JP3881883B2 - 有機ハロゲン化物処理設備監視システム - Google Patents

有機ハロゲン化物処理設備監視システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば変圧器等のPCB等の有機ハロゲン化物汚染機器の完全処理を図ることができる有害物質処理設備の環境を監視する有機ハロゲン化物処理設備監視システムに関する。
【0002】
【背景技術】
近年では、PCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0003】
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
この結果、PCBは体内で極めて安定であるので、体内に蓄積され慢性中毒(皮膚障害、肝臓障害等)を引き起し、また発癌性、生殖・発生毒性が認められている。
【0004】
PCBは、従来からトランスやコンデンサなどの絶縁油として広く使用されてきた経緯があるので、PCBを処理する必要があり、本出願人は先に、PCBを無害化処理する水熱酸化分解装置を提案した(特開平11−253796号公報、特開2000−126588号公報他参照)。この水熱酸化分解装置の概要の一例を図11に示す。
【0005】
図11に示すように、水熱酸化分解装置120は、サイクロンセパレータ121を併設した筒形状の一次反応器122と、PCB、H2OおよびNaOHの処理液123を加圧する加圧ポンプ124と、当該混合液を予熱する予熱器125と、配管を巻いた構成の二次反応器126と、冷却器127および減圧弁128とを備えてなるものである。また、減圧弁127の下流には、気液分離器129、活性炭槽130が配置されており、排ガス(CO2 )131は煙突132から外部へ排出され、排水(H2 O,NaCl)133は別途、必要に応じて排水処理される。排ガス(CONi)131は、例えば水酸化カリウムスクラバーで吸収除去する場合もある。
【0006】
また、処理液123となるPCBの配管134には、H2OおよびNaOHがそれぞれ導入される。また、酸素の配管135は、一次反応器125に対して直結している。
【0007】
上記装置において、加圧ポンプ124による加圧により一次反応器122内は、26MPaまで昇圧される。また、予熱器125は、PCB、H2OおよびNaOHの混合処理液123を300℃程度に予熱する。また、一次反応器122内には酸素が噴出しており、内部の反応熱により380℃〜400℃まで昇温する。サイクロンセパレータ121は、一次反応器122内で析出したNa2CO3の結晶粒子の大きなものを分離し、Na2CO3の微粒子を二次反応器126に送る。このサイクロンセパレータ121の作用により、二次反応器126の閉塞が防止される。この段階までに、PCBは、脱塩素反応および酸化分解反応を起こし、NaCl、CO2およびH2Oに分解されている。つぎに、冷却器127では、二次反応器126からの流体を100℃程度に冷却すると共に後段の減圧弁128にて大気圧まで減圧する。そして、気液分離器129によりCO2および水蒸気と処理水とが分離され、CO2は、活性炭槽130を通過して環境中に排出、或いは水酸化カリウムスクラバーで吸収除去する。また、上記サイクロンサパレータ121は必要に応じて設けるようにしてもよい。
【0008】
このような処理装置を用いてPCB含有容器(例えばトランスやコンデンサ)等を処理することで、完全無害化がなされているが、さらにその施設内から排出する排水の監視及び施設内の環境の監視が共に重要である。
【0009】
本発明は上述した問題に鑑み、例えば変圧器等のPCB等の有機ハロゲン化物汚染機器の完全処理を図ることができる有害物質処理設備の環境を監視する有機ハロゲン化物処理設備監視システムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する第1の発明は、有機ハロゲン化物処理設備の環境を監視する有機ハロゲン化物処理設備監視システムであって、有機ハロゲン化物処理物を解体する解体設備内外の有機ハロゲン化物濃度を計測する排気ガスモニタリング手段と、有機ハロゲン化物処理設備から排出する排水中の有機ハロゲン化物濃度を計測する排水モニタリング手段とを備えてなり、上記排気ガスモニタリング手段が、採取試料を真空チャンバー内へ連続的に導入する試料導入手段と、導入された試料にレーザを照射し、レーザイオン化させるレーザ照射手段と、レーザイオン化した分子を収束させる収束部と、該収束された分子を選択濃縮するイオントラップと、一定周期で放出されたイオンを検出するイオン検出器とを備えたレーザイオン化飛行時間型質量分析装置を具備してなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0011】
第2の発明は、有機ハロゲン化物が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有機ハロゲン化物処理設備の環境を監視する有機ハロゲン化物処理設備監視システムであって、被処理物から有害物質を抜出す抜出し手段と、被処理物を解体する解体手段とのいずれか一方又は両方を有する前処理手段と、前処理手段において処理された被処理物を構成する構成材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分離する分離手段と、前処理手段で分離した有害物質を分解処理する有害物質分解処理手段と、上記抜出し手段、上記解体手段、上記分離手段又は有害物質分解処理手段から排出される排気ガス若しくは処理設備の屋外大気中の有機ハロゲン化物濃度を計測する排気ガスモニタリング手段と、上記有害物質分解処理手段から排出される排水中又は処理設備近辺の河川若しくは海水の有機ハロゲン化物濃度を計測する排水モニタリング手段と具備してなり、上記排気ガスモニタリング手段が、採取試料を真空チャンバー内へ連続的に導入する試料導入手段と、導入された試料にレーザを照射し、レーザイオン化させるレーザ照射手段と、レーザイオン化した分子を収束させる収束部と、該収束された分子を選択濃縮するイオントラップと、一定周期で放出されたイオンを検出するイオン検出器とを備えたレーザイオン化飛行時間型質量分析装置を具備してなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0012】
第3の発明は、第2の発明において、上記前処理手段の抜出し手段で分離された金属製の容器又は上記分離手段で分離した金属等の無機物を洗浄液で洗浄する洗浄手段を具備してなり前記排気ガスモニタリング手段が、上記洗浄手段から排出される排気ガス中の有機ハロゲン化物濃度を計測するものであることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0013】
第4の発明は、第の発明において、上記前処理手段の抜出し手段で分離された金属製の容器又は上記分離手段で分離した金属等の無機物を洗浄液で洗浄する洗浄手段と、上記洗浄手段で洗浄された部材の有機ハロゲン化物付着濃度を計測する付着濃度モニタリング手段とを具備してなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0014】
第5の発明は、第の発明において、上記分離手段が構成材を分割破砕する破砕手段であることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0015】
第6の発明は、第の発明において、上記前処理手段が隔離されており、負圧状態となっていることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0016】
第7の発明は、第の発明において、上記有害物質分解処理手段が水熱酸化分解処理する水熱酸化分解処理手段又は超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理手段であることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0019】
の発明は、第1又は2の発明において、上記排水モニタリング手段が固相抽出−ガスクロマトグラフ装置であることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0020】
の発明は、第1又は2の発明において、上記排水モニタリング手段が採取試料を導入し、固相吸着材で有機ハロゲン化物を保持する固相・吸着手段と、該固相・吸着手段から溶出液により溶出された有機ハロゲン化物の定性及び定量分析を行う検出手段とを備えてなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0021】
10の発明は、第の発明において、上記固相吸着材がシリカゲル又はアルミナからなり、固相吸着カラム内に充填されてなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0022】
11の発明は、第9の発明において、上記固相吸着材に保持された有機ハロゲン化物を溶出する溶出液が無極性溶剤、アルコール類、トルエン、ジクロロメタン、又はアセトニトリルのいずれか一であることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0023】
12の発明は、第の発明において、上記検出手段がガスクロマトグラフ−質量分析計又はガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計のいずれかであることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0024】
13の発明は、第1又は2の発明において、上記排水モニタリング手段が、紫外光、可視光又は赤外光の吸収若しくは蛍光等の発光現象を用いて、排水中の有機ハロゲン化物濃度測定を行うものであることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0025】
14の発明は、第1又は2の発明において、上記排水モニタリング手段が、光源にレーザ光を用いて、排水中の有機ハロゲン化物濃度測定を行うものであることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0026】
15の発明は、第14の発明において、上記排水モニタリング手段が、上記レーザに位相変調を加えて位相を検波するものであることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0027】
16の発明は、第の発明において、上記付着濃度モニタリング手段が、容器表面を拭き取った拭取部材から有機ハロゲン化物を抽出して有機ハロゲン化物濃度を測定するものであることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0028】
17の発明は、第の発明において、上記付着濃度モニタリング手段が、容器又は部材の一部を採取した採取部材から有機ハロゲン化物を抽出して有機ハロゲン化物濃度を測定するものであることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0029】
18の発明は、第の発明において、上記付着濃度モニタリング手段が、希釈した洗浄液の有機ハロゲン化物濃度を測定するものであることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0030】
19の発明は、第の発明において、上記被処理物が有機ハロゲン化物を含有するトランス、コンデンサ及び蛍光灯の安定器並びに有機ハロゲン化物汚染物であることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システムにある。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明による有機ハロゲン化物処理設備監視システムの実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0032】
次に、本発明の装置を用いた有機ハロゲン化物処理設備監視システムについて説明する。 図1に示すように、本実施の形態にかかるシステムは、有害物質である有機ハロゲン化物(例えばPCB)が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理システムであって、被処理物1001である有害物質( 例えばPCB)1002 を保存する容器1003から有害物質1002を抜き出す抜出し手段1004と、被処理物1001を構成する構成材1001a,b,…を解体する解体手段1005のいずれか一方又は両方を有する前処理手段1006と、前処理手段1006において処理された被処理物を構成する構成材であるコア1001aをコイル1001bと鉄心1001cとに分離するコア分離手段1007と、分離されたコイル1001bを銅線1001dと紙・木1001eとに分離するコイル分離手段1008と、上記コア分離手段1008で分離された鉄心1001cと解体手段1005で分離された金属製の容器 (容器本体及び蓋等)1003 とコイル分離手段1008で分離された銅線1001dとを洗浄液1010で洗浄する洗浄手段1011と、洗浄後の洗浄廃液1012及び前処理手段で分離した有害物質1002のいずれか一方又は両方を分解処理する有害物質分解処理手段1013と、PCB処理設備である有害物質分解処理手段1013から排出する排水133 中のPCB濃度を計測する排水モニタリング手段1100と、PCB処理物を解体する前処理手段1006内のPCB濃度及び有害物質分解処理手段1013から排出する排ガス131等のPCB濃度を計測する排気ガスモニタリング手段1200と、洗浄手段1011において洗浄された容器等の部材のPCB付着濃度を計測する付着濃度モニタリング手段1300とを備えてなるものである。
【0033】
また、上記有害物質が液体等の場合には、有害物質分解処理手段1013に直接投入することで無害化処理がなされ、その保管した容器は構成材の無害化処理により、処理することができる。
【0034】
ここで、処理後の排水及び排気ガスについては、排水モニタリング手段1100、排気ガスモニタリング手段1200又は付着濃度モニタリング手段1300を用いて、PCBの排出基準以下であることを確認するようにしている。
さらに、設備内にとどまらず、設備外の環境中及び設備近傍の河川、海水、湖沼水等中のPCB濃度を排水モニタリング手段1100と排気ガスモニタリング手段1200とを用いて監視するようにしてもよい。
【0035】
上記有害物質処理手段1013としては、図11に示した水熱酸化分解処理する水熱酸化分解処理手段の他に、例えば超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理手段又はバッチ式の水熱酸化分解手段としてもよい。
【0036】
本発明で被処理物としては、例えば絶縁油としてPCBを用いてなるトランスやコンデンサ、有害物質である塗料等を保存している保存容器を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
また、蛍光灯用の安定器においても従来はPCBが用いられていたので無害化処理する必要があり、この場合には、容量が小さいので前処理することなく、分離手段1009に直接投入することで無害化処理することができる。
【0038】
<排水モニタリング手段>
上記排水モニタリング手段1100としては、例えば図2〜4に示すような、固相抽出ガスクロマトグラフ装置を挙げることができる。
【0039】
図2に示すように、本実施の形態にかかる排水モニタリング手段1100は、水溶液中の有機ハロゲン化物の濃度を検出する検出装置であって、採取試料11を導入し、固相吸着材で有機ハロゲン化物(PCB)を保持する固相・吸着手段12と、該固相・吸着手段12からの溶出液16を1〜5μl導入し、溶出された有機ハロゲン化物の定性及び定量分析を行う検出手段14とを備えてなるものである。上記検出手段14への溶出液の導入は、手動で行う以外に、図1に示すように、例えばオートサンプラー13を介して自動的に導入するようにしてもよい。
【0040】
また、この検出手段14により検出されたPCB濃度は、監視司令室へ送ると共に、例えば所定のモニタ装置(例えばPCB濃度表示手段)15により光通信等により外部へ公表するようにしてもよい。
【0041】
上記固相・吸着手段12は、図3(A)に示すように、抽出カラム21内に固相吸着材22が挿入されてなるものであり、上記固相吸着材はシリカゲル又はアルミナから構成されている。
【0042】
上記固相吸着材22としたシリカゲル又はアルミナを選定したのは、有機ハロゲン化物を効率的に吸着・分離するのが適しているからである。
【0043】
上記固相吸着材に保持された有機ハロゲン化物を溶出する溶出液16は目的の有機ハロゲン化物のみを溶出する溶剤であれば特に限定されるものではないが、例えば有機ハロゲン化物としてPCBの場合には、無極性溶剤(例えばn−ヘキサン)、アルコール類(例えばメチルアルコール、エチルアルコール等)、トルエン、ジクロロメタン、又はアセトニトリルを挙げることができる。特に、検出器との関係からn−ヘキサンを用いるのが好ましい。
【0044】
また、排水の監視は所定時間毎に行う必要があるので、定期的に採取試料を導入する試料導入手段を設け、自動的なサンプリングが可能となる。
【0045】
また、分析精度を向上させるために、必要に応じて1度に数検体を同時に行うような場合には、上記カラム21を複数本用意して、同時に有機ハロゲン化物を固相・吸着するようにしてもよい。
【0046】
以下に、固相・吸着手段12の抽出工程を図3(A)〜(D)を参照して説明する。
▲1▼コンディショニング工程
再現性のよい結果を得るために、試料を供給する前に、固相吸着材22にコンディショニング液31を供給して、なじませる(図3(A)参照)。
▲2▼保持工程
次に、採取試料32をカラム21内に導入する(図3(B)参照)。ここで、試料中には目的物であるPCB33と、不純物X(不要なマトリックス)及び不純物Y(その他のマトリックス中の成分)とが含まれているとする。
▲3▼洗浄工程
次に、固相吸着材22に保持された不純物Xを洗浄液(例えばメチルアルーコール)で洗い流す(図3(C)参照)。
▲4▼溶出工程
次に、固相吸着材22に保持された目的物であるPCB33を溶出液(n−ヘキサン)35で溶出させる。この溶出の際に、不純物Yは固相吸着材22中に残りPCB33との分離がなされる(図3(D)参照)。
なお、本実施の形態では、有機ハロゲン化物として、PCBを例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、工場や焼却炉からの排水又は河川等の水中の例えばダイオキシン類等の計測にも適用することができる。
【0047】
図4に上記有機ハロゲン化物の検出装置を用いた固相抽出の工程図を示す。
▲1▼先ず、固相吸着材22にn−ヘキサンを20mL供給し、固相乾燥(真空引き)を5分行う(S101)。
▲2▼次いで、メチルアルコールを20mL、超純水を20mLを流した後、試料(0.1〜1L)を導入し、PCBを捕集し、固相抽出する(S102)。
この際、試料にはメチルアルコールを1%添加した。このメチルアルコールの添加はPCBを分散させる機能を有している。
▲3▼その後、洗浄液(メチルアルコール)を5mLを流し(通液速度:0.3cc/s)洗浄する(S103)。
▲4▼その後、固相吸着材22を乾燥(真空引き)を5分間行う(S104)。
▲5▼その後、n−ヘキサンを用い、通液速度を0.3cc/sとしてPCBを溶出させ(S105)、5mLに定容する(S106)。
▲6▼次いで、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)又はガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計(GC−ECD)のいずれかで1〜5μlを分析し(S107)、PCB濃度を測定する(S108)。
▲7▼上記PCBを溶出したカラムはn−ヘキサントアセトンの混合液(1:1)で逆洗し、再生処理したのち、再度PCBの測定に供することができる。
【0048】
この時の分析時間は約2時間弱であった。
比較のため、従来による公定法(計測時間:2日)と比較すると、以下のようであった。なお、検出器はガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計(GC−ECD)を用いた。
【0049】
環境排出基準値は3ppb(0.003mg/L)以下であることが要求されているが、本発明の装置によれば、定量下限値が0.5ppb〜0.1ppbであり、迅速分析でしかも簡易な装置によって、十分に対応することができた。
【0050】
よって、本計測装置を用いて、所定時間毎に分析して、排水の排出基準を満たしているかを常に監視することができ、非常事態があった場合等に、PCB濃度が排出基準を超える場合には、タンクを切替て、再度排水中のPCBを処理すべく、PCB処理装置1013へ送るようにして、外部環境汚染を防止することができる。
【0051】
<排ガスモニタリング手段>
次に、本発明にかかる排気ガスをモニタリングする場合には、例えばレーザイオン化飛行時間型質量分析装置を挙げることができる。
【0052】
図5に上記排気ガスモニタリング手段の具体的な装置を示す。
図5に示すように、レーザイオン化飛行時間型質量分析装置50は、採取試料を真空チャンバー内へ連続的に導入する試料導入手段であるキャピラリカラム54と、導入された試料である洩れだし分子線53にレーザ光55を照射し、レーザイオン化させるレーザ照射手段56と、レーザイオン化した分子を収束させる収束部と、該収束された分子を選択濃縮するイオントラップ57と、一定周期で放出され、リフレクトロン58で反射されたイオンを検出するイオン検出器59を備えた飛行時間型質量分析装置60とを具備してなるものである。
【0053】
そして、この検出器59により検出された信号強度の比較から測定対象のPCB濃度を求めることができる。
【0054】
図6に上記レーザイオン化飛行時間型質量分析装置を用いた、計測システムを示す。図6に示すように、PCB濃度計測システム62は、PCB排出ラインから分枝したガスサンプリングライン63が真空チャンバ52と接続されており、該ライン61より真空チャンバ52内に洩れだし分子線として試料が導入され、レーザ照射装置56からのレーザ光55によりイオン化され飛行時間型質量分析装置60によりイオンが検出される。なお、図中、符号63は真空チャンバ52内を真空にする真空排気装置、64はこれらの装置を制御するコントローラである。 この計測システムを用いることにより、PCB濃度を検出感度が0.01mg/Nm3 、検出時間が1分以内の高感度迅速分析が可能となり、リアルタイム分析が可能とる。
【0055】
図7(a)及び(b)にPCBを検出したイオン検出器からのシグナルの 一例を示す。ここで、横軸は飛行時間(秒)であり、縦軸はイオン信号強度(V)である。なお、4塩素のPCBについては図7(a)の拡大図として図7(b)に示した。
【0056】
ここで、作業環境基準値は、前処理手段1006内での作業環境許容濃度は0.1mg/m3 以下であることが要求されているが、本発明のシステムによれば、検出下限値が0.01mg/m3 (10ppb)であり、迅速分析でしかも簡易な装置によって、十分に対応することができた。
【0057】
また、有害物質処理手段1013である水熱酸化分解装置から排出される排ガス131についてもモニタリングをすることで、水熱酸化分解が良好に行われているかを監視することができる。
【0058】
また、各種処理設備からの排ガスは集中して活性炭槽を経由した後に外部へ排出されるが、その際のPCB濃度の監視をすることもできる。
【0059】
上記計測装置を用い、例えばPCB分解処理設備内のガスを迅速且つ的確に測定することができ、この測定結果を基に、処理工程の監視をすることができる。
【0060】
計測されたPCB濃度は、監視司令室へ送ると共に、例えばモニタ装置(図示せず)等により外部へ公表するようにしてもよい。
【0061】
上記排水モニタリング手段及び排ガスモニタリング手段は別々の装置を用いて監視しているが、本発明ではこれに特定されるものではなく、例えば紫外光、可視光又は赤外光の吸収若しくは蛍光等の発光現象を用いて、ガス・溶液中のPCB濃度を行うようにしてもよい。
【0062】
測定は紫外領域は300nm以下とくには200〜300nm、可視領域は400〜760nm近傍、赤外領域は900cm-1以下とするのが好ましい。また、PCBの定量に用いる場合には、赤外領域では1457cm-1に吸収があるので、好ましい。
【0063】
この際、PCB類であることを確実とするために、複数の波長の測定を同時に行い、総合的に判断するようにしてもよい。
例えば、赤外領域で2波長、紫外領域で2波長、又は赤外領域と紫外領域との併用等である。
【0064】
また光源としてレーザを用い、所定の光路長さに設定して排ガス又は排水中のPCB濃度を測定するようにしてもよい。
【0065】
また、図8に示すようにレーザを用いた位相変調測定装置により高感度にPCBを検出するようにしてもよい。
図8に示すように、排水管又は排ガス管71にレーザ光72を照射するレーザ光源73と、光源を制御して所望の波長のレーザ光72を出射させるレーザ駆動装置74と、レーザ光の発振波長に変調を付与する変調信号を発生させる発振機75と、透過したレーザ光を受光する検出器76と、発振機75の出力信号の周波数成分のn(n≧2、nは整数)倍周期の信号を発生する周波数逓倍部77と、周波数逓倍部の出力信号と検出器76の出力信号に基づいて検出信号を発生する位相敏感検出器(ロックインアンプ:PSD)78とを具備するものである。
このレーザを用いた位相変調測定法によれば、発振レーザに変調を加え、そのレーザ光の受光の際に周波数逓倍された変調信号により同期検波を行い、その出力として高次微分吸収信号を得ることで、被測定物(ガス又は排水)中のPCB濃度を高精度で且つ連続的に測定することができる。
【0066】
また、排ガスを例えば固相吸着することで濃縮して、ガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計(GC−ECD)でPCB濃度を測定するようにしてもよい。
【0067】
また、排ガス中のPCBを溶媒(n−ヘキサン等)で吸収させ、その後液液抽出することで濃縮分離して、ガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計(GC−ECD)でPCB濃度を測定するようにしてもよい。
【0068】
さらに、排ガス又は排水の通路に固相吸収材を介装させ、該固相吸収材にPCBを吸着させ、その後紫外線照射による吸光光度(UV法)によりPCB濃度を計測するようにしてもよい。
【0069】
<付着濃度モニタリング手段>
次に、本発明にかかる洗浄後のPCB付着濃度をモニタリングする場合について説明する。
【0070】
上記付着濃度モニタリング手段としては、洗浄手段1011での処理後の容器表面を所定面積(500cm2 (約25cm四方))につき拭取部材(例えば脱脂綿)で拭取り、該拭取部材からn−ヘキサンを用いてPCBを抽出し、その後ガスクロマトグラフ法によりPCB濃度を測定するようにしている。
【0071】
また、上記ガスクロマトグラフ法の代わりに、上述したガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計(GC−ECD)を用いることもできる。
【0072】
また、容器のように拭取面積が大きくないような場合には、約1cm3 以下の直方体50gからn−ヘキサンを用いてPCBを抽出し、その後ガスクロマトグラフ法によりPCB濃度を測定するようにしている。
また、上記ガスクロマトグラフ法の代わりに、上述したガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計(GC−ECD)を用いることもできる。
【0073】
また、洗浄液を所定濃度に希釈し、ガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計(GC−ECD)等によりPCB濃度を測定することもできる。
【0074】
よって、本計測装置を用いて、所定時間毎に分析して、排水の排出基準を満たしているかを常に監視することができ、非常事態があった場合に、PCB濃度が排出基準を超える場合には、タンクを切替て、再度排水中のPCBを処理すべく、PCB処理装置1013へ送るようにして、外部環境汚染を防止することができる
【0075】
【実施例】
以下、本発明の好適な一実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0076】
図9にPCB含有トランスの処理の実施例にかかるシステム平面図を示す。図9に示すように、本実施例にかかる有害物質処理システムは、PCBが付含有されているトランスを無害化する有害物質処理システムであって、前処理してコアと容器とを分離する第1処理手段301と、コアを切断してコイルと鉄心とに分離する第2処理手段302と、コイルを破砕し、紙・木の有機物と銅線の無機物とに分離する第4処理手段304と、容器、蓋及び分離した銅線を洗浄する第5処理手段305と、紙・木の有機物を微粉砕してスラリー95とする第6処理手段306とからなり、必要に応じて(例えばPCBが高濃度の場合)、真空乾燥する第7処理手段307が第1処理手段301と第2処理手段302との間に介装されている。
【0077】
本実施例においては、トランスのPCB含有量が低い場合には、第1の処理手段301を隔離して環境基準を高い(クラス3)管理としており、安全性に配慮している。また、第2処理手段302〜第7処理手段307は管理区域の基準をクラス3についで高いクラス2としており、建屋内はクラス1の環境大気となるように安全管理レベルを設定している。なお、このクラス分けは必要に応じてさらに細かに設定してもよい。
【0078】
この第1処理手段301ではPCBの外部への漏れを防止するために、グローブボックス内で処理がなされ、該グローブボックス内を負圧としている。
上記第1処理手段301では、▲1▼トランスを輸送した蓋を開放する工程と、▲2▼トランス蓋を開放する工程と、▲3▼洗浄用の蓋をセットする工程と、▲4▼PCBを液抜きする工程と、▲5▼粗洗浄する工程と、▲6▼コア解体・引抜きする工程とからなっている。
【0079】
上記分離された容器30a、蓋30b、銅線90及び鉄心等の金属類は仕上洗浄の第5の手段305内において洗浄され、有価物質は再利用に供される。
ここで、PCB付着付着濃度モニタリング手段として、洗浄後の容器を検査する洗浄後容器検査手段308が設けられている。
【0080】
また、洗浄後の洗浄排液及び前処理手段で分離したPCB及びスラリー95は有害物質分解処理手段1013である水熱酸化分解装置120で分解処理している。
また、処理において発生するPCB汚染物(例えば切粉、切削油、拭取布、作業衣等)も同様に上記水熱酸化分解装置120で分解処理している。
また、設備内の換気は活性炭槽等の浄化処理装置を通過させて外部は排気している。
【0081】
該水熱酸化分解装置120からの排気ガス131は2段階の活性炭槽130A及び130Bを通過した後、排気ガスモニタリング手段309A〜Cで監視され、外部へ排出される。
【0082】
また、第1の処理手段301はPCBを液抜きするので、排気ライン351には活性炭吸着装置351が介装されており、この排ガスラインにおいても第1〜第3の排ガスモニタリング手段309A〜309CによりPCB濃度が監視されている。
【0083】
そして、第1のモニタリング手段309Aで規定値を超えるような場合には、換気を十分にすると共に、活性炭吸着装置に異常がないか否かを確認するようにしている。
【0084】
また、第7の処理手段307である真空乾燥工程においても、PCB濃度が高いので排気ライン350には活性炭吸着装置が介装されており、この排気ガスについても同様に監視がなされている。
また、第2及び第3の排ガスモニタリング手段309B、309Cは排ガスが確実に処理されていることを監視している。
【0085】
さらに、管理区域314内を監視するように管理区域内作業環境検査手段として第4の排ガスモニタリング手段309Dが設けられている。
【0086】
また、第1の手段301の部屋内での容器処理室の作業環境を監視する第5の排ガスモニタリング手段309Dが設けられている。
これにより、PCB容器の開封作業中にPCBの異常な漏れがあった場合にも迅速に監視することができる。
【0087】
また、第1の手段301へ搬送する前に複数のPCB含有容器を貯蔵しておく受入倉庫320内の環境を監視する第6の排ガスモニタリング手段309Fが設けられている。
これにより、受入たPCB容器に微細な破損等が生じた場合に、PCBの漏れがあった場合にも迅速に監視することができる。
【0088】
さらに、上記管理区域外の外部環境を監視する第7の排ガスモニタリング手段309Gが設けられている。
これにより、管理区域内のみならず、管理区域外の周辺の環境状況も監視することができる。
【0089】
また、この排ガス監視の信頼性を向上させるために、排ガスを濃縮して固相抽出し、これをガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計(GC−ECD)により濃度を公定法に準じて計測することもできる。
【0090】
一方、排水113は処理水タンク140で一時的に保管して、排水検査手段である排水モニタリング手段310Aで排水排水基準を満たしている場合に、バッファタンク141へ移動され、その後排水処理される。
【0091】
さらに、上記管理区域外の外部環境の河川・海水等を監視する河川・海水モニタリング手段310Bが設けられている。
これにより、管理区域内のみならず、管理区域外の周辺の環境状況も監視することができる。
【0092】
図10は上述した処理システムのフローの一例である。
図10に示すように、まず、トランス30を受け入れた後、トランス30の蓋明けを行う(S1001)。なお、コンデンサは内圧がかかっているので、PCB液が外部へ吹き出さないように行う必要がある。
次に、PCBの液抜きを行う(S1002)。
PCBを抜き取ったトランス30は、付着PCBレベルを低減するために粗洗浄される(S1003)。
つぎに、蓋30bを取り外した状態のトランス容器30aを真空加熱炉内81に入れ、真空下で加熱を行う(S1004)。
続いて、上記真空加熱を終了したトランス30を解体する(S1005)。
また、コアを切断し鉄心とコイルにする(S1006)。
コイルを銅線と紙・木とに分別する(S1007)。
紙・木をスラリー化する(S1008)。
続いて、S1005の解体工程において発生した金属および碍子と、ステップS1006のコア切断工程において分別した鉄心と、ステップS1007で分離した銅片を超音波洗浄槽にて洗浄する(S1009)。
なお、鉄心は積層されているので分解した後(S1011)に、仕上洗浄することが望ましい。
つぎに、PCB処理設備120にて、ステップS1002にて油抜きした絶縁油、洗浄廃液、及びS1008にて生成したスラリーを水熱酸化分解する(S1010)。
【0093】
上記仕上洗浄した後の鉄,銅等の有価金属はリサイクルに供し、碍子は廃棄処分に供している。
【0094】
上記容器検査手段309では、容器の表面をふきとり又は部材採取による化学分析検査し、所定値以下となるようにしている。所定値を超えた場合には、再度仕上洗浄処理305を行うようにしている。
【0095】
本実施例においては、排水131のPCB濃度管理値を0.003mg/L以下と基準を定めて監視している。
【0096】
上記監視装置によりPCB処理設備内のPCB量を監視している。ここで、本実施例では建屋313内を環境大気の基準となるように、環境中のPCB濃度を0.5μg/m3 N以下の区域としている。この管理レベルをクラス1としている。
【0097】
また、また、第1の管理区域314内は環境中のPCB濃度を0.1mg/m3 N以下の区域としている。この管理レベルをクラス2として、この区域で作業する場合は保護用具を着用の上作業をするようにしている。
さらに、第2の管理区域315内は環境中のPCB濃度を0.1mg/m3 N以下になりうる区域としている。この管理レベルをクラス3として、この区域には作業員の立ち入りを禁止し、隔離した処理をするように例えばグローブボックスを使用して作業をするようにしている。
上記第1の管理区域314及び第2の管理区域315内負圧状態とし、汚染が外部に広がらないようにしている。
【0098】
本実施例によれば、PCB含量が低いトランスを完全無害化処理する際に、PCB濃度の監視をしつつ行うことにより、常に作業環境が良好な状態を維持しつつ行うことができる。
【0099】
【発明の効果】
1の発明に係る有機ハロゲン化物処理設備監視システムによれば、有機ハロゲン化物濃度の監視をしつつ有機ハロゲン化物の処理を行うことができる。
【0100】
第2の発明に係る有機ハロゲン化物処理設備監視システムによれば、有機ハロゲン化物を含有した被処理物を一体に連続して処理できると共に、処理に際して有機ハロゲン化物濃度の監視をしつつ行うことができ、作業環境の安全を図りつつ処理ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる容器処理システムの概略図である。
【図2】排水モニタリングシステムの概略図である。
【図3】排水モニタリングシステムの工程図である。
【図4】排水モニタリングシステムのフロー図である。
【図5】排ガスモニタリングシステムの概略図である。
【図6】PCB濃度計測システムの概略図である。
【図7】PCBを検出したイオン検出器からの測定チャートの一例である。
【図8】レーザ位相変調測定装置の概略図である。
【図9】実施例にかかる容器処理システム概略図である。
【図10】排水モニタリングシステムのフロー図である。
【図11】水熱酸化分解装置の概要図である。
【符号の説明】
1001 被処理物
1002 有害物質( 例えばPCB)
1003 容器
1004 分離手段
1005 解体手段
1006 前処理手段
1007 有機物
1008 無機物
1009 分離手段
1010 洗浄液
1011 洗浄手段
1012 洗浄廃液
1013 有害物質分解処理手段
1014 スラリー
1015 スラリー化手段
1100 排水モニタリング手段
1200 排気ガスモニタリング手段
1300 付着濃度モニタリング手段
11 採取試料
12 固相・吸着手段
13 オートサンプラー
14 検出手段
15 モニタ装置
16 溶出液
50 レーザイオン化飛行時間型質量分析装置
55 レーザ光
56 レーザ照射手段
57 イオントラップ
58 リフレクトロン
59 イオン検出器
60 飛行時間型質量分析装置

Claims (19)

  1. 有機ハロゲン化物処理設備の環境を監視する有機ハロゲン化物処理設備監視システムであって、
    有機ハロゲン化物処理物を解体する解体設備内外の有機ハロゲン化物濃度を計測する排気ガスモニタリング手段と、
    有機ハロゲン化物処理設備から排出する排水中の有機ハロゲン化物濃度を計測する排水モニタリング手段と
    を備えてなり、
    上記排気ガスモニタリング手段が、
    採取試料を真空チャンバー内へ連続的に導入する試料導入手段と、
    導入された試料にレーザを照射し、レーザイオン化させるレーザ照射手段と、
    レーザイオン化した分子を収束させる収束部と、
    該収束された分子を選択濃縮するイオントラップと、
    一定周期で放出されたイオンを検出するイオン検出器と
    を備えたレーザイオン化飛行時間型質量分析装置を具備してなる
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  2. 有機ハロゲン化物が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有機ハロゲン化物処理設備の環境を監視する有機ハロゲン化物処理設備監視システムであって、
    被処理物から有害物質を抜出す抜出し手段と、被処理物を解体する解体手段とのいずれか一方又は両方を有する前処理手段と、
    前処理手段において処理された被処理物を構成する構成材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分離する分離手段と、
    前処理手段で分離した有害物質を分解処理する有害物質分解処理手段と、
    上記抜出し手段、上記解体手段、上記分離手段又は有害物質分解処理手段から排出される排気ガス若しくは処理設備の屋外大気中の有機ハロゲン化物濃度を計測する排気ガスモニタリング手段と、
    上記有害物質分解処理手段から排出される排水中又は処理設備近辺の河川若しくは海水の有機ハロゲン化物濃度を計測する排水モニタリング手段と
    具備してなり、
    上記排気ガスモニタリング手段が、
    採取試料を真空チャンバー内へ連続的に導入する試料導入手段と、
    導入された試料にレーザを照射し、レーザイオン化させるレーザ照射手段と、
    レーザイオン化した分子を収束させる収束部と、
    該収束された分子を選択濃縮するイオントラップと、
    一定周期で放出されたイオンを検出するイオン検出器と
    を備えたレーザイオン化飛行時間型質量分析装置を具備してなる
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  3. 請求項2において、
    上記前処理手段の抜出し手段で分離された金属製の容器又は上記分離手段で分離した金属等の無機物を洗浄液で洗浄する洗浄手段を具備してなり
    前記排気ガスモニタリング手段が、上記洗浄手段から排出される排気ガス中の有機ハロゲン化物濃度を計測するものである
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  4. 請求項において、
    上記前処理手段の抜出し手段で分離された金属製の容器又は上記分離手段で分離した金属等の無機物を洗浄液で洗浄する洗浄手段と、
    上記洗浄手段で洗浄された部材の有機ハロゲン化物付着濃度を計測する付着濃度モニタリング手段と
    を具備してなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  5. 請求項において、
    上記分離手段が構成材を分割破砕する破砕手段である
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  6. 請求項において、
    上記前処理手段が隔離されており、負圧状態となっている
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  7. 請求項において、
    上記有害物質分解処理手段が水熱酸化分解処理する水熱酸化分解処理手段又は超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理手段である
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  8. 請求項1又は2において、
    上記排水モニタリング手段が固相抽出−ガスクロマトグラフ装置である
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  9. 請求項1又は2において、
    上記排水モニタリング手段が
    採取試料を導入し、固相吸着材で有機ハロゲン化物を保持する固相・吸着手段と、
    該固相・吸着手段から溶出液により溶出された有機ハロゲン化物の定性及び定量分析を行う検出手段と
    を備えてなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  10. 請求項において、
    上記固相吸着材がシリカゲル又はアルミナからなり、固相吸着カラム内に充填されてなる
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  11. 請求項9において、
    上記固相吸着材に保持された有機ハロゲン化物を溶出する溶出液が無極性溶剤、アルコール類、トルエン、ジクロロメタン、又はアセトニトリルのいずれか一である
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  12. 請求項において、
    上記検出手段がガスクロマトグラフ−質量分析計又はガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計のいずれかである
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  13. 請求項1又は2において、
    上記排水モニタリング手段が、紫外光、可視光又は赤外光の吸収若しくは蛍光等の発光現象を用いて、排水中の有機ハロゲン化物濃度測定を行うものである
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  14. 請求項1又は2において、
    上記排水モニタリング手段が、光源にレーザ光を用いて、排水中の有機ハロゲン化物濃度測定を行うものである
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  15. 請求項14において、
    上記排水モニタリング手段が、上記レーザに位相変調を加えて位相を検波するものである
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  16. 請求項において、
    上記付着濃度モニタリング手段が、容器表面を拭き取った拭取部材から有機ハロゲン化物を抽出して有機ハロゲン化物濃度を測定するものである
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  17. 請求項において、
    上記付着濃度モニタリング手段が、容器又は部材の一部を採取した採取部材から有機ハロゲン化物を抽出して有機ハロゲン化物濃度を測定するものである
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  18. 請求項において、
    上記付着濃度モニタリング手段が、希釈した洗浄液の有機ハロゲン化物濃度を測定するものである
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
  19. 請求項において、
    上記被処理物が有機ハロゲン化物を含有するトランス、コンデンサ及び蛍光灯の安定器並びに有機ハロゲン化物汚染物である
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備監視システム。
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