JP2006156124A - セラミック容器ならびに電池または電気二重層キャパシタ - Google Patents

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義弘 潮
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Abstract

【課題】 容器の成分が電解液に溶出することにより電解液が劣化して電池または電気二重層キャパシタの性能が損なわれることがないセラミック容器ならびにこれを用いた電池または電気二重層キャパシタを提供すること。
【解決手段】 セラミック容器Bは、上面に電池要素または電気二重層キャパシタ要素と電解液B−4とが内部に収容される凹部1aを有したセラミック基体1と、上面の凹部1aの周囲に形成されたメタライズ層1bと、メタライズ層1bに凹部1aを取り囲むようにしてロウ付けされる金属製の枠状部材3とを具備し、枠状部材3の内側面を外方に傾斜させるとともに、傾斜面3aとその内方に位置するメタライズ層1bの表面の一部を連続的に覆うようにして耐腐食層6が被着されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、充電式電池または電気二重層キャパシタ等に使用されるセラミック容器ならびにこれを用いた電池または電気二重層キャパシタに関し、より詳しくは携帯電話などの小型電子機器に用いられる薄型の電池ならびに半導体メモリーのバックアップ電源、小型電子機器の予備電源等に用いられる電気二重層キャパシタと、それらに用いられるセラミック容器に関する。
近年、携帯電話や携帯型コンピュータ、カメラ一体型ビデオテープレコーダー等に代表される携帯機器が目覚しく発達するとともに、より一層の小型化、軽量化が求められる傾向にある。そして、これらの携帯機器の電源としての電池の需要も増加の一途をたどるとともに、電池のエネルギー密度を高めることによる小型軽量化の研究が活発に行われている。特に、リチウム電池は、原子量が小さくかつイオン化エネルギーが大きなリチウムを用いる電池であることから、高エネルギー密度を得ることができて小型軽量化が図れ、さらに再充電が可能な電池とできることより盛んに研究され、現在に至っては携帯機器の電源をはじめとする広範囲な用途に用いられるようになってきた。
また、電池には、大きく分けて円筒型と角型があり、その構造は正極材と負極材とを絶縁シートから成るセパレータを介して容器内に収容し、そこに電解液が注入されて封口された構造とされている。
リチウム電池の正極材には、例えば金属酸化物を正極活物質としてこれに導電材を添加したものが一般的に使用される。この正極活物質としては例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)やマンガン酸リチウム(LiMn)などが使用され、また、導電材としては例えばアセチレンブラック(AB)や黒鉛などが使用される。電池の負極材には、例えばチタン酸リチウム(LiTi12)などのリチウムチタン複合酸化物やグラファイトまたは非晶質炭素などの活物質を樹脂で固めたものが使用される。
リチウム電池においては、このLiCoOやLiMnなどから成る正極活物質の充放電電圧が約4Vであり、これに対して炭素材料などから成る負極活物質の充放電電圧は0V付近であることから、これらの正極活物質と負極活物質と電解液とを組み合わせることによって約3.5Vの高放電電圧を達成している。
電池の正極材は上記活物質に上記導電材を加え、さらに例えばポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのバインダを添加、混合してスラリー状となし、これを周知のドクターブレード法を用いてシート状に成形し、次いでこのシートを例えば円形状に裁断して作製される。
また負極材は上記活物質に、正極材と同様にポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのバインダを添加、混合してスラリー状となし、これを周知のドクターブレード法を用いてシート状に成形し、次いでこのシートを例えば円形状に裁断して作製される。
そして、このようにして作製された正極材および負極材をその間に耐熱温度が約150℃のポリオレフィン繊維製の不織布やポリオレフィン製の微多孔膜などからなるセパレータを介して容器内に収容し、電解液を注入して電池が得られる。
また、電気二重層キャパシタは、異なる2つの相(例えば固体電極と電解液)が接触する界面において極めて短い距離を隔てて正・負の電荷が対向して配列した状態のものであり、その正・負極材に用いられる黒鉛(グラファイト),ホウ素化黒鉛,活性炭,コークス等の炭素材料の表面に形成される電解液中のイオンの吸着層、すなわち正・負極材に用いられるグラファイト等の炭素材料の表面に形成される電気二重層のイオンの静電的な吸着・脱着作用を利用して電気エネルギーを充電したり、放電したりすることができる電気素子であり、電気二重層キャパシタの内部は、絶縁シートを隔てて配置された表面積が極めて大きなグラファイト,ホウ素化黒鉛,活性炭,コークス等の炭素材料から成る正極材と、同じくグラファイト,ホウ素化黒鉛,活性炭,コークス等の炭素材料から成る負極材と、電解液とから構成され、その電解液の違いにより有機溶液系と水溶液系の2種類に分類される。
このように電気二重層キャパシタは上記正・負極材と電解液との界面に形成される電気二重層への電荷の蓄積を利用するものであるから、耐電圧を超えて電解液の電気分解が発生しない限りにおいては正・負極材の表面積に対応した極めて大きな電荷を蓄積することができる。
特に、有機溶液系を用いた電気二重層キャパシタは、硫酸水溶液などの水溶液を電解液に用いた水溶液系電気二重層キャパシタに比して駆動電圧を2〜4倍にすることができ、蓄え得る電気エネルギーEは電圧をV,容量をCとするとE=1/2CVで表わされることから大きなエネルギー密度を得ることができる。
そして、図5に示すような、これらの正極,負極およびセパレータから成る電池要素または電気二重層キャパシタ要素と電解液とをセラミック基体に収容した薄型の二次電池および電気二重層キャパシタが提案されている。
この従来の二次電池および電気二重層キャパシタは、正極板を兼ねる第二のメタライズ層11dを底面に備えたアルミナ質焼結体などのセラミック基体11と、負極板を兼ねる鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の金属から成る蓋体14と、同様にFe−Ni−Co合金などから成る枠状部材13とで基本的に構成される容器内に、電解液A−4を含むセパレータA−3を正極材A−1と負極材A−2との間に挟んだ状態で第二のメタライズ層11dと負極を兼ねる蓋体14との間に配置した密閉型構造とされている。第二のメタライズ層11dおよび蓋体14における充放電は基体11の下面に形成された第一、および第二の導体層C,Dを介して行われる(例えば、下記の特許文献1参照)。
特開2004−227959号公報(第4−6頁、図1)
図5に示されるセラミック基体11を用いた二次電池または電気二重層キャパシタEは、セラミックスが耐薬品性に優れているため、セラミック基体11が有機溶剤や酸等を含む電解液A−4に侵され難く、電解液A−4中にセラミック基体11から溶け出した不純物が混入して電解液A−4を劣化させることもなく、電池または電気二重層キャパシタEの性能を良好に維持することができる。
しかしながら、蓋体14をセラミック基体11に接合するための枠状部材13が金属から成り、高性能な電解液A−4を用いると、この金属が電解液A−4中に溶け出して電解液A−4を劣化させるという問題点があった。
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、容器の成分が電解液に溶出することにより電解液が劣化して電池または電気二重層キャパシタの性能が損なわれることがないセラミック容器およびこれを用いた高性能の電池または電気二重層キャパシタを提供することにある。
本発明のセラミック容器は、上面に電池要素または電気二重層キャパシタ要素と電解液とが内部に収容される凹部を有したセラミック基体と、前記上面の前記凹部の周囲に形成されたメタライズ層と、前記メタライズ層に前記凹部を取り囲むようにしてロウ付けされる金属製の枠状部材とを具備し、該枠状部材の内側面を外方に傾斜させるとともに、該傾斜面とその内方に位置する前記メタライズ層の表面の一部を連続的に覆うようにして耐腐食層を被着したことを特徴とする。
また、本発明のセラミック容器は、上記構成において好ましくは、前記枠状部材は、前記傾斜面と下面との間に前記メタライズ層に垂直な垂直面を有しており、前記傾斜面からその内方に位置する前記メタライズ層の上面にかけてロウ材のフィレットが形成されていることを特徴とする。
また、本発明のセラミック容器は、上面に電池要素または電気二重層キャパシタ要素と電解液とが内部に収容される凹部を有したセラミック基体と、前記上面の前記凹部の周囲に形成されたメタライズ層と、断面矩形状をなすとともに、前記メタライズ層に前記凹部を取り囲むようにしてロウ付けされる金属製の枠状部材とを具備し、該枠状部材の上面からその内方に位置する前記メタライズ層の上面にかけてロウ材のフィレットが形成されていることを特徴とする。
また、本発明のセラミック容器は、上記構成において好ましくは、前記枠状部材の内側の前記ロウ材の端部近傍から前記セラミック基体の上面にかけて絶縁コート層が形成されているとともに、前記耐腐食層の内側の端部を前記絶縁コート層上まで延在させたことを特徴とする。
また、本発明のセラミック容器は、上記構成において好ましくは、前記絶縁コート層は、アルミナ質焼結体から成ることを特徴とする。
本発明の電池は、上記本発明のセラミック容器の前記凹部内に電解液および電池要素を収容するとともに、前記凹部の開口部を塞ぐようにして前記枠状部材の上面に蓋体を溶接してなることを特徴とする。
本発明の電気二重層キャパシタは、上記本発明のセラミック容器の前記凹部内に電解液および電気二重層キャパシタ要素を収容するとともに、前記凹部の開口部を塞ぐようにして前記枠状部材の上面に蓋体を溶接してなることを特徴とする。
本発明のセラミック容器は、上面に電池要素または電気二重層キャパシタ要素と電解液とが内部に収容される凹部を有したセラミック基体と、上面の凹部の周囲に形成されたメタライズ層と、メタライズ層に凹部を取り囲むようにしてロウ付けされる金属製の枠状部材とを具備し、枠状部材の内側面を外方に傾斜させるとともに、傾斜面とその内方に位置するメタライズ層の表面の一部を連続的に覆うようにして耐腐食層を被着したことから、枠状部材は内側面を外方に傾斜させた傾斜面とされていることによって、枠状部材を電解液から保護するための耐腐食層を枠状部材の傾斜面とその内方に位置するメタライズ層の表面を連続的に覆うように施す場合、凹部の上方から耐腐食物質を蒸着させることによって耐腐食層を均一な膜厚に形成することが容易であり、枠状部材の内側面に耐腐食層が蒸着されない部分が生じたりすることがない。
また、本発明のセラミック容器は、上記構成において好ましくは、枠状部材は、その傾斜面と下面との間にメタライズ層に垂直な垂直面を有しており、傾斜面からその内方に位置するメタライズ層の上面にかけてロウ材のフィレットが形成されていることから、枠状部材とロウ材とを電解液から保護するための耐腐食層を枠状部材の傾斜面とその内方に位置するメタライズ層の表面を連続的に覆うように施す場合、凹部の上方から耐腐食物質を蒸着させることによって耐腐食層を均一な膜厚に形成することが容易であり、枠状部材の内側面に耐腐食層が蒸着されない部分が生じたりすることがない。
さらに、枠状部材の垂直面に沿って枠状部材をメタライズ層に接合するためのロウ材が適量に這い上がったロウ材のフィレットが形成されるので、枠状部材をメタライズ層に強固に接合させることができるとともに、枠状部材の内方にロウ材が溜まりすぎないので、セラミック基体にロウ材との熱膨張差による応力が大きく作用するのを防止することができる。
さらには、枠状部材の傾斜面の長さを短くすることが可能となり、枠状部材の幅が狭くなるので、枠状部材とセラミック基体との熱膨張差によって、セラミック基体に作用する応力を小さくすることができる。
また、本発明のセラミック容器は、上側に電池要素または電気二重層キャパシタ要素と電解液とが内部に収容される凹部を有したセラミック基体と、上面の凹部の周囲に形成されたメタライズ層と、断面矩形状をなすとともに、メタライズ層に凹部を取り囲むようにしてロウ付けされる金属製の枠状部材とを具備し、枠状部材の上面からその内方に位置するメタライズ層の上面にかけてロウ材のフィレットが形成されていることから、ロウ材とメタライズ層とを電解液から保護するための耐腐食層をロウ材の表面からロウ材の内方のメタライズ層の表面にかけて形成する場合、凹部の上方から耐腐食物質を蒸着させることによって耐腐食層をロウ材のフィレットの傾斜した表面およびメタライズ層の表面に均一な膜厚に形成することが容易であり、ロウ材およびその内方のメタライズ層に耐腐食層が蒸着されない部分が生じたりすることがない。
本発明のセラミック容器において、好ましくは、枠状部材の内側のロウ材の端部近傍からセラミック基体の上面にかけて絶縁コート層が形成されているとともに、前記耐腐食層の内側の端部を前記絶縁コート層上まで延在させたことにより、ロウ材の端部に形成されるロウ材の上面とメタライズ層の上面との段差が絶縁コート層により埋められることになり、ロウ材の上面と絶縁コート層の上面とがロウ材の端の垂直なメニスカス部分により途中で途切れることなく続いた状態となる。その結果、耐腐食層をロウ材の上面から絶縁コート層の上面にかけて途切れさせることなく被着させることができ、ロウ材の端部が電解液に暴露されなくなるので、ロウ材の成分が電解液中に溶出することによる電解液の劣化が発生しなくなる。
また、本発明のセラミック容器において、好ましくは、絶縁コート層は、アルミナ質焼結体から成ることにより、電解液に対して腐食され難い絶縁コート層を形成することができ、メタライズ層の腐食溶解を防止することができる。
本発明の電池は、上記本発明のセラミック容器の凹部内に電解液および電池要素を収容するとともに、凹部の開口部を塞ぐようにして枠状部材の上面に蓋体を溶接してなることにより、上記本発明のセラミック容器を用いた気密信頼性が高く、劣化しにくいものとなる。
本発明の電気二重層キャパシタは、上記本発明のセラミック容器の凹部内に電解液および電気二重層キャパシタ要素を収容するとともに、凹部の開口部を塞ぐようにして枠状部材の上面に蓋体を溶接してなることにより、上記本発明のセラミック容器を用いた気密信頼性が高く、劣化しにくいものとなる。
本発明のセラミック容器およびこれを用いた電池または電気二重層キャパシタについて以下に詳細に説明する。
図1において、(a)は本発明のセラミック容器の実施の形態の一例を示す断面図であり、(b)は(a)の平面図を示す。これらの図において、1はセラミック基体、1aは凹部、1bはメタライズ層、1cは金属層、2bは第一の接続導体、2cは第二の接続導体、3は枠状部材、4は蓋体、Bはセラミック容器である。
また、図2(a)〜(b)は、図1(a)の枠状部材3およびメタライズ層1bの接合部付近の拡大断面図を示し、図3(a)〜(c)は、本発明のセラミック容器の実施の形態の他の例における枠状部材3およびメタライズ層1bの接合部付近の拡大断面図を示す。
本発明のセラミック容器Bのセラミック基体1は、上面の中央部に直方体状や円柱状等の凹部1aが形成され、上面の凹部1aの周囲にメタライズ層1bが形成されており、凹部1aの底面には金属層1cが形成されている。さらに、セラミック基体1の外側面または下面には、第一の導体層1dおよび第二の導体層1eが形成されており、メタライズ層1bから第一の導体層1dにかけて第一の接続導体2bが、金属層1cから第二の導体層1eにかけて第二の接続導体2cがそれぞれ形成されている。
また、セラミック基体1の上面のメタライズ層1bに、凹部1aを取り囲むようにして金属製の枠状部材3がロウ付けされており、この枠状部材3は、内側面が全周にわたって外方に傾斜された傾斜面3aとされているとともに傾斜面3aよりも外周側に上面が水平な平坦面とされている平坦部3bを有している。
または、図3(a)に示すように、枠状部材3は断面が矩形状をなし、上面が水平な平坦部3bとなっているとともに内側面がメタライズ層1bに対して垂直な面となっており、メタライズ層1bと枠状部材3とを接合するためのロウ材5のフィレットが、枠状部材3の内側面に全周にわたって、枠状部材3の上面からその内方に位置するメタライズ層1bの上面にかけて外方に傾斜された面となるように形成されていてもよい。
または、図3(b)に示すように、枠状部材3は、内側面のうち傾斜面3aと下面との間に全周にわたってメタライズ層1bに対して垂直な面となった垂直面3cを有しており、傾斜面3aからその内方に位置するメタライズ層1bの上面にかけて枠状部材3を接合するためのロウ材5のフィレットが、全周にわたってその表面が凹部1aに向かって下方に傾斜した面となるように形成されていてもよい。
このようなセラミック基体1は、アルミナ質焼結体等のセラミックスから成り、以下のようにして作製される。例えば、セラミック基体1がアルミナ質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム(Al),酸化珪素(SiO),酸化マグネシウム(MgO),酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダ、溶剤等を添加混合してスラリーと成す。このスラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法によってグリーンシートと成し、所要の大きさに切断する。次に、その中から選ばれた複数のグリーンシートにおいて凹部1a等を形成するために適当な打抜き加工を施す。
そして、これらのグリーンシートにタングステン(W)等の金属粉末を主成分とする金属ペーストを印刷塗布してメタライズ層1bおよび金属層1c、第一および第二の接続導体2b,2c、第一および第二の導体層1d,1eとなる導体層を形成し、次いでこれらの導体層を形成したグリーンシートを積層し、約1600℃の温度で焼成することによってセラミック基体1が作製される。
なお、メタライズ層1bは図1(a),(b)および図2(a),(b)に示すように、セラミック基体1の上面の全面にわたって形成されていてもよいし、図3(a),(b),(c)に示すようにセラミック基体1の上面に、セラミック基体1の上面の内周側,外週側または内周側および外周側が露出するように部分的に形成されていてもよく、基体1の上面の少なくとも枠状部材3が接合される部位に形成されておればよい。
また、図1(a)では、第一および第二の導体層1d,1eがセラミック基体1の下面に形成される例を示しているが、第一および第二の導体層1d,1eは、セラミック基体1の側面に形成されていてもよい。第一および第二の導体層1d,1eがセラミック基体1の下面に形成される場合は、セラミック基体1を平板状の外部電気回路基板の上面に載置し、半田付け等して表面実装法により容易に外部電気回路に接続できるという利点がある。また、第一および第二の導体層1d,1eがセラミック基体1の側面に形成される場合は、外部電気回路基板の配線導体に突部を設け、この突部に第一および第二の導体層1d,1eを当接させるように接続することによって、容易かつ確実に外部電気回路基板に接続することが可能になるという利点がある。
また、第一の接続導体2bは、図1ではセラミック基体1の側面導体で形成されているが、第一の導体層1dに対して垂直なセラミック基体1の内部に形成された貫通接続導体であってもよい。また、第二の接続導体2cは、図1では第二の導体層1eに対して垂直な貫通接続導体のみで形成されているが、セラミック基体1内に第一の導体層1dと平行な内部配線層と組み合わせて形成されていてもよく、これによってセラミック基体1内に電気回路を引き回すことができる。
また、このようにして作製されたセラミック基体1に形成されたこれらの導体の露出した表面には、耐食性に優れかつ半田との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ1〜12μmのニッケル(Ni)層および厚さ0.05〜5μmの金(Au)層をめっき法等により順次被着しておくのがよい。これにより、特にセラミック容器Bの内部に形成されたメタライズ層1bおよび金属層1cが充放電による電圧で容易に溶出するのを有効に抑制できる。また、第一および第二の導体層1d,1eにおいては半田との濡れ性が良くなり、外部電気回路基板上の配線導体との接合強度がより強固なものとなる。
Ni層の厚さが1μm未満であれば、メタライズから成る各導体の酸化腐蝕を防止したり各導体から金属成分が溶出したりするのを有効に抑制するのが困難になって電池性能が劣化し易くなる。また、Ni層の厚さが12μmを超えると、めっき形成に多大の時間がかかることになり量産性が低下し易くなるとともに電気抵抗が大きくなり易い。
また、Au層の厚さが0.05μm未満であれば、均一な厚さのAu層を形成するのが困難となり、Au層が極めて薄い部位やあるいはAu層が形成されていない部位が生じ易く、酸化腐食の防止効果や半田との濡れ性が低下し易くなる。またAu層の厚さが5μmを超えると、めっき形成に多大の時間がかかることになり量産性が低下し易くなる。
また、セラミック基体1の上面には凹部1aを取り囲むようにして鉄(Fe)−Ni−コバルト(Co)合金やアルミニウム(Al)等からなる金属製の枠状部材3が銀(Ag)ロウ,Alロウ等のロウ材5を介してメタライズ層1bにロウ付けされている。セラミック基体1の上面の枠状部材3がロウ付けされる部位には、W等から成るメタライズ層1bが形成され、その表面にNi等のめっきが施されているのがよく、この構成によりセラミック基体1上面のロウ材5との濡れ性が良くなり、セラミック基体1上面と枠状部材3との接合強度がより強固なものとなる。
ここで図1,図2等に示すように、枠状部材3は、内側面を外方に傾斜させた、すなわち、内側面が全周にわたって凹部1aに向かって下方に傾斜した傾斜面3aとされている。また、傾斜面3aよりも外周側に上面がセラミック基体1の上面と平行な平坦面とされている平坦部3bを有している。枠状部材3の傾斜面3aは、枠状部材3にプレス加工等を施すことによって容易に加工できる。
ここで、メタライズ層1b,枠状部材3およびメタライズ層1bと枠状部材3とを接合するためのロウ材5は、セラミック容器Bの内部に封入される電解液B−4によっては、電解液B−4に侵される場合がある。そのような場合、電解液B−4に不純物が溶け込むこととなって電池Aまたは電気二重層キャパシタAの性能が劣化してしまうので、図2(a),(b)に示すように枠状部材3の内側面および枠状部材3の内側よりも凹部1a側(内方)に位置するメタライズ層1bおよびロウ材5に電解液B−4から保護するための耐腐食層6を施す必要がある。耐腐食層6の材質として、アルミニウム(Al),白金(Pt),金(Au)等の金属膜や樹脂膜があげられる。耐腐食層6が金属膜である場合、蒸着法によって被着形成される。
枠状部材3は内側面が全周にわたって外方に傾斜した、すなわち、凹部1aに向かって下方に傾斜した傾斜面3aとされていることによって、枠状部材3を電解液B−4から保護するための耐腐食層6を枠状部材3の内側面に施す場合、セラミック基体1の上方から蒸着法を用いて耐腐食層6となる耐腐食物質を蒸着しても、枠状部材3の内周面が傾斜面3aとなっているため、枠状部材3の内側面に耐腐食層6を確実かつ均一な膜厚に蒸着形成することが容易であり、枠状部材3の内側面に耐腐食層6が蒸着されない部分が生じたりすることがない。
また平坦部3bを有していることにより、平坦部3bで枠状部材3と蓋体4の下面とを接合することにより強固に接合することができ、セラミック容器Bの内部を確実に気密に保持し得るものとできる。
好ましくは、枠状部材3の傾斜面3aと、枠状部材3の内側面よりも内方である凹部1a側に位置しメタライズ層1bと枠状部材3とを接合するためのロウ材5の表面と、枠状部材3の内側よりも凹部1a側に位置するメタライズ層1bの上面にAl層から成る耐腐食層6が蒸着形成されているのがよい。この構成により、枠状部材3および枠状部材3の内側面よりも凹部1a側に位置するロウ材5,メタライズ層1b上の耐腐食層6の表面に耐腐食性に優れる不動態皮膜を形成することができ、電解液B−4または外部の雰囲気によって腐食されるのを有効に防止できる。その結果、電池Aまたは電気二重層キャパシタA内部の電解液B−4による腐食劣化を防ぐとともに、これによって気密信頼性を優れたものとすることができる。
さらに好ましくは、図2(b)に示すように、枠状部材3の内側面の上下の角部は曲面部となっているのがよい。この構成により、枠状部材3の傾斜面3aとメタライズ層1bとの間になだらかなロウ材5のメニスカスを形成することができるとともに、枠状部材3の傾斜面3aと上面の平坦部3bとの間の角部を無くすことができ、枠状部材3の平坦部3bから傾斜面3aとロウ材5とメタライズ層1bの上面とにかけて連続的に途切れることなく耐腐食層6を被着形成することができる。従って、耐腐食層6が途切れてしまい枠状部材3,ロウ材5またはメタライズ層1bが電解液B−4に侵されてしまうのを有効に防止することができる。
また好ましくは、枠状部材3の上面に予めAlロウもしくはNiメッキ等のロウ材5を溶着させておくのがよい。この構成により、蓋体4を溶接接合する際にこの溶着されたロウ材5が溶融し、枠状部材3と蓋体4とがロウ付けされるとともに、ロウ材5が蓋体4に沿って濡れ広がり、蓋体4と金属製の枠状部材3の上面との間の隙間を埋めるので電解液B−4がこの隙間へ入り込みにくくなり、蓋体4と枠状部材3との接合をより強固なものとすることができる。これにより、蓋体4とセラミック基体1との接合の信頼性も高めることができる。
さらに好ましくは、ロウ材はAlロウであるのがよく、これにより、ロウ材が凹部1a内部に封入される電解液に対して腐食し難くなるという効果がある。その結果、極めて気密信頼性に優れたセラミック容器Bとすることができる。
また、枠状部材3は、図3(a)に示すように、断面矩形状をなし、上面が平坦部3bとなっているとともに内側面がメタライズ層1bに対して垂直な面となっており、メタライズ層1bと枠状部材3とを接合するためのロウ材5のフィレットが、枠状部材3の内側面に全周にわたって枠状部材3の上面からメタライズ層1bの上面にかけてその表面が凹部1aに向かって下方に傾斜するように形成されている構成であってもよい。
この構成により、枠状部材3とロウ材5とを電解液B−4から保護するための耐腐食層6を施す場合、枠状部材3の内側面に溜まったロウ材5のフィレットの表面に耐腐食層6を均一な膜厚に蒸着することができ、枠状部材3の内側面に耐腐食層6が蒸着されない部分が生じたりすることがない。
また、枠状部材3は、図3(b)に示すように、内側面のうち上側が全周にわたって凹部1aに向かって下方に傾斜した傾斜面3aとされるとともに、この傾斜面3aと下面との間に、全周にわたってメタライズ層1bに対して垂直な面となった垂直面3cを有する形状とされており、傾斜面3aよりも外周側に上面がセラミック基体1の上面と平行な平坦部3bを有しており、メタライズ層1bと枠状部材3とを接合するためのロウ材5のフィレットが、枠状部材3の垂直部3cに全周にわたって枠状部材3の傾斜面3aからメタライズ層1bの上面にかけて連続した傾斜面となるように、その表面が凹部1aに向かって下方に傾斜するように形成されている構成であってもよい。
この構成により、枠状部材3とロウ材5とを電解液B−4から保護するための耐腐食層6を枠状部材3の内側面に施す場合、耐腐食層6を枠状部材3の傾斜面3aとロウ材5のフィレットの表面とメタライズ層1bの表面とに均一な膜厚に蒸着することができ、枠状部材3の内周面に耐腐食層6が蒸着されない部分が生じたりすることがない。
さらにこの構成により、枠状部材3の垂直面3cに枠状部材3をメタライズ層1bに接合するためのロウ材5が適量に這い上がったロウ材5のフィレットが形成されるので、枠状部材3をメタライズ層1bに強固に接合させることができるとともに、枠状部材3の内方にロウ材5が溜まりすぎないので、セラミック基体1にロウ材5との熱膨張差による応力が大きく作用するのを防止することができる。
さらには、傾斜面3aの長さを短くすることが可能となり、枠状部材3の幅が狭くなるので、枠状部材3とセラミック基体1との熱膨張差によって、セラミック基体1に作用する応力を小さくすることができる。
また、図1および図2で示す枠状部材3において、図3(c)に示すように、傾斜面3aと下面との間の垂直面3cは、必ず垂直である必要はなく、途中で傾斜面3aの傾斜角度より急な傾斜角度となる形態であってもよい。この構成により、良好なロウ材5のフィレットが形成され易い傾斜角度の垂直面3cとすることが可能となる。
また図示しないが、傾斜面3aは円弧状や放物線状等の種々の曲面であってもよい。
さらに、枠状部材3の内側(凹部1a側)のメタライズ層1bの内側寄りのロウ材5の端部近傍からセラミック基体1の上面にかけて絶縁コート層7が形成されているのがよい。これによってロウ材5の上面と絶縁コート層7の上面との高低差を小さくすることができ、よって耐腐食層6の内側の端部を絶縁コート層7上まで延在させたときに、枠状部材3の傾斜面3aからロウ材5の上面および絶縁コート層7の上面にかけて耐腐食層6を途切れることなく連続的に被着させることができ、ロウ材5の端部が電解液B−4に暴露されなくなるので、ロウ材5の成分が電解液B−4中に溶出したりせず、電解液B−4の劣化が発生しなくなる。
また、図3(a),(b),(c)に示すように、メタライズ層1bを凹部1aの外周に達しないように、すなわちセラミック基体1の上面の内周側が露出するように部分的に形成するとともに、メタライズ層1bの内周端も絶縁コート層7に覆われるようにして絶縁コート層7が形成されているのが好ましい。この構成により、メタライズ層1bの上面および端面も保護されるので、メタライズ層1bが腐食することによる電解液B−4の劣化、メタライズ層1bが腐食することによる気密性の劣化とそれに伴なう容器外部の水分の侵入、さらには腐食が進むことによる電解液B−4の漏れ出しを防止することができる。
絶縁コート層7を施すことなしに耐腐食層6を形成した場合、図6のSEM写真に示すように、メタライズ層1bの上面に流れたロウ材5は、メタライズ層1bの上面を濡れ広がるが、ロウ材5の濡れ性や粘性などの要因によりロウ材5の端部において垂直に近いメニスカス面を形成する場合がある。このような面にセラミック基体1の凹部1aの上方から耐腐食性物質を蒸着法やスパッタリング法によって枠状部材3の傾斜面3aからセラミック基体1の上面にかけて形成した場合、耐腐食性物質の原子の飛来が直線的であるために、この飛来経路とほぼ平行になるロウ材5の垂直に近いメニスカス面に耐腐食性物質が被着し難く、図6に示すようにロウ材5の端部で耐腐食層6が途切れた状態となる場合がある。そして、電池Aまたは電気二重層キャパシタAの電解液B−4がこの耐腐食層6が途切れた部位でロウ材5等に接触すると、ロウ材5等を腐食するという問題が発生する場合があるが、絶縁コート層7をロウ材5の端部付近まで形成しておくと、ロウ材5の上面と絶縁コート層7の上面とが連続的な面に近いものとなり、垂直に近い面が現れないので耐腐食層6を途切れることなく連続的に被着させることが容易になる。
絶縁コート層7は、セラミック基体1に用いられたセラミック粉末と同様の粉末に、バインダ,有機溶剤,可塑剤等を混錬して得られたペーストをスクリーン印刷法等を用いてセラミック基体1の上面からメタライズ層1bの上面にかけて印刷し、セラミック基体1と同時に焼結させて形成される。
このとき、絶縁コート層7は、その収縮率がセラミック基体1のグリーンシートの収縮率にほぼ等しいことが好ましく、等しくない場合は、セラミック容器Bの上面に反りが発生し、枠状部材3を用いても蓋体4とセラミック基体1の上面との間に隙間が発生して気密性が確保できなくなる場合がある。従って、セラミック基体1をアルミナ質焼結体で形成した場合には、絶縁コート層7は、アルミナ質焼結体から成るのが好ましい。
また、絶縁コート層7をアルミナ質焼結体とすると、アルミナ質焼結体は電解液B−4に対して腐食されにくいので、電解液B−4に対する良好な保護層ともなる。
このように、枠状部材3の内側面の傾斜面3aからセラミック基体1の上面にかけての表面に耐腐食層6が形成されたセラミック容器Bに、Fe−Ni−Co合金やAl合金等の金属製の蓋体4を溶接し、セラミック基体1の凹部1aを覆うことによって、セラミック基体1内部を確実に気密封止できるとともに、枠状部材3,ロウ材5およびメタライズ層1bの表面が電解液B−4に腐食されにくいセラミック容器Bになる。そして、外部から水分や酸素等がセラミック基体1と蓋体4との界面や枠状部材3等の腐食された部分を通ってセラミック基体1内部の電解液B−4中に侵入するのを抑制できるものとなる。
次に、本発明の電池または電気二重層キャパシタについて以下に詳細に説明する。図4は本発明の電池または電気二重層キャパシタの実施の形態の一例を示す断面図であり、B−1は正電極板(または第一の電極)、B−2は負電極板(または第二の電極)、B−3は絶縁シート(またはセパレータ)、B−4は電解液、Aは電池または電気二重層キャパシタである。
本発明の電池Aまたは電気二重層キャパシタAは、上記のセラミック容器Bに、金属層1cにこれを覆って接続された正電極板(または第一の電極)B−1と、この正電極板(または第一の電極)B−1の上面に電解液B−4を含浸した絶縁シート(またはセパレータ)B−3を介して密着されているとともに、少なくとも下面が導電性とされている蓋体4の下面に当接されて電気的に接続された負電極板(または第二の電極)B−2とから成る電池要素または電気二重層キャパシタ要素および電解液B−4を収容するとともに、枠状部材3の上面に凹部1aの開口部を塞ぐようにして蓋体4が溶接されている。
これにより、上記本発明のセラミック容器Bを用いた信頼性が高く、量産性に優れる電池Aまたは電気二重層キャパシタAとなる。また、金属層1cが正電極板(または第一の電極)B−1に覆われるように接続することができ、金属層1cが電解液B−4によって腐食しにくいものとすることができる。
正電極板B−1は、LiCoOやLiMn等の正極活物質およびアセチレンブラックや黒鉛等の導電材を含む板状やシート状のものであり、また、負電極板B−2はコークスや炭素繊維等の炭素材料から成る負極活物質を含む板状やシート状のものである。
正電極板B−1および負電極板B−2は、これらの正極活物質または負極活物質に上記導電材を加え、さらにポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのバインダを添加、混合してスラリー状となし、これを周知のドクターブレード法を用いてシート状に成形し、次いでこのシートを例えば円形状に裁断して作製される。
また、絶縁シートB−3は、ポリオレフィン繊維製の不織布やポリオレフィン製の微多孔膜などからなり、電解液B−4が含浸されるとともに正電極板B−1と負電極板B−2との間に載置されることにより、正電極板B−1と負電極板B−2との接触を防止するとともに正電極板B−1と負電極板B−2との間の電解液B−4の移動を可能とする。
電池Aの電解液B−4は、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩や塩酸,硫酸,硝酸等の酸をジメトキシエタンやプロピレンカーボネート等の有機溶媒に溶解したものである。
本発明の電気二重層キャパシタAの第一の電極B−1および第二の電極B−2は、例えばフェノール樹脂繊維(ノボロイド繊維)を炭化賦活して得られるものであり、賦活はこの繊維を800〜1000℃の高温雰囲気下で高温水蒸気などの賦活ガスに接触させることにより行われ、炭化物中の揮発成分、あるいは炭素原子の一部をガス化し、主に1〜10nmの微細構造を発達させ内部表面積を1×10/kg以上にまでする工程で作製される。本発明の電気二重層キャパシタAは、第一および第二の導体層1d,1eにおける極性はなく、第一の導体層1d側を陽極、第二の導体層1e側を陰極として使用できるし、その逆の極性でも使用できる。
電気二重層キャパシタAの電解液B−4は、例えば6フッ化リン酸リチウム(LiPF)などのリチウム塩や、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート((CNBF)などの第4級アンモニウム塩をプロピレンカーボネート(PC)やスルホラン(SLF)などの溶媒中に溶解したものである。
また、セパレータB−3には、例えばガラス繊維やポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂等が用いられる。
そして電解液B−4を、例えばシリンジなどの注入手段を用いて凹部1aの上面からセラミック容器Bの内部に注入し、注入後に枠状部材3の上面に蓋体4を気密に溶接接合することによって、セラミック容器Bの内部を気密に封止することができる。
このような電解液B−4は、腐食性や溶解性の高いものであるが、本発明のセラミック容器Bをもちいることにより、セラミック基体1や耐腐食層6は耐薬品性に優れているため、有機溶剤や酸等を含む電解液B−4に侵され難く、電解液B−4中にセラミック容器Bから溶け出した不純物が混入して電解液B−4を劣化させることもなく、電池Aまたは電気二重層キャパシタAの性能を良好に維持することができる。
蓋体4は、Fe−Ni−Co合金やAl合金等の金属から成り、この蓋体4を、枠状部材3の上面にセラミック基体1の凹部1aを覆うように載置し、蓋体4の上面の縁に沿って通電されたローラーを軽く押し付けながら回転移動させて発生するジュール熱でこの蓋体4を接合するシーム溶接法によって、あるいは超音波溶接法を用いて、蓋体4の下面および枠状部材3を互いに溶融させることによって、蓋体4を枠状部材3の上面に接合させ、電池Aまたは電気二重層キャパシタAが作製される。
好ましくは、枠状部材3および蓋体4の少なくともその下側表面はAlから成るのがよい。この構成により、枠状部材3および蓋体4が耐腐食性に優れる不動態皮膜を表面に形成することができ、電解液B−4または外部の雰囲気によって腐食されるのを非常に有効に防止し、電池A内部の気密信頼性を非常に優れたものとすることができる。
蓋体4は、Alから成る板材や、セラミックスの下面にAl層が形成された板材や、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金やニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の板材の下面にAl層が形成されたものであってもよい。また、蓋体4の下面の外周部に全周にわたって突条(線状に突出した部位)が形成されるのが好ましい。この突条は、蓋体4がAlから成る板材であれば、蓋体4をプレス機で打ち抜く際に突条を同時に形成したり、打ち抜き後に所謂コイニング法(被加工物の側方を拘束して肉の逃げ場を限定するとともに凹凸部を型面に形成した金型と被加工材とを重ね合わせて上下から押圧することにより金型の凹凸模様を被加工材の表面に転写する方法)により例えば高さが0.1mm程度で断面が下に凸の三角形状に形成したりすることにより設けられる。
また、蓋体4がFe−Ni−Co合金等の下面にAl層が形成された板材から成るのであれば、これらの金属のインゴットを圧延して、例えば、厚さが0.2〜0.5mmの板材とするときにその表面に例えば厚さが0.1mmのAl板をクラッド接合し、その後、突条を上記コイニング法により形成することにより設けることができる。
そして、セラミック基体1の上面の枠状部材3の上面に蓋体4の外周部に形成された突条を当接させて蓋体4を載置し、蓋体4の上面から数十kHz程度の超音波をあてることにより、蓋体4の下面の突条が、枠状部材3の平坦部3bの凹凸に沿って潰れながら枠状部材3の表面のAl層に接合される。このとき、セラミック基体1の上面が反っていたり、うねっていたりする場合においても突条の潰れの大きさが異なることにより接合される。そして、この超音波接合方法によれば凹部1a内の気密性を損なうことなく、蓋体4を強固に接合することを可能とする。
超音波接合法は、より詳細には例えば次の様にして実施される。すなわち、接合対象物であるセラミック基体1と蓋体4とを先端の下部に振動の媒体となるチップを有するホーン(角状固定台)とアンビル(金敷き)との間にセットし、チップを介して例えば30〜50N程度の圧力を垂直に加えながら15〜30kHzの水平方向の超音波振動を蓋体2の外周に沿って連続的に移動させながら加えることにより行われる。また、チップの形状をライン状として垂直方向の圧力を大きくすることにより、一定長さの接合を短時間で行なう方法であってもよい。
超音波接合法では、超音波振動が印加される初期段階において接合部表面の酸化被膜や汚れが接合部の外側方向に押し出されるとともに、蓋体4および枠状部材3のAl結晶粒同士が原子間距離になるまで接近することによって原子間に相互引力が作用して強固な接合を得る。このとき、通常の金属を溶融接合する方法における金属の融点の1/3以下の温度が局部的に発生するが、この程度の熱であれば電解液B−4がほとんど変質することがなく、よって電池Aまたは電気二重層キャパシタAの寿命を長くすることができる。
さらに、超音波接合法によれば、Al中に他の金属がほとんど拡散することがなく、よって電解液B−4に対してさらに耐腐食性のある接合部を形成することができる。
なお、本発明は上記実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、本発明ではセラミック容器Bのセラミック基体1の材質をアルミナ質焼結体として説明したが、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体やガラスセラミックス等の他のセラミックスから成っていてもよく、AlN質焼結体から成る場合には作動時の熱を効率よく外部に放散させることができる。
(a)は本発明のセラミック容器の実施の形態の一例を示す断面図、(b)は(a)の平面図である。 (a)および(b)は図1(a)の枠状部材周辺の要部拡大断面図である。 (a),(b)および(c)は本発明のセラミック容器の実施の形態の他の例における枠状部材周辺の要部拡大断面図である。 本発明の電池または電気二重層キャパシタの実施の形態の一例を示す断面図である。 従来の電池および電気二重層キャパシタの例を示す断面図である。 ロウ材の端部付近を説明するための要部拡大図である。
符号の説明
1:セラミック基体
1a:凹部
1b:メタライズ層
1c:金属層
1d:第一の導体層
1e:第二の導体層
2b:第一の接続導体
2c:第二の接続導体
3:枠状部材
3a:傾斜面
3b:平坦部
3c:垂直部
4:蓋体
5:ロウ材
6:耐腐食層
7:絶縁コート層
B−1:正電極板,第一の電極
B−2:負電極板,第二の電極
B−3:絶縁シート,セパレータ
B−4:電解液
A:電池,電気二重層キャパシタ
B:セラミック容器

Claims (7)

  1. 上面に電池要素または電気二重層キャパシタ要素と電解液とが内部に収容される凹部を有したセラミック基体と、前記上面の前記凹部の周囲に形成されたメタライズ層と、前記メタライズ層に前記凹部を取り囲むようにしてロウ付けされる金属製の枠状部材とを具備し、該枠状部材の内側面を外方に傾斜させるとともに、該傾斜面とその内方に位置する前記メタライズ層の表面の一部を連続的に覆うようにして耐腐食層を被着したことを特徴とするセラミック容器。
  2. 前記枠状部材は、前記傾斜面と下面との間に前記メタライズ層に垂直な垂直面を有しており、前記傾斜面からその内方に位置する前記メタライズ層の上面にかけてロウ材のフィレットが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック容器。
  3. 上面に電池要素または電気二重層キャパシタ要素と電解液とが内部に収容される凹部を有したセラミック基体と、前記上面の前記凹部の周囲に形成されたメタライズ層と、断面矩形状をなすとともに、前記メタライズ層に前記凹部を取り囲むようにしてロウ付けされる金属製の枠状部材とを具備し、該枠状部材の上面からその内方に位置する前記メタライズ層の上面にかけてロウ材のフィレットが形成されていることを特徴とするセラミック容器。
  4. 前記枠状部材の内側の前記ロウ材の端部近傍から前記セラミック基体の上面にかけて絶縁コート層が形成されているとともに、前記耐腐食層の内側の端部を前記絶縁コート層上まで延在させたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセラミック容器。
  5. 前記絶縁コート層は、アルミナ質焼結体から成ることを特徴とする請求項4記載のセラミック容器。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のセラミック容器の前記凹部内に電解液および電池要素を収容するとともに、前記凹部の開口部を塞ぐようにして前記枠状部材の上面に蓋体を溶接してなることを特徴とする電池。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のセラミック容器の前記凹部内に電解液および電気二重層キャパシタ要素を収容するとともに、前記凹部の開口部を塞ぐようにして前記枠状部材の上面に蓋体を溶接してなることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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