JP2009275607A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両10のエンジン11が冷態であるか否かを判定する冷態判定手段41と、エンジン11が始動中であるか始動完了後であるかを判定する始動判定手段42と、吸気弁21の開閉弁時期を変更可能に駆動する可変動弁機構33を用いて吸気弁21の該開閉弁時期を変更する吸気弁制御手段43,44とを備えて構成する。
また、吸気弁制御手段43,44は、エンジン11が冷態であり且つ始動中であると判定された場合における第1吸気閉弁時期IC1を、エンジン11が冷態であり且つ始動が完了したと判定された場合における第2吸気閉弁時期IC2よりも進角化させるとともに、第1吸気閉弁時期IC1および第2吸気閉弁時期IC2がともに圧縮行程中となるように設定するように構成する。
【選択図】図1
Description
このような機構は可変動弁機構と呼ばれるものであって、例えば、以下の特許文献1にその一例が開示されている。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、エンジンの始動性を高めながら、エンジン始動時における排ガス性能を向上させることが出来る、エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
また、請求項7記載の本発明のエンジンの制御装置は、請求項5記載の内容において、該吸気弁制御手段は、該吸気温度取得手段によって取得された該吸気温度が高くなるに連れて該第2吸気閉弁時期を遅角補正することを特徴としている。
また、内部EGRガス量を減少や筒内流動の強化により、燃焼効率を向上させることが可能となり、滑らかにエンジン回転を上昇させることが出来る。(請求項2)
また、吸気弁の開弁時にエンジンの吸気ポートへ排ガスの吹返し流を発生させることで、エンジン内の壁面に付着した燃料の微粒化や、気化を促進することが可能となり、燃焼効率を向上させることが出来る。(請求項3)
また、さらに騒音や振動を抑制し、フリクションを低減させ、且つ、燃焼温度を必要以上に高めず、NOx成分の排出量を抑制することが出来る。(請求項4〜7)
また、吸気弁の開弁期間を連続的に変更することで、きめ細やかな吸気弁の制御が可能となる。(請求項8)
エンジン11の第1シリンダ13内にはピストン14が設けられ、また、このピストン14の上方には燃焼室15が形成されている。なお、ここでは、説明の簡略化のため、第1シリンダ13のみを示し、また、この第1シリンダ13に着目して説明を進めるが、このエンジン11は4気筒エンジンであって、実際には、図示しない第2〜第4シリンダも設けられている。
吸気マニホールド16は、車外から取り入れた空気を第1〜第4シリンダの各燃焼室15へそれぞれ供給する多岐管である。また、この吸気マニホールド16の吸気側の入口にはスロットルバルブ23が設けられている。
燃料インジェクタ18は、後述するECU40の燃料噴射制御部(図示略)からの電気信号に応じて、吸気ポート24内に燃料を噴射する燃料噴射装置である。なお、この燃料インジェクタ18に代えて、燃焼室15内に燃料を噴射する燃料インジェクタ(即ち、筒内噴射型のインジェクタ)を用いても良い。
吸気弁21は、吸気ポート22と燃焼室15との間を開閉するバルブであり、図示しない吸気カムの動きに追従して開閉するようになっている。
さらに、このエンジン11には、吸気開弁期間変更機構31および吸気特性位相変更機構32を有する吸気可変動弁機構(可変動弁機構)33と、排気特性位相変更機構34を有する排気可変動弁機構(可変動弁機構)35とが設けられている。
なお、この吸気開弁期間変更機構31の構造は既に公知であるので、ここでは説明を省略するが、本実施形態においては、特許第3834921号公報や特開平10−220209号公報に開示された技術が適用されている。
同様に、排気特性位相変更機構34は、図2に示す排気バルブリフト線LEO1の位相PEO1を変更する機構である。なお、本実施形態および後述する第2,第3実施形態において、この排気特性位相変更機構34は、排気バルブリフト特性LEO1の位相PEO1を一定に保つようになっている。
吸気バルブリフト線LIO2は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動完了後のアイドル中’という場合における吸気弁21のバルブリフト特性を示しており、第2吸気バルブリフト線LIO2という。
また、排気バルブリフト線LEO1は、排気弁22のバルブリフト特性を示すものである。
さらに、この車両10には、エンジン回転数センサ(回転数検出手段)37,アクセルセンサ(アクセルペダルポジションセンサ)38,冷却水温センサ(エンジン温度検出部)39およびECU(Electronic Control Unit)40が設けられている。
アクセルセンサ38は、アクセルペダル30の踏み込み量Accを検出するものであって、検出結果はECU40によって読み込まれるようになっている。
冷却水温センサ39は、エンジン11の冷却水の温度WTを検出するものであって、検出結果はECU40によって読み込まれるようになっている。なお、この冷却水温WTはエンジン11の温度とみなされるようになっている。
始動判定部42は、スタータモータ27によりエンジン11のクランキングが実行されている場合には、エンジン11が始動中であると判定するとともに、スタータモータ27に拠らず、エンジン11が自発的に運転している場合には、エンジン11の始動が完了していると判定するものである。
開弁期間変更部43は、吸気開弁期間変更機構31を制御し吸気弁21の開弁期間TIOを変更し、且つ、吸気開弁期間変更機構31を制御するものである。
より具体的には、図2に示すように、この開弁期間変更部43は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動中’という場合、吸気弁21の開弁期間TIOを「第1吸気期間TIO1」に設定するようになっている。
さらに、この開弁期間変更部43は、エンジン11が‘温態であり且つ始動完了後のアイドル中’という場合、吸気弁21の開弁期間TIOを「第3吸気期間TIO3」に設定するようになっている。
。
つまり、開弁期間変更部43は、下式(1)の関係が成立するように、第1吸気期間TIO1と第2吸気期間TIO2と第3吸気期間TIO3とを設定するようになっている。
また、第1吸気期間TIO1における吸気弁21の開弁時期IOを第1吸気開弁時期IO1といい、開弁終了時期ICを第1吸気閉弁時期IC1という。
また、第2吸気期間TIO2における吸気弁21の開弁時期IOを第2吸気開弁時期IO2といい、閉弁時期ICを第2吸気閉弁時期IC2という。
そして、開弁期間変更部43は、クランク角度の早い順を基準にすると下式(2)および(3)の関係が成立するように、第1吸気期間TIO1,第2吸気期間TIO2および第3吸気期間TIO3をそれぞれ設定するようになっている。
IC1<IC2<IC3 ・・・(3)
さらに、開弁期間変更部43は、第1吸気閉弁時期IC1,第2吸気閉弁時期IC2および第3吸気閉弁時期IC3が、圧縮行程の前半となるように、第1吸気期間TIO1,第2吸気期間TIO2および第3吸気期間TIO3をそれぞれ設定するようになっている。
より具体的に、この開弁期間変更部43は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動中’である場合に、バルブオーバラップ期間VOLを第1バルブオーバラップ期間VOL1とするようになっている。
このとき、開弁期間変更部43は、下式(4)で示すように、第1バルブオーバラップ期間VOL1が第2バルブオーバラップ期間VOL2よりも短くなるように、第1吸気期間TIO1および第2吸気期間TIO2を設定するようになっている。
また、開弁期間変更部43は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動中’という場合、吸気弁21の開弁時期IO1が、排気弁22の閉弁時期EC1よりも遅くなるように設定することで、マイナスの第1バルブオーバラップ期間VOL1を設定しても良い。なお、このように、マイナスに設定されたバルブオーバラップ期間VOLをネガティブオーバラップという。
さらに、開弁期間変更部43は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動完了後のアイドル中’である場合に、冷却水温センサ39によって得られた冷却水温WTが高くなるに連れて、第2吸気閉弁時期IC2を遅角化させるように、第2吸気期間TIO2を補正するようになっている。
なお、第1バルブリフト線LIO1の位相PIOを第1吸気位相PIO1といい、第2バルブリフト線LIO2の位相PIOを第2吸気位相PIO2といい、また、第3バルブリフト線LIO3の位相PIOを第3吸気位相PIO3という。
図3のステップS11に示すように、冷態判定部41は、冷却水温センサ39により得られたエンジン11の冷却水温WTが閾値水温WTTHよりも大きい場合にはエンジン11が温態であると判定し(ステップS11のNoルート)、一方、冷却水温WTが閾値水温WTTH以下である場合にはエンジン11が冷態であると判定する(ステップS11のYesルート)。
そして、エンジン11が始動中であると判定された場合には(ステップS12のYesルート)、開弁期間変更部43は、第1吸気閉弁時期IC1を設定した上で(ステップS13)、第1吸気開弁期間TIO1を変更する(ステップS14)。
ここで、エンジン11が始動完了後のアイドル中であると判定された場合(ステップS15のYesルート)、開弁期間変更部43は、第2吸気閉弁時期IC2を設定した上で(ステップS16)、第2吸気期間TIO2を変更する(ステップS17)。
また、冷態判定部41が、エンジン11は温態であると判定した場合(ステップS11のNoルート)、開弁期間変更部43は、エンジン11がアイドル中であるか否かを判定する(ステップS18)。
なお、冷態のエンジン11の始動が完了したもののアイドル中ではない場合(ステップS15のNoルート)、或いは、温態のエンジン11がアイドル中ではない場合(ステップS18のNoルート)は、本発明とは異なる制御ロジックによりエンジン11は制御されるため、図3に示すフローチャートにおいてはリターンを経て、要求された出力を適した運転状態で出力する。
これにより、第1吸気閉弁時期IC1を、第2吸気閉弁時期IC2よりも進角化させることで、エンジン11が冷態であっても、速やかにエンジン11を始動させることが出来る。
そして、着火性を向上させることで、エンジン11始動に要する燃料を削減することや、始動に伴う未燃燃料の排出を抑制することができる。
また、エンジン11の始動が完了した後は、吸気弁21の閉弁時期ICを遅くする、即ち、第2吸気閉弁時期IC2を第1吸気閉弁時期IC1よりも遅角するように設定されているので、エンジン11の始動が完了した後、燃焼室15内の圧力上昇が抑制されることにより、燃焼騒音や振動を抑制することが出来るうえ、エンジン11の構造強度を従来よりも低減することも可能となり、エンジン11の軽量化を促進することが出来る。
さらには、燃焼室15内を過度の高温高圧状態としないことで排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の排出を抑制することも出来る。
加えて、安定した燃焼が得られるので、エンジン11を素早く昇温させることが可能となり、暖機アイドル期間を短くすることが可能となり、燃費および排ガス性能の向上に寄与することが出来る。
図4(A)に示すように、エンジンの冷態始動時においては、従来、一般的には吸気弁の閉弁時期ICを一定としている(線La参照)。これに対して、本実施形態に係る本願発明においては、エンジン11の冷態始動時において、吸気弁21の閉弁時期ICを、従来よりも進角化させている(線Lb参照)。
この結果、図4(C)中、線Leで示すように、従来技術では比較的多くの未燃燃料(即ち、炭化水素(HC)成分)が排ガス中に含まれることとなってしまうが、線Lfで示すように、本実施形態に係る本願発明によれば排ガスに含まれる未燃燃料量を抑制することで、排ガス性能を向上させることが出来る。
次に、本発明の第2実施形態に係るエンジンの制御装置について説明する。
図5はその全体構成を示す模式的なブロック図、図6はそのバルブリフト特性を示す模式的なバルブリフト線図、図7はその制御内容を示す模式的なフローチャートである。
図1を用いて説明した第1実施形態においては開弁期間変更部43を優先的に制御する実施例としたが、この第2実施形態においては、図5に示す開弁期間変更部53および位相変更部54において、位相変更部54を優先的に制御する形態を示している。なお、これらの開弁期間変更部53および位相変更部54以外の構成要素については、第1実施形態と同じである。
なお、第1実施形態の場合と同様に、エンジン11が‘冷態であり且つ始動中’である場合における吸気弁21の開弁期間TIOを第1開弁期間TIO1といい、エンジン11が‘冷態であり且つ始動完了後のアイドル中’である場合における吸気弁21の開弁期間TIOを第2開弁期間TIO2といい、エンジン11が‘温態であり且つアイドル中’である場合における吸気弁21の開弁期間TIOを第3開弁期間TIO3という。
TIO1=TIO2=TIO3 ・・・(5)
位相変更部54は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動中’という場合に第1吸気バルブリフト線LIO1を第1吸気位相PIO1に設定し、エンジン11が‘冷態であり且つ始動完了後のアイドル中’という場合に第2吸気バルブリフト線LIO2を第2吸気位相PIO2に設定し、エンジン11が‘温態であり且つ始動完了後のアイドル中’という場合に第3吸気バルブリフト線LIO3を第3吸気位相PIO3に設定するようになっている。
また、この位相変更部54は、第1吸気位相PIO1,第2吸気位相PIO2および第3吸気位相PIO3が以下の式(6)を満たすように設定するようになっている。なお、この式(6)は、第1実施形態における式(3)と同じである。
さらに、この位相変更部54は、設定した第1吸気位相PIO1の第1吸気バルブリフト線LIO1,第2吸気位相PIO2の第2吸気バルブリフト線LIO2、または、第3吸気位相PIO3の第3吸気バルブリフト線LIO3に従って吸気弁21が作動するように、吸気特性位相変更機構32を制御するようになっている。
さらに、位相変更部54は、バルブオーバラップ期間を調整することも出来るようになっている。
さらに、この位相変更部54は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動完了後のアイドル中’である場合に、バルブオーバラップ期間VOLを図6に示す第2バルブオーバラップ期間VOL2とするようになっている。
VOL1>VOL2 ・・・(7)
また、位相変更部54は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動中’という場合、吸気弁21の開弁時期IO1が、排気弁22の閉弁時期EC1よりも早くなるように設定することで、プラスの第1バルブオーバラップ期間VOL1を設定している。
本発明の第2実施形態に係るエンジンの制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
ここで、エンジン11が始動中であると判定された場合には(ステップS32のYesルート)、位相変更部54は、第1吸気閉弁時期IC1を設定した上で(ステップS33)、第1吸気位相PIO1を変更する(ステップS34)。
ここで、エンジン11が始動完了後のアイドル中であると判定された場合(ステップS35のYesルート)、位相変更部54は、第2吸気閉弁時期IC2を設定した上で(ステップS36)、第2吸気位相PIO2を変更する(ステップS37)。
また、冷態判定部41が、エンジン11は温態であると判定した場合(ステップS31のNoルート)、始動判定部42は、エンジン11がアイドル中であるか否かを判定する(ステップS38)。
なお、冷態のエンジン11の始動が完了したもののアイドル中ではない場合(ステップS35のNoルート)、或いは、温態運転中のエンジン11がアイドル中ではない場合(ステップS38のNoルート)、本発明とは異なる制御ロジックによりエンジン11は制御されるため、図7に示すフローチャートにおいてはリターンを経て、要求された出力を適した運転状態で出力する。
即ち、第1吸気閉弁時期IC1を、第2吸気閉弁時期IC2よりも進角化させることで、エンジン11が冷態であっても、速やかにエンジン11を始動させることが出来る。
そして、着火性を向上させることで、エンジン11の始動不良に伴う未燃燃料の排出の抑制や、エンジン11始動に要する燃料を削減することが出来る。
加えて、安定した燃焼が得られるので、エンジン11を素早く昇温させることが可能となり、比較的高い回転数として設定されている冷態アイドル回転数でエンジン11が運転する期間を短くすることが可能となり、燃費および排ガス性能の向上に寄与することが出来る。
次に、本発明の第3実施形態に係るエンジンの制御装置について説明する。なお、本実施形態の技術思想は、上述の第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせたものである。
図8はその全体構成を示す模式的なブロック図、図9はそのバルブリフト特性を示す模式的なバルブリフト線図、図10はその制御内容を示す模式的なフローチャートである。
本実施形態においては、図8に示す開弁期間変更部63および位相変更部64が、図1を用いて説明した第1実施形態における開弁期間変更部43および位相変更部44に代わって設けられている。換言すれば、これらの開弁期間変更部63および位相変更部64以外の構成要素については、第1実施形態と同じである。したがって、ここでは、これらの開弁期間変更部63および位相変更部64を中心に説明する。
より具体的には、図9に示すように、この開弁期間変更部63は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動中’という場合、吸気弁21の開弁期間TIOを「第1吸気期間TIO1」に設定するようになっている。
さらに、この開弁期間変更部63は、エンジン11が‘温態であり且つ始動完了後のアイドル中’という場合、吸気弁21の開弁期間TIOを「第3吸気期間TIO3」に設定するようになっている。
そして、図9および下式(8)で示すように、この開弁期間変更部63は、第1開弁期間TIO1よりも第2開弁期間TIO2が長く、且つ、第2開弁期間TIO2よりも第3開弁期間TIO3長くなるように設定するようになっている。なお、この式(8)は、上述の式(1)と同じである。
位相変更部64は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動中’という場合に第1吸気バルブリフト線LIO1を「第1吸気位相PIO1」に設定し、エンジン11が‘冷態であり且つ始動完了後のアイドル中’という場合に第2吸気バルブリフト線LIO2を「第2吸気位相PIO2」に設定し、エンジン11が‘温態であり且つ始動完了後のアイドル中’という場合に第3吸気バルブリフト線LIO3を「第3吸気位相PIO3」に設定するようになっている。
そして、開弁期間変更部63および位相変更部64は、クランク角度の早い順を基準にすると以下の式(9)および式(10)を満たすように、第1〜第3吸気開弁期間TIO1,TIO2,TIO3および第1〜第3吸気位相PIO1,PIO2,PIO3を設定するようになっている。
IC1<IC2<IC3 ・・・(10)
なお、この式(10)は、上式(3)および(5)と同じである。
また、位相変更部64は、第1〜第3吸気開弁時期IO1,IO2,IO3のいずれもが、吸気行程の上死点時(即ち、0°[CA])となるように、第1〜第3吸気位相PIO1,PIO2,PIO3を設定するようになっている。
さらに、開弁期間変更部63および位相変更部64は、バルブオーバラップ期間VOLを調整することも出来るようになっている。
さらに、これらの開弁期間変更部63および位相変更部64は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動完了後のアイドル中’である場合に、バルブオーバラップ期間VOLは図2または図9に示す第2バルブオーバラップ期間VOL2とするようになっている。
VOL1=VOL2=0 ・・・(11)
さらに、開弁期間変更部63および位相変更部64は、エンジン11が‘冷態であり且つ始動完了後のアイドル中’である場合に、冷却水温センサ39によって得られた冷却水温WTが高くなるに連れて、第2吸気閉弁時期IC2を遅角化させるように、第2開弁期間TIO2および第2吸気位相PIO2を補正するようになっている。
図10に示すように、ステップS51において、冷態判定部41は、冷却水温センサ39により得られたエンジン11の冷却水温WTが閾値水温WTTHよりも大きい場合にはエンジン11が温態であると判定し(ステップS51のNoルート)、一方、冷却水温WTが閾値水温WTTHよりも小さい場合にはエンジン11が冷態であると判定する(ステップS51のYesルート)。
ここで、エンジン11が始動中であると判定された場合(ステップS52のYesルート)、開弁期間変更部63および位相変更部64は、第1吸気閉弁時期IC1を設定した上で(ステップS53)、第1吸気開弁期間TIO1および第1吸気位相PIO1を変更する(ステップS54)。
ここで、エンジン11が始動完了後のアイドル中であると判定された場合(ステップS55のYesルート)、開弁期間変更部63および位相変更部64は、第2吸気閉弁時期IC2を設定した上で(ステップS56)、第1吸気開弁期間TIO1および第1吸気位相PIO1を変更する(ステップS57)。
また、冷態判定部41が、エンジン11は温態であると判定した場合(ステップS51のNoルート)、始動判定部42は、エンジン11がアイドル中であるか否かを判定する(ステップS58)。
なお、冷態のエンジン11の始動が完了したもののアイドル中ではない場合(ステップS55のNoルート)、或いは、温態運転中のエンジン11がアイドル中ではない場合(ステップS58のNoルート)、本発明とは異なる制御ロジックによりエンジン11は制御されるため、図10に示すフローチャートにおいてはリターンを経て、要求された出力を適した運転状態で出力する。
これにより、第1吸気閉弁時期IC1を、第2吸気閉弁時期IC2よりも進角化させることで、エンジン11が冷態であっても、速やかにエンジン11を始動させることが出来る。
そして、着火性を向上させることで、エンジン11の始動不良に伴う未燃燃料の排出の抑制や、エンジン11始動に要する燃料を削減することが出来る。
加えて、安定した燃焼が得られるので、エンジン11を素早く昇温させることが可能となり、比較的高い回転数として設定されている冷態アイドル回転数でエンジン11が運転する期間を短くすることが可能となり、燃費および排ガス性能の向上に寄与することが出来る。
以上、本発明の第1〜第3実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが出来る。その一例を以下に示す。
また、上述の実施形態においては、冷却水温センサ39により検出された冷却水の温度WTに基づいて、第2吸気閉弁時期IC2を補正する場合を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。例えば、エンジン11の吸気温度を検出する吸気温センサ(吸気温度取得手段)を設け、この吸気温センサにより検出された吸気温度に基づいて第2吸気閉弁時期IC2を補正するようにしてもよい。
11 レシプロ式ガソリンエンジン(エンジン)
21 吸気弁
22 排気弁
33 吸気可変動弁機構(可変動弁機構)
34 排気可変動弁機構(可変動弁機構)
39 冷却水温センサ(エンジン温度検出手段)
41 冷態判定部(冷態判定手段)
42 始動判定部(始動判定手段)
43,53,63 開弁期間変更部(吸気開弁期間変更手段;吸気弁制御手段)
44,54,64 位相変更部(吸気弁特性位相変更手段;吸気弁制御手段)
IO 吸気弁の開弁時期
EO 排気弁の開弁時期
IC 吸気弁の閉弁時期
EC 排気弁の閉弁時期
VOL1 第1バルブオーバラップ期間
VOL2 第2バルブオーバラップ期間
LIO 吸気弁の開閉弁特性
PIO 吸気弁の開閉特性の位相
Claims (8)
- 車両に搭載されたエンジンが冷態であるか否かを判定する冷態判定手段と、
該エンジンが始動中であるか始動完了後であるかを判定する始動判定手段と、
少なくとも閉弁時期を変更可能としながら該エンジンの吸気弁を駆動する可変動弁機構と、
該可変動弁機構を用いて該吸気弁の該閉弁時期を制御する吸気弁制御手段とを備え、
該吸気弁制御手段は、
該冷態判定手段により該エンジンが冷態であると判定され且つ該始動判定手段により該エンジンが始動中であると判定された場合における該吸気弁の閉弁時期である第1吸気閉弁時期を、該冷態判定手段により該エンジンが冷態であると判定され且つ該始動判定手段により該エンジンの始動が完了したと判定された場合における該吸気弁の閉弁時期である第2吸気閉弁時期よりも進角化させるとともに、
該第1吸気閉弁時期および第2吸気閉弁時期がともに圧縮行程中となるように設定する
ことを特徴とする、エンジンの制御装置。 - 該可変動弁機構は、さらに該吸気弁の開弁期間を変更可能とし、
該吸気弁制御手段は、
該冷態判定手段により該エンジンが冷態であると判定され且つ該始動判定手段により該エンジンが始動中であると判定された場合において該エンジンの排気弁と該吸気弁とがともに開弁している期間である第1バルブオーバラップ期間が、該冷態判定手段により該エンジンが冷態であると判定され且つ該始動判定手段により該エンジンが始動が完了したと判定された場合における該排気弁と該吸気弁とがともに開弁している期間である第2バルブオーバラップ期間よりも短くなるように、該吸気弁の開弁期間を変更する
ことを特徴とする、請求項1記載のエンジンの制御装置。 - 該可変動弁機構は、さらに該吸気弁の開弁期間を変更可能とし、
該吸気弁制御手段は、
該冷態判定手段により該エンジンが冷態であると判定され且つ該始動判定手段により該エンジンが始動中であると判定された場合において該エンジンの排気弁と該吸気弁とがともに開弁している期間である第1バルブオーバラップ期間が、該冷態判定手段により該エンジンが冷態であると判定され且つ該始動判定手段により該エンジンが始動が完了したと判定された場合における該排気弁と該吸気弁とがともに開弁している期間である第2バルブオーバラップ期間よりも長くなるように、該吸気弁の開閉弁特性の位相を変更する
ことを特徴とする、請求項1記載のエンジンの制御装置。 - 該エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段をさらに備え、
該吸気弁制御手段は、
該冷態判定手段により該エンジンが冷態であると判定された場合、該エンジン温度検出手段によって取得された該エンジン温度に応じて該第2吸気閉弁時期を補正する
ことを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載のエンジンの制御装置。 - 該エンジンの吸気温度を検出する吸気温度検出手段をさらに備え、
該吸気弁制御手段は、
該冷態判定手段により該エンジンが冷態であると判定された場合、該吸気温度取得手段によって取得された該吸気温度に応じて該第2吸気閉弁時期を補正する
ことを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載のエンジンの制御装置。 - 該吸気弁制御手段は、
該エンジン温度取得手段によって取得された該エンジン温度が高くなるに連れて該第2吸気閉弁時期を遅角補正する
ことを特徴とする、請求項4記載のエンジンの制御装置。 - 該吸気弁制御手段は、
該吸気温度取得手段によって取得された該吸気温度が高くなるに連れて該第2吸気閉弁時期を遅角補正する
ことを特徴とする、請求項5記載のエンジンの制御装置。 - 該可変動弁機構は、該吸気弁の開弁期間を連続的に変更する
ことを特徴とする、請求項1〜7いずれか1項に記載のエンジンの制御装置。
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JP2013053610A (ja) * | 2011-09-06 | 2013-03-21 | Toyota Motor Corp | 可変動弁装置 |
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- 2008-05-15 JP JP2008127873A patent/JP5077060B2/ja active Active
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