JP2002257807A - 有機ハロゲン化物の検出装置及び方法 - Google Patents

有機ハロゲン化物の検出装置及び方法

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JP2002257807A
JP2002257807A JP2001381081A JP2001381081A JP2002257807A JP 2002257807 A JP2002257807 A JP 2002257807A JP 2001381081 A JP2001381081 A JP 2001381081A JP 2001381081 A JP2001381081 A JP 2001381081A JP 2002257807 A JP2002257807 A JP 2002257807A
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JP2001381081A
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English (en)
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Chisato Tsukahara
千幸人 塚原
Masakazu Tateishi
正和 立石
Kenichi Arima
謙一 有馬
Keigo Baba
恵吾 馬場
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PCB、ダイオキシン類等の処理水又は排水
中の有機ハロゲン化物の検出装置及び方法を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 水溶液中の有機ハロゲン化物の濃度を検
出する検出装置であって、採取試料11を導入し、固相
吸着材で有機ハロゲン化物(PCB)を保持する固相・
吸着手段12と、該固相・吸着手段12からの溶出液1
6を導入し、溶出された有機ハロゲン化物の定性及び定
量分析を行う検出手段14とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばPCB、ダ
イオキシン類等の処理水又は排水中の有機ハロゲン化物
の検出装置及び方法に関する。
【0002】
【背景技術】近年では、PCB(Polychlorinated biph
enyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体
の総称)が強い毒性を有することから、その製造および
輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃か
ら国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっ
かけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972
年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義
務)が出された経緯がある。
【0003】PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜1
0個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって
理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のP
CB製品において約100種類以上の異性体が確認され
ている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体
内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化
学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状であ
る。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつで
あって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率
が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能である
という性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残
留することが報告されている。この結果、PCBは体内
で極めて安定であるので、体内に蓄積され慢性中毒(皮
膚障害、肝臓障害等)を引き起し、また発癌性、生殖・
発生毒性が認められている。
【0004】PCBは、従来からトランスやコンデンサ
などの絶縁油として広く使用されてきた経緯があるの
で、PCBを処理する必要があり、本出願人は先に、P
CBを無害化処理する水熱分解装置を提案した(特開平
11−253796号公報、特開2000−12658
8号公報他参照)。この水熱分解装置の概要の一例を図
5に示す。
【0005】図5に示すように、水熱分解装置120
は、サイクロンセパレータ121を併設した筒形状の一
次反応器122と、PCB、H2OおよびNaOHの処
理液123を加圧する加圧ポンプ124と、当該混合液
を予熱する予熱器125と、配管を巻いた構成の二次反
応器126と、冷却器127および減圧弁128とを備
えてなるものである。また、減圧弁127の下流には、
気液分離器129、活性炭槽130が配置されており、
排ガス(CO2 )131は煙突132から外部へ排出さ
れ、排水(H2 O,NaCl)133は別途、必要に応
じて排水処理される。また、処理液123となるPCB
の配管134には、H2OおよびNaOHがそれぞれ導
入される。また、酸素の配管135は、一次反応器12
5に対して直結している。
【0006】上記装置において、加圧ポンプ124によ
る加圧により一次反応器122内は、26MPaまで昇
圧される。また、予熱器125は、PCB、H2Oおよ
びNaOHの混合処理液123を300℃程度に予熱す
る。また、一次反応器122内には酸素が噴出してお
り、内部の反応熱により380℃〜400℃まで昇温す
る。サイクロンセパレータ121は、一次反応器122
内で析出したNa2CO3の結晶粒子の大きなものを分離
し、Na2CO3の微粒子を二次反応器126に送る。こ
のサイクロンセパレータ121の作用により、二次反応
器126の閉塞が防止される。この段階までに、PCB
は、脱塩素反応および酸化分解反応を起こし、NaC
l、CO2およびH2Oに分解されている。つぎに、冷却
器127では、二次反応器126からの流体を100℃
程度に冷却すると共に後段の減圧弁128にて大気圧ま
で減圧する。そして、気液分離器129によりCO2
よび水蒸気と処理水とが分離され、CO2および水蒸気
は、活性炭槽130を通過して環境中に排出される。
【0007】このような処理装置を用いてPCB含有容
器(例えばトランスやコンデンサ)等を処理すること
で、完全無害化がなされているが、さらにその施設内か
ら排出する排水の監視が重要である。
【0008】しかしながら、監視のための排水中の微量
PCBの計測方法として、従来では、例えば公定法や
抗体免疫法等がある。この従来の計測手法の概要を説
明する。 従来の公定法 図6に示すように、環境庁が公示する公定排水基準計測
用の手法では、採取試料01を溶媒02としてn−ヘキ
サンを用いて分離し(S01)、その後、濃縮し(S0
2)、濃縮液をアルカリ分解し(S03)、抽出・洗浄
した後(S04)、この分解液からn−ヘキサンで抽出
し(S05),その後、脱水(S06)・濃縮(S0
7)をした後に、シリカゲルカラム分離し(S08)、
その後濃縮して(S09)、ガスクロマトグラフ分析す
る(S010)、という工程によって分析を行ってい
る。この工程は時間を要し、その分析結果を得るまでに
は、約2日間を要しているので、迅速分析には対応でき
ないという、問題がある。
【0009】抗体免疫法 図7に示すように、採取試料01に酵素03を添加し、
PCBと選択的に反応させて抗体結合し(S011)、
その後所定時間培養し(S012)、デカンテーション
し(S013)、発色溶液04を添加し、静置し(S0
14)、発色させ(S015)、吸光光度計で計測する
(S016)という工程を行っている。この工程では、
PCBに類似の中間生成物も酵素の抗体結合により反応
されているので、PCBの定量の精度と信頼性が低い、
という問題がある。
【0010】本発明は、上記問題に鑑み、排水中のPC
Bの監視するに際し、迅速且つ再現性が高い分析が可能
な処理水又は排水中の有機ハロゲン化物の検出装置及び
方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の発明は、水溶液中の有機ハロゲン化物の濃度
を検出する検出装置であって、採取試料を導入し、固相
吸着材で有機ハロゲン化物を保持する固相・吸着手段
と、該固相・吸着手段から溶出液により溶出された有機
ハロゲン化物の定性及び定量分析を行う検出手段とを備
えてなることを特徴とする有機ハロゲン化物の検出装置
にある。
【0012】第2の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記固相吸着材がシリカゲル又はアルミナからな
り、固相吸着カラム内に充填されてなることを特徴とす
る有機ハロゲン化物の検出装置にある。
【0013】第3の発明は、第2の発明において、上記
固相吸着材に保持された有機ハロゲン化物を溶出する溶
出液が無極性溶剤、アルコール類、トルエン、ジクロロ
メタン、又はアセトニトリルのいずれか一であることを
特徴とする有機ハロゲン化物の検出装置にある。
【0014】第4の発明は、第1乃至3のいずれかの発
明において、上記検出手段がガスクロマトグラフ−質量
分析計又はガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析
計のいずれかであることを特徴とする有機ハロゲン化物
の検出装置にある。
【0015】第5の発明は、第1乃至4のいずれかの発
明において、上記固相吸着材に定期的に採取試料を導入
する試料導入手段を設けたことを特徴とする有機ハロゲ
ン化物の検出装置にある。
【0016】第6の発明は、第1乃至5のいずれかの発
明において、上記水溶液がPCB分解処理した後の処理
排水であることを特徴とする有機ハロゲン化物の検出装
置にある。
【0017】第7の発明は、水溶液中の有機ハロゲン化
物の濃度を検出する検出方法であって、固相吸着材で採
取試料から有機ハロゲン化物を保持し、その後溶出液に
より有機ハロゲン化物を溶出し、その後溶出液中の有機
ハロゲン化物の定性及び定量分析を行うことを特徴とす
る有機ハロゲン化物の検出方法にある。
【0018】第8の発明は、第7の発明において、採取
試料を導入する前に、前処理を行い、その後採取試料を
導入し、次いでメチルアルコールを用いて洗浄して不純
物を排出させ、その後溶出液で有機ハロゲン化物を溶出
し、その後上記溶出液中の有機ハロゲン化物の定性及び
定量分析を行うことを特徴とする有機ハロゲン化物の検
出方法にある。
【0019】第9の発明は、第7又は8の発明におい
て、上記固相吸着材がシリカゲル又はアルミナからな
り、固相吸着カラム内に充填されてなることを特徴とす
る有機ハロゲン化物の検出方法にある。
【0020】第10の発明は、第9の発明において、上
記溶出液が無極性溶剤、アルコール類、トルエン、ジク
ロロメタン、又はアセトニトリルいずれか一であること
を特徴とする有機ハロゲン化物の検出方法にある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】[第1の実施の形態]図1は本実施の形態
にかかる有機ハロゲン化物の検出装置の概略図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる有機ハロゲン
化物の検出装置10は、水溶液中の有機ハロゲン化物の
濃度を検出する検出装置であって、採取試料11を導入
し、固相吸着材で有機ハロゲン化物を保持する固相・吸
着手段12と、該固相・吸着手段12から溶出液16に
より溶出された有機ハロゲン化物を含む試料を導入し、
特定有機ハロゲン化物の定性及び定量分析を行う検出手
段14とを備えてなるものである。上記検出手段14へ
の溶出液の導入は、手動で行う以外に、図1に示すよう
に、例えばオートサンプラー13を介して自動的に導入
するようにしてもよい。
【0023】また、この検出手段14により測定された
PCB濃度は、監視司令室へ送ると共に、例えば所定の
モニタ装置(例えばPCB濃度表示手段)15により例
えば光通信等により外部へ公表するようにしてもよい。
【0024】上記固相・吸着手段12は、図2(A)に
示すように、抽出カラム21内に固相吸着材22が充填
されてなるものである。
【0025】ここで、上記固相吸着材は、有機ハロゲン
化物を効率的に吸着・分離するには、種々の吸収材の内
から後述するように、シリカゲル又はアルミナを選定す
るのが好ましい。
【0026】上記固相吸着材に保持された有機ハロゲン
化物を溶出する溶出液16は目的の有機ハロゲン化物の
みを溶出する溶剤であれば特に限定されるものではない
が、例えば有機ハロゲン化物としてPCBの場合には、
無極性溶剤(例えばn−ヘキサン)、アルコール類(例
えばメチルアルコール、エチルアルコール等)、トルエ
ン、ジクロロメタン、又はアセトニトリルを挙げること
ができる。特に、検出器との関係からn−ヘキサンを用
いるのが好ましい。
【0027】また、排水の監視は所定時間毎に行う必要
があるので、定期的に採取試料を導入する試料導入手段
を設けることにより、自動的なサンプリングが可能とな
る。
【0028】また、分析精度を向上させるために、必要
に応じて1度に数検体を同時に行うような場合には、上
記カラム21を複数本用意して、同時に有機ハロゲン化
物を固相・吸着するようにしてもよい。
【0029】以下に、固相・吸着手段12の抽出工程を
図2を参照して説明する。 コンディショニング工程 再現性のよい結果を得るために、試料を供給する前に、
固相吸着材22にコンディショニング液31を供給し
て、なじませる(図2(A)参照)。 保持工程 次に、採取試料32をカラム21内に導入する(図2
(B)参照)。ここで、試料中には目的物であるPCB
33と、不純物X(不要なマトリックス)及び不純物Y
(その他のマトリックス中の成分)とが含まれていると
する。 洗浄工程 次に、固相吸着材22に保持された不純物Xを洗浄液
(例えばメチルアルーコール)で洗い流す(図2(C)
参照)。 溶出工程 次に、固相吸着材22に保持された目的物であるPCB
33を溶出液(n−ヘキサン)35で溶出させる。この
溶出の際に、不純物Yは固相吸着材22中に残りPCB
33との分離がなされる(図2(D)参照)。なお、本
実施の形態では、有機ハロゲン化物として、PCBを例
にして説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、工場や焼却炉からの排水又は河川等の水中の例え
ばダイオキシン類等の計測にも適用することができる。
【0030】[第2の実施の形態]次に、本発明の装置
を用いたPCB無害化処理設備における処理排水中の監
視システムについて説明する。図3に示すように、本実
施の形態にかかるPCB無害化処理システムは、有害物
質であるPCBが付着又は含有又は保存されている被処
理物を無害化する有害物質処理システムであって、被処
理物1001である有害物質( 例えばPCB)1002を保存す
る容器1003から有害物質1002を分離する分離手段1004
と、被処理物1001を構成する構成材1001a,b,…を解
体する解体手段1005のいずれか一方又は両方を有する前
処理手段1006と、前処理手段1006において処理された被
処理物を構成する構成材であるコア1001aをコイル1001
bと鉄心1001cとに分離するコア分離手段1007と、分離
されたコイル1001bを銅線1001dと紙・木1001eとに分
離するコイル分離手段1008と、上記コア分離手段1008で
分離された鉄心1001cと解体手段1005で分離された金属
製の容器 (容器本体及び蓋等)1003 とコイル分離手段10
08で分離された銅線1001dとを洗浄液1010で洗浄する洗
浄手段1011と、洗浄後の洗浄廃液1012及び前処理手段で
分離した有害物質1002のいずれか一方又は両方を分解処
理する有害物質分解処理手段1013とを、具備してなるも
のである。
【0031】ここで、本発明で無害化処理する有害物質
としては、PCBの他に例えば、塩化ビニルシート、有
害廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品、廃棄樹脂、未処理爆
薬等を挙げることができるが、環境汚染に起因する有害
物質であればこれらに限定されるものではない。
【0032】また、本発明で被処理物としては、例えば
絶縁油としてPCBを用いてなるトランスやコンデン
サ、有害物質である塗料等を保存している保存容器を例
示することができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0033】また、蛍光灯用の安定器においても従来は
PCBが用いられていたので無害化処理する必要があ
り、この場合には、容量が小さいので前処理することな
く、分離手段1009等で処理した後にスラリー化物とし、
その後水熱分解装置で無害化処理することができる。
【0034】また、上記有害物質が液体等の場合には、
有害物質分解処理手段1013に直接投入することで無害化
処理がなされ、その保管した容器は構成材の無害化処理
により、処理することができる。処理後の液について
は、PCBの排出基準である3ppb(3μg/リット
ル)以下であることを確認する必要があるが、本発明に
よりこれが達成できる。なお、有害物質処理手段1013の
構成は、図5に示すものと同様であるので、同一構成部
材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0035】本発明の計測装置は、上記処理手段1013の
排水中のPCBを監視するものであり、迅速に監視する
ことができるので、作業工程の監視を常に行いつつ分解
処理することができ、環境に配慮した対策を講じること
ができる。
【0036】以下、有害物質処理手段1013からの排水1
33から採取試料32を採取し、PCB分析をした一例
を示す。上記採取試料32には、塩化ナトリウム、炭酸
ナトリウム、重炭酸ナトリウムの他に極微量の蟻酸,酢
酸等が混入している場合もある。
【0037】図4に上記有機ハロゲン化物の検出装置1
0を用いた固相・吸着及び溶出の各工程図を示す。 先ず、固相吸着材22にn−ヘキサンを20mL供給
し、固相乾燥(真空引き)を5分行う(S101)。 次いで、メチルアルコールを20mL、超純水を20
mLを流した後、試料(0.1〜1L)を導入し、PCB
を捕集し、固相・吸着する(S102)。この際、試料
にはメチルアルコールを1%添加した。ここで、メチル
アルコールを添加するのは、PCBを分散させる機能を
発揮させるためである。 その後、洗浄液(メチルアルコール)を5mLを流し
(通液速度:0.3cc/s)洗浄する(S103)。 その後、固相吸着材22を乾燥(真空引き)を5分間
行う(S104)。 次いで、溶出液としてn−ヘキサンを用い、通液速度
を0.3cc/sとしてPCBを溶出させ(S105)、
その後5mLに定容する(S106)。 次いで、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−M
S)又はガスクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計
(GC−ECD)のいずれかで1〜5μlを分析し(S
107)、PCB濃度を測定する(S108)。 上記PCBを溶出したカラムは、n−ヘキサントアセ
トンの混合液(1:1)50mlで洗浄して再生処理し
たのち、再度PCBの測定に供することができる。
【0038】この時の分析時間は約2時間弱であった。
従来による公定法(計測時間:2日)と比べた場合は、
以下のような結果を得た。なお、検出器はガスクロマト
グラフ−電子捕獲型検出器分析計(GC−ECD)を用
いた。PCB濃度が高い濃度の場合には、公定法が69
8ppbであるのに対し、本測定方法では、716pp
bであった。一方、PCB濃度が低い濃度の場合には、
公定法が0.9ppbであるのに対し、本測定方法では、
0.8ppbであった。
【0039】環境排出基準値は3ppb(0.003mg
/L)以下であることが要求されているが、本発明の装
置によれば、定量下限値が0.5〜0.1ppbであり、
迅速分析でしかも簡易な装置によって、十分に対応する
ことができた。
【0040】よって、本計測装置を用いて、所定時間毎
に分析して、排水の排出基準を満たしているかを常に監
視することができ、非常事態があった場合等に、PCB
濃度が排出基準を超える場合には、タンクを切替て、再
度排水中のPCBを処理すべく、PCB処理装置1013へ
送るようにして、外部環境汚染を防止することができ
る。
【0041】
【試験例】固相吸着材として種々の材質の中からシリカ
ゲル又はアルミナを選定した結果と、溶出液として種々
の材質の中からn−ヘキサン等の無極性溶剤、エチルア
ルコール、メチルアルコール等のアルコール類、トルエ
ン、ジクロロメタン、又はアセトニトリルを選定した結
果を以下に示す。
【0042】固相・吸着材としては、シリカゲル吸着
材、アルミナ吸着材、活性炭吸着材、ベンゼンジビニル
系吸着材、イオン交換樹脂吸着材、逆相系吸着材を選定
し、「表1」〜「表6」に示す各種溶剤に溶かしたPC
B液(濃度:1ppm)を各種固相吸着材に通液し、各
種固相吸着材におけるその吸着力を評価した。固相・吸
着カラムの形状は長さ:10mm、内径:10mmのも
のを用いた。その結果を「表1」〜「表6」に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】「表1」〜「表6」の結果より、シリカゲ
ル吸着材、アルミナ吸着材、ベンゼンジビニル系吸着
材、イオン交換樹脂吸着材、逆相系吸着材において、水
溶液、5%メチルアルコール水溶液、5%エチルアルコ
ール水溶液は吸着性能が良好であった。
【0050】次に、固相・吸着材としてシリカゲル吸着
材、アルミナ吸着材、ベンゼンジビニル系吸着材、イオ
ン交換樹脂吸着材、逆相系吸着材とを選定し、「表7」
〜「表11」に示すような各種溶出液で固相吸着材に吸
着されたPCBの溶出力すなわち回収率を評価した。そ
の結果を「表7」〜「表11」に示す。なお、表中符
号、◎は90%以上溶出、○は70〜90%溶出、△は
50〜70%溶出、×は50未満溶出である。
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
【表11】
【0056】「表7」〜「表8」により、吸着材として
シリカゲルとアルミナを用いた場合、10%メチルアル
コール水溶液、10%エチルアルコール水溶液、n−ヘ
キサン、トルエン、ジクロロメタン、アセトニトリル、
100%メチルアルコール液、100%エチルアルコー
ル液が溶出液として良好であった。このうちで、n−ヘ
キサンは90%以上の溶出力であり、特に好ましいもの
であった。また、シリカゲルとアルミナ以外の吸着材の
場合には、「表9」に示すベンゼンジビニル系吸着材を
用いたときに、ジクロロメタンの場合に溶出が良好であ
ったが、その他の場合では、溶出効果が良好ではなかっ
た。
【0057】
【発明の効果】以上、説明したように第1の発明によれ
ば、水溶液中の有機ハロゲン化物の濃度を検出する検出
装置であって、採取試料を導入し、固相吸着材で有機ハ
ロゲン化物を保持する固相・吸着手段と、該固相・吸着
手段から溶出液により溶出された有機ハロゲン化物の定
性及び定量分析を行う検出手段とを備えてなるので、例
えばPCB、ダイオキシン類等の有機ハロゲン化物の簡
易な分析が可能となる。
【0058】第2の発明によれば、上記固相吸着材がシ
リカゲル又はアルミナからなり、抽出カラム内に充填さ
れてなるので、水溶液中の目的物である有機ハロゲン化
物を効率的に保持することができる。
【0059】第3の発明によれば、上記固相吸着材に保
持された有機ハロゲン化物を溶出する溶出液が無極性溶
剤、アルコール類、トルエン、ジクロロメタン、又はア
セトニトリルのいずれか一であるので、固相に保持され
た有機ハロゲン化物のみを容易に溶出することができ
る。
【0060】第4の発明によれば、上記検出手段がガス
クロマトグラフ−質量分析計又はガスクロマトグラフ−
電子捕獲型検出器分析計のいずれかであるので、高精度
な且つ信頼性の高い分析ができる。
【0061】第5の発明によれば、上記固相吸着材に定
期的に採取試料を導入する試料導入手段を設けたので、
所定時間毎に試料を導入でき、有害分析処理システム等
の排水の監視を連続して行うことができる。
【0062】第6の発明によれば、上記水溶液がPCB
分解処理した後の処理排水であるので、外部へのPCB
の排出を未然に防止することができる。
【0063】第7の有機ハロゲン化物の検出方法の発明
によれば、水溶液中の有機ハロゲン化物の濃度を検出す
る検出方法であって、固相吸着材で採取試料から有機ハ
ロゲン化物を保持し、その後溶出液により有機ハロゲン
化物を溶出し、その後溶出液中の有機ハロゲン化物の定
性及び定量分析を行うので、簡易な例えばPCB等の有
機ハロゲン化物の分析が可能となる。
【0064】第8の発明によれば、採取試料を導入する
前に、前処理を行い、その後採取試料を導入し、次いで
メチルアルコールを用いて洗浄して不純物を排出させ、
その後溶出液で有機ハロゲン化物溶出し、その後溶出液
中の有機ハロゲン化物の定性及び定量分析を行うので、
効率的な有機ハロゲン化物の分析を短時間で行うことが
できる。
【0065】第9の発明によれば、上記固相吸着材がシ
リカゲル又はアルミナからなり、固相吸着カラム内に充
填されてなるのを用いるので、水溶液中の目的物である
有機ハロゲン化物を効率的に保持することができる。
【0066】第10の発明によれば、上記溶出液が上記
溶出液が無極性溶剤、アルコール類、トルエン、ジクロ
ロメタン、又はアセトニトリルいずれか一であるので、
目的の有機ハロゲン化物のみを溶出することができ、分
析精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物の検出
装置の概略図である。
【図2】本実施の形態にかかる固相・吸着手段の抽出工
程図である。
【図3】本実施の形態にかかるPCB無害化処理システ
ムの概略図である。
【図4】有機ハロゲン化物の検出装置を用いた固相吸着
の工程図である。
【図5】水熱分解装置の概要図である。
【図6】従来技術にかかる公定法の工程概略図である。
【図7】従来技術にかかる抗体法の工程概略図である。
【符号の説明】
10 有機ハロゲン化物の検出装置 11 採取試料 12 固相・吸着手段 13 オートサンプラー 14 検出手段 15 モニタ装置 16 溶出液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/06 G01N 30/06 Z 30/26 30/26 A 30/48 30/48 H K 30/70 30/70 30/72 30/72 A 33/00 33/00 D (72)発明者 有馬 謙一 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 馬場 恵吾 長崎県長崎市深堀町五丁目717番地1 長 菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4D017 AA01 BA04 CA05 CB01 DA03 EB03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶液中の有機ハロゲン化物の濃度を検
    出する検出装置であって、 採取試料を導入し、固相吸着材で有機ハロゲン化物を保
    持する固相・吸着手段と、 該固相・吸着手段から溶出液により溶出された有機ハロ
    ゲン化物の定性及び定量分析を行う検出手段とを備えて
    なることを特徴とする有機ハロゲン化物の検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記固相吸着材がシリカゲル又はアルミナからなり、固
    相吸着カラム内に充填されてなることを特徴とする有機
    ハロゲン化物の検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1おいて、 上記固相吸着材に保持された有機ハロゲン化物を溶出す
    る溶出液が無極性溶剤、アルコール類、トルエン、ジク
    ロロメタン、又はアセトニトリルのいずれか一であるこ
    とを特徴とする有機ハロゲン化物の検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記検出手段がガスクロマトグラフ−質量分析計又はガ
    スクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計のいずれか
    であることを特徴とする有機ハロゲン化物の検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記固相吸着材に定期的に採取試料を導入する試料導入
    手段を設けたことを特徴とする有機ハロゲン化物の検出
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 上記水溶液がPCB分解処理した後の処理排水であるこ
    とを特徴とする有機ハロゲン化物の検出装置。
  7. 【請求項7】 水溶液中の有機ハロゲン化物の濃度を検
    出する検出方法であって、 固相吸着材で採取試料から有機ハロゲン化物を保持し、
    その後溶出液により有機ハロゲン化物を溶出し、その後
    溶出液中の有機ハロゲン化物の定性及び定量分析を行う
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物の検出方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 採取試料を導入する前に、前処理を行い、その後採取試
    料を導入し、次いでメチルアルコールを用いて洗浄して
    不純物を排出させ、その後溶出液で有機ハロゲン化物を
    溶出し、その後上記溶出液中の有機ハロゲン化物の定性
    及び定量分析を行うことを特徴とする有機ハロゲン化物
    の検出方法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、 上記固相吸着材がシリカゲル又はアルミナからなり、固
    相吸着カラム内に充填されてなることを特徴とする有機
    ハロゲン化物の検出方法。
  10. 【請求項10】 請求項7又は8において、 上記溶出液が無極性溶剤、アルコール類、トルエン、ジ
    クロロメタン、又はアセトニトリルいずれか一であるこ
    とを特徴とする有機ハロゲン化物の検出方法。
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