JP2503364B2 - ウエハの静電吸着装置、ウエハの静電吸着方法、ウエハの離脱方法及びドライエッチング方法 - Google Patents

ウエハの静電吸着装置、ウエハの静電吸着方法、ウエハの離脱方法及びドライエッチング方法

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JP2503364B2 JP10685093A JP10685093A JP2503364B2 JP 2503364 B2 JP2503364 B2 JP 2503364B2 JP 10685093 A JP10685093 A JP 10685093A JP 10685093 A JP10685093 A JP 10685093A JP 2503364 B2 JP2503364 B2 JP 2503364B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウエハの静電吸着装置
及びウエハの静電吸着方法及びウエハの離脱方法に関
し、より詳しくは、ウエハを静電的に吸着・固定するた
めの2極式静電吸着装置及びウエハの静電吸着方法及び
ウエハの離脱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体プロセスにおいて、ウエハ上に膜
を形成する際やウエハ上の膜をエッチングする際等にウ
エハを固定する必要が生じる。ウエハを固定させる方法
としては、ウエハの裏面を排気して吸着する方法、静電
吸着力を利用してウエハを静電吸着装置に吸着する方
法、或いは機械的に固定させる方法等がある。このうち
静電吸着力を利用してウエハを静電吸着する方法は、ウ
エハの素子形成面に接触することなくウエハを静電吸着
することができ、また真空中においても適用することが
できることから広範囲に利用されている。
【0003】静電吸着装置としては、2極式静電吸着装
置が現在よく用いられている。これは絶縁体ステージ内
に埋め込まれた単数又は複数の電極からなる2組の電極
群間に直流電圧を印加し、ウエハと電極群との間に働く
クーロン力及びジョンソンラーベック力によりウエハを
吸着するものである。図15は従来例の2極式静電チャ
ック(静電吸着装置)の側面図である。図中1は静電チ
ャックで、絶縁体ステージ2内にA電極3及びB電極4
が埋め込まれている。そして、A電極3に負電圧を印加
し、かつB電極4に正電圧を印加することにより、ウエ
ハ6は絶縁体ステージ2上に静電吸着し、固定される。
なお、静電チャック1は図示しないRF電極上に形成さ
れており、このRF電極と処理室内の対向電極との間に
RF電力を印加することにより処理室内の処理ガスをプ
ラズマ化する。
【0004】この2極式静電チャック1にウエハ6を固
定する場合、絶縁体ステージ2の対のA電極3,B電極
4にそれぞれ同じ大きさで、かつ極性が反対の電圧を印
加する。これにより、ウエハ6の裏面に絶縁体ステージ
2の表面上の電荷と異なる電荷が誘導され、ウエハ6と
絶縁体ステージ2とが静電吸着により吸着される。従っ
て、プラズマ放電開始前からウエハ6を静電チャック1
に固定できるという利点を有する。更に、プラズマの放
電が開始するとウエハ6に電子が到達してウエハ6が負
に帯電するので、A電極3又はB電極4の正電圧により
ウエハ6には更に吸着力が加わることになる。
【0005】また、この静電チャック1により吸着され
たウエハ6をプラズマ処理後に静電チャック1から離脱
させるには、絶縁体ステージ2の電極3,4間への直流
電圧印加を中止し、通常は絶縁体ステージ2内に収納さ
れているリフトピン5を絶縁体ステージ2上に突出させ
てウエハ6を絶縁体ステージ2からはがしたり、又はウ
エハ6と絶縁体ステージ2間に加圧気体を噴出させてウ
エハ6を静電チャック1からはがしたりする方法が一般
的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の静電チ
ャック1に吸着されたウエハ6をプラズマ処理している
間、ウエハ6はプラズマ中のイオンや電子の衝突を受
け、ウエハ6の温度が上昇する。ウエハ6の温度が上昇
しすぎると、例えばエッチングマスクとなるレジスト膜
が変形し、精度のよいパターニングができない。また、
通常、ウエハ6の中心部が温度が低く、周辺部で高くな
る。ウエハ6内でこのような温度分布が不均一が生じる
と、エッチングレートもそれに対応してばらついてしま
い、精度のよいパターニングができない。
【0007】更に、上記の方法によりウエハ6を離脱さ
せる際、静電チャック1のA電極3及びB電極4への直
流電圧印加を止めても、ウエハ6の残留電荷による吸着
力がウエハ6と絶縁体ステージ2との間に働いているこ
とが多分にある。ウエハ6に電荷が存在するままウエハ
6を離脱させようとしても離脱が困難であるばかりでな
く、ウエハ6と絶縁体ステージ2との間に放電現象を引
き起こしてウエハ6上の素子を破壊してしまうという問
題がある。また、ウエハ6に残留電荷が存在する状態で
ウエハ6を搬送すると、ウエハ6が導体近傍を通過する
際に、火花が発生し、ウエハ6上の素子に悪影響を及ぼ
してしまうという問題もある。
【0008】本発明は、プラズマ処理中におけるウエハ
内の温度分布の均一性を向上させるとともに、プラズマ
処理終了後のウエハの残留電荷を減少させることができ
るウエハの静電吸着装置及びウエハの静電吸着方法及び
ウエハの離脱方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1に、負
電圧が印加される第1の電極と、正電圧が印加される第
2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極上の絶
縁体ステージとを有し、前記第1の電極は前記第2の電
極よりも大きい面積を有することを特徴とするウエハの
静電吸着装置によって達成され、第2に、前記第1の電
極は中央部に配置され、かつ前記第2の電極は前記第1
の電極の周辺部に配置されていることを特徴とする第1
の発明に記載のウエハの静電吸着装置によって達成さ
れ、第3に、前記第1の電極は円形状を有し、かつ前記
第2の電極は環状を有し、前記第1の電極の周辺部に同
心円状に配置されていることを特徴とする第1又は第2
の発明に記載のウエハの静電吸着装置によって達成さ
れ、第4に、前記第2の電極は円形状を有し、かつ前記
第1の電極は環状を有し、前記第2の電極の周辺部に同
心円状に配置されていることを特徴とする第1の発明に
記載のウエハの静電吸着装置によって達成され、第5
に、前記第1の電極及び前記第2の電極はともに環状を
有し、それぞれ同心円状に配置されていることを特徴と
する第1又は第2の発明に記載のウエハの静電吸着装置
によって達成され、第6に、前記絶縁体ステージの抵抗
率は1011〜1013Ωcmであることを特徴とする第1
乃至第5の発明のいずれかに記載のウエハの静電吸着装
置によって達成され、第7に、前記絶縁体ステージの材
料はセラミックであることを特徴とする第1乃至第6の
発明のいずれかに記載のウエハの静電吸着装置によって
達成され、第8に、第1の電極に負電圧を印加し、かつ
該第2の電極の周辺部に配置され、該第1の電極よりも
小さい面積を有する第2の電極に前記負電圧の絶対値と
ほぼ等しい正電圧を印加することにより、前記第1の電
極及び前記第2の電極上の絶縁体ステージにウエハを静
電吸着することを特徴とするウエハの静電吸着方法によ
って達成され、第9に、第3の電極に正電圧を印加し、
第4の電極に負電圧を印加することにより、前記第3の
電極及び前記第4の電極上の絶縁体ステージにウエハを
静電吸着させた後、前記第3の電極に前記正電圧よりも
大きい正電圧を印加し、前記第4の電極に前記負電圧よ
りも絶対値が大きい負電圧を印加し、その後、前記第3
の電極及び前記第4の電極の電圧を0ボルトにした後、
前記絶縁体ステージから前記ウエハを離脱させることを
特徴とするウエハの離脱方法によって達成され、第10
に、プラズマエッチング装置を用いて被エッチング体を
ドライエッチングする方法であって、第1乃至第7の発
明のいずれかに記載の静電吸着装置を、プラズマを発生
させるための対の電極間に設置し、前記第1の電極に負
電圧を印加し、第2の電極に正電圧を印加して前記被エ
ッチング体を前記絶縁体ステージに静電的に吸着させた
状態で、前記被エッチング体をエッチングすることを特
徴とするドライエッチング方法によって達成される。
【0010】
【作用】本発明の静電吸着装置においては、負電圧が印
加される第1の電極は正電圧が印加される第2の電極よ
りも大きい面積を有している。従って、本発明の静電吸
着方法のように、プラズマ処理前に予めほぼ等しい電圧
値の負及び正の電圧をそれぞれ第1及び第2の電極に印
加してウエハを静電吸着することにより、ウエハ表面に
は正及び負それぞれの電荷が誘起されるが、電極面積の
違いによりウエハ表面は負電荷が優勢になっている。こ
のため、プラズマ処理中にプラズマ中の負電荷が反発さ
れて、プラズマ中の負電荷をウエハ上に飛来するのが抑
制される。これにより、ウエハの帯電量が減少し、静電
チャックからのウエハの離脱が容易になるとともに、残
留電荷による放電を防止することができる。
【0011】また、負電圧が印加される第1の電極は中
心部に配置され、かつ正電圧が印加される第2の電極は
前記第1の電極の周辺部に配置されている。従って、プ
ラズマ処理により静電吸着装置上のウエハが負に帯電し
ている場合、絶縁体ステージの周辺部に誘起された正電
荷との間で静電的に引き合うため、絶縁体ステージの周
辺部でのウエハと絶縁体ステージとの間の密着性が改善
される。これにより、熱伝導が改善され、ウエハ温度分
布の均一性が向上する。
【0012】本発明のウエハの離脱方法においては、ウ
エハ離脱時に、静電チャックの第3の電極及び第4の電
極への電圧印加を止める前に、プラズマ処理中に印加し
ていた電圧よりも大きな同一極性の電圧を各電極に印加
してウエハと静電チャックの間により大きな吸着力を働
かせ、ウエハと静電チャックの間の密着性を増加させて
いるので、ウエハと第3の電極及び第4の電極との間の
抵抗が小さくなって、ウエハ上の負電荷は正電圧が印加
された第3の電極に流れ込み、ウエハ上の残留電荷量が
減少する。
【0013】これにより、ウエハが離脱し易くなるとと
もに、ウエハ離脱時の放電や搬送時の放電が防止され、
塵粒子のウエハ上への吸着が抑制される。
【0014】また、本発明のドライエッチング方法にお
いては、上記の静電吸着装置と、静電吸着装置を挟んで
プラズマを形成するための対の電極とを有するプラズマ
エッチング装置を用い、被エッチング体をドライエッチ
ングしている。このため、プラズマ中の負電荷がウエハ
上に飛来するのを抑制することができるので、プラズマ
照射された後でもウエハの帯電量が少なくなり、静電チ
ャックからのウエハの離脱が容易になるとともに、残留
電荷による放電を防止することができる。
【0015】更に、被エッチング体の周辺部と絶縁体ス
テージとの間の密着性が改善されてそれらの間の熱的コ
ンタクトが強化される。このため、ドライエッチング中
にイオン衝突によりウエハの温度が上昇しても、ウエハ
面内での温度分布の均一性を保持することができる。従
って、温度に依存するエッチングレートのウエハ面内で
不均一性が抑制され、被エッチング体のエッチング量が
均一化する。
【0016】
【実施例】本発明の実施例に係るウエハの静電チャック
及びウエハの静電吸着及びウエハの離脱方法について図
面を参照しながら説明する。 (1)本発明の実施例に係る静電チャック及び該静電チ
ャックを具備するRIE装置 図1(b)に、本発明の実施例に係る静電チャック(静
電吸着装置)を具備するRIE装置の概略図を示す。
【0017】本実施例に用いたRIE装置は、2極式静
電吸着装置を備えたRIE装置であり、ウエハ16を吸
着する静電チャック11、ウエハ16を処理室22に搬
送する搬送室21、及びウエハ16にRIEを行う処理
室22からなる。台19下部にはRF電極20が取り付
けられ、更にRF電極20はRF電源26に接続されて
いる。台19上に形成された静電チャック11は台19
及び台19下部のRF電極20とともに端部を中心とし
て回動可能に取り付けられており、静電チャック11上
にウエハ16を搬送室21で吸着させた後、1/4回転
してウエハ16を垂直に立てた状態で、処理室22内で
ウエハ16をプラズマ処理することができるようになっ
ている。
【0018】搬送室21内に静電チャック11でウエハ
16が吸着されている際に、プローブ28及び電荷量測
定器27でウエハ16の蓄積電荷量を測定できるように
なっている。処理室22には対向電極25が設けられて
おり、RF電極20と対向電極25の間でプラズマが発
生できるようになっている。処理室22には不図示の排
気口が取り付けられている。
【0019】次に、上記静電チャック11の詳細につい
て説明する。図1(a)は本発明の実施例に係る静電チ
ャックの詳細について説明する構成図で、上の図が上面
図、下の図は側面図である。台19上に絶縁体ステージ
12が形成され、絶縁体ステージ12内にA電極(第1
の電極)13,B電極(第2の電極)14が埋め込まれ
ている。A電極13は円形状を有し、絶縁体ステージ1
5の中心部に配置されており、B電極14は絶縁体ステ
ージ12の周辺部にA電極13に対して同心円状に配置
されている。また、A電極13の方がB電極14よりも
大きい面積を有している。
【0020】一般に、絶縁体ステージ12の材料として
1013Ωcm以上の抵抗率を有するセラミック,シリコ
ン樹脂又は1013Ωcm以下の抵抗率を有するセラミッ
クが用いられる。1013Ωcm以上の抵抗率を有するセ
ラミックを用いた絶縁体ステージ12では、高抵抗のた
め、ジョンソン−ラーベック力によるウエハ吸着があま
り期待できず、クーロン力による吸着を大きくするため
にA電極13及びB電極14に大きな印加電圧を必要と
する。このため、ウエハ裏面と静電チャック界面に電荷
が溜まりやすい。また、シリコン樹脂からなる絶縁体ス
テージ12では、シリコン樹脂自体が帯電しやすいた
め、通常プラズマ処理後のウエハの帯電量が枚数を重ね
る毎に大きくなる現象が起こりやすい。更に、1013Ω
cm以下の抵抗率を有するセラミックを用いた絶縁体ス
テージ12では、低抵抗のためプラズマ照射中に絶縁体
ステージ12中を電荷が動きやすく、ウエハ裏面と静電
チャック界面に電荷が溜まりやすい。
【0021】絶縁体ステージ12上部はウエハ16を静
電吸着する吸着面が形成され、ウエハ16が吸着される
ようになっいている。台19及び絶縁体ステージ12を
貫通して、ウエハ16を静電チャック11から離脱させ
る際の補助としてリフトピン15が形成されている。リ
フトピン15はウエハ16を離脱する際に吸着面から突
出し、ウエハ16を押すことができるようになってい
る。
【0022】次に、静電チャック11の使用方法を簡単
に説明する。まず、ウエハ16を静電チャック11上に
載せ、A電極13及びB電極14にそれぞれ逆極性の直
流電圧を印加してウエハ16を吸着・固定する。次い
で、RF電極20をRF電極20の端部を中心として9
0度回動し、処理室22の対向電極25に対向する位置
にセットする。
【0023】次に、対向電極25とRF電極20との間
でRF電力を印加して処理ガスをプラズマ化し、エッチ
ング処理を施す。次いで、エッチング処理が終われば、
静電チャック11を元の位置に戻す。そして、絶縁体ス
テージ12のA電極13,B電極14間への直流電圧印
加を止めた後、絶縁体ステージ12内に収納されている
リフトピン15を絶縁体ステージ12上に突出させてこ
の静電チャック11により吸着されたウエハ16を静電
チャック11から離脱させる。
【0024】以上のように、本発明の実施例の静電チャ
ックによれば、負電圧が印加されるA電極13は正電圧
が印加されるB電極14よりも大きい面積を有してい
る。これにより、プラズマ処理前に吸着・固定されたウ
エハ16表面はすでに負電荷が優勢になっている。この
ため、プラズマ処理中にプラズマ中の負電荷が反発され
て、プラズマ中の負電荷がウエハ16上に飛来するのが
抑制される。従って、ウエハ16の帯電量が減少し、静
電チャックからのウエハ16の離脱が容易になるととも
に、残留電荷による放電が防止される。
【0025】なお、図2(a),(b)は以下に述べ
る、本発明のウエハの静電吸着方法及び離脱方法の実施
例について説明する際用いられるものである。図2
(a)は他の静電チャックの詳細について説明する構成
図で、上の図が上面図、下の図は側面図で、図1(a)
と同様に、A電極13aは円形状を有し、B電極14aはド
ーナツ状を有し、A電極13aに対して同心円状に配置さ
れている。また、図1(a)とは異なり、A電極13aの
面積はB電極14aの面積と等しくなっている。図中、他
の符号12aは絶縁体ステージ、15aは絶縁体ステージ12
aを貫通し、絶縁体ステージ12a上のウエハ16aを押し
上げるリフトピン、17aはA電極13aと接続する電源接
続配線、18aはB電極14aと接続する電源接続配線で、
以上が静電チャック11aを構成する。
【0026】図2(b)は別の他の静電チャックの詳細
について説明する構成図で、上の図が上面図、下の図は
側面図で、A電極13bは円形状を有し、B電極14bはド
ーナツ状を有し、図1(a)と逆に、A電極13bはB電
極14bよりも小さい面積を有する。なお、上記の静電チ
ャックではA電極13,13a,13b及びB電極14,14
a,14bとして連続している導電体を用いているが、少
なくともA電極13,13a,13b及びB電極14,14
a,14bのうちいずれかが分割され、電極群を形成して
いる場合にも適用することができる。 (2)本発明の実施例に係るウエハの静電吸着方法及び
離脱方法 次に、図面を参照しながら、実施例に係るウエハの静電
吸着方法及び離脱方法について説明する。
【0027】(A)本発明の実施例に係るウエハの静電
吸着方法 次に、ウエハ内の温度分布の均一性を向上するウエハの
静電吸着方法について説明する。 (a)確認実験 対の電極の位置及び該対の電極への直流電圧の印加方法
の違いによりウエハ内の温度分布の均一性がどのように
なるか確認する実験について図3(a),(b)を参照
しながら説明する。
【0028】図3(a)の上の図及び真ん中の図は実験
用の静電チャックの構成図で、静電チャックの外側だけ
にドーナツ状のB電極14cが埋め込まれている。B電極
14cには直流電源30aにより+300Vが印加されてウ
エハ16cが吸着・固定されている。また、図3(b)の
上の図及び真ん中の図は実験用の別の静電チャックの構
成図で、静電チャックの中心部だけに円形状のA電極13
cが埋め込まれている。A電極13cの面積は図3(a)
のB電極14cの面積と等しくなっている。A電極13cに
は直流電源29aにより+300Vが印加されてウエハ16
dが吸着・固定されている。
【0029】このような状態で、図6に示す装置を用い
て、アルゴン流量100sccm、圧力0.1Torr 、電圧周波
数13.56 MHz 、RFパワー300Wの条件でプラズマを
発生させ、2分後にプラズマ照射を続けながらウエハ16
a表面全体の温度分布を赤外線カメラ33により直接測
定した。なお、図6に示すように、ウエハ16c,16dの
表面には感度を高めるため黒色塗料が塗られている。ま
た、赤外線カメラ33に取り込まれた温度データはイン
フラアイ34を介して変換され、温度に対応した色がビ
デオ35に映し出される。
【0030】ウエハ16c,16d内の温度分布の測定結果
をそれぞれ図3(a),(b)の下の図に示す。図3
(a)のウエハ16cの場合、中心部温度45.6℃, 周辺部
温度61.6℃となり、図3(b)のウエハ16dの場合、中
心部温度48.8℃, 周辺部温度82.0℃となった。これらの
2つの結果を比較すると、周辺部のB電極14cに正電圧
を印加して吸着されたウエハ16dの方が中心部のA電極
13cに正電圧を印加して吸着されたウエハ16cより面内
温度のばらつきは小さくなっている。
【0031】これには、次のような理由が考えられる。
即ち、プラズマに曝されているウエハ16c,16dはとも
に負に帯電しているが、ウエハ16dの方は、正電荷が絶
縁体ステージ12aの周辺部に誘起されるため、特に絶縁
体ステージ12aの周辺部で静電的な吸着力が強くなる。
このため、周辺部でのウエハ16dと絶縁体ステージ12a
との間の密着性が改善され、従って、周辺部での熱伝導
が向上したためだと考えられる。
【0032】これにより、ウエハ内の温度分布を均一に
するためには、絶縁体ステージの周辺部のB電極に正電
圧を印加した方がよいという結論がえられた。以下、印
加電圧値,絶縁体ステージの材料及び電極の面積を変化
させた場合の実施例について説明し、各々の場合のウエ
ハ内の温度分布を比較する。 (b)本発明の静電吸着方法に係る第1の実施例 第1の実施例に係る静電チャックとして図2(a)と同
じものが用いられ、また、絶縁体ステージ12aの材料と
して抵抗率1013Ωcm以上を有するセラミックが用い
られている。第1の実施例に係る、中央部のA電極13a
及び周辺部のB電極14aへの電圧の印加方法は図4
(a)に示されている。A電極13aには直流電源(DC
電源)29bにより−300V、B電極14aには直流電源
30bにより+300Vがそれぞれ印加されてウエハ16e
が吸着・固定されている。
【0033】比較例の静電チャックとして第1の実施例
と同一のものが用いられ、比較例の電圧印加方法は図4
(b)に示されている。第1の実施例とは逆の極性で各
電極13a,14aに直流電圧が印加されている。即ち、中
央部のA電極13aには直流電源29cにより+300V、
周辺部のB電極14aには直流電源30cにより−300V
がそれぞれ印加されてウエハ16fが吸着・固定されてい
る。
【0034】このような状態で、図6に示すRIE装置
を用いて、アルゴン流量100sccm、圧力0.1Torr 、電
圧周波数13.56 MHz 、RFパワー300Wの条件でプラ
ズマを発生させ、2分後にプラズマ照射を続けながらウ
エハ16e,16f表面全体の温度分布を図6に示す赤外線
カメラ33により直接測定した。ウエハ16e,16f内の
温度分布の測定結果をそれぞれ図4(a),(b)の下
の図に示す。図4(a)のウエハ16eの場合、中心部温
度42.4℃, 周辺部温度58.4℃となり、図4(b)のウエ
ハ16fの場合、中心部温度48.8℃, 周辺部温度80.8℃と
なった。
【0035】これらの2つの結果を比較すると、周辺部
のB電極14aに正電圧を印加して吸着されたウエハ16e
の方が周辺部のB電極14aに負電圧を印加して吸着され
たウエハ16fより面内温度のばらつきは小さくなってい
る。これは、ウエハ16eの方が、周辺部のB電極14aに
印加された正電圧により、周辺部の絶縁体ステージ12a
との間の密着性が改善され、周辺部での熱伝導が向上し
たためと考えられる。
【0036】(c)本発明の静電吸着方法に係る第2の
実施例 第2の実施例に係る静電チャックとして図2(a)と同
じものが用いられ、また、絶縁体ステージ12aの材料と
して抵抗率1013Ωcm以上を有するセラミックが用い
られている。第2の実施例に係る、中央部のA電極13a
及び周辺部のB電極14aへの電圧の印加方法は図4
(a)に示されている。第1の実施例と異なるところ
は、中央部のA電極13aには直流電源29bにより−1.5
kV、周辺部のB電極14aには直流電源30bにより+1.5
kVそれぞれ印加されてウエハ16eが吸着・固定されてい
ることである。
【0037】また、比較例の静電チャックとして第2の
実施例と同一のものが用いられ、比較例の電圧印加方法
は図4(b)に示されている。第2の実施例とは逆の極
性で各電極13a,14aに直流電圧が印加されている。即
ち、中央部のA電極13aには直流電源29bにより+1.5
kV、周辺部のB電極14aには直流電源30bにより−1.5
kVがそれぞれ印加されてウエハ16fが吸着・固定されて
いる。
【0038】このような状態で、図1(b)に示すRI
E装置を用いて、窒素流量100sccm、圧力0.2Torr 、電
圧周波数13.56 MHz 、RFパワー600Wの条件でプラ
ズマを発生させ、1分後にプラズマ照射を続けながらウ
エハ16e,16fの中心部と周辺部の2点の温度をウエハ
16e,16f表面に張りつけられたテンププレートを用い
て直接測定した。
【0039】ウエハ16e,16f内の温度分布の測定結果
をそれぞれ表1に示す。表1によれば、第2の実施例の
ウエハ16eの場合、中心部温度47.0℃, 周辺部温度60.0
℃となり、比較例のウエハ16fの場合、中心部温度52.0
℃, 周辺部温度68.0℃となった。以上のように、ウエハ
16eの方が温度差が小さく、周辺部のB電極14aに印加
された正電圧により、周辺部の絶縁体ステージ12aとの
間の密着性が改善され、熱伝導が向上していることがわ
かる。また、第1の実施例との比較では、電極に印加さ
れた正電圧が大きくなっているだけ、密着性は更に改善
されるため、比較例のウエハ16fの中心部と周辺部間の
温度差は第1の実施例の比較例と比較して小さくなって
いる。
【0040】(d)本発明の静電吸着方法に係る第3の
実施例 第3の実施例に係る静電チャックとしてそれぞれ図2
(a)と同じものが用いられる。第2の実施例と異なる
ところは、絶縁体ステージ12aの材料としてシリコン樹
脂が用いられていることである。また、第3の実施例に
係る、中央部のA電極13a及び周辺部のB電極14aへの
電圧の印加方法は図4(a)に示されている。
【0041】比較例の静電チャックとして第3の実施例
と同じものが用いられ、比較例に係る電圧印加方法は図
4(b)に示されている。第3の実施例及び比較例の電
圧条件はそれぞれ第2の実施例の場合と同様である。こ
のような状態で、第2の実施例と同様にしてウエハ16
e,16fの中心部と周辺部の2点の温度を直接測定し
た。
【0042】ウエハ16e,16f内の温度分布の測定結果
をそれぞれ表1に示す。表1によれば、第3の実施例の
ウエハ16eの場合、中心部温度49.0℃, 周辺部温度62.0
℃となり、比較例のウエハ16fの場合、中心部温度53.0
℃, 周辺部温度70.0℃となった。以上のように、ウエハ
16eの方が温度差が小さく、周辺部のB電極14aに印加
された正電圧により、周辺部の絶縁体ステージ12aとの
間の密着性が改善され、熱伝導が向上していることがわ
かる。また、第2の実施例との比較では、ウエハ内の温
度分布の均一性は絶縁体ステージ12aの材料の違いによ
り影響を受けないことがわかる。
【0043】(e)本発明の静電吸着方法に係る第4の
実施例 第4の実施例に係る静電チャックとしてそれぞれ図2
(a)と同じものが用いられる。第2及び第3の実施例
と異なるところは、絶縁体ステージ12aの材料として1
13Ωcm以下の抵抗率を有するセラミックを用いてい
ることである。また、第4の実施例に係る、中央部のA
電極13a及び周辺部のB電極14aへの電圧の印加方法は
図4(a)に示されている。
【0044】比較例の静電チャックとして第4の実施例
と同じものが用いられ、比較例に係る電圧印加方法は図
4(b)に示されている。第4の実施例及び比較例の電
圧条件はそれぞれ第2の実施例の場合と同様である。こ
のような状態で、第2の実施例と同様な条件でウエハ16
e,16fの中心部と周辺部の2点の温度を直接測定し
た。
【0045】ウエハ16e,16f内の温度分布の測定結果
をそれぞれ表1に示す。表1によれば、第4の実施例の
ウエハ16eの場合、中心部温度47.0℃, 周辺部温度59.0
℃となり、比較例のウエハ16fの場合、中心部50.0℃,
周辺部66.0℃となった。以上のように、ウエハ16eの方
が温度差が小さく、周辺部のB電極14aに印加された正
電圧により、周辺部の絶縁体ステージ12aとの間の密着
性が改善され、熱伝導が向上していることがわかる。ま
た、第2及び第3の実施例との比較では、ウエハ内の温
度分布の均一性は絶縁体ステージ12aの材料の違いによ
り影響を受けないことがわかる。
【0046】(f)本発明の静電吸着方法に係る第5の
実施例 第5の実施例に係る静電チャックとして図1(a)と同
じものが用いられ、絶縁体ステージ12の材料として抵
抗率1013Ωcm以上を有するセラミックが用いられて
いる。第1〜第4の実施例と異なるところは、中心部の
A電極13と周辺部のB電極14の面積が等しくなく、
A電極13の方がB電極14よりも大きい面積を有する
ことである。第5の実施例に係る、中央部のA電極13
及び周辺部のB電極14への電圧の印加方法は図5
(a)に示されている。A電極13には直流電源29dに
より−1.5 kV、B電極14には直流電源30dにより+1.
5 kVそれぞれ印加されてウエハ16gが吸着・固定されて
いる。
【0047】比較例に係る静電チャックとして図2
(b)と同じものが用いられ、絶縁体ステージ12bの材
料として抵抗率1013Ωcm以上を有するセラミックが
用いられている。第5の実施例とは逆に中心部のA電極
13bの方が周辺部のB電極14bよりも小さい面積を有し
ている。比較例の電圧印加方法は図5(b)に示されて
いる。第5の実施例とは逆の極性で各電極13b,14bに
直流電圧が印加されている。即ち、A電極13bには直流
電源29eにより+1.5 kV、B電極14bには直流電源30e
により−1.5 kVそれぞれ印加されてウエハ16hが吸着・
固定されている。
【0048】このような状態で、第2の実施例と同様な
条件でウエハ16g,16hの中心部と周辺部の2点の温度
を直接測定した。ウエハ16g,16h内の温度分布の測定
結果をそれぞれ表1に示す。表1によれば、第5の実施
例のウエハ16gの場合、中心部温度43.0℃, 周辺部温度
55.0℃となり、比較例のウエハ16hの場合、中心部温度
48.0℃, 周辺部温度64.0℃となった。
【0049】これらの2つの結果を比較すると、周辺部
のB電極14に正電圧を印加して吸着されたウエハ16g
の方が周辺部のB電極14bに負電圧を印加して吸着され
たウエハ16hより面内温度のばらつきは小さくなってい
る。これは、ウエハ16gの方が、周辺部のB電極14に
印加された正電圧により、周辺部の絶縁体ステージ12
との間の密着性が改善され、周辺部での熱伝導が向上し
たためと考えられる。また、第4の実施例との比較で
は、ウエハ内の温度分布の均一性はB電極14,14aの
面積の違いによりあまり影響を受けないことがわかる。
【0050】(g)本発明の静電吸着方法に係る第6の
実施例 第6の実施例に係る静電チャックとして図1(a)と同
じものが用いられ、第5の実施例と異なるところは、絶
縁体ステージ12の材料としてシリコン樹脂が用いられ
ていることである。第6の実施例に係る、中央部のA電
極13及び周辺部のB電極14への電圧の印加方法は図
5(a)に示されている。
【0051】比較例の静電チャックとして図2(b)と
同じものが用いられ、比較例の電圧印加方法は図5
(b)に示されている。第6の実施例及び比較例の電圧
条件はそれぞれ第5の実施例の場合と同様である。この
ような状態で、第2の実施例と同様な条件でウエハ16
g,16hの中心部と周辺部の2点の温度を直接測定し
た。
【0052】ウエハ16g,16h内の温度分布の測定結果
をそれぞれ表1に示す。表1によれば、第6の実施例の
ウエハ16gの場合、中心部温度45.0℃, 周辺部温度58.0
℃となり、比較例のウエハ16hの場合、中心部温度48.0
℃, 周辺部温度63.0℃となった。以上のように、ウエハ
16gの方が温度差が小さく、周辺部のB電極14に印加
された正電圧により、周辺部の絶縁体ステージ12との
間の密着性が改善され、周辺部での熱伝導が向上してい
ることがわかる。また、第5の実施例との比較では、ウ
エハ内の温度分布の均一性は絶縁体ステージ12の材料
の違いにより影響を受けないことがわかる。
【0053】(h)本発明の静電吸着方法に係る第7の
実施例 第7の実施例に係る静電チャックとして図1(a)と同
じものが用いられ、第5及び第6の実施例と異なるとこ
ろは、絶縁体ステージ12の材料として1013Ωcm以
下の抵抗率を有するセラミックを用いていることであ
る。第6の実施例に係る、中央部のA電極13及び周辺
部のB電極14への電圧の印加方法は図5(a)に示さ
れている。
【0054】比較例の静電チャックとして図2(b)と
同じものが用いられ、比較例の電圧印加方法は図5
(b)に示されている。第7の実施例及び比較例の電圧
条件はそれぞれ第5の実施例の場合と同様である。この
ような状態で、第2の実施例と同様な条件でウエハ16
g,16hの中心部と周辺部の2点の温度を直接測定し
た。
【0055】ウエハ16g,16h内の温度分布の測定結果
をそれぞれ表1に示す。表1によれば、第7の実施例の
ウエハ16gの場合、中心部温度42.0℃, 周辺部温度55.0
℃となり、比較例のウエハ16hの場合、中心部温度46.0
℃, 周辺部温度64.0℃となった。このように、ウエハ16
gの方が温度差が小さく、周辺部のB電極14に印加さ
れた正電圧により、周辺部の絶縁体ステージ12との間
の密着性が改善されていることがわかる。また、第5及
び第6の実施例との比較では、ウエハ内の温度分布の均
一性は絶縁体ステージ12の材料の違いにより影響を受
けないことがわかる。
【0056】以上のように、本発明の第1〜第7の実施
例のウエハの静電吸着方法によれば、静電チャックの周
辺部のB電極14a,14に正電圧を印加することによ
り、周辺部での静電吸着が強化されるので、ここでの熱
的コンタクトが強化される。これにより、ウエハの周辺
部での熱伝導が改善され、ウエハの温度分布の均一性が
向上する。
【0057】また、プラズマ中でウエハを処理する際
に、静電チャックの周辺部のB電極14a,14に正電圧
を印加することによりウエハ内の温度分布の均一性が向
上する結果、図1(a)に示す静電チャック11と対向
電極25との間に導入されたエッチングガスを静電チャ
ック11の下のRF電極20と対向電極25との間に高
周波電圧を印加してプラズマ化し、このプラズマガスに
より、ウエハ16e,16g上に形成された、例えば、酸化
膜やアルミニウム等の被エッチング体をドライエッチン
グする場合、イオン等の衝突によりウエハの温度が上昇
してもウエハ内での温度分布は均一化する。このため、
温度に依存するエッチングレートのウエハ面内での不均
一を抑制でき、これにより、ウエハ16e,16g内におけ
る被エッチング体のエッチング量の均一性が向上する。
【0058】
【表1】
【0059】(B)本発明の実施例に係るウエハの静電
吸着方法 次に、処理後のウエハを静電チャックから容易に離脱す
ることが可能な静電吸着方法について説明する。これに
は、正電圧が印加されるB電極と、B電極の面積よりも
大きな面積をもち、負電圧が印加されるA電極とを有す
る静電チャックにウエハを吸着し、処理する方法(図7
(a))と、負電圧を正電圧よりも大きくしてウエハを
吸着した状態で処理する方法(図7(b))とがある。
【0060】図7(a),(b)を参照しながら本発明
のウエハの静電吸着方法の原理について説明する。図7
(a)は正電圧が印加されるB電極14と、B電極14
の面積よりも大きな面積をもち、負電圧が印加されるA
電極13とを有する静電チャックにウエハ16iを吸着
し、処理する方法について示した模式図で、負電圧が印
加されるA電極13の面積が正電圧が印加されるB電極
14の面積よりも大きいため、プラズマ中の負電荷のウ
エハ16i上への飛来が制限される。このため、ウエハ16
iは負に帯電しにくくなる。
【0061】また、図7(b)は、負電圧が印加される
A電極13a又はB電極14aと正電圧が印加されるB電極
14a又はA電極13aとの面積は同じで、負電圧の絶対値
が正電圧よりも大きい場合を示したもので、負電圧の絶
対値が正電圧よりも大きいため、プラズマ中の負電荷の
ウエハ16k又は16l表面への飛来が抑制される。このた
め、ウエハ16k又は16lは負に帯電しにくくなる。
【0062】B電極14と、B電極14の面積よりも
大きな面積のA電極13とを有する2極式静電チャック
にウエハ16iを吸着した状態でプラズマ処理する方法 以下、第8〜第10の各実施例について説明する。表2
に第8,第10の実施例についてプラズマ処理後のウエ
ハ上の蓄積電荷量の結果を示し、図8(c)にプラズマ
照射を繰り返した場合のプラズマ処理後のウエハ上の蓄
積電荷量の変化の様子について示す。
【0063】(a)第8の実施例 第8の実施例に用いられる静電チャックとして図1
(a)の静電チャックを用いる。図8(a)に直流電源
の接続方法について示す。面積の大きいA電極13にD
C電源29f−1.5 kV印加し、面積の小さいB電極14に
DC電源30fにより+1.5 kV印加する。
【0064】なお、比較例に用いられる静電チャックと
して図2(a)の静電チャックを用いる。A電極13aの
面積はB電極14aの面積と等しくなっており、図8
(b)に直流電源の接続方法について示す。A電極13a
にDC電源29gにより−1.5 kV印加し、B電極14aにD
C電源30gにより+1.5 kV印加する。ともに絶縁体ステ
ージ12,12aの材料として体積抵抗率1013Ωcm以
上を有するセラミックが用いられている。
【0065】このような状態で、図1(b)に示すRI
E装置を用いて、窒素流量100sccm、圧力0.2Torr 、電
圧周波数13.56 MHz 、RFパワー600Wの条件でプラ
ズマを発生させ、ウエハ16i,16jをプラズマに曝した
後、1分後に搬送室21に戻し、ウエハ16i,16j表面
と接続されたプローブ28を介して電荷量測定器27に
よりウエハ16i,16j表面の電荷量を測定した。
【0066】ウエハ16i,16jの蓄積電荷量の測定結果
をそれぞれ表2に示す。表2によれば、第8の実施例の
ウエハ16iの場合、蓄積電荷量−0.5 Cであった。A電
極13及びB電極14に大きい電圧を印加しているにも
かかわらず、ウエハ16iの蓄積電荷量は小さい。一方、
比較例のウエハ16jの場合、蓄積電荷量−2.5 Cであっ
た。
【0067】このように、ウエハ16jと比較してウエハ
16iの方が蓄積電荷量が小さく、負電圧の印加された、
面積の大きいA電極13により、プラズマ中の電子の飛
来が抑制されていることを示す。 (b)第9の実施例 本発明の第9の実施例ではプラズマ照射を繰り返した場
合のウエハ上の蓄積電荷量の変化の様子について観察し
た。
【0068】第9の実施例に用いられる静電チャックと
して図1(a)の静電チャックを用いる。図8(a)に
直流電源の接続方法について示す。面積の大きいA電極
13にDC電源29fにより−1.5 kVが印加され、面積の
小さいB電極14にDC電源30fにより+1.5 kVが印加
される。なお、比較例に用いられる静電チャックとして
図2(a)の静電チャックを用いる。A電極13aの面積
はB電極14aの面積と等しくなっており、図8(b)に
直流電源の接続方法について示す。A電極13aにDC電
源29gにより−1.5 kVが印加され、B電極14aにDC電
源30gにより+1.5 kVが印加される。ともに絶縁体ステ
ージ12,12aの材料としてシリコン樹脂が用いられて
いる。
【0069】このような状態で、第8の実施例と同様に
してウエハ16i,16j表面の電荷量を測定した。測定後
に、再びプラズマ照射を行う。これを10回繰り返す。
ウエハ16i,16jの蓄積電荷量の測定結果をそれぞれ図
8(c)に示す。図8(c)によれば、第9の実施例の
ウエハ16iの場合、蓄積電荷量は殆ど無く、またプラズ
マ照射回数を繰り返しても蓄積電荷は殆ど生じない。絶
縁体ステージ12として帯電しやすいシリコン樹脂を用
いているにもかかわらず、ウエハ16iの蓄積電荷量は小
さい。一方、比較例のウエハ16jの場合、一回目のプラ
ズマ照射により、−1.5 Cの蓄積電荷量が生じ、プラズ
マ照射回数を繰り返す毎に蓄積電荷量が漸増していく。
そして、10回目で、−3.0 C以上の蓄積電荷量が生じ
る。
【0070】このように、ウエハ16jと比較してウエハ
16iの方が蓄積電荷量が小さく、負電圧の印加された、
面積の大きいA電極13により、プラズマ中の電子の飛
来が抑制されていることを示している。 (c)第10の実施例 第10の実施例に用いられる静電チャックとして図1
(a)の静電チャックを用いる。図8(a)に直流電源
の接続方法について示す。面積の大きいA電極13にD
C電源29fにより−1.5 kV印加し、面積の小さいB電極
14にDC電源30fにより+1.5 kV印加する。なお、比
較例に用いられる静電チャックとして図2(a)の静電
チャックを用いる。A電極13aの面積はB電極14aの面
積と等しくなっており、図8(b)に直流電源の接続方
法について示す。A電極13aにDC電源29gにより−1.
5 kV印加し、B電極14aにDC電源30gにより+1.5 kV
印加する。ともに絶縁体ステージ12,12aの材料とし
て抵抗率1013Ωcm以下を有するセラミックが用いら
れている。
【0071】このような状態で、第8の実施例と同様に
してウエハ16i,16j表面の電荷量を測定した。ウエハ
16i,16jの蓄積電荷量の測定結果をそれぞれ表2に示
す。表2によれば、第10の実施例のウエハ16iの場
合、蓄積電荷量−0.5 Cとなった。絶縁体ステージ12
として電荷が移動しやすく、吸着界面に溜まりやすい低
抵抗のセラミックを用いているにもかかわらず、ウエハ
16iの蓄積電荷量は小さい。比較例のウエハ16jの場
合、蓄積電荷量−2.5 Cとなった。
【0072】このように、ウエハ16jと比較してウエハ
16iの方が蓄積電荷量が小さく、負電圧の印加された、
面積の大きいA電極13により、プラズマ中の電子の飛
来が抑制されていることを示している。以上のように、
本発明の第8〜第10の実施例の静電吸着方法によれ
ば、大きい面積を有するA電極13に負電圧を印加して
いるので、プラズマ処理前に吸着・固定されたウエハ16
i表面はすでに負電荷が優勢になっている。このため、
プラズマ処理中にプラズマ中の負電荷が反発されて、プ
ラズマ中の負電荷がウエハ16i上に飛来するのが抑制さ
れる。従って、ウエハ16iの帯電量が減少し、静電チャ
ックからのウエハ16iの離脱が容易になるとともに、残
留電荷による放電が防止される。
【0073】なお、上記第8〜第10の実施例では、外
側のB電極14に正電圧を印加し、内側のA電極13に
負電圧を印加しているが、ウエハ16i内の温度分布の均
一性が問題にならないような場合には、逆に、外側のB
電極14に負電圧を印加し、内側のA電極13に正電圧
を印加してもよい。 負電圧を正電圧よりも大きくして2極式静電チャック
にウエハ16kを静電吸着した状態でプラズマ処理する方
法 次に、図9(a)〜(c),図10(a),(b)を参
照しながら、本発明の第11〜第13の実施例に係るウ
エハの静電吸着方法について説明する。図9(c)に、
特に帯電しやすいシリコン樹脂からなる静電チャックを
用いてプラズマ処理を異なるウエハに続けて行った場合
のウエハの蓄積電荷量の変化の様子について示す。
【0074】(a)第11の実施例 第11の実施例に用いられる静電チャックとして図2
(a)の静電チャックを用いる。A電極13aの面積はB
電極14aの面積と等しくなっており、図9(a)に直流
電源の接続方法について示す。内側のA電極13aにDC
電源29hにより正電圧+1kVを印加し、外側のB電極14
aにDC電源30hにより該正電圧よりも絶対値の大きい
負電圧−1.5 kVを印加する。また、別の例として、内側
のA電極13aにDC電源29hにより正電圧+1.5 kVを印
加し、外側のB電極14aにDC電源30hにより前記正電
圧よりも絶対値の大きい負電圧−2.0 kVを印加する。以
上により、静電チャックにウエハ16kが静電吸着され
る。
【0075】なお、比較例に用いられる静電チャックと
して第11の実施例と同じ図2(a)の静電チャックを
用いる。図9(b)に直流電源の接続方法について示
す。第11の実施例とは逆にB電極14aにDC電源30i
により一定の負電圧−1kVを印加しておき、A電極13a
にDC電源29iにより正電圧+1.5 ,+2.0 kVを印加す
る。以上により、静電チャックにウエハ16lが静電吸着
される。
【0076】ともに絶縁体ステージ12aの材料として抵
抗率1013Ωcm以上を有するセラミックが用いられて
いる。このような状態で、図1(b)に示すRIE装置
を用いて、窒素流量100sccm、圧力0.2Torr 、電圧周波
数13.56 MHz 、RFパワー600Wの条件でプラズマを
発生させ、ウエハ16k,16lをプラズマに曝した後、1
分後に搬送室21に戻し、ウエハ16k,16l表面と接続
されたプローブ28を介して電荷量測定器27によりウ
エハ16k,16l表面の電荷量を測定した。
【0077】ウエハ16k,16lの蓄積電荷量の測定結果
をそれぞれ図10(a)に示す。図10(a)によれ
ば、第11の実施例のウエハ16kの場合、B電極14aの
電圧が−1.5 kVのとき蓄積電荷量−0.32C,B電極14a
の電圧が−2.0 kVのとき蓄積電荷量+0.54Cであった。
A電極13a及びB電極14aに大きい電圧を印加している
にもかかわらず、ウエハ16kの蓄積電荷量は小さい。ま
た、比較例のウエハ16lの場合、A電極13aの電圧が+
1.5 kVのとき蓄積電荷量−2.5 C, A電極13aの電圧が
+2.0 kVのとき蓄積電荷量−2.85Cであった。
【0078】以上のように、ウエハ16lと比較してウエ
ハ16kの方が蓄積電荷量が小さく、A電極13aの正電圧
よりも絶対値の大きいB電極14aの負電圧により、静電
チャックへのプラズマ中の電子の飛来が抑制されている
ことを示している。 (b)第12の実施例 本第12の実施例では、特に帯電しやすいシリコン樹脂
からなる静電チャックを用いてプラズマ処理を異なるウ
エハに続けて行った場合の蓄積電荷量の変化の様子につ
いて観察した。
【0079】第12の実施例に用いられる静電チャック
として図2(a)の静電チャックを用いる。A電極13a
の面積はB電極14aの面積と等しくなっており、図9
(a)に直流電源の接続方法について示す。内側のA電
極13aにDC電源29hにより正電圧+0.5 kVを印加し、
外側のB電極14aにDC電源30hによりA電極13aの正
電圧よりも絶対値が大きい負電圧−1.5 kVを印加する。
【0080】また、比較例に用いられる静電チャックと
して第11の実施例と同じ図2(a)の静電チャックを
用いる。図9(b)に直流電源の接続方法について示
す。第11の実施例とは異なり、A電極13aにDC電源
29iにより正電圧+1.0 kVを印加し、B電極14aにもD
C電源30iによりA電極13aの正電圧と絶対値が等しい
負電圧−1.0 kVを印加する。更に、別の比較例として、
第12の実施例とはA電極13a及びB電極14aに印加す
る直流電圧の極性を逆にして、A電極13aに負電圧−0.
5 kVを印加し、B電極14aにA電極13aの正電圧よりも
絶対値が大きい正電圧+1.5 kVを印加する。
【0081】いずれも絶縁体ステージ12aの材料として
シリコン樹脂が用いられている。このような状態で、第
11の実施例と同様にしてウエハの蓄積電荷量を測定し
た。次にウエハを取り替えて同じ処理を施した後、ウエ
ハの蓄積電荷量を測定した。これを10枚のウエハにつ
いて続けて行った。ウエハ16k,16lの蓄積電荷量の測
定結果をそれぞれ図9(c)に示す。図9(c)によれ
ば、第12の実施例のウエハ16iの場合、蓄積電荷量は
殆ど無く、また処理枚数を重ねてもウエハ16kの蓄積電
荷は殆ど生じない。絶縁体ステージ12として帯電しや
すいシリコン樹脂を用いているにもかかわらず、ウエハ
16kの蓄積電荷量は小さい。一方、比較例のウエハ16l
の場合、1 枚目のプラズマ照射により、−1.0 C弱の蓄
積電荷量が生じ、処理枚数を重ねる毎にウエハ16lの蓄
積電荷量が漸増していく。そして、10枚目で、−1.5
C程度の蓄積電荷量が生じている。また、別の比較例の
場合には、比較例の場合よりも更に蓄積電荷量は大き
く、10枚目で、−2.0 C以上の蓄積電荷量が生じてい
る。
【0082】以上のように、ウエハ16lと比較してウエ
ハ16kの方が蓄積電荷量が小さく、A電極13aの正電圧
よりも絶対値の大きいB電極14aの負電圧により、プラ
ズマ中の電子の飛来が抑制されていることを示してい
る。 (c)第13の実施例 第13の実施例に用いられる静電チャックとして図2
(a)の静電チャックを用いる。A電極13aの面積はB
電極14aの面積と等しくなっており、図9(a)に直流
電源の接続方法について示す。内側のA電極13aにDC
電源29hにより一定の正電圧+0.5 kVを印加しておき、
外側のB電極14aにDC電源30hにより負電圧−0.75,
−1.0 ,−1.5 kVを印加する。なお、比較例に用いられ
る静電チャックとして第13の実施例と同じ図2(a)
の静電チャックを用いる。図9(b)に直流電源の接続
方法について示す。第13の実施例とは逆にB電極14a
にDC電源30iにより一定の負電圧−0.5 kVを印加して
おき、A電極13aにDC電源29iにより正電圧+0.5 ,
+0.75,+1.0 ,+1.5 kVを印加する。ともに絶縁体ス
テージ12aの材料として体積抵抗率1013Ωcm以下を
有するセラミックが用いられている。
【0083】このような状態で、第11の実施例と同様
にしてウエハ16k,16l表面の蓄積電荷量を測定した。
ウエハ16k,16lの蓄積電荷量の測定結果をそれぞれ図
10(b)に示す。図10(b)によれば、第13の実
施例のウエハ16kの場合、B電極14aの電圧が−0.75 k
V のとき蓄積電荷量−2.28C, B電極14aの電圧が−1.
0 kVのとき蓄積電荷量−0.96C, B電極14aの電圧が−
1.5 kVのとき蓄積電荷量−0.75Cであった。負電圧を増
していくに伴い、蓄積電荷量は減少していく。低抵抗の
絶縁体ステージを用いているにもかかわらず、ウエハ16
kの蓄積電荷量は小さい。また、比較例のウエハ16lの
場合、A電極13aの電圧が+0.5 kVのとき蓄積電荷量−
4.4 C, A電極13aの電圧が+0.75 kV のとき蓄積電荷
量−3.52C, A電極13aの電圧が+1.0 kVのとき蓄積電
荷量−3.52C,A電極13aの電圧が+1.5 kVのとき蓄積
電荷量−2.24Cであった。
【0084】このように、ウエハ16lと比較してウエハ
16kの方が蓄積電荷量が小さく、A電極13aの正電圧よ
りも絶対値の大きいB電極14aの負電圧により、静電チ
ャックへのプラズマ中の電子の飛来が抑制されているこ
とを示している。以上のように、本発明の第11〜第1
3の実施例の静電吸着方法によれば、負電荷を印加すべ
きB電極12aに正電圧よりも大きい絶対値の負電圧を印
加することにより、絶縁体ステージ12aを介してウエハ
16kを吸着・固定している。従って、プラズマ処理前に
吸着・固定されたウエハ16k表面はすでに負電荷が優勢
になっている。このため、プラズマ処理中にプラズマ中
の負電荷が反発されて、プラズマ処理中にプラズマ中の
負電荷がウエハ16k上に飛来するのが抑制される。従っ
て、ウエハ16kの帯電量が減少し、静電チャックからの
ウエハ16kの離脱が容易になるとともに、残留電荷によ
る放電が防止される。
【0085】なお、第11〜第13の実施例では、外側
のB電極14aに負電圧を印加し、内側のA電極13aに正
電圧を印加しているが、外側のB電極14aに正電圧を印
加し、内側のA電極13aに負電圧を印加してもよい。こ
れにより、ウエハ内の温度分布の均一性も同時に向上さ
せることができる。
【0086】
【表2】
【0087】(C)本発明の実施例に係る静電吸着され
たウエハの離脱方法 本実施例に係る静電吸着されたウエハの離脱方法につい
て図面を参照しながら説明する。図11(a),(b)
は原理説明図で、ウエハ16mを静電チャック11aから離
脱させる際に、DC電圧を一時的に高くすることにより
ウエハ16mと静電チャック11aのA電極13a,B電極14
aとの間の抵抗を小さくし、これにより、ウエハ16m上
の負電荷を静電チャック11aのB電極14aに逃すように
してウエハ16mの離脱を容易にし、またウエハ16mの離
脱時の放電を抑制するようにしたことに特徴を有してい
る。用いた静電チャックはA電極13aとB電極14aとの
面積が等しいもので、図2(a)にその構成を示す。
【0088】次に、図12,図13(a)〜(c)を用
いて本実施例によるウエハ離脱方法を簡単に説明する。
図12は本実施例のウエハ離脱方法を説明するタイムチ
ャートを示し、図13(a)〜(c)はウエハを吸着
し、プラズマ処理を経てウエハを離脱するという一連の
処理工程において静電チャック11aのA電極13a,B電
極14aに印加する電圧の状態を示す。
【0089】まず、図13(a)に示すように、静電チ
ャック11a内のA電極13a,B電極14aはそれぞれ電源
接続配線17a,18aを介して負電圧を供給するDC電源
29j及び正電圧を供給するDC電源30jに接続する。そ
して、B電極14aに例えば+300Vの正電圧を印加
し、A電極13aに−300Vの負電圧を印加して絶縁体
ステージ12aにウエハ16mを静電吸着させる。
【0090】続いて、RF電極20と対向電極25との
間にRFバイアス電圧を印加してウエハ16mの表面にプ
ラズマを発生させる。すると、プラズマ中の電子がウエ
ハ16m表面に飛来し、ウエハ16mは負に帯電する。図1
1(a)はプラズマによるウエハ処理中にウエハ16mに
負電荷が蓄積した状態を示している。DC電源30jから
B電極14aに正電圧が印加され、DC電源29jからA電
極13aに負電圧が印加されて静電チャック11a上面にウ
エハ16aが吸着されている状態である。
【0091】プラズマ処理が終了すると、一旦DC電源
29j,30jをオフしてA電極13a,B電極14aの電圧を
0Vにする(図12のAので示す期間)。次に、図13
(b)に示すように、プラズマ処理時にA電極13a,B
電極14aに印加されていた電圧と同符号で絶対値が大き
い電圧をそれぞれA電極13a,B電極14aに印加する。
このとき、図11(b)に示すように、ウエハ16mと静
電チャック11a間にはより大きな吸着力が働き、ウエハ
16mと静電チャック11aは密着性が増加する。従って、
ウエハ16mと静電チャック11a間の密着性が増し、これ
によりウエハ16mからB電極14aに負電荷が流れ込み易
くなり、ウエハ16m上の電荷は減少する。
【0092】次に、図13(c)に示すように、A電極
13a,B電極14aの電圧を0Vにする。こうするとウエ
ハ16m上の残留電荷が消滅して、ウエハ16mを容易に静
電チャック11aから離脱させることができるようにな
る。このようにウエハ16mと静電チャック11aの密着性
を向上させてウエハ16m上の残留電荷を少なくさせるこ
とにより容易にウエハ16mを離脱させることができ、ま
た、ウエハ離脱時の放電を抑制することができるように
なる。
【0093】なお、図12中、Aで示す期間は0秒以上
であればよく、従って、プラズマ処理後にA電極13a,
B電極14aの電圧を0Vにしないでいきなり絶対値の大
きな電圧を印加してもよい。また、プラズマ処理中にウ
エハ16mと静電チャック11aのA電極13a,B電極14a
の抵抗を小さくするとウエハ16mと静電チャック11aの
A電極13a,B電極14aとの間にプラズマによる電流が
ながれてウエハ16m上の素子に悪影響を及ぼすので、プ
ラズマ処理中には静電チャック11aのA電極13a,B電
極14aの印加電圧を大きくしないように留意する必要が
ある。
【0094】次に、図1(b)に示すRIE装置を用い
て、窒素流量100sccm、圧力0.2Torr 、電圧周波数1
3.56 MHz 、RFパワー600Wの条件でプラズマを発
生させ、1分間ウエハ16mに照射し、その後搬送室21
内でウエハ16mの電荷量をプローブ28及び電荷量測定
器27で測定した。本実施例には抵抗率1×1012Ωc
mのセラミックを絶縁体ステージ12aとした静電チャッ
ク11aを使用した。プラズマ中ではこの静電チャック11
aのA電極13a,B電極14aに±300Vの電圧を印加
してウエハ16mを静電吸着・固定している。
【0095】本実施例によるウエハ離脱方法を用いた結
果を図14に示す。横軸は静電チャック11aのA電極13
a,B電極14aへの電圧印加を終了する前に印加してい
た電圧(V)であり、縦軸は静電チャック11aのA電極
13a,B電極14aへの電圧印加を終了させた後のウエハ
16mの蓄積電荷量(×10-6C)を示している。図14
中、aはプラズマ照射後に印加電圧を増加させることな
く、静電チャック11aに印加している電圧をほぼ0Vに
した場合のウエハ16m上の蓄積電荷量を示している。ウ
エハ16m上には約−7×10-6Cの残留電荷が蓄積され
ている。
【0096】図14中、bはプラズマ照射後、静電チャ
ック11aのA電極13a,B電極14aに印加している電圧
を0Vにする前に、B電極14aに+500V、A電極13
aに−500Vの電圧を印加して、ウエハ16mと静電チ
ャック11a間の吸着力を増加させてから電圧をほぼ0V
にしたものである。ウエハ16mには約−3×10-6Cの
残留電荷が蓄積されている。
【0097】図14中、cはプラズマ照射後、静電チャ
ック11aのA電極13a,B電極14aに印加している電圧
を0Vにする前に、B電極14aに+1000V、A電極13a
に−1000Vの電圧を印加して、ウエハ16mと静電チャッ
ク11a間の吸着力を増加させてから電圧をほぼ0Vにし
たものである。ウエハ16mには約−0.5 ×10-6Cの残
留電荷が蓄積されている。
【0098】以上の図14に示す結果から、A電極13
a,B電極14aへの印加電圧をほぼ0Vにする前にA電
極13a,B電極14aに印加している電圧の絶対値を大き
くするとウエハ16m上の残留電荷を少なくすることがで
きる。これにより、残留吸着力を減少させることがで
き、またウエハ16mと絶縁体ステージ12a間の放電現象
も抑制することができる。
【0099】なお、上記(C)の実施例では、外側のB
電極14aに正電圧を印加し、内側のA電極13aに負電圧
を印加しているが、ウエハ内の温度分布の均一性が問題
にならないような場合には、逆に、外側のB電極14aに
負電圧を印加し、内側のA電極13aに正電圧を印加して
もよい。更に、A電極及びB電極とも円形状のものを用
いているが、方形状その他の形状のものを用いることも
できる。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、負電圧が印加される第
1の電極は正電圧が印加される第2の電極よりも大きい
面積を有している。また、プラズマ処理前にほぼ等しい
電圧値の負及び正の電圧をそれぞれ前記第1及び第2の
電極に印加してウエハを静電吸着している。従って、電
極面積の違いによりウエハ表面は負電荷が優勢になり、
プラズマ中の負電荷がウエハ上に飛来するのを抑制する
ことができるので、ウエハの帯電量が減少し、静電チャ
ックからのウエハの離脱が容易になるとともに、残留電
荷による放電を防止することができる。
【0101】また、負電圧が印加される第1の電極は中
心部に配置され、かつ正電圧が印加される第2の電極は
前記第1の周辺部に配置されている。これにより、周辺
部での熱伝導が改善され、ウエハの温度分布が均一化す
る。
【0102】本発明のウエハの離脱方法においては、ウ
エハを静電チャックから離脱する直前に、より大きな電
圧を対の電極に印加している。従って、ウエハと静電チ
ャックの間の抵抗を小さくすることで、ウエハ上の電荷
を静電チャックの電極に逃がしてウエハ離脱を容易に
し、かつウエハ離脱時の放電を抑制したウエハ離脱方法
を実現することができる。
【0103】また、本発明のドライエッチング方法にお
いては、上記の静電吸着装置と、静電吸着装置を挟んで
プラズマを形成するための対の電極とを有するプラズマ
エッチング装置を用い、被エッチング体をドライエッチ
ングしている。このため、プラズマ中の負電荷がウエハ
上に飛来するのを抑制することができるので、プラズマ
照射された後のウエハの帯電量が減少し、静電チャック
からのウエハの離脱が容易になるとともに、残留電荷に
よる放電を防止することができる。
【0104】更に、被エッチング体の周辺部と絶縁体ス
テージとの間の密着性が改善されてそれらの間の熱的コ
ンタクトが強化される。これにより、熱伝導が改善され
て、ウエハ内の温度分布の均一性が増すため、被エッチ
ング体のエッチング量の分布が均一化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るウエハの静電チャック及
びRIE装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例に係るウエハの静電吸着方法及
びウエハの離脱方法に用いられる静電チャックの構成図
である。
【図3】本発明のウエハの静電吸着方法に係る実験につ
いての説明図である。
【図4】本発明のウエハの静電吸着方法の第1〜第4の
実施例に係る電極へのDC電源の接続方法の説明図であ
る。
【図5】本発明のウエハの静電吸着方法の第5〜第7の
実施例に係る電極へのDC電源の接続方法の説明図であ
る。
【図6】本発明のウエハの静電吸着方法の第1の実施例
に係るウエハ表面の温度測定に用いられる装置説明図で
ある。
【図7】本発明のウエハの静電吸着方法の第8〜第13
の実施例に係るウエハの離脱原理についての説明図であ
る。
【図8】本発明のウエハの静電吸着方法の第8〜第10
の実施例に係る電極へのDC電源の接続方法及び蓄積電
荷量についての説明図である。
【図9】本発明のウエハの静電吸着方法の第11〜第1
3の実施例に係る電極へのDC電源の接続方法及び蓄積
電荷量についての説明図(その1)である。
【図10】本発明のウエハの静電吸着方法の第11〜第
13の実施例に係る電極へのDC電源の接続方法及び蓄
積電荷量についての説明図(その2)である。
【図11】本発明のウエハの離脱方法の原理説明図であ
る。
【図12】本発明のウエハの離脱方法の実施例に係るタ
イムチャートである。
【図13】本発明のウエハの離脱方法の実施例に係る電
極へのDC電源の接続方法についての説明図である。
【図14】本発明のウエハの離脱方法の実施例に係る蓄
積電荷量についての特性図である。
【図15】従来例に係るウエハの静電チャックの構成図
である。
【符号の説明】
11 静電チャック(静電吸着装置)、 12 絶縁体ステージ、 13 A電極、 14 B電極、 15 リフトピン、 16,16a〜16m ウエハ、 17,17a〜17c,18,18a〜18c 電源接続配線、 19 台、 20 RF電極、 21 搬送室、 22 処理室、 23 ガス導入口、 24 排気口、 25 対向電極、 26 RF電源、 27 電荷量測定器、 28 プローブ、 29a〜29j,30a〜30j 直流電源、 31 黒色塗料、 32 ZnS窓、 33 赤外線カメラ、 34 インフラアイ、 35 ビデオ。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負電圧が印加される第1の電極と、正電
    圧が印加される第2の電極と、前記第1の電極及び前記
    第2の電極上の絶縁体ステージとを有し、 前記第1の電極は前記第2の電極よりも大きい面積を有
    することを特徴とするウエハの静電吸着装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の電極は中央部に配置され、か
    つ前記第2の電極は前記第1の電極の周辺部に配置され
    ていることを特徴とする請求項1記載のウエハの静電吸
    着装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極は円形状を有し、かつ前
    記第2の電極は環状を有し、前記第1の電極の周辺部に
    同心円状に配置されていることを特徴とする請求項1又
    は請求項2記載のウエハの静電吸着装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の電極は円形状を有し、かつ前
    記第1の電極は環状を有し、前記第2の電極の周辺部に
    同心円状に配置されていることを特徴とする請求項1記
    載のウエハの静電吸着装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の電極及び前記第2の電極はと
    もに環状を有し、それぞれ同心円状に配置されているこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載のウエハの静
    電吸着装置。
  6. 【請求項6】 前記絶縁体ステージの抵抗率は1011
    1013Ωcmであることを特徴とする請求項1乃至請求
    項5のいずれかに記載のウエハの静電吸着装置。
  7. 【請求項7】 前記絶縁体ステージの材料はセラミック
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれ
    かに記載のウエハの静電吸着装置。
  8. 【請求項8】 第1の電極に負電圧を印加し、かつ該第
    2の電極の周辺部に配置され、該第1の電極よりも小さ
    い面積を有する第2の電極に前記負電圧の絶対値とほぼ
    等しい正電圧を印加することにより、前記第1の電極及
    び前記第2の電極上の絶縁体ステージにウエハを静電吸
    着することを特徴とするウエハの静電吸着方法。
  9. 【請求項9】 第3の電極に正電圧を印加し、第4の電
    極に負電圧を印加することにより、前記第3の電極及び
    前記第4の電極上の絶縁体ステージにウエハを静電吸着
    させた後、前記第3の電極に前記正電圧よりも大きい正
    電圧を印加し、前記第4の電極に前記負電圧よりも絶対
    値が大きい負電圧を印加し、その後、前記第3の電極及
    び前記第4の電極の電圧を0ボルトにした後、前記絶縁
    体ステージから前記ウエハを離脱させることを特徴とす
    るウエハの離脱方法。
  10. 【請求項10】 プラズマエッチング装置を用いて被エ
    ッチング体をドライエッチングする方法であって、 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の静電吸着装置
    を、プラズマを発生させるための対の電極間に設置し、 前記第1の電極に負電圧を印加し、第2の電極に正電圧
    を印加して前記被エッチング体を前記絶縁体ステージに
    静電的に吸着させた状態で、前記被エッチング体をエッ
    チングすることを特徴とするドライエッチング方法。
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