JP2007335657A - プラズマ処置装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で、試料の離脱を速やかに行うことのできる試料台を備えたプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】内部に減圧される処理室を形成する真空容器と、該真空容器内にプラズマを生成し、生成したプラズマにより前記真空容器内に配置した試料台201上に載置された試料にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、前記試料台に配置され前記試料を前記試料台に吸着させる手段と、前記試料台内に配置され、前記試料台の上方に移動して前記試料を試料台上面から押し上げるピン305と、前記減圧された処理室とは封止され大気圧にされた室内に配置され、前記ピンと連結されて内部のシリンダ内のピストンの動作により前記ピンを駆動する駆動機構320と、前記ピンと前記大気圧にされた室との間を封止するとともに前記ピンの動作に伴って伸縮するベローズ306と、可圧縮性の流体を前記ピストンにより仕切られる前記シリンダ内の空間に、シリンダ押し上げ力が所定値以下となるように調整して供給する調節器308を備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、プラズマ処理装置に係り、特に、真空容器内部に配置された試料台の上面に被処理体である試料を吸着して処理を施すプラズマ処理装置に関する。
プラズマ処理装置では、真空容器内に配置された試料台上に半導体ウエハ等の基板状の試料を載置し、載置した試料を静電気力を用いて試料台上面に吸着して保持しつつ前記試料を処理を施している。
また、前記試料に施す処理が終了すると、試料の吸着を解除し、試料を試料台から離脱させて、処理後の試料を処理室から搬出する。試料を試料台から離脱させる際には、試料台内に配置されて上下に移動可能な複数のピン(押し上げピン)を、試料台上に載せられた状態の試料の裏面に押し当てて、さらにピンを上方に移動させることにより、試料を試料台上面から上方に離脱させて持ち上げることが一般的に行われている。
このような構成においては、試料を試料台上方に押上げて離脱させる際に、試料台表面または試料内に静電気が残っていて、このため両者の間に静電気力が働いている場合、所謂、残留吸着力がある場合が存在する。このような場合においては、ピンによる押上げ力が弱い場合には試料を離脱させることができず、前記静電気が放電または中和されて残留吸着力が小さくなるまで試料の持ち上げ、搬送を待機しなければならない。
このとき、大きな押し上げ力でピンを試料に押し当てて試料を持ち上げようとすると、試料に割れ等の損傷が生じることがある。
このため、このような場合には、ピンを試料を接触させて押上げる際に、ピンを上下に駆動するモータの駆動力を調節して、ピンを所定の距離だけ上方に移動させて試料に押しつけた後、ピンを下方に移動させて待機するという動作を数回繰り返しながら徐々に試料の電荷を逃がしつつ、試料が割れない範囲で試料と試料台表面との間の吸着した領域を徐々に小さくして試料台から離脱させていた(特許文献1参照)。
特開開平9−275132号公報
前記従来技術は、ピンをモータ駆動によ利制御している。このため、試料の残留吸着力が所定値(許容値)より大きい場合に、ピンをモータ駆動により上昇させると試料に割れが生じる可能性がある。残留吸着力は、試料や試料台表面の材質や状態によって影響を受けるため、処理した試料の枚数が増えるに伴って試料台表面の状態も変化し、残留吸着力も変化する場合がある。このような場合に、大きな力でピンを試料に押し付けると前述のように試料に損傷を与える。
また、試料の損傷を抑制するために、前述のようにピンの上昇、下降および待機という動作を繰り返す場合は、試料の離脱までに時間がかかり、試料の処理効率が低下する。さらに、ピンを駆動するためのモータを収納する空間が大きくなり、装置が大型化して装置の設置面積が大きくなる。
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたもので、小型で、試料の離脱を速やかに行うことのできるプラズマ処理装置を提供するものである。
本発明は前記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
内部に減圧される処理室を形成する真空容器と、該真空容器内にプラズマを生成し、生成したプラズマにより前記真空容器内に配置した試料台上に載置された試料にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、前記試料台に配置され前記試料を前記試料台に吸着させる手段と、前記試料台内に配置され、前記試料台の上方に移動して前記試料を試料台上面から押し上げるピンと、前記減圧された処理室とは封止され大気圧にされた室内に配置され、前記ピンと連結されて内部のシリンダ内のピストンの動作により前記ピンを駆動する駆動機構と、前記ピンと前記大気圧にされた室との間を封止するとともに前記ピンの動作に伴って伸縮するベローズと、可圧縮性の流体を前記ピストンにより仕切られる前記シリンダ内の空間に、シリンダ押し上げ力が所定値以下となるように調整して供給する調節器を備えた。
本発明は、以上の構成を備えるため、小型で、試料の離脱を速やかに行うことのできるプラズマ処理装置を提供することができる。
以下、最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置を備えた真空処理装置の概略構成を説明する図(上面図)である。
真空処理装置100は、大気ブロック101と処理ブロック102とに大別される。大気ブロック101は大気圧下でウエハを搬送、収納、位置決め等をする部分であり、処理ブロック102は大気圧よりも減圧された圧力下でウエハ等の試料を搬送し、処理を行ない、試料を載置した状態で圧力を上下させることのできる部分である。
大気ブロック101は内部に搬送ロボットを備えた筐体107を有し、筐体107には、処理用またはクリーニング用の試料が収納されているカセット108を取り付ける。
処理ブロック102は、減圧下で試料を処理する処理ユニット103、103’(エッチング室)、及び104、104’(アッシング室)、これらの処理ユニットに試料を減圧下で搬送する搬送室105(バッファ室)、およびこの搬送室105と大気ブロック101を接続するロック室106、106’を備えている。この処理ブロック102は減圧されて高い真空度の圧力に維持可能なブロックである。
図2は、図1に示す処理ユニット103の概略構成を説明する図(縦断面図)である。図2に示すように、処理ユニット103の上部には、放電室210を含む処理室を形成する。また、真空容器であるチャンバ211とその上部に配置され放電室210内にプラズマを形成するための磁界または電界を供給するためのソレノイドコイル207、および電波源208を配置する。
また、電波源208からの電力を電界として放電室に伝播するアンテナ部材204、アンテナ部材の周囲に配置された石英等の絶縁性部材で構成された円板またはリング状の誘電体205、およびこれらの外周を囲んで配置され、チャンバ211から取り外し可能に構成され蓋部材206を備える。なお、蓋部材206はチャンバ211とともに真空容器を構成する。
放電室210を含む処理室内には、放電室210下方に試料台201が配置されており、処理室の試料台201の下方の空間と放電室210とは、略円筒形状の試料台の外周側の空間とを介して連通されている。また、試料台201の直下方のチャンバ211の下部には、チャンバ211下方に接続された真空ポンプ215と連通する開口が配置され、この開口の上方の処理室内には上下に移動して開口を開閉する開閉バルブ213が配置されている。真空ポンプ215は制御装置217からの信号を受信して動作して、処理室内のガスや生成物を排気して、放電室210を含む処理室内の圧力を所期の圧力になるように調節する。
さらに、前記開口と真空ポンプ215との間を連通する通路には、処理室内からのガスが通過できる断面積を増減するため、複数の回転可能な板状の回転バルブ214を回転軸を前記通路を横切る方向に平行にして配置されている。この回転バルブ214の回転角は、制御装置217からの指令に応じて調節される。これにより、通路の通流可能な面積を変動させることができ、真空ポンプによる処理室内のガス等の排気の量が調節される。これにより処理室内の圧力を調節することができる。なお、開閉バルブ213は、処理室内のメンテナンス、あるいは処理ユニットを真空処理装置100本体や搬送室105から離脱させる場合にチャンバ211下部の開口を閉塞する際に使用する。
また、チャンバ211は、その側壁部分が搬送室105の側壁と各々の開口を介して接続されており、これらの間に配置された開口を開閉するゲートバルブ212により、その間が連通あるいは遮断される。このゲートバルブ212が開放された状態で搬送室105内部の空間と処理室部200の内側の処理室内の空間とが連通し、両者の圧力はほぼ等しくなる。
ゲートバルブ212の開放時には、試料を搬送室105内部から処理室内部に配置された試料台201上に搬送して載置する。試料が試料台201に載置されたことを検知した後、ゲートバルブ212を閉塞し、処理ユニット103と搬送室105を遮断し、処理室部内を密封して処理を実施する。
本実施形態では、図2に示すように、処理ユニット103の上部は放電室部が配置されており、この放電室部は、真空容器の蓋を構成する蓋部材206、この蓋部材206の内側に配置されたアンテナ部材、このアンテナ部材の側方と上方とに配置され放電室部を囲んで配置されたソレノイドコイル207を含む磁場発生部、およびこのアンテナ部材204の下方に配置された放電室または処理室の天井部材とを含んで構成されている。また、磁場発生部上方にはアンテナ部材204が放出するUHF帯やVHF帯の電波を供給する電波源部208が配置されている。アンテナ部材はSUS(ステンレス)等の導電性部材で構成された蓋部材206の内側に配置された平板形状のアンテナ204、およびこのアンテナ204と蓋部材206との間に配置されてこれらの間を絶縁するとともにアンテナ204から放出される電波を下方の天井部材側に伝導するために配置されたリング形状の少なくとも1つの誘電体205を備えている。
天井部材は、アンテナ部材204下方の誘電体205の部分の下方に配置した石英プレート203、およびこの石英プレート203の下方に配置され、供給された処理用のプロセスガスを処理室の内側に分散して導入するための複数の孔が形成されたシャワープレート202を備え、アンテナ204から放射された電波を誘電体205を介して下方の処理室に伝達する。
シャワープレート202と石英プレート203の間は微小な隙間の空間209が形成されており、この空間209にはプロセスガスが供給され、シャワープレート202を貫通してチャンバ211内に供給される。チャンバ211内の試料台201上方の空間は、供給されたプロセスガスに石英プレート203を通って導入された電波と、磁場発生部から供給された磁場との相互作用によりプラズマが生成される放電室210となっている。前記生成されたプラズマにより、試料台201に載置された試料のエッチングが進行する。
試料台201内には、後述するように電極が配置されており、電源216からの高周波電力が配線を介して供給され、試料台201上面にバイアス電位を形成する。これにより、試料台201上に載置した試料の表面には、バイアスによる電位とプラズマの電位との差電位により加速されたプラズマ中のイオン等の荷電粒子を衝突させる。これにより、試料表面の特定の方向について他の方向よりも大きく進行させる処理、すなわち異方性の処理を実現することができる。なお、前記高周波電源216、ソレノイドコイル207、電波源208、ゲートバルブ212等は制御装置217からの指令信号に応じて動作が調節される。
図3は、図2に示す試料台201の詳細を説明する図(縦断面図)である。図3に示すように、試料台201は、上下方向に複数の層状の構造が積み重なって構成されている。試料台上部は電極301であり、下部には電極301内に配置されたピン305を駆動するための駆動部が配置されている。
さらに、電極301は複数層の構造で構成され、上面は試料が載置される載置面であり、試料を静電気で吸着するためアルミナ等の誘電体による誘電体膜301aが配置されている。この誘電体膜301aの下方には、導電性および熱伝導性を有する材質で構成された略円板形状の基材301bが配置されており、その内部には温度または流量が制御装置217の指令に基づいて調節された冷媒が通流する独立した複数個の冷媒流路323が配置されている。これらの冷媒流路323により基材301bの温度が調節される構造となっている。基材301bの温度が調節されることにより、電極301上面に載せられた試料の温度が所望に調節可能にされる。
また、誘電体膜301aおよび基材301bの外周側には、略円筒形上の電極301の上面の外縁部および側面を覆って配置された絶縁体製のリング301cが配置されており、基材301bをプラズマから保護している。さらに、基材301b下方には円板状の絶縁体301dが配置されて、基材301bとその周囲との熱の伝達を抑制している。
さらに、導電性部材から構成された基材301bには電源216からの高周波電力が供給され、試料の処理中にバイアス電圧を試料表面に形成することができるように構成されている。高周波電力を供給するためのコネクタ324は、絶縁部材301dの貫通孔内に嵌め込まれて基材301bと接続されており、導通が維持されている。
また、本実施形態では、試料の裏面と誘電体膜301aとの間の空間にHe等の熱伝達ガスを供給することで、温度が調節される基材301bと試料との間の熱伝導を向上させて、試料の温度の調節の精度と再現性を向上させている。前記熱伝達ガスは、ガス源321から絶縁部材301dおよび基材301bに配置された貫通孔からなる供給経路を経て、試料載置面である誘電体膜301a表面の供給孔から導入される。絶縁部材301dの下面には、熱伝達ガスの導入管325が接続されている。Heなどの伝熱ガスは、試料載置面と試料裏面との間の空間で圧力が所定値になるように、経路上の調節バルブ322により供給量が制御されている。この調節バルブ321の動作も制御装置217からの指令信号に応じて調節されている。
電極301内には、誘電体膜301a上方に試料を持ち上げるための複数のピン305がその軸を上下方向にして配置されており、これらのピン305が挿入されて内部に配置された貫通孔305aが電極301を貫通して配置されている。ピン305は、駆動部320により上下方向に移動(昇降)される。駆動部320内において、ピン305は、その下端がベース307と連結されて支持され、このベース307上方で絶縁部材301d下面に装着されて接続されたシリンダ304内部のピストン326と連結され、ピストン326のシリンダ304内部に形成された円筒状の空間の軸方向の動作により上下に駆動される。
試料台201は処理室内部の真空状態に曝されている一方、駆動部320内部は大気圧状態にされている。すなわち、駆動部320内はチャンバ211の側壁に配置された経路Pを通して、外部の雰囲気と連通されている。さらに、駆動部320は、側壁部材302、下壁部材303によって処理室内の空間から密封された構造としている。また、電極301下面とベース307との間は、ピン305の軸方向に伸縮するベローズ306がピン305周囲に前記軸に沿って配置されており、このベローズ306によって、処理室内の空間と駆動部320内の空間とがシールされている。
電極301上では、直流電圧を印加することにより生じる静電吸着力によって試料をその誘電体膜301a上に保持している。本実施形態では、直流電圧が供給される電極は誘電体膜301a内に配置されたタングステン膜等の膜状の導電性材で構成されているが、基材301bに供給することで、挟まれた誘電体膜301aに静電気を生起して吸着力を形成しても良い。
試料の表面にエッチング等の処理を施した後、静電吸着力により保持されている試料を電極301から剥がすために、静電気の中和等の除電処理を行なう。除電処理を行っても試料や誘電体膜301a内には電荷が残っており、両者間では残留する静電気による吸着力(残留吸着力)が残る。この残留吸着力が大きい場合には、電極301から無理に試料を剥がそうとすると割れ等の損傷が試料に生じる。
そこで、本実施形態では、処理の終了後、試料の除電処理を行った後、残留吸着力が所定値以上である場合には、試料に損傷が生じない許容値以下の力でピン305を試料裏面に押し付ける。許容値以下でピン305を押し付けて、試料が試料台201上に持ち上がれば、割れを生じることなく持ち上げることができる。
試料が持ち上がらない場合には、残留した静電気が多いため吸着力が大きいのであり、試料とピン305とを接触した状態を維持し、導電体製のピン305から試料内にある電荷を逃がして除電する。このように、本実施形態では、除電を行いつつ許容値以下の大きさの力でピン305を押し付ける。このため、除電により残留吸着力が許容値以下に減少したとき、試料を試料台201から離脱して持ち上げることができる。これにより、試料に損傷を生じることを抑制しつつ、試料を持ち上げることができる。なお、導電体製のピン305は、ベース307、側壁部材302を介して、接地されたチャンバ211の側壁に接続され接地電位にされている。
ピン305による試料の押し上げ動作を行なう場合、制御装置217からの指令信号に応じてシリンダ304内の円筒形上の空間内に供給されるガスの圧力を調節し、ピストン326をシリンダ304の軸方向である上下方向に移動を開始させる。上昇したピン305の先端部が試料の裏面に当接された後も、シリンダ304内の圧力差に応じてピストン326は駆動され続け、ベース307を介してピン305は上方に移動しようとする。残留吸着力がある場合には、試料は誘電体膜301a上に固着保持されて移動できず、その結果、ピン305から試料裏面に印加される押し付け力が増加して行く。そして、誘電体膜301a上に保持された試料に印加される押し付け力は、シリンダ304によりピストン326に印加される力と等しくなるまで増大する。
シリンダ304からピストン326に印加される力と等しくされた試料への押し付け力が、試料に損傷を生起しない許容値以下の大きさであれば、試料は割れ等を生じないまま、所定の押し付け力が付与され続けた状態で、試料台201上に保持される。この状態で、導電体製のピン305を介して試料内の電荷が放電され、試料内の静電気力(吸着力)が減少する。このように、試料に所定の押し付け力を断続することなく、連続して印加し続けることで、吸着保持された試料と誘電体膜301aとの間の、隙間(剥がれ)のある領域(面積)を徐々に増大させ続けることができる。
ピン305を介した電荷の放電による静電吸着力の減少、あるいは押し付け力の連続的な印加による剥がれ領域の拡大が進行して、特定の状態に達すると、試料を誘電体膜301aに吸着して保持することができなくなり、試料が誘電体膜301aから脱離して、複数のピン305上に保持された状態で試料台201上方に持ち上げられた状態になる。この際、静電吸着力の大きさとピン305から試料への押し付け力とのバランスが後者に移動して、ピン305が急上昇することになる。後述のように、急激なピン305の移動が検知されて試料の剥がれが検出されると、ピン305の移動が調節されて試料がピン305上から脱落しない程度の速度で上方に持ち上げられる。
前述のような、ピン305の駆動部320における、シリンダ304およびピストン326の動作は、シリンダ304内へ供給される圧縮性流体であるガスの供給を調節することで行われる。
試料の処理中等で、ピン305が試料台201内の貫通孔305a内に格納されて試料と接触してない状態では、ベローズ306が処理室内の空間と駆動部320内との圧力差により、試料を押上げる方向に力が働く。このため、シリンダ304内には前記の状態でもピストン326が移動しないように、内部のガスの圧力を調節し続ける必要がある。
すなわち、シリンダ304内の円筒形空間がピストン326により区画された上方の室304aおよび下方の室304bの各々に、シリンダ用ガス源318からのガスをバルブ310を介して供給して、各々の室からピストン326に印加される力と、駆動部320内と処理室内の圧力差に起因してピン305を上昇させようとする力とを釣り合わせておくことが必要である。なお、本実施形態では、室304a内のガスの圧力は室304b内の圧力よりも大きく調節されている。
また、試料に対するピン305の押し付け力が前記許容値以下となるようにして試料に押し付ける場合は、ガス源318からのガスをピストン304内の室304a,304b内に、前者の圧力を大きくするように供給する(ガスの流れ方向は矢印315,317)。ピン305を下降させる場合は、ピン305が格納された状態のときよりもさらに室304a内のガスの圧力を304b内のそれより大きくなるように供給する(ガスの流れ方向は矢印314,316)。なお、シリンダ304に供給されるガスの圧力の調節は、室304aへのガスの供給路上に配置された圧力調節器308により行うことができる。
試料全体が誘電体膜301aから剥がれた後に、前述したのと同様に、前記許容値以下となるようにシリンダ304内に供給されるガスの圧力を調節してピン305の昇降を調節していると、上昇に大きな時間がかかる。また、試料がピン305から脱落する虞がある。これを抑制するため、試料が剥がれたことが検出された後は、シリンダ304へ供給されるガスの経路を切り替える。すなわち、ピン305の押し付け力を前記許容値以下に制御するためにピストン326に対して押し下げる方向にシリンダ304にガスを供給していた状態から、バルブ309およびバルブ310を切り替えて、室304aからガスがシリンダ用ガス源318の方向に戻る方向に流れるようにする。あるいは、304aからのガスがシリンダ304から真空処理装置100外に排出されるようにしても良い。この場合、ガスは矢印315,317の方向に供給される。
試料全体が誘電体膜301aから剥がれたことを検出するため、ベース307の端部の位置検出するセンサ312,313,327を駆動部320内に配置している。また、コントローラ319はセンサ312,313,327の検知信号にしたがってバルブ308,310,圧力調整器308を調整する。なお、センサ312は、格納状態であるピン305の位置、センサ313はピン305が上昇して試料全体が誘電体膜301aから剥がれピン305上に載せられた状態でのピン305の位置、センサ327は試料がピン305により持ち上げられて最上位置に達した状態のピン305の位置に相当する上下方向の位置に配置されている。
前述のように、センサ313がベース307の端部が近傍に達したことを検知した際に、バルブ309、バルブ310が切り替えられる。また、センサ327がベース307の端部が近傍に達したことを検知した際に、試料の上昇が完了され、試料は処理室内に移動してきた搬送室105内の搬送用のロボットにピン305上から受け渡される。
図4は、試料が処理されて後、試料台から離脱して持ち上げられるまでの処理を示す図である。
まず、試料は電極301上に搬送され、前述のように試料台を構成する誘電体膜301a内の膜状の電極に直流電圧を印加することによって生起された静電吸着力により試料台に吸着される。この状態で、放電室210内に処理用ガスを供給しつつプラズマを発生させる。このプラズマ内の荷電粒子を電極301に供給された高周波電力によるバイアス電圧によって誘引すると試料の処理、例えばエッチング処理を実施することができる。エッチング処理の終了が検知されると(ステップ401)、除電処理を実施する(ステップ402)。
試料の除電処理後、ピン305を試料の損傷を抑制できる許容値以下の大きさの押し付け力で押し上げるため、前述のようにシリンダ304内のピストン326で区画された複数の室内の各々に圧縮性流体を供給する(ステップ403)。ピン305が上昇し(ステップ404)、試料とピン305が接触する(ステップ405)、この後、シリンダ304の駆動が継続されてピン305の押し付け力が増大する。
シリンダ304によりピン305に供給される所定の値以下の押し付け力が残留吸着力以上であるか否かが判定され、大きい場合、試料は誘電体膜301aから離脱してピン305は上昇する(ステップ407)。ピンが上昇すると、センサ313によりベース307の端部が検知される(ピン305が試料が離脱したことを示す高さ位置まで上昇したことが検出される)(ステップ412)。
一方、ピン305の試料への押し付け力が残留吸着力以下であった場合は、試料とピン305が接触した状態が保持されるようにシリンダ304内の複数の室に流体が供給され続け、ピン305から試料に前記許容値以下の押し付け力が連続して印加され続ける。この間、導電体製のピン305を介して試料内の電荷は放電し続け、残留吸着力が減少する。すなわち除電処理が継続される(ステップ408)。
残留吸着力が減少してピン305の押し付け力より小さくなって試料の誘電体膜301a上からの離脱が検出されるまで、前記接触の状態が維持される。すなわち、ピン305に供給される所定の値以下の押し付け力が残留吸着力以上であるか否かが判定され、センサ313によるベース307の端部の位置の検知が信号が得られるまで前記接触の状態が保持される(ステップ409)。
なお、所定の時間を超えても残留吸着力がシリンダ304の押し上げ力より大きいままであると検知された場合、すなわち、ベース307の端部の位置がセンサ313の近傍に達したことが検知されない場合には、利用者にエラーを報知して、この処理ユニット103での処理を停止する(ステップ411)。
ピン305が上昇して位置センサ313が試料が剥がれたことを検知した後(ステップ412)、バルブ309、およびバルブ310を切替え、シリンダ304に供給される流体の流れを矢印315、317の方向に切り替える(ステップ413)。ピン305はその移動速度が増大されて上昇する(ステップ414)。センサ327による検知信号が得られたか否かが検出され、ピン305が上限値まで上昇したかどうかが判定される(ステップ415)。検知された場合には試料の試料台201上方への持ち上げ(上昇)を完了する(ステップ418)。一方、センサ327が所定時間以内にベース307の到達を検知しない場合(ステップ416)は、試料が試料台201表面から離脱後に上昇していないと判断し、エラーとして利用者に報知して、処理を停止する(ステップ417)。
以上説明したように、本実施形態によれば、試料にピンを許容値以下の押し上げ力(押し付け力)で接触させて残留電荷を放電させ、残留電荷による吸着力(残留吸着力)が所定値以下になった時点でピンが上昇して、試料が試料台から剥がれる。このため、残留吸着力がある場合においても試料に割れを生じさせることなく、試料を試料台から剥がすことができる。また、コンパクトなエアシリンダを使用することができるため、前記ピンの駆動部を小型化かすることができる。
プラズマ処理装置を備えた真空処理装置の概略構成を説明する図である。 図1に示す処理ユニットの概略構成を説明する図である。 図2に示す試料台の詳細を説明する図である。 試料が処理されて後、試料台から離脱して持ち上げられるまでの処理を示す図である。
符号の説明
101 大気ブロック
102 処理ブロック
103、104 処理ユニット
105 搬送室
106 ロック室
107 筐体
108 カセット
201 試料台
202 シャワープレート
203 石英プレート
210 放電室
211 チャンバ
212 大気ゲートバルブ
213 蓋
301 電極
304 シリンダ
305 ピン
306 ベローズ
308 圧力調節器

Claims (4)

  1. 内部に減圧される処理室を形成する真空容器と、
    該真空容器内にプラズマを生成し、生成したプラズマにより前記真空容器内に配置した試料台上に載置された試料にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、
    前記試料台に配置され前記試料を前記試料台に吸着させる手段と、
    前記試料台内に配置され、前記試料台の上方に移動して前記試料を試料台上面から押し上げるピンと、
    前記減圧された処理室とは封止され大気圧にされた室内に配置され、前記ピンと連結されて内部のシリンダ内のピストンの動作により前記ピンを駆動する駆動機構と、
    前記ピンと前記大気圧にされた室との間を封止するとともに前記ピンの動作に伴って伸縮するベローズと、
    可圧縮性の流体を前記ピストンにより仕切られる前記シリンダ内の空間に、シリンダ押し上げ力が所定値以下となるように調整して供給する調節器を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    前記ピンが前記試料と接触した後、接触状態が所定時間以上連続した場合に前記ピンの駆動を停止することを特徴とするプラズマ処置装置。
  3. 請求項1または2記載のプラズマ処理装置において、
    前記ピンまたはピンに連続されている部材の位置を検出するセンサを備え、該センサからの出力を用いて前記試料の試料台上面からの離脱を検出することを特徴とするプラズマ処理装置
  4. 請求項3記載の記載のプラズマ処理装置において、
    前記試料の前記試料台上面からの離脱を検出した後は、前記所定値以上の押し上げ力で前記ピンを駆動することを特徴とするプラズマ処置装置。
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