JP3616060B2 - 有機ハロゲン化物濃度校正装置 - Google Patents

有機ハロゲン化物濃度校正装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3616060B2
JP3616060B2 JP2002045801A JP2002045801A JP3616060B2 JP 3616060 B2 JP3616060 B2 JP 3616060B2 JP 2002045801 A JP2002045801 A JP 2002045801A JP 2002045801 A JP2002045801 A JP 2002045801A JP 3616060 B2 JP3616060 B2 JP 3616060B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic halide
pcb
standard
container
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002045801A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003247984A (ja
Inventor
祥啓 出口
憲弘 福田
晋作 土橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2002045801A priority Critical patent/JP3616060B2/ja
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to AT02733305T priority patent/ATE520144T1/de
Priority to EP02733305A priority patent/EP1394537B1/en
Priority to US10/432,430 priority patent/US20040036018A1/en
Priority to KR10-2003-7001458A priority patent/KR20030038681A/ko
Priority to EP09165288A priority patent/EP2107594A3/en
Priority to PCT/JP2002/005527 priority patent/WO2002101376A1/ja
Priority to CA002429886A priority patent/CA2429886A1/en
Priority to NO20030574A priority patent/NO20030574L/no
Priority to LT2003056A priority patent/LT5135B/lt
Publication of JP2003247984A publication Critical patent/JP2003247984A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3616060B2 publication Critical patent/JP3616060B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばPCB処理設備の有機ハロゲン化物の濃度を正確に測定するための有機ハロゲン化物濃度校正装置に関する。
【0002】
【背景技術】
近年では、PCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0003】
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
この結果、PCBは体内で極めて安定であるので、体内に蓄積され慢性中毒(皮膚障害、肝臓障害等)を引き起し、また発癌性、生殖・発生毒性が認められている。
【0004】
PCBは、従来からトランスやコンデンサなどの絶縁油として広く使用されてきた経緯があるので、PCBを処理する必要があり、本出願人は先に、PCBを無害化処理する水熱分解装置を提案した(特開平11−253796号公報、特開2000−126588号公報他参照)。この水熱分解装置の概要の一例を図8に示す。
【0005】
図8に示すように、水熱分解装置120は、筒形状の一次反応器122と、油123a、PCB123b、NaOH123c、水123dの各液123を加圧する加圧ポンプ124a〜dと、当該混合液を予熱する予熱器125と、配管を巻いた構成の二次反応器126と、冷却器127および減圧弁128とを備えてなるものである。また、減圧弁12の下流には、気液分離器129、活性炭槽130が配置されており、排ガス(CO2)131は煙突132から外部へ排出され、排水(H2O,NaCl)133は別途、必要に応じて排水処理される。また、酸素の配管13は、一次反応器12に対して直結している。
【0006】
上記装置において、加圧ポンプ124による加圧により一次反応器122内は、26MPaまで昇圧される。また、予熱器125は、PCB、HOおよびNaOHの混合処理液123を300℃程度に予熱する。また、一次反応器122内には酸素が噴出しており、内部の反応熱により380℃〜400℃まで昇温する。この段階までに、PCBは、脱塩素反応および酸化分解反応を起こし、NaCl、COおよびHOに分解されている。つぎに、冷却器127では、二次反応器126からの流体を100℃程度に冷却すると共に後段の減圧弁128にて大気圧まで減圧する。そして、気液分離器129によりCOおよび水蒸気と処理水とが分離され、COおよび水蒸気は、活性炭槽130を通過して環境中に排出される。
【0007】
このような処理装置を用いてPCB含有容器(例えばトランスやコンデンサ)等を処理することで、完全無害化がなされているが、さらにその施設内におけるPCB濃度の迅速監視が重要である。従来、ガスサンプリングを行いPCBを液体に濃縮させ、その濃縮液を分析する方法が採用されているが、この計測には数時間から数十時間を要するため、迅速監視ができなかった。
【0008】
しかしながら、監視のためのガス中の微量PCBの計測方法として、従来では多光子イオン化検出器と飛行時間型分析器(Time of Flight Mass Spectroscopy:TOFMAS) とを組み合わせた質量スペクトル分析装置が提案されている。
この従来の分析装置の概要を図9を参照して説明する。
【0009】
図9に示すように、試料ガス1をパルスノズル2から真空チャンバ3内に超音速自由噴流として供給し、その自由噴流は断熱膨張により冷却される。そのような冷却により、振動・回転準位が低エネルギー側に偏って波長選択性が増大したガスは、レーザ4のような共鳴多光子を効率よく吸収したそのイオン化効率が増大する。イオン化されたガス中の分子は、加速電極5により加速され、質量に反比例する加速度を与えられてフライトチューブ6内で飛行し、リフレクトン7で反射して、検出器8に入射する。該フライトチューブ6の中での飛行時間を計測することによりその分子又は原子である粒子の質量が計算により求められ、検出器8の信号強度の比較から測定対象のPCB濃度を求めることができる。
【0010】
このような装置では、微量物質の検出を行うことができる点で原理的にはすぐれているが、レーザパルス時間幅がナノ秒レーザを用いているので、検出感度が低いという問題がある。
【0011】
また、上記有機ハロゲン化物の分解装置では、作業環境等中のPCB濃度が常に所定値以下であることを確認する必要があるので、上記PCBの分析は極微量であるので所定時間毎に測定装置が正常であることを確認するための校正が必要となる。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑み、例えばPCB等の微量成分濃度を監視するに際し、迅速且つ高感度な分析が可能な有機ハロゲン化物濃度校正装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の発明は、内部に所定濃度の有機ハロゲン化物を封入した標準容器と、該標準容器に上記有機ハロゲン化物を追い出す追出しガスを供給し、所定濃度の有機ハロゲン化物を同伴させ、質量分析装置へ導入する標準ガス導入管と具備する有機ハロゲン化物濃度校正装置において、上記標準容器内に複数の細孔を有するディスクが内装されていることを特徴とする有機ハロゲン化物濃度校正装置にある。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、上記標準容器内の底部に追出しガスを供給する供給管の供給口が臨むように挿入され、供給されたガスを容器上部から排出することを特徴とする有機ハロゲン化物濃度校正装置にある。
【0015】
第3の発明は、内部に所定濃度の有機ハロゲン化物を封入した標準容器と、該標準容器に上記有機ハロゲン化物を追い出す追出しガスを供給し、所定濃度の有機ハロゲン化物を同伴させ、質量分析装置へ導入する標準ガス導入管とを具備する有機ハロゲン化物濃度校正装置において、上記標準容器が着脱自在であり、上記着脱自在の標準容器が密閉容器に内装され、上記標準容器内に漏れ用検知物質を供給すると共に、上記密閉容器内に該検知物質を検出するセンサを設けたことを特徴とする有機ハロゲン化物濃度校正装置にある。
【0016】
第4の発明は、第の発明において、上記検知物質が水素であることを特徴とする有機ハロゲン化物濃度校正装置にある。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
[第1の実施の形態]
図1は本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物濃度校正装置の概略図である。図1に示すように本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物濃度校正装置10は、内部に所定濃度の有機ハロゲン化物11を封入した標準容器12と、該標準容器12に上記封入された有機ハロゲン化物11を追い出す追出しガス13を供給する追い出しガス供給管14と、該供給されたガス13により所定濃度の有機ハロゲン化物11を同伴させた標準ガス15を質量分析装置50へ導入する標準ガス導入管16とを具備するものである。
【0033】
また、追い出しガス供給管14から分枝され、標準容器にガスを供給する供給ライン21とガス排出ライン22には各々バルブ23、24が介装されている。また、追い出しガス供給管14と標準ガス導入管16との流路を開閉するバルブ25が介装されている。
【0034】
上記標準容器12は図示しない恒温保持手段により内部の雰囲気温度を容器外部の温度より+5〜30℃に保持するようにしている。これは、内部に封入された有機ハロゲン化物11の飽和濃度を一定に保持するためである。
【0035】
ここで、上記有機ハロゲン化物11がPCBの場合における飽和蒸気圧とPCBの濃度との関係を下記「表1」に示す。
なお、PCBにおいては塩素数が2〜4の場合には、恒温槽による温度制御を35℃(室温(=25℃)+10℃)とするのが好ましい。
また、PCBにおいては塩素数が5〜7の場合には、恒温槽による温度制御を50℃(室温(=25℃)+25℃)とするのが好ましい。
【0036】
【表1】
Figure 0003616060
【0037】
上記PCBの市販物質であるカネクロールKC300(商品名:鐘が淵化学社製)には、2塩素PCB、3塩素PCB、4塩素PCBが混在している。カネクロールKC400(商品名:鐘が淵化学社製)には、3塩素PCB、4塩素PCB、5塩素PCBが混在している。カネクロールK60(商品名:鐘が淵化学社製)には、5塩素PCB、6塩素PCB、7塩素PCBが混在している。
【0038】
上記PCBを所定の飽和状態とするには、標準容器内に標準溶液(例えばnヘキサン)に溶かしたPCB液を供給し、真空状態にして1時間脱気し、nヘキサンを除去し、その後密閉状態として100℃で1時間保持し、内部を均一化して飽和状態とする。
【0039】
上記標準ガス導入管16には、管内を150℃±20℃に保持する保温手段(例えばヒータ)26が設けられており、管の内部に有機ハロゲン化物が付着するのを防止するようにしている。
【0040】
また、上記標準ガス導入管16から標準容器12までの距離Dを上記標準ガス導入管16の管径(φ)の10倍程度とするのが好ましい。
これは、上記距離が短い場合には、バルブ24を開放した際に加熱されたガスが標準容器内に入り込むのを防ぐためである。
【0041】
上記PCB処理設備における排ガスの規制値は現在0.15mg/Nm(=15ppb/V)であるので、その1/5量をPCB標準として質量分析装置での校正ガスとして用いるとよい。よって、図2に示すように、標準ガス導入管16には希釈ガス(空気又は窒素等)27を供給する希釈ガス供給管28が接続され、所定濃度に希釈して標準ガス15としている。
【0042】
また、図3に示すように、上記標準容器12内には複数の細孔を有する複数のディスク31が積層されて内装されていると共に、上記標準容器12内の底部に追出しガス13を供給する供給管の供給口21aが臨むように挿入されている。そして、追い出しガス13を一度底部まで導入した後に、複数に積層されたディスク31の無数の細孔を介してガスを通過させ、飽和PCBを外部へ同伴するようにしている。
これにより、濃度が均一なPCBの標準品を質量分析装置へ導入することができる。
なお、図3中符号32は温度計を図示する。
【0043】
また、図4に示すように、上記ディスク31の代わりに、標準容器内にグラスファイバー又はビーズ33を充填するようにしてもよい。
【0044】
上記標準容器12の内面には、例えばポリテトラフルオロエチレン又は酸化ケイ素等のコーティング層を形成するようにしてもよい。これは、PCBが容器の壁内に浸透しないようにするためである。
【0045】
また、図5に示すように、上記標準容器12を脱着部材41を介しての着脱自在のカートリッジ式とすることもできる。
これにより、標準容器12装着が容易となり、複数の種類の標準品を装着が可能となる。
【0046】
また、図5に示すように、この着脱式の容器とする際に、該標準容器12を密閉容器42内で覆うようにしてもよい。このような密閉容器42で覆うようにすることで、着脱の際におけるPCBの漏れ等があった場合に、外部への漏洩を防止することができる。
【0047】
また、上記標準容器12内には検知物質を供給し、密閉容器42の内部に該検知物質を検知するセンサを設けることで、装着の不良を早期に発見することもできる。
【0048】
上記検知物質としては例えば水素等が好ましく、供給する追出しガス13に数%程度を混合し、公知の検知手段をカートリッジを覆う密閉容器42内壁に装着しておくことで、迅速な漏れの検知が可能となる。この結果、検知物質の検知により、装着不良が発見できることになる。なお、混合する水素は100%でもよいが、漏洩時の問題を考慮すると、好ましくは水素の爆発限界の4%以下とするのがよい。
【0049】
なお、カートリッジ式の標準容器12を覆う密閉容器内に有機ハロゲン化物の測定ライン100の採取口を別途設けることで、後述する質量分析装置60にてオンラインで測定する事も可能である。
【0050】
[第2の実施の形態]
図1は本実施の形態にかかる有機微量成分の検出装置の概略図である。図に示すように、本実施の形態にかかる有機微量成分の検出装置50は、有機微量成分の濃度を検出する検出装置であって、図1に示す有機ハロゲン化物濃度校正装置10と、通常の試料導入管51からの測定試料100を真空チャンバー52内へ連続的に洩れだし分子線53として導入する試料導入手段であるキャピラリカラム54と、上記洩れだし分子線53にレーザ光55を照射し、レーザイオン化させるレーザ照射手段54と、レーザイオン化した分子を収束させる複数のイオン電極からなる収束部56と、該収束された分子を選択濃縮するイオントラップ57と、一定周期で放出されたイオンをリフレクトロン58で反射させ、反射されたイオンを検出するイオン検出器59を備えた飛行時間型質量分析装置60とを具備してなるものである。なお、試料導入管には真空ポンプ61が設けられており、試料の一部のみを上記キャピラリカラム54へ導入している。
そして、この検出器59により検出された信号強度の比較から測定対象のPCB濃度を求めることができる。
計測されたPCB濃度は、監視司令室へ送ると共に、例えばモニタ装置(図示せず)等により外部へ公表するようにしてもよい。
【0051】
上記ハロゲン化物濃度校正装置10を設けることにより、PCB処理施設内におけるPCB濃度を連続して測定するに際し、飛行時間型質量分析装置60の測定変動があった場合でも迅速に校正することができる。
【0052】
また、試料導入管51と追い出しガス供給管14の各々にはモニタリング用の所定濃度の内部標準ガス(例えばモノクロルベンゼン)35が供給され、該モニタリング用ガスを監視することで、測定の変動を検知することができる。
【0053】
すなわち、通常の測定では、PCBの濃度はほぼ零であるので、実際に零なのか若しくは装置に異常又は配管に詰まり等があって零を示しているか等の適正か否かを判断するできない。しかし、上記モニタリングガスを供給することで常に一定濃度のピークとして検知されるので、その変動により装置や配管等の異常を迅速に検知することができる。
【0054】
また、標準ガス15として校正する場合においても、上記モニタリングガス35を供給することで、そのピークと標準ガスのピークとの比率が常に一定であれば、標準ガスも適正であることを確認することができる。
この、両者の測定した標準校正の測定チャートの一例を図6に示す。
【0055】
以下、測定装置の概要について説明するが、本発明の校正装置に適用できる測定装置は以下の装置に限定されるものではない。
【0056】
上記ガス置換された採取試料51を導入する上記キャピラリカラム54は、イオン収束部56にその先端が臨んでいるのが好ましく、具体的には、イオン収束部56を構成する電極の内の最もキャピラリカラム側の電極と面一又は電極よりもイオントラップ側へ突き出しているようにするとよい。
【0057】
また、上記キャピラリカラムの材質は、石英又はステンレスであることが好ましい。また、ステンレス製とした場合には、イオン収束部56により電場をかけることにより、制御が可能となる。
【0058】
上記キャピラリカラムの孔径は1mm以下、好適にはレーザ3mm程度とするのがよい。また、キャピラリカラムの吹き出し口からレーザ照射位置までの距離は近ければ近いほどよいが、あまり近すぎてもレーザ光により先端が破損するので、破損しない程度まで近づけて(例えば1〜2mm程度)イオン化効率を向上させることが好ましい。
【0059】
上記レーザ照射手段56から照射されるレーザ光55のパルス波長は、後述すつ実施例に示すように、300nm以下、好ましくは280nm以下、より好ましくは266±10nm程度とするのがよい。これは300nmを超えると測定対象である有機微量成分のイオン化が良好に行われないからである。
【0060】
上記レーザ照射手段56から照射されるレーザ光5のパルス時間幅は500ピコ(10-12)秒以下、より好ましくは200ピコ秒以下のパルスレーザであることが好ましい。これはパルス時間幅がナノ秒(10-9)のレーザでは検出感度が低く好ましくないからである。
【0061】
上記レーザ照射手段56から照射されるレーザ光のパルス繰り返し周波数は10MHz以上、特に好適には76MHzであることが好ましい。
これはパルス繰り返し周波数を向上させることで連続的にイオン化効率が向上するからである。
【0062】
このように、レーザ光のパルス時間幅を500ピコ秒(10−12 )以下と短くすることにより、レーザ光によるPCBの分解を抑制し、検出感度を向上することができる。
【0063】
上記計測装置を用い、所定測定回数又は時間が経過した場合に、有機ハロゲン化物濃度校正装置10からの標準ガス15で装置の校正をすることで、例えばPCB分解処理設備内のPCB濃度を迅速且つ的確に長期間に亙って測定することができる。
【0064】
[第3の実施の形態]
図7に上記計測装置を用いたPCB無害化処理設備におけるガス中の監視システムについて説明する。
に示すように、本実施の形態にかかるシステムは、有害物質である有機ハロゲン化物(例えばPCB)が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理システムであって、被処理物1001である有害物質( 例えばPCB)1002 を保存する容器1003から有害物質1002を抜き出す抜出し手段1004と、被処理物1001を構成する構成材1001a,b,…を解体する解体手段1005のいずれか一方又は両方を有する前処理手段1006と、前処理手段1006において処理された被処理物を構成する構成材であるコア1001aをコイル1001bと鉄心1001cとに分離するコア分離手段1007と、分離されたコイル1001bを銅線1001dと紙・木1001eとに分離するコイル分離手段1007と、上記コア分離手段1008で分離された鉄心1001cと解体手段1005で分離された金属製の容器 (容器本体及び蓋等)1003 とコイル分離手段1008で分離された銅線1001dとを洗浄液1010で洗浄する洗浄手段1011と、洗浄後の洗浄廃液1012及び前処理手段で分離した有害物質1002のいずれか一方又は両方を分解処理する有害物質分解処理手段1013と、PCB処理設備である有害物質分解処理手段1013から排出する排水133 中のPCB濃度を計測する排水モニタリング手段1100と、PCB処理物を解体する前処理手段1006内のPCB濃度及び有害物質分解処理手段1013から排出する排ガス131等のPCB濃度を計測する排気ガスモニタリング手段1200とを備えてなるものである。
【0065】
また、上記有害物質が液体等の場合には、有害物質分解処理手段1013に直接投入することで無害化処理がなされ、その保管した容器は構成材の無害化処理により、処理することができる。
【0066】
ここで、処理設備から排出される排気ガスについては、活性炭フィルタを通過した後の排ガス中のPCBの濃度を排気ガスモニタリング手段1200を用いて、PCBの排出基準以下であることを確認するようにしている。
さらに、設備内にとどまらず、設備外の環境中のPCB濃度を排気ガスモニタリング手段1200を用いて監視するようにしてもよい。
【0067】
上記有害物質処理手段1013としては、図8に示した水熱酸化分解処理する水熱酸化分解処理手段の他に、例えば超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理手段又はバッチ式の水熱酸化分解手段としてもよい。
【0068】
本発明で被処理物としては、例えば絶縁油としてPCBを用いてなるトランスやコンデンサ、有害物質である塗料等を保存している保存容器を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
また、蛍光灯用の安定器においても従来はPCBが用いられていたので無害化処理する必要があり、この場合には、容量が小さいので前処理することなく、分離手段1009に直接投入することで無害化処理することができる。
【0070】
よって、本計測装置を用いて、所定時間毎にPCBの濃度の有無を分析している際に、所定時間経過(例えば1週間又は10日等)する度に、校正装置から校正ガスを投入することで、常に測定装置が健全であることを実証することができる。
【0071】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、上記計測装置を用い、所定測定回数又は時間が経過した場合に、有機ハロゲン化物濃度校正装置からの標準品で校正をすることで、例えばPCB分解処理設備内のPCB濃度を迅速且つ的確に長期間に亙って測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物濃度校正装置の概略図である。
【図2】有機ハロゲン化物濃度校正装置の要部概略図である。
【図3】標準容器の概略図である。
【図4】他の標準容器の概略図である。
【図5】他の標準容器の概略図である。
【図6】標準校正の測定チャート図である。
【図7】PCB無害化処理システムの概略図である。
【図8】水熱分解装置の概要図である。
【図9】従来技術にかかるレーザ計測装置の概略図である。
【符号の説明】
10 有機ハロゲン化物濃度校正装置
11 所定濃度の有機ハロゲン化物
12 標準容器
13 追出しガス
14 追い出しガス供給管
15 標準ガス
16 標準ガス導入管
50 有機ハロゲン化物の検出装置
51 採取試料
52 真空チャンバー
53 洩れだし分子線
54 キャピラリカラム
55 レーザ光
56 収束部
57 イオントラップ
58 リフレクトロン
59 イオン検出器
60 飛行時間型質量分析装置

Claims (4)

  1. 内部に所定濃度の有機ハロゲン化物を封入した標準容器と、該標準容器に上記有機ハロゲン化物を追い出す追出しガスを供給し、所定濃度の有機ハロゲン化物を同伴させ、質量分析装置へ導入する標準ガス導入管と具備する有機ハロゲン化物濃度校正装置において、上記標準容器内に複数の細孔を有するディスクが内装されていることを特徴とする有機ハロゲン化物濃度校正装置。
  2. 請求項において、上記標準容器内の底部に追出しガスを供給する供給管の供給口が臨むように挿入され、供給されたガスを容器上部から排出することを特徴とする有機ハロゲン化物濃度校正装置。
  3. 内部に所定濃度の有機ハロゲン化物を封入した標準容器と、該標準容器に上記有機ハロゲン化物を追い出す追出しガスを供給し、所定濃度の有機ハロゲン化物を同伴させ、質量分析装置へ導入する標準ガス導入管とを具備する有機ハロゲン化物濃度校正装置において、上記標準容器が着脱自在であり、上記着脱自在の標準容器が密閉容器に内装され、上記標準容器内に漏れ用検知物質を供給すると共に、上記密閉容器内に該検知物質を検出するセンサを設けたことを特徴とする有機ハロゲン化物濃度校正装置。
  4. 請求項において、上記検知物質が水素であることを特徴とする有機ハロゲン化物濃度校正装置。
JP2002045801A 2001-06-06 2002-02-22 有機ハロゲン化物濃度校正装置 Expired - Fee Related JP3616060B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002045801A JP3616060B2 (ja) 2002-02-22 2002-02-22 有機ハロゲン化物濃度校正装置
CA002429886A CA2429886A1 (en) 2001-06-06 2002-06-05 Apparatus and method for detecting organic trace components
US10/432,430 US20040036018A1 (en) 2001-06-06 2002-06-05 Device and method for detecting trace amounts of organic components
KR10-2003-7001458A KR20030038681A (ko) 2001-06-06 2002-06-05 유기 성분의 트레이스량을 검출하는 장치 및 방법
EP09165288A EP2107594A3 (en) 2001-06-06 2002-06-05 Apparatus and method for detecting organic trace components
PCT/JP2002/005527 WO2002101376A1 (fr) 2001-06-06 2002-06-05 Dispositif et procede de detection de quantites infimes de composants organiques
AT02733305T ATE520144T1 (de) 2001-06-06 2002-06-05 Vorrichtung und verfahren zum nachweis von spuren organischer bestandteile
EP02733305A EP1394537B1 (en) 2001-06-06 2002-06-05 Device and method for detecting trace amounts of organic components
NO20030574A NO20030574L (no) 2001-06-06 2003-02-05 Apparat og fremgangsmåte for påvisning av organiske sporstoffer
LT2003056A LT5135B (lt) 2001-06-06 2003-06-06 Organinių komponentų pėdsakų aptikimo įtaisas ir būdas

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002045801A JP3616060B2 (ja) 2002-02-22 2002-02-22 有機ハロゲン化物濃度校正装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003247984A JP2003247984A (ja) 2003-09-05
JP3616060B2 true JP3616060B2 (ja) 2005-02-02

Family

ID=28659462

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002045801A Expired - Fee Related JP3616060B2 (ja) 2001-06-06 2002-02-22 有機ハロゲン化物濃度校正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3616060B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4603786B2 (ja) * 2003-09-22 2010-12-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ 化学物質モニタ装置及び化学物質モニタ方法
JP2007171064A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Nippon Steel Corp ガス分析用Jet−REMPI装置
JP4719012B2 (ja) * 2006-01-20 2011-07-06 株式会社東芝 イオン化法ガス検出装置およびイオン化法ガス検出方法
JP5560628B2 (ja) * 2009-09-04 2014-07-30 ソニー株式会社 検査装置および検査方法
TWI772330B (zh) * 2016-10-14 2022-08-01 荷蘭商蜆殼國際研究所 用於定量分析氣態製程流之方法及設備
JP6935241B2 (ja) * 2017-06-15 2021-09-15 株式会社堀場製作所 除去部材、校正装置、及びガス分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003247984A (ja) 2003-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3616060B2 (ja) 有機ハロゲン化物濃度校正装置
KR20030038681A (ko) 유기 성분의 트레이스량을 검출하는 장치 및 방법
JP3593085B2 (ja) 試料濃縮装置及び有機微量成分の検出装置
JP3891902B2 (ja) 有機微量成分の検出装置
JP3881883B2 (ja) 有機ハロゲン化物処理設備監視システム
JP2002005799A (ja) 微量金属不純物の分析方法
JP3540756B2 (ja) 有機微量成分の検出装置
JP3605386B2 (ja) レーザ測定装置及び方法
JP4175458B2 (ja) 洗浄装置及びこれを利用する有機ハロゲン化物の検出装置
JP3593088B2 (ja) 有害物質計測装置
JP3593064B2 (ja) 有機微量成分の検出装置
JP3626930B2 (ja) レーザ測定装置及び方法
JP3785060B2 (ja) 有機ハロゲン化物の検出装置
JP4719011B2 (ja) レーザーイオン化ガス検出装置およびレーザーイオン化ガス分析方法
JP2002328079A (ja) 有機微量成分の検出装置
JP2002181787A (ja) 有機ハロゲン化物の検出装置及び方法
JP4719012B2 (ja) イオン化法ガス検出装置およびイオン化法ガス検出方法
JP3665047B2 (ja) 有機微量成分の検出装置
JP2002367559A (ja) 有機微量成分の検出装置
TWI221518B (en) Device and method for detecting trace amounts of organic components
JP2002367557A (ja) 有機微量成分の検出装置
JP2002323414A (ja) 残留物量測定装置
JP3477457B2 (ja) 有機ハロゲン化物分解処理システム
JP3605385B2 (ja) レーザ測定装置及び方法
JP3692342B2 (ja) 有機微量成分の検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041012

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041102

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111112

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111112

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121112

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees