JP2005158678A - 電池用ケースおよび電池ならびに電池の製造方法 - Google Patents

電池用ケースおよび電池ならびに電池の製造方法 Download PDF

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義明 植田
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正和 安井
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清孝 横井
Manabu Miyaishi
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Abstract

【課題】 長期間の使用により電解液が漏れ出すことがなく、製造が容易な電池用ケースおよび外部電気回路基板に実装しやすい電池を提供すること。
【解決手段】 電池用ケースBは、上面の中央部に直方体状の凹部1aが形成され、下面に第一の導体層Cおよび第二の導体層Dが互いに独立して設けられているとともに上部セラミック層2−1と下部セラミック層2−2とから成る側壁2を有するセラミックスから成る基体1と、下部セラミック層2−2の外側面の上端から下端にかけて形成されて第一の内部配線1b−Aおよび第一の導体層Cを電気的に接続する第一の側面導体1b−Bと、第二の内部配線2a−Bおよび第二の導体層Dを電気的に接続する第二の側面導体2b−Aとを具備している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、充電式電池等に使用される電池用ケースおよび電池に関し、より詳しくは携帯電話などの小型電子機器に用いられる薄型の電池用ケースおよび電池ならびに電池の製造方法に関する。
近年、携帯電話や携帯型コンピュータ、カメラ一体型ビデオテープレコーダー等に代表される携帯機器が目覚しく発達するとともに、より一層の小型化、軽量化が求められる傾向にある。そして、これらの携帯機器の電源としての電池の需要も増加の一途をたどるとともに、電池のエネルギー密度を高めることによる小型軽量化の研究が活発に行われている。特に、リチウム電池は、原子量が小さくかつイオン化エネルギーが大きなリチウムを用いる電池であることから、高エネルギー密度を得ることができて小型軽量化が図れ、さらに再充電が可能な電池とできることより盛んに研究され、現在に至っては携帯機器の電源をはじめとする広範囲な用途に用いられるようになってきた。
また、電池には、大きく分けて円筒型と角型があり、その構造は正極と負極とを絶縁シートから成るセパレータを介して金属製の電槽缶内に収容し、そこに電解液が注入されて封口された構造とされている。
リチウム電池の正極には、例えば金属酸化物を正極活物質としてこれに導電材を添加したものが一般的に使用される。この正極活物質としては例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)やマンガン酸リチウム(LiMn)などが使用され、また、導電材としては例えばアセチレンブラック(AB)や黒鉛などが使用される。電池の負極には、チタン酸リチウム(LiTi12)などのリチウムチタン複合酸化物やグラファイトまたは非晶質炭素などの活物質を樹脂で固めたものが使用される。
リチウム電池においては、このLiCoOやLiMnなどから成る正極活物質の充放電電圧が約4Vであり、これに対して炭素材料などから成る負極活物質の充放電電圧は0V付近であることから、これらの正極活物質と負極活物質と電解液とを組み合わせることによって約3.5Vの高放電電圧を達成している。
電池の正極は上記活物質に上記導電材を加え、さらにポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのバインダを添加、混合してスラリー状となし、これを周知のドクターブレード法を用いてシート状に成形し、次いでこのシートを例えば円形状に裁断して作製される。
また負極は上記活物質に、正極と同様にポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのバインダを添加、混合してスラリー状となし、これを周知のドクターブレード法を用いてシート状に成形し、次いでこのシートを例えば円形状に裁断して作製される。
そして、このようにして作製された正極および負極をその間に耐熱温度が約150℃のポリオレフィン繊維製の不織布やポリオレフィン製の微多孔膜などからなるセパレータを介して電槽缶内に収容し、電解液を注入して電池が得られる。
そして、このようにして作製される電池をさらに小型化、高密度化するために、図3に示すコイン型の電池Aが開発されている。
この従来の電池Aは、円板状の正極11bを備えた例えばステンレスからなる正極缶11と、円板状の負極12bを備えた例えばステンレスからなる負極缶12とを電解液を含浸させたセパレータ14を介して対置させ、次いで例えば絶縁性のポリプロピレン樹脂からなるガスケット15を介して正極缶11の周囲と負極缶12の周囲とをかしめるようにして一体に結合させた電槽缶構造とされている。正極11bおよび負極12bにおける充放電は正極缶11および負極缶12に取着した外部接続端子部材を介して行われる(例えば、下記の特許文献1,2参照)。
特開2000−106195号公報(第6−12頁、図1) 特開2002−198019号公報(第3−4頁、図1)
しかしながら、特許文献1,2に示されるような従来の電池Aは、長期間にわたって温度幅が百数十度という温度サイクル試験(例えば−40℃〜85℃)に曝されると、例えばポリプロピレン樹脂からなるガスケット15と正極缶11と負極缶12との熱膨張率の差によりガスケット15を介して正極缶11および負極缶12の周囲をかしめた電槽缶の結合部位に隙間が生じて電解液が漏れ出す場合があり、これにより電池Aの電池性能を劣化させたり、さらに漏れ出た電解液により外部電気回路基板上の銅(Cu)配線が腐食して断線するといった不具合が発生したり、あるいは、この隙間から水分が電池A内部に侵入して電池性能を劣化させるという不具合が発生していた。
また、従来の電池Aは、充放電を行なうために、上下に外部接続端子部材を接続してこの外部接続端子部材を外部電気回路基板に接続しなければならず、外部電気回路基板への接続が繁雑であり、さらに外部接続端子部材を含めた体積が大きくなるために携帯用機器に求められる軽薄短小化の流れに反するものになるという問題点を有していた。
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、長期間の使用により電槽缶の結合部位に隙間が生じることにより電解液が漏れ出して電池性能を劣化させたり、漏出した電解液により外部電気回路基板が損傷を受けたりすることがなく、さらに、外部電気回路基板との接続が容易で外部電気回路基板の量産性を向上させる電池用ケースおよび電池ならびに電池の製造方法を提供することにある。
本発明の電池用ケースは、上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して設けられているとともに上部セラミック層と下部セラミック層とから成る側壁を有するセラミックスから成る基体と、前記凹部の底面に形成されたメタライズ層と、該メタライズ層から前記基体の外側面にかけて形成された第一の内部配線と、前記下部セラミック層の外側面の上端から下端にかけて形成されて前記第一の内部配線および前記第一の導体層を電気的に接続する第一の側面導体と、前記側壁の上面に形成された接続導体と、前記下部セラミック層の上面に形成されるとともに一端が前記基体の外側面に至り他端が前記下部セラミック層の上面内にある第二の内部配線と、前記上部セラミック層の内部に上端から下端にかけて形成されて上端が前記接続導体に接続されるとともに下端が前記第二の内部配線の他端に接続された貫通導体と、前記下部セラミック層の外側面の上端から下端にかけて形成されて前記第二の内部配線および前記第二の導体層を電気的に接続する第二の側面導体とを具備していることを特徴とするものである。
また、本発明の電池用ケースは、上記構成において好ましくは、前記第一の側面導体と前記第二の側面導体とは、前記基体の外側面の互いに対向する部位に形成されていることを特徴とするものである。
本発明の電池は、上記電池用ケースと、前記メタライズ層の上面に載置されて電気的に接続された正電極板と、この正電極板の上面に電解液を含浸した絶縁シートを介して密着するように載置された負電極板と、前記凹部を覆うようにして前記基体の上面に接合されるとともに少なくとも下側主面が導電性とされ、導電性樹脂を介して前記接続導体に接続されるとともに前記負電極板に当接されて電気的に接続された蓋体とを具備していることを特徴とするものである。
また、本発明の電池は、上記構成において好ましくは、前記蓋体は、アルミニウムから成る板材または下面にアルミニウム層が形成された板材から成るとともに、前記接続導体は、前記側壁の上面に全周にわたって形成されており、前記蓋体の下面の外周部と前記接続導体とが接続されていることを特徴とするものである。
本発明の電池の製造方法は、上記電池の製造方法であって、前記接続導体の表面にアルミニウム層を被着するとともに前記蓋体の下面の外周部に全周にわたって突条を形成し、次に前記基体の前記接続導体の上面に前記突条を当接させて前記蓋体を載置し、その後前記蓋体の上面側から超音波をあてて前記蓋体を前記接続導体に接続することを特徴とするものである。
本発明の電池用ケースは、基体がセラミックスから成ることから、耐薬品性に優れ、有機溶剤や酸等を含む電解液に侵され難く、電解液中に電池用ケースの成分がほとんど混入することがないので電解液の特性を長期間にわたって保持することができる。その結果電池性能を良好に維持することができる。
また、基体の下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して設けられていることより、電池の正負の電極板に対してそれぞれ電気的に接続された第一および第二の導体層を、外部接続端子部材等の接続手段を用いることなく外部電気回路基板の表面の配線導体に表面実装法によって容易に接続することが可能となり、外部電気回路基板の量産性を向上させることができる。
さらに、基体の下面に設けられた第一および第二の導体層が外部電気回路基板の表面の配線導体に接続されることより、従来の電池では不可欠であった負電極側の外部接続端子部材が不要となり、これにより小型化できるとともに量産性の向上および製造コストの削減を図ることができる。
また、本発明の電池用ケースは、下部セラミック層の外側面の上端から下端にかけて形成されて第一の内部配線および第一の導体層を電気的に接続する第一の側面導体と、下部セラミック層の外側面の上端から下端にかけて形成されて第二の内部配線および第二の導体層を電気的に接続する第二の側面導体とが形成されていることより、第一および第二の側面導体が側壁の側面の最上端まで形成されていないために、半田が側面導体を伝って側壁の上面にまで這い上がることがなく、よって蓋体を接合している導電性樹脂や樹脂接合材が熱によって変質することがなく、気密性を長期間にわたって保つことができる。
また、本発明の電池用ケースは、上記構成において、第一の側面導体と第二の側面導体とは、基体の外側面の互いに対向する部位に形成されていることから、第一および第二の側面導体が基体の外側面に対称に配置され、さらに下部セラミック層の上端から下端にかけて等しい高さに形成されることにより半田接合時に発生するツームストーン現象(電子部品の両側面に働く半田の表面張力が均等でないために片側側面を下にして直立する現象)を防ぐことができ、また半田のメニスカスの大きさを対向する第一および第二の側面導体でほぼ同じ大きさとすることができることで良好な接合信頼性を得ることができる。
本発明の電池は、上記構成の電池用ケースと、メタライズ層の上面に載置されて電気的に接続された正電極板と、この正電極板の上面に電解液を含浸した絶縁シートを介して密着するように載置された負電極板と、凹部を覆うようにして基体の上面に接合されるとともに少なくとも下側主面が導電性とされ、導電性樹脂を介して接続導体に接続されるとともに負電極板に当接されて電気的に接続された蓋体とを具備しているので、セラミックスからなる基体と、凹部を覆うようにして接合される蓋体とが接合材で強固に接合され、従来の電池の電槽缶におけるかしめ部に発生していた隙間の発生が解消され、隙間から水分が浸入しないので電解液の寿命を延ばすことができ、さらに電解液が漏れることによる外部電気回路基板の損傷を解消することができる。
また、本発明の電池は、導電性とされている蓋体の下側主面の広い面と負電極板とを当接させて蓋体と負電極板とを接続させることによって、負電極板と蓋体との間の抵抗を少なくすることができ、負電極板と蓋体との間で電気的損失を発生させることなく効率よく充放電させることができるので、電気的特性に優れたものとできる。
また、本発明の電池は、上記電池の構成において好ましくは、蓋体は、アルミニウムから成る板材または下面にアルミニウム層が形成された板材から成るとともに、接続導体は、側壁の上面に全周にわたって形成されており、蓋体の下面の外周部と接続導体とが接続されていることにより、電解液と接触する蓋体の下面および蓋体と接続導体との接続部をアルミニウムから成るものとできるため、電解液に対して腐食され難く、よって電解液中に電池用ケースの成分がほとんど混入することがないので電解液の特性を長期間にわたって保持することができる。また、電池用ケース内の気密性が劣化することがなく、したがって電池の性能を劣化させる水分の侵入を有効に防止することができることから、電池の信頼性を大きく高めることができる。
また、本発明の電池の製造方法は、接続導体の表面にアルミニウム層を被着するとともに蓋体の下面の外周部に全周にわたって突条を形成し、次に基体の接続導体の上面に突条を当接させて蓋体を載置し、その後蓋体の上面側から超音波をあてて接続することにより、シーム溶接法などの高温で溶接する抵抗溶接法等を採用することなく、かつ信頼性良く蓋体を接続することができ、これにより電解液の性能を劣化させることなく、かつ信頼性の高い電池を提供することができる。
本発明の電池用ケースおよび電池ならびに電池の製造方法について以下に詳細に説明する。図1は本発明の電池用ケースの実施の形態の一例を示し、(a)は電池用ケースの断面図、(b)は電池用ケースを下面側から見た斜視図である。また、図2は本発明の電池の実施の形態の一例を示す断面図である。
これらの図において、1はセラミックスから成る基体、2−1は上部セラミック層、2−2は下部セラミック層、2は上部セラミック層2−1および下部セラミック層2−2から成る側壁、C,Dはそれぞれ基体1の下面に設けられた互いに独立する第一の導体層および第二の導体層、1aは基体1の上面の中央部に形成された直方体状の凹部、1bは凹部1aの底面に形成されたメタライズ層、1b−Aはメタライズ層1bから基体の外側面にかけて形成された第一の内部配線、1b−Bは下部セラミック層2−2の外側面の上端から下端にかけて形成されて第一の内部配線1b−Aおよび第一の導体層Cを電気的に接続する第一の側面導体、2aは側壁2の上面に形成された接続導体、2a−Bは下部セラミック層2−2の上面に形成されるとともに一端が基体1の外側面に至り他端が下部セラミック層2−2の上面内にある第二の内部配線、2a−Aは上部セラミック層2−1の内部に上端から下端にかけて形成されて上端が接続導体2aに接続されるとともに下端が第二の内部配線2a−Bの他端に接続された貫通導体、2b−Aは下部セラミック層2−2の外側面の上端から下端にかけて形成されて第二の内部配線2a−Bおよび第二の導体層Dを電気的に接続する第二の側面導体、3は蓋体、3aは蓋体3の下側主面の導電層、3bは蓋体3の側面金属層、4は樹脂接合材、5は導電性樹脂である。
また、図2において、B−1はメタライズ層1bの上面に載置されて、電気的に接続された正電極板、B−3は絶縁シート、B−4は電解液、B−2は正電極板B−1の上面に電解液B−4を含浸した絶縁シートB−3を介して密着するように載置された負電極板を示す。その他の電池用ケースBと同じ部位を示す部位には同じ符号が付されている。
本発明の電池用ケースBによれば、第一の側面導体1b−Bと第二の側面導体2b−Aとが、それぞれ下部セラミック層2−2の外側面の上端から下端にかけて形成されており、側壁2の上端まで形成されていないことから、基体1の下面に形成された第一および第二の導体層C,Dを外部電気回路基板(図示せず)の表面の配線導体に半田によって接合する際に、半田が第一の側面導体1b−Bおよび第二の側面導体2b−Aを伝って側壁の上面まで這い上がってくることがない。従って、側壁2の上端に取着される蓋体3を接合する樹脂接合材4や導電性樹脂5が溶融した半田の熱によって変質することがなく、接合部の気密性を長期間にわたって信頼性よく保つことができる。
このような第一の側面導体1b−Bと第二の側面導体2b−Aとは、必ずしも基体1の外側面の互いに対向する部位に配置する必要はなく、設計上の都合に応じて最適な配置とすればよいが、第一の側面導体1b−Bと第二の側面導体2b−Aとを基体1の外側面の互いに対向する部位に形成すると、以下の点で好ましい。
すなわち、第一の側面導体1b−Bはその高さが第二の側面導体2b−Aの高さと同じとなり、そのために半田付け時における半田のメニスカスの大きさが釣り合うことになる。さらに第一の側面導体1b−Bと第二の側面導体2b−Aとは、基体1の外側面の互いに対向する部位に形成されるので、基体1の重心を挟んで半田の表面張力が作用することとなり、ツームストーン現象(電子部品の両側面に働く半田の表面張力が均等でないために片側側面を下にして直立する現象)を防止することができる。その結果、実装時の作業性を向上することができるとともに外部電気回路基板の配線導体の接合において良好な接合信頼性を得ることができる。また、このように配置すると、これらの側面導体1b−B,2b−Aとの間で最も大きい絶縁距離を取ることができるので好ましい。
なお、図1(b)の例においては、第一の側面導体1b−Bおよび第二の側面導体2b−Aは、下部セラミック層2−2の対向する外側面にそれぞれ上下方向に形成された溝の内面に導体が形成された、いわゆるキャスタレーション導体とされている。
第一の側面導体1b−Bおよび第二の側面導体2b−Aをキャスタレーション導体とした場合は、キャスタレーション導体の凹状表面に半田のメニスカスを形成して電池用ケースBと外部電気回路基板の配線導体とを強固に接合することができるとともに、半田接合の状態を目視確認することができるので、信頼性の高い接合とすることができる。また、第一の側面導体1b−Bではキャスタレーション導体の高さを下部セラミック層2−2の上端まで延長させているため、充分な大きさのメニスカスを形成することができ、よって外部電気回路基板の配線導体に接合するに際して大きな接合強度を実現することができる。
また、基体1の下面には、第一および第二の導体層C,Dが互いに独立して設けられており、第一の導体層Cは第一の側面導体1b−Bおよび第一の内部配線1b−Aを介してメタライズ層1bと電気的に接続され、第二の導体層Dは第二の側面導体2b−A,第二の内部配線2a−Bおよび貫通導体2a−Aを介して接続導体2aに電気的に接続され、さらに導電性樹脂5を介して蓋体3の導電層3aと接続されている。従って、これらの第一および第二の導体層C,Dが外部電気回路基板の表面の配線導体に半田を介して接合されることにより、外部電気回路と電池用ケースB内のメタライズ層1bおよび蓋体3の導電層3aとが接続される。
このように、第一および第二の導体層C,Dが半田を介して接合されることにより外部電気回路と接続されることより、外部接続端子部材等の接続手段を用いることなく外部電気回路基板の配線導体に表面実装法によって容易に接続することが可能となり、外部電気回路基板の量産性を向上させることができるとともに製造コストを削減することができる。また、外部接続端子部材等が不要となり、外部電気回路基板を小型化できる。
本発明の電池用ケースBにおいて、第一および第二の導体層C,Dは、それぞれ複数に分割されていてもよい。これにより、第一および第二の導体層C,Dと外部電気回路基板上の配線導体との接触面を小さく分断することができ、電池用ケースBを外部電気回路基板に半田付けする際、溶融した半田からの熱が第一および第二の導体層C,Dを介して基体1に伝達されるのを抑制することができる。その結果、電池用ケースBに発生する熱応力を有効に抑制し、電池用ケースBの気密信頼性を大きく向上させることができる。
基体1は、アルミナ質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスから成り、アルミナ質焼結体から成る場合は以下のようにして作製される。すなわち、酸化アルミニウム(Al)を主成分として,酸化珪素(SiO),酸化マグネシウム(MgO),酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末を添加混合し、さらに適量の有機バインダ,溶剤等を添加混合してスラリーと成す。このスラリーを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法によってグリーンシートと成し、次いで所要の大きさに切断する。次に、その中から選ばれた複数枚のグリーンシートにおいて凹部1a、第一および第二の側面導体1b−B,2b−Aを形成するための溝部となる貫通孔、および貫通導体2a−Aを形成するために適当な形状に打抜き加工を施す。
そして、これらのグリーンシートにタングステン(W)等の金属粉末を主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷法や下方から吸引しながら貫通孔の内面に金属ペーストを被着させる方法により印刷塗布してメタライズ層1b、第一および第二の内部配線1b−A,2a−B、第一および第二の導体層C,Dとなる導体層、第一および第二の内部配線1b−A,2a−B、接続導体2aを形成し、次いでこれらの導体層を形成したグリーンシートを積層する。
このとき、側壁2の内側面と凹部1aの底面との交差する部位における第一の内部配線1b−A上にアルミナセラミック層となる上記スラリーを例えば25μmの厚さで形成しておくと、このアルミナセラミック層が第一の内部配線1b−A上に施される金属メッキ層のはみ出しを効果的に抑制するとともに印刷形成された第一の内部配線1b−Aの周りにおいて積層時の圧力が不足するという不具合が解消されるものとなり、側壁2の内側面と凹部1aの底面との交差する部位におけるデラミネーション(層間剥離)が解消される。次いで、第一および第二の側面導体1b−B,2a−Bが形成される溝となる貫通孔部分で積層されたグリーンシートを分断するように切断して個々の積層体となし、これを約1600℃の温度で焼成することによって基体1が作製される。
このようにして作製された基体1のそれぞれの金属層の露出した表面には、耐食性に優れかつ半田との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ1〜12μmのニッケル(Ni)層および厚さ0.3〜5μmの金(Au)層をめっき法等により順次被着しておくのがよい。これにより、外気に曝されても外気に含まれる水分等によって金属層が腐食されるのを防止することができる。特に電池用ケースBの内部に形成されたメタライズ層1bの表面に形成されたNi層およびAu層は、電池の充放電による電圧でメタライズ層1bの金属成分が電解液中に溶出するのを有効に抑制する作用をなす。また、第一および第二の導体層C,D、第一の側面導体1b−Bおよび第二の側面導体2b−Aにおいては半田との濡れ性を良くする作用をなし、外部電気回路基板の配線導体との接合強度をより強固、かつ信頼性の高いものとする。
Ni層の厚さが1μm未満であれば、メタライズから成る下地金属層の酸化腐蝕を防止したり下地金属層から金属成分が溶出したりするのを有効に抑制するのが困難になって電池が劣化し易く成る。また、Ni層の厚さが12μmを超えると、めっき法による形成に多大な時間がかかることになり量産性が低下し易くなり易い。
また、Au層の厚さが0.3μm未満であれば、均一な厚さのAu層を形成するのが困難となり、Au層がきわめて薄い部位やあるいはAu層が形成されていない部位が生じ易く、酸化腐食の防止効果や半田との濡れ性が低下し易くなる。Au層の厚さが5μmを超えると、めっき法による形成に多大な時間がかかることになり量産性が低下し易くなる。
さらに、メタライズ層1bの表面に形成されたAu層の上から周囲の凹部1aの表面にかけてアルミニウム(Al)蒸着層を被着させておくと電解液B−4によるメタライズ層1bの端部のAu層の被着が充分でない場合にも、メタライズ層1bの腐食を有効に抑えることができるとともに、メタライズ層1b全体の保護膜として機能させることができる。
次に、蓋体3は鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金やニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の金属または基体1と同様のアルミナ質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミックスから成り、セラミックスから成る場合は、上記の基体1の作製と同様にして得られる所定厚さのグリーンシートを所定の形状に打ち抜き、その後少なくとも蓋体2の下側主面および側面となる面の所定箇所にタングステン(W)等の金属粉末を主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷法等によって被着させ、約1600℃の温度で焼成することによって導体層3a,側面金属層3bが形成されたセラミック蓋体3が製作される。
そして、蓋体3は樹脂接合材4を介して凹部1aを覆うようにして基体1の上面に接合される。蓋体3の下側主面に形成された導体層3aは外周の一部分が線路状に延長され側面金属層3bに電気的に接続され、外周の樹脂接合材4によって接合されるその他の部分はセラミックス等の下地が露出した構造となっている。蓋体3は、下側主面の周囲のセラミックスが露出した部分と側壁2の上面に露出するセラミック面とが樹脂接合材4で直接接合されることから、接合の信頼性が高くかつ大きな接合強度が得られるものとなり、電池用ケースBの信頼性を向上させる。また、かしめ等の接合方法によらず樹脂接合材4によって側壁2の上面と蓋体3とが強固に接合されるので、信頼性の高い気密封止を実現することができる。
なお、導体層3aに接続される側面金属層3bは省略されてもよいし、側面金属層3bの一部分が蓋体2の上側主面にわたって形成されていてもよい。側面金属層3bを形成しておくと、導電性樹脂5による接続導体2aとの接続が容易となる。
また、電解液B−4による腐食を防止するために導体層3aおよび側面金属層3bの表面にNiめっき層,Auめっき層が形成される。さらにAuめっき層上にAlの蒸着膜が形成されていても良く、この場合には電解液B−4による腐食がさらに有効に防止されることになる。
蓋体3がセラミックスから成る場合は、その熱膨張係数が基体1の熱膨張係数とほぼ同一となることから、電池用ケースBに熱が加わっても基体1と蓋体3との接合部に熱膨張差による応力が大きく加わることを防止し、基体1や蓋体3およびそれらの接合部にクラック等の破損が生ずるのを有効に防止することができ、気密信頼性に優れた電池用ケースBとすることができる。また、蓋体2の上側主面にW等の金属層を形成しないようにすると、蓋体2の上側主面が導電性とされず、蓋体2の上面に不要な電流が流れるのを防止することができる。従って、蓋体2の上側主面に導電性の部材が接触しても電気的短絡等の不具合が発生するのを有効に防止できる。
ここで、接続導体2aと蓋体3の側面金属層3bとは例えば銀粒子を含むエポキシ樹脂などの導電性樹脂5により簡便に電気的に接続することができる。導電性樹脂5は例えば筆塗りなどの方法で蓋体3の側面金属層3bから接続導体2aにかけて被着形成すればよく、これにより蓋体3の導電層3aを、接続導体2aに接続することができる。接続導体2aは接続導体2aに接続されている貫通導体2a−Aを介して第二の内部配線2a−Bに接続され、さらに第二の側面導体2b−Aに接続されて下面の第二の導体層Dに接続される。このように蓋体3の導電層3aが下面の第二の導体層Dに接続されることにより、側壁2の上部セラミック層2−1の外側面に導電部が被着されることがなく、よって半田の這い上がりが防止され、導電性樹脂5が半田の熱で劣化するのを有効に防止することができる。
次に、本発明の電池Eについて以下に詳細に説明する。
本発明の電池Eは、上記の電池用ケースBと、メタライズ層1bの上面に載置されて電気的に接続された正電極板B−1と、この正電極板B−1の上面に電解液B−4を含浸した多孔質の絶縁シートB−3を介して密着するように載置された負電極板B−2と、凹部1aを覆うようにして基体1の上面に接合されるとともに少なくとも下側主面が導電性とされ、導電性樹脂5を介して接続導体2aに接続されるとともに負電極板B−2に当接されて電気的に接続された蓋体3とを具備している。
なお、メタライズ層1bおよび正電極板B−1の間ならびに負電極板B−2および蓋体3の下側主面の導電層3aの間を、カーボンを主成分とする接合材を介するようにすれば、これらの間の電気的接続をより確実に行なうことができる。
これにより、電池Eは、上記本発明の電池用ケースBを用いることによって信頼性の高い気密性を有し、安定した充放電を繰り返すことができる電池Eとなるとともに、第一および第二の導体層C,Dを有することから外部電気回路基板の配線導体に半田等により容易に接続でき、外部電気回路基板の量産性に優れるものとなる。
正電極板B−1は、LiCoOやLiMn等の正極活物質およびアセチレンブラックや黒鉛等の導電材を含む板状やシート状のものであり、また、負電極板B−2はコークスや炭素繊維等の炭素材料から成る負極活物質を含む板状やシート状のものである。
正電極板B−1は、上記正極活物質に上記導電材を加えたものにポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのバインダを添加、混合してスラリー状となし、これを周知のドクターブレード法等を用いてシート状に成形し、次いでこのシートを例えば四角形状に裁断して作製される。
同様にして負電極板B−2は、上記負極活物質にポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのバインダを添加、混合してスラリー状となし、これを周知のドクターブレード法等を用いてシート状に成形し、次いでこのシートを例えば四角形状に裁断して作製される。
また、絶縁シートB−3は、ポリオレフィン繊維製の不織布やポリオレフィン製の微多孔膜などからなり、電解液B−4が含浸されるとともに正電極板B−1と負電極板B−2との間に配置されることにより、正電極板B−1と負電極板B−2との接触を防止するとともに正電極板B−1と負電極板B−2との間のリチウムイオンの移動を可能とする。
次に、正電極板B−1をメタライズ層1bに載置し,絶縁シートB−3を介して負電極板B−2を絶縁シートB−3の上面に載置した後、導電性樹脂5が被着形成されていない蓋体2の側面と下側主面の外周部は、例えばポリプロピレン,ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性を有する樹脂接合材4によって基体1と接合される。接合の際は、基体1の上面に枠状にプリフォームされた樹脂接合材4を載置し、その上に蓋体2を載置して、その後、メタライズ層1b,正電極板B−1,絶縁シートB−3,負電極板B−2,蓋体3の下側主面の導電層3が互いに密着するように蓋体3の上面から軽く圧力を加えながら、140〜150℃に保持されたアルゴン(Ar)、あるいは窒素(N)が満たされた炉中にて樹脂接合材4を軟化させ、その後に冷却固化させて蓋体2を基体1の上面に取着する。
電池用ケースBの内部に充填する電解液B−4は、例えば四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩や塩酸,硫酸,硝酸等の酸をジメトキシエタンやプロピレンカーボネート等の有機溶媒に溶解したものである。
このような電解液B−4は腐食性や溶解性の高いものであるが、本発明の電池Eを用いることにより、セラミックスから成る基体1は耐薬品性に優れ、また、有機溶剤や酸等を含む電解液B−4に侵され難く、さらに、電解液B−4中に電池用ケースBから溶け出した不純物が混入しないので電解液B−4を劣化させることもない。このため電池性能を良好に維持することができる。
また、従来のステンレスから成る電槽缶を用いた電池用ケースでは図3に示すように正極缶11と負極缶12とをそれらの周囲をポリプロピレン樹脂等から成るガスケット15を介してかしめることによって一体化しており、このかしめた部位における厚さが正極缶11と負極缶12とセパレータ14とをあわせて2mm前後となっていたのに対して、本発明によれば、かしめ部がないために電池Eの外形を小さくすることができ、携帯機器の小型化および薄型化に大きく寄与できるものとなる。
さらに、本発明の電池Eによれば、セラミックスから成る基体1と、基体1に樹脂接合材5を介して強固に取着された蓋体2とによって形成された電池用ケースB内に電解液B−4が収容されるため、温度サイクル試験に曝された場合においても熱応力によって電池用ケースBにクラックなどによる隙間が発生して電解液B−4が漏れることはなく、長期間にわたって動作する電池Eとすることができる。
また、蓋体2の導電層3aを負電極板B−2の上面に当接させて電気的に接続させることができ、導電層3aと負電極板B−2を広い面積で接続させることによって負電極板B−2と蓋体3との間の抵抗を大きく削減することができ、効率よく充放電することができるので信頼性が高く、長期間にわたって安定して充放電することができる電池Eとなる。
次に、本発明の電池用ケースおよび電池の実施の形態の他の例、その製造方法の実施の形態の一例について以下に詳細に説明する。図4は本発明の電池用ケースの他の実施例を示す断面図であり、また図5はこの電池用ケースを用いた電池の一例を示す断面図である。
これらの図において、図1,図2と同じ部位には同じ符号が付されている。なお、3cは蓋体3の下面に形成されたアルミニウム層、3dは蓋体3の下面の外周部に全周にわたって形成された突条、Fは接続導体2aの表面に被着されたアルミニウム層である。
蓋体3は、アルミニウムから成る板材や、セラミックスの下面にアルミニウム層3cが形成された板材や、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金やニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の板材の下面にアルミニウム層3cが形成されたものであってもよい。このとき、図4および図5に示すように、蓋体3の下面の外周部に全周にわたって突条3dが形成されるのが好ましい。この突条3dは、蓋体3がアルミニウムから成る板材であれば、蓋体3をプレス機で打ち抜く際に突条3dを同時に形成したり、打ち抜き後に所謂コイニング法(被加工物の側方を拘束して肉の逃げ場を限定するとともに凹凸部を型面に形成した金型と被加工材とを重ね合わせて上下から押圧することにより金型の凹凸模様を被加工材の表面に転写する方法)により例えば高さが0.1mm程度で断面が下に凸の三角形状に形成したりすることにより設けられる。
また、蓋体3がFe−Ni−Co合金等の下面にアルミニウム層3cが形成された板材から成るのであれば、これらの金属のインゴットを圧延して、例えば、厚さが0.2〜0.5mmの板材とするときにその表面に例えば厚さが0.1mmのアルミニウム板をクラッド接合し、その後、突条3dを上記コイニング法により形成することにより設けることができる。因みに、図4,図5はFe−Ni−Co合金等の鉄系合金から成る板材の下面にアルミニウム板がクラッド接合されてアルミニウム層3cが形成されている場合の断面図を示す。蓋体3がアルミニウムから成る板材である場合は、蓋体3の下面は必然的にアルミニウム層3cとなり、これらは一体のものとして表される。
また、基体1の側壁2の上面に全周にわたって蓋体3を接合するための接続導体2aが形成される。そして接続導体2aは、第一および第二の導体層C,D等と同様に金属ペーストを用いて予め形成されたメタライズの表面に、Ni層およびAu層が所定厚さに形成され、さらに、アルミニウム層Fがスパッタリング法等により0.01〜15μmの厚さで被着されて形成される。または、基体1がアルミナ(Al)質焼結体や窒化アルミニウム(AlN)焼結体等から成る場合は、その表面にスパッタリング法等により直接アルミニウム層Fを形成することも可能である。
そして、基体1の接続導体2aの上面に蓋体3のアルミニウム層3cの外周部に形成された突条3dを当接させて蓋体3を載置し、蓋体3の上面から数十KHz程度の超音波をあてることにより、蓋体3の下面の突条3dが、基体1の上面の凹部1aの周囲に被着されたアルミニウム層Fの表面の凹凸に沿って潰れながら接続導体2aの表面のアルミニウム層Fに接続される。このとき、基体1の上面が反っていたり、うねっていたりする場合においても突条3dの潰れの大きさが異なることにより接合される。そして、この超音波接合方法によれば電池Eの凹部1a内の気密性を損なうことなく、蓋体3を強固に接合することを可能とする。
超音波接合法は、より詳細には例えば次の様にして実施される。すなわち、接合対象物である基体1と蓋体3とを先端の下部に振動の媒体となるチップを有するホーン(角状固定台)とアンビル(金敷き)との間にセットし、チップを介して例えば30〜50N程度の圧力を垂直に加えながら15〜30kHzの水平方向の超音波振動を蓋体2の外周に沿って連続的に移動させながら加えることにより行われる。また、チップの形状をライン状として垂直方向の圧力を大きくすることにより、一定長さの接合を短時間で行なう方法であってもよい。
超音波接合法では、超音波振動が印加される初期段階において接合部表面の酸化被膜や汚れが接合部の外側方向に押し出されるとともに、蓋体3および基体1のアルミニウム結晶粒同士が原子間距離になるまで接近することによって原子間に相互引力が作用して強固な接合を得る。このとき、通常の金属を溶融接合する方法における金属の融点の1/3以下の温度が局部的に発生するが、この程度の熱であれば電解液B−4がほとんど変質することがなく、よって電池の寿命を長くすることができる。
さらに、超音波接合法によれば、アルミニウム中に他の金属がほとんど拡散することがなく、よって電解液B−4に対してさらに耐腐食性のある接合部を形成することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、本発明では電池用ケースBのセラミックスから成る基体1の材質をアルミナ質焼結体として説明したが、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体やガラスセラミックス等の他のセラミックスから成っていてもよく、AlN質焼結体には作動時の熱を効率よく外部に放散させることができるので、作動時の熱によって劣化しにくい電池Eとできる。
また、1つの凹部1aを有する電池用ケースBを用いた電池Eについて説明したが、複数の凹部1aを有する電池用ケースBとしてもよく、その場合、蓋体3は各凹部1aをすべて覆う一枚の蓋体3とするか、またはそれぞれの凹部1aを覆う複数の蓋体3が取着されるようにすればよい。このように複数の凹部1aを有する電池用ケースBを用いる場合には、それぞれの凹部1aに作製された電池Eを並列接続することにより高容量の電池Eとすることができ、直列接続することにより高電圧を供給することができる電池Eとすることができる。
本発明の電池用ケースの実施の形態の一例を示し、(a)は電池用ケースの断面図、(b)は電池用ケースを下面側から見た斜視図である。 本発明の電池の実施の形態の一例を示す断面図である。 従来のコイン型電池の例を示す断面図である。 本発明の電池用ケースの実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明の電池の実施の形態の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1:基体
1a:凹部
1b:メタライズ層
1b−A:第一の内部配線
1b−B:第一の側面導体
2:側壁
2−1:上部セラミック層
2−2:下部セラミック層
2a:接続導体
2a−A:貫通導体
2a−B:第二の内部配線
2b−A:第二の側面導体
3:蓋体
3a:導電層
3b:側面金属層
3c:アルミニウム層
3d:突条
4:樹脂接合材
5:導電性樹脂
B:電池用ケース
B−1:正電極板
B−2:負電極板
B−3:絶縁シート
B−4:電解液
C:第一の導体層
D:第二の導体層
E:電池
F:アルミニウム層

Claims (5)

  1. 上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して設けられているとともに上部セラミック層と下部セラミック層とから成る側壁を有するセラミックスから成る基体と、前記凹部の底面に形成されたメタライズ層と、該メタライズ層から前記基体の外側面にかけて形成された第一の内部配線と、前記下部セラミック層の外側面の上端から下端にかけて形成されて前記第一の内部配線および前記第一の導体層を電気的に接続する第一の側面導体と、前記側壁の上面に形成された接続導体と、前記下部セラミック層の上面に形成されるとともに一端が前記基体の外側面に至り他端が前記下部セラミック層の上面内にある第二の内部配線と、前記上部セラミック層の内部に上端から下端にかけて形成されて上端が前記接続導体に接続されるとともに下端が前記第二の内部配線の他端に接続された貫通導体と、前記下部セラミック層の外側面の上端から下端にかけて形成されて前記第二の内部配線および前記第二の導体層を電気的に接続する第二の側面導体とを具備していることを特徴とする電池用ケース。
  2. 前記第一の側面導体と前記第二の側面導体とは、前記基体の外側面の互いに対向する部位に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電池用ケース。
  3. 請求項1記載の電池用ケースと、前記メタライズ層の上面に載置されて電気的に接続された正電極板と、該正電極板の上面に電解液を含浸した絶縁シートを介して密着するように載置された負電極板と、前記凹部を覆うようにして前記基体の上面に接合されるとともに少なくとも下側主面が導電性とされ、導電性樹脂を介して前記接続導体に接続されるとともに前記負電極板に当接されて電気的に接続された蓋体とを具備していることを特徴とする電池。
  4. 前記蓋体は、アルミニウムから成る板材または下面にアルミニウム層が形成された板材から成るとともに、前記接続導体は、前記側壁の上面に全周にわたって形成されており、前記蓋体の下面の外周部と前記接続導体とが接続されていることを特徴とする請求項3記載の電池。
  5. 請求項4記載の電池用ケースの製造方法であって、前記接続導体の表面にアルミニウム層を被着するとともに前記蓋体の下面の外周部に全周にわたって突条を形成し、次に前記基体の前記接続導体の上面に前記突条を当接させて前記蓋体を載置し、その後前記蓋体の上面側から超音波をあてて前記蓋体を前記接続導体に接続することを特徴とする電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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