JP6825882B2 - 電気化学セル用パッケージ、これを用いた電気化学セル、電気化学セル用パッケージの製造方法 - Google Patents

電気化学セル用パッケージ、これを用いた電気化学セル、電気化学セル用パッケージの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6825882B2
JP6825882B2 JP2016217115A JP2016217115A JP6825882B2 JP 6825882 B2 JP6825882 B2 JP 6825882B2 JP 2016217115 A JP2016217115 A JP 2016217115A JP 2016217115 A JP2016217115 A JP 2016217115A JP 6825882 B2 JP6825882 B2 JP 6825882B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
virtual line
electrochemical cell
plating layer
base container
package
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016217115A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018077948A (ja
Inventor
喜弘 小山
喜弘 小山
皿田 孝史
孝史 皿田
雄太郎 小室
雄太郎 小室
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2016217115A priority Critical patent/JP6825882B2/ja
Publication of JP2018077948A publication Critical patent/JP2018077948A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6825882B2 publication Critical patent/JP6825882B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Description

本発明は、電池や電気二重層キャパシタ等の電気化学セル用パッケージに関する。
電池や電気二重層キャパシタ等の電気化学セルに用いるパッケージとして、セラミックスを主な材質とするパッケージ構成が知られている。このパッケージは、アルミナ等からなるセラミックス基体を、この基体と熱膨張係数が近似する金属又は合金からなる蓋体で封止してなるものである。このようなパッケージ構成はセルの密閉性に優れていることから、電気化学セルの長期信頼性を向上させることができる。
また、セラミックス基体の外部底面には、実装する搭載機器の回路基板等と電気的に接続するための接続端子が形成されている。そして、この接続端子は、セラミックス基体内部に形成された配線を介して、パッケージ内部に収納された電極と電気的に接続されている。このような構成とすることで、表面実装可能な電気化学セルを提供することができる。
ところで、セラミックス基体の表面や内部に形成される配線は、セラミックグリーンシートに塗布され、あるいは埋め込まれた金属ペーストと、セラミックグリーンシートとを一体的に焼成することにより形成される。このような配線の材料としては、融点の高いタングステンやモリブデン等の金属が用いられる。そして、ハンダ接合や、金等の貴金属によるワイヤボンディングにより、電気化学セルを搭載する回路基板との接合を良好なものとするために、これらタングステンやモリブデン等の金属の表面に金やニッケル等のメッキ層が形成されている。
そして、パッケージ内部においてもまた、タングステンやモリブデン等の金属の露出面に、金やニッケル等のメッキ層が形成されている。このような配線及びメッキ層がセルの正極と電気的に接続し正の電位を帯びるとアノード腐食を受け、配線の断線等によりセルが動作しなくなる虞がある。このため、これらの材料をアノード腐食から保護するために、アルミニウム等の弁金属や炭素材料等が、保護膜として用いられる。
一方、保護膜は充分被覆されていないと、電解液が保護膜内部に浸透して貫通電極等に達してしまい、アノード腐食を引き起こしてしまうことから、保護膜の被覆性を向上させるための種々の対策が検討されてきた。例えば、配線となるメタライズ層の外周部をセラミックコート層で覆う構成において、このセラミックコート層で覆われていない箇所に形成されたメッキ層よりもセラミックコート層の厚みを厚くすることによって、アルミニウムや亜鉛等からなる導電層(保護膜)を連続的に形成することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−5278号公報
このように、パッケージの内部底面に露出したタングステン等からなる配線と、内部底面のセラミックスに跨るようにセラミックコート層が形成された構造を作製する場合、セラミックグリーンシート上に配線用の金属ペーストを塗布し、さらに、セラミックコート層となるセラミックペーストを塗布した後、焼成により一体的に形成することになる。このとき、焼成温度における膨張量の違いのため、セラミックコート層の反りや剥がれが発生し、信頼性や量産性が低下する虞がある。
また、このようなセラミックコート層を形成する工程を増やすことは、コストの上昇や工数増等の量産性の低下をもたらす点においても問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑み、被覆性に優れた保護膜を用いて量産性や信頼性に優れた電気化学セル用パッケージを提供することを課題とする。
発明者らは、鋭意検討の結果、配線の端部において容器底面の傾斜角とメッキ層の傾斜角とが所定の対応関係にあれば保護膜の被覆性を充分確保できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明における電気化学セル用パッケージは、絶縁性の基材を含むベース容器の内部に発電要素を収容し密閉する電気化学セル用パッケージであって、前記ベース容器の底部には、前記ベース容器の内部側に表面を有する金属製のビア配線が形成され、 前記ビア配線の表面にはメッキ層が形成され、さらに、前記メッキ層の形成された前記ビア配線と前記底部とを連続して覆う導電性の保護膜が形成され、前記ビア配線が形成されたビアホールの中心を通る断面視形状において、前記ベース容器の底部と前記メッキ層の端部が接する位置で、前記ベース容器の底部を通る接線である仮想線Aと、前記メッキ層の端部を通る接線である仮想線Bとを仮定し、前記仮想線Aと前記仮想線Bとが成す角の二等分線を仮想線Cとしたとき、前記仮想線Cが前記ベース容器の外部底面に対し45°を超えて傾くように鉛直上方を向いていることを特徴とする。
本発明によれば、配線の端部の位置において、容器底面の傾斜とメッキ層の傾斜との成す角を二等分する直線が鉛直上方を向いた状態となる。このような構造の上に形成された保護膜はクラックのない被覆性に優れた膜とすることができる。これにより、セルの信頼性及び量産性に優れた電気化学セルとすることができる。
本発明における電気化学セル用パッケージは、前記仮想線Aが前記ベース容器の外部底面に対し5°以上85°以下傾いていることを特徴とする。
本発明によれば、ベース容器の内側底面において、ビア配線近傍にテーパーが形成された構造となっている。これにより、クラックの発生の抑制された保護膜を形成することができる。
本発明における電気化学セル用パッケージは、前記仮想線Aと前記仮想線Bとの成す角が100°以上170°以下であることを特徴とする。
本発明によれば、メッキ層とベース容器の内側底面とが接触する接線が、このベース容器の内側底面に対し、100°以上170°以下開いた構成となっている。これにより、ベース容器の内側底面におけるテーパーの形成の有無に拠らずに、クラックの発生の抑制された保護膜を形成することができる。
本発明における電気化学セルは、上記の特徴を備えた電気化学セル用パッケージと、前記電気化学セル用パッケージに収納され前記保護膜を介して前記ビア配線と電気的に接続された発電要素とからなることを特徴とする。
本発明による電気化学セルとすることにより、保護膜に生じるクラックから電解液が浸透しビア配線がアノード腐食を受けることがないため、信頼性に優れた電気化学セルとすることができる。
本発明における電気化学セル用パッケージの製造方法は、絶縁性の基材を含むベース容器の内部に発電要素を収容し密閉する電気化学セル用パッケージの製造方法であって、前記基材を所定の形状に加工する工程と、前記基材のビアホール内に金属製のビア配線を形成する工程と、前記ビア配線の表面にメッキ層を形成する工程と、前記メッキ層の形成された前記ビア配線と前記基材とを連続して覆う導電性の保護膜を形成する工程と、を含み、前記ビア配線が形成されたビアホールの中心を通る断面視形状において、前記ベース容器の底部と前記メッキ層の端部が接する位置で、前記ベース容器の底部を通る接線である仮想線Aと、前記メッキ層の端部を通る接線である仮想線Bとを仮定し、前記仮想線Aと前記仮想線Bとが成す角の二等分線を仮想線Cとしたとき、前記仮想線Cが前記ベース容器の外部底面に対し45°を超える傾きで鉛直上方を向くように、前記基材と前記ビア配線と前記メッキ層とを形成することを特徴とする。
本発明の製造方法により、クラックのない被覆性に優れた保護膜を形成することができ、セルの信頼性及び量産性に優れた電気化学セルを製造することができる。
本発明における電気化学セル用パッケージの製造方法は、前記仮想線Aが前記ベース容器の外部底面に対し5°以上85°以下傾いていることを特徴とする。
本発明による電気化学セル用パッケージの製造方法とすることで、クラックの発生がより抑制された保護膜を作製することができる。
本発明における電気化学セル用パッケージの製造方法において、前記基材はセラミックグリーンシートからなり、該セラミックグリーンシートをパンチで成型することにより、ビアホール及びビアホール周囲のテーパーを形成することを特徴とする。
本発明による電気化学セル用パッケージの製造方法とすることで、上述の仮想線Aと仮想線Bとの成す角の二等分線である仮想線Cが上方を向くように、テーパー形状を効率よく形成することができる。これにより、セルの量産性に優れた製造方法を提供することができる。
本発明における電気化学セル用パッケージの製造方法は、前記仮想線Aと前記仮想線Bとの成す角が100°以上170°以下であることを特徴とする。
本発明による電気化学セル用パッケージの製造方法とすることで、クラックの発生が抑制された保護膜を形成することができる。
本発明における電気化学セル用パッケージの製造方法、前記ビア配線の表面にメッキ層を形成する工程において、異方成長促進剤を含有したメッキ浴を用いて無電解ニッケルメッキ及び無電解金メッキを施すことを特徴とする。
本発明による電気化学セル用パッケージの製造方法とすることで、ベース容器の内側底面にテーパーを形成しなくとも、仮想線Cが鉛直上方を向くような構成とすることができ、クラックの発生が抑制された保護膜を形成することができる。
本発明によれば、クラックのない保護膜を形成することにより電気化学セルの信頼性を向上することができる。
本発明に係る実施形態の電気化学セル及び電気化学セル用パッケージを示す概略図である。 電気化学セル用パッケージの配線構造の概要を示す断面図である。 従来技術に係る実施形態の電気化学セル用パッケージの詳細を示す部分断面図である。 本発明に係る実施形態の電気化学セル用パッケージの詳細を示す部分断面図である。 本発明に係る実施形態の電気化学セル用パッケージの変形例を示す部分断面図である。 本発明に係る実施形態の電気化学セル用パッケージの変形例を示す部分断面図である。 本発明に係る実施形態の電気化学セル用パッケージの変形例を示す部分断面図である。 本発明に係る実施形態の電気化学セル用パッケージの変形例を示す部分断面図である。 本発明に係る実施形態の電気化学セル用パッケージの変形例を示す部分断面図である。 本発明に係る実施形態の電気化学セル用パッケージの製造方法を示す概略図である。
以下、本発明の電気化学セル用パッケージの実施形態を挙げ、その各構成について図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、本明細書中における、水平、鉛直等の位置関係の記載は、後述する、電気化学セル用パッケージを構成するベース容器の外部底面を基準面としたときに、この外部底面に平行な向きを水平とし、外部底面から封口板に向かう向きでの垂直方向を鉛直と表したものである。
(電気化学セル用パッケージの概要)
本実施形態の電気化学セル用パッケージ1は、電気化学セルの発電要素を収納するベース容器2と、ベース容器2の開口部を気密に塞ぐための封口板3とを備えている。
図1に示すように、電気化学セル用パッケージ1は、一例として、セラミックス製の凹状のベース容器2と、平板状の金属製封口板3からなり、長さ3.2mm×幅2.5mm×高さ1.0mmの直方体形状とすることができる。電気化学セル用パッケージ1は、この他に、トラック形状や円筒形状等、セルの発電要素を収納するため、種々の大きさ及び形状とすることができる。
凹状のベース容器2の上端には、ロウ付け等により金属製のシールリング9が取り付けられ、発電要素がベース容器2の内部に収納されたのち、ベース容器2上端のシールリング9と、封口板3とを接合することにより、ベース容器2と封口板3とが一体となった電気化学セル用パッケージ1内に発電要素が収納された電気化学セルが形成される。
なお、図示しないが、セラミックス製のベース容器2を凹状ではなく平板形状とし、金属製の封口板3を平板状ではなく逆凹状にした電気化学セル用パッケージ1として、発電要素を容器内に収納する構成としてもよい。
(ベース容器)
次に、図面を基に電気化学セル用パッケージ1のうち、ベース容器2について詳述する。
図2は、電気化学セル用パッケージ1の構成を示す正面断面図であり、図1のAA断面を示すものである。この図2に記載の構成は、後述するビア配線、メッキ層、及び保護膜に関する詳細な形状を除き、従来技術及び本実施形態で共通している。
ベース容器2は、上方を開口部とした箱体状の容器であって、長方形状の底部2aと、底部2aの外縁に立設された長方形枠状の壁部2bとからなるセラミックス製の基材を有している。このベース容器2は、上述の大きさのほか、セルの要求特性に応じて、例えば一辺2〜20mm程度、高さ0.5〜3mm程度とすることができる。
図2(a)に示すように、ベース容器2の外部底面には、実装する搭載機器の回路基板等と電気的に接続するための接続端子4が形成されている。この接続端子4は、セルの発電要素である正極10及び負極11とそれぞれ電気的に接続するために複数形成されている。
また、図2(a)に示すように、ベース容器2には、正極10及び負極11と接続端子4との電気的接続のために、正極配線5及び負極配線6がそれぞれ形成されている。具体的には、ベース容器2の底部2aの側面及び内部にかけて正極配線5が、ベース容器2の底部2a及び壁部2bの側面にかけて負極配線6が、それぞれ形成されている。
そして、ベース容器2における接続端子4、正極配線5、負極配線6の露出面には、金及びニッケルの二層からなるメッキ層7が形成されている。特に、接続端子4にメッキ層7が形成されていることにより、搭載機器の回路基板とのハンダ等による接合を良好に保つことができる。
更に、ベース容器2の内部底面における正極配線5のうちビア配線5cの露出面に形成されたメッキ層7の上部には、正極配線5と電解液との接触による正極配線5の腐食防止のために保護膜8が形成されている。この保護膜8は、メッキ層7の上部及び周囲の内部底面に渡って連続的に形成されている。これにより、正極配線5の露出面及びメッキ層7を電解液との接触から保護し、セルの電気的特性を維持することができる。
なお、ベース容器2の基材を構成する材料としては、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化アルミ、ムライト及びこれらの複合材料からなる群から選ばれた少なくとも1種類を含むセラミックスが挙げられるが、構成材料はこれに限らない。ソーダライムガラスや耐熱ガラスなども使用可能である。ガラスは素材として長尺のものが利用できるので、小型のパッケージの場合は、1枚のガラスに多くの取り個数を設定することができ、ベース部材の低コスト化が期待できる。
本実施形態のベース容器2は、例えば、長方形状に打ち抜かれた底部2aに対応するセラミックグリーンシートに、長方形枠状に打ち抜かれた壁部2bに対応するセラミックグリーンシートを貼り合せた後、焼成することにより形成される。なお、底部2bに対応するセラミックグリーンシートにパンチングによりあらかじめ孔を開けることにより貫通孔を形成することができ、この貫通孔を利用してビア配線5cを形成することができる。
(接続端子及び配線)
図2(a)に示す接続端子4は、ベース容器2の下面に正極側及び負極側が一対となるよう形成されている。この接続端子4は、リフロー処理などにより、実装基板のパターンに設けられたクリームハンダなどで基板に固着される。
本実施形態では、ベース容器2となるセラミックグリーンシートにあらかじめタングステンによる電極のパターンを印刷し、当該セラミックグリーンシートを焼成することにより、接続端子4を形成することができる。この接続端子4は、印刷法により形成したタングステンのパターンに、上述したニッケルと金とからなるメッキ層7が形成されている構成となっている。
図2(a)に示すように、正極配線5は、接続端子4と接続し、ベース容器2の側面及び層間を通り、ベース容器2の内部底面に向かって貫通する形状となっている。具体的に、正極配線5は、ベース容器2の側面に形成された側部配線5aと、ベース容器2の層間に形成された層間配線5bと、この層間配線5bからベース容器2の内部底面にかけて形成されたビア配線5cとで構成されている。層間配線5bは、ベース容器2の底部2aを構成する複数のセラミックグリーンシートの間に形成されている。また、ビア配線5cは、セラミックグリーンシートに形成されたビアホールの形状に合わせて、例えば外径0.1〜0.5mmの円筒形状で形成されている。
層間配線5bやビア配線5cは、ベース容器2の内部で複数本に分かれて形成されていてもよい。これにより、ビア配線5cの1本に電解液が触れることによりアノード腐食が発生したとしても、他のビア配線5c及び層間配線5bまで影響を及ぼすことなく電気的特性を維持することができる。
正極配線5は図2(a)に示す構造のほか、図2(b)に示すように、接続端子4から直接ベース容器2の内部底面に向かって貫通するように、正極配線5がビア配線5cのみで構成されていてもよい。また、負極配線6は、ベース容器2の側面に形成されているほか、図2(c)に示すように、正極配線5と同様に、ビア配線が接続端子4からベース容器2の内部底面に向かって貫通する構造となっていてもよい。図2(c)に示す形状では、ベース容器2の内部底面に正極側、負極側それぞれの保護膜8が形成された構成となっている。電気化学セルの発電要素が、例えば、アルミニウム箔からなる集電体に塗布された正極及び負極からなる電極体を、セパレータを介して対向し、巻回、積層により形成されるような形状の場合、このような容器形状を用いることができる。
正極配線5及び負極配線6は、タングステンやモリブデン等の高融点の弁金属で構成されている。これらの材料は、ベース容器2の作製時に、セラミックグリーンシートと一体的に焼結することができる。具体的には、これらの金属と樹脂等からなる導電性ペーストを、セラミックグリーンシートの表面にスクリーン印刷等により塗布し、また、貫通孔にペーストを充填することによりビア配線を形成した後、焼結により正極配線5及び負極配線6の形成されたベース容器2を作製することができる。
(シールリング)
シールリング9は、図2(a)に示すように、ベース容器2の壁部2bの上端面の形状に合わせた四角枠状の断面を有しており、壁部2bの上端面にロウ材を介して接合されている。このシールリング9は、熱膨張係数がセラミックの熱膨張係数と近い材料、例えば、鉄・コバルト・ニッケル合金であるコバール(ウェスティングハウス社商品名)などを用いることができる。また、ロウ材は、Ag−Cu合金やAu−Cu合金などから形成されている。
(封口板)
封口板3は、図1に示すように、シールリング9の上面に接合されており、ベース容器2を密封している。封口板3は、熱膨張係数においてセラミックの熱膨張係数と近いコバールや42alloyなどの合金にニッケルメッキを施したものが使用される。より具体的には、コバールからなる0.1mm〜0.2mm程度の厚みを有する薄板で、表面に2μm〜4μm程度の厚みで電解ニッケルメッキや無電解ニッケルメッキを施したものが用いられる。このような材料を用いた封口板3は、例えば、抵抗シーム溶接、レーザーシーム溶接などによってシールリング9に溶接することができ、塞がれた状態のベース容器2内部の気密性を向上できる。この封口板3によりベース容器2が気密に閉じられている。
(保護膜)
本実施形態における保護膜8は、ベース容器2の内部底面に配置される導電性材料からなる膜である。この保護膜8は、正極配線5のうちビア配線5cの上端部、及び、その上部に形成されたメッキ層7と、セルの電解液との直接の接触を防止するとともに、セルの発電要素と正極配線5とを電気的に接続するために形成されている。
保護膜8は、アルミニウム、亜鉛、またはこれらの金属を主成分とする合金、金、ステンレスやチタン等から選ばれた少なくとも1種類からなる弁金属からなる膜であり、電解液に溶解し難い材料からなる。特に、アルミニウムとしては、JISにより規定された純アルミニウム系、Al−Cu系合金、Al−Mn系合金、Al−Mg系合金などを用いることができる。これらの保護膜8は、蒸着、スパッタ、溶射、ペースト塗布などの方法で形成することができる。
保護膜8の膜厚は、5μm以上でかつ100μm以下が望ましい。好ましくは、10μm以上で30μmの範囲がより望ましい。膜厚が薄いと膜内部に存在する微細なポーラスが繋がって電解液7が保護膜8の下にあるタングステンのビア配線5cに浸透してタングステンの電解腐食を引き起こしやすいことによる。また、厚みが厚い場合には、保護膜8の形成に多大の時間がかかってしまうため、製造上、量産性に乏しくなるといった不具合が発生する。上記の保護膜8の厚みの範囲であれば、後述するメッキ層7及びベース容器2の内部底面の形状と組み合わせることにより、被覆性に優れた保護膜とすることができ、電気化学セルとした場合に量産性や信頼性を向上させることができる。
(メッキ層)
次に、本実施形態におけるメッキ層7について、図3及び図4を基に詳述する。合わせて、ベース容器2の内部底面の形状とメッキ層7、保護膜8との被覆関係について説明する。
図3及び図4は、従来例及び本実施形態をそれぞれ示すベース容器2の、ビア配線5c付近を示す詳細断面図であり、ベース容器2に形成された円筒形状のビア配線5cの中心を通る断面を示すものである。
上述のように、本実施形態において、ベース容器2に形成された接続端子4、正極配線5、負極配線6のうち、ベース容器2の表面に露出した部分にメッキ層7が形成されている。このメッキ層7は、タングステン等からなる金属の露出部分にニッケルメッキ層7a及び金メッキ層7bが、電解メッキ若しくは無電解メッキにより順次積層されてなるものである。
図3(a)は、従来のベース容器2の構成におけるメッキ層7及び保護膜8の被膜形状について示したものである。メッキ処理は通常等方性プロセスであり、ベース容器2の内部底面において、ビア配線5cの表面にメッキ層7が均一に形成されている。このとき、メッキ層7の端面は、ベース容器2の内部底面において、この内部底面に垂直に接している。
ここで、図3(a)に示すような、ビアホールの中心を通る断面を考えた場合、セラミックスで構成されるベース容器2の内部底面に相当する線を仮想線Aとする。従来技術においては、このベース容器2の内部底面がビア配線5c付近においても水平であるので、仮想線Aは水平となる。また、ビア配線5cを構成するタングステン(W)の上にニッケル(Ni)及び金(Au)が順次積層されたメッキ層7が、ベース容器2の内部底面と接する端部において、断面視においてこの端部を含む接線を仮想線Bとする。そして、仮想線Aと仮想線Bとが成す角の二等分線を仮想線Cとする。
図3(a)に示すような従来技術においては、メッキ層7の端面が、ベース容器2の内部底面において、この内部底面に垂直に接しているから、仮想線Aと仮想線Bとの成す角は90°である。そして、仮想線Aと仮想線Bとの成す角の二等分線である仮想線Cの、水平方向からの傾斜角(θc)は45°となる。
このような従来技術における、メッキ層7上への保護膜8の形成過程について、図3(b)を基に説明する。メッキ層7の上には、蒸着やスパッタリング等によりアルミニウム等からなる保護膜8が形成されている。これらの成膜法では、保護膜8を構成する金属原子が、ベース容器2の内部底面、及び、メッキ層7に向かって入射し堆積することにより皮膜が形成される。金属原子の入射分布はベース容器2に対して垂直入射が最大であるが、斜め入射も存在する。
図3(a)のようなベース容器2及びメッキ層7の構成において、メッキ層7の側面には垂直入射原子は堆積しづらく、斜め入射により原子が堆積することにより保護膜8が形成される。したがって水平方向の堆積速度と垂直方向の堆積速度では垂直方向のほうが大きくなる。水平方向の堆積速度は膜上部のほうが大きい傾向にあるため、メッキ層7の表面に形成された保護膜8は、図3(b)に示すようなオーバーハング形状となる。このとき、側面下部への金属原子の入射がオーバーハング形状により阻害されることから(シャドーイング効果)、メッキ層7の側面に堆積した皮膜とベース容器2の内部底面上に堆積した皮膜との間にクラックが生ずる。クラックが発生すると、そこから電解液が保護膜8の内部に侵入し、メッキ層7のニッケルやビア配線5cのタングステンと電解液とが接触することにより、これらを腐食・溶出させてしまい、セルが機能しなくなる。
これに対し、図4に示すように、本実施形態においては、ベース容器2の内部底面がビア配線5cの周囲でテーパー状に形成されている。このような形状では、メッキ層7の端面がベース容器2の内部底面に対して垂直に接していたとしても、水平方向に対しては垂直より大きい傾きを有していることから、メッキ層7の表面の保護膜8がオーバーハング形状となりにくくなる。これにより、ベース容器2の内部底面からメッキ層7の表面にかけて形成される保護膜8は均一に成膜され、クラックが発生しにくくなる。
より定量的に表現すると、図4における仮想線Aは、テーパー形状の傾きだけ水平方向に対し傾斜角θaを有している。また、メッキ層7の端部の接線である仮想線Bは、水平方向に対し傾斜角θbを有している。そして、仮想線Aと仮想線Bとの成す角の二等分線である仮想線Cは、水平方向に対し傾斜角θcを有している。
なお、これらの傾斜角θa、θb、θcは、水平方向のうち、仮想線Aと仮想線Bとの交点からビア配線5cに対する外側を起点としている。
本実施形態において、仮想線Aと仮想線Bとの成す角の二等分線である仮想線Cは、図3(a)に示すような従来の構成よりも鉛直上方に近い。このような傾斜角θcであれば、垂直に入射する原子が膜堆積に対する寄与が大きくなり、オーバーハング形状ができづらくなり、保護膜8が均一に形成される。
特に、傾斜角θcがさらに大きくなると、保護膜8はベース容器2の内部底面とメッキ層7とにわたってより一様な皮膜となる。このような傾斜角θcは50°以上が好ましく、60°以上が特に好ましい。
具体的には、図4に示すように、ベース容器2の内部底面にテーパー形状を形成する場合でも、等方的に成膜されるメッキ層7の端面は、このテーパー形状に対し垂直に形成される。そのため、テーパー形状の傾斜角θaに対し、メッキ端面の接線の傾斜角θbは、θb=90°+θaとなる。よって、傾斜角θcは仮想線Aと仮想線Bとの成す角の二等分線であるので、θc=(θa+θb)/2=θa+45°となる。傾斜角θaが5°以上となるようベース容器2の内部底面にテーパーが形成されている場合、保護膜8の形成時にオーバーハング形状の発生がより抑えられるため、より好ましい。
傾斜角θaは5°より大きければ大きいほど、対応して傾斜角θcも大きくなり、θaが45°のときにθcが鉛直上方となる。さらにθaを大きくすると、θcはふたたび、鉛直上方から傾くことになる。そして、θaが85°よりも大きくなると、θcは130°より大きくなる(ビア配線5c側の水平からの傾きが50°未満となる)ことから、本発明の効果に乏しくなる。また、このようなθaのときには、形成するテーパーが垂直に近づくために、後述の方法により行うセラミックグリーンシートの加工が困難になる問題も発生する。このため、傾斜角θaは大きくても85°以下であることが好ましい。
(変形例1)
次に、本実施形態における変形例を、図5に基づき説明する。
上記の実施例では、ベース容器2の内部底面に傾斜角θaだけテーパーを形成することにより、仮想線A及び仮想線Bの二等分線である仮想線Cが鉛直上方を向くような形状とし、アルミニウムの保護膜8を良好に形成したものである。
一方、本変形例のように、容器にテーパーを設ける上記実施例のような構成の代わりに、メッキ層7の接触角をなだらかにすることによっても、仮想線Cの向きを鉛直上方にすることができる。これにより、ベース容器2のセラミック部分の形状を変えなくても本発明の効果を奏することから、低コストで本発明を実現することができ好ましい。
ここで、まず、図5に示すような、仮想線Aが水平である場合について説明する。メッキ層7がベース容器2の内部底面上に等方的に形成される場合、メッキ層7の端面はベース容器2の内部底面に対し垂直に形成されることから、仮想線Aと仮想線Bとの成す角は90°となる。この場合、水平方向に対する仮想線Bの傾斜角θbについても90°となる。これに対し、本変形のようにメッキ層7がベース容器2の内側底面に対しなだらかに形成される場合には、仮想線Aと仮想線Bとの成す角は90°よりも大きくなる(θbもまた、90°よりも大きくなる)。これに伴い、仮想線Aと仮想線Bとの成す角の二等分線である仮想線Cは、傾斜角θcが45°よりも大きくなるような向きで鉛直上方を向く構成となる。
この変形例1においてもまた、上述した実施形態と同様に、保護膜8の形成時にオーバーハング形状の発生が抑えられることにより、保護膜8へのクラックの発生を抑制することができる。特に、仮想線Aと仮想線Bとの成す角(この場合傾斜角θb)が100°以上であれば、保護膜8へのクラックの発生をより効果的に抑制することができることから、より好ましい態様である。
一方、メッキ層7の接触角が大きくなり過ぎると、メッキ本体の厚さが薄くなってしまい、回路基板との接合性などが悪化するおそれもある。このため、少なくとも仮想線Aと仮想線Bとの成す角(この場合傾斜角θb)は、170°よりも小さいことが好ましい。
このようにメッキ層7の接触角をなだらかにするために、例えば、無電解メッキを用いて、メッキ浴に異方成長促進剤を添加することにより、メッキ層7の広がりを調整することができる。このようなメッキ浴を用いる場合、メッキ層7を異方的に横に広がった状態で成長させることができる。
異方成長促進剤としては、例えば、鉛、ビスマス、テルル、銅イオン等の金属イオンや、窒素化合物、ポリエチレングリコール、アセチレン系グリコール、アセチレン系カルボン酸等、種々の化合物を用いることができる。
さらに、図示しないが、上述の実施例のようなベース容器2の内部底面へのテーパー形状の形成と、本変形のようなメッキ層7の異方成長とを組合せることにより、仮想線Aと仮想線Bとの成す角を90°よりも大きくし、かつ、内部底面のテーパー形状が加わり、仮想線Cが鉛直上方に向く構成とすることができる。特に、仮想線Aと仮想線Bとの成す角が100°以上かつ170°以下であれば、保護膜8をよりなだらかに形成し、クラックの発生の防止をより確実にすることができるため、より好ましい態様である。また、水平方向からの仮想線Aの傾斜角θaが5°以上、かつ、仮想線Aの傾斜角θaを5°以上85°以下とした上で、仮想線Aと仮想線Bとの成す角が100°以上かつ170°以下であれば、保護膜8をさらになだらかに形成することができることから特に好ましい。
(変形例2)
上記の実施例では、図4に示すようにベース容器2のビアホールの位置にビア配線5cが形成されている。これに対し、図6に示すように、ビア配線5cがビアホールの外部に突出し、ビア配線5cの端部がベース容器2のテーパーの位置に来るようにしてもよい。
このように、図6に示すような形状であれば、図4に示す実施例と同様に、ビア配線5cの上部に形成されるメッキ層7の端部がテーパーの位置にあるため、仮想線Aが水平方向から傾斜することにより、仮想線Cの傾斜角θcが45°よりも大きくなるように仮想線Cを鉛直上方に近づけることができる。この場合の仮想線Aの傾斜角θaは、5°以上85°以下であれば好ましい。
このような構造の上に形成された保護膜8はクラックのない被覆性に優れた膜とすることができることから、セルの信頼性及び量産性に優れた電気化学セルとすることができる。加えて、ベース容器2の内部底面の平坦部とビア配線5cとの高さの差を図4に示す実施例よりも小さくすることができることから、も保護膜8の平坦度をより向上させることができる。
また、このようなベース容器2の構造に加えて、上述のように異方成長したメッキ層を用いて、仮想線Aと仮想線Bとの成す角を100°以上170°以下とすることにより、さらに保護膜8の平坦度を向上させることができる。
(変形例3)
また、ベース容器2の内部底面のビア配線5cの近傍における形状が、テーパーではなく他の形状であってもよい。例えば、図7や図8に示すような断面R形状であってもよい。また、テーパーの端部に面取りやR形状が施されたものであってもよい。このような形状の場合、仮想線Aはメッキ層7の端面の位置における、ベース容器2の内部底面の接線となる。そして、この仮想線Aが水平方向から傾斜することにより、仮想線Cの傾斜角θcが45°よりも大きくなるように仮想線Cを鉛直上方に近づけることができる。この場合の仮想線Aの傾斜角θaは、5°以上85°以下であれば好ましい。
このような構造の上に形成された保護膜8はクラックのない被覆性に優れた膜とすることができることから、セルの信頼性及び量産性に優れた電気化学セルとすることができる。加えて、ベース容器2のビアホール付近はR形状や面取り等により鋭角な部分を有さないことから、保護膜8の平坦度をより向上させることができる。
また、このようなベース容器2の構造に加えて、上述のように異方成長したメッキ層を用いて、仮想線Aと仮想線Bとの成す角を100°以上170°以下とすることにより、さらに保護膜8の平坦度を向上させることができる。
(変形例4)
また、図9に示すように、ベース容器2の内部底面形状を、ビア配線5cの周囲は水平に形成し、さらにその周囲をテーパーやR形状等に形成することもできる。この場合、上述した本実施形態および各変形例同様に、仮想線Aが水平方向から傾斜することにより、仮想線Cの傾斜角θcが45°よりも大きくなるように仮想線Cを鉛直上方に近づけることができる。この場合の仮想線Aの傾斜角θaは、5°以上85°以下であれば好ましい。
このような構造の上に形成された保護膜8はクラックのない被覆性に優れた膜とすることができることから、セルの信頼性及び量産性に優れた電気化学セルとすることができる。これに加えて、ビア配線5cの周囲を平坦にすることにより、ビア配線5cをセラミックグリーンシートのビアホールの箇所のみに形成することが容易となる。これにより、ビア配線5cをさらに電解液から保護することができ、電気化学セルとした場合に量産性や信頼性をより向上させることができる。
また、このようなベース容器2の構造に加えて、上述のように異方成長したメッキ層を用いて、仮想線Aと仮想線Bとの成す角を100°以上170°以下とすることにより、さらに保護膜8の平坦度を向上させることができる。
(電気化学セル用パッケージの製造方法の概要)
次に、本実施形態の電気化学セル用パッケージ1を製造する方法について以下に説明する。
本発明に係る電気化学セル用パッケージ1の製造方法は、電気化学セル用パッケージ1を構成するベース容器2を製造する方法と、封口板3を製造する方法と、からなる。
ベース容器2を製造する方法は、セラミックグリーンシートを所定の形状に加工するグリーンシート加工工程と、セラミックグリーンシートに配線となる金属ペーストを形成するペースト形成工程と、金属ペーストの形成された複数のセラミックグリーンシートを組合せてこれらを一体的に焼結する焼結工程と、配線の表面にメッキを施すメッキ層形成工程と、ロウ付け等によりシールリングを形成する工程と、蒸着やスパッタリング等により保護膜を形成する保護膜形成工程とからなる。
また、封口板3を製造する方法は、原料となる金属の板材を作製する工程と、この板材をプレスで打ち抜く工程とからなる。また、必要に応じて平板以外の形状の封口板を製造する場合は、板材や打ち抜き後の封口板にプレス加工を施すことができる。さらに、形成した封口板3に、必要に応じてニッケルメッキ等を施すことによりメッキ層を形成してもよい。
(ベース容器の製造方法)
ここで、本実施形態のベース容器2の製造方法について、図10に基づき詳述する。
まず、グリーンシート加工工程について説明する。本実施形態における凹状のベース容器2を構成する基材である底部2a及び壁部2bに対応するように、平板状のセラミックグリーンシートと枠状のセラミックグリーンシートをそれぞれ形成する。
壁部2bを構成する枠状のグリーンシートは、平板状のグリーンシートを形成した後、凹状のベース容器2の内寸に対応するように長方形のパンチを用いて開口することにより、長方形枠状のセラミックグリーンシートを作製する。
また、図10(a)に示すような、底部2aを構成する平板状のセラミックグリーンシートに対し、パンチを用いて厚み方向に打ち抜き開口する。これにより、図10(b)に示すような、ビアホールが形成された底部2aを形成することができる。
そして、この底部2aに形成されたビアホール内に、タングステンやモリブデン等の高融点金属に樹脂等が配合された金属ペーストを充填することにより、図10(c)に示すようなビア配線5cを形成することができる。また、これらの金属ペーストを、セラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法等で塗布することにより、底部2a及び壁部2bに形成される接続端子4、側部配線5a、層間配線5bとなるペーストのパターンを、セラミックグリーンシート上に形成することができる。
本実施形態においては、ビア配線5cが形成されたセラミックグリーンシートに対して、図10(d)に示すように、金型12を押し当て圧接することにより、図10(e)に示すようなビア配線及びその周囲におけるテーパー形状を形成することができる。金型12は、ビア配線5cに対向する平坦部12aと、セラミックグリーンシートに形成されるテーパーに対応するテーパー形成部12bを備えている。
本実施形態においては、図10(b)から(e)に示すように、ビア配線5cの形成されたセラミックグリーンシートにテーパーを形成しているが、図10(b)のようにビアホールの形成されたセラミックグリーンシートに金型12を圧接してテーパーを形成してから金属ペーストを充填することによりビア配線5cを形成してもよい。図10(b)から(e)に示すような工程によりビア配線5cの形成されたセラミックグリーンシートにテーパーを形成する場合、スクリーン印刷や埋め込み法によりビアホールにペーストを埋め込んだ後、ビアホール周囲の不要なペーストを効率よく除去することができることから好ましい態様である。
次に、焼結工程について説明する。これら金属ペーストが形成されたセラミックグリーンシートを、底部を構成するグリーンシート、枠部を構成するグリーンシートの順に積層した後、焼結により容器と配線とを一体的に形成することができる。焼結温度は例えば1500℃とすることができる。
次に、メッキ層形成工程について説明する。配線が形成された焼結後のグリーンシートに、ニッケルメッキ、次いで金メッキを施すことにより、図10(f)に示すように、セラミックスの表面に露出したタングステンやモリブデン等の配線部分の表面に、ニッケルメッキ層7a及び金メッキ層7bからなるメッキ層7を形成する。このメッキ層7は、電解メッキや無電解メッキを施すことにより形成することができる。
特に、上述した変形例1で説明したように、メッキ層形成工程においては、異方成長促進剤を含有したメッキ浴を用いて、無電解メッキによりニッケルメッキ層7a及び金メッキ層7bからなるメッキ層7を形成することができる。これにより、ベース容器2の内側底面において、メッキ層7の接触角をなだらかにすることができ、クラックの発生を抑制することができる。
そして、保護膜形成工程について説明する。保護膜8はアルミニウムやチタン等の化学的に安定な弁金属からなる膜であり、電解液に溶解し難い材料からなる。この保護膜は、例えば、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等、により形成することができる。これらの方法による場合は、次のようにして成膜することができる。まず、開口部を形成した金属製等のマスクを準備して、成膜装置のチャンバーの中に収納し、真空排気系で所定の真空度に排気した後、弁金属材料を蒸着させるか、弁金属材料からなるターゲットを物理的にイオンで叩いて弁金属材料を飛ばして、ベース容器の内部底面に成膜する。これらの成膜法では、成膜の条件が制御し易いので、形成した膜の抵抗率が低く、かつ液体が浸透しにくい高密度な膜が形成できる。
また、アルミニウムの膜はスクリーン印刷法によっても形成可能である。高温では酸化しやすいアルミニウムにおいても、150℃以下の温度で配線パターンを形成可能な技術が開発されている。この方法は印刷法であるので、蒸着法などの薄膜形成技術に比較し、より厚い膜を形成可能であり、数十μmの厚膜も容易に得ることができる。さらに、アルミニウム膜は電気メッキ法により作製することも可能である。ジメチルスルホンと塩化アルミニウムからなるメッキ液を用いて、表面が平滑で、膜の内部も均一な膜を得ることができる。
このようにして、図10(g)に示すように、クラックの発生が抑制され、均一に成膜された保護膜8を形成することができる。
(電気化学セル)
本発明の電気化学セル用パッケージ1に、発電要素及び電解液が収納されてなる電気化学セルは、収納される電極や電解液の構成によって、例えば、非水電解質二次電池や電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等、種々の蓄電デバイスとすることができる。
また、発電要素の構成は、図2(a)に示すような、一対の正極及び負極がセパレータを介して対向している構成とすることができる。このほか、図示しないが、金属箔に塗布された一対の正極及び負極からなる電極シートがセパレータを介して対向し巻回された構成や、電極シートがセパレータを介して多層積層された積層電極の構成に取り付けられたリードと、ベース容器2の内部底面に形成された保護膜(パッド膜)が接合した構造とすることもできる。
これらの電気化学セルは、発電要素や電解液の構成により種々の電気的特性を得ることができ、例えば、小型機器のバックアップ電源や、回路電圧の平滑化のための電源等の用途に適用することができる。
1・・・ 電気化学セル用パッケージ
2・・・ ベース容器
2a・・・ 底部
2b・・・ 側部
3・・・ 封口板
4・・・ 接続端子
5・・・ 正極配線
5a・・・ 側部配線
5b・・・ 層間配線
5c・・・ ビア配線
6・・・ 負極配線
7・・・ メッキ層
7a・・・ ニッケルメッキ層
7b・・・ 金メッキ層
8・・・ 保護膜
9・・・ シールリング
10・・・ 正極
11・・・ 負極

Claims (7)

  1. 絶縁性の基材を含むベース容器の内部に発電要素を収容し密閉する電気化学セル用パッケージであって、
    前記ベース容器の底部には、前記ベース容器の内部側に表面を有する金属製のビア配線が形成され、
    前記ビア配線の表面にはメッキ層が形成され、さらに、前記メッキ層の形成された前記ビア配線と前記底部とを連続して覆う導電性の保護膜が形成され、
    前記ビア配線が形成されたビアホールの中心を通る断面視形状において、前記ベース容器の底部と前記メッキ層の端部が接する位置で、前記ベース容器の底部を通る接線である仮想線Aと、前記メッキ層の端部を通る接線である仮想線Bとを仮定し、前記仮想線Aと前記仮想線Bとが成す角の二等分線を仮想線Cとしたとき、前記仮想線Cが前記ベース容器の外部底面に対し45°を超えて傾くように鉛直上方を向き、かつ、前記仮想線Aが前記ベース容器の外部底面に対し5°以上85°以下傾いていることを特徴とする電気化学セル用パッケージ。
  2. 前記仮想線Aと前記仮想線Bとの成す角が100°以上170°以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル用パッケージ。
  3. 請求項1又は2に記載の電気化学セル用パッケージと、前記電気化学セル用パッケージに収納され前記保護膜を介して前記ビア配線と電気的に接続された発電要素とからなることを特徴とする電気化学セル。
  4. 絶縁性の基材を含むベース容器の内部に発電要素を収容し密閉する電気化学セル用パッケージの製造方法であって、
    前記基材を所定の形状に加工する工程と、前記基材のビアホール内に金属製のビア配線を形成する工程と、前記ビア配線の表面にメッキ層を形成する工程と、前記メッキ層の形成された前記ビア配線と前記基材とを連続して覆う導電性の保護膜を形成する工程と、を含み、
    前記ビア配線が形成されたビアホールの中心を通る断面視形状において、前記ベース容器の底部と前記メッキ層の端部が接する位置で、前記ベース容器の底部を通る接線である仮想線Aと、前記メッキ層の端部を通る接線である仮想線Bとを仮定し、前記仮想線Aと前記仮想線Bとが成す角の二等分線を仮想線Cとしたとき、前記仮想線Cが前記ベース容器の外部底面に対し45°を超える傾きで鉛直上方を向き、かつ、前記仮想線Aが前記ベース容器の外部底面に対し5°以上85°以下傾くように、前記基材と前記ビア配線と前記メッキ層とを形成することを特徴とする電気化学セル用パッケージの製造方法。
  5. 前記基材はセラミックグリーンシートからなり、
    該セラミックグリーンシートをパンチで成型することにより、ビアホール及びビアホール周囲のテーパーを形成することを特徴とする、請求項に記載の電気化学セル用パッケージの製造方法。
  6. 前記仮想線Aと前記仮想線Bとの成す角が100°以上170°以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の電気化学セル用パッケージの製造方法。
  7. 前記ビア配線の表面にメッキ層を形成する工程において、異方成長促進剤を含有したメッキ浴を用いて無電解ニッケルメッキ及び無電解金メッキを施すことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の電気化学セル用パッケージの製造方法。
JP2016217115A 2016-11-07 2016-11-07 電気化学セル用パッケージ、これを用いた電気化学セル、電気化学セル用パッケージの製造方法 Active JP6825882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016217115A JP6825882B2 (ja) 2016-11-07 2016-11-07 電気化学セル用パッケージ、これを用いた電気化学セル、電気化学セル用パッケージの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016217115A JP6825882B2 (ja) 2016-11-07 2016-11-07 電気化学セル用パッケージ、これを用いた電気化学セル、電気化学セル用パッケージの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018077948A JP2018077948A (ja) 2018-05-17
JP6825882B2 true JP6825882B2 (ja) 2021-02-03

Family

ID=62150904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016217115A Active JP6825882B2 (ja) 2016-11-07 2016-11-07 電気化学セル用パッケージ、これを用いた電気化学セル、電気化学セル用パッケージの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6825882B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015170762A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 太陽誘電株式会社 電気化学デバイス
JP6489544B2 (ja) * 2014-09-10 2019-03-27 セイコーインスツル株式会社 電気化学セル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018077948A (ja) 2018-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100742598B1 (ko) 세라믹 용기, 이것을 사용한 전지 및 전기 이중층 커패시터
JP5112885B2 (ja) 蓄電体用容器ならびにそれを用いた電池および電気二重層キャパシタ
JP5099964B2 (ja) 電気化学セル及びその製造方法
JP2016028001A (ja) セラミックと金属を接合するための方法およびその封止構造
JP2006049289A (ja) 電池用ケースおよび電池ならびに電気二重層キャパシタ用ケースおよび電気二重層キャパシタ
JP2007273700A (ja) 電気二重層キャパシタ
JP5550571B2 (ja) 電気化学セル、携帯電子機器、及び電気化学セルの製造方法
JP6825882B2 (ja) 電気化学セル用パッケージ、これを用いた電気化学セル、電気化学セル用パッケージの製造方法
JP2012043927A (ja) 電子部品、及び電子装置
JP6014230B2 (ja) 電気化学素子及びその製造方法
CN100517800C (zh) 陶瓷容器和使用其的电池以及电双层电容器
JP5032636B2 (ja) 電気化学セル及びその製造方法
JP5212998B2 (ja) 電気化学セル
JP5909387B2 (ja) 電気化学素子及びその製造方法
JP2006156124A (ja) セラミック容器ならびに電池または電気二重層キャパシタ
JP4694826B2 (ja) 電気化学セル及びその製造方法
JP6736396B2 (ja) 電気化学セル
JP6749804B2 (ja) 電気化学セル
JP2006216645A (ja) 電気化学セル及びその製造方法
TW201232577A (en) Electronic component
JP6749803B2 (ja) 電気化学セル
JP4583014B2 (ja) 電池用ケースおよび電池
JP2005123154A (ja) 電池用ケースおよび電池
JP2005158678A (ja) 電池用ケースおよび電池ならびに電池の製造方法
JPH0243096Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170913

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6825882

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250