JP6375690B2 - シリンジニードル一体型固相抽出装置及びそれを用いた試料前処理方法 - Google Patents

シリンジニードル一体型固相抽出装置及びそれを用いた試料前処理方法 Download PDF

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Description

本発明は試料から不要成分を除去する前処理のための固相抽出カートリッジがシリンジ及びニードルと一体になったシリンジニードル一体型固相抽出装置と、それを用いた試料前処理方法に関するものである。そのようなシリンジニードル一体型固相抽出装置はMEPS(Micro Extraction by Packed Sorbent)とも呼ばれ、単独での試料前処理装置として利用することもできるが、ガスクロマトグラフ(GC)や、検出器として質量分析計を備えたガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)などにおいて試料を前処理して注入する器具として利用することができる。
MEPSは固相抽出カートリッジがシリンジ及びニードルと一体になっており、ニードルから固相抽出カートリッジを経てシリンジに液を吸入し、吸入した液を再び固相抽出カートリッジを経てニードルから吐出する。そのため、固相抽出カートリッジのみの従来の固相抽出装置に比べて、液の吸入と吐出を簡便に操作でき、また固相抽出カートリッジを洗浄して他の液の吸入と吐出を行う繰返し使用も操作が簡単であるという特徴をもっている。
MEPSは、通常のマイクロシリンジと同様に、ニードルを試料バイアルに突き刺し、プランジャを上下させることにより試料溶液等の吸引−吐出を行って固相抽出カートリッジの充填剤に目的試料を保持した後、試料溶液と極性やpHの異なる溶出溶媒を用いて充填剤より脱離させることで抽出、濃縮等を行うことができる。
MEPSによる一般的な操作手順として、固相抽出カートリッジを交換すると、まず洗浄を行う。そして、処理しようとする試料溶液の溶媒と同じ溶媒でカートリッジを洗浄し、カートリッジに残る不要な溶媒を除去するためにプランジャの前進と後退を繰り返すエアポンピングを行う。
さらに、サンプルロードの前に溶出溶媒以外の溶媒でカートリッジを洗浄してカートリッジの充填剤に吸着している不要な化合物を除去し、その後、ニードルを試料バイアルに挿入して試料溶液をシリンジ内に吸引することにより、カートリッジの充填剤に試料成分を吸着させて保持するサンプルロードを行う。そして、カートリッジの充填剤を溶出溶媒以外の溶媒で洗浄して目的化合物以外の不要な化合物を除去した後、ニードルからシリンジ内への空気の吸引と排出を繰返することにより、カートリッジの充填剤を乾燥する。その後、ニードルからシリンジ内へ溶出溶媒を吸引し、カートリッジの充填剤に保持されていた目的化合物を溶出してガスクロマトグラフへ注入したり調製試料バイアルへ吐出したりする。
さらに、他の試料溶液のためにカートリッジの充填剤に残留する先の試料成分を除去するために、先の試料溶液の溶出溶媒で洗浄する再コンディショニングを行う。
また、固相抽出装置では固相抽出カートリッジの充填剤を流れる試料溶液や溶媒等の流速が試料成分の保持や溶出効率に大きく影響するため、MEPSはそれらの流速が一定に制御されるオートインジェクタ等を用いて使用されることが多い(特許文献1参照。)。
特開2012−42253号公報
MEPSの操作では、コンディショニング用溶媒、試料溶液、洗浄用溶媒や溶出用溶液等、ステップ毎に異なる特性をもった溶液を使用するので、溶液を変更する前後で双方の溶液間に親和度が低い場合には、充填剤の間隙に残る前ステップに使用した溶液の影響を防ぐために溶媒を揮発させて乾燥をうながしている。基端側が溶液注入のために解放されている固相抽出カートリッジであれば、先端側から窒素などの乾燥気体を送り込んで充填剤を乾燥させることができる。しかし、MEPSではシリンジ内にプランジャが挿入されていてシリンジの基端側が密閉されているので、シリンジの先端から乾燥気体を送り込むことはできない。そのため、ニードル先端を溶液に浸けずに、空気中でプランジャを前進と後退をさせるポンピングにより充填剤を空気でパージしている。
しかし沸点の高い溶媒等は揮発しにくくポンピングの回数を多くしても充填剤を十分に乾燥させることが難しい場合がある。前ステップの溶媒等が充填剤表面に残留していると、充填剤に保持されている目的化合物を前ステップの溶媒等に対して親和度の低い溶出用溶媒により溶出する際、その残留溶媒が溶出用溶媒が充填剤表面へ接触するのを阻害する場合がある。例えば、スチレンジビニルベンゼン共重合体系の吸着剤は水中農薬の分析によく用いられるものであるが、その吸着材に水中農薬を吸着させた後、疎水系の溶媒で洗浄や溶出をしようとしたとき、吸着材に水が残っていると疎水系の溶媒を使用できないという制約が生じる。その結果、目的化合物の前処理効率や回収率を低下させる問題につながる。
本発明は、カートリッジの充填剤の乾燥を促進する機構をもったシリンジニードル一体型固相抽出装置と、それを用いた試料前処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明のシリンジニードル一体型固相抽出装置は、シリンジの先端部側にニードルが設けられ、そのニードルとシリンジとの間に固相抽出カートリッジが配置されたものである。シリンジはそのバレルの先端部に開口をもち、固相抽出カートリッジはその開口とニードルとの間に配置されている。固相抽出カートリッジには固相抽出剤が充填されている。バレル内には前記開口を介して液の吸引と吐出のために摺動可能に設けられたプランジャをもつ。
そして、シリンジへの液の吸引時にプランジャがシリンジの基端部側へ最も後退したときのプランジャの先端位置よりも基端部側に設けられた気体排出部を備えている。
本発明のシリンジニードル一体型固相抽出装置において、気体排出部がバレル内と通じる位置までプランジャを後退させると、ニードル−固相抽出カートリッジの充填剤−バレル−気体排出部にわたって気体が流れるパージ流路が形成される。この状態でニードルを例えばガスクロマトグラフの試料往入部に挿入すれば、試料注入部に供給されるキャリアガスがニードルから固相抽出カートリッジの充填剤を通ってバレルから気体排出部へと流れ、固相抽出カートリッジの充填剤のドライパージを行うことができる。固相抽出カートリッジの充填剤を通って気体を流すためには、ニードルは必ずしもガスクロマトグラフの試料往入部に挿入する必要はなく、ガスクロマトグラフの試料往入部に相当するようなキャリアガス又は他の適当な乾燥気体が供給されるものであれば特に限定されない。
前記気体排出部の一実施形態は開口をもつバレルの側壁であり、その開口はバレルの基端部側に設けられている。
前記気体排出部の他の実施形態はバレルの基端部であり、シリンジへの液の吸引時と吐出時にプランジャの先端が移動する範囲のバレルの内径より大きい内径をもっている。
本発明の試料前処理方法は、本発明のシリンジニードル一体型固相抽出装置を用いて試料容器を前処理する方法である。その試料前処理方法は、前記ニードルと前記固相抽出剤を経て試料溶液を吸引し、その吸引した試料溶液を前記固相抽出剤と前記ニードルを経て排出することにより前記固相抽出剤に試料溶液中の目的化合物を吸着させる工程と、前記ニードルと前記固相抽出剤を経て溶出溶媒以外の溶媒を吸引し、その吸引した溶媒を前記固相抽出剤と前記ニードルを経て排出することにより前記固相抽出剤を溶出溶媒以外の溶媒で洗浄する工程と、前記ニードルの先端がガスクロマトグラフの試料注入部又はそれに相当する機能をもつ処理装置に挿入され、前記プランジャが後退させられて前記ニードルの先端開口が前記固相抽出剤を経て前記気体排出部に通じている状態にすることにより、前記固相抽出剤に付着した溶出溶媒以外の溶媒を乾燥させる工程と、を含んでいる。
本発明によれば、空気中でMEPSのプランジャを前進と後退をさせるポンピングでは取りきれなかった固相抽出カートリッジ充填剤の溶媒を、ドライパージにより十分に取り除くことができるようになる。その結果、少なくとも目的化合物を溶出させるステップにおいて溶出溶媒の固相抽出カートリッジ充填剤表面への接触を確実にし、目的化合物の回収率を向上させることができる。
さらに、ドライパージを目的化合物の溶出ステップの直前以外のステップの直前にも適用すれば、それらのステップにおける前処理効率も向上させることができる。
第1の実施例を図1に示す図であり、(A)はニードルをガスクロマトグラフの試料注入部に挿入した状態を示す概略断面図、(B)は気体排出部部分を示す概略断面図である。 他の実施例の気体排出部部分を示す概略断面図である。 一実施例を用いてガスクロマトグラフに試料を注入する動作をガスクロマトグラフとともに示す概略構成図である。 一実施例を用いてガスクロマトグラフに試料を注入する動作を示すフローチャートである。
シリンジニードル一体型固相抽出装置の第1の実施例を図1に示す。(A)は同実施例におけるニードルをガスクロマトグラフの試料注入部に挿入して固相抽出カートリッジ内の充填剤を乾燥させるステップの状態で示している。(B)は同実施例における気体排出部部分を示す概略断面図である。
このシリンジニードル一体型固相抽出装置におけるシリンジ2は、先端部に開口をもっている円筒状のバレル4と、バレル4の基端部の開口からバレル4中に挿入されたプランジャ6とから構成されている。プランジャ6は、その先端に円柱状のチップ6aをもち、チップ6aがバレル4の内壁に対して気密を保って摺動しながら移動できるように、チップ6aの外径とバレル4の内径の寸法が設定されている。
バレル4の先端部側にニードル8が設けられ、ニードル8とバレル4の先端部の開口との間に固相抽出カートリッジ10が配置されている。固相抽出カートリッジ10内には充填剤として固相抽出剤が充填されており、その固相抽出剤を介してニードル8の先端の開口とバレル4内が通じている。
シリンジ2はバレル4の基端部側に、気体排出部として、バレル4の側壁に貫通した孔12を備えている。孔12の直径は0.8−2mmが適当である。
その孔12が形成されている位置は、バレル4内への液の吸引時にプランジャ6がバレル4の基端部側へ最も後退したときのプランジャのチップ6aの先端位置L1よりも基端部側である。バレル4には、その位置L1よりも先端側に、バレル4内に吸引した液量を示すための目盛り14が設けられている。
プランジャのチップ6aの先端位置が位置L1よりも先端側にあるときは孔12とニードル先端の開口の間にはプランジャのチップ6aが存在するので、ニードル先端の開口と孔12は通じていない。プランジャのチップ6aの先端が位置L1まで後退した状態でも、ニードル先端の開口と孔12はまだ通じない。プランジャのチップ6aの先端位置が、孔12が現れるところまで後退すると、ニードル先端の開口と孔12が通じる。孔12の位置はそのように設定されている。
固相抽出カートリッジ10に充填剤として充填されている固相抽出剤は、特に限定されるものではなく、例えば、ガスクロマトグラフや液体クロマトグラフに注入される試料から目的化合物以外を除去したり目的化合物を濃縮したりするための前処理用の固相抽出剤を使用することができる。そのような固相抽出剤としては、シリカゲルを基材としたC2、C8又はC18等のシリカ系吸着剤や、水中農薬の分析によく用いられるスチレンジビニルベンゼン共重合体系の吸着剤などを挙げることができるが、本発明は固相抽出剤を特徴とするものではないので、もちろんこれらに限定されるものではない。
図2はシリンジニードル一体型固相抽出装置の第2の実施例における気体排出部部分を示している。図2(A)の実施例は、シリンジのバレル4aは、気体排出部として、基端部16bの内径がバレル4aへの液の吸引時と吐出時にプランジャ先端のチップ6aが移動する範囲16aのバレル4aの内径よりも大きくされている。液の吸引時と吐出時にプランジャ先端のチップ6aが移動する範囲16aと、内径がそれよりも大きくされている基端部16bとの間にはテーパ部18が形成されている。
テーパ部18を含めてバレル4aの内径が大きくされている基端部16bは、バレル4内への液の吸引時にプランジャ6がバレル4の基端部側へ最も後退したときのプランジャのチップ6aの先端位置L1よりも基端部側である。バレル4aには、その位置L1よりも先端側に、バレル4a内に吸引した液量を示すための目盛り14が設けられている。
この実施例においても、プランジャのチップ6aの先端位置が位置L1よりも先端側にあるときは基端部16bとニードル先端の開口の間にはプランジャのチップ6aが存在するので、ニードル先端の開口と基端部16bの開口は通じていない。プランジャのチップ6aの先端が位置L1まで後退した状態でも、ニードル先端の開口と基端部16bの開口はまだ通じない。プランジャのチップ6aの先端位置が、テーパ部18が現れるところまで後退すると、ニードル先端の開口と基端部16bの開口がチップ6aとテーパ部18の隙間を介して通じる。テーパ部18の位置はそのように設定されている。
プランジャ6を図2(A)に示されるように、そのチップ6aが位置L1よりも基端部側に後退させられた状態からプランジャ6を前進させるときは、チップ6aがテーパ部18により案内されてバレル4aの位置L1よりも先端側に挿入される。テーパ部18はチップ6aを基端部16bからバレル4aの部分16aへ導くガイドの機能を果たしている。
図2(B)の実施例における気体排出部は、基端部16bの内径がバレル4aへの液の吸引時と吐出時にプランジャ先端のチップ6aが移動する範囲16aのバレル4aの内径よりも大きくされている点では図2(A)の実施例と同じである。しかし、この実施例では、範囲16aと16bの間は段差21となっており、プランジャ先端のチップ6aの先端側にテーパ部22が形成されている。
図2(B)の実施例においても、プランジャのチップ6aの先端位置が、段差21が現れるところまで後退すると、ニードル先端の開口と基端部16bの開口が段差21とチップのテーパ部22の隙間を介して通じる。
図1と図2の実施例の固相抽出装置を用いて、カートリッジ10の充填剤を溶出溶媒以外の溶媒で処理した後、その溶媒を充填剤から除去するための操作は、図1に示されるように行う。すなわち、ニードル8をガスクロマトグラフの試料注入部20、又はそれに相当してキャリアガスが供給される装置に挿入し、プランジャ6先端のチップ6aが孔12の位置よりも基端部側、又はバレルの基端部16b側にくるようにプランジャ6を後退させる。試料注入部20又はそれに相当する装置にはキャリアガスが供給されているので、キャリアガスがニードル8の先端の開口から入り、カートリッジ10の充填剤を通り、バレル4内を経て孔12又は基端部16bの開口から外部に流れる。これにより、カートリッジ10の充填剤がキャリアガスによりドライパージされ、充填剤に付着していた溶剤が除去される。
この図1又は図2の実施例の固相抽出装置を用いる装置の一例として、ガスクロマトグラフに試料を自動的に注入するオートインジェクタを図3に示す。
図3(A)はオートインジェクタを備えたガスクロマトグラフを概略的に示している。ガスクロマトグラフ30はキャリアガスにより導入された試料を成分に分離するカラム32の入口側に試料注入部34を備え、カラム32の出口側にカラム32で分離された試料成分を検出する検出器36を備えている。試料注入部34にはヘリウムや窒素などのキャリアガスがキャリアガス供給部(図示略)から供給されており、キャリアガスはカラム32から検出器36を経て外部へ流れている。
オートインジェクタは、ガスクロマトグラフ30の上部に配置された試料注入装置40を備えており、さらに試料注入装置40に試料溶液、溶媒、洗浄液及び廃液容器を供給する試料供給装置42も備えている。
シリンジニードル一体型固相抽出装置は固相抽出カートリッジ10を備えている点を除いて、オートインジェクタで使用する標準のマイクロシリンジと同じ仕様にすることができる。この実施例の固相抽出装置もそのような標準のマイクロシリンジと同じ仕様に構成されている。
試料注入装置40はシリンジ駆動部を備えており、シリンジ駆動部は試料注入装置40に装着されたシリンジ2上下方向に移動させるとともに、プランジャ6をバレル4に対して前進させたり後退させたりすることができるように構成されている。プランジャ6をバレル4に対して移動させる動作は、本実施例の固相抽出装置50では、プランジャ6先端のチップ6aが孔12の位置よりも基端部側、又はバレルの基端部16b側にくるようにプランジャ6を後退させる必要があるので、試料注入装置40のシリンジ駆動部はプランジャ6の移動範囲に対応できるように構成されており、制御部44はそのような動作も制御するようプログラムが施されている。
試料供給装置42は、試料溶液、溶媒、洗浄液及び廃液容器を保持し、固相抽出装置50の操作に応じて必要な試料溶液、溶媒、洗浄液又は廃液容器を固相抽出装置50のニードル8の下部に搬送するように構成されている。ガスクロマトグラフ30は、さらに試料注入装置40、試料供給装置42及びガスクロマトグラフ30の動作を制御する制御部30も備えている。制御部30はこのガスクロマトグラフ30に専用のコンピュータまたは汎用のパーソナルコンピュータからなり、CPUのほか、入力部及び表示部も備えている。
図3(B)は、試料注入装置40に実施例の固相抽出装置50を装着した状態を示している。
このオートインジェクタにおいて実施例の固相抽出装置50を用いてガスクロマトグラフ30に試料を注入する動作を図4のフローチャートを参照して説明する。固相抽出カートリッジ10を交換して新たなカートリッジ10をシリンジ2に装着した時の操作から説明する。
(1)初期コンディショニング:
このステップでは、シリンジ駆動部は固相抽出装置50を試料導入部34の上方に保持し、固相抽出装置50のニードル8は試料導入部34に挿入されていない。交換したカートリッジ10の充填剤の初期洗浄を行うために、試料供給部42により洗浄液がニードル8の下方に配置され、シリンジ駆動部によりニードル8が洗浄液に挿入されてバレル4に吸入される。その後、ニードル8が洗浄液から離され、ニードル8の下方に廃液容器が配置されてバレル4内の洗浄液が排出されることにより、充填剤が洗浄される。洗浄液としては、例えばアセトンなどを使用する。
(2)コンディショニング:
シリンジ駆動部と試料供給部42により、処理しようとする試料溶液の溶媒と同じ溶媒(溶媒1)をニードル8からバレル4内に吸入する工程と、吸入した溶媒をニードル8から排出する工程からなるサイクルが1回又は複数回繰り返される。カートリッジ10の充填剤がその溶媒で洗浄される。
(3)乾燥1:
シリンジ駆動部によりニードル8の先端が試料注入部34に挿入され、プランジャ6先端のチップ6aが孔12の位置よりも基端部側、又はバレルの基端部16b側にくるようにプランジャ6を後退させられる。これにより、キャリアガスがニードル8の先端の開口から入り、カートリッジ10の充填剤を通り、バレル4内を経て孔12又は基端部16bの開口から外部に流れ、カートリッジ10の充填剤がキャリアガスによりドライパージされ、充填剤に付着していた溶媒が除去される。
(4)サンプルロード前溶媒洗浄:
シリンジ駆動部と試料供給部42により、溶出溶媒以外の溶媒(溶媒2)をニードル8からバレル4内に吸入する工程と、吸入した溶媒をニードル8から排出する工程からなるサイクルが1回又は複数回繰り返される。カートリッジ10の充填剤がその溶媒で洗浄される。溶出溶媒は目的成分を溶出するためのものであり、それ以外の溶媒で洗浄することによりカートリッジの充填剤に吸着している不要な化合物が除去される。また充填剤のpHを調整したり活性度を上げたりするためにも用いられる。
(5)サンプルロード:
シリンジ駆動部と試料供給部42により、ニードル8を試料バイアルに突き刺し、プランジャ6を後退させて試料溶液をバレル4内に吸引し、又はさらには吸引と排出を繰返することにより、カートリッジの充填剤に試料成分を吸着させて保持する。
(6)溶媒洗浄:
シリンジ駆動部と試料供給部42により、溶出溶媒以外の溶媒をニードル8からバレル4内に吸入する工程と、吸入した溶媒をニードル8から排出する工程からなるサイクルが1回又は複数回繰り返される。カートリッジ10の充填剤がその溶媒で洗浄される。このステップでの溶媒は、溶媒2と同じであってもよく、又は別の溶媒であってもよい。溶出溶媒以外の溶媒であるので、目的化合物はカートリッジ10の充填剤に保持されたままである。
(7)乾燥2:
シリンジ駆動部と試料供給部42により、ニードル8の先端が試料注入部34に挿入され、プランジャ6先端のチップ6aが孔12の位置よりも基端部側、又はバレルの基端部16b側にくるようにプランジャ6を後退させられる。これにより、キャリアガスがニードル8の先端の開口から入り、カートリッジ10の充填剤を通り、バレル4内を経て孔12又は基端部16bの開口から外部に流れ、カートリッジ10の充填剤がキャリアガスによりドライパージされ、充填剤に付着していた溶媒が除去される。
(8)溶出、GCへ注入:
シリンジ駆動部と試料供給部42により、ニードル8からバレル4内へ溶出溶媒を吸引し、カートリッジ10の充填剤に保持された目的化合物を溶出して試料注入部34へ注入する。
(9)再コンディショニング:
他の試料溶液のためにカートリッジ10の充填剤に残留する先の試料成分を除去するために、シリンジ駆動部と試料供給部42により、先の試料溶液の溶出溶媒で洗浄する。
さらに分析試料が存在する場合は、コンディショニングのステップに戻って操作を繰り返す。
このように、ガスクロマトグラフ30の試料注入部34のキャリアガス圧力を利用すると、シリンジ2のニードル8が抵抗管の役目を果たして固相抽出カートリッジ10の充填剤にキャリアガスを供給することができる。供給されたキャリアガスはカートリッジ10の充填剤からバレル4を経て孔12又はバレル基端部16bの開口から排出させられるので、充填剤のドライパージ用のガス供給配管等を別途用意することなく、ガスクロマトグラフ30のオートインジェクタの構成のままで充填剤を乾燥させることができる。このように、シリンジ2のバレルにわずかな改良を加えるだけで、キャリアガスを充填剤の乾燥工程に利用できるようになり、しかもエアポンピングにおける充填剤の乾燥不良に起因する不具合を軽減することができる。
図3の動作では実施例の固相抽出装置50を用いてガスクロマトグラフ30に試料を注入する場合を示しているが、必ずしもガスクロマトグラフ30に試料を注入する場合に限らず、ガスクロマトグラフ30のオートインジェクタを他の分析装置の前処理装置として利用することもできる。その場合は、図4の工程において、「初期コンディショニング」又は「コンディショニング」から「乾燥2」までを行ったところで、固相抽出装置50をオートインジェクタの試料注入装置40から取り外し、他の分析装置の試料注入部に装着して溶出から試料注入を行うようにすればよい。
ガスクロマトグラフを利用できない場合は、ガスクロマトグラフの試料注入部に相当する機能をもつ処理装置を用意して、それを試料注入を行う分析装置の前処理装置とすることができる。そのような処理装置は、ガスクロマトグラフの試料注入部のキャリアガスと同様のパージガスを供給できるように、注入口セプタム等をもち固相抽出装置50を挿入できるダミー試料導入部を備えたものである。さらに、オートインジェクタの機能と同様の機能を備えて、図4に示した操作の乾燥2までの操作を自動で行うように構成されていることが好ましい。
2 シリンジ
4、4a バレルバレル
6 プランジャ
6a チップ
8 ニードル
10 固相抽出カートリッジ
12 孔
18、22 テーパ部
30 ガスクロマトグラフ
32 カラム
34 試料注入部
36 検出器
40 試料注入装置
42 試料供給装置

Claims (4)

  1. 先端部に開口をもつバレル及び前記バレル内に摺動可能に設けられたプランジャをもつシリンジ、前記シリンジへの液の吸引時に前記プランジャが前記シリンジの基端部側へ最も後退したときの前記プランジャの先端位置よりも基端部側に設けられた気体排出部、前記シリンジの先端部側に設けられたニードル、及び前記開口と前記ニードルの間に配置され、固相抽出剤が充填された固相抽出カートリッジを備えたシリンジニードル一体型固相抽出装置と、
    キャリアガスが供給され、前記シリンジニードル一体型固相抽出装置の前記ニードルの先端が挿入される内部空間を有する試料注入部と、
    一端が前記試料注入部と連通し、前記試料注入部を通じて注入された試料を分離するためのカラムと、
    前記カラムの他端と連通し、前記カラムで分離された成分を検出するための検出器と、を備え、
    前記シリンジニードル一体型固相抽出装置の前記ニードルの先端が前記試料注入部の前記内部空間に挿入され、前記気体排出部が前記バレル内と通じる位置まで前記プランジャが後退したときに、前記試料注入部に供給される前記キャリアガスによって前記固相抽出カートリッジの前記固相抽出剤の乾燥を行なうことができるように構成された、ガスクロマトグラフ。
  2. 前記気体排出部は、前記バレルの基端部側に設けられた孔をもつ、前記バレルの側壁である請求項1に記載のガスクロマトグラフ
  3. 前記気体排出部は、前記シリンジへの液の吸引時と吐出時に前記プランジャの先端が移動する範囲の前記バレルの内径より大きい内径をもつ、前記バレルの基端部である請求項1に記載のガスクロマトグラフ
  4. 先端部に開口をもつバレル及び前記バレル内に摺動可能に設けられたプランジャをもつシリンジ、前記シリンジへの液の吸引時に前記プランジャが前記シリンジの基端部側へ最も後退したときの前記プランジャの先端位置よりも基端部側に設けられた気体排出部、前記シリンジの先端部側に設けられたニードル、及び前記開口と前記ニードルの間に配置され、固相抽出剤が充填された固相抽出カートリッジを備えたシリンジニードル一体型固相抽出装置を用い、
    前記ニードルと前記固相抽出剤を経て試料溶液を吸引し、その吸引した試料溶液を前記固相抽出剤と前記ニードルを経て排出することにより前記固相抽出剤に試料溶液中の目的化合物を吸着させる工程と、
    前記ニードルと前記固相抽出剤を経て溶出溶媒以外の溶媒を吸引し、その吸引した溶媒を前記固相抽出剤と前記ニードルを経て排出することにより前記固相抽出剤を溶出溶媒以外の溶媒で洗浄する工程と、
    前記ニードルの先端がガスクロマトグラフの試料注入部又はそれに相当する機能をもつ処理装置に挿入され、前記プランジャが後退させられて前記ニードルの先端開口が前記固相抽出剤を経て前記気体排出部に通じている状態にすることにより、前記固相抽出剤に付着した溶出溶媒以外の溶媒を乾燥させる工程と、
    を含む試料前処理方法。
JP2014101958A 2014-05-16 2014-05-16 シリンジニードル一体型固相抽出装置及びそれを用いた試料前処理方法 Active JP6375690B2 (ja)

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