JP2000073798A - 内燃機関の可変動弁制御装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁制御装置

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JP2000073798A
JP2000073798A JP10248276A JP24827698A JP2000073798A JP 2000073798 A JP2000073798 A JP 2000073798A JP 10248276 A JP10248276 A JP 10248276A JP 24827698 A JP24827698 A JP 24827698A JP 2000073798 A JP2000073798 A JP 2000073798A
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    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変動弁機構を備えたエンジンの燃費向上と
出力向上を両立させながら、運転性を向上させる。 【解決手段】 エンジン2に配設されて吸気弁の開閉時
期を変更するカム作動角可変機構50と、運転状態を検
出するセンサと、運転状態に応じてカム作動角可変機構
50を制御するエンジン制御部31とを備え、カム作動
角可変機構50は、吸気弁の作動角αを最小作動角αmi
nと最大作動角αmaxの間で変更可能であり、エンジン制
御部31は、エンジン2の運転状態が低回転高負荷域に
ある場合に作動角αを最小作動角αminに設定する一
方、負荷の低減または回転数の増大に応じて作動角αを
増大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に設けた
可変動弁機構の制御に関し、特に、内燃機関と電動モー
タを組み合わせたハイブリッド車両に好適な可変動弁制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から排気エミッションを低減するた
め、エンジンと電動モータを組み合わせて、いずれか一
方または双方の駆動力により走行するハイブリッド車両
が知られており、例えば、鉄道日本社刊「自動車工学」
VOL.46 No7 1997年6月号の第39頁〜52頁
に開示されるものがある。
【0003】このハイブリッド車両では、エンジンの熱
効率が低下する低車速域では、主にモータによって車両
の推進を行う一方、車速や負荷が増大するとエンジンを
始動するとともに、主駆動源をモータからエンジンに切
り換えている。
【0004】加えて、エンジンには吸気カムシャフトの
位相を連続的に変更可能な可変動弁機構を備えており、
例えば、都市部などの走行で発進、停止を繰り返すよう
な運転状況では、エンジンの停止と再始動が頻繁に行わ
れるため、エンジンの始動時には吸気弁閉弁時期を遅ら
せてエンジンのフリクションを低減することで始動性を
向上させ、同様に、エンジンを停止させる際にも、吸気
弁閉弁時期を遅らせて、エンジンの実圧縮比を低下さ
せ、起振力を低減させて振動の低減を図っている。ま
た、部分負荷運転時では、バルブオーバーラップを大き
く設定することで内部EGR率を高めて燃費の向上を図
っている。
【0005】また、減速時には吸気弁閉弁時期を遅らせ
て、吸気管内への吹き返しによるポンピングロスを低減
することで、回生エネルギーを増大させて燃費の向上を
図り、さらに、冷却水温が低いときには、吸気弁開弁時
期を早めて体積効率を向上させている。
【0006】また、特開平9−242520号公報に開
示されるように、図10に示すように、吸気カムシャフ
トの位相を連続的に変更可能な可変動弁機構を備えたエ
ンジンが知られている。
【0007】これは、エンジン回転数、吸入空気量、ス
ロットル開度及びエンジン冷却水温を検出し、これら検
出した運転状態に応じて吸気カムシャフトの位相を変更
することで、熱効率や運転性が向上するようにバルブタ
イミングを設定するもので、例えば、冷却水温が低いと
きには、吸気弁開弁時期を早めて体積効率を向上させ、
始動時の安定性を確保している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例において、エンジン始動時の振動低減や部分負荷運
転時の燃費向上を優先して吸気弁の位相(弁開閉時期)
を設定した場合、特に、エンジン回転数が低いときに高
負荷となると、吸気弁閉弁時期を早めているため、有効
圧縮比が増大するためノッキング限界空気量が抑制され
て、エンジントルクが低下するという問題があり、ま
た、減速時に吸気弁閉弁時期を遅らせて吹き返しによる
ポンピングロスを低減する場合では、位相可変式の可変
動弁機構では、開閉時期の相対関係は一定であるため、
吸気弁開弁時期も遅延することになり、バルブオーバー
ラップが減少して吹き返しの低減を効率よく行うことが
できないという問題があった。
【0009】さらに、冷却水温が低いときには、吸気弁
開弁時期を早めているが、吸気弁閉弁時期も早まること
になって有効圧縮比が低下し、燃料の気化が低下する低
水温時始動性が低下したり、燃焼安定性が低下するとい
う問題があった。また、この低水温時に減速が行われる
と、吸気弁閉弁時期が遅れるため、燃焼室から吸気管内
への吹き返しによって、インジェクタ等に未燃焼燃料や
オイル等が付着して作動不良を引き起こす原因となる場
合があった。
【0010】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、可変動弁機構を備えた内燃機関を、燃費と
出力の向上を両立させながら、運転性を向上させること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、エンジン
に配設されて吸気弁の開閉時期を変更する可変動弁手段
と、運転状態を検出する手段と、この運転状態に応じて
前記可変動弁手段を制御する吸気弁制御手段とを備えた
内燃機関の可変動弁制御装置において、前記可変動弁手
段は、吸気弁の作動角を最小作動角と最大作動角の間で
変更可能であり、前記吸気弁制御手段は、運転状態が低
回転高負荷域にある場合に前記作動角を小側に設定する
一方、負荷の低減または回転数の増大に応じて作動角を
増大する。
【0012】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記可変動弁手段は、吸気弁の作動角が増大する
につれて、吸気弁の開弁時期を早めると同時に、閉弁時
期を遅らせる。
【0013】また、第3の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記可変動弁手段は、吸気弁の開弁時期の変化量
に対して閉弁時期の変化量を大きく設定する。
【0014】また、第4の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記吸気弁制御手段は、車両の減速時、エンジン
停止時またはエンジン再始動時に、吸気弁の作動角を大
側に設定する。
【0015】また、第5の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記吸気弁制御手段は、エンジンの冷却水温を検
出する手段を備え、この水温が所定値未満の低温でエン
ジンを始動する際には、水温に応じて吸気弁の作動角を
変更する。
【0016】また、第6の発明は、前記第5の発明にお
いて、前記吸気弁制御手段は、前記水温が所定値未満の
低温でエンジンを始動する際には、前記水温が所定値以
上の暖機状態の作動角に対して、吸気弁の作動角を小さ
くする。
【0017】また、第7の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記吸気弁制御手段は、エンジンの冷却水温を検
出する手段を備え、この水温が所定値未満の低温で車両
が減速する際には、前記水温が所定値以上の暖機状態の
作動角に対して、吸気弁の作動角を小さくする。
【0018】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、低回転高負
荷域では、吸気弁の作動角が小側に設定されて、吸気弁
開弁時期が遅くなり、バルブオーバーラップを低減する
ことで残留ガスを低減し、同時に、閉弁時期が早まるこ
とにより、吸気管内への吹き返し量を低減することで吸
入空気量を確保して出力の向上を図り、運転性を向上す
ることができる。そして、負荷の低減または回転数の増
大に応じて作動角を増大することにより、吸気時間が短
くなる高回転域では、吸気弁閉弁時期の遅延によって吸
気の慣性による吸入空気量を確保でき、同時に、作動角
の増大に呼応して吸気弁開弁時期が早められて、バルブ
オーバーラップが増大することにより掃気効果を高めて
残留ガスを低減することが可能となり、エンジンの出力
向上を図ることが可能となる。また、部分負荷時には、
作動角の増大に応じてバルブオーバーラップが増加し、
残留ガスを増大させて自己EGR率を高め、同時に、閉
弁時期が遅くなることで吸気管への吹き返し量を増大さ
せ、この吹き返しの増大に応じてスロットルバルブを開
くことになってポンピングロスの低減を図り燃費の向上
が可能となり、特に、エンジンとモータの駆動力を選択
して車両の推進を行う一方、減速時にはモータによって
回生を行うハイブリッド車両へ適用した場合では、出力
の向上と燃費の向上を両立させることができる。
【0019】また、第2の発明は、吸気弁の作動角が増
大するにつれて、吸気弁の開弁時期を早めると同時に、
閉弁時期を遅らせるようにしたため、バルブオーバーラ
ップ量の制御と閉弁時期による吹き返し量の制御を同時
に行うことができる。
【0020】また、第3の発明は、吸気弁の開弁時期の
変化量に対して閉弁時期の変化量を大きく設定すること
で、吸入空気量の確保による高出力化とポンピングロス
の低減による燃費性能の向上を両立させることが可能と
なる。
【0021】また、第4の発明は、車両の減速時、エン
ジン停止時またはエンジン再始動時に、吸気弁の作動角
を大側に設定することにより、例えば、減速時では、バ
ルブオーバーラップを増大させてポンピングロスを低減
でき、ハイブリッド車両に適用した場合では、その分回
生エネルギーを増大させて燃費性能をさらに向上でき、
また、回生状態からエンジンを停止するような場合で
は、作動角を大側に維持することで、吸気弁閉弁時期を
遅らせて有効圧縮比を低下させ、エンジン停止時には圧
縮を起振源とするエンジンの振動を抑制でき、また、エ
ンジンの再始動時にも大側に維持しておくことで、再始
動時にはエンジンの始動時の振動を抑制することが可能
となって、特に、エンジンの始動、停止を繰り返すハイ
ブリッド車両に適用した場合には、静粛性の確保と燃費
性能の両立を図ることができる。
【0022】また、第5の発明は、エンジンの冷却水温
が低温の状態で始動する際には、水温に応じて吸気弁の
作動角を変更し、例えば、水温の低下に応じて吸気弁閉
弁時期を早めれば、有効圧縮比を向上させて始動性と始
動後の安定性を向上させることが可能となる。
【0023】また、第6の発明は、水温が低温の状態で
始動する際には、暖機状態の作動角に対して、吸気弁の
作動角を小さくすることにより、バルブオーバーラップ
を減少して、吸気行程の初期に発生する燃焼室や排気管
から吸気管内への吹き返しを低減でき、未燃焼燃料やエ
ンジンオイルの付着及び体積を防止して、インジェクタ
バルブの作動不良や吸気弁のバルブデポジットを低減さ
せてエンジンの耐久性を向上させると同時に、有効圧縮
比を向上させて始動性と始動後の安定性を向上させるこ
とが可能となる。
【0024】また、第7の発明は、水温が低温の状態で
エンジンを始動する際には、暖機状態の作動角に対し
て、吸気弁の作動角を小さくすることにより、バルブオ
ーバーラップを減少して、吸気行程の初期に発生する燃
焼室や排気管から吸気管内への吹き返しを低減でき、未
燃焼燃料やエンジンオイルの付着及び体積を防止して、
インジェクタバルブの作動不良や吸気弁のバルブデポジ
ットを低減させてエンジンの耐久性を向上させることが
できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0026】図1は、本発明を適用可能なハイブリッド
車両の一例を示し、エンジンまたは電動モータのいずれ
か一方、または双方の駆動力を用いて走行するものであ
る。
【0027】図1において、太実線は機械力の伝達経路
を示し、破線は電力の経路を示し、さらに、細実線は制
御系統を示し、二重線は油圧系統を示している。
【0028】この車両のパワートレインは、モータ1、
エンジン2、クラッチ3、モータ4、無段変速機5、減
速装置6、差動装置7及び駆動輪8から構成される。モ
ータ1の出力軸とエンジン2の出力軸及びクラッチ3の
入力軸は互いに連結されており、また、クラッチ3の出
力軸、モータ4の出力軸及び無段変速機5の入力軸は互
いに連結されている。
【0029】クラッチ3の締結時には、エンジン2とモ
ータ4の少なくとも一方が車両の推進源となり、クラッ
チ3の解放時には、モータ4のみが車両の推進源とな
る。これらエンジン2またはモータ4の駆動力は、無段
変速機5、減速装置6及び差動装置7を介して駆動輪8
へ伝達される。
【0030】ここで、クラッチ3は、例えば、パウダー
クラッチ等で構成され、解放状態から締結状態までの間
で、任意のクラッチ容量に設定することができ、例え
ば、中間容量のときには、クラッチ3をスリップさせな
がらトルクを伝達する一方、締結時(最大容量)には、
入力軸と出力軸を結合してトルクの伝達を行う。
【0031】なお、Vベルト式やトロイダル式で構成さ
れた無段変速機5には、油圧装置9の図示しないポンプ
から圧油が供給されており、このポンプはモータ10に
よって駆動される。
【0032】モータ1(第2モータ)は、主としてエン
ジン2の始動と発電に用いられ、モータ4(第1モー
タ)は、主として車両の推進と運動エネルギーの回生に
用いられる。
【0033】もちろん、クラッチ3の締結時には、モー
タ1を車両の推進と回生に用いることもでき、モータ4
をエンジン2の始動や発電に用いることもできる。な
お、モータ1、4、10は交流機で構成され、それぞれ
インバータ11〜13を介してバッテリ15に接続され
る。
【0034】上記パワートレインは、マイクロコンピュ
ータを主体に構成されたコントローラ16によって制御
され、このコントローラ16は、図2に示すように、イ
ンバータ11を介してモータ1による発電やエンジン2
の始動を制御するモータ制御部30、エンジン2の燃料
噴射量や点火時期の制御に加え、ソレノイド41を介し
て吸気カムシャフトの作動角可変機構50を制御するエ
ンジン制御部31、クラッチ3の締結、解放を制御する
クラッチ制御部32、インバータ12を介してモータ4
による推進や回生を制御するモータ制御部33、車両の
運転状態に応じて無段変速機5の変速比を制御するた
め、インバータ13、モータ10を介して油圧装置9を
駆動するCVT制御部34から構成される。
【0035】ここで、運転状態としては、アクセル開度
センサ22が検出したアクセルペダルの踏み込み量Ac
c、エンジン回転数センサ27が検出したエンジン2の
回転数Ne、エアフローメータ25が検出した吸入空気
量Qa、水温センサ28が検出したエンジン2の冷却水
温Tw、カム回転角センサ29が検出した吸気カムの作
動角α(開弁から閉弁までのクランク角。以下同様)、
入力軸回転センサ23が検出した無段変速機5の入力軸
回転数Ni、車速センサ24が検出した車速VSP、バ
ッテリ状態センサ26が検出したバッテリ15の充電状
態(SOC=State of charge)、バッテリ温度センサ
21が検出したバッテリ15の温度Tbatや図示しな
いブレーキスイッチが検出したブレーキペダルの踏み込
み状態等がコントローラ16へ入力される。
【0036】上記運転状態に基づいて、コントローラ1
6は、エンジン2とモータ4の駆動力を選択して車両の
駆動を行う一方、アクセルペダルが解放されたときには
モータ4で回生を行い、また、バッテリ15の状態に応
じてエンジン2とモータ1で発電し、バッテリ15の充
電を行うもので、この駆動力制御は、例えば、次表のよ
うに設定される。
【0037】
【表1】
【0038】ここで、エンジン2に配設された可変動弁
機構としては、図3に示すように、吸気カム51の作動
角(開弁期間及び閉弁時期)を連続的に変更可能なカム
作動角可変機構50を採用した場合について説明する。
【0039】これは、特開平9−242520号公報や
特開平9−268930号公報に開示されるものと同様
に、エンジン制御部31に制御されたソレノイド41か
らの油圧に基づいて、偏心軸53を軸回りに駆動するア
クチュエータ52と、ハウジング54を介してこの偏心
軸53に連結された吸気カム51から構成され、回転す
る吸気カム51に対して偏心軸53を軸回りに揺動させ
ることで、図4に示すように、吸気カム51の作動角を
変更して吸気弁(図示せず)の開弁期間及び開閉時期を
最大作動角から最小作動角の間で連続的に変更する。
【0040】そして、吸気カム51の作動角は回転角セ
ンサ29によって検出され、エンジン制御部31は運転
状態に応じた値となるようにソレノイド41を駆動し
て、吸気カム51の作動角を制御している。
【0041】いま、カム作動角可変機構50が、図4の
一点鎖線に示すように、最小作動角のときには、図示し
ないピストンの上死点TDCで吸気弁を開弁させた後、
下死吸気弁が開弁する。一方、図4の実線に示すよう
に、最大作動角のときには、図示しないピストンの上死
点TDCより前のθ2(吸気弁開最大進角位置)で吸気
弁を開弁させた後、下死点BDC後のθ3(吸気弁閉最
大遅角位置)で閉弁させ、期間αmaxの間だけ吸気弁が
開弁し、このとき、クランク角で表される吸気弁開最大
進角位置θ2と吸気弁閉最大遅角位置θ3は、 θ2<TDC BDC<θ1<θ3 のように設定される。
【0042】したがって、作動角αの変化に伴って、吸
気弁開弁位置は図4において、最大進角位置θ2から上
死点TDCの間で変化すると同時に、吸気弁閉弁位置は
最大値角位置θ3から最大進角位置θ1の間で変化する
ことになる。
【0043】また、排気カムと吸気カム51のオーバー
ラップは、最小作動角αminのとき0°に設定される一
方、最大作動角αmaxのときには、吸気弁開最大進角位
置θ2から上死点TDCまでの期間が最大オーバーラッ
プΔθに設定される。
【0044】ここで、上記エンジン制御部31で行われ
る吸気カム51の作動角制御の一例について、図5のフ
ローチャートを参照しながら以下に詳述する。なお、図
5のフローチャートは、所定時間毎、例えば、10msec
毎に実行されるものである。
【0045】まず、ステップS1では、上記図2に示し
たエンジン回転数センサ27からエンジン回転数Neを
読み込んで、ステップS2で、現在のエンジン回転数N
eが所定値Ne0よりも大きいか否かを判定する。
【0046】そして、エンジン回転数Neが所定値Ne
0(例えば、アイドル回転数)よりも大きい場合には、
作動角制御を行うべくステップS3へ進んで、アクセル
開度センサ22が検出したアクセル踏み込み量Accを
読み込む一方、そうでない場合には、そのまま処理を終
了する。
【0047】ステップS4ではアクセルペダルの踏み込
み量Accが所定値Acc0よりも大きいか否かを判定
し、踏み込み量Accが所定値Acc0を超える場合に
はステップS5へ進んで、エアフローメータ25から吸
入空気量Qaを読み込む一方、そうでない場合にはステ
ップS9以降の処理へ進む。
【0048】ステップS6では、上記吸入空気量Qaと
エンジン回転数NeからエンジントルクTeを求め、次
にステップS7では、エンジントルクTeとエンジン回
転数Neより図6に示すマップに基づいて作動角αを設
定する。
【0049】なお、図6のマップは、エンジン回転数N
eが低くエンジントルクTeが大きいときに最小作動角
αminに設定され、エンジントルクTeの低下またはエ
ンジン回転数Neの増大に伴って作動角αが、α0、α
1、α2…αmaxと順次増大するように設定される。た
だし、αmin<α0<α1<α2<……<αmaxである。
【0050】こうして求めた作動角αとなるように、ス
テップS8では、図3に示したソレノイド41を駆動し
て吸気カム51の作動角を設定する。
【0051】一方、上記4の判定で、踏み込み量Acc
が所定値Acc0以下の場合、すなわち、アクセルペダ
ルの解放状態等では、ステップS9の処理へ進んで、水
温センサ28からエンジン2の冷却水温Twを読み込
み、ステップS10で、現在の冷却水温Twが所定値T
w0を超えているか否かを判定する。
【0052】暖機が終了して冷却水温Twが所定値Tw
0を超えていれば、ステップS11へ進んで作動角αを
最大作動角αmaxに設定してから上記と同様に、ステッ
プS8へ進んでカム作動角可変機構50の駆動を行う一
方、冷却水温Twが所定値Tw0以下の低水温時には、
ステップS12へ進んで、図7に示すマップより、冷却
水温Twに応じた作動角αに設定した後に、ステップS
8へ進んでカム作動角可変機構50の駆動を行うステッ
プS8へ進んでカム作動角可変機構50の駆動を行う。
【0053】いま、アクセルペダルの踏み込み量Acc
が所定量Acc0以上踏み込まれた状態では、図6のマ
ップに基づいて作動角αが決定され、エンジン回転数N
eが低くエンジントルクTeが大きい低回転高負荷域で
は、最小作動角αminに設定されるため、吸気弁開弁時
期は最遅角位置である上死点TDCとなって、バルブオ
ーバーラップを低減することで残留ガスを低減し、同時
に、閉弁時期を最進角位置θ1に早めることにより、図
示しない吸気管内への吹き返し量を低減することができ
るため、吸入空気量Qaを確保して出力の向上を図るこ
とができる。
【0054】例えば、吸気カム51の作動角αと吸気弁
の開弁時期及び閉弁時期の関係を、図8、図9のように
設定すれば、図中A点では、燃料消費率が最良となる領
域で運転を行うことが可能となって、エンジン2の低回
転域での熱効率を向上させることが可能となって、ハイ
ブリッド車両の燃費性能を向上させることができる。
【0055】ただし、エンジン回転数Neが増大する高
回転域では、α1、α2と順次作動角αが増大し、吸気
弁閉弁位置は、図4において、最大進角位置θ1から最
大遅角位置θ3へ向けて遅延することにより、吸気時間
が短くなる高回転域では、吸気の慣性によって吸入空気
量Qaを確保できる。同時に、作動角αの増大に呼応し
て吸気弁開弁位置は、図4において、最大遅角位置TD
Cから最大進角位置θ2へ向けて早められ、バルブオー
バーラップが増大することにより掃気効果を高めて残留
ガスを低減することが可能となり、エンジン2の出力向
上を図ることが可能となる。
【0056】また、部分負荷時には、図4において、作
動角αを高負荷域よりも増大するように設定したため、
吸気弁開弁時期を早めることで、バルブオーバーラップ
を増加し、残留ガスを増大させて自己EGR率を高め、
同時に、閉弁時期を遅くすることで吸気管への吹き返し
量を増大させ、この吹き返しの増大に応じてスロットル
バルブ(図示せず)を開くことになってポンピングロス
の低減を図り燃費の向上が可能となる。
【0057】一方、暖機中などで冷却水温Twが所定値
Tw0以下の低水温時では、図7のマップに示すよう
に、暖機後(Tw>Tw0)の作動角αよりも減少させ
ることで、バルブオーバーラップを減少し、吸気行程の
初期に燃焼室や排気管から吸気管内への吹き返しを低減
でき、未燃焼燃料やエンジンオイルの付着及び体積を防
止して、インジェクタバルブ(図示せず)の作動不良や
吸気弁のバルブデポジットを低減させてエンジンの耐久
性を向上させることができ、特に、アクセルペダルを解
放する減速時に効果がある。
【0058】また、同様に、冷間始動時にも吸気カム5
1の作動角αを減少することになり、吸気弁閉弁時期を
早めることで有効圧縮比を向上させるとともに、圧縮圧
力を増大して始動性と始動後の安定性を向上させること
が可能となって、車速等に応じてエンジン2の始動、停
止を繰り返すハイブリッド車両の運転性を向上させるこ
とが可能となる。
【0059】さらに、上記制御に加えて、上記表1に示
したように、高車速域でアクセルペダルを解放する減
速、回生時のように、クラッチ3を締結している場合で
は、吸気カム51の作動角αを最大作動角αmaxに設定
することで、バルブオーバーラップを増大させてポンピ
ングロスを低減でき、その分回生エネルギーを増大させ
て、ハイブリッド車両の燃費性能をさらに向上できる。
【0060】また、上記回生状態からクラッチを解放し
てエンジン2を停止するような場合では、吸気カム51
の作動角αを最大作動角αmaxを維持して、吸気弁閉弁
時期を最大遅角位置θ3とし、有効圧縮比を低下させ、
吸入空気量Qaの低減によってエンジン停止時には圧縮
を起振源とするエンジン2の振動を抑制でき、また、エ
ンジン2の再始動時にも最大作動角αmaxを維持してお
くことで、暖機後の始動時にはエンジン2の始動時の振
動を抑制することができ、エンジン2の始動、停止を繰
り返すハイブリッド車両の静粛性を確保することができ
る。
【0061】そして、作動角αと吸気弁開弁位置及び吸
気弁閉弁位置の関係は、図4に示すように、作動角αの
変化に対して、吸気弁開弁位置の変化量(θ2とTDC
の期間)よりも、吸気弁閉弁位置の変化量(θ1とθ3
の期間)の方が大きくなるように設定されているため、
吸入空気量Qaの確保による高出力化やポンピングロス
の低減による燃費性能の向上を両立させることが可能と
なる。
【0062】こうして、ハイブリッド車両のエンジン2
に、吸気カム51の作動角αを連続的に変更可能、か
つ、作動角αの増大に応じて開弁時期を早める一方、閉
弁時期を遅らせる作動角可変機構50を備え、低回転高
負荷時には最小作動角αminとし、負荷の減少またはエ
ンジン回転数Neの増大に応じて作動角αを増大させる
ことで、バルブオーバーラップの低減により吸入空気量
Qaを確保し、前回出力を向上させるとともに、部分負
荷時には自己EGR率の増大と、吸気管への吹き返しの
増大によるポンプロスの低減によって、燃費の向上を図
ることができ、出力性能と燃費性能を両立させるととも
に、始動または停止時の振動を低減してハイブリッド車
両の運転性を確保することができる。
【0063】なお、上記実施形態において、吸気カム5
1の作動角可変機構として、作動角αを連続的に変更す
るものについて説明したが、図示はしないが、作動角α
が異なる複数のカムを選択的に切り換えて、段階的に作
動角αを変更するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すハイブリッド車両の
概略構成図。
【図2】同じくコントローラの概略構成図。
【図3】吸気カムの作動角可変機構の概念図。
【図4】吸気カムの作動角と吸気弁開閉位置及び排気カ
ムとのバルブオーバーラップの変化を示す特性図で、バ
ルブリフトとクランク角の関係を示し、図中実線が最大
作動角を、図中一点鎖線が最大作動角をそれぞれ示す。
【図5】エンジン制御部で行われる可変動弁制御の一例
を示すフローチャート。
【図6】エンジントルクとエンジン回転数Neに応じた
作動角のマップである。
【図7】エンジンの冷却水温と作動角の関係を示すマッ
プである。
【図8】低回転時のエンジントルクをパラメータとした
吸気カムの作動角及び吸気弁の開弁時期と閉弁時期の関
係を示す特性図である。
【図9】燃料消費率をパラメータとした吸気カムの作動
角と吸気弁の開弁時期及び閉弁時期の関係を示す特性図
である。
【図10】吸気弁の位相を可変とした場合の、バルブリ
フトとクランク角の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、4 モータ 2 エンジン 3 クラッチ 5 無段変速機 12 インバータ 15 バッテリ 16 コントローラ 22 アクセル開度センサ 25 エアフローメータ 27 エンジン回転センサ 28 水温センサ 29 カム回転角センサ 30 モータ制御部 31 エンジン制御部 32 クラッチ制御部 33 モータ制御部 34 CVT制御部 41 ソレノイド 50 カム作動角可変機構 51 吸気カム 52 アクチュエータ 53 偏心軸 54 ハウジング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 312 F02D 45/00 312Q 364 364F Fターム(参考) 3G084 AA05 BA23 CA01 CA03 CA09 DA02 DA09 DA19 DA39 FA03 FA05 FA06 FA07 FA10 FA18 FA20 FA33 FA36 3G092 AA11 AC02 DA01 DA08 DA12 DD03 EA01 EA02 EA03 EA04 EA21 EA22 EA25 EC09 FA13 FA25 FA31 GA01 GA06 GA10 GA17 GB08 HA01Z HA11Z HA13X HA13Z HE01Z HE08Z HF02Z HF08Z HF11X HF11Z HF21Z HF26Z 3G093 AA06 AA07 BA19 BA21 BA33 CA01 CA07 CA11 DA01 DA05 DA06 DA09 DB05 DB11 DB15 DB19 EA15 EB03 FB01 FB02 3G301 HA19 HA26 JA02 JA04 JA37 KA01 KA02 KA05 KA09 KA24 LA07 NC02 PA01Z PA17Z PE01Z PE08Z PE10A PE10Z PF01Z PF03Z PF05Z PF07A PF07Z PG01Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに配設されて吸気弁の開閉時期
    を変更する可変動弁手段と、 運転状態を検出する手段と、 この運転状態に応じて前記可変動弁手段を制御する吸気
    弁制御手段とを備えた内燃機関の可変動弁制御装置にお
    いて、 前記可変動弁手段は、吸気弁の作動角を最小作動角と最
    大作動角の間で変更可能であり、前記吸気弁制御手段
    は、運転状態が低回転高負荷域にある場合に前記作動角
    を小側に設定する一方、負荷の低減または回転数の増大
    に応じて作動角を増大することを特徴とする内燃機関の
    可変動弁制御装置。
  2. 【請求項2】 前記可変動弁手段は、吸気弁の作動角が
    増大するにつれて、吸気弁の開弁時期を早めると同時
    に、閉弁時期を遅らせることを特徴とする請求項1に記
    載の内燃機関の可変動弁制御装置。
  3. 【請求項3】 前記可変動弁手段は、吸気弁の開弁時期
    の変化量に対して閉弁時期の変化量を大きく設定したこ
    とを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記吸気弁制御手段は、車両の減速時、
    エンジン停止時またはエンジン再始動時に、吸気弁の作
    動角を大側に設定することを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関の可変動弁制御装置。
  5. 【請求項5】 前記吸気弁制御手段は、エンジンの冷却
    水温を検出する手段を備え、この水温が所定値未満の低
    温でエンジンを始動する際には、水温に応じて吸気弁の
    作動角を変更することを特徴とする請求項1に記載の内
    燃機関の可変動弁制御装置。
  6. 【請求項6】 前記吸気弁制御手段は、前記水温が所定
    値未満の低温でエンジンを始動する際には、前記水温が
    所定値以上の暖機状態の作動角に対して、吸気弁の作動
    角を小さくすることを特徴とする請求項5に記載の内燃
    機関の可変動弁制御装置。
  7. 【請求項7】 前記吸気弁制御手段は、エンジンの冷却
    水温を検出する手段を備え、この水温が所定値未満の低
    温で車両が減速する際には、前記水温が所定値以上の暖
    機状態の作動角に対して、吸気弁の作動角を小さくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁
    制御装置。
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