JP6935241B2 - 除去部材、校正装置、及びガス分析装置 - Google Patents

除去部材、校正装置、及びガス分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガス分析装置において用いられる除去部材、当該除去部材が用いられる校正装置、及び、当該校正装置が用いられるガス分析装置に関する。
従来、煙道などを流れる排ガスなどに含まれる所定成分の濃度を分析する装置が知られている。例えば、特許文献1には、煙道内などに存在する試料ガスに光を照射し、当該試料ガスを通過した光の強度から、照射光を吸収する所定成分の濃度を分析する装置が開示されている。
この装置では、煙道を構成する壁の外側に配置されたリフレクタを照射光の光路上に配置し、当該リフレクタと照射光を照射する光源との間に形成された空間に、装置の校正に用いるガス(校正ガスと呼ばれる)を充填して当該空間に光を照射することで、装置のスパン校正及び/又はゼロ点校正を行っている。
特開2013−57651号公報
上記の装置において、排ガスなどを測定対象とする場合、排ガスには除去して外部に排出すべき物質(除去対象物質)が含まれる場合がある。このような場合、装置の校正は、除去対象物質を含むガスを校正ガスとして用いて実行される。
上記の装置では、校正の実行後に校正ガスを上記の空間から排出する必要があるが、装置の校正を容易に実行するには、校正ガスの大気中への排出を容易にすることが求められる。
本発明の目的は、ガス分析装置の校正時において用いられる校正ガスから除去対象物質を容易に取り除くことにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る除去部材は、ガス分析装置の校正時に用いられる校正ガスを処理するための部材である。除去部材は、入口と、ケースと、スクラバ物質(除去物質、吸着物質)と、出口と、を備える。入口は、校正ガスを排出する排出口に接続される。ケースは、入口から取り入れた校正ガスが通過する内部空間を有する。スクラバ物質は、ケースの内部空間に充填され、当該内部空間を通過する校正ガスに含まれる除去対象物質を除去する固形物である。出口は、除去対象物質を除去した校正ガスを排出する。
上記の除去部材は、校正ガスから乾式にて除去対象物質を容易に取り除いて、除去対象物質をほとんど含まない校正ガスを排出できる。
スクラバ物質は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、ゼオライト、活性炭の中から選択される少なくとも一つの物質を含んでいてもよい。これにより、校正ガスに含まれる除去対象物質を効率よく除去でき、かつ、安全性の高い除去部材を提供できる。
除去部材は、フィルターをさらに備えてもよい。フィルターは、入口とスクラバ物質との間に配置される。これにより、万一導入されるガスに水分が混入した場合であっても、スクラバ物質を保護することができる。
スクラバ物質には、スクラバ物質の除去対象物質の除去能力に応じて色が変化する着色剤が含浸されていてもよい。これにより、スクラバ物質の除去対象物質の除去能力を視覚的に確認できる。
本発明の他の見地に係る校正装置は、校正ガス導入部と、上記の除去部材と、を備える。校正ガス導入部は、ガス分析装置の校正時に用いられる校正ガスを、ガス分析装置に導入する。
これにより、上記の校正装置は、校正ガス導入部によりガス分析装置に導入された校正ガスを、除去対象物質を乾式にて容易に除去した上で排出できる。
本発明のさらに他の見地に係るガス分析装置は、光源と、校正セルと、受光部と、校正ガス導入部と、上記の除去部材と、を備える。
光源は、測定対象ガスが存在する測定空間に測定光を照射する。校正セルは、測定光の光路上に設けられ、内部に校正ガスを導入する導入口と内部の校正ガスを排出する排出口とを有する。受光部は、測定空間又は校正セルを通過した測定光を受光する。校正ガス導入部は、校正セルの導入口に接続され、校正セルの内部に校正ガスを充填する。上記の除去部材は、校正セルの排出口に接続される。
これにより、ガス分析装置の校正に用いた校正ガスを、除去対象物質を乾式にて容易に除去した上で排出できる。
上記の除去部材を用いることで、校正ガスから除去対象物質を乾式にて容易に取り除くことができる。
ガス分析装置の模式断面図。 スクラバの構成を示す図。 ガス分析装置の校正方法を示すフローチャート。
1.第1実施形態
(1)ガス分析装置全体の構成
図1を用いて、本発明の一実施形態に係るガス分析装置100を説明する。図1は、ガス分析装置の模式断面図である。
本実施形態に係るガス分析装置100は、例えば、ごみ焼却施設の煙道1から排出される排ガスGeに含まれる塩化水素(HCl)を測定対象ガスGsとして分析するための装置である。その他、本実施形態に係るガス分析装置100は、排ガスGe中に含まれる、例えば、アンモニア(NH3)、フッ化水素(HF)、一酸化炭素(CO)を測定対象ガスGsとして分析できる。
他の実施形態において、ガス分析装置100は、各種製造工程(例えば、半導体プロセス、石油化学プロセスなど)において発生し塩化水素を含むプロセスガスを分析するものであってもよい。
ガス分析装置100は、煙道1の壁1aにフランジfを介して接続され、一部が煙道1中に挿入されたプローブ管2を備える。プローブ管2は、排ガスGeを拡散により内部に導入する導入孔21が煙道1中に挿入された箇所に設けられた円筒状の部材である。プローブ管2の材質は、例えば、強酸性及び/又は強アルカリ性に対して耐久性を示す金属などとできる。
ガス分析装置100は、プローブ管2の基端部の筐体C内部に配置された光源3を備える。光源3は、プローブ管2の内部空間に測定光Lmを出力する、例えば、DFBレーザダイオードなどのレーザー、LED、ハロゲンランプ等である。
特に、光源3にレーザーを用いた原理的にドリフトが少ない光学系を採用することにより、ガス分析装置100の校正を実行する頻度を低くできる(例えば、後述するように、半年〜1年毎に校正を実行する)。
ガス分析装置100は、壁1aの外側の光源3の近傍に配置された受光部4を備える。受光部4は、プローブ管2の内部空間(測定対象ガスGsが存在する測定空間又は後述する校正セルSc)を通過した測定光Lmの強度を測定する、例えば、フォトダイオード等の光電変換装置である。
本実施形態において、光源3及び受光部4は、測定光Lmを透過可能な光学窓Wにより、プローブ管2の内部空間と隔離される。また、プローブ管2の内部空間の光学窓Wから所定の距離だけ離れた位置には、測定光Lmを透過可能な他の光学窓W1が配置されている。プローブ管2の内部空間と上記の2つの光学窓W、W1は、校正セルScを形成する。
すなわち、校正セルScは、測定光Lmの光路上に設けられ、ガス分析装置100を校正する際には、その内部に当該校正に用いられる校正ガスGcが充填される。
プローブ管2の校正セルScが形成されている箇所には、校正ガスGcを導入するための導入口Icと、校正セルScから校正ガスを排出する排出口Ocと、が設けられている。ガス分析装置100において校正を行う際には、当該導入口Icと排出口Ocには校正装置10が接続される。
校正装置10は、導入口Icから校正セルScの内部に校正ガスGcを導入し、校正セルScの内部から排出口Ocを介して校正ガスGcを外部に排出する装置である。校正装置10の詳細構成については、後ほど詳しく説明する。
ガス分析装置100は、第1リフレクタ5を備える。第1リフレクタ5は、図示しない駆動機構により、校正セルScの煙道1側に挿入又は当該箇所から取り出し可能となっている、例えば、コーナーキューブや可動式の平面ミラーである。図1に示すように、第1リフレクタ5がプローブ管2の内部空間に存在する時、校正セルScを通過した測定光Lmは、第1リフレクタ5において反射され、受光部4に入射される。
一方、第1リフレクタ5は、測定対象ガスGsの分析を実行する際には、上記の駆動機構により、プローブ管2の内部空間から取り除かれる。
ガス分析装置100は、制御部6を備える。制御部6は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM、ROMなどの記憶装置と、表示部(例えば、液晶ディスプレイなど)と、各種インターフェースと、を有し、ガス分析装置100を制御するコンピュータシステムである。
また、制御部6は、例えば、光源3から出力した測定光Lmの強度と、プローブ管2の内部空間を通過して受光部4にて受光した測定光Lmの強度との比に基づいて、測定対象ガスGsの濃度を算出する。
ガス分析装置100は、プローブ管2の煙道1側の先端部に第2リフレクタ7を備える。第2リフレクタ7は、測定対象ガスGsの分析実行中に、プローブ管2の内部空間を伝搬してきた測定光Lmを受光部4に向けて反射する、例えばコーナーキューブ又は平面ミラーである。
ガス分析装置100は、パージガス導入部8を備える。パージガス導入部8は、プローブ管2の内部空間に、パージエアPaを導入する。これにより、第2リフレクタ7などが排ガスGe又はプロセスガスにより汚染されることを防止できる。
(2)校正装置の構成
以下、ガス分析装置100に校正ガスGcを導入及び排出するための校正装置10の詳細構成について、図1を用いて説明する。
校正装置10は、導入口Icに接続され、校正ガスGcを校正セルScに充填する校正ガス導入部101を有する。校正ガス導入部101は、例えば、バックグラウンドガスGbが充填された第1ガスボンベ1011と、スパンガスGspが充填された第2ガスボンベ1013と、三方弁1015とから構成される。
バックグラウンドガスGbは、排ガスGeなどに含まれる測定対象ガスGsではないガス成分であり、例えば、窒素、空気などである。すなわち、バックグラウンドガスGbは、測定対象ガスGsが含まれていないガス中を測定光Lmが通過したときに、受光部4にて受光される測定光Lmの強度を測定するためのガスである。従って、バックグラウンドガスGbは、ガス分析装置100のゼロ点校正に用いられる校正ガスGcである。
一方、スパンガスGspは、例えば、ゼロ点校正に用いられるバックグラウンドガスGbと、所定濃度の測定対象ガスGsとを含むガスであり、例えば、窒素又は空気と、所定濃度の測定対象ガスGs(本実施形態では塩化水素)と、の混合ガスである。すなわち、スパンガスGspは、ある特定の濃度の測定対象ガスGsが含まれるガス中を測定光Lmが通過したときに、受光部4にて受光される測定光Lmの強度を測定するためのガスである。従って、スパンガスGspは、ガス分析装置100のスパン校正に用いられる校正ガスGcである。
ガス分析装置100においてスパン校正を行う場合、三方弁1015を操作して、第2ガスボンベ1013と導入口Icとの間をガス流通可能とし、第2ガスボンベ1013からスパンガスGspを校正ガスGcとして校正セルScに導入する。
一方、ガス分析装置100においてゼロ点校正を行う場合、三方弁1015を操作して、第1ガスボンベ1011と導入口Icとの間をガス流通可能とし、第1ガスボンベ1011からバックグラウンドガスGbを校正ガスGcとして校正セルScに導入する。
校正装置10は、ガス分析装置100の校正を実行する際に排出口Ocに接続され、校正セルScから排出される校正ガスGcから除去対象物質を除去するスクラバ103(除去部材の一例)を有する。スクラバ103の詳細構成については、後ほど説明する。
校正装置10は、スクラバ103の出口Osに接続される流量計105を有する。流量計105は、校正セルScに導入する校正ガスGcの流量を制御する、例えば、ニードルバルブである。
上記の構成を有することにより、校正装置10は、校正ガス導入部101により校正セルScに導入された校正ガスGcを、除去対象物質を容易に除去した上で排出できる。
特に、例えば、校正セルScに導入した除去対象物質を含む校正ガスGcを排出するための特別な排気口(例えば、排ガスGeが流れる煙道1に接続された排気口)が設けられていないガス分析装置(例えば、直挿型のガス分析装置)に対しては、有用な装置である。なぜなら、上記の校正装置10は、煙道1に接続された特別な排気口がなくとも、校正ガスGcを大気に排出するための排出口が存在してさえいれば、そこに接続して使用できるからである。
(3)スクラバの構成
以下、校正装置10にて用いられるスクラバ103の構成について、図2を用いて説明する。図2は、スクラバの構成を示す図である。
スクラバ103は、ケース1031を有する。ケース1031は、例えば、透明又は半透明の筒状のプラスチック等の樹脂部材であり、腐食性ガスに強い素材が好ましい。スクラバ103は、ケース1031の一端においてネジ止めされており、その中心には校正ガスGcの入口Isが設けられている入口部材1032を有する。入口Isから取り入れられた校正ガスGcは、ケース1031の内部空間Sを通過できる。
入口部材1032がネジ止めされたケース1031の一端の内部には、フィルター1033が充填されている。フィルター1033は、入口Isから取り入れられた校正ガスGcの水分を除去する、例えば、ボンデン(登録商標)フィルターである。また、フィルター1033は、弾力性を有するので、ケース1031に固形のスクラバ物質1034を充填する際に、スクラバ物質1034が破損することを防止できる。
スクラバ103は、スクラバ物質1034を有する。スクラバ物質1034は、内部空間Sを通過する校正ガスGcに含まれる除去対象物質(本実施形態においては、測定対象ガスGsである塩化水素)を除去する固形物である。スクラバ物質1034は、ケース1031の内部空間Sに充填されている。
校正ガスGcに含まれる塩化水素を除去するスクラバ物質1034としては、例えば、アルカリ性の物質が主成分である物質を用いることができる。具体的には、例えば、多孔質の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を主成分としたスクラバ物質1034を用いることができる。本実施形態においては、多孔質の水酸化カルシウムを濃度比で80〜90%程度含んだスクラバ物質1034を用いる。
水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムを主成分とすることで、スクラバ物質1034の取り扱いを容易にしつつ、塩化水素などの酸性を有する除去対象物質を効率よく除去できる。
スクラバ物質1034が多孔質であることにより、表面積を大きくすることができ、校正ガスGcに含まれる塩化水素を効率よく除去できる。
フッ化水素が除去対象物質である場合には、例えば、水酸化カルシウム、水酸化カリウム(KOH)を主成分とするスクラバ物質1034を用いることが好ましい。アンモニウムに対しては、例えば、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、ゼオライト、活性炭を主成分とするスクラバ物質1034を用いることが好ましい。一酸化炭素に対しては、例えば、活性炭、ゼオライトを主成分とするスクラバ物質1034を用いることが好ましい。
これらの除去対象物質を吸着させるか又は反応させて別の安全な物質に変換できるものがスクラバ物質1034に主成分として含まれていれば、スクラバ物質1034は、上記に限られない。
また、スクラバ物質1034には、スクラバ物質1034の除去対象物質の除去能力に応じて色が変化する着色剤が含浸されている。このような着色剤としては、例えば、スクラバ物質1034のpHにより変色するか、又は、除去対象物質(塩化水素)と反応して変色するものを用いることができる。
スクラバ物質1034のpHにより変色する着色剤としては、例えば、エチルバイオレットを用いることができる。この場合、スクラバ物質1034が除去対象物質の除去に使用されると、スクラバ物質1034のpH値が小さくなり、スクラバ物質1034の色が白色から青紫色に変色する。
一方、塩化水素と反応して変色する着色剤としては、例えば、硝酸銀(AgNO3)を用いることができる。この場合、スクラバ物質1034が除去対象物質の除去に使用されるに従って、塩化水素と硝酸銀が反応してより多くの塩化銀(AgCl)が生成されて、スクラバ物質1034の色が白色に変色する。
スクラバ103は、出口部材1035を有する。出口部材1035は、入口部材1032がネジ止めされた側とは反対側のケース1031の他端においてネジ止めされており、その中心には校正ガスGcの出口Osが設けられている。内部空間Sを通過して除去対象物質が除去された校正ガスGcは、出口Osから外部に排出される。
出口部材1035がネジ止めされたケース1031の他端の内部には、フィルター1036(例えば、ボンデン(登録商標)フィルター)が充填されている。また、出口部材1035とフィルター1036との間には、ケース1031と出口部材1035とをエアタイトとする部材1037(例えば、ゴム製のOリングなど)が設けられている。
上記の構成を有するスクラバ103においては、入口Isから取り入れた校正ガスGcが内部空間Sを通過する間に、固形のスクラバ物質1034が当該校正ガスGcに含まれる除去対象物質(塩化水素)を校正ガスGcから除去し、除去対象物質をほとんど含まない校正ガスGcを出口Osから排出できる。
すなわち、上記のスクラバ103は、乾式にて容易に校正ガスGcに含まれる除去対象物質を除去して、除去対象物質をほとんど含まない校正ガスGcを排出できる。
実際に、上記の構成を有するスクラバ103を用いて除去対象物質である塩化水素をどの程度まで除去できるかの試験を実施した結果、当該スクラバ103の出口Osから排出される校正ガスGcには、0.2ppm(又は、検出限界程度)の塩化水素しか含まれておらず、スクラバ103にて処理した後の校正ガスGcを大気に排出できることが分かった。
このように、本実施形態のスクラバ103は、ガス中に含まれる除去対象物質を人体や環境に対して十分に安全なレベルまで除去することができる。従って、上記のスクラバ103を校正セルScの排出口Ocに接続し、校正ガスGcをスクラバ103に通過させてから排出することにより、校正ガスGcに環境や人体に対して有害であるガス(例えば、塩化水素、アンモニア、フッ化水素、一酸化炭素など)が含まれている場合には、特に有効である。
(4)ガス分析装置の校正方法
以下、本実施形態に係るガス分析装置100の校正方法について、図3を用いて説明する。図3は、ガス分析装置の校正方法を示すフローチャートである。以下においては、ガス分析装置100のスパン校正方法を例にとって説明する。また、以下のスパン校正は、例えば、ガス分析装置100のメンテナンス時(例えば、半年〜1年毎)に実行される。
ゼロ点校正も、バックグラウンドガスGbを第1ガスボンベ1011から校正セルScに導入すること以外は、以下と同様にして実行できる。
スパン校正を開始するために、まず、校正ガスGcを導入するための校正装置10を、ガス分析装置100に接続する(ステップS1)。
具体的には、校正ガス導入部101を、ガス配管などを用いて、ガス分析装置100の導入口Icに接続する。また、スクラバ103の入口Isとガス分析装置100の排出口Ocとを、ガス配管などを用いて接続する。さらに、スクラバ103の出口Osと流量計105(の入口)とを、ガス配管などを用いて接続する。
校正装置10をガス分析装置100に接続して、第1リフレクタ5をプローブ管2の内部空間に導入した後、流量計105にて流量を制御しつつ、校正ガス導入部101が、第2ガスボンベ1013からスパンガスGspを校正ガスGcとして校正セルScに導入する(ステップS2)。本実施形態においては、スパン校正の実行中、校正ガス導入部101は、スパンガスGspを、校正セルScの内部に所定の流量にて流通させたまま維持する。排出口Ocにはスクラバ103が接続されているので、スパンガスGspを校正セルScの内部に流通させる間に流量計105から排出されるスパンガスGspには、塩化水素(除去対象物資)がほとんど含まれない。
スパンガスGspを校正セルScの内部にて流通させた状態にて、光源3が測定光Lmを校正セルScに向けて照射し、受光部4が校正セルScを通過した測定光Lmの強度を測定する(ステップS3)。その後、取得した測定光Lmの強度の測定値を用いてスパン校正を実行し、スパン校正の結果を制御部6の表示部に表示する。
スパン校正の実行結果からスパン校正が適切に行われたと判断したら、校正セルScへのスパンガスGspの流通を停止して(ステップS4)、スパン校正を終了する。
上記の校正方法では、スクラバ103を排出口Ocに接続するとの簡単な方法により、外部に排出しようとしている校正ガスGc(スパンガスGsp)から除去対象物質(塩化水素)を除去できる。また、使用後のスクラバ103は、スクラバ物質1034の変色具合に基づいて除去対象物質の除去能力が過剰に低下していると判断される場合には、廃棄することができる。
このように、上記の校正方法では、例えば、除去対象物質を溶解できる液体に校正ガスGcを通過させるために、当該液体を入れた容器を排出口Ocの近くまで搬送するといった労力を必要とせず、また、除去対象物質を溶解した液体の処理が困難となるといった問題も発生することもなく、校正ガスGcに含まれる除去対象物質を容易、かつ、処理後の校正ガスGcを大気に排出できる程度まで除去できる。
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)排ガスGeに含まれる測定対象ガスGs以外のガスが、スクラバ103にて除去すべき除去対象物質であってもよい。この場合、ガス分析装置100のゼロ点校正を行う際には、校正ガス導入部101は、例えば、窒素又は空気と除去対象物質とが含まれたガスをバックグラウンドガスGbとして校正セルScに導入する。
上記のように、測定対象ガスGs以外のガスが除去対象物質であった場合、すなわち、ゼロ点校正を行う際に用いられるバックグラウンドガスGbに除去対象物質が含まれる場合でも、校正装置10がスクラバ103を有することにより、ゼロ点校正の実行時に、バックグラウンドガスGbに含まれる除去対象物質を除去した上で、バックグラウンドガスGbを外部に排出できる。
(B)第1実施形態において説明した校正装置10及び/又はスクラバ103は、第1実施形態にて説明したプローブ管2の内部空間に排ガスGeなどを導入するタイプ(プローブ方式)のガス分析装置以外にも使用できる。
例えば、排ガスGeなどが含まれる煙道1などに直接測定光Lmを照射し、煙道1を通過した測定光Lmを受光するタイプ(クロススタック方式)のガス分析装置にも使用できる。
また、例えば、排ガスGeなどをサンプリングした測定セルの内部に測定光Lmを照射し、当該測定セルの内部を通過した測定光Lmを受光するタイプ(サンプリング方式)のガス分析装置にも使用できる。
本発明は、校正ガスから除去対象物質を除去して排出するガス分析装置において用いられるスクラバに広く適用できる。
100 ガス分析装置
1 煙道
1a 壁
2 プローブ管
21 導入孔
3 光源
4 受光部
5 第1リフレクタ
6 制御部
7 第2リフレクタ
8 パージガス導入部
10 校正装置
101 校正ガス導入部
1011 第1ガスボンベ
1013 第2ガスボンベ
1015 三方弁
103 スクラバ
1031 ケース
1032 入口部材
1033 フィルター
1034 スクラバ物質
1035 出口部材
1036 フィルター
1037 部材
105 流量計
Ic 導入口
Oc 排出口
Is 入口
Os 出口
S 内部空間
Sc 校正セル
W、W1 光学窓
f フランジ

Claims (6)

  1. 測定対象ガスが流れる煙道に取り付けられたガス分析装置の校正時に用いられる校正ガス又はスパンガスが導入される校正セルの排出口に接続され、前記排出口から排出される前記校正ガス又は前記スパンガスを処理するための部材であって、
    前記校正ガス又は前記スパンガスを排出する排出口に接続される入口と、
    前記入口から取り入れた前記校正ガス又は前記スパンガスが通過する内部空間を有するケースと、
    前記内部空間に充填され、前記内部空間を通過する前記校正ガス又は前記スパンガスに含まれる除去対象物質を除去する固形物であるスクラバ物質と、
    前記除去対象物質を除去した前記校正ガス又は前記スパンガスを排出する出口と、
    を備える除去部材。
  2. 前記スクラバ物質は、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、ゼオライト、活性炭の中から選択される少なくとも一つの物質を含む、請求項1に記載の除去部材。
  3. 前記入口と前記スクラバ物質との間に配置されるフィルターをさらに備える、請求項1又は2に記載の除去部材。
  4. 前記スクラバ物質には、前記スクラバ物質の前記除去対象物質の除去能力に応じて色が変化する着色剤が含浸されている、請求項1〜3のいずれかに記載の除去部材。
  5. 測定対象ガスが流れる煙道に取り付けられたガス分析装置の校正時に用いられる校正ガス又はスパンガスを前記ガス分析装置に導入する校正ガス導入部と、
    前記ガス分析装置の前記校正ガス又は前記スパンガスを排出する排出口に接続された、請求項1〜4のいずれかに記載の除去部材と、
    を備える、校正装置。
  6. 測定対象ガスが流れる煙道に取り付けられるガス分析装置であって、
    前記測定対象ガスが存在する測定空間に測定光を照射する光源と、
    前記測定光の光路上に設けられ、内部に校正ガス又はスパンガスを導入する導入口と前記内部の前記校正ガス又は前記スパンガスを排出する排出口とを有する校正セルと、
    前記測定空間又は前記校正セルを通過した前記測定光を受光する受光部と、
    前記導入口に接続され、前記校正セルの内部に前記校正ガス又は前記スパンガスを充填する校正ガス導入部と、
    前記排出口に接続される請求項1〜4のいずれかに記載の除去部材と、
    を備えるガス分析装置。
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