JP4282100B2 - 静電チャックにおける被吸着物の離脱方法及び静電チャック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電チャックにて吸着保持された半導体ウエハ等の被吸着物を離脱させる方法及びその実施に使用する静電チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造において、半導体ウエハに対してエッチング、CVD等のプロセスを施す場合、半導体ウエハを固定保持するために一般に静電チャックが使用されている。静電チャックは、メカニカルチャックに比べ、ウエハの反りを矯正することができる、ウエハの温度を容易に制御することができる、等の長所を有する。
【0003】
静電チャック本体1は、図8にその概略を示す如く、電極1bとその外表面に被覆された絶縁膜1aとで構成されている。例えば、静電チャック本体1をプラズマ処理装置内に設置し、正の電位を与えた場合、プラズマ処理中においては、ウエハSはプラズマを介して接地されるので、電極1bとウエハSとの間に電位差が生じる。この電位差により絶縁膜1aには誘電分極現象が起こり、静電チャック本体1表面には正の電荷が励起され、ウエハSとの間の静電気力(クーロン力)による吸着力でウエハSは静電チャック本体1に吸着固定される。この吸着力は、エッチング等のプロセスが終了し、電圧の印加を停止しても、ウエハに電荷が残るために残存する。従ってウエハを離脱させるには、この電荷が完全に放電される必要があり、時間がかかるという問題がある。
【0004】
そこで従来から種々の離脱方法が提案されている。
例えば、吸着時の電圧とは極性が逆である電圧を印加する方法、交流電圧を印加する方法(特開昭62−153034号公報、実公平5-28773号公報)、及び減衰する交番電圧を印加する方法 (特開昭62-44332号公報) 等である。
また離脱時にウエハをリフトピンで押し上げる方法も実際に行われている。
さらに処理が終了する前に吸着のための電圧印加を停止する方法も開示されている(特開平3−236255号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら逆電圧、交流電圧、又は減衰交番電圧を印加する各方法においては確実に離脱させることは困難である。交流電圧を印加しても、ウエハが離脱される確率があまり高くならない理由については明らかではないが、以下のように考えることができる。一定の逆電圧を印加した際の残留吸着力は、印加電圧等の条件により異なるが、基本的には図9に示す如く変化する。即ち吸着力は急激に低下し、そして再度上昇を始める。しかしながら50Hz又は60Hzの交流電圧を印加した場合、残留吸着力の変化が電圧の変化に追随することができず、残留吸着力が十分に低下し得ないためであると考えることができる。
【0006】
またリフトピンによる押し上げを併用することも行われているが、ウエハのサイズ、表面に形成されている膜の種類及び厚み等が異なるウエハの種類、又は処理の条件等によっては、残留吸着力が大きいことがあり、その残留吸着力がリフトピンによる押し上げ力を上回ると、ウエハの離脱が行えない。またリフトピンによる押し上げ力を過度に大きくすると、残留吸着力が大きい場合、ウエハを損傷することがある。
プロセスが終了する前に電圧印加を停止する方法は、プロセス終了直前の固定状態を不安定にするという問題がある。
【0007】
図9において、吸着のために印加した電圧を 800Vとし、離脱のために印加した電圧を−200 Vとする。またリフトピンによる押し上げ力を併記する。上述した如く、逆電圧を印加すると、吸着力は急激に低下し、ある時間で極小値に達し、そして再度上昇し、飽和する。吸着力の下降時に、吸着力がリフトピンによる押し上げ力を下回り、この状態が充分に継続した場合ウエハは離脱する。しかしながら吸着力の下降が不十分であったり、持続時間が短かったりした場合は、逆電圧によってウエハが逆電荷に帯電し再度吸着される。
【0008】
そこで逆電圧の値を大きく設定したり、逆電圧の印加時間を短く設定したりという工夫がなされているが、残留吸着力はウエハの種類、処理条件により変化するため、逆電圧の値、及び印加時間を適正に設定することは困難であり、確実にウエハが離脱するとは限らない。ウエハの種類、処理条件によっては、ウエハが離脱する確率は5割を少し上回る程度であるのが現状である。
【0009】
本発明は、斯かる知見に鑑みてなされたものであり、被吸着物を損傷することなく、静電力により吸着固定された被吸着物を短時間で確実に離脱させることが可能な静電チャックにおける被吸着物の離脱方法及びその実施に使用する静電チャックを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、静電チャックに吸着電圧を印加することにより静電吸着保持された被吸着物を離脱させる方法において、吸着電圧の印加を停止させる工程と、吸着電圧の印加を停止した後に、前記被吸着物を前記静電チャックから離脱させる方向への力を加える工程と、前記被吸着物を前記静電チャックから離脱させる方向への力を加えながら、前記静電チャックに所定の第1の離脱電圧を所定時間印加する工程と、前記第1の離脱電圧の印加中に前記被吸着物の離脱状態を検出する検出工程と、該検出工程において前記被吸着物の離脱が検出されていない場合は、前記離脱電圧の極性を反転させた第2の離脱電圧を印加する工程とを含み、該工程の後は、離脱電圧の極性を反転させる離脱処理工程を繰り返すことによって、第1の離脱電圧及び第2の離脱電圧を交互に印加し、前記検出工程において前記被吸着物の離脱が検出された場合は、前記離脱処理工程を終了することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、静電力により被吸着物を吸着保持する静電チャックにおいて、前記被吸着物が吸着保持される静電チャック本体と、前記被吸着物との接触表面に対し出没可能に前記静電チャック本体に内設されたピンと、該ピンの出没を操作する操作手段と、前記ピンにて前記被吸着物を前記静電チャックから離脱させる方向への力を加えながら、静電吸着保持された被吸着物を離脱させるための第1の離脱電圧又は該離脱電圧の極性を反転させた第2の離脱電圧を静電チャック本体に所定時間印加する印加手段と、該印加手段による第1又は第2の離脱電圧の印加中に前記被吸着物の着脱状態を検出する検出手段と、該検出手段にて前記被吸着物の離脱が検出されていない場合、前記印加手段が印加する離脱電圧の極性を、前記検出手段が着脱状態を検出したときに前記印加手段が印加していた離脱電圧の逆の極性に反転させる反転手段と、前記検出手段にて前記被吸着物の離脱が検出された場合、前記印加手段による電圧印加を停止させる手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
離脱電圧(初回の離脱電圧は吸着電圧と逆の極性の電圧)を印加した場合、吸着力が降下し極小値に達した後に、被吸着物にも逆の電荷が生じて再吸着されることがある。本発明では、1回の逆電圧の印加によって吸着力が極小値に達しても離脱しなかった場合に、さらに初回の離脱電圧とは逆極性の離脱電圧を所定時間印加して、吸着力が低下し極小値に達する機会を付与する。そして被吸着物の着脱状態を検出しながらこのような機会の付与(離脱工程)を自動的に複数回実施することが可能であるので、離脱成功率が大幅に向上し得る。
吸着力がピンによる押し上げ力を下回ったときに、被吸着物が離脱する可能性があり、この時間が長く、また回数が多いほど被吸着物は確実に静電チャックから離脱する。従って帯電している電荷が完全に放電される前に被吸着物を離脱させることができ、これにより離脱に要する時間を短縮することができる。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項1において、離脱電圧の印加回数を計数する計数工程を含み、該計数工程における印加回数が所定値に達した場合は、前記離脱電圧の印加を終了することを特徴とする。
【0017】
請求項記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記反転手段による電圧極性反転の最大回数を設定する手段を備えることを特徴とする。
【0018】
静電チャック本体に印加される電圧の極性反転回数が有限であるので、処理を所定時間内に強制的に終了させることができる。強制終了後は、オペレータがその後の処理を指示するようになしてある。適宜設定された回数を実施しても離脱されない場合は、同一条件の処理をそれ以上繰り返しても離脱されないことが多く、また静電チャック表面に、例えばプロセスガスの分解生成物、又は反応生成物等の不純物が付着、堆積している等の、トラブルが生じている可能性がある。従ってこれ以上離脱処理を続行するか否か、また続行する場合は離脱条件を変更するか否かについては、オペレータによって判断することが望ましい。
請求項5記載の発明は、前記操作手段が、前記被吸着物を吸着するための吸着電圧の印加を停止した後に、前記ピンにて前記被吸着物を前記静電チャックから離脱させる方向への力を加え、前記印加手段は、前記ピンにて前記被吸着物を前記静電チャックから離脱させる方向への力を加える処理を開始した後、所定の電圧を静電チャック本体に所定時間印加するようにしてあることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記所定時間が、離脱工程1回当たりの電圧の印加時間を、吸着力が再上昇し飽和にいたる時間よりも短くなるように設定されていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明に係る静電チャックにおける被吸着物の離脱方法を実施する静電チャックを示す模式図であり、例えばプラズマ処理装置等の装置内に設けられている。図中1は被吸着物であるウエハSを固定するための静電チャック本体であり、電極1bの外表面が絶縁膜1aにて被覆されてなる。静電チャック本体1には電極1bへ所定の電圧を所定時間印加するための電源2が接続されており、電圧の極性、値及び印加時間は、制御部3の制御に基づいて変更可能になしてある。
【0020】
静電チャック本体1には、その厚み方向(図では上下方向)に貫通する孔1bが数カ所に設けられており、各孔1cには支持板4にて支持されたリフトピン5が突入可能に設置されている。支持板4はエアシリンダ6に接続されており、これによって上下動せしめられるようになっている。エアシリンダ6にはリフトピン5の位置を検出するための、例えばリミットスイッチで構成される位置検出器6aが取り付けられており、その検出信号は制御部3へ与えられるようになしてある。エアシリンダ6によるリフトピン5の上下動も制御部3にて制御するようになしてある。
【0021】
制御部3は、図2に示す如く、位置検出器6aからの検出信号が与えられるリフトピン位置入力部31と、電源2の電圧を設定する電圧設定部34と、エアシリンダ6の動作を制御するエアシリンダ制御部37と、カウンタ35と、リフトピン位置入力部31及びカウンタ35の出力信号を受けて、電圧設定部34及びエアシリンダ制御部37へ制御信号を出力する判断部32とを備える。さらに予め定めたステップに基づくプログラムを設定するために、電圧値、印加時間、電圧極性の最大反転回数等のデータに関するキー入力信号が与えられるキー入力部38と、これにより与えられたデータを記憶するメモリ36とを備える。
【0022】
図3は本発明方法を説明するためのフローチャートである。予めメモリ36に記憶されている吸着のための電圧を、電源2が電極1bへ印加するように、判断部32が、電圧設定部34を制御することにより、ウエハSが静電チャック本体1に吸着固定される(ステップS1)。静電チャックが備えられた処理装置における所定のプロセス時間が経過した後、判断部32は、電圧の印加を停止させ(ステップS2)、リフトピン5を上昇させるべくエアシリンダ制御部37からエアシリンダ6へ制御信号を出力させる(ステップS3)。そして吸着時とは極性が逆である離脱電圧が所定時間、電極1bへ印加されるように、判断部32がカウンタ35の出力信号に基づいて電圧設定部34を制御し(ステップS4)、リフトピン位置入力部31を介して与えられる位置検出器6aからの検出信号に基づいて判断部32が、ウエハSが離脱したか否かを判断する(ステップS5)。
【0023】
ウエハSが離脱されていないと判断された場合は、所定の印加時間が経過するまで(ステップS6)、この確認を行い、所定時間が経過したときは、離脱電圧の印加が、予めメモリ36に記憶された所定回数行われたか否かを判断し(ステップS7)、NOである場合は、ステップS4へ戻り、さらに前回とは極性が逆である離脱電圧を印加させる。ステップS7においてYESである場合は離脱電圧の印加を終了する。またステップS5においてウエハSが離脱したと判断された場合は、離脱処理を終了する。なお上述の離脱電圧の印加時間は、吸着力が極小値にいたる時間より長く、設定する必要がある。
【0024】
本発明方法を実施した場合の、ウエハS、静電チャック本体1間の吸着力は、図4に示すように変化すると考えられる。吸着時の電圧とは逆の電圧を印加する第1回離脱工程を実施すると、吸着力は急激に下降し、極小値に達した後上昇を始める。そして、ある時間で吸着力は飽和し、略一定となる。さらに第2回離脱工程を実施すると、同様に吸着力は急激に下降し、極小値に達した後上昇を始め、吸着力は略一定となる。第3回、第4回離脱工程も同様である。
【0025】
従ってリフトピン5による押し上げ力を吸着力の極小値よりも大きく、しかもウエハを損傷しない範囲で適当な値に設定しておくことにより、言い換えれば吸着力がリフトピン5による押し上げ力を適宜時間下回るように電圧を設定することにより、この間にウエハSを離脱させることができる。しかしながら実際にはウエハS又はその他の条件によっては、吸着力がリフトピン5による押し上げ力以下に下降しなかったり、吸着力がリフトピン5による押し上げ力を下回った場合でも、ウエハSが離脱しないことがあるが、離脱工程を複数回実施することにより、その確率を高めることができる。
またウエハSの離脱が検出された場合は、設定された離脱工程が残っていても、それを中断するので、離脱されたウエハSが再吸着されることはない。
【0026】
さらに離脱工程1回当たりの逆電圧の印加時間を、吸着力が再上昇し飽和にいたる時間よりも短く設定すると、さらに離脱する確率が向上することが繰り返し行った実験により分かった。
【0027】
1回当たりの印加時間を、上述したように設定した際に、離脱確率がさらに向上する理由については正確には分かっていないが、以下のように考えることができる。
離脱工程1回当たりの逆電圧の印加時間を、吸着力が飽和にいたる時間より短く設定すると、ウエハSと静電チャック本体1間の吸着力は、図5に示す如く変化すると考えられる。即ち第1回離脱工程終了時の吸着力Fm1よりも第2回離脱工程終了時の吸着力Fm2の方が小さくなる。以下同様にFm1>Fm2>Fm3>Fm4となる。但し、この値は収束し、やがてFm(n)=Fm(n+1)となると考えられる。従って吸着力の極小値Fs(n)も、順次小さくなり、同様に、やがて飽和すると考えられる。吸着力の極小値が小さくなることにより、リフトピンの押し上げ力が吸着力を上回る確率が高くなり、また上回る時間が長くなると考えられる。以上より、離脱確率が向上すると考えることができる。
【0028】
【実施例】
プラズマエッチング装置において、そのタイムチャートを図6に示す本発明方法と、図7に示す従来方法とを用い、1000枚のウエハSに対して連続ランニングテストを実施した結果について述べる。ウエハSは、両面に2μm の熱酸化膜が形成されたSiウエハであり、サイズは8インチである。
【0029】
エッチングのための条件は以下の通りである。
マイクロ波パワー 1300 W
RFパワー 600 W
反応ガス:CHF3 50 sccm
室内圧力 50 mTorr
静電チャック(ESC)電圧 600 V
エッチング処理時間 2 分
【0030】
図6に示す如く本発明方法では、離脱工程の最大値を4回に設定してある。また図7に示す如く従来方法では、離脱工程は1回である。いずれの場合も吸着時の電圧は 600Vとし、離脱工程での電圧は± 200Vとし、1回当たりの印加時間は5sec.に設定してある。リフトピン押し上げ力は1.5kgf/cm2 である。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004282100
【0032】
表1より明らかな如く、吸着力がリフトピン5による押し上げ力を下回る機会が1回しかない従来方法では、離脱成功率は約6割であったが、この機会が4回まで得られる本発明方法では約9割にまで上昇した。いずれの場合もウエハに損傷は見られなかった。
【0033】
離脱工程での電圧値は、吸着時の電圧及びウエハSのサイズ、又は処理条件により適宜に設定する。また離脱工程の回数についても所望する離脱成功率が達成されるように適宜設定すればよいが、4、5回以下に設定することが望ましい。これは、数多く行った実験によると、離脱工程を4、5回繰り返しても離脱されないウエハは、同条件では回数を多くしても離脱されないことが多い。またこのような場合は、静電チャック本体1の表面に不純物の付着、堆積等のトラブルが生じている可能性があり、オペレータの判断に委ねることが好ましいからである。
【0034】
離脱工程1回当たりの逆電圧印加時間は、吸着力の時間変化が追随することができる程度の時間であり、しかも吸着力が極小値にいたるまでの時間よりも長く設定すればよいが、前述の理由により、吸着力が再度上昇して飽和にいたるまでの時間よりも短く設定する方が望ましい。
最低な電圧値、離脱工程1回当たりの印加時間、及び最適なリフトピンの押し上げ力は、ウエハのサイズ、ウエハ上に形成されている薄膜の状態、又はウエハの処理条件等の条件により異なる。しかし、一般に同一条件の処理が連続して行われるので、その同一条件の処理を行う前に、予め図9に示されるような逆電圧を印加した際のその条件における吸着力の時間変化を求めるか、過去の当該条件での処理における実績から、吸着力の極小値、極小値にいたるまでの時間、及び飽和にいたるまでの時間等を考慮して電圧値、印加時間、及び押し上げ力の各値を設定することが好ましい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る静電チャックにおける被吸着物の離脱方法は、被吸着物が離脱するまで逆電圧を印加する離脱工程を複数回自動的に繰り返すことにより、1回の逆電圧印加では低い離脱成功確率を、被吸着物を損傷することなく大幅に上昇させることができる。また本発明に係る静電チャックは、被吸着物の離脱を検出する手段を備え、被吸着物が離脱するまで複数回の離脱工程を自動的に実施することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電チャックを示す模式図である。
【図2】図1に示す制御部の構成図である。
【図3】本発明方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明方法による吸着力の変化を示す図である。
【図5】本発明方法による吸着力の変化の他の例を示す図である。
【図6】本発明方法の実施条件を説明するタイムチャートである。
【図7】従来方法の実施条件を説明するタイムチャートである。
【図8】静電吸着の原理を説明する図である。
【図9】従来方法による吸着力の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 静電チャック本体
2 電源
3 制御部
5 リフトピン
6 エアシリンダ
6a 位置検出器
S ウエハ

Claims (6)

  1. 静電チャックに吸着電圧を印加することにより静電吸着保持された被吸着物を離脱させる方法において、吸着電圧の印加を停止させる工程と、吸着電圧の印加を停止した後に、前記被吸着物を前記静電チャックから離脱させる方向への力を加える工程と、前記被吸着物を前記静電チャックから離脱させる方向への力を加えながら、前記静電チャックに所定の第1の離脱電圧を所定時間印加する工程と、前記第1の離脱電圧の印加中に前記被吸着物の離脱状態を検出する検出工程と、該検出工程において前記被吸着物の離脱が検出されていない場合は、前記離脱電圧の極性を反転させた第2の離脱電圧を印加する工程とを含み、該工程の後は、離脱電圧の極性を反転させる離脱処理工程を繰り返すことによって、第1の離脱電圧及び第2の離脱電圧を交互に印加し、前記検出工程において前記被吸着物の離脱が検出された場合は、前記離脱処理工程を終了することを特徴とする静電チャックにおける被吸着物の離脱方法。
  2. 離脱電圧の印加回数を計数する計数工程を含み、該計数工程における印加回数が所定値に達した場合は、前記離脱電圧の印加を終了することを特徴とする請求項1記載の静電チャックにおける被吸着物の離脱方法。
  3. 静電力により被吸着物を吸着保持する静電チャックにおいて、前記被吸着物が吸着保持される静電チャック本体と、前記被吸着物との接触表面に対し出没可能に前記静電チャック本体に内設されたピンと、該ピンの出没を操作する操作手段と、前記ピンにて前記被吸着物を前記静電チャックから離脱させる方向への力を加えながら、静電吸着保持された被吸着物を離脱させるための第1の離脱電圧又は該離脱電圧の極性を反転させた第2の離脱電圧を静電チャック本体に所定時間印加する印加手段と、該印加手段による第1又は第2の離脱電圧の印加中に前記被吸着物の着脱状態を検出する検出手段と、該検出手段にて前記被吸着物の離脱が検出されていない場合、前記印加手段が印加する離脱電圧の極性を、前記検出手段が着脱状態を検出したときに前記印加手段が印加していた離脱電圧の逆の極性に反転させる反転手段と、前記検出手段にて前記被吸着物の離脱が検出された場合、前記印加手段による電圧印加を停止させる手段とを備えることを特徴とする静電チャック。
  4. 前記反転手段による電圧極性反転の最大回数を設定する手段を備えることを特徴とする請求項3記載の静電チャック。
  5. 前記操作手段は、前記被吸着物を吸着するための吸着電圧の印加を停止した後に、前記ピンにて前記被吸着物を前記静電チャックから離脱させる方向への力を加え、前記印加手段は、前記ピンにて前記静電チャックから離脱させる方向への力を加える処理を開始した後、所定の電圧を静電チャック本体に所定時間印加するようにしてあることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の静電チャック。
  6. 前記所定時間は、離脱工程1回当たりの電圧の印加時間を、吸着力が再上昇し飽和にいたる時間よりも短くなるように設定されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一つに記載の静電チャック。
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