JP2002115580A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
内燃機関の制御装置Info
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Abstract
動機や発電機といった回転電機の発電効率悪化や駆動抵
抗増大を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提
供する。 【解決手段】自立運転停止状態でのエンジン回転中にあ
っては、両バンク11a,11bのうちの一方のバンク
の各気筒でポンプロスを低減し、他方のバンクの各気筒
でエンジン始動に必要なコンプレッションを生じさせ
る。この状態にあっては、コンプレッションが生じてい
る気筒以外の気筒ではポンプロスが低減されるため、エ
ンジン11のポンプロスによるモータジェネレータの発
電効率悪化や駆動抵抗増大が抑制される。また、エンジ
ン11の駆動要求に基づく燃料噴射及び点火が開始され
てエンジン再始動が開始されるときには、上記ポンプロ
スが低減される気筒以外の気筒でエンジン始動に必要な
コンプレッションが生じているため、エンジン11の再
始動が速やかに行われる。
Description
置に関するものである。
載される自動車においては、同機関の燃費改善が求めら
れており、この要求を満たすために内燃機関の運転が必
要ないときには同機関の自立運転を停止するようにした
自動車が提案されている。こうした自動車としては、必
要なときのみ機関運転が行われるよう内燃機関を自動的
に停止・始動する自動車(エコラン自動車)や、内燃機
関と電動機との二種類の原動機を搭載した自動車(ハイ
ブリッド自動車)などがあげられる。
立運転停止中であっても自動車が減速走行などを行って
いれば、同機関が回転するために機関出力軸に連結され
たコンプレッサやオイルポンプ等の各種補機は駆動され
ることとなる。しかし、内燃機関の自立運転停止中に自
動車が停止しているとき等には、内燃機関の回転が停止
するために上記各種補機を駆動できなくなる。そのた
め、内燃機関が回転しておらず、且つ上記各種補機の駆
動要求があるときには、自動車に搭載される電動機で各
種補機を駆動するようにしている。
きには、それら補機が機関出力軸に連結されていること
から、内燃機関もつられて回転する。また、ハイブリッ
ド自動車にあっては、各種補機を駆動する以外に自動車
を走行させるためにも電動機が駆動されるが、このとき
にも内燃機関がつられて回転する。即ち、これらエコラ
ン自動車やハイブリッド自動車においては、内燃機関が
自立運転停止中であるときに電動機を駆動すると、同機
関が強制的に回転するようになる。
の出力軸には、各種補機の他にバッテリの充電に用いら
れる発電機が連結されている。そして、内燃機関の自立
運転中であれ、惰性回転中であれ、或いは電動機による
回転中であれ、同機関が回転しているときには発電機が
駆動されることにより発電がなされてバッテリの充電が
行われる。即ち、内燃機関が回転しているときには、そ
の回転エネルギの一部が機関回転に基づく発電機の発電
を通じて電力としてバッテリに蓄えられるようになる。
による回転中には同機関においてポンプロスが生じ、そ
のポンプロスに対応する分だけ発電機の発電効率が悪化
する。また、電動機による機関回転中にあっては、上記
ポンプロスに対応する分だけ同電動機の駆動抵抗が大き
くなる。そこで、上記のような機関回転時に、例えば特
開平9−4479号公報に記載されるように内燃機関の
スロットルバルブ及び各気筒の給排気バルブを開弁状態
で固定し、同機関のポンプロスを低減することも考えら
れる。このように内燃機関のポンプロスを低減すること
により、同機関の惰性回転中や電動機による回転中に発
電機の発電効率が悪化すること、及び電動機による機関
回転中に同電動機の駆動抵抗が増大することは抑制され
るようになる。
関の惰性回転中や電動機による回転中にあって、同機関
の駆動要求に基づき同機関の再始動を行う場合、同機関
が上記のようにポンプロスを低減させた状態にあること
から、機関始動に必要なコンプレッションを上記駆動要
求があった後に直ちに得ることはできない。従って、内
燃機関の駆動要求があってから同機関の再始動が完了す
るまでに時間がかかるようになり、同機関の再始動性が
悪化するという不具合が生じる。
ものであって、その目的は、内燃機関の再始動性を悪化
させることなく、電動機や発電機といった回転電機の発
電効率悪化や駆動抵抗増大を抑制することのできる内燃
機関の制御装置を提供することにある。
るための手段及びその作用効果について記載する。上記
目的を達成するため、請求項1記載の発明では、電動機
と発電機との少なくとも一方として動作する回転電機が
連結される多気筒車載内燃機関に適用され、所定条件下
では同機関を自立運転停止状態で回転させる内燃機関の
制御装置において、前記内燃機関の各気筒のうち、コン
プレッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減
する気筒を可変とする可変手段と、自立運転停止状態で
の機関回転時には、一部の気筒で機関始動に必要なコン
プレッションを生じさせるとともに、他の気筒でポンプ
ロスが低減するよう前記可変手段を制御する制御手段と
を備えた。
停止状態で回転しているときには、コンプレッションが
生じている気筒以外の気筒ではポンプロスが低減されて
いるため、回転電機が発電機として動作している場合に
は発電効率悪化が抑制され、回転電機が電動機として動
作している場合には駆動抵抗増大が抑制される。また、
この状態にあって、内燃機関の駆動要求に基づき同機関
の再始動が開始されるときには、上記ポンプロスが低減
される気筒以外の気筒では機関始動に必要なコンプレッ
ションが生じているため、内燃機関が速やかに再始動す
るようになる。従って、内燃機関が自立運転停止状態で
回転しているときにおいて、内燃機関の再始動性を悪化
させることなく、且つ回転電機における発電効率悪化や
駆動抵抗増大を抑制することができる。
われる状況としては、例えば車両が減速走行して惰性回
転しているとき、車両停止中に電動機(回転電機)等に
より強制的に回転しているとき、並びに、電動機(回転
電機)により車両を走行させているとき等があげられ
る。
発明において、前記制御手段は、内燃機関の自立運転停
止状態での回転中において、同機関の始動可能性の有無
に基づきコンプレッションを生じさせる気筒、及びポン
プロスを低減する気筒を可変とすべく前記可変手段を制
御するものとした。
の機関回転中において、必要なときに的確にコンプレッ
ションを生じさせ、それ以外のときには的確にポンプロ
スの低減を図ることができるようになる。
発明において、前記制御手段は、内燃機関の始動可能性
無しのときよりも同始動可能性有りのときの方がコンプ
レッションを生じさせる気筒が多くなるよう前記可変手
段を制御するものとした。
性有りのときにコンプレッションを生じさせる気筒が多
くなることから、自立運転停止状態での機関回転中から
内燃機関が始動されるとき、確実に内燃機関を始動させ
ることができる。また、内燃機関の始動可能性有りのと
きよりも同始動可能性無しのときの方がポンプロスが低
減される気筒が多くなるため、同機関始動可能性無しの
ときには回転電機における発電効率悪化や駆動抵抗増大
を確実に抑制することができる。
ば内燃機関の始動可能性無しのときには一部の気筒でコ
ンプレッションを生じさせるとともに他の気筒でポンプ
ロスを低減し、同機関の始動可能性有りのときには全部
の気筒でコンプレッションを生じさせるといった制御態
様が考えられる。この場合、自立運転停止状態での機関
回転中から内燃機関が始動されるとき、全部の気筒でコ
ンプレッションが生じているため、確実に内燃機関を始
動させることができるようになる。
発明において、前記制御手段は、同機関の始動可能性無
しのときには全部の気筒でポンプロスを低減し、同機関
の始動可能性有りのときには一部の気筒でコンプレッシ
ョンを生じさせるとともに他の気筒でポンプロスが低減
するよう前記可変手段を制御するものとした。
の機関回転中において、内燃機関の始動可能性がないと
き、全部の気筒でポンプロスが低減されるため、回転電
機における発電効率悪化や駆動抵抗増大を確実に抑制す
ることができる。
いずれかに記載の発明において、前記回転電機は、少な
くとも発電機として動作するものであって、前記制御手
段は、内燃機関の自立運転停止状態での回転中におい
て、前記回転電機の発電要求に応じてコンプレッション
を生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可
変とすべく前記可変手段を制御するものとした。
の機関回転中において、要求される発電量が多いときに
ポンプロスを低減して発電効率の悪化を抑制し、それ以
外のときにはコンプレッションを生じさせて内燃機関の
再始動性の悪化を抑制することができるようになる。
発明において、前記制御手段は、前記回転電機に要求さ
れる発電量が少ないときよりも同要求される発電量が多
いときの方がポンプロスを低減する気筒が多くなるよう
前記可変手段を制御するものとした。
る発電量が多いときにポンプロスを低減する気筒が多く
なることから、回転電機の発電量を的確に要求される値
に近づけることができる。また、回転電機に要求される
発電量が多いときよりも同要求される発電量が少ないと
きの方がコンプレッションを生じさせる気筒が多くなる
ため、要求される発電量が少ないときには内燃機関の始
動性を向上させることができる。
内燃機関と電動機との二種類の原動機が搭載されるバイ
ブリッド自動車に適用した第1実施形態について図1〜
図7に基づき説明する。
には、V型六気筒の火花点火式エンジン11と、電動機
及び発電機として機能するモータジェネレータ2,3と
が搭載されている。このエンジン11は、一番気筒#1
〜三番気筒#3を有する第1バンク11aと、四番気筒
#4〜六番気筒#6を有する第2バンク11bとを備え
ている。そして、エンジン11の出力軸であるクランク
シャフト14は、一方のモータジェネレータ2及び自動
変速機4等を介して車輪5に連結されている。また、ク
ランクシャフト14には、ハイブリッド自動車1に搭載
されたエアコンディショナ用のコンプレッサ7やウォー
タポンプ8等の各種補機が連結されるとともに、それら
補機には他方のモータジェネレータ3が連結されてい
る。
タ2との少なくとも一方の駆動により、車輪5が回転し
てハイブリッド自動車1が走行するようになっている。
このハイブリッド自動車1の車速は、自動変速機4の出
力軸4aの回転に対応した信号を出力するスピードセン
サ6からの検出信号に基づき求められる。また、車輪5
の近傍には、ブレーキペダル28の踏み込みに基づき動
作してハイブリッド自動車1の減速及び停止を行うブレ
ーキ29が設けられている。そして、上記ブレーキペダ
ルの踏み込みの有無は、ブレーキスイッチ28aによっ
て検出されるようになっている。
リッド自動車1の停止中、減速走行中、及びモータジェ
ネレータ2のみによる走行中など、所定条件下でエンジ
ン11の自立運転を停止することにより同エンジン11
の燃費改善が図られる。このようにエンジン11の自立
運転が停止されても減速走行中やモータジェネレータ2
による走行が行われている場合には、車輪5やモータジ
ェネレータ2からの回転がエンジン11が伝達されてク
ランクシャフト14が回転し、コンプレッサ7やウォー
タポンプ8等の各種補機が駆動されることとなる。
且つハイブリッド自動車1が停止しているとき等には、
エンジン11(クランクシャフト14)の回転が停止す
るために上記各種補機を駆動できなくなる。そのため、
エンジン11が回転しておらず、且つ各種補機の駆動要
求があるときには、モータジェネレータ3で各種補機が
駆動されることとなる。このときには、それら補機がエ
ンジン11のクランクシャフト14に連結されているこ
とから、モータジェネレータ3による各種補機の駆動に
つられてエンジン11も回転する。即ち、エンジン11
の自立運転停止中にモータジェネレータ3を駆動する
と、エンジン11が強制的に回転されるようになる。
減速走行での惰性回転中であれ、或いはモータジェネレ
ータ3による回転中であれ、エンジン11が回転してい
るときには、モータジェネレータ2が回転されることに
より発電がなされてバッテリ9の充電が行われる。更
に、エンジン11の回転がモータジェネレータ3による
ものでないときには、このモータジェネレータ3によっ
ても発電がなされてバッテリ9の充電が行われる。この
ようにエンジン11が回転しているときには、その回転
エネルギの一部がモータジェネレータの発電を通じて電
力としてバッテリ9に蓄えられるようになる。
2を参照して詳しく説明する。図2に示すように、エン
ジン11においては、第1バンク11aにある各気筒#
1〜#3(一番気筒#1のみ図示)、及び第2バンク1
1bにある各気筒#4〜#6(四番気筒#4のみ図示)
に対応して、それぞれピストン12が設けられている。
そして、これらピストン12の往復移動がコネクティン
グロッド13によってクランクシャフト14の回転へと
変換される。また、クランクシャフト14には複数の突
起14bを備えたシグナルロータ14aが取り付けられ
ており、同ロータ14aの側方にはクランクシャフト1
4の回転に伴い上記各突起14bに対応したパルス状の
信号を出力するクランクポジションセンサ14cが設け
られている。
11a)の燃焼室16には吸気通路32a及び排気通路
33aが接続され、四番気筒#4〜六番気筒#6(第2
バンク11b)の燃焼室16には吸気通路32b及び排
気通路33bが接続されている。第1バンク11aにお
ける吸気通路32aと燃焼室16との間、及び排気通路
33aと燃焼室16との間は、吸気バルブ19a及び排
気バルブ20aの開閉駆動によって開閉される。また、
第2バンク11bにおける吸気通路32bと燃焼室16
との間、及び排気通路33bと燃焼室16との間は、吸
気バルブ19b及び排気バルブ20bの開閉駆動によっ
て開閉される。
には吸気バルブ19a及び排気バルブ20aを開弁状態
に固定するためのアクチュエータ27aが設けられると
ともに、第2バンク11bには吸気バルブ19b及び排
気バルブ20bを開弁状態に固定するためのアクチュエ
ータ27bが設けられている。これらアクチュエータ2
7a,27bの駆動により、吸気バルブ19a,19b
及び排気バルブ20a,20bが開弁状態に固定される
と、それぞれ第1及び第2バンク11a,11bでのポ
ンプロスが低減されるようになる。
の上流部分にはエンジン11の吸入空気量を調整するた
めのスロットルバルブ23a,23bがそれぞれ設けら
れている。これらスロットルバルブ23a,23bの開
度は、ハイブリッド自動車1に設けられたアクセルペダ
ル25の踏込操作に応じてスロットル用モータ24a,
24bをそれぞれ駆動することによって調整される。即
ち、アクセルペダル25の踏込操作に応じて変化するア
クセル踏込量がアクセルポジションセンサ26によって
検出され、この検出されるアクセル踏込量に応じてスロ
ットル用モータ24a,24bが制御されることにより
スロットルバルブ23a,23bの開度が調節される。
これらスロットルバルブ23a,23bの開度が大きく
なると、それぞれ第1及び第2バンク11a,11bで
のポンプロスが低減されるようになる。
にはそれぞれ、燃焼室16内に直接燃料を噴射供給して
燃料と空気とからなる混合気を形成する燃料噴射弁40
a,40bと、燃焼室16内の混合気に対して点火を行
う点火プラグ41a,41bとが設けられている。この
点火プラグ41a,41bによる点火時期はイグナイタ
42a、42bによって制御される。そして、燃焼室1
6内の混合気を点火して燃焼させると、ピストン12が
往復移動してクランクシャフト14が回転し、エンジン
11が駆動されるようになる。また、燃焼室16内で燃
焼した後の混合気は排気として排気通路33a,33b
に送り出される。
成を図3に基づき説明する。この制御装置は、スロット
ル開度制御、燃料噴射制御、及び点火時期制御などエン
ジン11の運転制御、並びにモータジェネレータ2,3
の駆動制御を行う電子制御ユニット(以下、ECUとい
う)92を備えている。このECU92は、ROM9
3、CPU94、RAM95及びバックアップRAM9
6等を備える算術論理演算回路として構成されている。
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時にその保存すべきデータ等を
記憶する不揮発性のメモリである。そして、ROM9
3、CPU94、RAM95及びバックアップRAM9
6は、バス97を介して互いに接続されるとともに、外
部入力回路98及び外部出力回路99と接続されてい
る。
6、クランクポジションセンサ14c、アクセルポジシ
ョンセンサ26、及びブレーキスイッチ28a等が接続
されている。一方、外部出力回路99には、モータジェ
ネレータ2,3、スロットル用モータ24a,24b、
アクチュエータ27a,27b、燃料噴射弁40a,4
0b、及びイグナイタ42a,42b等が接続されてい
る。
ードセンサ6からの検出信号に基づきハイブリッド自動
車1の車速を求めるとともに、アクセルポジションセン
サ26からの検出信号に基づきアクセル踏込量を求め
る。そして、ECU92は、現在の車速及びアクセル踏
込量が図4に示されるモータ走行領域、片バンク運転領
域、及び両バンク運転領域のいずれの領域に存在するか
に応じて、ハイブリッド自動車1を走行させるための動
力源をエンジン11とモータジェネレータ2とのいずれ
か、若しくはそれらの両方に切り換える。
アクセル踏込量が小であるモータ走行領域では、ECU
92は、エンジン11の自立運転を停止してモータジェ
ネレータ2のみによってハイブリッド自動車1を走行さ
せる。エンジン11の自立運転を停止する際には、燃料
噴射弁40a,40bによる燃料噴射が停止されるとと
もに、点火プラグ41a,41bによる混合気への点火
が停止される。
つアクセル踏込量が小又は中である片バンク運転領域で
は、ECU92は、エンジン11の一方のバンクのみで
の運転とモータジェネレータ2の駆動とによってハイブ
リッド自動車1を走行させる。このとき、ECU92
は、運転されていない方のバンクでのポンプロスを低減
するために、そのバンクに対応するスロットルバルブ、
吸気バルブ、及び排気バルブが開弁状態で固定されるよ
う、スロットル用モータ及びアクチュエータを駆動制御
する。
且つアクセル踏込量が片バンク運転領域よりも大である
両バンク運転領域では、ECU92は、エンジン11の
両方のバンク11a,11bでの運転によってハイブリ
ッド自動車1を走行させる。このとき、ECU92は、
ハイブリッド自動車1を走行させるためのモータジェネ
レータ2の駆動を停止する。
バンク運転領域や両バンク運転領域では、ハイブリッド
自動車1の減速走行中など所定条件下において燃料噴射
弁40a,40bからの燃料噴射を停止(燃料カット)
し、エンジン11の燃費改善が図られる。このとき、燃
料カットによりエンジン11の自立運転は停止される
が、ハイブリッド自動車1の減速走行に伴う車輪5の回
転がクランクシャフト14に伝達され、エンジン11が
自立運転停止状態で惰性回転するようになる。こうした
エンジン11の自立運転停止状態での回転は、上記のよ
うな燃料カット中のほか、モータジェネレータ2のみで
の走行中や、ハイブリッド自動車1の停止時にモータジ
ェネレータ3で各種補機を駆動するときにも行われる。
中には、その回転に基づきモータジェネレータ2,3の
少なくとも一つで発電がなされてバッテリ9に対する充
電が行われる。そのため、エンジン11の自立運転停止
状態での回転中には、エンジン11でのポンプロスを低
減することにより、このポンプロスに対応する分だけモ
ータジェネレータ2,3での発電効率が悪化するのを抑
制することも考えられる。また、このようにエンジン1
1でのポンプロスを低減すれば、モータジェネレータ2
での走行中やモータジェネレータ3での各種補機の駆動
中に、エンジン11がつられて回転するときのモータジ
ェネレータ2,3の上記ポンプロスに対応した分の駆動
抵抗も低減できるようになる。
ンプロスを的確に低減するためには、スロットルバルブ
23a,23b、吸気バルブ19a,19b、及び排気
バルブ20a,20bの全てを開弁状態で固定すること
が好ましい。しかし、このときには上記のようなポンプ
ロスの低減に伴い、いずれの気筒#1〜#6の燃焼室1
6においてもエンジン始動に必要なガスの圧縮状態(コ
ンプレッション)が確保できなくなる。そのため、燃料
カットによるエンジン11の惰性回転中や、モータジェ
ネレータ2,3によるエンジン回転中にあって、エンジ
ン11の駆動要求に基づき再始動を行う場合、同駆動要
求があった後にエンジン始動に必要なコンプレッション
を直ちに得ることはできない。従って、上記エンジン1
1の駆動要求があってから再始動するまでの間に時間が
かかり、エンジン11の再始動性が悪化するようにな
る。
のエンジン回転中において、エンジン11の再始動の可
能性が無い場合には上記のように両方のバンク11a,
11bでポンプロスを低減し、エンジン11の再始動の
可能性がある場合には一方のバンクでポンプロスを低減
するとともに他方のバンクでエンジン始動に必要なコン
プレッションを確保する。このように一部の気筒(一方
のバンクの気筒)でポンプロスを低減するとともに、そ
の他の気筒(他方のバンクの気筒)でエンジン始動に必
要なコンプレッションを確保することにより、エンジン
11の再始動性を悪化させることなく、モータジェネレ
ータ2,3の発電効率悪化や駆動抵抗増大を抑制するこ
とができるようになる。
中に上記のようにポンプロスの低減やコンプレッション
の確保を行う手順、及び自立運転停止状態でのエンジン
回転中からエンジン11を再始動させる手順について、
図5及び図6のフローチャートを参照して説明する。な
お、このフローチャートに示される処理は、ECU92
を通じて例えば所定時間毎に実行される。
4(図5)の処理で、エンジン11が自立運転停止状態
で回転しているか否かを判断する。即ち、ステップS1
01の処理ではハイブリッド自動車1が停止した状態で
のモータジェネレータ3によるエンジン回転中(各種補
機の駆動中等)であるか否かを判断し、ステップS10
2の処理では車速及びアクセル踏込量が図4に示される
モータ走行領域にある状態か否かを判断する。また、ス
テップS103の処理では図4に示される片バンク運転
領域での燃料カット中であるか否かを判断し、ステップ
S104の処理では図4に示される両バンク運転領域で
の燃料カット中であるか否かを判断する。
で否定判定がなされると、ECU92は、自立運転停止
状態でのエンジン回転が行われていない旨判断して処理
を一旦終了する。また、ステップS101〜S104の
いずれかにおいて肯定判定がなされると、自立運転停止
状態でのエンジン回転がなされている旨判断し、ステッ
プS105に進む。ステップS105〜S108の処理
は、エンジン11の再始動可能性の有無に応じて、ポン
プロスを低減する気筒の数、及びコンプレッションを生
じさせる気筒の数を調整するためのものである。
モータジェネレータ3による各種補機の駆動、若しくは
ハイブリッド自動車1のモータジェネレータ2のみによ
る走行に基づき、エンジン11が自立運転停止状態で回
転している場合、アクセルペダル25の踏み込みによっ
てアクセル踏込量が片バンク運転領域又は両バンク運転
領域へと移行すると、エンジン11の再始動要求がなさ
れる。また、ハイブリッド自動車1の減速走行中におけ
るエンジン11の燃料カットに基づき、エンジン11が
自立運転停止状態で回転している場合、アクセルペダル
25の踏み込みに基づき燃料カットの停止が指示される
と、エンジン11の再始動要求がなされることとなる。
回転中からの再始動はアクセルペダル25の踏み込みに
基づき行われるため、アクセルペダル25が踏み込まれ
る可能性のある状況か否かに基づきエンジン11の再始
動可能性の有無を判断することができる。そして、アク
セルペダル25が踏み込まれる可能性のある状況か否か
は、例えばブレーキペダル28が踏み込まれているか否
かに基づき判断することができる。即ち、自立運転停止
状態でのエンジン回転中において、ブレーキペダル28
が踏み込まれているときにはアクセルペダル25が踏み
込まれてエンジン11が再始動要求される可能性は無
く、ブレーキペダル28が踏み込まれていないときには
アクセルペダル25が踏み込まれてエンジン11が再始
動される可能性が有る。
して、ブレーキスイッチ28aからの信号に基づき検出
されるブレーキペダル28の踏み込み状態に基づき、エ
ンジン11の再始動可能性有りか否かを判断する。
レーキペダル28が踏み込まれた状態であることに基づ
き再始動可能無しである旨判断されると、ECU92
は、ステップS108の処理として両バンク11a,1
1bでポンプロスを低減(デコンプ)する。即ち、両バ
ンク11a,11bにそれぞれ対応するスロットルバル
ブ23a,23bが全開の状態で固定されるよう、スロ
ットル用モータ24a,24bをそれぞれ駆動制御す
る。更に、両バンク11a,11bの各気筒にそれぞれ
対応する吸気バルブ19a,19b及び排気バルブ20
a,20bが開弁状態で固定されるよう、アクチュエー
タ27a,27bを駆動制御する。
プロスを低減することにより、モータジェネレータ2,
3の発電効率悪化及び駆動抵抗増大を的確に抑制するこ
とができるようになる。ECU92は、上記ステップS
108の処理でスロットル用モータ24a,24b、及
びアクチュエータ27a,27bの駆動制御を行った後
に処理を一旦終了する。
レーキペダル28が踏み込まれた状態でないことに基づ
き再始動可能性有りである旨判断されると、ECU92
は、ステップS106の処理として一方のバンクでポン
プロスを低減し、続くステップS107の処理として他
方のバンクでエンジン始動に必要なコンプレッションを
確保する。即ち、上記一方のバンクに対応するスロット
ルバルブが全開の状態で固定されるよう、同スロットル
バルブに対応するスロットル用モータを駆動制御すると
ともに、上記バンクの各気筒に対応する吸気バルブ及び
排気バルブが開弁状態で固定されるよう、これらバルブ
に対応するアクチュエータを駆動制御する。また、上記
他方のバンクに対応するスロットルバルブ、並びに、吸
気バルブと排気バルブは、同バンクの各気筒でエンジン
11の始動に必要なコンプレッションを生じるさせるべ
く通常どおり開閉制御される。
減するとともに、他方のバンクでコンプレッションを確
保することにより、エンジン11の再始動性悪化を抑制
しつつ、モータジェネレータ2,3での発電効率悪化及
び駆動抵抗増大の抑制が図られる。ECU92は、上記
ステップS106,S107の処理で、スロットル用モ
ータ24a,24b、及びアクチュエータ27a,27
bの駆動制御を行った後、ステップS109(図6)に
進む。このステップS109以降の処理は、自立運転停
止状態でのエンジン回転中からエンジン11を再始動さ
せるためのものである。
して、エンジン11の再始動要求が有るか否かを判断す
る。こうしたエンジン11の再始動要求は、上述したよ
うにアクセルペダル25の踏み込み等に基づきなされる
こととなる。そして、再始動要求無しであれば処理を一
旦終了し、再始動要求有りであればステップS110に
進む。
して、再始動開始から予め定められた所定時間tが経過
したか否かに基づき、エンジン11の再始動が未完了で
あるか否かを判断する。そして、再始動開始から所定時
間が経過していないことに基づきエンジン11の再始動
が未完了である旨判断されると、ステップS111に進
む。従って、初めてステップS110の処理が実行され
るときには、エンジン11の再始動開始から所定時間が
経過していないことからステップS111に進むことに
なる。
して、第1及び第2バンク11a,11bのうちのコン
プレッションを生じさせている方の片バンクの各気筒
で、燃料噴射及び点火が行われるよう燃料噴射弁及びイ
グナイタを駆動制御する。その後にECU92は処理を
一旦終了する。
れた後に同開始から所定時間が経過すると、上記ステッ
プS110の処理でエンジン11の再始動が完了した旨
判断され、ステップS112に進む。ECU92は、ス
テップ112の処理としてエンジン11を通常運転へと
移行させる。即ち、このときのアクセル踏込量及び車速
が両バンク運転領域にあればエンジン11を片バンクで
の運転から両バンクでの運転へと切り換え、上記アクセ
ル踏込量及び車速が片バンク運転領域にあればエンジン
11の片バンクでの運転状態を継続する。このようにエ
ンジン11を通常運転へと移行させた後、ECU92は
処理を一旦終了する。
びコンプレッションの確保、並びにエンジン11の再始
動について、図7のタイムチャートを参照して総括す
る。このタイムチャートは、ハイブリッド自動車1の走
行中であって、エンジン11が自立運転停止状態で回転
しているときから再始動されるまでに、エンジン回転
数、コンプレッションが生じる気筒(バンク)、及び車
速がどのように変化するかを示すものである。
料カット時など、エンジン11の自立運転停止状態での
回転中には、エンジン回転数及び車速度が徐々に低下す
る。こうした状態にあって、ブレーキペダル28が踏み
込まれていないときにはエンジン11の再始動可能性が
有るため、片方のバンクの各気筒でポンプロスの低減が
行われるとともに、他方のバンクの各気筒でエンジン1
1の始動に必要なコンプレッションの確保が行われる。
基づきエンジン11の再始動要求がなされると、コンプ
レッションが確保されている各気筒(他方のバンクの各
気筒)で燃料噴射及び点火が行われ、エンジン11の再
始動が開始される。そして、エンジン11の再始動が完
了したとき、エンジン11の運転状態が両バンク運転領
域にあるならば、他方のバンクの各気筒でも燃料噴射及
び点火が開始されて両バンクでの運転へと切り換えられ
る。こうしてエンジン11が再始動した後にはエンジン
回転数及び車速が徐々に上昇するようになる。
示す効果が得られるようになる。 (1)自立運転停止状態でのエンジン回転中であって、
エンジン11の再始動可能性が有るときには、両バンク
11a,11bのうちの一方のバンクの各気筒でポンプ
ロスの低減が行われ、他方のバンクの各気筒でエンジン
始動に必要なコンプレッションが生じるようになる。こ
の状態にあっては、コンプレッションが生じている気筒
以外の気筒ではポンプロスの低減がなされるため、エン
ジン11のポンプロスに基づきモータジェネレータ2,
3の発電効率が悪化することは抑制される。また、エン
ジン11の駆動要求に基づく燃料噴射及び点火が開始さ
れてエンジン再始動が開始されるときには、上記ポンプ
ロスが低減される気筒以外の気筒でエンジン始動に必要
なコンプレッションが生じているため、エンジン11の
再始動が速やかに行われるようになる。従って、自立運
転停止状態でのエンジン回転中において、エンジン11
の再始動性を悪化させることなく、且つモータジェネレ
ータ2,3の発電効率が悪化するのを抑制することがで
きる。
停止状態での回転が、モータジェネレータ2のみによる
ハイブリッド自動車1の走行に伴うもの、及びモータジ
ェネレータ3による各種補機の駆動に伴うもの等である
場合、エンジン11の始動可能性が有るときには片バン
クの各気筒でポンプロスが低減されるとともに他方のバ
ンクの各気筒でエンジン始動に必要なコンプレッション
が生じていることから、エンジン11の再始動性を悪化
させることなく、且つエンジン11のポンプロスに基づ
き上記モータジェネレータ2,3の駆動抵抗が増大する
のを抑制することができる。
の回転中にあっては、エンジン11の再始動可能性無し
のときに両バンク11a,11bの全ての各気筒でポン
プロスが低減され、同再始動可能性有りのときに一方の
バンクの各気筒でポンプロスが低減されるとともに他方
のバンクの各気筒でエンジン始動に必要なコンプレッシ
ョンが生じるようになる。即ち、再始動可能性の有無に
応じてポンプロスを低減させる気筒及びコンプレッショ
ンを生じさせる気筒が可変とされ、再始動可能性無しの
ときよりも再始動可能性有りのときの方がコンプレッシ
ョンを生じさせる気筒が多くされる。そのため、自立運
転停止状態でのエンジン回転中からの再始動時に、的確
にエンジン11を再始動することができるようになる。
また、再始動可能性無しのときには、エンジン11の全
ての気筒でポンプロスの低減が図られることにより、再
始動可能性有りのときよりもポンプロスが低減される気
筒が多くなる。そのため、再始動可能性なしのときにモ
ータジェネレータ2,3での発電効率の悪化や駆動抵抗
の増大を確実に抑制することができる。
形態を図8に基づき説明する。この実施形態は、エンジ
ンが自立運転停止状態で回転しているとき、再始動可能
性の有無に応じてではなく、モータジェネレータに対す
る発電要求に応じてコンプレッションを生じさせる気筒
及びポンプロスを低減する気筒を可変とすることで、エ
ンジン再始動性の悪化を抑制しつつ、モータジェネレー
タによる発電量を的確に要求される値へと近づけるよう
にしたものである。
転中にポンプロスの低減やコンプレッションの確保を行
う手順、及び自立運転停止状態でのエンジン回転中から
エンジン11を再始動させる手順を示すフローチャート
である。このフローチャートに示される処理は、第1実
施形態で説明した図5及び図6のフローチャートに示さ
れる処理に対応したものであって、第1実施形態におけ
るステップS105以降の処理に対応する処理(S30
5以降の処理)のみが第1実施形態と異なっている。
4の処理により、エンジン11が自立運転停止状態で回
転している状態か否かを判断する。そして、自立運転停
止状態でのエンジン回転中でなければステップS301
〜S304の全てで否定判定がなされ、ECU92は処
理を一旦終了する。また、自立運転停止状態でのエンジ
ン回転中であればステップS301〜S304のいずれ
かで肯定判定がなされ、ステップS305に進む。
して、一方のバンクにおける各気筒でのポンプロスを低
減(デコンプ)する。即ち、同バンクに対応するスロッ
トルバルブが全開の状態で固定されるようスロットル用
モータを駆動制御するとともに、上記バンクの各気筒に
対応する吸気バルブ及び排気バルブが開弁状態で固定さ
れるようアクチュエータを駆動制御する。
処理として、他方のバンクにおける所定の気筒にてエン
ジン始動に必要なコンプレッションを生じさせ、このコ
ンプレッションを生じさせる気筒の数をモータジェネレ
ータ2,3に対する発電要求に応じて可変とする。即
ち、ECU92は、例えばバッテリ9の電圧が高くバッ
テリ充電量が十分であるとき(要求される発電量が少な
いとき)には、同バンクにおける全ての気筒でコンプレ
ッションを生じさせるべく、これら各気筒に対応する吸
気バルブ及び排気バルブ、並びにスロットルバルブを通
常どおり開閉駆動させる。そして、ECU92は、バッ
テリ9の電圧が低くなりバッテリ充電量が少なくなる
(要求される発電量が多くなる)ほど、コンプレッショ
ンを生じさせる気筒が少なくなるよう、各気筒に対応す
るアクチュエータを個別に駆動制御して吸気バルブ及び
排気バルブが開弁状態に固定される気筒の数を変更す
る。
に固定される気筒、即ちコンプレッションを生じさせな
い気筒についてはポンプロスの低減が図られる。従っ
て、上記バンクの各気筒に対応するアクチュエータを個
別に駆動制御することで、コンプレッションを生じさせ
る気筒の数、及びポンプロスが低減される気筒の数が、
モータジェネレータ2,3に対する発電要求に応じて変
更されることとなる。その後、ステップS307に進
む。このステップS307以降の処理は、自立運転停止
状態でのエンジン回転中からエンジン11を再始動させ
るためのものである。
エンジン11の再始動要求が有るか否か判断し、再始動
要求がなければ処理を一旦終了する。また、エンジン1
1の再始動要求があれば、ステップS308の処理でエ
ンジン11の再始動が未完了であるか否かを判断する。
そして、エンジン11の再始動が未完了である旨判断さ
れると、ECU92は、ステップS309の処理として
コンプレッションが生じている気筒で、燃料噴射及び点
火が行われるよう燃料噴射弁及びイグナイタを駆動制御
する。こうした燃料噴射及び点火によってエンジン11
の再始動が完了すると、上記ステップS308の処理で
否定判定がなされてステップS310に進む。ECU9
2は、ステップ310の処理としてエンジン11を通常
運転へと移行させた後、処理を一旦終了する。
られるようになる。 (4)エンジン11が自立運転停止状態で回転している
とき、モータジェネレータ2,3に要求される発電量が
多くなるほど、ポンプロスを低減する気筒の数が多くな
るとともにコンプレッションを生じさせる気筒が少なく
なる。従って、ポンプロスを低減する気筒は要求される
発電量が多いときの方が同発電量が少ないときよりも多
くなり、コンプレッションを生じさせる気筒は要求され
る発電量が多いときの方が同発電量が少ないときよりも
少なくなる。そのため、要求される発電量が多いときに
はエンジン11のポンプロスを低減して発電効率の悪化
を抑制し、要求される発電量が少ないときにはコンプレ
ッションを生じさせる気筒を多くして再始動性を向上さ
せることができる。
うに変更することもできる。 ・第1実施形態において、エンジン再始動可能性有りの
ときに片方のバンクにおける全ての気筒でコンプレッシ
ョンを生じさせたが(図5のステップS107)、この
ときにモータジェネレータ2,3に要求される発電量に
応じてコンプレッションを生じさせる気筒の数を可変と
してもよい。
するアクチュエータを個別に駆動制御することで、コン
プレッションを生じさせる気筒の数、及びポンプロスを
低減する気筒の数をバンク11a,11bに関係なく可
変としてもよい。この場合、コンプレッションを生じさ
せる気筒の数、及びポンプロスを低減する気筒の数を、
一層細かく調整することができるようになる。
機との機能を併せ持つ回転電機としてモータジェネレー
タ2,3を設けたが、これに代えて電動機と発電機とを
別々に設けてもよい。
の再始動可能性の有無やモータジェネレータ2,3に要
求される発電量に関係なく、エンジン11の自立運転停
止状態での回転中には、常に一方のバンクにおける各気
筒でポンプロスを低減するとともに他方のバンクにおけ
る各気筒でコンプレッションを生じさせるようにしても
よい。この場合、ポンプロスを低減する気筒、及びコン
プレッションを生じさせる気筒の数を可変とする必要が
なく、その分だけ制御を簡略化することができる。
自立運転停止状態での回転中であるとき、再始動可能性
無しであれば一方のバンクの各気筒でポンプロスを低減
するとともに他方のバンクの各気筒でコンプレッション
を生じさせ、再始動可能性有りであれば両方のバンク1
1a,11bの各気筒でポンプロスを低減するようにし
てもよい。この場合も、再始動可能性無しのときよりも
再始動可能性有りのときの方がコンプレッションを生じ
させる気筒の数が多くなり、再始動可能性有りのときに
は全部の気筒でコンプレッションが生じているため、確
実にエンジン11を再始動することができるようにな
る。なお、再始動可能性無しのとき、モータジェネレー
タ2,3に要求される発電量に応じて、コンプレッショ
ンを生じさせる気筒の数(ポンプロスを低減する気筒の
数)を可変としてもよい。
に吸気バルブや排気バルブのバルブ特性を可変とするバ
ルブ特性可変装置が設けられる場合には、同装置により
バルブ特性を変更して休止気筒でのポンプロスを低減す
るようにしてもよい。
ジン11に本発明を適用したが、これに代えてV型八気
筒や直列六気筒など他の形式のエンジンに本発明を適用
してもよい。
との搭載するハイブリッド自動車に本発明を適用した
が、車両停止時などに内燃機関の自立運転を自動的に停
止するとともに車両発進時に内燃機関を自動的に再始動
する自動車(いわゆるエコラン自動車)に本発明を適用
してもよい。
ハイブリッド自動車の駆動系を示す概略図。
示す図。
の低減及びコンプレッションの確保を行う手順、並びに
エンジンを再始動する手順を示すフローチャート。
の低減及びコンプレッションの確保を行う手順、並びに
エンジンを再始動する手順を示すフローチャート。
きから再始動されるまでに、エンジン回転数、コンプレ
ッションが生じる気筒(バンク)、及び車速がどのよう
に変化するかを示すタイムチャート。
の低減及びコンプレッションの確保を行う手順、並びに
エンジンを再始動する手順を示すフローチャート。
タ、6…スピードセンサ、7…コンプレッサ、8…ウォ
ータポンプ、9…バッテリ、11…エンジン、11a…
第1バンク、11b…第2バンク、14…クランクシャ
フト、14c…クランクポジションセンサ、16…燃焼
室、19a,19b…吸気バルブ、20a,20b…排
気バルブ、23a,23b…スロットルバルブ、24
a,24b…スロットル用モータ、25…アクセルペダ
ル、26…アクセルポジションセンサ、27a,27b
…アクチュエータ、28…ブレーキペダル、28a…ブ
レーキスイッチ、40a,40b…燃料噴射弁、41
a,41b…点火プラグ、42a,42b…イグナイ
タ、92…電子制御ユニット(ECU)。
Claims (6)
- 【請求項1】電動機と発電機との少なくとも一方として
動作する回転電機が連結される多気筒車載内燃機関に適
用され、所定条件下では同機関を自立運転停止状態で回
転させる内燃機関の制御装置において、 前記内燃機関の各気筒のうち、コンプレッションを生じ
させる気筒、及びポンプロスを低減する気筒を可変とす
る可変手段と、 自立運転停止状態での機関回転時には、一部の気筒で機
関始動に必要なコンプレッションを生じさせるととも
に、他の気筒でポンプロスが低減するよう前記可変手段
を制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 【請求項2】前記制御手段は、内燃機関の自立運転停止
状態での回転中において、同機関の始動可能性の有無に
基づきコンプレッションを生じさせる気筒、及びポンプ
ロスを低減する気筒を可変とすべく前記可変手段を制御
する請求項1記載の内燃機関の制御装置。 - 【請求項3】前記制御手段は、内燃機関の始動可能性無
しのときよりも同始動可能性有りのときの方がコンプレ
ッションを生じさせる気筒が多くなるよう前記可変手段
を制御する請求項2記載の内燃機関の制御装置。 - 【請求項4】前記制御手段は、同機関の始動可能性無し
のときには全部の気筒でポンプロスを低減し、同機関の
始動可能性有りのときには一部の気筒でコンプレッショ
ンを生じさせるとともに他の気筒でポンプロスが低減す
るよう前記可変手段を制御する請求項3記載の内燃機関
の制御装置。 - 【請求項5】前記回転電機は、少なくとも発電機として
動作するものであって、 前記制御手段は、内燃機関の自立運転停止状態での回転
中において、前記回転電機の発電要求に応じてコンプレ
ッションを生じさせる気筒、及びポンプロスを低減する
気筒を可変とすべく前記可変手段を制御する請求項1〜
4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。 - 【請求項6】前記制御手段は、前記回転電機に要求され
る発電量が少ないときよりも同要求される発電量が多い
ときの方がポンプロスを低減する気筒が多くなるよう前
記可変手段を制御する請求項5記載の内燃機関の制御装
置。
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2000
- 2000-10-12 JP JP2000311854A patent/JP3783548B2/ja not_active Expired - Lifetime
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