JP3878854B2 - 蓄電池用端子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン電池等の蓄電池に用いられる蓄電池用端子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、蓄電池用端子は、図2の断面図に示すように、蓄電池の容器の容器蓋Lの略円形の開口に側部がロウ付け等で接合され、容器の内外を貫通する貫通孔11aを略中央部に有し、アルミナ(Al23)セラミックス等からなる筒状のセラミック基体11を具備する。このセラミック基体11の貫通孔11aの容器外部側の端部には、セラミック基体11の容器外部側の端面から貫通孔11aの内面にかけて面取り部Cが形成されており、セラミック基体11の容器外部側の端面から面取り部Cにかけて、モリブデン(Mo)−マンガン(Mn)等からなるメタライズ層14aが被着されている。
【0003】
そして、貫通孔11aに、下端が閉じられているとともにその下端に鍔部12aが形成され上端が開いたアルミニウム(Al)合金からなる略円筒状等の筒状の端子体12を、その両端がセラミック基体11から突出するようにかつ下端面が鍔部12aに係止するように挿入し、メタライズ層14aと端子体12とがAlを主成分とするロウ材15aを介して接合される。また、メタライズ層14bとAl合金や鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の金属からなる円環状のフランジ13とが、Alを主成分としたロウ材や金(Au:約37.5重量%)−銅(Cu:約62.5重量%)ロウ材等からなるロウ材15bを介して接合されることにより、蓄電池内部が気密に封止される。
【0004】
また、蓄電池の内部では、端子体12の下端面が蓄電池の一方の電極板Eに接続されるとともに、フランジ13が蓄電池の容器蓋Lに溶接によって接合されることにより、蓄電池の一方の端子として機能している。一方、端子体12の上端部には、その外側面から内側面にかけて貫通孔12bが形成され、貫通孔16aが形成された銅等からなる導線16を上方より端子体12の内部に嵌入し、貫通孔12bと貫通孔16aが重なるようにしてそれぞれにボルト17を挿入して、一方をナットにて締め付ける方法や、導線16を上方より端子体12の内部に嵌入した後、端子体12の上部全体を側方からかしめる方法にて、端子体12と導線16を接続することにより、外部との導通をとるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の蓄電池用端子においては、ロウ付け時の端子体12の変形により端子体12とセラミック基体11との間にロウ材の割れ等の欠陥を生じて気密性を損なったり、端子体12が接合されているセラミック基体11やロウ材15aに外力等のストレスが加わってクラックが生じ、気密性を損ないやすいという問題点があった。
【0006】
また、Al合金の熱膨張係数がセラミックスの熱膨張係数の約4倍程度と両者の熱膨張係数差が大きく、貫通孔11a内面全面にメタライズ層を形成して端子体12をロウ付けした場合は、ロウ付け後の端子体12の熱収縮によりセラミック基体11の貫通孔11a付近にクラックが発生し易い。さらに、セラミック基体11の両端面にメタライズ層を形成して端子体12をロウ付けした場合、セラミック基体11の両端面からクラックが発生するという問題点があった。
【0007】
従って、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、Al合金とセラミックスとの熱膨張差によるロウ付け後の残留ストレスを緩和し、セラミック基体に生じるクラックを有効に防止し、また、端子体に機械的外力やストレスが加わっても気密性を確保することができ、セラミック基体やロウ材に過大なストレスをかけることなく、セラミック基体やロウ材のクラックを有効に防止することにより、蓄電池内部の気密性を良好にすることができる蓄電池用端子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の蓄電池用端子は、筒状のセラミック基体の内側に筒状の端子体が挿入されており、前記筒状の端子体は、その一端が閉じているとともに該一端側に前記セラミック基体の端面に当接する鍔部が形成されて、他端が前記セラミック基体の他端側端面にロウ付けされており、前記セラミック基体は、前記一端側端面に、前記鍔部に当接するとともに先端が尖っており、前記セラミック基体と前記端子体との軸方向熱膨張差より突出している突条部が前記セラミック基体の一端側開口を取り囲むように全周にわたって形成されていることを特徴とする。
本発明の蓄電池用端子の製造方法は、筒状のセラミック基体の内側に筒状の端子体が挿入されており、前記筒状の端子体は、その一端が閉じているとともに該一端側に前記セラミック基体の一端側端面に当接する鍔部が形成されて、他端が前記セラミック基体の他端側端面にロウ付けされている蓄電池用端子の製造方法であって、前記セラミック基体の一端側端面に、先端が尖っており、前記セラミック基体と前記端子体との軸方向熱膨張差より突出している突条部を前記セラミック基体の一端側開口を取り囲むように全周にわたって形成しておき、前記セラミック基体の内側に、前記鍔部と前記突条部とが当接するように前記端子体を挿入した後に、前記端子体と前記セラミック基体とを加熱して前記端子体の他端と前記セラミック基体の他端側端面とをロウ付けし、その後、前記端子体と前記セラミック基体とを冷却することによって製造することを特徴とする。
【0009】
本発明は、上記の構成により、端子体に機械的外力やストレスが加わっても気密性を確保することができ、セラミック基体やロウ材に過大なストレスをかけることなく、セラミック基体やロウ材のクラックを有効に防止することにより、蓄電池内部の気密性を良好にすることができる。その結果、蓄電池の性能は長期にわたって安定し、長寿命と高い信頼性が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の蓄電池用端子について以下に詳細に説明する。図1は本発明の蓄電池用端子について実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は軸方向に貫通孔1aを有する筒状のセラミック基体、2はAl合金からなる端子体、3は金属製のフランジであり、これらとメタライズ層4a,4bとが、それぞれロウ材5a,5bを介して接合されることによって、蓄電池内部を気密に封止する蓄電池用端子が構成される。
【0011】
本発明のセラミック基体1は、例えばアルミナセラミックス等の電気絶縁性に優れるセラミックスからなる円筒状や断面が多角形の筒状のものであり、端子体2とフランジ3とを電気的絶縁性をもって保持している。そして、図1に示すように、セラミック基体1は容器の容器蓋Lの略円形の開口にその側部が接合され、かつその略中央部に内外を貫通する貫通孔1aが形成される。筒状のセラミック基体1の内側(貫通孔1a)には、端子体2の容器外部側の上端部が突出するように端子体2が挿通され接合される。また、端子体2の容器内部側の一端側(図1では下端側)に形成された端子体2係止用の鍔部2aに、セラミック基体1の一方の端面(図1では下端面)の全周に設けた突条部1bを接触させ陥没させることにより、セラミック基体1と端子体2との隙間がメカニカルに気密シールされる。また、セラミック基体1の外側面にはフランジ3が接合され、フランジ3を介して容器蓋Lに接合固定されている。上記鍔部2aは、端子体2の下端面に面一となるように設けられているが、端子体2の下端部の側面から突出していれば良く、必ずしも端子体2の下端面と面一になっていなくても良い。
【0012】
このようなセラミック基体1は、例えばアルミナセラミックスから成る場合、酸化アルミニウム(アルミナ:Al23)、酸化珪素(SiO2)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)等の原料粉末に適当な有機バインダを添加して調製した原料粉末を、所定形状のプレス型内に充填するとともに、これを所定圧力でプレスして成形し、しかる後得られた成形体を大気中にて約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0013】
また、セラミック基体1は、貫通孔1aより突出した端子体2の上端部の外側面にロウ付けされる。そして、セラミック基体1の上端面と貫通孔1aの内周面との間の稜部に面取り部Cが形成され、セラミック基体1の上端面からこれに連なる面取り部Cにかけて延出するように、環状のメタライズ層4aが被着されている。このメタライズ層4aは、Mo−Mn等のメタライズ層からなり、セラミック基体1の貫通孔1aに挿入された端子体2をセラミック基体1に接合するための下地金属であり、このメタライズ層4aに端子体2がAlを主成分としたロウ材5aを介して接合される。
【0014】
セラミック基体1の下端面には、先端が尖っている突条部1bが全周にわたって設けられている。図1(a)は、突条部1bの断面形状がその先端の角度が90°以下の鋭角で、かつ頂角を2等分した形状(突条部1bの一方の側面が鍔部2aの上面に略垂直になっている形状)であるものを示し、図1(b)は、突条部1bの断面形状がナイフエッジ状であるものを示し、図1(c),(d)は、貫通孔1aからやや離れた配置に設けられた突条部1bを示す。突条部1bの先端の角度は60〜90°程度が好ましい。60°未満では、先端部のカケが生じやすく、機械的特性において、靭性の高いセラミックスに限定される点で不適であり、90°を超えると、例えば、端子体2の鍔部2aに、接触、埋没する際の変形抵抗が大きく、接触面積が少なくなり、封止性の点で不適である。
【0015】
なお、突条部1bの先端の角度は、セラミック基体1の材質の強度、靭性などを考慮して、上記角度範囲から外れる場合があってもよい。例えばセラミック基体1の材質の強度および靭性がきわめて高い場合、突条部1bの先端の角度を60°未満とできる場合がある。
【0016】
突条部1bの高さは1〜3mm程度がよい。1mm未満では、セラミック材料に突条部1bを作製するうえで加工が難しくなり、先端が尖っているとともに側面が滑らかな形状となるようにすることが困難になる。3mmを超えると、突条部1bが1〜2mm程度鍔部2aに埋没するのに対して、セラミック基体1の下端面と鍔部2aとの間に隙間ができるため気密性が劣化する場合がある。なお、許容電流値などの端子体2の設計条件や構造によっては上記高さ範囲から外れる場合があってもよい。
【0017】
セラミック基体1の下端面の突条部1bは、アルミナセラミックス(熱膨張係数:7×10-6/℃)等から成るセラミック基体1の下端面の突条部1bが、Al−Mn合金等のAl合金(熱膨張係数:23×10-6/℃)から成る端子体2の鍔部2aの上面に接した状態でこれらを600℃程度でロウ付けすると、端子体2の冷却収縮がセラミック基体1よりも大きいため、冷却工程で突条部1bの先端が鍔部2aの上面に自ずと圧入され、セラミック基体1と端子体2との隙間がメカニカルにシールされることとなる。この場合、セラミック基体1と端子体2とをロウ付けする前に、突条部1bを鍔部2aの上面に予め圧入させておいてもよく、冷却工程での圧入を確実なものとすることができる。
【0018】
メタライズ層4aは、例えばMo粉末およびMn粉末ならびに金属の酸化物粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を添加混合して得た金属ペーストを、セラミック基体1の上端面にスクリーン印刷法や筆塗り法によって印刷塗布するとともにその一部を面取り部Cに垂れ込ませ、これを還元雰囲気中で約1400℃の温度で焼き付けることによって、セラミック基体1の上端面からこれに連なる面取り部Cにかけて被着される。このとき、面取り部Cに垂れ込んだ金属ペーストは、面取り部Cと貫通孔1aの内周面との間の角部で表面張力によってその垂れ込みが止まるため、その厚みおよび奥行きが一定のものとなる。よって、メタライズ層4aと端子体2との接合において、ロウ材5aが面取り部Cとその周囲に均一に行きわたり、その結果セラミック基体1の接合部に応力の偏りを発生させることがなくなる。故に、上記のような面取り部Cを設けることが好ましい。
【0019】
また、セラミック基体1の外側面の一部(図1では略中央部)には、メタライズ層4bが被着されており、このメタライズ層4bはメタライズ層4aと同様にMo−Mn等のメタライズ層からなり、セラミック基体1にフランジ3を接合するための下地金属であり、メタライズ層4bにはAlを主成分としたロウ材や金(約37.5重量%)−銅(約62.5重量%)ロウ材等のロウ材5bを介して接合される。このメタライズ層4bは、メタライズ層4aと同様に、例えばMo粉末、Mn粉末および金属酸化物粉末に適当な有機バインダ、溶剤を添加混合して得た金属ペーストを、セラミック基体1の外側面の一部に筆塗り法等によって塗布し、これを還元雰囲気中で約1400℃の温度で焼き付けることによって、セラミック基体1の外側面に被着される。
【0020】
なお、メタライズ層4a,4bの表面には、メタライズ層4a,4bの酸化腐蝕を防止するとともに、ロウ材5a,5bとの濡れ性を向上させ、さらには端子体2やフランジ3との接合後に発生する応力による剥がれやクラック等によって接合性を劣化させないために、ニッケル等の耐食性に優れかつロウ材5a,5bとの濡れ性に優れる金属を1〜10μm程度の厚みに被着させることが好ましい。
【0021】
セラミック基体1の貫通孔1a内に挿入され接合される端子体2は、導電路であり、かつ蓄電池の容器内に納められた電解液に浸漬されるため、高起電力状態で電気化学的に安定である必要があることから、耐食性に優れるAl合金からなり、好ましくは耐食性が優れロウ付けしやすいAl合金(JIS H 4040 合金番号3003等)からなる。
【0022】
端子体2は、下端が閉じられ上端が開いた略円筒状等の筒状のもので、端子体2の容器内部側の下端部には、係止用の鍔部2aが形成されている。組立時には、セラミック基体1の下端面に全周にわたって設けられた先端が尖っている突条部1bを、その先端を鍔部2aの上面に自重で接触させるかまたは加圧し埋没させる。この場合、鍔部2aの上面に突条部1bに対向するとともに突条部1bと断面形状が略同形の溝を予め設けておいてもよく、メカニカルシールを確実にできる。そして、端子体2とセラミック基体1とのロウ付け時における熱膨張差により、冷却収縮時に突条部1bが鍔部2aの上面に圧入されるとともに、鍔部2aの上面の突条部1bに位置する部位が陥没する。この結果、ロウ付け接合部に生じる残留応力を緩和するとともにセラミック基体1に生じるストレスが軽減されるため、セラミック基体1にクラックが生じることを抑制する。また、突条部1bが鍔部2aの上面に圧入されるため、封止効果も生じる。従って、ロウ材5aのロウ付けによる気密封止と突条部1bのメカニカルな気密封止とによって、気密性が大幅に向上する。
【0023】
ロウ材5a,5bは、端子体2およびフランジ3の材質がAl合金の場合、Alを主成分としたものからなり、Al−Si系のものを使用することが好ましい。Al合金はその表面の強固な酸化皮膜のためロウ付け性が悪いため、Al合金表面の酸化皮膜を除去してロウ付け性を向上させるゲッター作用を有するマグネシウム(Mg)を少量含有したAl−Si系ロウ材が好ましい。また、ロウ付け時のロウ材の流れ性をよくするために、端子体2とセラミック基体1において、両者にロウ材がほぼ全周にわたって接触する必要があるため、プレスなどで形成した板状のプリフォームを使用するよりも曲面に接触させやすいワイヤ状のロウ材を予め巻回しておきロウ付けを行うことが好ましい。
【0024】
ロウ材5aは、端子体2の材質が銅系の場合、金(約37.5重量%)−銅(約62.5重量%)合金から成るロウ材等からなるのがよく、この場合、電解液等に使用される溶液に対する耐食性が高いという利点がある。またロウ材5aは、フランジ3とセラミック基体1において、両者にロウ材5aが略全周にわたって接触する必要があるため、プレスなどで形成した板状のプリフォームを使用するよりも曲面に接触させやすいワイヤ状のロウ材5aを予め巻回しておきロウ付けを行うことが好ましい。
【0025】
次に、本発明の蓄電池用端子の製造方法について以下に説明する。
【0026】
Al合金からなる端子体2をロウ材5aを介してメタライズ層4aに接合する際に、端子体2をその上端部が突出するようにしてセラミック基体1の貫通孔1aに挿入するとともに、ロウ材5aをメタライズ層4aと端子体2に接触するように配置する。そして、ロウ材5aを真空雰囲気中で約600℃の温度で加熱して溶融させることにより、端子体2とメタライズ層4aをロウ付け接合する。そして、端子体2の下端面に蓄電池の電極板Eを接続することにより、電極板Eを外部に電気的に接続する蓄電池用端子として機能する。
【0027】
セラミック基体1の外側面に接合されるフランジ3は、Al合金やFe−Ni−Co合金等からなる金属製の円環体であり、例えばAl合金から成る場合、メタライズ層4bにAlを主成分とするロウ材5bを介して接合される。そして、このフランジ3を蓄電池の容器蓋Lに溶接することによって、本発明の蓄電池用端子が蓄電池の容器に固定される。フランジ3をロウ材5bを介してメタライズ層4bに接合するには、セラミック基体1をフランジ3の内側に挿入するとともに、メタライズ層4bとフランジ3に接触するようにワイヤ状のロウ材5bをメタライズ層4bに巻きつけるように配置し、ロウ材5bを真空雰囲気中で約600℃の温度に加熱して溶融させることにより、フランジ3とメタライズ層4bとをロウ付け接合する。
【0028】
上記の如く、本発明の蓄電池用端子は、セラミック基体1の両端面から突出するようにセラミック基体1の貫通孔1aに端子体2を挿通し、セラミック基体1の上端面と端子体2の上部外側面をロウ付け接合し、フランジ3をセラミック基体1の外側面にロウ付けすることによって製作される。また、端子体2の下端面を電極板Eに接続するとともにフランジ3を容器蓋Lに溶接し、さらに端子体2の上端部に導線6をその貫通孔6aにボルトを通して締めたりかしめたりして接続することによって、蓄電池内部が気密に保持されるとともに蓄電池内部と外部とが電気的に接続された蓄電池として機能する。
【0029】
かくして、本発明の蓄電池用端子は、筒状のセラミック基体1の内側に筒状の端子体2が挿入されてロウ付けされており、筒状の端子体2は、その一端が閉じているとともに一端側にセラミック基体1の端面に当接する鍔部2aが形成されており、セラミック基体1は、端面に鍔部2aに当接するとともに先端が尖っている突条部1bが全周にわたって形成されている構成である。そして、この構成により、Al合金等から成る端子体2とセラミック基体1との熱膨張差によるロウ付け後の残留ストレスを緩和し、セラミック基体1に生じるクラックを有効に防止し、また、端子体2に機械的外力やストレスが加わっても気密性を確保することができ、セラミック基体1やロウ材5aに過大なストレスをかけることなく、セラミック基体1やロウ材5aのクラックを有効に防止することにより、蓄電池内部の気密性を良好にすることができる。その結果、蓄電池の性能は長期にわたって安定し、長寿命と高い信頼性が得られる。
【0030】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何等差し支えない。
【0031】
【発明の効果】
本発明の蓄電池用端子は、筒状のセラミック基体の内側に筒状の端子体が挿入されてロウ付けされており、筒状の端子体は、その一端が閉じているとともに一端側にセラミック基体の端面に当接する鍔部が形成されており、セラミック基体は、端面に鍔部に当接するとともに先端が尖っている突条部が全周にわたって形成されていることにより、セラミック基体と端子体とのロウ付け後の冷却収縮時に突条部が鍔部に徐々に圧入されて、端子体とセラミック基体との熱膨張差によるロウ付け後の残留ストレスを緩和するとともに、セラミック基体に生じるクラックを有効に防止する。また、ロウ材のロウ付けによる気密封止と突条部のメカニカルな気密封止とによって、蓄電池の気密性が大幅に向上する。さらに、セラミック基体のストレスが軽減されるため、端子体の上端部に機械的接続法で発生していたセラミック基体やロウ材のクラックによる気密洩れ、液洩れが有効に防止される。その結果、蓄電池の性能が長期にわたって安定化して長寿命化され、高い信頼性を有する蓄電池となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明の蓄電池用端子について実施の形態の各例をそれぞれ示す断面図である。
【図2】従来の蓄電池用端子の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:セラミック基体
1a:貫通孔
1b:突条部
2:端子体
2a:鍔部
3:フランジ
4a、4b:メタライズ層
5a,5b:ロウ材
6:導線
6a:貫通孔
7:ボルト
L:容器蓋
C:面取り部
E:電極板

Claims (2)

  1. 筒状のセラミック基体の内側に筒状の端子体が挿入されており、前記筒状の端子体は、その一端が閉じているとともに該一端側に前記セラミック基体の端面に当接する鍔部が形成されて、他端が前記セラミック基体の他端側端面にロウ付けされており、前記セラミック基体は、前記一端側端面に前記鍔部に当接するとともに先端が尖っており、前記セラミック基体と前記端子体との軸方向熱膨張差より突出している突条部が前記セラミック基体の一端側開口を取り囲むように全周にわたって形成されていることを特徴とする蓄電池用端子。
  2. 筒状のセラミック基体の内側に筒状の端子体が挿入されており、前記筒状の端子体は、その一端が閉じているとともに該一端側に前記セラミック基体の一端側端面に当接する鍔部が形成されて、他端が前記セラミック基体の他端側端面にロウ付けされている蓄電池用端子の製造方法であって、前記セラミック基体の一端側端面に、先端が尖っており、前記セラミック基体と前記端子体との軸方向熱膨張差より突出している突条部を前記セラミック基体の一端側開口を取り囲むように全周にわたって形成しておき、前記セラミック基体の内側に、前記鍔部と前記突条部とが当接するように前記端子体を挿入した後に、前記端子体と前記セラミック基体とを加熱して前記端子体の他端と前記セラミック基体の他端側端面とをロウ付けし、その後、前記端子体と前記セラミック基体とを冷却することによって製造することを特徴とする蓄電池用端子の製造方法。
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