JP4862542B2 - 試験装置及び電力貯蔵供給デバイスの安全性評価方法 - Google Patents
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Description
上記のような電力貯蔵供給デバイスは、一般に高容量密度、高出力密度が求められる傾向にあり、より大きい電流において電力を貯蔵、供給することが望まれ、盛んに開発が進められている。
このとき、該ブース内の気相部を攪拌する攪拌機を備えることが好ましい(請求項2)。
また、該排ガス採取部に採取される前に上記排ガスを希釈する排ガス希釈部を備えることが好ましい(請求項3)。
また、上記電力貯蔵供給デバイスを破損させるプレス機を備えることが好ましい(請求項4)。
また、該ブースの容積が、上記電力貯蔵供給デバイスの体積の10倍以上10 5 倍以下であることが好ましい(請求項5)。
ブース耐圧A:薬量を、電力貯蔵供給デバイスの加熱時の総発熱量相当のTNT薬量にTNT収率を掛けた値として、ホプキンソンの3乗根則により求められる爆風圧に、安全率を掛けた圧力。
ブース耐圧B=初期圧×(Tb/T0)×安全率
(ただし、初期圧は安全性試験時の排ガス発生前のブース内圧を表わし、Tbは安全性試験時の燃焼火炎温度を表わし、T0は安全性試験時の排ガス発生前のブース内の雰囲気温度を表わす。)
また、該試験装置は、該ブース内の温度を低下させる冷却部(冷却媒ライン)を備えることが好ましい(請求項9)。
さらに、該試験装置は、電力貯蔵供給デバイスの爆発が生じた場合に、上記爆発の爆風圧を測定する爆風圧センサを備えることが好ましい(請求項11)。
この安全性評価方法における安全性試験は、釘刺し試験、過充電試験、加熱試験、外部短絡試験、落下試験、圧壊試験、過放電試験、熱衝撃試験、及び、振動試験から選ばれるものが好ましい(請求項13)。
[I−1.第1実施形態]
[I−1−1.電力貯蔵供給デバイス]
電力貯蔵供給デバイスとは、電力を貯蔵又は供給することが可能なデバイスを広く意味する。電力貯蔵供給デバイスの具体例としては、アルカリ電池、リチウム電池等の一次電池、鉛酸電池、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の非水系電解液二次電池を含む二次電池、燃料電池等の発電型電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ等のキャパシタなどが挙げられる。これらの電力貯蔵供給デバイスは、その安全性試験を行なう場合にしばしば排ガスを排出することがあり、本発明は、この排ガスを処理しつつ安全性試験を行なうようにするものである。
電力貯蔵供給デバイスから排出される排ガスは、主に、電力貯蔵供給デバイスを構成する材料が反応、分解、或いは単に放出されること等により生じるものである。
その例を挙げると、例えば電力貯蔵供給デバイスの一種であるリチウムイオン電池の場合、電解液に使用している有機溶媒の蒸気、水蒸気、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、フッ化水素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、酸素などが排ガスとして生じうる。また、気体ではないものの、気相に分散するため気体同様に処理すべきものの例として、電解液のミストや、電極、集電体、電池の缶等それぞれの微細な破片及び粉塵、並びに、これらが熱分解した結果発生する固体(粉塵)などが挙げられる。これらは全て、排ガスとして処理すべきことが好ましい。
さらに、電力貯蔵供給デバイスに用いられる電極は、一般に粉末や微小な粒子等を用いて作製される場合が多い。したがって、これらの粉末や粒子等は、熱分解反応時に、電力貯蔵供給デバイスの破損や破裂等にともなって粉末となり、気相に分散して排ガスとなる。
本発明の試験装置を用いて行なう安全性試験に制限は無く、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、通常は、当該安全性試験によって電力貯蔵供給デバイスから排ガスが発生するような安全性試験を行なうようにすると、排ガスの処理が可能であるという本発明の効果を有効に活用することができるため、好ましい。
また、それ以外にも、本発明の試験装置を用いて行なうことができる電力貯蔵供給デバイスの安全性試験としては、例えば、外部短絡試験、落下試験、圧壊試験、過放電試験、熱衝撃試験、振動試験なども挙げられる。
図1に、本実施形態の試験装置の概要を模式的に表わすブロック図を示す。この図1に示すように、本実施形態の試験装置は、ブース1と、排ガス処理部2と、排ガス送出部としての排ガス送出ライン3と、室内ガス置換ライン4と、減圧部としての減圧ライン5と、冷却部としての冷却媒ライン6と、排ガス採取部としての排ガス採取ライン7と、排ガス希釈部としての希釈ライン8とを備える。なお、図1において、配管内を流れる排ガス並びに冷媒の向きを、矢印で示す。
ブース1は、その内部で電力貯蔵供給デバイス100の安全性試験を行なうためのものであり、内部に安全性試験を行なう場となる空間を有する容器である。その形状に制限は無く、箱状、円筒状、球状等の任意の形状として形成することができる。さらに、その寸法も内部に設置する安全性試験用の試験機器や試験の対象物である電力貯蔵供給デバイス100の寸法に応じて適宜設定することができる。その容積は、例えば、大型の試験装置の場合、好ましくは50リットル以上、より好ましくは400リットル以上、また、好ましくは5000リットル以下、より好ましくは500リットル以下であり、特に好ましくは450リットル程度とすることが適切である。また、小型の試験装置の場合、好ましくは2リットル以上、より好ましくは5リットル以上、また、好ましくは40リットル以下、より好ましくは20リットル以下であり、特に好ましくは10リットル程度とすることが適切である。
また、ブース1は、高い気密性を備えていることが望ましい。具体的には、ブース1内を設計圧まで減圧して30分放置後、ブース1内の変化が無いようにすることが好ましい。これにより、ブース1内に大気が浸入したり、ブース1内の排ガスが外部に漏れ出したりすることを防止できる。
また、小ドアの寸法も任意であり、電力貯蔵供給デバイス100の大きさや、小ドアを通じてブース1に出し入れする部品類の大きさなどに応じて適切な寸法に設定することができる。例えば、小ドアの面積は、通常、0.04m2〜0.1m2とするとよい。なお、ブース1に小ドアを設ける場合、通常は、ブース1内部に試験サンプルを出し入れするためには小ドアを用い、ブース1内部に試験機器の出し入れやそのメンテナンスを行なう場合には大ドアを用いることになる。しかし、小ドア及び大ドアの両方の機能を備えた単一のドアをブース1に設けるようにしてもよい。
また、安全性試験中の内部の様子を観察、録画するために、CCDカメラなどの観察用機器を設置しておくこともある。ただし、この場合、SUS(ステンレス)等で形成した保護ケースなどで観察用機器を保護するようにすることが好ましい。
圧力センサはブース1内外の任意の位置に適宜設置することができる。圧力センサ11のようにブース1の内壁に設置したものでもよく、圧力センサ12のように配管12aで取り出しブース1外に設置したものでもよい。
なお、ブース1内の圧力に応じてブース1の壁部、底部、天井部などにひずみが生じる場合には、そのひずみを測定するひずみゲージを設置し、それにより測定されるひずみの大きさから圧力を算出するようにしても良い。
さらに、例えば、釘刺し試験用プレス機13を用いる場合は、釘刺し位置や釘刺し深さ等を制御するための位置センサを用いるようにすることが好ましい。
〔要件(b)〕
要件(b):本実施形態の試験装置は、電力貯蔵供給デバイス100を破損させるプレス機(押圧手段)13を有していることが好ましい。プレス機13は、通常、釘刺し試験、圧壊試験などにおいて用いられるものであり、先に例示した試験機器の一種である。釘刺し試験の場合、プレス機13により釘13aを電力貯蔵供給デバイス100に刺し込むようにする。また、圧壊試験においては、プレス機13で電力貯蔵供給デバイス100を押圧し、電力貯蔵供給デバイス100を圧壊させるようにする。プレス機13を設けることにより、電力供給デバイスの強度に応じた荷重をかけることができるので、殆どの電力供給デバイスにおける釘刺し試験や圧壊試験が、試験者の安全を確保しながら確実に実施可能となる。
要件(c):ブース1の容積は、試験対象である電力貯蔵供給デバイス100の体積の、通常10倍以上、好ましくは20倍以上、より好ましくは100倍以上、また、通常105倍以下、好ましくは104倍以下、より好ましくは103倍以下である。
ブース1の容積を、前記要件(c)の範囲内に収めることにより、発生ガスの濃度を分析の信頼できる範囲に維持できるという利点が得られる。
要件(d):本実施形態の試験装置は、ブース1内の気相部を攪拌する攪拌手段として攪拌機14を設けることが好ましい。攪拌機14によってブース1内の気相部を攪拌するようにすれば、排ガスを均一化することが可能となり、これにより、排ガス分析の信頼性を向上させることができる。
また、攪拌機14の数及び設置位置にも制限は無い。ただし、攪拌機14の攪拌により正確なブース1の内圧を測定できなくなることは好ましくないため、攪拌機14は、圧力センサ11から離れて設けることが好ましい。
排ガス処理部2は、安全性試験で発生した排ガスに処理(以下適宜、「無害化処理」という)を行ない、系外に放出しても無害な状態にするためのものである。排ガスの無害化処理が可能であれば具体的な構成に制限は無く、生じる排ガスの種類に応じて任意の構成とすることができる。本実施形態では、排ガス処理部2は、フッ素除去手段であるフッ素吸着塔21、水洗手段である水洗塔22、活性炭処理手段である活性炭処理槽23、及び、ブロア24、並びに、各部を連結する配管25,26,27から構成されているものとする。
また、フッ素吸着塔21を通過した排ガスは、配管25を通って水洗塔22に送出されるようになっている。
排ガス送出ライン3は、排ガスを、ブース1から排ガス処理部2に、排ガス処理部2の処理能力に応じて送出するものである。詳しくは、排ガス処理部2の処理速度の限界を超えないように排ガスの流量を調整しながら、排ガスをブース1から排ガス処理部2に送出するものである。本実施形態では、排ガス処理ライン3は、配管31と、開閉弁32,33,34,35とを備えている。また、配管31には、配管36を介してガスボンベ37が接続されている。
また、配管31内に排ガスの流量を検出する流量センサと安全弁とを設け、流量センサで上記範囲を超える排ガス流量を検出した場合に安全弁が閉まったり流路を絞ったりするように構成することも好ましい。
さらに、排ガス送出ライン3を流通する排ガスの流量を検出する流量センサと、この流量センサが検知する排ガスの流量が特定値以上となった場合には開度をしぼる絞り弁とを設け、これにより排ガスの流量制御を行なうようにしてもよい。この際、上記特定値を排ガス処理部2の排ガス処理速度の限界値以下にしておけば、排ガス処理部2に対する排ガスの流入速度が上記限界値を超えることを防止できる。
室内ガス置換ライン4は、ブース1内を不活性ガスで置換するものである。ここでは、室内ガス置換ライン4は、不活性ガスを貯蔵したガスボンベ41が、開閉弁42を備えた配管43によってブース1に接続されることにより構成されている。これにより、開閉弁42を開けるとガスボンベ41内の不活性ガスがブース1に送出され、ブース1内の雰囲気を不活性ガスで置換することが可能になっている。即ち、本実施形態の不活性ガス置換ライン4は、不活性ガス置換部として機能するようになっている。
本実施形態では、不活性ガスとして希ガスを用いるようにして室内ガス置換ライン4を構成しているものとする。
減圧ライン5は、ブース1内を減圧させるためのものであり、真空ポンプ51と、真空ポンプ51を排ガス送出ライン3に接続する配管52と、配管52に設けられた開閉弁53とを備えている。また、本実施形態では、配管52は、開閉弁33と開閉弁34との間の部位(開閉弁33より下流且つ開閉弁34より上流の部位)において、配管31に接続されているものとする。したがって、開閉弁32,33を開けている場合、開閉弁53を開けることにより、ブース1と真空ポンプ51とが連通してブース1内が減圧されるようになっている。また、真空ポンプ51の下流側には配管54が接続され、この配管54は配管31の開閉弁35よりも下流に接続されている。そして、配管54には開閉弁55が設けられていて、この開閉弁55を開けている場合には、真空ポンプ51に引かれたガスは配管54を通って排ガス処理部2に送られ、排ガス処理部2を通じて系外に送出されるようになっている。また、ブース1内を効率的に減圧するためには、ブース1の減圧時には開閉弁34,35,38,42,83は閉めておくものとする。
また、減圧ライン5により、フッ化物を含む有害ガスや蒸気等を効果的に処理するために排気量を制御することができる。即ち、真空ポンプ51の出力や、開閉弁53,55の開度を調整することにより、真空ポンプ51を用いて、排ガス処理部2に送る排ガスの送出量をコントロールすることができる。
なお、減圧ライン5はブース1内を減圧する他、減圧ライン5を通じてブース1内の排ガスを排ガス処理部2に送出するために用いることも可能である。
本実施形態でも、減圧ライン5を用いてブース1内の圧力を8kPa以下まで減圧できるようになっているとする。
試験装置には、ブース1内の温度を調整するため、温度調整手段を設けることができる。通常、電力貯蔵供給デバイス100の安全性試験においては試験機器としてヒータを用いることがあるため、温度調整を行なおうとする場合、ヒータによって上昇した温度を強制的に低下させるための冷却手段を設けるようにすればよい。本実施形態においては、ブース1に冷却媒ライン6を設け、これにより、ブース1内の温度調整ができるようになっている。
本実施形態では、冷却媒ライン6はブース1内の雰囲気温度を低下させるように設けられているものとする。
排ガス採取ライン7は、安全性試験により発生した排ガスを採取する排ガス採取手段として機能するものである。この排ガス採取ライン7で、排ガス処理部2で処理される以前に排ガスを採取し、別途採取した排ガスを分析することにより、電力貯蔵供給デバイス100に対する詳しい分析が可能となる。
〔要件(a)〕
要件(a):排ガス採取部7が、排ガスを吸収しうる吸収液を、排ガスに接触できるように有するか、または、上記排ガスをガス状態で採取しうる排ガス採取手段を備えることが好ましい。
即ち、本実施形態においては、採取部72において、排ガスを吸収しうる吸収液を有すると共に、この吸収液が、排ガスに接触できるようになっていることが好ましい(要件(a1))。これにより、排ガスを吸収液に吸収させて採取することが可能となる。このように吸収液に吸収させるようにして排ガスの採取を行なえば、発生したガスに同伴される溶媒滴(例えばミスト)を吸収でき、また排ガスのみでなく、ガスとして存在しにくい物質も吸収することにより、デバイスから発生、飛散してくるすべての成分の組成を把握できるという利点が得られる。
NaOH水溶液を使用すれば、排ガス中のフッ化水素などの酸性物質を吸収、採取することができる。DMFを使用すれば、排ガス中にガスとして存在はしないがガスに同伴されるミスト(電解液成分)などを吸収、採取することができる。
例えば、図3に示すように、排ガス採取手段としてシリンジ724を使用するようにしてもよい。図3の構成においては、配管71には開閉弁725,726が設けられていて、当該開閉弁725と開閉弁726との間の部位において、配管71には配管727が接続されている。配管727にはシリンジ724が着脱可能に接続されていて、このシリンジ724内に、排ガスを採取するようになっている。
その後、開閉弁725,726を閉めと共に、シリンジ724の先端の弁724eを開けてプランジャー724aを引き、シリンジ724内に排ガスを導入する。次いで、弁724eを閉めてから弁724cを開け、プランジャー724aを押し込んでプランジャー724a内の孔724bを通じてシリンジ724内の排ガスを送出する。これにより、シリンジ724内が排ガスにより置換され、仮にシリンジ724内に排ガス以外の他のガスが存在していたとして当該他のガスを排除し、より純粋な排ガスを採取できるようになっている。
分析装置の例を挙げると、質量分析(MS)、熱伝導度検出(TCD)、水素炎イオン化検出(FID)、原子発光(AED)、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、イオンクロマトグラフなどのガス組成分析用装置、ISO−10156−1996に記載の燃焼試験用装置などが挙げられる。
上記排ガス分析部は、排ガス採取部72と一体化して設けても良いが、一体化していなくともよい。通常、採取された排ガスは、目的に応じた装置により分析が行われる。これらの分析装置も排ガス分析部を構成するものと見なされる。
排ガス希釈ライン8は、ブース1から送出される排ガスを希釈するためのものである。特に、排ガスが高濃度の場合、排ガス採取ライン7において採取される前の排ガスを分析に適した濃度に希釈し、希釈後の排ガスを採取するようにすれば、より効率的に排ガスの分析をすることができる。
〔要件(e)〕
要件(e):排ガス採取ライン7において採取される前に、排ガスを希釈する排ガス希釈ライン8を備える。
また、圧力センサ84は、希釈容器81内の圧力を検知するものである。
なお、希釈後、開閉弁83を開け、排ガス送出ライン3を通じて希釈された排ガスを排ガス採取ライン7に送り、排ガスの採取を行なうようになっている。
本実施形態の試験装置は以上のように構成されているので、上記の試験装置を使用する場合、まず、ブース1内に安全性試験の対象である電力貯蔵供給デバイス100を設置する。本実施形態では、電力貯蔵供給デバイス100として電池を用い、電力貯蔵供給デバイス100を台101上に置いた状態で、ブース1内に電力貯蔵供給デバイス100を設置するものとする。なお、当初は、開閉弁32〜35,38,42,53,55,74,83は閉められているものとする。さらに、採取部72には図3に示した構成の採取部が着脱可能に設置されているものとする。
また、冷却媒ライン6やブース1内のヒータ(図示省略)を用いてブース1内の温度を調整しておく。調整後、冷却媒ライン6やヒータによる温度調整は停止させる。
次に、採取部72に装着するユニットを変更して、採取部72の構成を図2に示したものに変更する。そして、排ガス採取ライン7に導入された排ガスを、採取部72において、図2を用いて説明したようにして吸収液721a、722aに吸収させることにより、採取する。なお、図2の構成における排ガスの採取は、吸収液としてNaOH水溶液を用いた採取と、吸収液としてDMFを用いた採取とを別々に行なっているものとする。これは、前記の通りガスに同伴する全ての成分を効率的に採取するためである。
採取された排ガスは、分析機器等でその内部の排ガスを分析することができる。なお、排ガスの採取後、開閉弁74,83は閉める。
以上のようにして、本実施形態の試験装置を用いた安全性試験が行なわれる。
以上のように、本実施形態の試験装置を用いれば、排ガスの処理を可能としながら電力貯蔵供給デバイス100の安全性試験を行なうことができる。また、電力貯蔵供給デバイス100に対して釘刺し試験、過充電試験、加熱試験などの安全性試験を行なうと、急激に大量の排ガスが発生するが、本実施形態の試験装置では、ガス送出ライン3が排ガス処理部2の処理能力に応じて送出する排ガスの流量を調整するため、排ガス処理部2に排ガスが流入する前に排ガスを一時的に保持して、処理能力に応じて排ガス処理部2に排ガスを流入させることができる。したがって、排ガス処理部2に処理能力を超える排ガスが流入して排ガスの無害化処理を行なうことができなくなる可能性は無く、安全に安全性試験を行なうことができる。また、特に大型電池等の大量の排ガスを放出する電力貯蔵供給デバイス100は、従来の技術を用いた場合には排ガス処理に困難を生じる可能性が高いため、上記の試験装置を用いることによる利点が大きい。
また、本実施形態の試験装置は、要件(b)を満たすように構成したため、試験者が安全かつ確実に電力貯蔵供給デバイスを破損することができるという利点が得られる。
さらに、本実施形態の試験装置は、要件(c)を満たすように構成したため、発生するガスの濃度を分析の信頼できる範囲内に維持できるという利点が得られる。
また、本実施形態の試験装置は、要件(d)を満たすように構成したため、発生ガスの均一性を維持できるという利点が得られる。
さらに、本実施形態の試験装置は、要件(e)を満たすように構成したため、発生したガスが高濃度であっても分析に最適な濃度とすることができるという利点が得られる。
さらに、本実施形態の試験装置は、ブース1内の温度を低下させる冷却媒ライン6を備えているため、適切に温度調整を行なうことができ、また、低温下での安全性試験を行なうことが可能となる。
本発明の第2実施形態としての試験装置は、ブース1の耐圧性がブース耐圧A以上の耐圧性を備えるように構成されている他は、第1実施形態と同様である。
また、試験装置についても、図1に示すように、排ガス処理部2、排ガス送出ライン3、室内ガス置換ライン4、減圧ライン5、冷却媒ライン6、排ガス採取ライン7及び排ガス希釈ライン8は、それぞれ第1実施形態と同様である。よって、試験装置は、要件(a),(e)を満たしている。
即ち、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、排ガス送出ライン3が排ガス処理部2の処理能力に応じて排ガスを送出するようになっているため、ブース1に排ガスを一時的に保持させることができ、これにより、排ガス処理部2の排ガス処理速度の限界値を超える流入速度で排ガスが排ガス処理部2に流入しないようになっている。さらに、ブース1は、上述した要件(b)〜(d)を満たしている。
具体的には、本実施形態で行なっているように、室内ガス置換ライン4でブース1内の雰囲気を不活性ガスで置換しうる場合など、ブース1内を不活性雰囲気として安全性試験を行なう場合には、ブース1は、下記ブース耐圧A以上の耐圧性を有するように構成することが好ましい。
ブース耐圧A:薬量を、電力貯蔵供給デバイスの加熱時の総発熱量相当のTNT薬量にTNT収率を掛けた値として、ホプキンソンの3乗根則により求められる爆風圧に、安全率を掛けた圧力。
(1)総発熱量の見積もり
ブース耐圧Aを算出する際には、安全性試験において電力貯蔵供給デバイスから発生される総発熱量を求める。この際、総発熱量として文献値や想定値を用いても良いが、ブース耐圧Aの信頼性を高めるには、実験的に求めた総発熱量の実験値を用いるようにすることが好ましい。
さらに、加熱に用いる機器も任意であるが、通常はオーブンを用いる。その場合、具体的には、試験用デバイスをオーブン内に設置し、オーブンの内部の温度を室温から昇温させながら、表面温度及びオーブン内雰囲気温度を測定することになる。この際用いるオーブンに制限は無く、任意のオーブンを用いることができるが、昇温速度を設定できる(プログラマブルである)ものが好ましい。
上記発熱速度は、加熱試験により得られた試験用デバイス自体の温度の時間変化、即ち、ここでは試験用デバイスの表面温度の時間変化を用いて算出する。具体的には、まず、試験用デバイスの表面温度及び雰囲気温度を用いて、測定した試験用デバイスの熱伝達係数を求める。この熱伝達係数は、試験用デバイスの表面と試験用デバイスの外部との熱交換速度を評価するパラメータであり、表面温度を発熱速度に変換するために用いる係数である。
ρ : 試験用デバイスの密度
Cp : 試験用デバイスの比熱
T : 試験用デバイスの温度
t : 時間
U : 熱伝達係数
A : 比表面積
Tsurface : 試験用デバイスの表面温度
Tambient : 試験用デバイスの雰囲気温度
heat : 発熱速度
したがって、下記式2が成立し、この式2から、熱伝達係数(U)を求めることができる。ここで、式2において、各記号が表わす値は、上記式1と同様である。また、式2から熱伝達係数を求める際に用いる試験用デバイスの密度(ρ)、比熱(Cp)、比表面積(A)などは、別途予め求めておくことが好ましい。
また、ここでは試験用デバイスを用いて式2により熱伝達係数(U)を求めたが、熱伝達係数(U)を求める方法に制限は無く、任意の方法で求めることができる。例えば、試験用デバイスの代わりに、試験用デバイスと同様の表面構成部材を用いた他の部材(例えば、評価対象である電力貯蔵供給デバイスのケースに鉛ビーズを詰めたもの等)を用いて上記方法により式2を用いて熱伝達係数(U)を求めるようにしても良い。また、例えば、場合によっては、適切な文献値を用いることもできる。
そして、この単位体積当たりの発熱量から、換算薬量の算出に用いる総発熱量[J/m3]を求める。なお、ここで「電力貯蔵供給デバイスの体積」も、電力貯蔵供給デバイスにおいて発熱が生じる部分の体積のことであり、電力貯蔵供給デバイスの中の外装(例えば、缶やラミネート)や余分な隙間は含まない。
(1.8×109[J/m3])×(7.2×10-5[m3])= 1.3×105[J]
となる。
10×3.7×3600=1.3×105[J]
となる。したがって、これに30%〜100%の係数値を掛けた値を、この電池の総発熱量とみなし、上記(2)〜(6)の計算を行なうようにしても、ブース耐圧Aを算出することができる。なお、電力容量に掛ける係数値は実験的に求めればよい。
また、総発熱量としては、想定値や文献値などを用いても良い。ただし、信頼性を高める観点からは、実験値を用いることが好ましい。
安全性試験時に生じる総発熱量が判明すれば、次に、その総発熱量に相当するTNT薬量を特定する。TNTの爆発時発熱量は2.6×109[J/ton]であるので、具体的には、当該総発熱量を2.6×109J/tonで除すればよい。上記加熱試験の具体例の場合、安全性試験時に生じる総熱量は1.3×105[J]であるので、それに相当するTNT薬量は
(1.3×105[J])/(2.6×109[J/ton])
=5×10-5[ton]
=0.05[kg]
である。
総発熱量に相当するTNT薬量が判明すれば、次に、そのTNT薬量に前述のTNT収率をかけ、ホプキンソンの3乗根則に適用する変換薬量を算出する。上記加熱試験の具体例の場合、上記総発熱量に相当するTNT薬量が0.05[kg]であるので、TNT収率を5%とした場合、換算薬量は
(0.05[kg])×(0.05)=2.5×10-3[kg]
となる。
また、別途、ブース1内の電力貯蔵供給デバイスからブース1の内壁の対象部位までの距離を求めておく。この距離は、後の換算距離の計算に用いる。上記加熱試験の具体例においては、この距離は、0.35mであるとする。なお、ここで対象部位とは、ブース耐圧A以上の耐圧性を備えさせようとする部位のことをいう。
換算薬量と、電力貯蔵供給デバイスからブース1の内壁の対象部位までの距離とから、換算距離を求める。具体的には、電力貯蔵供給デバイスからブース1の内壁の対象部位までの距離を換算薬量の3乗根で除して換算距離を算出する。また、ブース1の内壁においては電力貯蔵供給デバイスからの距離が最も小さい部位が最も高い圧力を受けることから、電力貯蔵供給デバイスと内壁との最短距離を用いて換算距離を求め、内壁で電力貯蔵供給デバイスからの距離が最も小さい部位に必要とされる耐圧に、ブース1全体の耐圧を合わせるようにすると、試験の安全性をより高めることができ、好ましい。上記加熱試験の具体例の場合、換算距離は、
(0.35[m])/{(2.5×10-3[kg])(1/3)}
=2.6[m/kg(1/3)]
となる。
上記のようにして求めた換算距離を基に、その換算距離に対応する爆風圧を特定する。具体的には、ホプキンソンの3乗根則における換算距離と爆風圧との関係を表わす図5に示す相関図を用い、横軸の換算距離に対応する縦軸の爆風圧を特定する。したがって、上記加熱試験の具体例においては、横軸の換算距離2.6[m/kg(1/3)]に対応する縦軸の値2[Kgf/cm2]が、ブース1の当該部位における爆風圧となる。
さらに、上記の爆風圧に安全率を掛けて、ブース1の対象部位におけるブース耐圧Aを算出する。したがって、安全率を1とした場合、上記加熱試験の具体例における対象部位のブース耐圧Aは
2[Kgf/cm2]×1(安全率)=2[Kgf/cm2]
となる。
本実施形態においては、ブース1は圧力センサ11を備え、さらに、その全体が上記のようにして算出したブース耐圧A以上の耐圧性及び気密性を有して構成されているものとする。また、ブース1がブース耐圧A以上の耐圧性を備えるため、本実施形態の試験装置では、ブース1が排ガス保持部として機能しうるようになっている。
以上のように、本実施形態の試験装置を用いれば、排ガスの処理を可能としながら電力貯蔵供給デバイス100の安全性試験を行なうことができる。また、電力貯蔵供給デバイス100に対して釘刺し試験、過充電試験、加熱試験などの安全性試験を行なうと、急激に大量の排ガスが発生するが、本実施形態の試験装置では、排ガス送出ライン3が排ガス処理部2の処理能力に応じて送出する排ガスの流量を調整するため、排ガス処理部2に排ガスが流入する前に一時的に保持して、処理能力に応じて排ガス処理部2に排ガスを流入させることができる。したがって、排ガス処理部2に処理能力を超える排ガスが流入して排ガスの無害化処理を行なうことができなくなる可能性は無く、安全に安全性試験を行なうことができる。
また、その他、第1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
本発明の第3実施形態としての試験装置は、室内ガス置換ライン4が空気でブース1内を置換し、また、ブース1の耐圧性がブース耐圧B以上の耐圧性を備えるように構成されている他は、第1実施形態と同様である。
また、試験装置についても、図1に示すように、排ガス処理部2、排ガス送出ライン3、減圧ライン5、冷却媒ライン6、排ガス採取ライン7及び排ガス希釈ライン8は、それぞれ第1実施形態と同様である。よって、試験装置は、要件(a),(e)を満たしている。
即ち、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、排ガス送出ライン3が排ガス処理部2の処理能力に応じて排ガスを送出するようになっているため、ブース1に排ガスを一時的に保持させることができ、これにより、排ガス処理部2の排ガス処理速度の限界値を超える流入速度で排ガスが排ガス処理部2に流入しないようになっている。ただし、本実施形態ではブース1内を空気雰囲気として安全性試験を行なうため、試験の安全性を高めるためには、ブース1もそれに応じた耐圧性を備えることが好ましい。
ブース耐圧B=初期圧×(Tb/T0)×安全率
(ただし、初期圧は安全性試験時の排ガス発生前のブース1の内圧を表わし、Tbは安全性試験時の燃焼火炎温度を表わし、T0は安全性試験時の排ガス発生前のブース1内の雰囲気温度を表わす。また、安全率は、第2実施形態で説明したのと同様の値である。なお、Tb,T0はそれぞれ絶対温度での値を表わす。)
具体的な事例を示して説明すると、例えば、初期圧が0.1MPaであり、安全性試験時の排ガス発生前のブース1内の雰囲気温度T0が25℃(298K)であり、安全性試験時の燃焼火炎温度(2500K)がTbであり、安全率を1とする場合には、ブース耐圧Bは
ブース耐圧B=0.1MPa×2500(K)/298(K)×1=0.8MPa
となる。
なお、特に電力貯蔵供給デバイスが電池である場合には、電解液の質量の10倍を、第2実施形態で説明した爆風圧の算出方法における、総発熱量に相当するTNT薬量として用いることができる。また、この際の電解液の質量としては、簡便には、電池の体積の1/3に、密度1000kg/m3を掛けた値を用いることができる。
また、空気雰囲気下で安全性試験を行なう場合のブース1の備えるべき耐圧性をホプキンソンの3乗根則を用いて求める場合、そのTNT収率は第2実施形態と同様である。さらに、TNT収率として実測値を用いても良い。
なお、本実施形態では、ブース1は上述したブース耐圧B以上の耐圧性を有して構成されているものとする。
このように、ブース1内を空気で置換して安全性試験を空気雰囲気下で行なうようにすることにより、電力貯蔵供給デバイスを実際の使用状態に近い状態で評価することが可能となる。また、電力貯蔵供給デバイスの外部の要因で、排ガスがどのように燃焼や爆発をするか分析することも可能である。なお、酸素がブース1内に存在しているため、通常は、空気雰囲気下における安全性試験時に生じる圧力は、不活性雰囲気下における安全性試験時に生じる圧力よりも高くなるが、その分ブース1の耐圧性を高めてあるため、排ガスの保持ができなくなったり、ブース1が破損したりする可能性は無い。
また、その他、第1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
以上、本発明の試験装置について実施の形態を示して説明したが、本発明の試験装置は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変形して実施することができる。
例えば、上記の第1、第2又は第3実施形態で説明した各構成要素は、それぞれ任意に組み合わせて用いるようにしてもよい。
さらに、冷却媒ライン6を設ける代わりに、冷却媒で充たしたバスをブース1内に設置してブース1内を冷却するようにしても良い。
また、例えば、排ガス採取ライン7を通った後の排ガスを、再び排ガス送出ライン3に戻すようにしてもよい。これにより、処理しないまま系外に放出される排ガスの量をより低減することができる。
さらに、ブース1に安全弁や圧抜きバルブ等を設け、さらに安全性を高めるようにしてもよい。
上述した本発明の試験装置を用いれば、電力貯蔵供給デバイスの安全性試験を行ない、当該安全性試験の試験結果に基づいて、電力貯蔵供給デバイスの安全性評価を行なうことができる。この際、安全性試験の種類に制限は無いが、例えば、釘刺し試験、過充電試験、加熱試験、外部短絡試験、落下試験、圧壊試験、過放電試験、熱衝撃試験、振動試験から選ばれる試験を行なうことができる。
この際、本発明の試験装置は、耐圧性(密閉性)を有しているので、これを用いれば、特にガス発生量やガスの組成をより正確に分析することができる。したがって、この分析結果を用いて、破壊や内部短絡に際しても、ガス発生等がより少なく安全な電力貯蔵供給デバイスを設計・作製することができる。
例えば、電力貯蔵供給デバイスの表面温度や、ブース内のガス温度は熱電対をはじめとする温度センサにより測定することができる。
また、例えば、ガスの発生量は、気体の状態方程式によって算出することができる。なお、前記の状態方程式は、圧力センサによって得られる安全性試験前後のブース内圧の変化および温度センサによって得られるブース内ガス温度から得られる。
さらに、例えば、排ガスの成分(組成)は、排ガス採取ラインから採取したガスについて、ガスクロマトグラフィーや質量分析装置など既知の分析装置や方法により分析して求めることができる。
また、例えば、ブース内にビデオカメラおよびビデオカメラによる撮影に必要な照明器具を備えれば、評価試験中の視覚的な挙動をとらえることもできる。
2 排ガス処理部
3 排ガス送出ライン(排ガス送出部)
4 室内ガス置換ライン(不活性ガス置換部、空気置換部)
5 減圧ライン(減圧部)
6 冷却媒ライン(冷却部)
7 排ガス採取ライン(排ガス採取部)
8 排ガス希釈ライン(排ガス希釈部)
11,12,84 圧力センサ
13 プレス機
13a 釘
13b,724b 孔
14 攪拌機
21 フッ素吸着塔
22 水洗塔
23 活性炭処理槽
24 ブロア
25,26,27,31,36,43,52,71,82,724 配管
32〜35,38,42,53,74,83,725,726,724c,724e 開閉弁
37,41 ガスボンベ
51,73 真空ポンプ
72 採取部
81 希釈容器
85 スターラー
100 電力貯蔵供給デバイス
721,722 洗気瓶
721a,722a 吸収液
723 トラップ
723a エタノール浴
724 シリンジ
724a プランジャー
724d 管
728 サンプル容器
Claims (13)
- 電力貯蔵供給デバイスの安全性試験を行なうためのブースと、
上記電力貯蔵供給デバイスから発生する排ガスを処理しうる排ガス処理部と、
上記排ガスを、該ブースから該排ガス処理部に、該排ガス処理部の処理能力に応じて送出する排ガス送出部と、
上記排ガスを採取しうる排ガス採取部とを備え、
該排ガス採取部が、上記排ガスを吸収しうる吸収液を上記排ガスに接触できるように有するか、または、上記排ガスをガス状態で採取しうる排ガス採取手段を備える
ことを特徴とする、試験装置。 - 該ブース内の気相部を攪拌する攪拌機を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の試験装置。 - 該排ガス採取部に採取される前に上記排ガスを希釈する排ガス希釈部を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の試験装置。 - 上記電力貯蔵供給デバイスを破損させるプレス機を備える
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の試験装置。 - 該ブースの容積が、上記電力貯蔵供給デバイスの体積の10倍以上10 5 倍以下で
ある
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の試験装置。 - 該ブース内を不活性ガスで置換しうる不活性ガス置換部を備えると共に、
該ブースが、下記ブース耐圧A以上の耐圧性を有する
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の試験装置。
ブース耐圧A:薬量を、電力貯蔵供給デバイスの加熱時の総発熱量相当のTNT薬量にTNT収率を掛けた値として、ホプキンソンの3乗根則により求められる爆風圧に、安全率を掛けた圧力。 - 該ブース内を空気で置換しうる空気置換部を備えると共に、
該ブースが、下記ブース耐圧B以上の耐圧性を有する
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の試験装置。
ブース耐圧B=初期圧×(Tb/T0)×安全率
(ただし、初期圧は安全性試験時の排ガス発生前のブース内圧を表わし、Tbは安全性試験時の燃焼火炎温度を表わし、T0は安全性試験時の排ガス発生前のブース内の雰囲気温度を表わす。) - 該ブース内を8kPa以下に減圧させうる減圧部を備える
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の試験装置。 - 該ブース内の温度を低下させる冷却部を備える
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の試験装置。 - 該排ガス採取部が採取した排ガスを分析する排ガス分析部を備える
ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の試験装置。 - 上記電力貯蔵供給デバイスの爆発が生じた場合に、上記爆発の爆風圧を測定する爆風圧センサを備える
ことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の試験装置。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の試験装置を用いて電力貯蔵供給デバイスの安全性試験を行ない、該試験結果に基づいて、上記電力貯蔵供給デバイスの安全性評価を行なうことを特徴とする、電力貯蔵供給デバイスの安全性評価方法。
- 上記安全性試験が、釘刺し試験、過充電試験、加熱試験、外部短絡試験、落下試験、圧壊試験、過放電試験、熱衝撃試験、及び、振動試験から選ばれる
ことを特徴とする、請求項12に記載の電力貯蔵供給デバイスの安全性評価方法。
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