、副変速レバー33をハンドルポストに設けるコラムシフト形式を採用して実施しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 側面図
【図2】 要部の平面図
【図3】 要部の切り欠き背面図
【図4】 伝動系統図
【図5】 副変速装置の縦断側面図
【図6】 副変速操作部の縦断側面図
【図7】 副変速操作部の縦断背面図
【図8】 副変速操作系統図
【図9】 副変速操作部要部の縦断背面図と横断平面図
【図10】 変速案内板の平面図
【図11】 別実施形態を示す各変速案内経路の概略図
【図12】 別実施形態を示す変速案内経路の概略図
【図13】 従来技術を示す各変速案内経路の概略図
【符号の説明】
33 変速レバー
H 高速前進位置
L 低速前進位置
N 変速中立位置
R 後進位置
A 第2縦操作経路
B 第1縦操作経路
C 第3縦操作経路
D 横操作経路
54 クランク部
4 運転座席
Claims (4)
- エンジンの回転動力が伝達される第1軸と、後輪デファレンシャル機構に回転動力を伝達する第2軸との間で、前記第1軸からの回転動力を変速して前記第2軸に伝達する、第1ギヤ変速部と第2ギヤ変速部とからなる変速機構を備え、
前記第1ギヤ変速部は、機体前方側に位置させた第1駆動ギヤまたは機体後方側に位置させた第2駆動ギヤを選択的に前記第1軸に連結させるクラッチユニットと、前記第2軸に連結されているとともに前記第1駆動ギヤと噛み合い可能な第1従動ギヤと、前記第2軸に連結されているとともに前記第2駆動ギヤと逆転用アイドラーギヤを介して噛み合い可能な第2従動ギヤとの組み合わせによって、前記第1軸からの回転動力を低速前進に変速して前記第2軸に伝達する低速前進変速段と、前記第1軸からの回転動力を後進低速に変速して前記第2軸に伝達する後進変速段と、中立変速段とを選択的に切り換えるように構成してあり、
前記第2ギヤ変速部は、前記第1軸に装着されている第3駆動ギヤと前記第2軸に装着されている第3従動ギヤとを、機体前方側への操作で噛合させることにより、前記第1軸からの回転動力を前記第2軸に伝達する高速前進変速段と、機体後方側への操作で前記高速前進変速段の選択を解除した状態に切り換えるように構成してあり、
前記変速機構の各変速段を選択的に切り換えるための変速レバーを備え、
その変速レバーの変速操作経路は、作業車の横方向に延びた横操作経路と、前記横操作経路から作業車の前後方向に沿って前方に延びた第1縦操作経路と、前記第1縦操作経路と間隔をあけて前記横操作経路から前記前後方向に沿って前方に延びた第2縦操作経路と、前記横操作経路から前記前後方向に沿って後方に延びた第3縦操作経路とから構成され、
前記変速レバーが前記第1縦操作経路の端部に位置することで高速前進変速段が選択され、前記変速レバーが前記第2縦操作経路の端部に位置することで低速前進変速段が選択され、前記変速レバーが前記第3縦操作経路の端部に位置することで後進変速段が選択され、前記変速レバーが前記横操作経路に位置することで中立変速段が選択されるように構成してあり、
さらに、前記低速前進変速段を備えた第2縦操作経路は、高速前進変速段を備えた前記第1縦操作経路よりも、前記横操作経路に沿う方向で前記第3縦操作経路に近づけて配設されている作業車の変速操作装置。 - 前記第3縦操作経路から第2縦操作経路へ至る変速経路部分が変速中立位置においてクランク部を形成したものである請求項1記載の作業車の変速操作装置。
- 前記変速レバーが運転座席の左右一側に配置されている請求項1または2記載の作業車の変速操作装置。
- 高速前進変速段を備えた第1縦操作経路が低速前進変速段を備えた第2縦操作経路よりも機体中心側に配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車の変速操作装置。
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