JP3880921B2 - 金属ベース配線基板及びその基板を使った高周波装置 - Google Patents

金属ベース配線基板及びその基板を使った高周波装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属ベース配線基板及びその基板を使った高周波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
<従来の構成と動作、製法と手順等>
従来、この種の金属ベース基板は銅箔付基材を金属ベースに貼り合せるという方法を用いている。
配線の交叉などのために多層構造が必要な場合は貼り合せる基材を積み重ねて多層にしていた。
図3に示す従来技術では、金属ベース4の両面に上面絶縁層3、下面絶縁層5を設け、前記金属ベース4の上面絶縁層3上に両面回路基板6を設けた金属ベース多層配線基板であって、両面に導体パターンが形成された基板を金属ベースに貼り合せることにより、二層配線を可能にした例である。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平09ー331123号公報(図1及びその説明の項)
【特許文献2】
特公昭63−246896号公報
【0004】
また、図4の従来技術(例えば、特許文献2参照)は、上部銅箔層1,内層回路2,内層回路用樹脂層3,内層回路接着用樹脂層4,スルーホール部5及びスルーホール接着導体6からなる回路板を金属板接着用樹脂7により金属板8に接着し、上部回路9を形成したものであって、多層配線化された基板を貼り合せた例である。
【0005】
<従来の主な欠点>
従来技術では、表面の導体パターンとGNDである金属ベースとの間が多層配線基板となっているため、表面に形成されるストリップラインの絶縁層が厚くなるという欠点があった。
この場合、2層目をGND層とすることにより、表面導体パターンが形成するストリップラインの絶縁層厚を薄くすることが可能となるが、その分層数が増えてしまい、全体の厚さが厚くなってしまう、という欠点がある。
さらに、この場合の2層目のGND層は金属ベースとスルーホール等で導通をとってGND面となるが、スルーホールのリアクタンス成分等により、高周波的に強固なGND面を得ることはできなかった。
GND性については、スルーホールの数を増やす事で、ある程度改善可能であるが、工数がかかってコスト高になるうえ、配線パターンのレイアウト自由度が無くなってしまうという問題がある。
【0006】
<上記欠点を生じる理由>
配線パターンが形成された基板を金属ベースに貼り合せるという発想であるため、二層配線が必要な場合は、基板を多層化として金属ベースに貼り合せたいたためである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記欠点及び問題に鑑みてなされたものであって、表面導体パターンが形成するストリップラインの絶縁層厚を薄くすることができ、全体の厚さが厚くならず、表面導体パターンに高周波的に強固なGND面を得ることができ、配線パターンのレイアウト自由度がある金属ベース配線基板及びその基板を使った高周波装置を提供することを目的としている。
また、別の課題は、前記金属ベース配線基板におけるパターン形成時にエッチング液で金属ベースがエッチングされて、絶縁物と金属ベースとの密着度が下るという問題を解決することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、下記事項を特徴としている。
1:金属ベースの表面に部分的な彫り込み部を有し、その彫り込み部に絶縁物が充填され、充填された絶縁物の上に第1の導体パターンが形成されている金属ベース配線基板であって、前記絶縁物と前記金属ベースとの界面がメタライズで覆われていること。
2:前記金属ベース配線基板の第1の導体パターンが形成されている面は、絶縁体で被覆されて、この絶縁体の上に第2の導体パターンが形成されていること。
3:前記絶縁体が積層または塗布または吹き付けによって形成されていること。
4:前記金属ベース配線基板の裏面には、電極が形成されていること。
5:前記電極は信号の入出力を行う電極であり、前記金属ベースはGNDとなること。
6:前記第1の導体パターンは、スルーホールにより前記第2の導体パターンまたは前記電極または前記金属ベースに接続されていること。
7:前記第2の導体パターンは、スルーホールにより前記第1の導体パターンまたは前記電極または前記金属ベースに接続されている。
8:前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとの間に複数の導体パターン層を有し、第1の導体パターン上が絶縁体と導体パターンによる多層構造となっていること。
9:金属ベースの表面に部分的な彫り込み部を有し、その彫り込み部に絶縁物が充填され、充填された絶縁物の上に第1の導体パターンが形成されている金属ベース配線基板であって、前記彫り込み部に形成される導体パターンは彫り込み部の中で複数の導体パターン層を有し、多層構造となっていること。
10:前記第2の導体パターンに、チップ部品、半導体部品、SAW部品等が搭載されていること。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を第1の実施例に基づいて説明する。
<第1の実施例の構成>
図1を用いて説明する。
金属ベース1は彫り込み部2を有しており、彫り込み部2に絶縁物3が充填され、該絶縁物及び金属ベース表面に銅メッキが施され、所望のパターンがエッチングにより第1の導体パターン4が形成されている。
片面銅箔基材(一方の面が絶縁体(樹脂)5で、他方の面が第2の導電パターン7が形成される銅箔で構成されている。)6を彫り込み部も含めて金属ベース上面部全体に絶縁体の存在する面が貼り合されている。
なお、上記の片面銅箔基材6を彫り込み部も含めて金属ベース上面部全体に絶縁体の存在する面が貼り合せるのに代えて、絶縁体(樹脂)を積層、塗布または吹き付けによって形成し、その上に銅メッキ等の金属膜を形成しても良い。
片面銅箔基材6の銅箔はエッチングにより第2の導体パターン7が形成されおり、該導体パターン7とチップ部品8が接続している。
また、第2の導体パターン7はスリーホール10により電極9あるいは金属ベース1に接続されている。
なお、第1の導体パターン4はスルーホールにより、前記第2の導電パターンまたは前記電極または前記金属ベースに接続されている。
【0010】
<第1の実施例の動作>
金属ベース表面の彫り込み部に形成された第1の導体パターンは、金属ベースとは絶縁物により電気的に接触せずに表面の第2の導体パターンと交叉することができ、2層配線ができる構造となっている。
【0011】
図1では搭載部品としてチップ部品8だけ代表して記載しているが、通常は半導体デバイス、SAWデバイスなどが部品またはベアチップの状態で第2の導体パターン7に搭載または接続され回路を構成し、電極9によって信号の入出力を行う(電極に関しては特願2002-031209号により出願中)。
また、前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとの間に複数の導電パターン層を有し、第1の導体パターン上が絶縁体と導体パターンによる多層構造としても良い。
さらに、前記彫り込み部に形成される導体パターンが彫り込み部の中で複数の導体パターン層を有し、多層構造としても良い。
【0012】
次に、本発明の別の実施の形態を第2の実施例に基づいて説明する。
<第2の実施例の構成>
図2を用いて説明する。
金属ベース1は彫り込み部2を有しており、彫り込み部2に絶縁物3が充填され、該絶縁物及び金属ベース表面に銅メッキが施され、所望のパターンがエッチングにより第1の導体パターン4が形成されている。
前記第1の導体パターン4を形成する際に、彫り込み部2に充填された絶縁物と金属ベース1との界面をメタライズ11で覆う。(図2の点線の楕円で囲まれた部分)
片面銅箔基材(一方の面が絶縁体(樹脂)5で、他方の面が第2の導体パターン7が形成される銅箔で構成されている。)6を彫り込み部も含めて金属ベース上面部全体に絶縁体の存在する面が貼り合されている。
なお、上記の片面銅箔基材を彫り込み部も含めて金属ベース上面部全体に絶縁体の存在する面が貼り合せるのに代えて、絶縁体(樹脂)を積層、塗布または吹き付けによって形成し、その上に銅メッキ等の金属膜を形成しても良い。
片面銅箔基材6の銅箔はエッチングにより第2の導体パターン7が形成されおり、該導体パターン7とチップ部品8が接続している。
また、第2の導体パターン7はスリーホール10により電極9あるいは金属ベース1に接続されている。
なお、第1の導体パターン4はスルーホールにより、前記第2の導体パターンまたは前記電極または前記金属ベースに接続されている。
【0013】
<第2の実施例の動作>
前記第1の導体パターン4を形成する際に、彫り込み部2に充填された絶縁物3と金属ベース1との界面はメタライズ11で覆われているので、パターン形成時にエッチング液で金属ベースがエッチングされない。
それ以外は、第1に実施例と同様である。
【0014】
【発明の効果】
本発明により金属ベース配線基板の厚さを厚くしないで導体パターンを交叉させることが可能となる。
また表面に形成された導体パターン7と金属ベース1との間の絶縁層厚は50〜60μmと薄くすることができるので導体パターン間のカップリング量を小さくした回路を形成することが可能である。
また、第2の実施例では、第1の導体パターン4を形成する際に、彫り込み部2に充填された絶縁物と金属ベース1との界面をメタライズ11で覆うわれているので、パターン形成時にエッチング液で金属ベースがエッチングされないので、エッチングにより絶縁物(樹脂)と金属ベースとの密着度が下るという問題が解決できる。
【0015】
特に、本発明では金属ベースそのものがGNDとなるので、GNDスルーホールを必要とせず、加工工数を低減することができ、しかも、本発明でのGNDはリアクタンス成分の無い強固なGNDとなるので、信号の回り込みなどがない良好な高周波特性を得る事ができる。
このように、本発明により高周波特性が良く、外形が薄く、しかも安価な高周波装置を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である。
【図2】本発明の第2の実施例である。
【図3】第1の従来例である。
【図4】第2の従来例である。
【符号の説明】
1 金属ベース
2 彫り込み部
3 絶縁物
4 第1の導体パターン
5 樹脂(絶縁体)
6 片面銅箔基材
7 第2の導体パターン
8 チップ部品
9 電極
10 スルーホール
11 メタライズ

Claims (10)

  1. 金属ベースの表面に部分的な彫り込み部を有し、その彫り込み部に絶縁物が充填され、充填された絶縁物の上に第1の導体パターンが形成されている金属ベース配線基板であって、
    前記絶縁物と前記金属ベースとの界面がメタライズで覆われていることを特徴とする金属ベース配線基板。
  2. 前記金属ベース配線基板の第1の導体パターンが形成されている面は、絶縁体で被覆されて、この絶縁体の上に第2の導体パターンが形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の金属ベース配線基板。
  3. 前記絶縁体が積層または塗布または吹き付けによって形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の金属ベース配線基板。
  4. 前記金属ベース配線基板の裏面には、電極が形成されている、ことを特徴とする請求項1ないし3に記載の金属ベース配線基板。
  5. 前記電極は信号の入出力を行う電極であり、前記金属ベースはGNDとなることを特徴とする請求項4に記載の金属ベース配線基板。
  6. 前記第1の導体パターンは、スルーホールにより前記2の導体パターンまたは前記電極または前記金属ベースに接続されている、ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の金属ベース配線基板。
  7. 前記第2の導電パターンは、スルーホールにより前記第1の導電パターンまたは前記電極または前記金属ベースに接続されている、ことを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の金属ベース配線基板。
  8. 前記第1の導体パターンと前記第2の導体パターンとの間に複数の導体パターン層を有し、第1の導体パターン上が絶縁体と導体パターンによる多層構造となっている、ことを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の金属ベース配線基板。
  9. 金属ベースの表面に部分的な彫り込み部を有し、その彫り込み部に絶縁物が充填され、充填された絶縁物の上に第1の導体パターンが形成されている金属ベース配線基板であって、
    前記彫り込み部に形成される導体パターンは彫り込み部の中で複数の導体パターン層を有し、多層構造となっている、ことを特徴とする金属ベース配線基板。
  10. 前記第2の導体パターンに、チップ部品、半導体部品、SAW部品が搭載されている、ことを特徴とする請求項ないし9のいずれかに記載の金属ベース配線基板を使った高周波装置。
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