JP3882716B2 - 軒樋吊り具の取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軒樋を支持する軒樋吊り具を軒先などの建物に取付ける取付構造に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、軒樋吊り具の取付構造にあっては、たとえば特願平11−286464に記載されたもののように、建物Tの軒先に固定した溝部材2を介して軒樋吊り具1を建物Tの軒先に取り付けたものが知られている。図5に示すように、溝部材2は、底片3の上下端からそれぞれ前方に突出片4を突設すると共に各突出片4の先端から突出片4の対向方向にリップ片5を突設して断面リップ付きコ字状に形成されて各片3,4,5に囲まれた取り付け溝8を有して構成され、底片3の裏面を軒先などの建物Tに沿わせて固定している。また、軒樋吊り具1は、軒樋を支持する支持腕部6と支持腕部6を前方に突設させた基板7とで構成され、この基板7は溝部材2のリップ片5間の隙間寸法Hより大きい長辺7a及び溝部材2のリップ片5間の隙間寸法Hより小さい短辺7bを有する矩形板状に形成されている。そして、この基板7を溝部材2の取り付け溝8内に挿入して回転させ[図6(a)→図6(b)]、基板7の長手方向の両端部をリップ片5と底片3との間に嵌合させることで軒樋吊り具1を溝部材2に取り付けている。なお、この例では基板7表面の長手方向の一端部にL字状の係止片30が突設されており、軒樋吊り具1を溝部材2に取り付けた状態で係止片30と基板7表面とでリップ片5を挟持することで、軒樋吊り具1の溝部材2への固定を強固に行わせているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この軒樋吊り具の取付構造では、軒樋吊り具1を建物Tに簡単に着脱できるといった利点を有し、更には軒樋吊り具1の建物Tへの固定を強固にできるものであるが、この軒樋吊り具1の建物Tへの固定を強固にするにあたっては、取り付け溝8に基板7を挿入して回転させたときにリップ片5が係止片30と基板7表面との間に入り込んで挟持されるといった構造で行われることから、基板7の溝部材2への取り付け回転に対して逆回転を行わせるような荷重が軒樋吊り具1にかかった場合には、係止片と基板7表面とのリップ片5の挟持が外れ、そのまま取り付け溝8内で基板7が逆回転し、軒樋吊り具1が溝部材2から外れてしまうものである。たとえば雪国などでは、屋根に積もった雪塊が自重で滑り落ちて軒樋や軒樋吊り具1にひっかかるといったことがしばしば起こるものであり、この軒樋や軒樋吊り具1にひっかかった雪塊が軒樋吊り具1に基板7の溝部材2への取り付け回転と逆回転をさせるような荷重をかけてしまうことがあり、軒樋吊り具1が溝部材2から外れて軒樋が建物Tから外れ落ちることが生じてしまうものであった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、軒樋吊り具の建物への強固な固定を行って軒樋の建物からの脱落を防止できる軒樋吊り具の取付構造を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る軒樋吊り具の取付構造は、底片3の上下端からそれぞれ前方に突出片4を突設すると共に各突出片4の先端から突出片4の対向方向にリップ片5を突設して形成された断面リップ付きコ字状の溝部材2を、その底片3の裏面を建物Tの軒先に沿わせて取り付け、軒樋を支持する支持腕部6と支持腕部6を前方に突設させた基板7とで構成した軒樋吊り具1の基板7を溝部材2のリップ片5間の隙間寸法Hより大きい長辺7a及び溝部材2のリップ片5間の隙間寸法Hより小さい短辺7bを有する矩形板状に形成し、この基板7を溝部材2の各片3,4,5に囲まれた取り付け溝8内に挿入して回転させて基板7の長手方向の両端部をリップ片5と底片3との間に嵌合させることで軒樋吊り具1を溝部材2に取り付けてなる軒樋吊り具の取付構造において、基板7の長手方向の端部に前後に弾性変形可能にした係止突起9を設け、この係止突起9の先端に前方に突出した爪部23を形成し、この爪部23の左右方向のうち、軒樋吊り具1を溝部材2に取り付ける際の回転時に先行して回転する側に、前方への突出量を小さくする切り欠き部24を形成し、溝部材2のリップ片5に左右方向に長いスリット状の長孔の被係止孔10を前後に貫通させて形成し、被係止孔10の孔縁と係止突起9の爪部23の外縁とが直線状に面接触する状態で係止突起9の爪部23と被係止孔10と嵌合させることで、軒樋吊り具1を溝部材2に取り付けた状態にして成ることを特徴とする。これによると、軒樋吊り具1を溝部材2に取り付けた状態では基板7の係止突起9がリップ片5の被係止孔10に嵌合しているので、軒樋吊り具1に基板7を回転させる方向に荷重がかかったときにも軒樋吊り具1が溝部材2から外れることをなくすることができ、軒樋吊り具1の溝部材2への固定、すなわち軒樋の建物Tへの取付強度を強固にすることができる。また、切り欠き部24により爪部23を被係止孔10に挿入し易くできる。また、軒樋吊り具1に基板7の取り付け時の回転方向と逆回転の荷重がかかった場合にも、その荷重を被係止孔10の孔縁と係止突起9の爪部23の外縁との面接触によって抑えることができて、係止突起9の爪部23の被係止孔10への嵌合を外れにくいものとできる。
【0006】
また、軒樋吊り具1の基板7に前後に貫通する貫通孔11を形成し、この貫通孔11の前方から挿入したビス等の固着具12を軒先などの建物Tに打入して軒樋吊り具1を溝部材2に固定したことも好ましい。これによると、固着具12によって軒樋吊り具1を建物Tに完全に固定でき、軒樋の建物Tへの取付強度を更に強固にすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1乃至図4に示す本発明の実施の形態の例も、従来同様、軒樋吊り具1の基板7を溝部材2の取り付け溝8内に挿入して回転させることで建物Tの軒先に取り付けるものであるが、従来技技術の欠点であった軒樋吊り具1にかかった基板7の回転方向の荷重による軒樋吊り具1の溝部材2からの外れを無くするように、軒樋吊り具1を溝部材2に取り付けたものである。以下、詳述する。
【0008】
溝部材2は、図3に示すように、底片3の上下端からそれぞれ前方に突出片4を突設すると共に各突出片4の先端から突出片4の対向方向にリップ片5を突設して形成された断面リップ付きコ字状の部材であって、その内部には各片3,4,5に囲まれると共に1対のリップ片5間の隙間を介して外方に開口した取り付け溝8が設けられている。そして、この溝部材2は底片3の裏面を建物Tの軒先(鼻隠し)に沿わせるようにして釘などの固着具13によって取り付けられる。つまり、溝部材2を建物Tの軒先に取り付けた状態では、取り付け溝8は1対のリップ片5間の隙間を介して前方に開口するようになっている。また、この溝部材2の一方のリップ片5には前後に貫通すると共に左右に長いスリット状の被係止孔10が形成されている。なお、一方のリップ片5は他方のリップ片5に比べて突出片4からの突出量を小さく形成されている。本例では、上記一方のリップ片5を下方に位置したリップ片5にて構成し、この下方のリップ片5に被係止孔10を設けると共に突出片4からの突出量を小さく形成させている。また、底片3におけるリップ片5が対向しない部位のうち上下端部分には前方に凸となる折曲突条14がそれぞれ形成されている。
【0009】
軒樋吊り具1は、図2に示すように、軒樋を支持する支持腕部6と支持腕部6を前方に突設させた基板7とで構成されている。
【0010】
支持腕部6はその突出先端に軒樋の前耳部が係止される前耳係止部を備えると共に突出基部に軒樋の後耳部が係止される後耳係止部を備えている。本例の前耳係止部は支持腕部6の突出先端から上方に突設した上縦片15で構成されている。この上縦片15は上方ほど基板7側に位置する傾斜を有した板片であって軒樋の前壁内面と前耳部との間に挟ませて軒樋を係止させるようにするものである。また、支持腕部6の突出先端の下部には下縦片16が形成されている。この下縦片16は軒樋の前壁内面に当接させる部位である。また、後耳係止部は、軒樋の後耳部の断面形状を一廻り大きくした断面形状を有して下方に開口した凹溝17を有し、この凹溝17の前側に軒樋の後耳部の下面を引っ掛ける耳用爪部18を形成すると共に、凹溝17の後側に軒樋の後壁外面に弾接させる弾接縦片19とを形成して構成されている。つまり、支持腕部6に軒樋を支持させるにあたっては、凹溝17に軒樋の後耳部を挿入し、後耳部を弾接縦片19にて前方に押圧させると共に後耳部の下面を耳用爪部18に引っ掛けることで後耳係止部に後耳部を係止させ、また、軒樋の前壁内面と前耳部との間に上縦片15を挟ませて前耳係止部に軒樋の前耳部を係止させることで行わせるものである。
【0011】
基板7は、上下方向に長辺7aを有し且つ左右方向に短辺7bを有してなる矩形板状に形成されている。ここで、長辺7aの長さ寸法Dは溝部材2のリップ片5間の隙間寸法Hより大きく且つ突出片4間の隙間寸法Lより小さい寸法に設定されており、短辺7bの長さ寸法Cは溝部材2のリップ片5間の隙間寸法Hより小さい寸法に設定されている。また、基板7の一方の対角部分にはそれぞれR形状に施したR部20が形成されており、他方の対角部分には左右方向に突出した突片部21が形成されている。この突片部21には軒樋吊り具1を溝部材2に取り付けたときに溝部材2の左右端部に引っ掛けることができる後方突起22を有している。また、一方の突片部21には前後に貫通する貫通孔11が形成されている。本例では、下方に位置した突片部21に貫通孔11が形成されている。また、基板7の長手方向の一端部には、端縁から内方に切り込んだ1対の切り込み26を左右に有して前後に弾性変形可能にした板状の係止突起9が形成されている。本例では、基板7の下端中央部分にこの係止突起9が形成されている。この係止突起9の突出先端には前方に突出した爪部23が形成されている。この爪部23にあっては、左右方向のR部20側一端部分に前方への突出量を小さくするような切り欠き部24が形成されている[図2(c)]。この切り欠き部24は、爪部23を被係止孔10に挿入し易くするものである。また、基板7の裏面には裏方に突出した1対の位置決め突起25が左右に並べて突設されている。この1対の位置決め突起25の間の寸法は、溝部材2の1対の折曲突条14間の寸法Wと略同じかそれ以下の寸法に設定されている。
【0012】
この軒樋吊り具1は、上述したように建物Tの軒先に取り付けた溝部材2を介して建物Tに取り付けられるのであるが、以下のように行われる。
【0013】
まず、溝部材2の取り付け溝8内に軒樋吊り具1の基板7を挿入する。このとき、図4に示すように、軒樋吊り具1の基板7の短辺7bを上下方向に合わせると共に長辺7aを左右方向に合わせるように軒樋吊り具1を横倒しの状態にし、この状態で基板7の裏面を底片3の前面に対面させるように基板7を取り付け溝8内に挿入する。基板7の短辺7bの長さ寸法はリップ片5間の隙間寸法Hよりも小さく設定されているので、溝部材2の前面側からリップ片5間を通して基板7を取り付け溝8内に挿入することができる。なお、このとき、基板7の裏面の1対の位置決め突起25は底片3の前面の1対の折曲突条14間に位置規制されるようになっていて、取り付け溝8内に位置した基板7がぐらつかないようにされている。
【0014】
次に、基板7の短辺7bを左右方向に合わせると共に長辺7aを上下方向に合わせるように取り付け溝8内で基板7を回転させる(図4矢印B)。この基板7の回転は基板7の中央部分を中心とした回転であるが、その回転方向は、基板7の長手方向の端部にある突片部21とR部20とで比較すると、突片部21よりもR部20が先行して回転する方向である。このように基板7を回転させ、短辺7bを左右方向に合わせると共に長辺7aを上下方向に合わせるようにすると、図1に示すように、基板7の長手方向の両端部が溝部材2の底片3とリップ片5との間に挿入され、基板7の長手方向の両端部が底片3とリップ片5とで挟持され、同時に基板7の係止突起9の爪部23が溝部材2のリップ片5の被係止孔10に嵌合する。また、このときには後方突起22が溝部材2の左右端部に引っ掛かるものである。
【0015】
このように係止突起9の爪部23がリップ片5の被係止孔10に嵌合して軒樋吊り具1を溝部材2に取り付けた状態では、たとえ軒樋吊り具1に基板7の取り付け時の回転方向と逆回転の荷重がかかったとしても、係止突起9の爪部23のリップ片5の被係止孔10への嵌合が外れない限り、基板7は回転せずに取り付け溝8から外れないものであり、したがって軒樋吊り具1は溝部材2に強固に取り付けできるようにされているのである。更に言うと、被係止孔10は左右方向に長いスリット状の長孔であり、また係止突起9の爪部23は左右に適度な長さを有しているので、軒樋吊り具1に基板7の取り付け時の回転方向と逆回転の荷重がかかった場合にも、その荷重を被係止孔10の孔縁と係止突起9の爪部23の外縁との面接触によって抑えることができて、係止突起9の爪部23の被係止孔10への嵌合は外れにくいものとされているのである。
【0016】
最後に、基板7の突片部21の貫通孔11に前面側から釘やビスなどの固着具12を挿通させると共にこの固着具12を建物Tに打入する。これにより軒樋吊り具1を建物Tに更に強固に固定させることができる。なお、固着具12としてビスを用いる場合には、軒樋吊り具1の建物Tへの固定強度を向上させ得るように貫通孔11は雌ネジ孔に形成することが好ましいものである。
【0017】
なお、この固着具12による本固定の前段階における、係止突起9の爪部23をリップ片5の被係止孔10に嵌合させ且つ基板7の長手方向の両端部を底片3とリップ片5とで挟持させて行う軒樋吊り具1の溝部材2への取り付け状態にあっても、ある程度強固な固定強度を保って軒樋吊り具1を建物Tに固定させることができるのであることから、この固着具12による軒樋吊り具1の建物Tへの本固定は適宜行うようにしてもよい。つまり、従来技術の項でも述べたように雪国などの寒冷地の建物Tに取り付けた軒樋にあっては、屋根に積もった雪が自重により滑り落ちて軒樋に引っ掛かることがしばしば起こり、この雪塊の自重が軒樋を通じて軒樋吊り具1に基板7の回転方向への荷重を負荷させるものであるが、係止突起9の爪部23をリップ片5の被係止孔10に嵌合させ且つ基板7の長手方向の両端部を底片3とリップ片5とで挟持させた状態で軒樋吊り具1を溝部材2に取り付けたことですでに、この雪塊による軒樋吊り具1の溝部材2からの外れ、すなわち軒樋の建物Tからの外れをある程度有効に防止できるのである。しかして、建物Tの立地条件によって固着具12による軒樋吊り具1の建物Tへの本固定を省くこともでき、これによると施工工程を少なくできることから施工性の向上を図ることもできるものである。
【0018】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、底片の上下端からそれぞれ前方に突出片を突設すると共に各突出片の先端から突出片の対向方向にリップ片を突設して形成された断面リップ付きコ字状の溝部材を、その底片の裏面を建物の軒先に沿わせて取り付け、軒樋を支持する支持腕部と支持腕部を前方に突設させた基板とで構成した軒樋吊り具の基板を溝部材のリップ片間の隙間寸法より大きい長辺及び溝部材のリップ片間の隙間寸法より小さい短辺を有する矩形板状に形成し、この基板を溝部材の各片に囲まれた取り付け溝内に挿入して回転させて基板の長手方向の両端部をリップ片と底片との間に嵌合させることで軒樋吊り具を溝部材に取り付けてなる軒樋吊り具の取付構造において、基板の長手方向の端部に前後に弾性変形可能にした係止突起を設け、この係止突起の先端に前方に突出した爪部を形成し、この爪部の左右方向のうち、軒樋吊り具を溝部材に取り付ける際の回転時に先行して回転する側に、前方への突出量を小さくする切り欠き部を形成し、溝部材のリップ片に左右方向に長いスリット状の長孔の被係止孔を前後に貫通させて形成し、被係止孔の孔縁と係止突起の爪部の外縁とが直線状に面接触する状態で係止突起の爪部と被係止孔と嵌合させることで、軒樋吊り具を溝部材に取り付けた状態にして成るので、軒樋吊り具に基板を回転させる方向に荷重がかかったときにも軒樋吊り具が溝部材から外れることをなくすることができ、軒樋吊り具の溝部材への固定、すなわち軒樋の建物への取付強度を強固にすることができる。また、切り欠き部により爪部を被係止孔に挿入し易くできる。また、軒樋吊り具に基板の取り付け時の回転方向と逆回転の荷重がかかった場合にも、その荷重を被係止孔の孔縁と係止突起の爪部の外縁との面接触によって抑えることができて、係止突起の爪部の被係止孔への嵌合を外れにくいものとできる。軒樋吊り具にかかる基板の回転方向への荷重は軒樋に雪が引っ掛かることなどで起こり得るものであるが、本発明の軒樋吊り具の取付構造はこのような場合に対する軒樋吊り具の溝部材への固定強度を強固にするものであるので、つまり寒冷地に立つ建物に軒樋を取り付ける際に本発明の軒樋吊り具の取付構造を用いることは特に有効である。
【0019】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、軒樋吊り具の基板に前後に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔の前方から挿入したビス等の固着具を軒先などの建物に打入して軒樋吊り具を溝部材に固定したので、固着具によって軒樋吊り具を建物に完全に固定でき、軒樋の建物への取付強度を更に強固にすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例を示す側面断面図である。
【図2】同上の軒樋吊り具を示すものであり、(a)は側面図であり、(b)は後面図であり、(c)は要部の下面図であり、(d)は(c)のA−A断面図である。
【図3】同上の溝部材を示すものであり、(a)は正面図であり、(b)は側面断面図である。
【図4】同上の軒樋吊り具の溝部材への取り付け施工を説明する説明図である。
【図5】従来技術を示す斜視図である。
【図6】同上の軒樋吊り具の溝部材への取り付け施工を説明する説明図であり、(a)は溝部材に基板を挿入した状態を示し、(b)は溝部材に挿入した基板を回転させた状態を示すものである。
【符号の説明】
1 軒樋吊り具
2 溝部材
3 底片
4 突出片
5 リップ片
6 支持腕部
7 基板
7a 長辺
7b 短辺
8 取り付け溝
9 係止突起
10 被係止孔
11 貫通孔
12 固着具
23 爪部

Claims (2)

  1. 底片の上下端からそれぞれ前方に突出片を突設すると共に各突出片の先端から突出片の対向方向にリップ片を突設して形成された断面リップ付きコ字状の溝部材を、その底片の裏面を建物の軒先に沿わせて取り付け、軒樋を支持する支持腕部と支持腕部を前方に突設させた基板とで構成した軒樋吊り具の基板を溝部材のリップ片間の隙間寸法より大きい長辺及び溝部材のリップ片間の隙間寸法より小さい短辺を有する矩形板状に形成し、この基板を溝部材の各片に囲まれた取り付け溝内に挿入して回転させて基板の長手方向の両端部をリップ片と底片との間に嵌合させることで軒樋吊り具を溝部材に取り付けてなる軒樋吊り具の取付構造において、基板の長手方向の端部に前後に弾性変形可能にした係止突起を設け、この係止突起の先端に前方に突出した爪部を形成し、この爪部の左右方向のうち、軒樋吊り具を溝部材に取り付ける際の回転時に先行して回転する側に、前方への突出量を小さくする切り欠き部を形成し、溝部材のリップ片に左右方向に長いスリット状の長孔の被係止孔を前後に貫通させて形成し、被係止孔の孔縁と係止突起の爪部の外縁とが直線状に面接触する状態で係止突起の爪部と被係止孔と嵌合させることで、軒樋吊り具を溝部材に取り付けた状態にして成ることを特徴とする軒樋吊り具の取付構造。
  2. 軒樋吊り具の基板に前後に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔の前方から挿入したビス等の固着具を軒先などの建物に打入して軒樋吊り具を溝部材に固定してなることを特徴とする請求項1記載の軒樋吊り具の取付構造。
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