JP3879254B2 - ウエハの離脱方法及び静電吸着電源 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置において静電チャックにより支持されたウエハの離脱方法に関し、特に、チャックに蓄積された電荷を確実に、かつ、速やかに除去する方法とその電源に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電チャック、特に直流バイアスによる静電チャックでは、チャックに印加されるバイアス電圧をOFFしても、チャックに蓄積された電荷がすぐには減少せず、ウエハとチャックの間に残留吸着力が発生する。ウエハとチャックの間に残留吸着力が存在する状態で、プッシャーピン等により無理にウエハを引き剥がそうとしてもウエハ破損の問題を引き起こす。ウエハ離脱時にチャックに蓄積された電荷を除去するために、以下の4つの公知例に代表される従来技術が存在する。
【0003】
第1の従来技術は、特開平7−273177号公報に記載のように、ウエハ離脱の際、吸着保持用の直流バイアスと逆極性の直流バイアスを印加し、チャックに蓄積された電荷を除去する方法が提案されている。
【0004】
また、第2の従来技術は、特開平8−78512号公報に記載のように、ウエハ離脱の際、ウエハ裏面のガス圧力をモニタしながら、吸着保持用の直流バイアスと逆極性の直流バイアスを印加し、ウエハ裏面のガス圧力が設定値に等しくなった時点で、逆極性の直流バイアスをOFFする方法が提案されている。 また、第3の従来技術は特開平1−112745号に記載のように、ウエハ離脱の際、印加電圧の極性を交番させつつ、そのピーク高さを逐次低くするか、若しくは、そのパルス幅を逐次小さくするか、若しくはその両方を実施し、印加電圧をOFFする方法が提案されている。
【0005】
また、第4の従来技術は、特許第2603417号公報に記載のように、一対又は複数対の電極を有するダイポール型静電チャックにおいて、交流方形波電圧を印加し吸着力の励起を行い、交流方形波電圧の周波数を上昇させると同時に印加電圧の大きさを減らすことにより、吸着力の解除を行う方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1の従来技術の場合、逆極性の直流バイアスの大きさや印加時間が適当でないと、チャックに蓄積された電荷を十分に除去できなかったり、逆極性の電荷が過剰に蓄積されるといったことが生じる。さらに、チャックの特性ばらつきや経時変化によりチャックの充放電の特性が変化するため、逆極性の直流バイアスの大きさや印加時間を、チャックそれぞれに応じて調整したり、運用中に再調整したりする必要が生じ、手間がかかる。
【0007】
前記第2の従来技術の場合、第1の従来技術において問題となる逆極性の直流バイアスの印加時間を、ウエハ裏面の圧力の変化を検出することにより自動的に調整するものであるが、ウエハ裏面に圧力を加えたまま吸着力の解除を行うので、吸着力の解除の途中においてウエハの位置ズレの問題を引き起こす。
【0008】
前記第3の従来技術の場合、ピーク高さやパルス幅の変化の仕方が適切でないと、電荷の除去に時間がかかりスループットの低下につながるという問題を引き起こす。
【0009】
前記第4の従来技術の場合、単一の電極を有し構造上簡潔でコスト的に有利なモノポール型の静電チャックに応用できない。等といった課題があった。
本発明の目的は、ダイポール型、モノポール型、いずれの場合においても実現可能で、電圧や時間等のパラメータの調整の必要も無く、確実に、かつ、速やかに、チャックに蓄積された電荷を除去する方法と、その方法を容易に実現する静電吸着電源と、を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
ウエハを離脱させる際、図1に示すような一定の規則に従って周期の減少する交流方形波電圧1を印加する。第1ステップ11は吸着時の印加電圧2と逆極性の電圧を印加し、以降、各ステップごとに極性を反転させる。また、上記交流方形波電圧1において電圧の大きさは一定とする。
【0011】
極性を切り換える周期Tnは【数1】に従う。
【0012】
T1は、第1ステップ11において、吸着時に蓄積された電荷を0にし、さらに、吸着時と逆極性の電荷を蓄積するような長さに設定する。T1は上記の条件を満たしていれば幾ら長くしてもよい。しかし、あまり長くしすぎるとスループットを低下させることになる。
【0013】
図1の交流方形波電圧1を印加することによる吸着力の変化は、図2に示すようにチャックの特性によらず0に収束していく。線21のように、チャックの充放電の時定数が長い場合は、第1ステップ11でチャックに蓄積される電荷がほぼ0になり、吸着力はほぼ0になる。第2ステップ12、第3ステップ13では、ステップの周期がチャックの充放電の時定数に対して短くなるので、チャックに蓄積される電荷はわずかしか変化せず、吸着力は低い値のままである。 一方、線22のようにチャックの充放電の時定数の短い場合は、第1ステップ11でチャックに蓄積される電荷が一度0になった後、吸着時と逆極性の電荷が蓄積されるので、吸着力は一度0になった後、再び上昇する。しかし、第2ステップ12において、第1ステップ11と逆極性の電圧が印加され、チャックに蓄積される電荷が減少するので、吸着力は低下する。第3ステップ以降は、ステップの周期がチャックの充放電の時定数に対して短くなるので、チャックに蓄積される電荷はわずかしか変
【0014】
化せず、吸着力は低い値のままである。このように【数1】に従い周期の減少する交流方形波電圧1を印加することで、チャックに蓄積される電荷はチャックの充放電の特性によらず、確実に、かつ、速やかに減少させることができる。
【0015】
図1に示す交流方形波電圧は、吸着力がウエハが問題なく離脱できる程度に低下すれば、いつOFFにしてもよい。通常は、第3ステップか第4ステップでOFFすることができる。
【0016】
ダイポール型静電チャックにおいては、図1に示した交流方形波電圧と、上記交流方形波の極性を反対にしたものを双方の電極に印加すればよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
モノポール型の静電チャックの場合における本発明の一実施例として、マイクロ波プラズマエッチング装置における適用例を図3に示す。真空処理室31に、プロセスガス32を導入し、マイクロ波33を導入することによりプラズマ34を生成する。上面に絶縁体36を有する電極37によりモノポール型静電チャックが形成され、ウエハ35はその上に載置される。電極37には、ハイパスフィルタ38を通して高周波電源39を接続し、また、ローパスフィルタ40を通して静電吸着電源41を接続する。真空処理室31、高周波電源39、静電吸着電源41は接地する。
【0018】
図4はモノポール型静電チャックの場合における、図1に示す交流方形波電圧を出力することができる静電吸着電源41の一実施例を示す回路ブロック図である。ウエハ吸着時はスイッチ59をb側58に入れ、±1kVまで出力できる高電圧電源60に電圧設定信号として電圧V262を入力し、吸着時の印荷電圧を出力する。ウエハ離脱時は、スイッチ59をa側57に入れ、スイッチ52を入れる。スイッチ52を入れることにより、V151が一次積分器53に入力されランプ波形54が得られる。ランプ波形54を、線型な電圧−周波数変換特性を有する電圧−周波数変換器55に入
【0019】
力することにより、【数1】に従い周期の切り替わる交流方形波56が得られる。V
【0020】
151を調整することにより、【数1】におけるT1を任意に設定することができる。
【0021】
【数1】
【0022】
上記交流方形波56は±1kVまで出力できる高電圧電源60に電圧設定信号として入力され、図1に示す交流方形波電圧を出力する。また、印加電圧をOFFした後はリセット信号63により、一次積分器43を0に、電圧−周波数変換器45の初期の極性を第1ステップの極性に、それぞれリセットする。
【0023】
ダイポール型の静電チャックの場合における本発明の一実施例として、マイクロ波プラズマエッチング装置における適用例を図5に示す。真空処理室31、及びプラズマ34の励起方法などは、図3に等しいため省略する。上面に絶縁体45を有し、同心円状に配置された一対の電極43、44により、ダイポール型の静電チャック構成され、ウエハ35はその上に載置される。一対の電極のうち、内側の電極43にハイパス遮断フィルタ38を通して高周波電源39を接続し、内側の電極43、外側の電極44双方にローパス遮断フィルタ40を通して静電吸着電源46を接続する。尚、真空処理室31、高周波電源39、静電吸着電源46は接地する。
【0024】
図6はダイポール型静電チャックの場合における、図1に示す交流方形波電圧を出力することのできる静電吸着電源46の一実施例を示す回路ブロック図である。ウエハ吸着時はスイッチ59をb側58に入れ、V262を±1kVまで出力できる高電圧電源60に電圧設定信号として入力し、吸着時の印荷電圧を内側の電極に印加する。また、V262を反転増幅器66を通して極性を逆にしたものを、±1kVまで出力できる高電圧電源60に電圧設定信号として入力し、吸着時の印荷電圧を外側の電極に印加する。
【0025】
ウエハ離脱時は、図4の場合と同様に、スイッチ59をa側57に入れ、スイッチ42を入れる。スイッチ42を入れることにより、数1に従い極性の切り替わる交流方形波56を生成する。上記交流方形波56を±1kVまで出力できる高電圧電源60に電圧設定信号として入力し、図1に示す交流方形波電圧を内側の電極に印加する。また、前記交流方形波56を反転増幅器66を通して極性を反転し、±1kVまで出力できる高電圧電源60に電圧設定信号として入力し、図1に示す交流方形波電圧と極性を逆にしたものを外側の電極に印加する。電圧印加をOFFした後は、一次積分器53を0に、電圧−周波数変換器55の初期の極性を第1ステップの極性に、それぞれリセットする。
【0026】
図7はモノポール型静電チャックの場合における、図1に示す交流方形波電圧を出力することができる静電吸着電源41の別の実施例を示す回路ブロック図であ
【0027】
る。【数1】におけるT1を設定するためにV151を変化させるかわりに、積分時定数の調整機能を有する一次積分器67を用い、その時定数を変化させることによりT1を任意に設定することができる。
【0028】
図8はモノポール型静電チャックの場合における、図1に示す交流方形波電圧を出力することができる静電吸着電源41の別の実施例を示す回路ブロック図である。数1におけるT1を設定するためにV151を変化させるかわりに、電圧−周波数変換係数の調整機能を有する電圧周波数変換器69を用い、その変換係数を変化させることにより数1におけるT1を任意に設定することができる。
【0029】
図9はモノポール型静電チャックの場合における、図1に示す交流方形波電圧を出力することができる静電吸着電源41の別の実施例を示す回路ブロック図である。マイクロプロセッサ92とD/A変換器94を用いて、数1に従い極性の切り替わる交流方形波56を生成し、上記交流方形波56を±1kVまで出力できる高電圧電源60に電圧設定信号として入力し、図1に示す交流方形波電圧を出力する。
【0030】
【発明の効果】
本発明のウエハ離脱方法は、一定の規則に従って周期の減少する交流方形波電圧を印加することにより、電圧や時間等のパラメータの調整の必要無しに、チャックに蓄積された電荷を確実に、かつ、速やかに除去し、ウエハを容易に離脱することができる。
【0031】
また、本発明のウエハ離脱方法は、吸着力解除の途中においてウエハに外部より力を加えることがないため、ウエハの位置ズレが生じない。
【0032】
また、本発明のウエハ離脱方法は、ダイポール型、モノポール型のいずれの場合においても、実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電極に印加される交流方形波電圧の説明図である。
【図2】本発明の一実施例である電極に印加される交流方形波電圧と吸着力の変化の説明図である。
【図3】本発明の一実施例であるモノポール型静電チャックを示す全体構成図である。
【図4】本発明の一実施例であるモノポール型静電チャックの静電吸着電源の回路ブロック図である。
【図5】本発明の、ダイポール型静電チャックの場合における一実施例を示す全体構成図である。
【図6】本発明の一実施例であるダイポール型静電チャックの静電吸着電源の回路ブロック図である。
【図7】本発明のモノポール型静電チャックの静電吸着電源の別の実施例を示す回路ブロック図である。
【図8】本発明のモノポール型静電チャックの静電吸着電源の別の実施例を示す回路ブロック図である。
【図9】本発明のモノポール型静電チャックの静電吸着電源の別の実施例を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1:一定の規則に従って周期の減少する交流方形波電圧、21,22:吸着力の変化、41:静電吸着電源(モノポール型静電チャックの場合)、46:静電吸着電源(ダイポール型静電チャックの場合)。
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