JP3783548B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、多気筒エンジン等の内燃機関が搭載される自動車においては、同機関の燃費改善が求められており、この要求を満たすために内燃機関の運転が必要ないときには同機関の自立運転を停止するようにした自動車が提案されている。こうした自動車としては、必要なときのみ機関運転が行われるよう内燃機関を自動的に停止・始動する自動車(エコラン自動車)や、内燃機関と電動機との二種類の原動機を搭載した自動車(ハイブリッド自動車)などがあげられる。
【0003】
これらの自動車にあっては、内燃機関の自立運転停止中であっても自動車が減速走行などを行っていれば、同機関が回転するために機関出力軸に連結されたコンプレッサやオイルポンプ等の各種補機は駆動されることとなる。しかし、内燃機関の自立運転停止中に自動車が停止しているとき等には、内燃機関の回転が停止するために上記各種補機を駆動できなくなる。そのため、内燃機関が回転しておらず、且つ上記各種補機の駆動要求があるときには、自動車に搭載される電動機で各種補機を駆動するようにしている。
【0004】
このように電動機で各種補機を駆動するときには、それら補機が機関出力軸に連結されていることから、内燃機関もつられて回転する。また、ハイブリッド自動車にあっては、各種補機を駆動する以外に自動車を走行させるためにも電動機が駆動されるが、このときにも内燃機関がつられて回転する。即ち、これらエコラン自動車やハイブリッド自動車においては、内燃機関が自立運転停止中であるときに電動機を駆動すると、同機関が強制的に回転するようになる。
【0005】
また、これら自動車に搭載される内燃機関の出力軸には、各種補機の他にバッテリの充電に用いられる発電機が連結されている。そして、内燃機関の自立運転中であれ、惰性回転中であれ、或いは電動機による回転中であれ、同機関が回転しているときには発電機が駆動されることにより発電がなされてバッテリの充電が行われる。即ち、内燃機関が回転しているときには、その回転エネルギの一部が機関回転に基づく発電機の発電を通じて電力としてバッテリに蓄えられるようになる。
【0006】
ところで、内燃機関の惰性回転中や電動機による回転中には同機関においてポンプロスが生じ、そのポンプロスに対応する分だけ発電機の発電効率が悪化する。また、電動機による機関回転中にあっては、上記ポンプロスに対応する分だけ同電動機の駆動抵抗が大きくなる。そこで、上記のような機関回転時に、例えば特開平9−4479号公報に記載されるように内燃機関のスロットルバルブ及び各気筒の給排気バルブを開弁状態で固定し、同機関のポンプロスを低減することも考えられる。このように内燃機関のポンプロスを低減することにより、同機関の惰性回転中や電動機による回転中に発電機の発電効率が悪化すること、及び電動機による機関回転中に同電動機の駆動抵抗が増大することは抑制されるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内燃機関の惰性回転中や電動機による回転中にあって、同機関の駆動要求に基づき同機関の再始動を行う場合、同機関が上記のようにポンプロスを低減させた状態にあることから、機関始動に必要なコンプレッションを上記駆動要求があった後に直ちに得ることはできない。従って、内燃機関の駆動要求があってから同機関の再始動が完了するまでに時間がかかるようになり、同機関の再始動性が悪化するという不具合が生じる。
【0008】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関の再始動性を悪化させることなく、電動機や発電機といった回転電機の発電効率悪化や駆動抵抗増大を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0009】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、電動機と発電機との少なくとも一方として動作する回転電機が連結される多気筒車載内燃機関に適用され、所定条件下では同機関を自立運転停止状態で回転させる内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の各気筒のうち、コンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とする可変手段と、前記回転電機により駆動される自立運転停止状態での機関回転時には、一部の気筒で機関始動に必要なコンプレッションを生じさせるとともに、他の気筒でポンプロスが低減するよう前記可変手段を制御する制御手段とを備えた。
請求項2記載の発明では、電動機と発電機との少なくとも一方として動作する回転電機及び補機が連結される多気筒車載内燃機関に適用され、所定条件下では同機関を自立運転停止状態で回転させる内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の各気筒のうち、コンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とする可変手段と、前記補機の駆動に伴う自立運転停止状態での機関回転時には、一部の気筒で機関始動に必要なコンプレッションを生じさせるとともに、他の気筒でポンプロスが低減するよう前記可変手段を制御する制御手段とを備えた。
請求項3記載の発明では、電動機と発電機とのうち少なくとも発電機として動作する回転電機が連結される多気筒車載内燃機関に適用され、所定条件下では同機関を自立運転停止状態で回転させる内燃機関の制御装置において、前記内燃機関の各気筒のうち、コンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とする可変手段と、自立運転停止状態での機関回転時には、一部の気筒で機関始動に必要なコンプレッションを生じさせるとともに、他の気筒でポンプロスが低減するよう前記可変手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、内燃機関の自立運転停止状態での回転中において、前記回転電機の発電要求に応じてコンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とすべく前記可変手段を制御するものとした。
【0010】
上記の構成によれば、内燃機関が自立運転停止状態で回転しているときには、コンプレッションが生じている気筒以外の気筒ではポンプロスが低減されているため、回転電機が発電機として動作している場合には発電効率悪化が抑制され、回転電機が電動機として動作している場合には駆動抵抗増大が抑制される。また、この状態にあって、内燃機関の駆動要求に基づき同機関の再始動が開始されるときには、上記ポンプロスが低減される気筒以外の気筒では機関始動に必要なコンプレッションが生じているため、内燃機関が速やかに再始動するようになる。従って、内燃機関が自立運転停止状態で回転しているときにおいて、内燃機関の再始動性を悪化させることなく、且つ回転電機における発電効率悪化や駆動抵抗増大を抑制することができる。
【0011】
なお、自立運転停止状態での機関回転が行われる状況としては、例えば車両が減速走行して惰性回転しているとき、車両停止中に電動機(回転電機)等により強制的に回転しているとき、並びに、電動機(回転電機)により車両を走行させているとき等があげられる。
請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、前記制御手段は、前記回転電機に要求される発電量が少ないときよりも同要求される発電量が多いときの方がポンプロスを低減する気筒が多くなるよう前記可変手段を制御するものとした。
上記の構成によれば、回転電機に要求される発電量が多いときにポンプロスを低減する気筒が多くなることから、回転電機の発電量を的確に要求される値に近づけることができる。また、回転電機に要求される発電量が多いときよりも同要求される発電量が少ないときの方がコンプレッションを生じさせる気筒が多くなるため、要求される発電量が少ないときには内燃機関の始動性を向上させることができる。
【0012】
請求項5記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、内燃機関の自立運転停止状態での回転中において、同機関の始動可能性の有無に基づきコンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とすべく前記可変手段を制御するものとした。
【0013】
上記の構成によれば、自立運転停止状態での機関回転中において、必要なときに的確にコンプレッションを生じさせ、それ以外のときには的確にポンプロスの低減を図ることができるようになる。
【0014】
請求項6記載の発明では、請求項5記載の発明において、前記制御手段は、内燃機関の始動可能性無しのときよりも同始動可能性有りのときの方がコンプレッションを生じさせる気筒が多くなるよう前記可変手段を制御するものとした。
【0015】
上記の構成によれば、内燃機関の始動可能性有りのときにコンプレッションを生じさせる気筒が多くなることから、自立運転停止状態での機関回転中から内燃機関が始動されるとき、確実に内燃機関を始動させることができる。また、内燃機関の始動可能性有りのときよりも同始動可能性無しのときの方がポンプロスが低減される気筒が多くなるため、同機関始動可能性無しのときには回転電機における発電効率悪化や駆動抵抗増大を確実に抑制することができる。
【0016】
なお、可変手段の制御態様としては、例えば内燃機関の始動可能性無しのときには一部の気筒でコンプレッションを生じさせるとともに他の気筒でポンプロスを低減し、同機関の始動可能性有りのときには全部の気筒でコンプレッションを生じさせるといった制御態様が考えられる。この場合、自立運転停止状態での機関回転中から内燃機関が始動されるとき、全部の気筒でコンプレッションが生じているため、確実に内燃機関を始動させることができるようになる。
【0017】
請求項7記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記制御手段は、同機関の始動可能性無しのときには全部の気筒でポンプロスを低減し、同機関の始動可能性有りのときには一部の気筒でコンプレッションを生じさせるとともに他の気筒でポンプロスが低減するよう前記可変手段を制御するものとした。
【0018】
上記の構成によれば、自立運転停止状態での機関回転中において、内燃機関の始動可能性がないとき、全部の気筒でポンプロスが低減されるため、回転電機における発電効率悪化や駆動抵抗増大を確実に抑制することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を内燃機関と電動機との二種類の原動機が搭載されるバイブリッド自動車に適用した第1実施形態について図1〜図7に基づき説明する。
【0024】
図1に示すように、ハイブリッド自動車1には、V型六気筒の火花点火式エンジン11と、電動機及び発電機として機能するモータジェネレータ2,3とが搭載されている。このエンジン11は、一番気筒#1〜三番気筒#3を有する第1バンク11aと、四番気筒#4〜六番気筒#6を有する第2バンク11bとを備えている。そして、エンジン11の出力軸であるクランクシャフト14は、一方のモータジェネレータ2及び自動変速機4等を介して車輪5に連結されている。また、クランクシャフト14には、ハイブリッド自動車1に搭載されたエアコンディショナ用のコンプレッサ7やウォータポンプ8等の各種補機が連結されるとともに、それら補機には他方のモータジェネレータ3が連結されている。
【0025】
そして、エンジン11とモータジェネレータ2との少なくとも一方の駆動により、車輪5が回転してハイブリッド自動車1が走行するようになっている。このハイブリッド自動車1の車速は、自動変速機4の出力軸4aの回転に対応した信号を出力するスピードセンサ6からの検出信号に基づき求められる。また、車輪5の近傍には、ブレーキペダル28の踏み込みに基づき動作してハイブリッド自動車1の減速及び停止を行うブレーキ29が設けられている。そして、上記ブレーキペダルの踏み込みの有無は、ブレーキスイッチ28aによって検出されるようになっている。
【0026】
ハイブリッド自動車1においては、ハイブリッド自動車1の停止中、減速走行中、及びモータジェネレータ2のみによる走行中など、所定条件下でエンジン11の自立運転を停止することにより同エンジン11の燃費改善が図られる。このようにエンジン11の自立運転が停止されても減速走行中やモータジェネレータ2による走行が行われている場合には、車輪5やモータジェネレータ2からの回転がエンジン11が伝達されてクランクシャフト14が回転し、コンプレッサ7やウォータポンプ8等の各種補機が駆動されることとなる。
【0027】
しかし、エンジン11の自立運転が停止し且つハイブリッド自動車1が停止しているとき等には、エンジン11(クランクシャフト14)の回転が停止するために上記各種補機を駆動できなくなる。そのため、エンジン11が回転しておらず、且つ各種補機の駆動要求があるときには、モータジェネレータ3で各種補機が駆動されることとなる。このときには、それら補機がエンジン11のクランクシャフト14に連結されていることから、モータジェネレータ3による各種補機の駆動につられてエンジン11も回転する。即ち、エンジン11の自立運転停止中にモータジェネレータ3を駆動すると、エンジン11が強制的に回転されるようになる。
【0028】
また、エンジン11の自立運転中であれ、減速走行での惰性回転中であれ、或いはモータジェネレータ3による回転中であれ、エンジン11が回転しているときには、モータジェネレータ2が回転されることにより発電がなされてバッテリ9の充電が行われる。更に、エンジン11の回転がモータジェネレータ3によるものでないときには、このモータジェネレータ3によっても発電がなされてバッテリ9の充電が行われる。このようにエンジン11が回転しているときには、その回転エネルギの一部がモータジェネレータの発電を通じて電力としてバッテリ9に蓄えられるようになる。
【0029】
次に、エンジン11の内部構造について図2を参照して詳しく説明する。
図2に示すように、エンジン11においては、第1バンク11aにある各気筒#1〜#3(一番気筒#1のみ図示)、及び第2バンク11bにある各気筒#4〜#6(四番気筒#4のみ図示)に対応して、それぞれピストン12が設けられている。そして、これらピストン12の往復移動がコネクティングロッド13によってクランクシャフト14の回転へと変換される。また、クランクシャフト14には複数の突起14bを備えたシグナルロータ14aが取り付けられており、同ロータ14aの側方にはクランクシャフト14の回転に伴い上記各突起14bに対応したパルス状の信号を出力するクランクポジションセンサ14cが設けられている。
【0030】
一番気筒#1〜三番気筒#3(第1バンク11a)の燃焼室16には吸気通路32a及び排気通路33aが接続され、四番気筒#4〜六番気筒#6(第2バンク11b)の燃焼室16には吸気通路32b及び排気通路33bが接続されている。第1バンク11aにおける吸気通路32aと燃焼室16との間、及び排気通路33aと燃焼室16との間は、吸気バルブ19a及び排気バルブ20aの開閉駆動によって開閉される。また、第2バンク11bにおける吸気通路32bと燃焼室16との間、及び排気通路33bと燃焼室16との間は、吸気バルブ19b及び排気バルブ20bの開閉駆動によって開閉される。
【0031】
エンジン11において、第1バンク11aには吸気バルブ19a及び排気バルブ20aを開弁状態に固定するためのアクチュエータ27aが設けられるとともに、第2バンク11bには吸気バルブ19b及び排気バルブ20bを開弁状態に固定するためのアクチュエータ27bが設けられている。これらアクチュエータ27a,27bの駆動により、吸気バルブ19a,19b及び排気バルブ20a,20bが開弁状態に固定されると、それぞれ第1及び第2バンク11a,11bでのポンプロスが低減されるようになる。
【0032】
上記吸気通路32a、32bにおいて、その上流部分にはエンジン11の吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ23a,23bがそれぞれ設けられている。これらスロットルバルブ23a,23bの開度は、ハイブリッド自動車1に設けられたアクセルペダル25の踏込操作に応じてスロットル用モータ24a,24bをそれぞれ駆動することによって調整される。即ち、アクセルペダル25の踏込操作に応じて変化するアクセル踏込量がアクセルポジションセンサ26によって検出され、この検出されるアクセル踏込量に応じてスロットル用モータ24a,24bが制御されることによりスロットルバルブ23a,23bの開度が調節される。これらスロットルバルブ23a,23bの開度が大きくなると、それぞれ第1及び第2バンク11a,11bでのポンプロスが低減されるようになる。
【0033】
また、第1及び第2バンク11a,11bにはそれぞれ、燃焼室16内に直接燃料を噴射供給して燃料と空気とからなる混合気を形成する燃料噴射弁40a,40bと、燃焼室16内の混合気に対して点火を行う点火プラグ41a,41bとが設けられている。この点火プラグ41a,41bによる点火時期はイグナイタ42a、42bによって制御される。そして、燃焼室16内の混合気を点火して燃焼させると、ピストン12が往復移動してクランクシャフト14が回転し、エンジン11が駆動されるようになる。また、燃焼室16内で燃焼した後の混合気は排気として排気通路33a,33bに送り出される。
【0034】
次に、エンジン11の制御装置の電気的構成を図3に基づき説明する。
この制御装置は、スロットル開度制御、燃料噴射制御、及び点火時期制御などエンジン11の運転制御、並びにモータジェネレータ2,3の駆動制御を行う電子制御ユニット(以下、ECUという)92を備えている。このECU92は、ROM93、CPU94、RAM95及びバックアップRAM96等を備える算術論理演算回路として構成されている。
【0035】
ここで、ROM93は各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はROM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM96はエンジン11の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。そして、ROM93、CPU94、RAM95及びバックアップRAM96は、バス97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路98及び外部出力回路99と接続されている。
【0036】
外部入力回路98には、スピードセンサ6、クランクポジションセンサ14c、アクセルポジションセンサ26、及びブレーキスイッチ28a等が接続されている。一方、外部出力回路99には、モータジェネレータ2,3、スロットル用モータ24a,24b、アクチュエータ27a,27b、燃料噴射弁40a,40b、及びイグナイタ42a,42b等が接続されている。
【0037】
このように構成されたECU92は、スピードセンサ6からの検出信号に基づきハイブリッド自動車1の車速を求めるとともに、アクセルポジションセンサ26からの検出信号に基づきアクセル踏込量を求める。そして、ECU92は、現在の車速及びアクセル踏込量が図4に示されるモータ走行領域、片バンク運転領域、及び両バンク運転領域のいずれの領域に存在するかに応じて、ハイブリッド自動車1を走行させるための動力源をエンジン11とモータジェネレータ2とのいずれか、若しくはそれらの両方に切り換える。
【0038】
即ち、図4に示すように、車速が低く且つアクセル踏込量が小であるモータ走行領域では、ECU92は、エンジン11の自立運転を停止してモータジェネレータ2のみによってハイブリッド自動車1を走行させる。エンジン11の自立運転を停止する際には、燃料噴射弁40a,40bによる燃料噴射が停止されるとともに、点火プラグ41a,41bによる混合気への点火が停止される。
【0039】
また、車速がモータ走行領域よりも高く且つアクセル踏込量が小又は中である片バンク運転領域では、ECU92は、エンジン11の一方のバンクのみでの運転とモータジェネレータ2の駆動とによってハイブリッド自動車1を走行させる。このとき、ECU92は、運転されていない方のバンクでのポンプロスを低減するために、そのバンクに対応するスロットルバルブ、吸気バルブ、及び排気バルブが開弁状態で固定されるよう、スロットル用モータ及びアクチュエータを駆動制御する。
【0040】
更に、車速が片バンク運転領域よりも高く且つアクセル踏込量が片バンク運転領域よりも大である両バンク運転領域では、ECU92は、エンジン11の両方のバンク11a,11bでの運転によってハイブリッド自動車1を走行させる。このとき、ECU92は、ハイブリッド自動車1を走行させるためのモータジェネレータ2の駆動を停止する。
【0041】
エンジン11が自立運転した状態となる片バンク運転領域や両バンク運転領域では、ハイブリッド自動車1の減速走行中など所定条件下において燃料噴射弁40a,40bからの燃料噴射を停止(燃料カット)し、エンジン11の燃費改善が図られる。このとき、燃料カットによりエンジン11の自立運転は停止されるが、ハイブリッド自動車1の減速走行に伴う車輪5の回転がクランクシャフト14に伝達され、エンジン11が自立運転停止状態で惰性回転するようになる。こうしたエンジン11の自立運転停止状態での回転は、上記のような燃料カット中のほか、モータジェネレータ2のみでの走行中や、ハイブリッド自動車1の停止時にモータジェネレータ3で各種補機を駆動するときにも行われる。
【0042】
エンジン11の自立運転停止状態での回転中には、その回転に基づきモータジェネレータ2,3の少なくとも一つで発電がなされてバッテリ9に対する充電が行われる。そのため、エンジン11の自立運転停止状態での回転中には、エンジン11でのポンプロスを低減することにより、このポンプロスに対応する分だけモータジェネレータ2,3での発電効率が悪化するのを抑制することも考えられる。また、このようにエンジン11でのポンプロスを低減すれば、モータジェネレータ2での走行中やモータジェネレータ3での各種補機の駆動中に、エンジン11がつられて回転するときのモータジェネレータ2,3の上記ポンプロスに対応した分の駆動抵抗も低減できるようになる。
【0043】
自立運転停止状態でのエンジン回転中のポンプロスを的確に低減するためには、スロットルバルブ23a,23b、吸気バルブ19a,19b、及び排気バルブ20a,20bの全てを開弁状態で固定することが好ましい。しかし、このときには上記のようなポンプロスの低減に伴い、いずれの気筒#1〜#6の燃焼室16においてもエンジン始動に必要なガスの圧縮状態(コンプレッション)が確保できなくなる。そのため、燃料カットによるエンジン11の惰性回転中や、モータジェネレータ2,3によるエンジン回転中にあって、エンジン11の駆動要求に基づき再始動を行う場合、同駆動要求があった後にエンジン始動に必要なコンプレッションを直ちに得ることはできない。従って、上記エンジン11の駆動要求があってから再始動するまでの間に時間がかかり、エンジン11の再始動性が悪化するようになる。
【0044】
そこで本実施形態では、自立運転停止中でのエンジン回転中において、エンジン11の再始動の可能性が無い場合には上記のように両方のバンク11a,11bでポンプロスを低減し、エンジン11の再始動の可能性がある場合には一方のバンクでポンプロスを低減するとともに他方のバンクでエンジン始動に必要なコンプレッションを確保する。このように一部の気筒(一方のバンクの気筒)でポンプロスを低減するとともに、その他の気筒(他方のバンクの気筒)でエンジン始動に必要なコンプレッションを確保することにより、エンジン11の再始動性を悪化させることなく、モータジェネレータ2,3の発電効率悪化や駆動抵抗増大を抑制することができるようになる。
【0045】
次に、自立運転停止状態でのエンジン回転中に上記のようにポンプロスの低減やコンプレッションの確保を行う手順、及び自立運転停止状態でのエンジン回転中からエンジン11を再始動させる手順について、図5及び図6のフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートに示される処理は、ECU92を通じて例えば所定時間毎に実行される。
【0046】
ECU92は、ステップS101〜S104(図5)の処理で、エンジン11が自立運転停止状態で回転しているか否かを判断する。即ち、ステップS101の処理ではハイブリッド自動車1が停止した状態でのモータジェネレータ3によるエンジン回転中(各種補機の駆動中等)であるか否かを判断し、ステップS102の処理では車速及びアクセル踏込量が図4に示されるモータ走行領域にある状態か否かを判断する。また、ステップS103の処理では図4に示される片バンク運転領域での燃料カット中であるか否かを判断し、ステップS104の処理では図4に示される両バンク運転領域での燃料カット中であるか否かを判断する。
【0047】
これらステップS101〜S104の全てで否定判定がなされると、ECU92は、自立運転停止状態でのエンジン回転が行われていない旨判断して処理を一旦終了する。また、ステップS101〜S104のいずれかにおいて肯定判定がなされると、自立運転停止状態でのエンジン回転がなされている旨判断し、ステップS105に進む。ステップS105〜S108の処理は、エンジン11の再始動可能性の有無に応じて、ポンプロスを低減する気筒の数、及びコンプレッションを生じさせる気筒の数を調整するためのものである。
【0048】
ハイブリッド自動車1が停止した状態でのモータジェネレータ3による各種補機の駆動、若しくはハイブリッド自動車1のモータジェネレータ2のみによる走行に基づき、エンジン11が自立運転停止状態で回転している場合、アクセルペダル25の踏み込みによってアクセル踏込量が片バンク運転領域又は両バンク運転領域へと移行すると、エンジン11の再始動要求がなされる。また、ハイブリッド自動車1の減速走行中におけるエンジン11の燃料カットに基づき、エンジン11が自立運転停止状態で回転している場合、アクセルペダル25の踏み込みに基づき燃料カットの停止が指示されると、エンジン11の再始動要求がなされることとなる。
【0049】
このように自立運転停止状態でのエンジン回転中からの再始動はアクセルペダル25の踏み込みに基づき行われるため、アクセルペダル25が踏み込まれる可能性のある状況か否かに基づきエンジン11の再始動可能性の有無を判断することができる。そして、アクセルペダル25が踏み込まれる可能性のある状況か否かは、例えばブレーキペダル28が踏み込まれているか否かに基づき判断することができる。即ち、自立運転停止状態でのエンジン回転中において、ブレーキペダル28が踏み込まれているときにはアクセルペダル25が踏み込まれてエンジン11が再始動要求される可能性は無く、ブレーキペダル28が踏み込まれていないときにはアクセルペダル25が踏み込まれてエンジン11が再始動される可能性が有る。
【0050】
ECU92は、ステップS105の処理として、ブレーキスイッチ28aからの信号に基づき検出されるブレーキペダル28の踏み込み状態に基づき、エンジン11の再始動可能性有りか否かを判断する。
【0051】
このステップS105の処理において、ブレーキペダル28が踏み込まれた状態であることに基づき再始動可能無しである旨判断されると、ECU92は、ステップS108の処理として両バンク11a,11bでポンプロスを低減(デコンプ)する。即ち、両バンク11a,11bにそれぞれ対応するスロットルバルブ23a,23bが全開の状態で固定されるよう、スロットル用モータ24a,24bをそれぞれ駆動制御する。更に、両バンク11a,11bの各気筒にそれぞれ対応する吸気バルブ19a,19b及び排気バルブ20a,20bが開弁状態で固定されるよう、アクチュエータ27a,27bを駆動制御する。
【0052】
このように両バンク11a,11bでポンプロスを低減することにより、モータジェネレータ2,3の発電効率悪化及び駆動抵抗増大を的確に抑制することができるようになる。ECU92は、上記ステップS108の処理でスロットル用モータ24a,24b、及びアクチュエータ27a,27bの駆動制御を行った後に処理を一旦終了する。
【0053】
また、ステップS105の処理においてブレーキペダル28が踏み込まれた状態でないことに基づき再始動可能性有りである旨判断されると、ECU92は、ステップS106の処理として一方のバンクでポンプロスを低減し、続くステップS107の処理として他方のバンクでエンジン始動に必要なコンプレッションを確保する。即ち、上記一方のバンクに対応するスロットルバルブが全開の状態で固定されるよう、同スロットルバルブに対応するスロットル用モータを駆動制御するとともに、上記バンクの各気筒に対応する吸気バルブ及び排気バルブが開弁状態で固定されるよう、これらバルブに対応するアクチュエータを駆動制御する。また、上記他方のバンクに対応するスロットルバルブ、並びに、吸気バルブと排気バルブは、同バンクの各気筒でエンジン11の始動に必要なコンプレッションを生じるさせるべく通常どおり開閉制御される。
【0054】
このように一方のバンクでポンプロスを低減するとともに、他方のバンクでコンプレッションを確保することにより、エンジン11の再始動性悪化を抑制しつつ、モータジェネレータ2,3での発電効率悪化及び駆動抵抗増大の抑制が図られる。ECU92は、上記ステップS106,S107の処理で、スロットル用モータ24a,24b、及びアクチュエータ27a,27bの駆動制御を行った後、ステップS109(図6)に進む。このステップS109以降の処理は、自立運転停止状態でのエンジン回転中からエンジン11を再始動させるためのものである。
【0055】
ECU92は、ステップS109の処理として、エンジン11の再始動要求が有るか否かを判断する。こうしたエンジン11の再始動要求は、上述したようにアクセルペダル25の踏み込み等に基づきなされることとなる。そして、再始動要求無しであれば処理を一旦終了し、再始動要求有りであればステップS110に進む。
【0056】
ECU92は、ステップS110の処理として、再始動開始から予め定められた所定時間tが経過したか否かに基づき、エンジン11の再始動が未完了であるか否かを判断する。そして、再始動開始から所定時間が経過していないことに基づきエンジン11の再始動が未完了である旨判断されると、ステップS111に進む。従って、初めてステップS110の処理が実行されるときには、エンジン11の再始動開始から所定時間が経過していないことからステップS111に進むことになる。
【0057】
ECU92は、ステップS111の処理として、第1及び第2バンク11a,11bのうちのコンプレッションを生じさせている方の片バンクの各気筒で、燃料噴射及び点火が行われるよう燃料噴射弁及びイグナイタを駆動制御する。その後にECU92は処理を一旦終了する。
【0058】
このようにエンジン11の再始動が開始された後に同開始から所定時間が経過すると、上記ステップS110の処理でエンジン11の再始動が完了した旨判断され、ステップS112に進む。ECU92は、ステップ112の処理としてエンジン11を通常運転へと移行させる。即ち、このときのアクセル踏込量及び車速が両バンク運転領域にあればエンジン11を片バンクでの運転から両バンクでの運転へと切り換え、上記アクセル踏込量及び車速が片バンク運転領域にあればエンジン11の片バンクでの運転状態を継続する。このようにエンジン11を通常運転へと移行させた後、ECU92は処理を一旦終了する。
【0059】
最後に、上記のようなポンプロスの低減及びコンプレッションの確保、並びにエンジン11の再始動について、図7のタイムチャートを参照して総括する。このタイムチャートは、ハイブリッド自動車1の走行中であって、エンジン11が自立運転停止状態で回転しているときから再始動されるまでに、エンジン回転数、コンプレッションが生じる気筒(バンク)、及び車速がどのように変化するかを示すものである。
【0060】
ハイブリッド自動車1の減速走行中での燃料カット時など、エンジン11の自立運転停止状態での回転中には、エンジン回転数及び車速度が徐々に低下する。こうした状態にあって、ブレーキペダル28が踏み込まれていないときにはエンジン11の再始動可能性が有るため、片方のバンクの各気筒でポンプロスの低減が行われるとともに、他方のバンクの各気筒でエンジン11の始動に必要なコンプレッションの確保が行われる。
【0061】
そして、アクセルペダル25の踏み込みに基づきエンジン11の再始動要求がなされると、コンプレッションが確保されている各気筒(他方のバンクの各気筒)で燃料噴射及び点火が行われ、エンジン11の再始動が開始される。そして、エンジン11の再始動が完了したとき、エンジン11の運転状態が両バンク運転領域にあるならば、他方のバンクの各気筒でも燃料噴射及び点火が開始されて両バンクでの運転へと切り換えられる。こうしてエンジン11が再始動した後にはエンジン回転数及び車速が徐々に上昇するようになる。
【0062】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)自立運転停止状態でのエンジン回転中であって、エンジン11の再始動可能性が有るときには、両バンク11a,11bのうちの一方のバンクの各気筒でポンプロスの低減が行われ、他方のバンクの各気筒でエンジン始動に必要なコンプレッションが生じるようになる。この状態にあっては、コンプレッションが生じている気筒以外の気筒ではポンプロスの低減がなされるため、エンジン11のポンプロスに基づきモータジェネレータ2,3の発電効率が悪化することは抑制される。また、エンジン11の駆動要求に基づく燃料噴射及び点火が開始されてエンジン再始動が開始されるときには、上記ポンプロスが低減される気筒以外の気筒でエンジン始動に必要なコンプレッションが生じているため、エンジン11の再始動が速やかに行われるようになる。従って、自立運転停止状態でのエンジン回転中において、エンジン11の再始動性を悪化させることなく、且つモータジェネレータ2,3の発電効率が悪化するのを抑制することができる。
【0063】
(2)また、上記エンジン11の自立運転停止状態での回転が、モータジェネレータ2のみによるハイブリッド自動車1の走行に伴うもの、及びモータジェネレータ3による各種補機の駆動に伴うもの等である場合、エンジン11の始動可能性が有るときには片バンクの各気筒でポンプロスが低減されるとともに他方のバンクの各気筒でエンジン始動に必要なコンプレッションが生じていることから、エンジン11の再始動性を悪化させることなく、且つエンジン11のポンプロスに基づき上記モータジェネレータ2,3の駆動抵抗が増大するのを抑制することができる。
【0064】
(3)エンジン11の自立運転停止状態での回転中にあっては、エンジン11の再始動可能性無しのときに両バンク11a,11bの全ての各気筒でポンプロスが低減され、同再始動可能性有りのときに一方のバンクの各気筒でポンプロスが低減されるとともに他方のバンクの各気筒でエンジン始動に必要なコンプレッションが生じるようになる。即ち、再始動可能性の有無に応じてポンプロスを低減させる気筒及びコンプレッションを生じさせる気筒が可変とされ、再始動可能性無しのときよりも再始動可能性有りのときの方がコンプレッションを生じさせる気筒が多くされる。そのため、自立運転停止状態でのエンジン回転中からの再始動時に、的確にエンジン11を再始動することができるようになる。また、再始動可能性無しのときには、エンジン11の全ての気筒でポンプロスの低減が図られることにより、再始動可能性有りのときよりもポンプロスが低減される気筒が多くなる。そのため、再始動可能性なしのときにモータジェネレータ2,3での発電効率の悪化や駆動抵抗の増大を確実に抑制することができる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図8に基づき説明する。この実施形態は、エンジンが自立運転停止状態で回転しているとき、再始動可能性の有無に応じてではなく、モータジェネレータに対する発電要求に応じてコンプレッションを生じさせる気筒及びポンプロスを低減する気筒を可変とすることで、エンジン再始動性の悪化を抑制しつつ、モータジェネレータによる発電量を的確に要求される値へと近づけるようにしたものである。
【0066】
図8は、自立運転停止状態でのエンジン回転中にポンプロスの低減やコンプレッションの確保を行う手順、及び自立運転停止状態でのエンジン回転中からエンジン11を再始動させる手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、第1実施形態で説明した図5及び図6のフローチャートに示される処理に対応したものであって、第1実施形態におけるステップS105以降の処理に対応する処理(S305以降の処理)のみが第1実施形態と異なっている。
【0067】
ECU92は、ステップS301〜S304の処理により、エンジン11が自立運転停止状態で回転している状態か否かを判断する。そして、自立運転停止状態でのエンジン回転中でなければステップS301〜S304の全てで否定判定がなされ、ECU92は処理を一旦終了する。また、自立運転停止状態でのエンジン回転中であればステップS301〜S304のいずれかで肯定判定がなされ、ステップS305に進む。
【0068】
ECU92は、ステップS305の処理として、一方のバンクにおける各気筒でのポンプロスを低減(デコンプ)する。即ち、同バンクに対応するスロットルバルブが全開の状態で固定されるようスロットル用モータを駆動制御するとともに、上記バンクの各気筒に対応する吸気バルブ及び排気バルブが開弁状態で固定されるようアクチュエータを駆動制御する。
【0069】
続いてECU92は、ステップS306の処理として、他方のバンクにおける所定の気筒にてエンジン始動に必要なコンプレッションを生じさせ、このコンプレッションを生じさせる気筒の数をモータジェネレータ2,3に対する発電要求に応じて可変とする。即ち、ECU92は、例えばバッテリ9の電圧が高くバッテリ充電量が十分であるとき(要求される発電量が少ないとき)には、同バンクにおける全ての気筒でコンプレッションを生じさせるべく、これら各気筒に対応する吸気バルブ及び排気バルブ、並びにスロットルバルブを通常どおり開閉駆動させる。そして、ECU92は、バッテリ9の電圧が低くなりバッテリ充電量が少なくなる(要求される発電量が多くなる)ほど、コンプレッションを生じさせる気筒が少なくなるよう、各気筒に対応するアクチュエータを個別に駆動制御して吸気バルブ及び排気バルブが開弁状態に固定される気筒の数を変更する。
【0070】
この吸気バルブ及び排気バルブが開弁状態に固定される気筒、即ちコンプレッションを生じさせない気筒についてはポンプロスの低減が図られる。従って、上記バンクの各気筒に対応するアクチュエータを個別に駆動制御することで、コンプレッションを生じさせる気筒の数、及びポンプロスが低減される気筒の数が、モータジェネレータ2,3に対する発電要求に応じて変更されることとなる。その後、ステップS307に進む。このステップS307以降の処理は、自立運転停止状態でのエンジン回転中からエンジン11を再始動させるためのものである。
【0071】
ECU92は、ステップS307の処理でエンジン11の再始動要求が有るか否か判断し、再始動要求がなければ処理を一旦終了する。また、エンジン11の再始動要求があれば、ステップS308の処理でエンジン11の再始動が未完了であるか否かを判断する。そして、エンジン11の再始動が未完了である旨判断されると、ECU92は、ステップS309の処理としてコンプレッションが生じている気筒で、燃料噴射及び点火が行われるよう燃料噴射弁及びイグナイタを駆動制御する。こうした燃料噴射及び点火によってエンジン11の再始動が完了すると、上記ステップS308の処理で否定判定がなされてステップS310に進む。ECU92は、ステップ310の処理としてエンジン11を通常運転へと移行させた後、処理を一旦終了する。
【0072】
本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(4)エンジン11が自立運転停止状態で回転しているとき、モータジェネレータ2,3に要求される発電量が多くなるほど、ポンプロスを低減する気筒の数が多くなるとともにコンプレッションを生じさせる気筒が少なくなる。従って、ポンプロスを低減する気筒は要求される発電量が多いときの方が同発電量が少ないときよりも多くなり、コンプレッションを生じさせる気筒は要求される発電量が多いときの方が同発電量が少ないときよりも少なくなる。そのため、要求される発電量が多いときにはエンジン11のポンプロスを低減して発電効率の悪化を抑制し、要求される発電量が少ないときにはコンプレッションを生じさせる気筒を多くして再始動性を向上させることができる。
【0073】
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第1実施形態において、エンジン再始動可能性有りのときに片方のバンクにおける全ての気筒でコンプレッションを生じさせたが(図5のステップS107)、このときにモータジェネレータ2,3に要求される発電量に応じてコンプレッションを生じさせる気筒の数を可変としてもよい。
【0074】
・上記各実施形態において、各気筒に対応するアクチュエータを個別に駆動制御することで、コンプレッションを生じさせる気筒の数、及びポンプロスを低減する気筒の数をバンク11a,11bに関係なく可変としてもよい。この場合、コンプレッションを生じさせる気筒の数、及びポンプロスを低減する気筒の数を、一層細かく調整することができるようになる。
【0075】
・上記各実施形態において、電動機と発電機との機能を併せ持つ回転電機としてモータジェネレータ2,3を設けたが、これに代えて電動機と発電機とを別々に設けてもよい。
【0076】
・上記各実施形態において、エンジン11の再始動可能性の有無やモータジェネレータ2,3に要求される発電量に関係なく、エンジン11の自立運転停止状態での回転中には、常に一方のバンクにおける各気筒でポンプロスを低減するとともに他方のバンクにおける各気筒でコンプレッションを生じさせるようにしてもよい。この場合、ポンプロスを低減する気筒、及びコンプレッションを生じさせる気筒の数を可変とする必要がなく、その分だけ制御を簡略化することができる。
【0077】
・第1実施形態において、エンジン11の自立運転停止状態での回転中であるとき、再始動可能性無しであれば一方のバンクの各気筒でポンプロスを低減するとともに他方のバンクの各気筒でコンプレッションを生じさせ、再始動可能性有りであれば両方のバンク11a,11bの各気筒でポンプロスを低減するようにしてもよい。この場合も、再始動可能性無しのときよりも再始動可能性有りのときの方がコンプレッションを生じさせる気筒の数が多くなり、再始動可能性有りのときには全部の気筒でコンプレッションが生じているため、確実にエンジン11を再始動することができるようになる。なお、再始動可能性無しのとき、モータジェネレータ2,3に要求される発電量に応じて、コンプレッションを生じさせる気筒の数(ポンプロスを低減する気筒の数)を可変としてもよい。
【0078】
・上記各実施形態において、エンジン11に吸気バルブや排気バルブのバルブ特性を可変とするバルブ特性可変装置が設けられる場合には、同装置によりバルブ特性を変更して休止気筒でのポンプロスを低減するようにしてもよい。
【0079】
・上記各実施形態では、V型六気筒のエンジン11に本発明を適用したが、これに代えてV型八気筒や直列六気筒など他の形式のエンジンに本発明を適用してもよい。
【0080】
・上記各実施形態では、内燃機関と電動機との搭載するハイブリッド自動車に本発明を適用したが、車両停止時などに内燃機関の自立運転を自動的に停止するとともに車両発進時に内燃機関を自動的に再始動する自動車(いわゆるエコラン自動車)に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のエンジン制御装置が適用されるハイブリッド自動車の駆動系を示す概略図。
【図2】同エンジンの内部構造を示す略図。
【図3】上記制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】エンジン及びモータジェネレータの駆動態様を示す図。
【図5】第1実施形態におけるエンジンでのポンプロスの低減及びコンプレッションの確保を行う手順、並びにエンジンを再始動する手順を示すフローチャート。
【図6】第1実施形態におけるエンジンでのポンプロスの低減及びコンプレッションの確保を行う手順、並びにエンジンを再始動する手順を示すフローチャート。
【図7】エンジンが自立運転停止状態で回転しているときから再始動されるまでに、エンジン回転数、コンプレッションが生じる気筒(バンク)、及び車速がどのように変化するかを示すタイムチャート。
【図8】第2実施形態におけるエンジンでのポンプロスの低減及びコンプレッションの確保を行う手順、並びにエンジンを再始動する手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…ハイブリッド自動車、2,3…モータジェネレータ、6…スピードセンサ、7…コンプレッサ、8…ウォータポンプ、9…バッテリ、11…エンジン、11a…第1バンク、11b…第2バンク、14…クランクシャフト、14c…クランクポジションセンサ、16…燃焼室、19a,19b…吸気バルブ、20a,20b…排気バルブ、23a,23b…スロットルバルブ、24a,24b…スロットル用モータ、25…アクセルペダル、26…アクセルポジションセンサ、27a,27b…アクチュエータ、28…ブレーキペダル、28a…ブレーキスイッチ、40a,40b…燃料噴射弁、41a,41b…点火プラグ、42a,42b…イグナイタ、92…電子制御ユニット(ECU)。
Claims (7)
- 電動機と発電機との少なくとも一方として動作する回転電機が連結される多気筒車載内燃機関に適用され、所定条件下では同機関を自立運転停止状態で回転させる内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関の各気筒のうち、コンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とする可変手段と、
前記回転電機により駆動される自立運転停止状態での機関回転時には、一部の気筒で機関始動に必要なコンプレッションを生じさせるとともに、他の気筒でポンプロスが低減するよう前記可変手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 電動機と発電機との少なくとも一方として動作する回転電機及び補機が連結される多気筒車載内燃機関に適用され、所定条件下では同機関を自立運転停止状態で回転させる内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関の各気筒のうち、コンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とする可変手段と、
前記補機の駆動に伴う自立運転停止状態での機関回転時には、一部の気筒で機関始動に必要なコンプレッションを生じさせるとともに、他の気筒でポンプロスが低減するよう前記可変手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 電動機と発電機とのうち少なくとも発電機として動作する回転電機が連結される多気筒車載内燃機関に適用され、所定条件下では同機関を自立運転停止状態で回転させる内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関の各気筒のうち、コンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とする可変手段と、
自立運転停止状態での機関回転時には、一部の気筒で機関始動に必要なコンプレッションを生じさせるとともに、他の気筒でポンプロスが低減するよう前記可変手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、内燃機関の自立運転停止状態での回転中において、前記回転電機の発電要求に応じてコンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とすべく前記可変手段を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記制御手段は、前記回転電機に要求される発電量が少ないときよりも同要求される発電量が多いときの方がポンプロスを低減する気筒が多くなるよう前記可変手段を制御する
請求項3記載の内燃機関の制御装置。 - 前記制御手段は、内燃機関の自立運転停止状態での回転中において、同機関の始動可能性の有無に基づきコンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とすべく前記可変手段を制御する
請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。 - 前記制御手段は、内燃機関の始動可能性無しのときよりも同始動可能性有りのときの方がコンプレッションを生じさせる気筒が多くなるよう前記可変手段を制御する
請求項5記載の内燃機関の制御装置。 - 前記制御手段は、同機関の始動可能性無しのときには全部の気筒でポンプロスを低減し、同機関の始動可能性有りのときには一部の気筒でコンプレッションを生じさせるとともに他の気筒でポンプロスが低減するよう前記可変手段を制御する
請求項6記載の内燃機関の制御装置。
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