JPH11340307A - 半導体製造装置におけるウエハの離脱方法及びその電源 - Google Patents

半導体製造装置におけるウエハの離脱方法及びその電源

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JPH11340307A
JPH11340307A JP14256398A JP14256398A JPH11340307A JP H11340307 A JPH11340307 A JP H11340307A JP 14256398 A JP14256398 A JP 14256398A JP 14256398 A JP14256398 A JP 14256398A JP H11340307 A JPH11340307 A JP H11340307A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】静電チャックにおいて、チャックの特性ばらつ
きや経時変化に関わらず、チャックとウエハに蓄積され
た電荷を確実に、かつ、速やかに除去し、ウエハを容易
に離脱できる方法を提供することである。 【解決手段】吸着保持用の直流電圧を切断した後、一定
の規則に従って周期の減少する交流方形波電圧1を印加
する。交流電圧の大きさは一定にしたまま、周期Tnを次
式に従うように変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置に
おいて静電チャックにより支持されたウエハの離脱方法
に関し、特に、チャックに蓄積された電荷を確実に、か
つ、速やかに除去する方法とその電源に関する。
【0002】
【従来の技術】静電チャック、特に直流バイアスによる
静電チャックでは、チャックに印加されるバイアス電圧
をOFFしても、チャックに蓄積された電荷がすぐには
減少せず、ウエハとチャックの間に残留吸着力が発生す
る。ウエハとチャックの間に残留吸着力が存在する状態
で、プッシャーピン等により無理にウエハを引き剥がそ
うとしてもウエハ破損の問題を引き起こす。ウエハ離脱
時にチャックに蓄積された電荷を除去するために、以下
の4つの公知例に代表される従来技術が存在する。
【0003】第1の従来技術は、特開平7−27317
7号公報に記載のように、ウエハ離脱の際、吸着保持用
の直流バイアスと逆極性の直流バイアスを印加し、チャ
ックに蓄積された電荷を除去する方法が提案されてい
る。
【0004】また、第2の従来技術は、特開平8−78
512号公報に記載のように、ウエハ離脱の際、ウエハ
裏面のガス圧力をモニタしながら、吸着保持用の直流バ
イアスと逆極性の直流バイアスを印加し、ウエハ裏面の
ガス圧力が設定値に等しくなった時点で、逆極性の直流
バイアスをOFFする方法が提案されている。 また、
第3の従来技術は特開平1−112745号に記載のよ
うに、ウエハ離脱の際、印加電圧の極性を交番させつ
つ、そのピーク高さを逐次低くするか、若しくは、その
パルス幅を逐次小さくするか、若しくはその両方を実施
し、印加電圧をOFFする方法が提案されている。
【0005】また、第4の従来技術は、特許第2603
417号公報に記載のように、一対又は複数対の電極を
有するダイポール型静電チャックにおいて、交流方形波
電圧を印加し吸着力の励起を行い、交流方形波電圧の周
波数を上昇させると同時に印加電圧の大きさを減らすこ
とにより、吸着力の解除を行う方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記第1の従来技術の
場合、逆極性の直流バイアスの大きさや印加時間が適当
でないと、チャックに蓄積された電荷を十分に除去でき
なかったり、逆極性の電荷が過剰に蓄積されるといった
ことが生じる。さらに、チャックの特性ばらつきや経時
変化によりチャックの充放電の特性が変化するため、逆
極性の直流バイアスの大きさや印加時間を、チャックそ
れぞれに応じて調整したり、運用中に再調整したりする
必要が生じ、手間がかかる。
【0007】前記第2の従来技術の場合、第1の従来技
術において問題となる逆極性の直流バイアスの印加時間
を、ウエハ裏面の圧力の変化を検出することにより自動
的に調整するものであるが、ウエハ裏面に圧力を加えた
まま吸着力の解除を行うので、吸着力の解除の途中にお
いてウエハの位置ズレの問題を引き起こす。
【0008】前記第3の従来技術の場合、ピーク高さや
パルス幅の変化の仕方が適切でないと、電荷の除去に時
間がかかりスループットの低下につながるという問題を
引き起こす。
【0009】前記第4の従来技術の場合、単一の電極を
有し構造上簡潔でコスト的に有利なモノポール型の静電
チャックに応用できない。等といった課題があった。本
発明の目的は、ダイポール型、モノポール型、いずれの
場合においても実現可能で、電圧や時間等のパラメータ
の調整の必要も無く、確実に、かつ、速やかに、チャッ
クに蓄積された電荷を除去する方法と、その方法を容易
に実現する静電吸着電源と、を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】ウエハを離脱させる際、
図1に示すような一定の規則に従って周期の減少する交
流方形波電圧1を印加する。第1ステップ11は吸着時の
印加電圧2と逆極性の電圧を印加し、以降、各ステップ
ごとに極性を反転させる。また、上記交流方形波電圧1
において電圧の大きさは一定とする。
【0011】極性を切り換える周期Tn
【数1】に従う。
【0012】T1は、第1ステップ11において、吸着時に
蓄積された電荷を0にし、さらに、吸着時と逆極性の電
荷を蓄積するような長さに設定する。T1は上記の条件を
満たしていれば幾ら長くしてもよい。しかし、あまり長
くしすぎるとスループットを低下させることになる。
【0013】図1の交流方形波電圧1を印加することに
よる吸着力の変化は、図2に示すようにチャックの特性
によらず0に収束していく。線21のように、チャックの
充放電の時定数が長い場合は、第1ステップ11でチャッ
クに蓄積される電荷がほぼ0になり、吸着力はほぼ0に
なる。第2ステップ12、第3ステップ13では、ステップ
の周期がチャックの充放電の時定数に対して短くなるの
で、チャックに蓄積される電荷はわずかしか変化せず、
吸着力は低い値のままである。 一方、線22のようにチ
ャックの充放電の時定数の短い場合は、第1ステップ11
でチャックに蓄積される電荷が一度0になった後、吸着
時と逆極性の電荷が蓄積されるので、吸着力は一度0に
なった後、再び上昇する。しかし、第2ステップ12にお
いて、第1ステップ11と逆極性の電圧が印加され、チャ
ックに蓄積される電荷が減少するので、吸着力は低下す
る。第3ステップ以降は、ステップの周期がチャックの
充放電の時定数に対して短くなるので、チャックに蓄積
される電荷はわずかしか変
【0014】化せず、吸着力は低い値のままである。こ
のように
【数1】に従い周期の減少する交流方形波電圧1を印加す
ることで、チャックに蓄積される電荷はチャックの充放
電の特性によらず、確実に、かつ、速やかに減少させる
ことができる。
【0015】図1に示す交流方形波電圧は、吸着力がウ
エハが問題なく離脱できる程度に低下すれば、いつOF
Fにしてもよい。通常は、第3ステップか第4ステップ
でOFFすることができる。
【0016】ダイポール型静電チャックにおいては、図
1に示した交流方形波電圧と、上記交流方形波の極性を
反対にしたものを双方の電極に印加すればよい。
【0017】
【発明の実施の形態】モノポール型の静電チャックの場
合における本発明の一実施例として、マイクロ波プラズ
マエッチング装置における適用例を図3に示す。真空処
理室31に、プロセスガス32を導入し、マイクロ波33を導
入することによりプラズマ34を生成する。上面に絶縁体
36を有する電極37によりモノポール型静電チャックが形
成され、ウエハ35はその上に載置される。電極37には、
ハイパスフィルタ38を通して高周波電源39を接続し、ま
た、ローパスフィルタ40を通して静電吸着電源41を接続
する。真空処理室31、高周波電源39、静電吸着電源41は
接地する。
【0018】図4はモノポール型静電チャックの場合に
おける、図1に示す交流方形波電圧を出力することがで
きる静電吸着電源41の一実施例を示す回路ブロック図で
ある。ウエハ吸着時はスイッチ59をb側58に入れ、±1
kVまで出力できる高電圧電源60に電圧設定信号として
電圧V262を入力し、吸着時の印荷電圧を出力する。ウエ
ハ離脱時は、スイッチ59をa側57に入れ、スイッチ52を
入れる。スイッチ52を入れることにより、V151が一次積
分器53に入力されランプ波形54が得られる。ランプ波形
54を、線型な電圧−周波数変換特性を有する電圧−周波
数変換器55に入
【0019】力することにより、
【数1】に従い周期の切り替わる交流方形波56が得られ
る。V
【0020】151を調整することにより、
【数1】におけるT1を任意に設定することができる。
【0021】
【数1】
【0022】上記交流方形波56は±1kVまで出力でき
る高電圧電源60に電圧設定信号として入力され、図1に
示す交流方形波電圧を出力する。また、印加電圧をOF
Fした後はリセット信号63により、一次積分器43を0
に、電圧−周波数変換器45の初期の極性を第1ステップ
の極性に、それぞれリセットする。
【0023】ダイポール型の静電チャックの場合におけ
る本発明の一実施例として、マイクロ波プラズマエッチ
ング装置における適用例を図5に示す。真空処理室31、
及びプラズマ34の励起方法などは、図3に等しいため省
略する。上面に絶縁体45を有し、同心円状に配置された
一対の電極43、44により、ダイポール型の静電チャック
構成され、ウエハ35はその上に載置される。一対の電極
のうち、内側の電極43にハイパス遮断フィルタ38を通し
て高周波電源39を接続し、内側の電極43、外側の電極44
双方にローパス遮断フィルタ40を通して静電吸着電源46
を接続する。尚、真空処理室31、高周波電源39、静電吸
着電源46は接地する。
【0024】図6はダイポール型静電チャックの場合に
おける、図1に示す交流方形波電圧を出力することので
きる静電吸着電源46の一実施例を示す回路ブロック図で
ある。ウエハ吸着時はスイッチ59をb側58に入れ、V262
を±1kVまで出力できる高電圧電源60に電圧設定信号
として入力し、吸着時の印荷電圧を内側の電極に印加す
る。また、V262を反転増幅器66を通して極性を逆にした
ものを、±1kVまで出力できる高電圧電源60に電圧設
定信号として入力し、吸着時の印荷電圧を外側の電極に
印加する。
【0025】ウエハ離脱時は、図4の場合と同様に、ス
イッチ59をa側57に入れ、スイッチ42を入れる。スイッ
チ42を入れることにより、数1に従い極性の切り替わる
交流方形波56を生成する。上記交流方形波56を±1kV
まで出力できる高電圧電源60に電圧設定信号として入力
し、図1に示す交流方形波電圧を内側の電極に印加す
る。また、前記交流方形波56を反転増幅器66を通して極
性を反転し、±1kVまで出力できる高電圧電源60に電
圧設定信号として入力し、図1に示す交流方形波電圧と
極性を逆にしたものを外側の電極に印加する。電圧印加
をOFFした後は、一次積分器53を0に、電圧−周波数
変換器55の初期の極性を第1ステップの極性に、それぞ
れリセットする。
【0026】図7はモノポール型静電チャックの場合に
おける、図1に示す交流方形波電圧を出力することがで
きる静電吸着電源41の別の実施例を示す回路ブロック図
であ
【0027】る。
【数1】におけるT1を設定するためにV151を変化させる
かわりに、積分時定数の調整機能を有する一次積分器67
を用い、その時定数を変化させることによりT1を任意に
設定することができる。
【0028】図8はモノポール型静電チャックの場合に
おける、図1に示す交流方形波電圧を出力することがで
きる静電吸着電源41の別の実施例を示す回路ブロック図
である。数1におけるT1を設定するためにV151を変化さ
せるかわりに、電圧−周波数変換係数の調整機能を有す
る電圧周波数変換器69を用い、その変換係数を変化させ
ることにより数1におけるT1を任意に設定することがで
きる。
【0029】図9はモノポール型静電チャックの場合に
おける、図1に示す交流方形波電圧を出力することがで
きる静電吸着電源41の別の実施例を示す回路ブロック図
である。マイクロプロセッサ92とD/A変換器94を用い
て、数1に従い極性の切り替わる交流方形波56を生成
し、上記交流方形波56を±1kVまで出力できる高電圧
電源60に電圧設定信号として入力し、図1に示す交流方
形波電圧を出力する。
【0030】
【発明の効果】本発明のウエハ離脱方法は、一定の規則
に従って周期の減少する交流方形波電圧を印加すること
により、電圧や時間等のパラメータの調整の必要無し
に、チャックに蓄積された電荷を確実に、かつ、速やか
に除去し、ウエハを容易に離脱することができる。
【0031】また、本発明のウエハ離脱方法は、吸着力
解除の途中においてウエハに外部より力を加えることが
ないため、ウエハの位置ズレが生じない。
【0032】また、本発明のウエハ離脱方法は、ダイポ
ール型、モノポール型のいずれの場合においても、実現
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電極に印加される交流
方形波電圧の説明図である。
【図2】本発明の一実施例である電極に印加される交流
方形波電圧と吸着力の変化の説明図である。
【図3】本発明の一実施例であるモノポール型静電チャ
ックを示す全体構成図である。
【図4】本発明の一実施例であるモノポール型静電チャ
ックの静電吸着電源の回路ブロック図である。
【図5】本発明の、ダイポール型静電チャックの場合に
おける一実施例を示す全体構成図である。
【図6】本発明の一実施例であるダイポール型静電チャ
ックの静電吸着電源の回路ブロック図である。
【図7】本発明のモノポール型静電チャックの静電吸着
電源の別の実施例を示す回路ブロック図である。
【図8】本発明のモノポール型静電チャックの静電吸着
電源の別の実施例を示す回路ブロック図である。
【図9】本発明のモノポール型静電チャックの静電吸着
電源の別の実施例を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1:一定の規則に従って周期の減少する交流方形波電
圧、21,22:吸着力の変化、41:静電吸着電源
(モノポール型静電チャックの場合)、46:静電吸着
電源(ダイポール型静電チャックの場合)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 温司 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 梅本 強志 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 椿 武士 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体製造装置において静電チャックによ
    り支持されたウエハの離脱方法であって、 一定の規則に従って周期の減少する交流方形波電圧を印
    加しウエハを離脱することを特徴とするウエハの離脱方
    法。
  2. 【請求項2】半導体製造装置において静電チャックによ
    り支持されたウエハの離脱方法を提供する装置であっ
    て、 一定の規則に従って周期の減少する交流方形波電圧を出
    力しウエハを離脱することを特徴とする静電吸着電源。
JP14256398A 1998-05-25 1998-05-25 ウエハの離脱方法及び静電吸着電源 Expired - Fee Related JP3879254B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013027584A1 (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 株式会社アルバック 真空処理装置及び真空処理方法

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