JP5357709B2 - フッ化水素含有ガスの検知装置、処理装置及び検知方法 - Google Patents
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Description
よって、被処理ガス中のフッ化水素を吸着する吸着材が破過する前であることを事前に検知することで、使用中の吸着材が破過する前に予め新しい吸着材に交換することができるため、被処理ガス中のフッ化水素を安定して吸着材で吸着することができると共に、系外にフッ化水素が漏洩するのを防止することができる。
本発明による第1の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るフッ化水素(HF)含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素(HF)含有ガスの処理装置10Aは、HFを含む被処理ガスとして排気11が送給される配管12に設けられ、排気11中のHFを吸着するフッ化水素(HF)吸着部13と、HF吸着部13より上流側に設けられ、排気11中のHFによる劣化を検知するHF含有ガスの検知装置14Aとを有するものである。
また、配管12のHF吸着部13の上流側と下流側とには、排気11の流量を調整する調節弁V1、V2が設けられている。
即ち、HF含有ガスの検知装置14Aは、配管12内に設けられる絶縁部21と、配管12内に設けられる第一の導電部24と、第一の導電部24に絶縁部21を介して設けられる第二の導電部25と、第一の導電部24と第二の導電部25との間に接続された電流計23とを有し、絶縁部21は第一の導電部24と第二の導電部25との間に設けられている。また、第二の導電部25は、所定間隔を持った4つのスリット26を設けている。
図2は、HF含有ガスの検知装置の構成を簡略に示す平面図である。図2に示すように、第二の導電部25のスリット26はストライプ状に並列に設けられ、絶縁部21の一部はスリット26から露出している。
また、第二の導電部25に設けられるスリット26同士の間隔は等間隔に限定されるものではなく、隣接する第二の導電部25のスリット26同士の間隔を適宜変更し、異なるようにしてもよい。
SiO2 + 4HF → SiF4 + 2H2O ・・・(1)
SiO2 + 6HF → H2SiF6 + 2H2O ・・・(2)
なお、電流計23は、電流を検知可能なものであればよく、ダイオード等を用いて発光により電流を検知してもよい。また、電流計23の検知下限は、センサ形態にもよるが、1mA以上であれば好適に用いられる。
1)予め絶縁部21及び吸着材15を工場内の排気ガス内に設置し、その設置場所にて一定量(一定時間)のHFガスを含む排気ガスを通気させる。
2)絶縁部21を取り出し、絶縁部21の減少量を測定する。
3)また、吸着材15を取り出し、その飽和度を測定する。
4)上記2)、3)から、その環境条件に見合った絶縁部21の膜厚が求められる。絶縁部21の膜厚は、吸着材15の飽和度が50%になった際に、検知できるシステムとなるように設定するのが好ましい。
5)さらに平均湿度に対する絶縁部21の減少量もあわせて測定することを行うことで、フィルタとして用いられる吸着材15の飽和度を精度良く検知することが可能となる。
よって、吸着材15が破過する前であることを事前に検知することで、使用中の吸着材15が破過する前に予め新しい吸着材15に交換することができるため、排気11中のHFを安定して吸着材15で吸着することができると共に、系外にHFが漏洩するのを防止することができる。
本発明による第2の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置について、図面を参照して説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置の構成を簡略に示す図である。
尚、本発明による第2の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置の全体の構成は、図1に示す第1の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置の構成と同様であるため、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図4に示すように、本実施の形態に係るHF含有ガスの検知装置14Bは、配管12の一部を絶縁部31とし、絶縁部31の外側を被覆するフッ素系樹脂32と、フッ素系樹脂32の内部に不活性ガス33を貯留する不活性ガス貯留部34と、フッ素系樹脂32に設けられ、不活性ガス貯留部34の圧力を計測する圧力計(HF劣化検知部)35とを有するものである。
不活性ガス貯留部34はフッ素系樹脂32から構成される不活性ガス貯留部本体の内部であって、フッ素系樹脂32の内部に形成される空間をいう。フッ素系樹脂32には、ガス供給ライン36が連結されており、不活性ガス供給部37より不活性ガス33がガス供給ライン36を介して不活性ガス貯留部34に供給される。
よって、吸着材15が破過する前であることを事前に検知することで、使用中の吸着材15が破過する前に予め新しい吸着材15に交換することができる。このため、排気11中のHFを安定して吸着材15で吸着することができると共に、系外にHFが漏洩するのを防止することができる。
さらに、不活性ガス33が配管12の方に流れるため、レーザ光による濃度分析のように計測窓などの検出部を損傷することがない。このため、検出部の損傷(腐食)によりHFが系外に漏洩することがなく、安全性が確保できる。
本発明による第3の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置について、図面を参照して説明する。
図6は、本発明の第3の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置の構成を簡略に示す図である。
尚、本発明の第3の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置の全体の構成は、図1、4に示す第1、2の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置の構成と同様であるため、第1の実施の形態と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図6に示すように、HF含有ガスの処理装置10Cに備えた本実施の形態に係るHF含有ガスの検知装置14Cは、配管12の一方の壁面12aの一部を絶縁部31とし、絶縁部31の外側を被覆するフッ素系樹脂32と、フッ素系樹脂32の外部に設けられ、配管12の内側にレーザ光51を照射するレーザ光照射装置(光源部)52と、絶縁部31と対向するように配管12の他方の壁面12bの外側に設けられ、レーザ光51を検知するレーザ光検知器53とを有するものである。
よって、吸着材15が破過する前であることを事前に検知することで、使用中の吸着材15が破過する前に予め新しい吸着材15に確実に交換することができる。このため、排気11中のHFを安定して吸着材15で吸着することができると共に、系外にHFが漏洩するのを防止することができる。
本発明による第4の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置について、図面を参照して説明する。
図10は、本発明の第4の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置の構成を簡略に示す図である。
尚、本発明の第4の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置の全体の構成は、図1〜図9に示す本発明の第1乃至第3の実施の形態に係るフッ化水素含有ガスの検知装置を備えたフッ化水素含有ガスの処理装置の構成と同様であるため、第1乃至第3の実施の形態と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図10に示すように、本実施の形態に係るHF含有ガスの処理装置10Dに備えた本実施の形態に係るHF含有ガスの検知装置14Dは、図4に示す第2の実施の形態に係るHF含有ガスの検知装置14Bと、図6に示す第3の実施の形態に係るHF含有ガスの検知装置14Cと、を組み合わせたものである。
即ち、本実施の形態に係るHF含有ガスの検知装置14Dは、配管12の一方の壁面12aの一部を絶縁部31とし、絶縁部31の外側を被覆するフッ素系樹脂32と、フッ素系樹脂32の内部に不活性ガス33を貯留する不活性ガス貯留部34と、フッ素系樹脂32に設けられ、不活性ガス貯留部34の圧力を計測する圧力計35と、フッ素系樹脂32の外部に設けられ、配管12の内側にレーザ光51を照射するレーザ光照射装置52と、絶縁部31と対向するように配管12の他方の壁面12bの外側に設けられ、レーザ光51を検知するレーザ光検知器53と、を有するものである。
よって、吸着材15が破過する前であることを事前に更に精度良く検知することで、使用中の吸着材15が破過する前に予め新しい吸着材15に更に確実に交換することができるため、排気11中のHFを更に安定して吸着材15で吸着することができると共に、系外にHFが漏洩するのを更に確実に防止することができる。
11 排気
12 配管
13 HF吸着部
14A〜14D フッ化水素(HF)含有ガスの検知装置
15 吸着材
21、31 絶縁部
22、41 孔
23 電流計(HF劣化検知部)
24 第一の導電部
25 第二の導電部
26 スリット
27 水膜
32、44 フッ素系樹脂
33 不活性ガス
34 不活性ガス貯留部
35 圧力計(HF劣化検知部)
36 ガス供給ライン
37 不活性ガス供給部
38 流量測定器
39 信号変換器
40 演算装置
51 レーザ光
52 レーザ光照射装置(レーザ光照射部)
53 レーザ光検知器(HF劣化検知部)
55、56 収容部
V1、V2、V11 調節弁
Claims (11)
- フッ化水素を含有する被処理ガスが送給される配管又は容器内に設けられ、前記被処理ガス中のフッ化水素に起因する劣化により孔が形成される絶縁部と、
前記配管又は容器内に設けられる第一の導電部と、
前記第一の導電部に前記絶縁部を介して設けられ、所定間隔を持った少なくとも一つのスリットを設ける第二の導電部と、
前記絶縁部の孔を介して前記第一の導電部と前記第二の導電部との間で発生した腐食電流を測定して前記絶縁部の劣化の有無を検知するフッ化水素劣化検知部とを有することを特徴とするフッ化水素含有ガスの検知装置。 - フッ化水素を含有する被処理ガスが送給される配管又は容器内の一部に設けられ、前記被処理ガス中のフッ化水素に起因する劣化により孔が形成される絶縁部と、
前記絶縁部の外側を被覆するフッ素系樹脂と、
前記フッ素系樹脂の内部に設けられ、不活性ガス供給部から供給される不活性ガスを貯留する不活性ガス貯留部と、
前記絶縁部に形成された孔を介した前記不活性ガスの流出前後の前記不活性ガス貯留部内の圧力低下を測定して前記絶縁部の劣化の有無を検知するフッ化水素劣化検知部とを有することを特徴とするフッ化水素含有ガスの検知装置。 - フッ化水素を含有する被処理ガスが送給される配管又は容器の一方の壁面の一部に設けられ、前記被処理ガス中のフッ化水素に起因する劣化により孔が形成される絶縁部と、
前記絶縁部の外側を被覆するフッ素系樹脂と、
前記フッ素系樹脂の外部に設けられ、前記配管又は容器の内側に光を照射する光源部と、
前記絶縁部と対向するように前記配管又は容器内の他方の壁面の外側に設けられ、前記絶縁部に形成された孔を介して前記光源部からの光を検知して前記絶縁部の劣化の有無を検知するフッ化水素劣化検知部とを有することを特徴とするフッ化水素含有ガスの検知装置。 - 請求項1乃至3の何れか一つにおいて、
前記被処理ガスが、太陽電池工場、液晶パネル工場から排出される排気であることを特徴とするフッ化水素含有ガスの検知装置。 - フッ化水素を含有する被処理ガスが送給される配管又は容器内に設けられ、前記被処理ガス中のフッ化水素を吸着するフッ化水素吸着部と、
前記フッ化水素吸着部より上流側に設けられ、請求項1乃至4の何れか一つのフッ化水素含有ガスの検知装置と、
を有することを特徴とするフッ化水素含有ガスの処理装置。 - 請求項5において、
前記配管又は容器内に設けられ、排気中のフッ化水素を吸着する吸着材を内部に有する吸着部を有し、
前記絶縁部の膜厚が、吸着材の飽和度の50%となったときに、前記絶縁部に孔が形成される膜厚であることを特徴とするフッ化水素含有ガスの処理装置。 - フッ化水素を含む被処理ガスが送給される配管又は容器内に、第一の導電部、前記被処理ガス中のフッ化水素に起因して劣化により孔が形成される絶縁部、及び所定間隔を持った少なくとも一つのスリットが設けられた第二の導電部をこの順に積層し、前記絶縁部が劣化して形成される孔を介して前記第一の導電部と前記第二の導電部との間で発生した腐食電流を測定することを特徴とするフッ化水素含有ガスの検知方法。
- 被処理ガス中のフッ化水素に起因する劣化により孔が形成される絶縁部を、フッ化水素を含有する被処理ガスが送給される配管又は容器内の一部に設け、前記絶縁部の外側をフッ素系樹脂で被覆し、前記フッ素系樹脂の内部に不活性ガスを貯留し、前記フッ素系樹脂の内部に貯留してある不活性ガスが前記絶縁部の劣化で形成される孔を通過して前記配管又は容器内に流入したときの前記フッ素系樹脂の内部の圧力低下を測定することを特徴とするフッ化水素含有ガスの検知方法。
- 被処理ガス中のフッ化水素に起因する劣化により孔が形成される絶縁部を、フッ化水素を含有する被処理ガスが送給される前記配管又は容器の一方の壁面の一部とし、前記絶縁部の外側をフッ素系樹脂で被覆し、前記フッ素系樹脂の外部から前記配管の内側に光源からの光を照射し、前記絶縁部が劣化して形成される孔を通過した光を前記絶縁部と対向する前記配管又は容器の他方の壁面の外側で検知することを特徴とするフッ化水素含有ガスの検知方法。
- 請求項1乃至4の何れか一つのフッ化水素含有ガスの検知装置を用いてフッ化水素吸着部の劣化を検知することを特徴とするフッ化水素含有ガスの検知方法。
- 請求項7乃至10の何れか一つにおいて、
前記被処理ガスが、太陽電池工場、液晶パネル工場から排出される排気であることを特徴とするフッ化水素含有ガスの検知方法。
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