JP3797120B2 - 内燃機関の運転制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関と、内燃機関の回転をアシストする電動機を備えた車両における内燃機関の運転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両に搭載された内燃機関の燃費を向上する技術として、内燃機関の回転をアシストする電動機と、内燃機関の動力により発電を行う発電機とを備えた車両が特開平8−99564号公報にて開示されている。この公報記載の内燃機関において、電動機及び発電機は、モータ機能と発電機能とを備えた電動発電機である。この内燃機関では、車両減速中に内燃機関の燃料カットを行う。この燃料カット中に機関回転速度が急速に低下したときには燃料カットを解除するとともに、電動発電機を電動作動させて内燃機関の回転をアシストし機関回転速度を低回転に保つことにより内燃機関のストールを防止する。また、燃料カットの解除後に内燃機関の再燃焼が検出されたときには、電動発電機を発電機能に切り替えて発電することにより、内燃機関の再燃焼による回転速度の上昇を抑制するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般の内燃機関においては、回転速度の目標アイドル回転速度からの急変動に伴って、回転速度を目標アイドル回転速度に一致させるようにアイドル吸入空気量を補正するアイドル回転速度補正や、点火時期のアイドル進角補正が行われる。すなわち、回転速度のアイドル回転速度からの急低下時には、吸入空気量を増加するように補正するとともに、点火時期を進角側に補正することにより、回転速度を上昇させる。逆に、回転速度のアイドル回転速度からの急上昇時には、吸入空気量を減少するように補正するとともに、点火時期を遅角側に補正することにより、回転速度を低下させる。
【0004】
ところが、上記公報に記載されるような機関回転速度の急変動に伴う電動発電機の制御と、アイドル回転速度補正及びアイドル進角補正とを同時に行うと、回転速度の急低下時には電動発電機による回転アシストと吸入空気量の増量補正及び点火時期の進角側への補正が行われるため、回転速度はアイドル回転速度から急上昇することとなる。また、回転速度がアイドル回転速度から上昇すると、電動発電機による発電負荷と、機関回転速度を低下させようとするアイドル回転速度補正及びアイドル進角補正とが重なって、回転速度が急低下してしまう。その結果、内燃機関の回転速度にはハンチングが発生し、回転速度のアイドル回転速度への安定化に時間を要する。
【0005】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関の回転速度の急変動時における電動機による回転アシスト時において、内燃機関の回転速度を早期に安定化することができる内燃機関の運転制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する
【0014】
請求項に記載の発明は、内燃機関の回転をアシストする電動機と、前記内燃機関の回転速度が所定回転速度より低下したときに前記電動機を駆動することにより前記内燃機関の回転をアシストする回転制御手段と、前記内燃機関の回転速度が前記所定回転速度より低下したときに前記回転制御手段によるアシストと同期して前記内燃機関の燃料カットを行う供給停止制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項の構成によれば、内燃機関の回転速度の急変動に対して電動機が回転アシストしているときには、これに同期して内燃機関の燃料カットが行われる。そのため、電動機による回転アシストと内燃機関の出力との重複を回避することができ、機関回転速度の急上昇を抑え、ショックの発生を抑制することができる。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の内燃機関の運転制御装置において、前記回転制御手段は前記電動機の駆動によって前記内燃機関の回転速度が前記所定回転速度よりも高い第2の所定回転速度に安定したときに前記電動機の駆動を停止するものであり、前記電動機の駆動によって前記内燃機関の回転速度が前記第2の所定回転速度に安定したときに前記内燃機関の燃料カットを解除して前記内燃機関のファイヤリングを行う燃焼制御手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項の構成によれば、電動機の駆動によって機関回転速度が上昇して第2の所定回転速度に安定すると電動機の駆動が停止され、内燃機関の気筒への燃料供給が再開されて内燃機関のファイヤリングが行われる。そのため、電動機の回転アシスト後に機関回転速度の低下が回避され、機関回転速度のハンチングを抑制して第2の所定回転速度に安定化させることができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の運転制御装置において、前記電動機は、前記内燃機関の動力により作動する発電機能を備えたモータジェネレータであることを特徴とする。
【0019】
請求項の構成によれば、電動機をモータジェネレータとすることによって発電機としても利用可能となり、モータジェネレータを一つ設ければ済み、部品点数を低減してコスト上昇を抑制することができるとともに、その設置スペースをも小さくすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0021】
図1は、上述した発明が適用された内燃機関及びその制御装置のシステム構成図である。ここでは内燃機関としてガソリン式エンジン(以下、「エンジン」と称す)2が用いられている。このエンジン2は自動車駆動用として車両に搭載されている。
【0022】
エンジン2は、複数の燃焼室(図示略)を備え、各燃焼室に通じる吸気ポート(図示略)には吸気通路2bが接続されている。各吸気ポートの近傍には、各気筒に対応して燃料噴射弁42がそれぞれ備えられている。また、各燃焼室には点火プラグ(図示略)が設けられ、点火プラグにはイグナイタ48の点火信号が点火コイル50を介して印加される。
【0023】
エンジン2の運転が開始され、吸気通路2b内への吸入空気の導入とともに燃料噴射弁42から燃料が噴射されることにより、それら吸入空気と燃料とが混合されて混合気となる。そして、エンジン2の吸入行程において、混合気が燃焼室に取り込まれ、燃焼室に取り込まれた混合気が点火プラグによって点火されることにより、その混合気が爆発・燃焼してエンジン2の駆動力が得られる。本実施形態においては、アイドル運転時におけるエンジン2の回転速度の目標アイドル回転速度への制御に際し、この点火信号の印加タイミング、すなわち点火時期も併せて制御される。
【0024】
一方、吸気通路2bには、アクセルペダル(図示略)の操作に応じて開閉駆動されるスロットルバルブ2cが設けられている。スロットルバルブ2cの開度、すなわちスロットル開度TAに応じて吸気通路2bへ導入される吸入空気量が調整される。
【0025】
また、吸気通路2bには、スロットルバルブ2cを迂回して同スロットルバルブ2cの上流側と下流側とを連通するバイパス通路52が設けられている。このバイパス通路52の途中には、同通路52内を通る空気の量を調整するための例えばリニアソレノイド式からなるアイドルスピードコントロールバルブ(以下、「ISCV」という)54が設けられている。ISCV54は、ソレノイドコイル(図示略)に流す電流値の大きさに応じて弁体(図示略)が変位されて空気の流れる流路面積を調整する比例電磁弁である。本実施形態においては、このISCV54によって、アイドル時のエンジン2の回転速度が目標アイドル回転速度に制御され、併せて上述した点火時期が制御されて、回転速度の安定化(アイドル安定化)が図られる。
【0026】
エンジン2が発生する動力(機械エネルギー)は、エンジン2のクランク軸2aからトルクコンバータ4及びオートマチックトランスミッション(以下、「A/T」と称す)6を介して、出力軸6b側に出力され、最終的に車輪に伝達される。更に、エンジン2が発生する動力は、クランク軸2aに接続されている電磁クラッチ10及びプーリ12を介して、ベルト14に伝達される。そして、このベルト14により伝達された動力により、別のプーリ16,18,20が回転される。電磁クラッチ10は、必要に応じてプーリ12とクランク軸2aとの間で断接され、動力の非伝達・伝達を切り替え可能とするものである。
【0027】
上記プーリ16によってパワーステアリング用ポンプ22が駆動して、パワーステアリング用の油圧を発生させる。またプーリ18によりエアコン用コンプレッサ24を駆動する。
【0028】
プーリ20によってモータジェネレータ(以下、「M/G」と称す)26が駆動されてM/G26は発電機として機能する。M/G26はインバータ28に電気的に接続されている。このインバータ28はM/G制御用の電子制御装置(以下、「M/GECU」と称す)32から入力する発電指令に基づいてM/G26から電力源であるバッテリ30への電気エネルギーの充電を行わせる。また、エンジン2の停止状態の場合等において、M/G26はインバータ28からの制御信号に基づいて電動機として機能する。この際、インバータ28はM/GECU32から入力する電流指令に基づいてバッテリ30からM/G26への電気エネルギーの供給を調整してM/G26の回転速度を可変とする機能を果たす。
【0029】
M/GECU32は電子制御装置(以下、「ECU」と称す)38と交信を行う。M/GECU32にはバッテリ30の充電量(SOC)の情報が入力されている。M/GECU32は、マイクロコンピュータを中心として構成されている。M/GECU32は内部のROMに書き込まれているプログラムに応じて必要な演算処理を実行し、その演算結果に基づいて電磁クラッチ10、インバータ28、M/G26類を駆動制御する。エンジン2の運転状態において、M/GECU32は電磁クラッチ10を接続してエンジン2の動力によりM/G26を回転させることにより発電を行わせる。この際、M/GECU32はバッテリ30のSOCに応じた要求発電量を算出し、この要求発電量に応じた発電指令をインバータ28に出力する。この発電司令に基づいてインバータ28によりM/G26の発電量が制御され、その発電エネルギーによってバッテリ30が充電される。また、エンジン2の自動停止後の停止状態において、パワーステアリング用ポンプ22及びエアコン用コンプレッサ24等の補機の駆動要求が発生すると、M/GECU32はその駆動要求に基づく電流指令をインバータ28に出力する。この電流司令に基づいてインバータ28によりM/G26が作動されて補機が駆動される。
【0030】
ECU38には、A/T6の出力軸6bの回転速度を検出する出力軸回転数センサ、アクセルペダルの踏み込み有無を検出するアイドルスイッチ、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度ACCP)を検出するアクセル開度センサ、エンジン2への吸気通路2bに設けられて吸入空気量を調整するスロットルバルブ2cの開度(スロットル開度TA)を検出するスロットル開度センサ、A/T6のシフト位置SHFTを検出するシフト位置センサ、エンジン回転速度NEを検出するエンジン回転数センサ、ブレーキペダルの踏み込み有無を検出するブレーキスイッチ、エンジン冷却水温THWを検出する水温センサあるいはその他のセンサ類の検出値が入力される。また、ECU38には、運転者がエコランシステムの作動を有効化するためのエコランスイッチ、エアコンの作動を有効化するためのエアコンスイッチの操作信号が入力される。エコランシステムとは、交差点等での車両停車状態において、燃料供給を停止してエンジン2を停止させることにより燃料消費を低減し、排気ガスの排出量を低減する運転制御システムである。
【0031】
ECU38は、マイクロコンピュータを中心として構成されており、前記M/GECU32と交信を行う。ECU38は内部のROMに書き込まれているプログラムに応じて必要な演算処理を実行する。ECU38はこの演算結果に基づいて、スロットルバルブ2cの開度を調整するスロットルバルブモータ2d、スタータ44、エンジン2の吸気ポート又は燃焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁42、イグナイタ48あるいはISCV54、その他のアクチュエータ類を駆動することにより、エンジン2やA/T6を好適に制御する。なお、スタータ44はバッテリ46の電気エネルギーにより駆動し、エンジン2の始動時のクランキングを行う。
【0032】
また、ECU38は運転者によってエコランスイッチがオン操作された場合に、車両が所定の運転状態になると、エンジン2の自動停止処理及び自動始動処理を実行する。
【0033】
エンジン2の自動停止処理に際して、ECU38は車両の運転状態、例えば、水温センサにて検出されるエンジン冷却水温THW、アイドルスイッチにて検出されるアクセルペダルの踏み込み有無、バッテリ30の電圧、ブレーキスイッチから検出されるブレーキペダルの踏み込み有無、及び出力軸回転数センサの検出値から換算して得られる車速SPD等に基づいて自動停止条件が成立したか否かを判定する。例えば、(1)エンジン2が暖機後でありかつ過熱していない状態(エンジン冷却水温THWが水温上限値THWmaxよりも低く、かつ水温下限値THWminより高い)、(2)アクセルペダルが踏まれていない状態(アイドルスイッチ・オン)、(3)バッテリ30の充電量(SOC)がある程度以上である状態(バッテリ電圧が基準電圧以上)、(4)ブレーキペダルが踏み込まれている状態(ブレーキスイッチ・オン)、及び(5)車両が停止している状態(車速SPDが0km/h)であるとの条件(1)〜(5)がすべて満足された場合に自動停止条件が成立したと判定する。なお、バッテリ30のSOC情報は前記M/GECU32との交信にて取得される。
【0034】
一方、運転者が交差点等にて自動車を停止させたことにより、自動停止条件が成立した場合には、ECU38はエンジン停止処理を実行する。例えば、燃料噴射弁42からの燃料噴射が停止され、更に点火プラグによるエンジン2の燃焼室内の混合気への点火制御も停止される。このことにより燃料噴射と点火とが停止して、直ちにエンジン2の運転は停止する。
【0035】
エンジン2の自動始動処理に際して、ECU38は車両の運転状態、ここでは、例えば、自動停止処理にて読み込んだデータと同じ、エンジン冷却水温THW、アクセル開度ACCP、バッテリ30の電圧、ブレーキスイッチの状態及び車速SPD等に基づいて自動始動条件が成立したか否かを判定する。例えば、自動停止処理によるエンジン停止状態にあるとの条件下で、(1)エンジン2が暖機後でありかつ過熱していない状態(エンジン冷却水温THWが水温上限値THWmaxよりも低く、かつ水温下限値THWminより高い)、(2)アクセルペダルが踏まれていない状態(アイドルスイッチ・オン)、(3)バッテリ30の充電量(SOC)がある程度以上である状態(バッテリ電圧が基準電圧以上)、(4)ブレーキペダルが踏み込まれている状態(ブレーキスイッチ・オン)、及び(5)車両が停止している状態(車速SPDが0km/h)であるとの条件(1)〜(5)の内の1つでも満足されなかった場合に自動始動条件が成立したと判定する。上述した自動始動条件の(1)〜(5)は、自動停止条件にて用いた各条件と同じ内容であったが、これに限る必要はなく、条件(1)〜(5)以外の条件を設定しても良く。また条件(1)〜(5)の内のいくつかに絞っても良い。
【0036】
自動停止処理によるエンジン停止状態において上記条件(1)〜(5)の一つでも満足されなくなった場合にはECU38はエンジン2の自動始動処理を行う。この自動始動処理において、ECU38は、M/GECU32に対して自動始動司令を転送する。この自動始動司令に基づいてM/GECU32は電磁クラッチ10を接続するとともに、インバータ28に電流司令を出力してM/G26を回転させることによりエンジン2のクランク軸2aを強制的に回転させる。本実施形態においてM/GECU32によりエンジン2のクランク軸2aを強制回転させることをモータリングという。このモータリング時においてエンジン回転速度が所定回転速度に達すると、ECU38は、始動時の燃料噴射処理と点火時期制御処理とを実行して、エンジン2を自動始動する。本実施形態においてモータリング後に燃料噴射処理と点火時期制御処理とを実行してエンジン2を燃焼させることをファイヤリングという。そして、エンジン2の始動が完了すれば、ECU38は通常の燃料噴射量制御処理、点火時期制御処理、その他のエンジン運転に必要な処理を開始する。
【0037】
また、ECU38は、アイドルスイッチがオン状態にあるエンジン2のアイドル運転時において、エンジン回転速度が目標アイドル回転速度に一致するようにフィードバック制御を実行し、ISCV54の開度や点火時期を制御する。さらに、ECU38は、エンジン回転速度が目標アイドル回転速度から急低下すると、エンジン回転速度を即座に目標アイドル回転速度に近づけるべく、ISCフィードバック量と点火時期のフィードバック量とを補正する。
【0038】
さらに、ECU38は、エンジン2のアイドル運転時等において、パワステ駆動要求、エアコン駆動要求等の外乱が入ってエンジン回転速度NEが急低下すると、エンジン2のストールを防止するためにエンジン2の回転のアシスト司令を出力する。M/GECU32はこのアシスト司令に基づいてM/G26を駆動することによりエンジン2の回転をアシストする。M/G26によるエンジン2の回転アシスト実行中において、エンジン2の回転速度の急変動に伴うISCフィードバック補正及び点火時期のフィードバック補正を停止するようになっている。これは、M/G26の回転アシストとISCフィードバック補正及び点火時期のフィードバック補正とを同時に行うと、エンジン回転速度が急上昇してしまうのを抑制するためである。
【0039】
また、車両の減速走行状態において車速がある程度の高速度域にあるときに、ECU38は、エンジン2への燃料噴射を停止して燃料カットを行うことにより、エンジン2の燃費向上を図る。こうした車両減速中の燃料カット時においてエンジン2の回転速度はいずれ低下する。エンジン回転速度が目標アイドル回転速度付近まで低下するとエンジン2のストールを起こすこととなるため、燃料カットを解除してエンジン2の燃料噴射を再開する。このように燃料カットを解除しても、実際に燃焼トルクが発生してエンジン回転速度の低下が抑えられるまでには遅れ時間が存在する。この燃料カット解除からの遅れ時間内に、パワステ駆動要求、エアコン駆動要求等の外乱が入ると、エンジン回転速度が急低下することがある。このような燃料カット解除後において、エンジン回転速度が急低下する場合にも、ECU38はエンジン2のストールを防止するためにM/G26によるエンジン2の回転アシストを行うようになっている。
【0040】
次に、M/GECU32が実行するアシスト制御処理について詳細に説明する。図2はM/GECU32が実行するアシスト制御処理を示すフローチャートである。本処理は予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。
【0041】
本処理が開始されると、まず、ステップ100でアシスト要求フラグXASSTがONかどうかが判定される。このアシスト要求フラグXASSTはエンジン回転速度NEがアシスト開始回転速度NEA以下になった場合にM/GECU32によってONに設定される。アシスト要求フラグXASSTがONであればステップ110に進み、アシスト要求フラグXASSTがOFFであればステップ120に進む。
【0042】
ステップ110ではアシスト回転速度NETのヒステリシス回転幅HYSとして所定値N1(この場合、N1=120rpm)が設定される。ステップ120ではヒステリシス回転幅HYSとして0rpmが設定される。
【0043】
ステップ110又はステップ120においてヒステリシス回転幅HYSが設定されると、次にステップ130において、アシスト回転速度の初期値NEA(この場合、NEA=450rpm)に対してヒステリシス回転幅HYSを加えることによりアシスト回転速度NETが算出される。従って、エンジン回転速度NEが初期値NEA未満になっておらずアシスト要求フラグXASSTがOFFの場合にはアシスト回転速度NETは初期値NEAとなる。エンジン回転速度NEが一旦初期値NEA未満になってアシスト要求フラグXASSTがONになった場合にはアシスト回転速度NETは(NEA+N1)となる。
【0044】
次のステップ140においてそのときのエンジン回転速度NEがアシスト回転速度NET未満かどうかが判定される。エンジン回転速度NEがアシスト回転速度NET未満である場合にはM/G26による回転アシストが必要であると判定され、次のステップ150にてアシスト要求フラグXASSTがONに設定されて本処理を終了する。
【0045】
またステップ140において、エンジン回転速度NEがアシスト回転速度NET以上である場合にはM/G26による回転アシストが不要であると判定され、次のステップ160にてアシスト要求フラグXASSTがOFFに設定されて本処理を終了する。
【0046】
次に、エンジン回転速度の急変動時にECU38が実行する点火時期補正量算出処理及びISC補正量算出処理について詳細に説明する。
図3はECU38が実行する点火時期補正量算出処理を示すフローチャートである。本処理は予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。
【0047】
本処理が開始されると、まず、ステップ200において、なましエンジン回転速度NESMが現在の回転速度NEに基づいて以下の式にて算出される。
NESM←NESM+(NE−NESM)/32
次に、ステップ210において現在の回転速度NEからなましエンジン回転速度NESMを減ずることにより回転速度差TNEが算出される。
【0048】
次のステップ220において回転速度差TNEに基づいて補正量マップを参照して点火時期補正量SACが算出される。
次のステップ230において、アシスト要求フラグXASSTがONであるかどうかが判定される。ステップ230においてアシスト要求フラグXASSTがONであると判定されるとM/G26による回転アシスト実行中であるため、ステップ240において点火時期補正量SACは0に設定され、本処理を終了する。
【0049】
ステップ230においてアシスト要求フラグXASSTがOFFであると判定されると、M/G26による回転アシストは停止されているため、点火時期補正量は前記ステップ220にて算出された値に維持され、本処理を終了する。
【0050】
図4はECU38が実行するISC補正量算出処理を示すフローチャートである。本処理も予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。
【0051】
本処理が開始されると、まず、ステップ300において今回のエンジン回転速度NEi から前回のエンジン回転速度NEi-1 を減ずることにより回転変化量DLNEが算出される。
【0052】
次に、ステップ310において現在の回転速度NEから目標アイドル回転速度NTCALを減ずることにより回転速度偏差DLNTが算出される。
次のステップ320において、回転変化量DLNE及び回転速度偏差DLNTに基づいて補正量算出マップを参照してISC補正量QDLNが算出される。
【0053】
次のステップ330において、アシスト要求フラグXASSTがONであるかどうかが判定される。ステップ330においてアシスト要求フラグXASSTがONであると判定されるとM/G26による回転アシスト実行中であるため、ステップ340においてISC補正量QDLNは0に設定され、本処理を終了する。
【0054】
ステップ330においてアシスト要求フラグXASSTがOFFであると判定されると、M/G26による回転アシストは停止されているため、ISC補正量は前記ステップ320にて算出された値に維持され、本処理を終了する。
【0055】
図5は上記のように構成されたエンジン2の回転速度の急低下時の制御の一例を示している。エンジン2の運転中においてエンジン回転速度NEが急低下しタイミングt1において目標アイドル回転速度(≒アシスト終了回転速度)に達すると、回転速度NEを増加させるようにアイドル進角補正及びISC補正が行われる。
【0056】
アイドル進角補正及びISC補正の直後には回転速度NEの低下は止まらず、回転速度NEがアシスト開始回転速度NEA未満になるタイミングt2においてアシスト要求フラグXASSTがONに設定されM/Gアシストが実行される。M/Gアシストの実行中にはアイドル進角補正及びISC補正は停止される。
【0057】
M/Gアシストにより回転速度NEの低下が止まり、エンジン2のストールが防止される。M/Gアシストにより回転速度NEはアシスト開始回転速度NEAから上昇するが、アイドル進角補正及びISC補正が停止されているため、回転速度NEの上昇量は小さいものとなる。
【0058】
回転速度NEがアシスト終了回転速度に達するタイミングt3においてM/Gアシストが終了され、回転速度NEの上昇はアシスト終了回転速度を若干超えて止まる。M/Gアシストの終了とともにM/G26が発電機能に切り替えられて発電が行われ、発電負荷が付与される。M/G26の発電中には回転速度NEを減少させるようにアイドル進角補正及びISC補正が行われる。そのため、回転速度NEは低下する。
【0059】
タイミングt3以降、前記と同様にして回転速度NEがアシスト開始回転速度NEA未満になるとM/Gアシストが実行され、M/Gアシストの実行中にはアイドル進角補正及びISC補正が停止される。回転速度NEが上昇してアシスト終了回転速度に達するとM/Gアシストが終了され、M/G26が発電機能に切り替えられて発電が行われ、発電負荷が付与される。M/G26の発電中には回転速度NEを減少させるようにアイドル進角補正及びISC補正が行われる。その結果、回転速度NEはアシスト終了回転速度付近に安定化するようになる。
【0060】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
・ 本実施形態では、エンジン2の回転速度の目標アイドル回転速度からの急変動に対してM/G26が回転アシストしているときには、エンジン2の回転速度の急変動に伴うフィードバック補正(点火時期補正及びISC補正)が停止される。そのため、M/G26による回転アシストと、回転速度の急変動に伴うフィードバック補正との重複をなくすことができ、エンジン回転速度の急上昇を抑制することができる。よって、エンジン回転速度のハンチングを抑制して目標アイドル回転速度に安定化させることができる。
【0061】
・ 本実施形態では、モータ機能と発電機能とを備えたモータジェネレータ(M/G)26を一つ設ければ済み、部品点数を低減してコスト上昇を抑制することができるとともに、その設置スペースをも小さくすることができる。
【0062】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図6〜図9に従って説明する。
上記第1実施形態においては、M/G26の回転アシスト後の発電負荷を最大とするとともに、M/G26による発電時にはフィードバック補正(点火時期補正及びISC補正)を実施する場合について述べた。このようにM/G26の発電負荷を最大にすると、エンジン2の回転速度の目標アイドル回転速度からの低下量が大きくなる。また、M/G26のアシスト回転速度はアイドル回転速度付近の値であるため、M/G26による発電時にフィードバック補正を行うと、エンジン回転速度のアイドル回転速度からの低下量が大きくなる。そのため、エンジン2の回転速度の急低下時に回転速度を目標アイドル回転速度に安定化させるためには、未だ時間を要する。
【0063】
そこで本実施形態では、M/G26の回転アシスト後の発電負荷を制御するとともに、M/G26による発電時にフィードバック補正を停止するようにしている。
【0064】
本実施形態において、内燃機関及びその制御装置のシステム構成は第1実施形態と同様である。M/GECU32はエンジン2の回転速度の急低下時にM/G26によるアシスト制御処理を実行するとともに、M/G26の回転アシスト後の発電における発電量制御処理を実行する。
【0065】
この発電量制御処理を図6に示すフローチャートに従って説明する。本処理は予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。
本処理が開始されると、まず、ステップ400でM/Gアシスト作動中であるかどうかが、アシスト要求フラグXASSTがONかどうかに基づいて判定される。M/Gアシスト作動中であればステップ410に進み、M/Gアシスト作動中でなければステップ470に進む。
【0066】
ステップ410において、発電量を制御する時期を指示する発電制御フラグXGEがONに設定される。次のステップ420においてM/G26が回転アシスト中であるため、発電負荷カットが要求される。
【0067】
また、ステップ470では発電制御フラグXGEがONであるかどうかが判定され、発電制御フラグXGEがONであると判定されるとステップ430に処理を移行する。
【0068】
次のステップ430において、エンジン回転速度が目標アイドル回転速度付近に安定しているかどうかが判定される。エンジン回転速度が安定中でないと判定されると、本処理を一旦終了する。
【0069】
また、ステップ430において、エンジン回転速度が安定中であると判定されると、ステップ440においてM/G26に対する発電量がバッテリ30のSOCに応じた要求発電量まで増加するように徐変される。ステップ440にて算出された発電量に基づく発電負荷がエンジン2に付与される。
【0070】
次に、ステップ450において、M/G26に対する発電量が前記要求発電量に到達したかどうかが判定され、否定判定の場合には本処理が一旦終了される。また、ステップ450においてM/G26に対する発電量が前記要求発電量に到達したと判定されると、ステップ460にて発電制御フラグXGEがOFFに設定されて本処理を終了する。
【0071】
次に、エンジン回転速度の急変動時にECU38が実行する点火時期補正量算出処理及びISC補正量算出処理について説明する。
図7はECU38が実行する点火時期補正量算出処理を示すフローチャートである。本処理は予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。本処理は上記第1実施形態における点火時期補正量算出処理と、ステップ250を除いてほぼ同様である。
【0072】
本処理が開始されると、ステップ200,210,220の処理が順次実行される。そして、ステップ230において、アシスト要求フラグXASSTがOFFであると判定されると、ステップ250に進む。
【0073】
ステップ250において発電制御フラグXGEがONであるかどうかが判定される。ステップ250において発電制御フラグXGEがONであると判定されるとM/G26の発電量の制御時期であるため、ステップ240において点火時期補正量SACが0に設定され、本処理を終了する。
【0074】
ステップ250において発電制御フラグXGEがOFFであると判定されると、M/G26の発電量の制御時期ではないため、点火時期補正量は前記ステップ220にて算出された値に維持され、本処理を終了する。
【0075】
図8はECU38が実行するISC補正量算出処理を示すフローチャートである。本処理も予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。本処理は上記第1実施形態におけるISC補正量算出処理と、ステップ350を除いてほぼ同様である。
【0076】
本処理が開始されると、ステップ300,310,320の処理が順次実行される。そして、ステップ330において、アシスト要求フラグXASSTがOFFであると判定されると、ステップ350に進む。
【0077】
ステップ350において発電制御フラグXGEがONであるかどうかが判定される。ステップ350において発電制御フラグXGEがONであると判定されるとM/G26の発電量の制御時期であるため、ステップ340においてISC補正量QDLNは0に設定され、本処理を終了する。
【0078】
ステップ350において発電制御フラグXGEがOFFであると判定されると、M/G26の発電量の制御時期ではないため、ISC補正量は前記ステップ320にて算出された値に維持され、本処理を終了する。
【0079】
図9は上記のように構成されたエンジン2の回転速度の急低下時の制御の一例を示している。エンジン2の運転中においてエンジン回転速度NEが急低下しタイミングt5において目標アイドル回転速度(≒アシスト終了回転速度)に達すると、回転速度NEを増加させるようにアイドル進角補正及びISC補正が行われる。
【0080】
アイドル進角補正及びISC補正の直後には回転速度NEの低下は止まらず、回転速度NEがアシスト開始回転速度NEA未満になるタイミングt6においてアシスト要求フラグXASSTがONに設定されM/Gアシストが実行される。M/Gアシストの実行中にはアイドル進角補正及びISC補正は停止される。
【0081】
M/Gアシストにより回転速度NEの低下が止まり、エンジン2のストールが防止される。M/Gアシストにより回転速度NEはアシスト開始回転速度NEAから上昇するが、アイドル進角補正及びISC補正が停止されているため、回転速度NEの上昇量は小さいものとなる。
【0082】
回転速度NEがアシスト終了回転速度に達するタイミングt7においてM/Gアシストが終了され、回転速度NEの上昇はアシスト終了回転速度を若干超えて止まる。M/Gアシストの終了後、タイミングt8までの期間において回転速度がアシスト終了回転速度付近に安定しているときにはM/G26の発電負荷はカットされる。
【0083】
回転速度NEが安定したタイミングt8においてM/G26が発電機能に切り替えられて発電が行われ、発電負荷が付与される。M/G26に対する発電量は要求発電量まで増加するように徐変され、この発電量に基づく発電負荷がエンジン2に付与される。M/G26の発電中において通常のISC制御が実行されるため、発電負荷の増加分はISC制御による出力トルク増加分によって補償される。
【0084】
そして、タイミングt9においてM/G26に対する発電量が要求発電量に到達するも、回転速度NEはハンチングを起こすことなく、アシスト終了回転速度に安定化するようになる。
【0085】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
・ 本実施形態では、エンジン2の回転速度の目標アイドル回転速度からの急変動に対してM/G26が回転アシストしているときには、エンジン2の回転速度の急変動に伴うフィードバック補正(点火時期補正及びISC補正)が停止される。そのため、M/G26による回転アシストと、回転速度の急変動に伴うフィードバック補正との重複をなくすことができ、エンジン回転速度の急上昇を抑制することができる。また、M/G26の駆動が停止され、M/G26による発電が行われているときには、エンジン2の回転速度の急変動に伴うフィードバック補正(点火時期補正及びISC補正)が停止される。そのため、M/G26による発電負荷と回転速度を低下させようとするフィードバック補正との重複をなくすことができ、エンジン回転速度の急低下を抑制することができる。よって、エンジン回転速度のハンチングを抑制して短時間で目標アイドル回転速度に安定化させることができる。
【0086】
・ しかも、M/G26による回転アシストの終了後において、エンジン回転速度が目標アイドル回転速度に安定した時にM/G26を発電機能に切り替えて発電させるとともに、その発電量が徐々に増加するようにした。そのため、エンジン回転速度の目標アイドル回転速度からの低下を抑制することができ、エンジン回転速度をより短時間で目標アイドル回転速度に安定化させることができる。
【0087】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図10,図11に従って説明する。
上記第2実施形態においては、M/G26の回転アシスト中及びM/G26の回転アシスト後の発電時にはフィードバック補正を停止する例について述べた。これに対し、本実施形態では、M/G26の回転アシスト後の発電負荷を制御するとともに、M/G26の回転アシスト中及びM/G26の回転アシスト後の発電時にはフィードバック補正量を制限するようにしている。
【0088】
本実施形態において、内燃機関及びその制御装置のシステム構成は第1実施形態と同様である。M/GECU32はエンジン2の回転速度の急低下時にM/G26によるアシスト制御処理を実行するとともに、M/G26の回転アシスト後の発電における発電量制御処理(図6参照)を実行する。
【0089】
次に、エンジン回転速度の急変動時にECU38が実行する点火時期補正量算出処理及びISC補正量算出処理について説明する。
図10はECU38が実行する点火時期補正量算出処理を示すフローチャートである。本処理は予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。本処理は上記第2実施形態における点火時期補正量算出処理と、ステップ260,270を除いてほぼ同様である。
【0090】
本処理が開始されると、ステップ200,210,220の処理が順次実行される。そして、ステップ220に続くステップ260において、前記ステップ220にて算出された点火時期補正量SACが−a≦SAC≦a(この場合、a=5°CA)の範囲内の大きさに制限される。
【0091】
次に、ステップ230において、アシスト要求フラグXASSTがONであると判定されるとステップ270に進み、アシスト要求フラグXASSTがOFFであると判定されるとステップ250に進む。
【0092】
ステップ250において発電制御フラグXGEがONであるかどうかが判定される。発電制御フラグXGEがONであると判定されるとステップ270に進む。発電制御フラグXGEがOFFであると判定されると、点火時期補正量SACはステップ260において制限された値に設定され、本処理を終了する。
【0093】
ステップ270において、前記ステップ260にて制限された点火時期補正量SACが−b≦SAC≦b(この場合、b=1°CA)の範囲内の大きさに制限され、本処理を終了する。
【0094】
図11はECU38が実行するISC補正量算出処理を示すフローチャートである。本処理も予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。本処理は上記第2実施形態におけるISC補正量算出処理と、ステップ360,370を除いてほぼ同様である。
【0095】
本処理が開始されると、ステップ300,310,320の処理が順次実行される。そして、ステップ320に続くステップ360において、前記ステップ320にて算出されたISC補正量QDLNが0≦QDLN≦c(この場合、c=2リットル/秒)の範囲内の大きさに制限される。
【0096】
次に、ステップ330において、アシスト要求フラグXASSTがONであると判定されるとステップ370に進み、アシスト要求フラグXASSTがOFFであると判定されるとステップ350に進む。
【0097】
ステップ350において発電制御フラグXGEがONであるかどうかが判定される。発電制御フラグXGEがONであると判定されるとステップ370に進む。発電制御フラグXGEがOFFであると判定されると、ISC補正量QDLNはステップ360において制限された値に設定され、本処理を終了する。
【0098】
ステップ370において、前記ステップ360にて制限されたISC補正量QDLNが0≦QDLN≦d(この場合、d=0.2リットル/秒)の範囲内の大きさに制限され、本処理を終了する。
【0099】
M/G26の回転アシスト中及びM/G26の回転アシスト後の発電時にはフィードバック補正量を制限するようにした本実施形態によれば、上記第2実施形態の作用及び効果とほぼ同様の作用及び効果を得ることができる。
【0100】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を図12,図13に従って説明する。本実施形態において、内燃機関及びその制御装置のシステム構成は第1実施形態と同様である。
【0101】
上記第2実施形態においては、M/G26の回転アシスト中及びM/G26の回転アシスト後の発電時にはフィードバック補正を停止する場合について述べた。そして、M/G26の回転アシスト中においてもエンジン2への燃料供給を行って燃焼制御を行っている。このようにエンジン2への燃料供給を継続しながらM/G26による回転アシストを行うと、M/G26のアシスト力とエンジン2の燃焼による出力とが重複し、エンジン回転速度が急上昇することとなる。
【0102】
そこで本実施形態では、M/GECU32はエンジン2の回転速度の急低下時にM/G26によるアシスト制御処理(図12参照)を実行するとともに、M/G26の回転アシスト後の発電において前記発電量制御処理(図6)を実行する。ECU38はM/G26によるアシスト制御に同期してエンジン2の燃料カット(F/C)を行うようにしている。また、エンジン回転速度の急変動時においてECU38は前記点火時期補正量算出処理(図7参照)及び前記ISC補正量算出処理(図8参照)を実行する。
【0103】
図12はECU38及びM/G26が実行するアシスト制御処理を示すフローチャートである。本処理は予め設定されている短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。本処理は上記第1実施形態におけるアシスト制御処理と、ステップ500,510を除いてほぼ同様である。
【0104】
本処理が開始されると、ステップ100,110,120,130の処理が順次実行される。そして、ステップ140において、そのときのエンジン回転速度NEがアシスト回転速度NET未満であると判定されると、ステップ500に進む。ステップ500にてアシスト要求フラグXASSTがONに設定されてM/G26による回転アシストが実行されるとともに、この回転アシストに同期してエンジン2のF/Cが実行される。
【0105】
またステップ140において、エンジン回転速度NEがアシスト終了回転速度(≒アイドル回転速度)付近に安定しエンジン回転速度NEがアシスト回転速度NET以上であると判定されると、ステップ510に進む。ステップ510にてアシスト要求フラグXASSTがOFFに設定されてM/G26による回転アシストが終了されるとともに、F/Cが解除されてエンジン2のファイヤリングが行われる。
【0106】
図13は上記のように構成されたエンジン2の回転速度の急低下時の制御の一例を示している。エンジン2の運転中においてエンジン回転速度NEが急低下しタイミングt10において目標アイドル回転速度(≒アシスト終了回転速度)に達すると、回転速度NEを増加させるようにアイドル進角補正及びISC補正が行われる。
【0107】
アイドル進角補正及びISC補正の直後には回転速度NEの低下は止まらず、回転速度NEがアシスト開始回転速度NEA未満になるタイミングt11においてアシスト要求フラグXASSTがONに設定されM/Gアシストが実行される。M/Gアシストに同期してエンジン2のF/Cが実行される。
【0108】
M/Gアシストにより回転速度NEの低下が止まり、エンジン2のストールが防止される。M/Gアシストにより回転速度NEはアシスト開始回転速度NEAから上昇するが、エンジン2のF/Cが行われているため、回転速度NEの上昇量は小さいものとなる。
【0109】
回転速度NEがアシスト終了回転速度に安定するタイミングt12においてM/Gアシストが終了されるとともに、F/Cが解除されてエンジン2の気筒への燃料供給が再開されファイヤリングが行われる。そのため、M/Gアシスト後に回転速度NEのアシスト終了回転速度からの低下が回避される。
【0110】
回転速度NEが安定したタイミングt12においてM/G26が発電機能に切り替えられて発電が行われ、発電負荷が付与される。M/G26に対する発電量は要求発電量まで増加するように徐変され、この発電量に基づく発電負荷がエンジン2に付与される。M/G26の発電中において通常のISC制御が実行されるため、発電負荷の増加分はISC制御による出力トルク増加分によって補償される。
【0111】
そして、タイミングt13においてM/G26に対する発電量が要求発電量に到達するも、回転速度NEはハンチングを起こすことなく、アシスト終了回転速度に安定化するようになる。
【0112】
以上説明した本実施形態によれば、上記第2実施形態の効果に加えて、以下の効果が得られる。
・ 本実施形態では、エンジン2の回転速度の目標アイドル回転速度からの急変動に対してM/G26が回転アシストしているときには、エンジン2のF/Cが行われる。そのため、M/G26による回転アシストとエンジン2の出力との重複を回避することができ、エンジン回転速度の急上昇を抑え、ショックの発生を抑制することができる。
【0113】
・ 本実施形態では、M/G26の駆動によってエンジン回転速度が上昇してアシスト終了回転速度に安定するとM/G26の駆動が停止され、エンジン2の気筒への燃料供給が再開されてファイヤリングが行われる。そのため、M/G26の回転アシスト後にエンジン回転速度の低下を回避することができ、エンジン回転速度のハンチングを抑制してアシスト終了回転速度に安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の内燃機関及びその制御装置のシステム構成図。
【図2】第1実施形態のアシスト制御処理を示すフローチャート。
【図3】第1実施形態の点火時期補正量算出処理を示すフローチャート。
【図4】第1実施形態のISC補正量算出処理を示すフローチャート。
【図5】第1実施形態の回転アシスト時の制御の一例を示すタイムチャート。
【図6】第2実施形態の発電量制御処理を示すフローチャート。
【図7】第2実施形態の点火時期補正量算出処理を示すフローチャート。
【図8】第2実施形態のISC補正量算出処理を示すフローチャート。
【図9】第2実施形態の回転アシスト時の制御の一例を示すタイムチャート。
【図10】第3実施形態の点火時期補正量算出処理を示すフローチャート。
【図11】第3実施形態のISC補正量算出処理を示すフローチャート。
【図12】第4実施形態のアシスト制御処理を示すフローチャート。
【図13】第4実施形態の回転アシスト時の制御の一例を示すタイムチャート。
【符号の説明】
2…エンジン、2a…クランク軸、2b…吸気通路、2c…スロットルバルブ、2d…スロットルバルブモータ、4…トルクコンバータ、6…A/T、6b…出力軸、10…電磁クラッチ、12…プーリ、14…ベルト、16,18,20…プーリ、22…パワーステアリング用ポンプ、24…エアコン用コンプレッサ、26…モータジェネレータ(M/G)、28…インバータ、30…バッテリ、32…M/GECU、38…ECU、42…燃料噴射弁、44…スタータ、48…イグナイタ、52…バイパス通路、54…ISCV。

Claims (3)

  1. 内燃機関の回転をアシストする電動機と、
    前記内燃機関の回転速度が所定回転速度より低下したときに前記電動機を駆動することにより前記内燃機関の回転をアシストする回転制御手段と、
    前記内燃機関の回転速度が前記所定回転速度より低下したときに前記回転制御手段によるアシストと同期して前記内燃機関の燃料カットを行う供給停止制御手段と、
    を備える内燃機関の運転制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の運転制御装置において、
    前記回転制御手段は前記電動機の駆動によって前記内燃機関の回転速度が前記所定回転速度よりも高い第2の所定回転速度に安定したときに前記電動機の駆動を停止するものであり、
    前記電動機の駆動によって前記内燃機関の回転速度が前記第2の所定回転速度に安定したときに前記内燃機関の燃料カットを解除して前記内燃機関のファイヤリングを行う燃焼制御手段を
    備える内燃機関の運転制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の運転制御装置において、
    前記電動機は、前記内燃機関の動力により作動する発電機能を備えたモータジェネレータである内燃機関の運転制御装置。
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