JP2005011780A - 電池用ケースおよび電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池に隙間が生じて電解液が漏れ出したり、外部電気回路基板に損傷を与えたりすることがなく、外部電気回路基板への接続が容易なものとすること。
【解決手段】電池用ケースBは、上面の中央部に直方体状の凹部1aが形成され、この凹部1aの内側面と底面との間に段差1cが形成されたセラミック基体1と、段差1cの上面に形成された第一のメタライズ層1dと、凹部1aの底面に形成された第二のメタライズ層1bと、セラミック基体1の外側面に設けられた、第一の導体層D−1が内面に形成された第一の溝Dおよび第二の導体層C−1が内面に形成された第二の溝Cと、第一のメタライズ層1dから第一の導体層D−1にかけて、および第二のメタライズ層1bから第二の導体層C−1にかけてそれぞれ形成された内部導体3とを具備している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話などの通信機器に用いられ、容易に外部電気回路基板に接続することができるとともに電解液の漏れを有効に防止することのできる薄型の電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やラップトップコンピュータ装置端末、カメラ一体型ビデオテープレコーダー等に代表される携帯機器が目覚しく発達するに伴ない、その小型化、軽量化が図られている。そして、これらの携帯機器の電源としての電池の需要も増加の一途をたどり、また、電池のエネルギー密度を高めるための研究も活発に行われ、特に、リチウム電池は原子量が小さく、かつイオン化エネルギーが大きなリチウムを用いる電池であることから、高エネルギー密度を得ることができ、さらに再充電が可能な電池として盛んに研究され、現在に至っては携帯機器の電源をはじめとして広範囲に用いられている。
【0003】
このような電池は、正極と負極とを絶縁シートから成るセパレータを介して電槽缶内に挿着し、そこに有機電解液が注入されて封口された構造となっている。
【0004】
そして、正極は、例えば金属酸化物を正極活物質として、これに導電材を添加したものが一般的であり、この正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO)やマンガン酸リチウム(LiMn)などを挙げることができ、また、導電材としてアセチレンブラック(AB)や黒鉛などを挙げることができる。一方、負極は、負極活物質に導電材を添加したものが用いられ、負極活物質としては、例えばコークスや炭素繊維などの炭素材料が用いられている。
【0005】
このLiCoOやLiMnなどからなる正極活物質の充放電電圧は約4Vである。これに対して炭素材料などからなる負極活物質の充放電電圧は0V付近であり、これらの正極活物質と負極活物質と電解液とを組み合わせることでリチウム電池は約3.5Vの高放電電圧を達成している。
【0006】
電池の正極および負極はこれらの正極活物質または負極活物質に上記導電材を加え、さらにポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのバインダを添加、混合してスラリー状となし、これを周知のドクターブレード法を用いてシート状に成形し、ついでこのシートを例えば円形状に裁断して作製されるのが一般的である。
【0007】
そして、このようにして作製された正極、および負極をその間に耐熱温度が約150℃のポリオレフィン繊維製の不織布やポリオレフィン製の微多孔膜などからなるセパレータを介して電槽缶内に対置させて載置し、電解液を注入して、電池が得られる。
【0008】
そして、このようにして作製される電池をさらに小型化、高密度化するために、従来より、コイン型電池Aの開発が進められ、図5に示すように、円板状の正極11bを備えた例えばステンレスからなる正極缶11と、円板状の負極12bを備えた例えばステンレスからなる負極缶12とを電解液を含浸させたセパレータ14を介して対置させ、ついで例えば絶縁性のポリプロピレン樹脂からなるガスケット15を介して正極缶11の周囲と負極缶12の周囲とをかしめるようにして一体化した構造のものが知られている。正極11bおよび負極12bにおける充放電は正極缶11および負極缶12に取着した外部接続端子部材のリード部を介して行われる(例えば、下記の特許文献1,2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−106195号公報(第6−12頁、図1)
【特許文献2】
特開2002−198019号公報(第3−4頁、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1,2に示されるような従来の電池Aは、長期間に亘って温度幅が百数十度という温度サイクル試験(例えば−40℃〜85℃)に曝されると、その際、例えばポリプロピレン樹脂からなるガスケット15と正極缶11と負極缶12との熱膨張率の差によりガスケット15と正極缶11および負極缶12の周囲のかしめた部位との境界に隙間が生じて電解液が漏れ出すという問題点が有り、これにより電池Aの電池性能を劣化させたり、さらに漏れ出た電解液により外部電気回路基板上の銅(Cu)配線が腐食して断線するといった不具合が発生したり、あるいは、この隙間から水分が内部に侵入して電池性能を劣化させるという不具合が発生していた。
【0011】
また、従来の電池Aは、充放電を行なうために、上下にリード部を接続してこのリード部を外部電気回路基板へ接続しなければならず、外部電気回路基板への接続が繁雑であるという問題点を有していた。
【0012】
また、従来の電池Aはガスケット15と正極缶11および負極缶12の周囲を隙間なく確実にかしめるために平面視形状を円形にしなければならず、平面視形状を多角形等の種々の形状とすることができなかった。近年、装置の小型化に伴い、電池の小型化,省スペース化の市場要求も大きくなってきており、例えば、外部電気回路基板に省スペースで実装するため電池の平面視形状を四角形とするといった要求に応えられないものとなっていた。
【0013】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、長期間の使用により電池に隙間が生じて電解液が漏れ出して電池性能を劣化させたり、外部電気回路基板に損傷を与えたりすることがなく、外部電気回路基板への接続を容易にするとともに、電池を小型化することができ、かつ量産性に優れた電池用ケースおよび電池を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の電池用ケースは、上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、該凹部の内側面と底面との間に段差が形成されたセラミック基体と、前記段差の上面に形成された第一のメタライズ層と、前記凹部の底面に形成された第二のメタライズ層と、前記セラミック基体の外側面に設けられた、第一の導体層が内面に形成された第一の溝および第二の導体層が内面に形成された第二の溝と、前記第一のメタライズ層から前記第一の導体層にかけて、および前記第二のメタライズ層から前記第二の導体層にかけてそれぞれ形成された内部導体とを具備していることを特徴とする。
【0015】
本発明の電池用ケースは、上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、この凹部の内側面と底面との間に段差が形成されたセラミック基体と、段差の上面に形成された第一のメタライズ層と、凹部の底面に形成された第二のメタライズ層と、セラミック基体の外側面に設けられた、第一の導体層が内面に形成された第一の溝および第二の導体層が内面に形成された第二の溝と、第一のメタライズ層から第一の導体層にかけて、および第二のメタライズ層から第二の導体層にかけてそれぞれ形成された内部導体とを具備していることから、気密性に優れるとともに耐熱性に優れるセラミック基体によって電解液が収容されているため、温度サイクル試験に曝された場合でも隙間が生じて電解液が漏れることはなく、電解液を良好に収容することができる。また、セラミック基体の平面視形状を四角形等種々の形状としても、気密性が維持されるので、市場要求に応じてセラミック基体を種々の形状とすることができるとともに、電池性能を劣化させる水分や酸素等が外部から電解液中に浸入するのを有効に抑制することができる。
【0016】
また、セラミック基体は耐薬品性に優れているため、有機溶剤や酸等を含む電解液に侵され難く、電解液中に電池用ケースから溶け出した不純物が混入して電解液を劣化させることもなく、電池性能を良好に維持することができる。
【0017】
また、セラミック基体の外側面に設けられた、第一の導体層が内面に形成された第一の溝および第二の導体層が内面に形成された第二の溝と、第一のメタライズ層から第一の導体層にかけて、および第二のメタライズ層から第二の導体層にかけてそれぞれ形成された内部導体とを具備していることから、セラミック基体の外側面で第一および第二の導体層が密着性に劣る内部導体とセラミック基体との界面を覆うことによって、外部から水分や酸素等が内部導体とセラミック基体との界面を通ってセラミック基体内部の電解液中に浸入するのをより有効に抑制することができる。
【0018】
さらに、第一および第二の導体層は溝の内面に形成されているので、第一および第二の導体層とセラミック基体との接触面積が大きくなるとともにこの界面が屈曲していることにより、外部から水分や酸素等が浸入するのをさらにより有効に抑制でき、気密性を著しく向上させることができる。
【0019】
また、外部電気回路基板の配線導体に突部を設け、この突部に第一および第二の溝を嵌合するように接続することによって、リード部材等を用いることなく容易かつ確実に外部電気回路基板に接続することが可能となり、量産性に優れたものとなる。
【0020】
本発明の電池は、上記本発明の電池用ケースと、前記第二のメタライズ層にこれを覆って接続された正電極板と、該正電極板の上面に電解液を含浸した絶縁シートを介して密着されているとともに一端部が前記第一のメタライズ層にこれを覆って電気的に接続された負電極板と、前記セラミック基体の上面に前記凹部を覆って取着された蓋体とを具備していることを特徴とする。
【0021】
本発明の電池は、上記構成により、上記本発明の電池用ケースを用いた気密信頼性が高く、量産性に優れるものとなる。また、第一および第二のメタライズ層を負電極板および正電極板にそれぞれ覆われるように接続することができ、その結果、第一および第二のメタライズ層が電解液の酸成分等によって腐食するのを有効に抑えることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の電池用ケースについて以下に詳細に説明する。図1において、(a)は本発明の電池用ケースについて実施の形態の一例を示す断面図であり、(b)は電池用ケースの平面図を示す。また、図2は本発明の電池用ケースにおける溝について実施の形態の各種例を示す要部拡大断面図であり、これらの図において、1はセラミック基体、1aは凹部、1bは第二のメタライズ層、1cは段差、1dは第一のメタライズ層、3は内部導体、2は蓋体、Bは電池用ケースである。
【0023】
本発明の電池用ケースBは、セラミック基体1の上面の中央部に直方体状の凹部1aが形成され、この凹部1aの内側面と底面との間に段差1cが形成されている。
【0024】
また、段差1cの上面には第一のメタライズ層1dが形成されており、凹部1aの底面には第二のメタライズ層1bが形成されている。さらに、セラミック基体1の外側面には、第一の導体層D−1が内面に形成された第一の溝Dおよび第二の導体層C−1が内面に形成された第二の溝Cが設けられており、第一のメタライズ層1dから第一の導体層D−1にかけて、および第二のメタライズ層1bから第二の導体層C−1にかけて内部導体3がそれぞれ形成されている。
【0025】
このようなセラミックス基体1は、アルミナ質焼結体等のセラミックスから成り、以下のようにして作製される。例えば、セラミックス基体1がアルミナ質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム(Al),酸化珪素(SiO),酸化マグネシウム(MgO),酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダ、溶剤等を添加混合してスラリーと成す。このスラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法によってグリーンシートと成し、所要の大きさに切断する。次に、その中から選ばれた複数のグリーンシートにおいて凹部1a、段差1c、第一の溝D、第二の溝C等を形成するために適当な打抜き加工を施す。
【0026】
そして、これらのグリーンシートにタングステン(W)等の金属粉末を主成分とする金属ペーストを印刷塗布して第一および第二のメタライズ層1d,1b、内部導体3、第一および第二の導体層D−1,C−1となる導体層を形成し、次いでこれらの導体層を形成したグリーンシートを積層し、約1600℃の温度で焼成することによってセラミック基体1が作製される。
【0027】
なお、内部導体3は、図1では第一および第二の導体層D−1,C−1に対して垂直な層間接続導体のみで形成されているが、セラミック基体1内に第一の導体層D−1と平行な内部配線層と組み合わせて形成されていてもよく、これによってセラミック基体1内に電気回路を引き回すことができる。
【0028】
好ましくは、第一および第二の導体層D−1,C−1が第一および第二のメタライズ層1d,1bの延長線上にあるのがよい。これにより、第一および第二のメタライズ層1d,1bと第一および第二の導体層D−1,C−1とをそれぞれ電気的に接続するための内部導体3の長さを短くすることができ、内部導体3を流れる電流が内部導体3の抵抗で損失してしまうことを抑制し、電池としての性能を損なうことを有効に防止できる。
【0029】
また、このようにして作製されたセラミック基体1に形成されたこれらの導体の露出した表面には、耐食性に優れかつ半田との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ1〜12μmのニッケル(Ni)層および厚さ0.3〜5μmの金(Au)層をめっき法等により順次被着しておくのがよい。これにより、特に電池用ケースBの内部に形成された第一および第二のメタライズ層1d,1bが充放電による電圧で容易に溶出するのを有効に抑制できる。また、第一および第二の導体層D−1,C−1においては半田との濡れ性が良くなり、外部電気回路基板上の配線導体との接合強度がより強固なものとなる。
【0030】
Ni層の厚さが1μm未満であれば、メタライズから成る各導体の酸化腐蝕を防止したり各導体から金属成分が溶出したりするのを有効に抑制するのが困難になって電池性能が劣化し易くなる。また、Ni層の厚さが12μmを超えると、めっき形成に多大の時間がかかることになり量産性が低下し易くなるとともに電気抵抗が大きくなり易い。
【0031】
また、Au層の厚さが0.3μm未満であれば、均一な厚さのAu層を形成するのが困難となり、Au層がきわめて薄い部位やあるいはAu層が形成されていない部位が生じ易く、酸化腐食の防止効果や半田との濡れ性が低下し易くなる。またAu層の厚さが5μmを超えると、めっき形成に多大の時間がかかることになり量産性が低下し易くなる。
【0032】
また、図1においては、第一および第二の溝D,Cはセラミック基体1の上下主面間にわたって形成されているものを示しているが、これに限定されず内部導体3のセラミック基体1の外側面側の端部付近からセラミック基体1の下面にかけて、あるいは内部導体3のセラミック基体1の外側面側の端部付近からセラミック基体1の上面にかけて形成されているものでよい。また、第一および第二の導体層D−1,C−1についても、図1のようなセラミック基体1の上下主面間にわたって形成される場合に限定されず、内部導体3のセラミック基体1の外側面側の端部付近からセラミック基体1の下面にかけて、あるいは内部導体3のセラミック基体1の外側面側の端部付近からセラミック基体1の上面にかけて形成されているものでよい。
【0033】
なお、第一および第二の導体層D−1,C−1は、内部導体3のセラミック基体1の外側面側の端部付近からセラミック基体1の下面にかけて形成されている場合、好ましくは、内部導体3のセラミック基体1の外側面側の端部よりも上側の部位からセラミック基体1の下面にかけて形成されているのがよい。これにより、第一および第二の導体層D−1,C−1が、セラミック基体1の外側面における内部導体3とセラミック基体1との界面をすべて覆うことができるので気密性をより向上させることができる。また、第一および第二の導体層D−1,C−1が内部導体3のセラミック基体1の外側面側の端部付近からセラミック基体1の上面にかけて形成されている場合、同じ理由で、内部導体3のセラミック基体1の外側面側の端部よりも下側の部位からセラミック基体1の上面にかけて形成されているのがよい。
【0034】
本発明の第一および第二の溝D,C、第一および第二の導体層D−1,C−1の製造工程について、第二の溝Cが図2(a)のような台形状の断面形状である場合を例にして詳細に説明する。なお、第一の溝Dも同様にして製造することができる。先ず、図3(a)に示すように、セラミック基体1となるセラミックグリーンシート6に台形状に貫通穴7を金型にて打ち抜き形成する。次に、図3(b)に示すように、貫通穴7裏面から貫通穴7内部を吸引した状態で、セラミックグリーンシート6表面側からスクリーン印刷等で貫通穴7内部に導電性インクを垂れ込ませ、貫通穴7の内面全体に第二の導体層C−1となる導電性インクを付着させる。しかる後、図3(c)に示すように、台形状の貫通穴7の斜辺の途中を切断して貫通穴7を2分割するとともにセラミック基体1の外形形状となるように金型にて打ち抜き形成することにより、内面に第一および第二の導体層D−1,C−1をそれぞれ有する第一および第二の溝D,Cを形成することができる。
【0035】
このとき、貫通穴7を切断して第二の溝Cを形成する際に、貫通穴7の切断部付近のセラミックグリーンシート6が金型の切断刃に押しのけられて切断刃の両側方向に応力が働くが、セラミックグリーンシートの切断面と貫通穴7が分割されて成る溝の内面との間の角部が鋭角であると、図3(d)の長い方の下底側の角部(図3(d)の切断線より下側)のように溝を閉じるように応力が働き、セラミックグリーンシートが溝の内側方向にせり出してバリ10が発生し易くなる。一方、セラミックグリーンシートの切断面と貫通穴7が分割されて成る溝の内面との間の角部が鈍角であると、図3(d)の短い方の上底側の角部(図3(d)の切断線より上側)のように溝を開くように応力が働き、セラミックグリーンシートが溝の外側に押し広げられてバリ10の発生は抑制される。従って、図3(d)に示す短い方の上底側の溝を第二の溝Cとするのが好ましい。
【0036】
第一および第二の溝D,Cは、断面形状が図1(b)のような四角形状である他に台形状や円弧状であってもよいが、上記理由から、好ましくは図2(a)のような台形状や図2(b)のような円弧状のように、第一および第二の溝D,Cの幅がセラミック基体1の外側面に近いほど大きくなっているのがよい。これにより、第一および第二の溝D,Cの内面にバリ等が発生するのを抑制できる。
【0037】
ここで、図2に示すような、セラミック基体1の側面と第一および第二の溝D,Cの内面との成す角度θは、好ましくはθ=95〜150°であるのがよい。θ<95°であると切断刃で切断した際に貫通穴7の切断部で外側方向へ応力が向かう効果がほとんどなくなり、内側方向に応力が働くため、セラミックグリーンシート6のバリ10が製品となる部分にも発生し易くなる。また、θ>150°であると第一および第二の溝D,Cが大きくなってセラミック基体1自体が大きくなって、電池用ケースBが大型で大重量になり易い。さらに好ましくは110〜120°がよい。
【0038】
次に、本発明の電池について以下に詳細に説明する。図4は本発明の電池の実施の形態の一例を示す断面図であり、B−1は正電極板、B−2は負電極板、B−3は絶縁シート、B−4は電解液、Eは電池である。
【0039】
本発明の電池Eは、上記の電池用ケースBと、第二のメタライズ層1bにこれを覆って接続された正電極板B−1と、この正電極板B−1の上面に電解液B−4を含浸した絶縁シートB−3を介して密着されているとともに一端部が第一のメタライズ層1dにこれを覆って電気的に接続された負電極板B−2と、セラミック基体1の上面に凹部1aの周囲を覆って取着された蓋体2とを具備している。
【0040】
これにより、上記本発明の電池用ケースBを用いた気密信頼性が高く、量産性に優れるものとなる。また、第一および第二のメタライズ層1d,1bを負電極板B−2および正電極板B−1にそれぞれ覆われるように接続することができ、その結果、第一および第二のメタライズ層1d,1bが電解液B−4の酸成分等によって腐食するのを有効に抑えることができる。
【0041】
正電極板B−1は、LiCoOやLiMn等の正極活物質およびアセチレンブラックや黒鉛等の導電材を含む板状やシート状のものであり、また、負電極板B−2はコークスや炭素繊維等の炭素材料から成る負極活物質を含む板状やシート状のものである。
【0042】
正電極板B−1および負電極板B−2はこれらの正極活物質または負極活物質に上記導電材を加え、さらにポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどのバインダを添加、混合してスラリー状となし、これを周知のドクターブレード法を用いてシート状に成形し、ついでこのシートを例えば円形状に裁断して作製される。
【0043】
また、絶縁シートB−3は、ポリオレフィン繊維製の不織布やポリオレフィン製の微多孔膜などからなり、電解液B−4が含浸されるとともに正電極板B−1と負電極板B−2との間に載置されることにより、正電極板B−1と負電極板B−2との接触を防止するとともに正電極板B−1と負電極板B−2との間の電解液B−4の移動を可能とする。
【0044】
蓋体2は、アルミナ質焼結体等のセラミックスやFe−Ni−Co合金等の金属、または樹脂等から成る。
【0045】
電解液B−4は、例えばシリンジなどの注入手段を用いて凹部1aの上面から電池Eの内部に注入される。そして、注入後に電解液B−4に対して侵され難い樹脂接着材、例えばポリプロピレン樹脂等を主成分とする樹脂接着材を用いてセラミック基体1の凹部1aの周囲に蓋体2を気密に取着することにより電池Eの内部を気密に封止することができる。
【0046】
電解液B−4は、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩や塩酸,硫酸,硝酸等の酸をジメトキシエタンやプロピレンカーボネート等の有機溶媒に溶解したものである。
【0047】
このような電解液B−4は、腐食性や溶解性の高いものであるが、本発明の電池Eをもちいることにより、セラミック基体1は耐薬品性に優れているため、有機溶剤や酸等を含む電解液B−4に侵され難く、電解液B−4中に電池用ケースBから溶け出した不純物が混入して電解液B−4を劣化させることもなく、電池性能を良好に維持することができる。
【0048】
また、従来用いられていた金属用ケースでは図5に示すように正極缶11と負極缶12とをそれらの周囲をポリプロピレン樹脂等から成るガスケット15を介してかしめることによって一体化しており、このかしめた部位における厚さが正極缶11と負極缶12とセパレータ14とを併せて2mm前後となっていたのに対して、本発明によれば、かしめる必要がないために厚さを1mm以下にすることができ、携帯機器の薄型化に大きく寄与できるものとなる。
【0049】
なお、本発明は上記実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、本発明では電池用ケースBのセラミック基体1の材質をアルミナ質焼結体として説明したが、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体やガラスセラミックス等などの他のセラミックスから成っていてもよく、AlN質焼結体からなる成る場合には作動時の熱を効率よく外部に放散させることができる。また、1つの凹部1aを有する電池用ケースBを用いた電池Eについて説明したが、複数の凹部1aを有する電池用ケースBを用いてもよく、その場合、蓋体2は各凹部1aをすべて覆うように取着されている。
【0050】
【発明の効果】
本発明の電池用ケースは、上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、この凹部の内側面と底面との間に段差が形成されたセラミック基体と、段差の上面に形成された第一のメタライズ層と、凹部の底面に形成された第二のメタライズ層と、セラミック基体の外側面に設けられた、第一の導体層が内面に形成された第一の溝および第二の導体層が内面に形成された第二の溝と、第一のメタライズ層から第一の導体層にかけて、および第二のメタライズ層から第二の導体層にかけてそれぞれ形成された内部導体とを具備していることから、気密性に優れるとともに耐熱性に優れるセラミック基体によって電解液が収容されているため、温度サイクル試験に曝された場合でも隙間が生じて電解液が漏れることはなく、電解液を良好に収容することができる。また、セラミック基体の平面視形状を四角形等種々の形状としても、気密性が維持されるので、市場要求に応じてセラミック基体を種々の形状とすることができるとともに、電池性能を劣化させる水分や酸素等が外部から電解液中に浸入するのを有効に抑制することができる。
【0051】
また、セラミック基体は耐薬品性に優れているため、有機溶剤や酸等を含む電解液に侵され難く、電解液中に電池用ケースから溶け出した不純物が混入して電解液を劣化させることもなく、電池性能を良好に維持することができる。
【0052】
また、セラミック基体の外側面に設けられた、第一の導体層が内面に形成された第一の溝および第二の導体層が内面に形成された第二の溝と、第一のメタライズ層から第一の導体層にかけて、および第二のメタライズ層から第二の導体層にかけてそれぞれ形成された内部導体とを具備していることから、セラミック基体の外側面で第一および第二の導体層が密着性に劣る内部導体とセラミック基体との界面を覆うことによって、外部から水分や酸素等が内部導体とセラミック基体との界面を通ってセラミック基体内部の電解液中に浸入するのをより有効に抑制することができる。
【0053】
さらに、第一および第二の導体層は溝の内面に形成されているので、第一および第二の導体層とセラミック基体との接触面積が大きくなるとともにこの界面が屈曲していることにより、外部から水分や酸素等が浸入するのをさらにより有効に抑制でき、気密性を著しく向上させることができる。
【0054】
また、外部電気回路基板の配線導体に突部を設け、この突部に第一および第二の溝を嵌合するように接続することによって、リード部材等を用いることなく容易かつ確実に外部電気回路基板に接続することが可能となり、量産性に優れたものとなる。
【0055】
本発明の電池は、上記本発明の電池用ケースと、第二のメタライズ層にこれを覆って接続された正電極板と、この正電極板の上面に電解液を含浸した絶縁シートを介して密着されているとともに一端部が第一のメタライズ層にこれを覆って電気的に接続された負電極板と、セラミック基体の上面に凹部を覆って取着された蓋体とを具備していることにより、上記本発明の電池用ケースを用いた気密信頼性が高く、量産性に優れるものとなる。また、第一および第二のメタライズ層を負電極板および正電極板にそれぞれ覆われるように接続することができ、その結果、第一および第二のメタライズ層が電解液の酸成分等によって腐食するのを有効に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の電池用ケースについて実施の形態の一例を示す断面図、(b)は(a)の上面図である。
【図2】(a),(b)は本発明の電池用ケースにおける第二の溝について実施の形態の各種例を示す拡大断面図である。
【図3】(a)〜(d)は図2(a)の第二の溝の製造工程を示す上面図である。
【図4】本発明の電池について実施の形態の一例を示す断面図である。
【図5】従来の電池の断面図である。
【符号の説明】
1:セラミック基体
1a:凹部
1b:第二のメタライズ層
1c:段差
1d:第一のメタライズ層
2:蓋体
3:内部導体
B:電池用ケース
B−1:正電極板
B−2:負電極板
B−3:絶縁シート
B−4:電解液
C:第二の溝
C−1:第二の導体層
D:第一の溝
D−1:第一の導体層
E:電池

Claims (2)

  1. 上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、該凹部の内側面と底面との間に段差が形成されたセラミック基体と、前記段差の上面に形成された第一のメタライズ層と、前記凹部の底面に形成された第二のメタライズ層と、前記セラミック基体の外側面に設けられた、第一の導体層が内面に形成された第一の溝および第二の導体層が内面に形成された第二の溝と、前記第一のメタライズ層から前記第一の導体層にかけて、および前記第二のメタライズ層から前記第二の導体層にかけてそれぞれ形成された内部導体とを具備していることを特徴とする電池用ケース。
  2. 請求項1記載の電池用ケースと、前記第二のメタライズ層にこれを覆って接続された正電極板と、該正電極板の上面に電解液を含浸した絶縁シートを介して密着されているとともに一端部が前記第一のメタライズ層にこれを覆って電気的に接続された負電極板と、前記セラミック基体の上面に前記凹部を覆って取着された蓋体とを具備していることを特徴とする電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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