JP3882216B2 - 内燃機関の停止制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(エンジン)とトルク授受可能に配設された発電電動機等を備え、内燃機関の停止過程における車両振動を低減させる内燃機関の停止制御装置に関し、特に、運転状態に応じて自動的に内燃機関が停止および再始動する車両において好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、排気ガスの減少、燃料節約等を図るために、交差点等で停車した時、エンジンを自動的に停止し、再始動に際しては通常の発進操作(例えばクラッチ又はアクセルの踏み込み)で再始動させるエンジン自動停止始動装置が提案されている。この種の一例として、特開昭58−18353号公報に開示されている技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的に、内燃機関が停止する過程において、内燃機関にトルク変動が発生する。このトルク変動は、吸入・圧縮・膨張(内燃機関停止過程では燃料供給しないため爆発は起こらない)・排気の各サイクル毎に負荷が変化することに起因するトルク変動と、ピストンの上下運動により発生する慣性力に起因するトルク変動との合成力として内燃機関を振動させ、この振動が車両振動として乗員に伝達される。
【0004】
一方、車両の共振周波数は、内燃機関のアイドル回転数以下にも存在するため、内燃機関の停止過程では、上述した内燃機関の振動が車両の共振周波数を通過することになり、この共振周波数近傍では特に車両振動が増幅されることになり、運転者等に不快感を与えるという問題がある。
また、上述した、交差点等で停車した時に、エンジンを自動的に停止及び再始動させるエンジン自動停止装置では、頻繁に内燃機関が停止・再始動を繰り返すため、内燃機関停止過程で、乗員が車両振動を受ける頻度が多くなり、乗員に不快感を頻繁に与えるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、内燃機関停止過程に、内燃機関振動を低減させることにより車両の振動を抑制し、乗員に不快感を与えない内燃機関の停止制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の技術手段を採用する。
この技術手段によれば、内燃機関の停止の要求を停止判定手段にて判定し、内燃機関の停止の要求がある場合に、トルク制御手段が、内燃機関の停止過程において発生するトルク変動に対して逆位相のトルクを付与するようにトルク付与手段を制御する。この結果、内燃機関の停止過程において発生するトルク変動を抑制することができ、このトルク変動によって引き起こされる車両振動を低減することが可能となり、乗員への振動の伝達を抑えることができ、良好な乗り心地を得ることができる。
【0008】
また、トルク制御手段は、内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段からの回転数に基づいて回転数変化を求め、この回転数変化に応じて内燃機関の停止過程において発生するトルク変動と逆位相のトルクを付与することができる。すなわち、内燃機関の回転数の変化からトルク変動を求め、このトルク変動と逆位相のトルクを付与することができる。これにより、前述のように、トルク変動によって引き起こされる車両振動を低減することができ、乗員への振動伝達を抑えて良好な乗り心地を得ることができる。
とりわけ、請求項1では、トルク付与手段の制御により、停止過程における内燃機関の回転数が低下するにつれてトルク付与の時間が長くなるようにしている。このため、トルク変動によって引き起こされる車両振動が大幅に低減し、乗り心地が一層よくなる。
この場合、回転数の変化からトルク変動を求めるため、予めクランク角とトルク変動との対応関係を設定しておく必要がなく、機種(型式、気筒数等)の異なる内燃機関へ容易に適合させることができる。
【0009】
さらに、内燃機関が車両に搭載された請求項2記載の技術手段によれば、内燃機関のトルク変動によって発生する振動が、車両の共振周波数近傍にあるか否かを判定する共振周波数判定手段を備え、この振動が共振周波数近傍にあると判定された時にトルク付与手段を作動させる。すなわち、内燃機関のトルク変動によって発生する振動が、車両の共振周波数近傍になって、増幅されるような時のみトルク制御が行われるため、トルク付与手段の作動頻度を下げることができ、効率的な作動が可能となり、ひいてはトルク付与手段の耐久性の向上につながる。また、効率的な作動に伴い、トルク付与手段を駆動するために必要な電力消費を抑えることができる。
【0010】
また、トルク付与手段は、請求項3記載の技術手段のように、内燃機関のトルクを吸収する発電機能を有する発電機を用いることができる。すなわち、発電機能によって内燃機関に負荷をかけてトルクを吸収することにより、発生するトルク変動と逆位相のトルクを付与することができる。
また、トルク付与手段は、請求項4記載の技術手段のように、内燃機関にトルクを付与する電動機能と内燃機関のトルクを吸収する発電機能とを有する発電電動機を用いることもできる。すなわち、電動機能によって内燃機関にトルクを付与し、発電機能によって内燃機関に負荷をかけてトルクを吸収することにより、発生するトルク変動と逆位相のトルクを付与することができる。
【0011】
さらに、請求項5記載の技術手段によれば、停止判定手段にて内燃機関を自動的に停止するための成立条件を判定し、この成立条件が満たされて内燃機関が自動的に停止する場合に自動的にトルク制御が行われる。このため、内燃機関の停止及び再始動が自動で行われるエコラン制御を備えた車両において、内燃機関が頻繁に停止しても、停止の都度、車両振動が抑えられるので、良好な乗り心地を損なうことがない。
また、請求項6記載の技術手段によれば、停止判定手段は、イグニッションキーがオフにされたか否かを判定することにより実施に供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内燃機関の停止制御装置の一実施例について図面に基づいて説明する。
[第1実施例]
図1は、本発明の第1実施例を示すものであり、内燃機関の停止制御装置を運転状態に応じて自動的に内燃機関を停止及び再始動させるエコノミーラン制御(以下エコラン制御と称す)を実行する車両に、本発明の内燃機関の停止制御装置を搭載した実施例の概略構成を示すブロック図である。
この内燃機関の停止制御装置は、車両に搭載された内燃機関1と、内燃機関1のクランク軸にトルク授受可能に連結された発電機能と電動機能の両機能を兼ね備えた発電電動機2と、この発電電動機2を制御する制御装置3を主要部として構成される。
【0013】
制御装置3は、発電電動機2の発電動作(発電機能)と電動動作(電動機能)との切り換え及び発電電動機2の出力を制御する電力制御部30と、内燃機関1の回転数及びクランク角を検出するクランク角センサ4からの信号がクランク角信号として入力され、このクランク角信号に基づいて電力制御部30を制御するコンピュータ300(以後、単にECU300と称す)とを備えている。
【0014】
このECU300には、後述するエコラン制御に用いられるエコランスイッチ301、クラッチアッパスイッチ302、クラッチロアスイッチ303及びブレーキスイッチ304からの信号が入力され、この入力信号に基づいて燃料噴射弁(図示しない)を制御して内燃機関1を制御する。
さらにECU300には、イグニッションキー5からの信号も入力され、この入力信号に基づいて内燃機関1の駆動・停止が決定される。
【0015】
また、発電電動機2は、電力制御部30を介してバッテリ6と電力授受可能に接続され、発電動作を行う際に発電電動機2にて発電された電力をバッテリ6に蓄積し、電動動作を行う際には発電電動機2へバッテリ6から電力を供給する。
なお、本発明のトルク付与手段が発電電動機2に、トルク制御手段が制御装置3に、クランク角検出手段及び回転数検出手段がクランク角センサ4にそれぞれ該当する。
【0016】
図2に、発電電動機2および電力制御部30の具体的な回路を示す。
発電電動機2は、三相同期機からなり、そのロータコアには励磁コイル21が巻装されており、そのステータコアには、スター接続された三相アーマチャコイル22が巻装されている。
【0017】
電力制御部30は、クランク角に基づいて開閉制御される三相インバータ回路31と、発電電動機2の励磁電流断続用のトランジスタ32とからなり、三相インバータ回路31は、ダイオードがそれぞれ並列接続された一対のnpnトランジスタ(又はIGBT)を直列接続してなる各相のインバータ3u,3v,3wからなり、各相のインバータ3u,3v,3wの両端はバッテリ6の両極にそれぞれ接続され、各相のインバータ3u,3v,3wの出力接続点は、三相アーマチャコイル22の各出力端に接続されている。
励磁コイル21の一端は、バッテリ6の低位端に接続され、他端はトランジスタ32を通じてバッテリ6の高位端に接続されている。
【0018】
以上の構成により、三相インバータ回路31は、ECU300の指令による各トランジスタ32の開閉タイミングの制御により、発電電動機2の発電動作と電動動作とが切り換えられ、また、励磁電流制御用のトランジスタ32の断続により発電電動機2の励磁電流の通電デューティ比が制御される。
これにより、発電電動機2は、発電動作及び電動動作を行って、内燃機関1とトルク授受し、また、バッテリ6と電力授受する。
【0019】
次に、エコラン制御について図3に基づいて説明する。
このエコラン制御ルーチンは、ECU300に格納されており、例えば8msの割り込みにてスタートする。
ECU300は、始めに、ステップ101で内燃機関1がその時点でエコラン制御による内燃機関1の停止中であるか否かを判別する。内燃機関1の作動中であれば、ステップ101においてNOとなり、ECU300は、後続のステップ102〜104でエコラン制御の実施条件を満たすか否か判別を行う。
【0020】
詳細には、ステップ102においては、エコランスイッチ301がONであるか否かを判別し、続くステップ103ではクラッチアッパスイッチ302がOFFであるか否か、すなわち、運転者の足がクラッチペダルから離されているか否かを判別する。また、ECU300は、続くステップ104では、その他のエコラン実施条件が成立しているか否かを判別する。具体的には、
▲1▼内燃機関(エンジン)水温が所定温度以上であるか、
▲2▼車速が0km/hであるか、
▲3▼車速が0km/hになってから所定時間が経過したか、
▲4▼ブレーキスイッチ304がONであるか、
▲5▼右折のシグナルがOFFであるか、
▲6▼アイドル状態であるか、
等が判別される。
【0021】
上記、ステップ102〜104において、すべてエコラン制御条件が成立した場合には(ステップ102〜104においてすべてYES)、ECU300は、ステップ105で内燃機関1の運転を停止制御を実行させ、本ルーチンを終了する。これにより、燃料噴射弁による燃料噴射や点火プラグによる点火動作が休止される。
逆に、上記のエコラン成立条件のいずれかが不成立の場合には(ステップ102〜104のいずれかにおいてNO)、ECU300は内燃機関1の運転を継続する。
なお、上記エコラン制御の条件判別ステップ102〜104若しくはイグニッションキースイッチ5が本発明の停止判定手段に該当する。
【0022】
一方、上記のステップ101においてエコラン制御により内燃機関の運転停止中の場合には(YES)、ECU300は、ステップ106で、クラッチロアスイッチ303がONであるか否か判別する。運転者による発進操作のためにクラッチペダルが踏み込まれている場合には(YES)、ステップ107において発電電動機2により内燃機関1を再始動させて、本ルーチンを終了する。
クラッチロアスイッチ303がOFFのままである場合には(NO)、ECU300は、そのまま、本ルーチンを終了する。
【0023】
以上の制御により、ECU300は、エコランスイッチ301がONになっている場合には、運転者が車両を停車させたとき、自動的に内燃機関1の運転を停止し、発進のためにクランクペダルが踏み込まれると、内燃機関1を再始動する。
【0024】
次に、上記内燃機関1の停止制御(ステップ105)のサブルーチンについて、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップ201にて現在のエンジン回転数Neがx<Ne<yの範囲に属するか否かを判断する。このx及びyは、以下の制御(ステップ203〜206)を実行するにあたり制御領域の上下限を規定するものであり、車両の共振周波数域を含むように設定されている。このステップ201において現在のエンジン回転数Neがx<Ne<yの範囲に属すると判断されると、ステップ203へ移行する。なお、このステップ201が本発明の共振周波数判定手段に該当する。
【0025】
ここで、内燃機関1の停止過程における各気筒の1サイクル中にクランク軸に発生する負荷変動について図5に基づき説明する。この図5(a)は第1気筒の負荷変動波形を、(b)は第3気筒の負荷変動波形を、(c)は第4気筒の負荷変動波形を、(d)は第2気筒の負荷変動波形をそれぞれ示す線図であり、図5(e)は(a)〜(d)の負荷変動を合成した波形を示す線図である。
各気筒の1サイクルのうち、吸入行程では、スロットルが閉じられているため、ピストンが下がる時は、シリンダ内に負圧が発生し、クランク角180度でピークとなる負荷抵抗となる。圧縮行程では、シリンダ内が負圧から大気圧になるため、ピストンは引かれクランク軸の回転を補う力を生じる。
膨張行程では、吸入行程と同様に負荷抵抗を発生する。そして、排気行程では、排気バルブが開かれるため抵抗はなく、摩擦分の力を必要とする。
4気筒の場合、各シリンダの吸入と圧縮行程が相殺し、各サイクルの合成としてクランク軸には、図5(e)に示すように、クランク角が180度周期で変化する合成負荷トルクが発生する。
【0026】
図6により、各ピストンの合成による慣性力を説明する。4気筒の場合、第1ピストンNo1と第4ピストンNo4、第2ピストンNo2と第3ピストンNo3は、それぞれお互い同位相上にあり、第1ピストンNo1(一点鎖線)と第2ピストンNo2(破線)、第4ピストンNo4(一点鎖線)と第3ピストンNo3(破線)は、それぞれ正反対の180度位相上にある。
この2つの慣性力は、完全に相殺されず、実線に示す2次慣性力となる。この慣性力の大きさは、エンジン回転数が高ければ大きくなる。
【0027】
これら、図5(e)に示すクランク軸の合成負荷トルクと、図6の実線に示す合成慣性力との合力としてクランク軸に負荷変動が生じ、図7(a)のような負荷トルク波形となる。従って、この負荷変動トルクと逆位相のトルクを付与することにより負荷変動を低減すればエンジン振動を低減させることができる。すなわち、図7(b)に示すようにクランク角が90度から180度、270度から360度の場合は、発電電動機2を電動動作させトルクを付与し、それ以外のクランク角においては発電電動機2を発電動作させ負荷を与える負荷を与えることにより、トルクを吸収させればよいことになる。
【0028】
図4に戻り、続くステップ203では現在のクランク角θが90≦θ<180度の範囲に属するか否かを判断し、この範囲に存在する場合はステップ205へ進んで発電電動機2を電動動作させる。ステップ203にて現在のクランク角が90≦θ<180度の範囲に属さないと判断されるとステップ204へ進み、現在のクランク角θが270≦θ<360度の範囲に属するか否かが判断され、この範囲に属する場合はステップ205へ進み発電電動機2を電動動作させ、ステップ204において、現在のクランク角θが270≦θ<360度の範囲に属さないと判断されるとステップ206へ進み発電電動機2を発電動作させトルクを吸収させる。ステップ205、206にて発電電動機2を所定期間作動させた後、ステップ201へ再び戻り上述した制御を繰り返す。
【0029】
なお、ステップ201にて、現在のエンジン回転数Neがx<Ne<yの範囲に属さない場合は、ステップ202へ進み、現在のエンジン回転数NeがNe>yであるか否かが判断され、現在のエンジン回転数NeがNe>yを満たす場合は再びステップ201へ戻りステップ201の処理を実行し、Ne>yを満たさない場合は本サブルーチンを終了する。
【0030】
次に、上述したトルク制御を実行した時の制御結果について図8に基づき説明する。
図8(a)はエンジン停止過程におけるエンジン回転数の低下の状態を示す線図であり、実線が制御有り、破線が制御無しを示すものである。また図8(b)は発電電動機2の電動及び発電の動作を示す線図である。さらに図8(c)は車両振動の低減を示す振動波形図であり、実線が制御有り、破線が制御無しを示すものである。
この結果から明らかなように、第1実施例によれば、図8(a)の破線に示すような内燃機関1の停止過程に発生するトルク変動に対して、図8(b)の線図に示すように発電電動機2を発電動作及び電動動作を繰り返すよう制御することにより図8(a)の実線に示すように滑らかに回転数が減少するため、回転数の変動が抑制されて負荷トルク変動を小さくすることができる。従って、図8(c)に示すように、内燃機関1の停止指令が与えられてから内燃機関1が停止するまでの間に生じる車両振動を大幅に低減することができる。また、車両の共振周波数近傍を制御対象としてトルク制御が行われるため(x<Ne<yの範囲)、発電電動機2の作動頻度を下げることができ効率的に作動させることが可能となり、ひいては発電電動機2の耐久性の向上につながるとともに、発電電動機2を駆動するための電力消費を抑えることができる。
【0031】
なお、上記第1実施例では、4気筒の場合について説明したが、気筒数が異なる場合においても、クランク角と負荷変動との対応関係を予め求めておき、図4のフローチャートの各クランク角を変更することにより同様の処理によって変動トルクを抑制することができる。
【0032】
[第2実施例]
次に本発明の第2実施例について図9に基づき説明する。
上記第1実施例では図4のフローチャートにおいて説明したように、クランク角を検出して、このクランク角に応じて発電電動機2を発電動作若しくは電動動作させたが、第2実施例は、この図4のフローチャートに代えて図9のフローチャートを用いるものである。
【0033】
すなわち、ステップ301にてステップ201と同様に、現在のエンジン回転数Neがx<Ne<yの範囲に属するか否かを判断し、現在のエンジン回転数Neがx<Ne<yの範囲に属すると判断されるとステップ303へ移行する。続くステップ303では、一つ前のエンジン回転数Ne(i−1)と現在のエンジン回転数Ne(i)との回転数差Ne’=Ne(i−1)−Ne(i)を演算し、この回転数差Ne’が負であるか否かを判断し、負である場合には、ステップ304へ進み発電電動機2を発電動作させる。また、ステップ303にて回転数差Ne’が負ではないと判断されるとステップ305へ進み発電電動機2を電動動作させる。ステップ304、305にて発電電動機2をそれぞれ発電、電動動作させた後、ステップ301へ再び戻り上述した制御を繰り返す。
【0034】
なお、ステップ301にて、現在のエンジン回転数Neがx<Ne<yの範囲に属しない場合は、ステップ302へ進み、現在のエンジン回転数NeがNe>yであるか否かが判断され、現在のエンジン回転数NeがNe>yを満たす場合は再びステップ301へ戻りステップ301の処理を実行し、Ne>yを満たさない場合は、本サブルーチンを終了する。
【0035】
このように、第2実施例によれば、上述した第1実施例と同様の効果が得られるとともに、回転数の変化からトルク変動を求めるため、予めクランク角とトルク変動との対応関係を求めておく必要がなく、機種の異なる内燃機関に適合する場合においても発生するトルク変動を容易に求めることができ、制御装置3の構成を簡略化することができる。
なお、上記第1,2実施例では、車両の共振周波数近傍(x<Ne<yの範囲)を制御対象としてトルク制御を実行したが、これに限られるものではなく、内燃機関の停止過程全域においてトルク制御を実行してもよい。この場合、ステップ201又は301の判断処理に代えて例えば現在のエンジン回転数NeがNe≠0を満たすか否かを判断するようにし、この変更したステップ201又は301を満たさない場合は、サブルーチンを終了するように構成すればよい。すなわち、ステップ202又は302の処理ステップをOFFとする。
【0036】
さらに、上記第1,2実施例では、発電機能と電動機能を兼ね備えた発電電動機2を用いた場合を示したが、電動機能を有さない発電機によりトルク吸収のみを実行してもよい。この場合、ステップ205又は305の処理ステップをOFFとし、ステップ206又は304の発電動作のみが実行されることになる。また、この発電機に代えて、エアコンのコンプレッサと内燃機関との間に介挿される電磁クラッチにより内燃機関のトルク変動を吸収させることもできる。この場合には、ステップ206又は304の処理内容が電磁クラッチの作動に変更される。
【0037】
また,上記第1実施例では、内燃機関1を自動的に停止させる場合にトルク制御を実行するものについて説明したが、運転者の要求により内燃機関を停止させる場合においても上述した図4又図9のフローチャートに示す制御を実行することにより、上記第1,2実施例と同様の効果を得ることができる。この場合、イグニッションキー5がオフされたか否かを検出してこの制御を実行すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関の停止制御装置の第1実施例を示すブロック図である。
【図2】第1実施例における電気回路を示す回路図である。
【図3】本実施例のエコラン制御の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1実施例の内燃機関の停止制御動作を示すフローチャートである。
【図5】内燃機関が4気筒の場合の各気筒の1サイクル中にクランク軸に生ずる負荷変動とクランク角との関係を示す波形図であり、(a)は第1気筒による負荷変動波形図、(b)は第3気筒による負荷変動波形図、(c)は第4気筒による負荷変動波形図、(d)は第2気筒による負荷変動波形図、(e)は(a)〜(d)を合成した合成負荷変動波形図である。
【図6】内燃機関が4気筒の場合の各ピストンによる慣性力の関係を示す図である。
【図7】(a)は図5(e)に示す合成負荷トルクと図6の実線に示す合成慣性力との合力を示す波形図、(b)は(a)の変動波形を低減させるための発電電動機の作動を示す線図である。
【図8】図4の制御を実行した場合の制御結果を示す特性図であり、(a)は内燃機関の負荷変動により生じる回転数の変動の抑制状況を示す線図、(b)は発電電動機の作動状況を示す線図、(c)は車両振動の低減状況を示す波形図である。
【図9】第2実施例の内燃機関の停止制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 発電電動機(トルク付与手段)
3 制御装置(トルク制御手段)
4 クランク角センサ(クランク角検出手段、回転数検出手段)
5 イグニッションキー(停止判定手段)
300 コンピュータ(停止判定手段、共振周波数判定手段)
Claims (6)
- 内燃機関の停止の要求を判定する停止判定手段と、
前記内燃機関とトルク授受可能に配設されたトルク付与手段と、
前記停止判定手段にて前記内燃機関の停止が要求された際、前記内燃機関の停止過程に生じるトルク変動を抑制するように前記トルク付与手段を制御するトルク制御手段とを備え、
前記トルク制御手段は、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段からの回転数信号に基づいて回転数変化を求め、この回転数変化に応じて前記トルク付与手段を制御することにより、前記停止過程における前記内燃機関のトルク変動に対して逆位相となるトルク付与とトルク吸収とを行い、前記内燃機関の回転数が低下するにつれて前記トルク付与の時間が前記トルク吸収の時間に対して長くなるようにしたことを特徴とする内燃機関の停止制御装置。 - 前記内燃機関が車両に搭載された請求項1に記載の内燃機関の停止制御装置において、
更に、
前記内燃機関のトルク変動により発生する振動が、前記車両の共振周波数近傍にあるか否かを判定する共振周波数判定手段を備え、
前記振動が、前記共振周波数近傍にあると判定された時に前記トルク付与手段を作動させることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。 - 請求項1または2に記載の内燃機関の停止制御装置において、
前記トルク付与手段は、前記内燃機関のトルクを吸収する発電機能を有する発電機からなることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。 - 請求項1または2に記載の内燃機関の停止制御装置において、
前記トルク付与手段は、前記内燃機関にトルクを付与する電動機能と前記内燃機関のトルクを吸収する発電機能とを有する発電電動機からなることを特徴とする内燃機関の停止制御装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の停止制御装置を、運転状態に応じて自動的に前記内燃機関を停止及び再始動させるエコラン制御を実行する車両に搭載し、
前記停止判定手段は、前記エコラン制御により前記内燃機関を自動的に停止させるか否かの成立条件を判定することを特徴とする内燃機関の停止制御装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の停止制御装置において、
前記停止判定手段は、イグニッションキーがオフにされたか否かを判定することを特徴とする内燃機関の停止制御装置。
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