JP3659477B2 - 電池用端子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池内部を気密に封止するための電池用端子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電池用端子は、図2の断面図に示すように、電池の容器の容器蓋Lの略円形の開口に側部がろう材等で接合され、容器の内外を貫通する貫通孔11aを略中央部に有し、アルミナ(Al23)セラミックス等からなる筒状の絶縁基体11を具備する。この絶縁基体11の貫通孔11aの容器外部側の端部には、絶縁基体11の容器外部側の端面から貫通孔11aの内面にかけて面取り部Cが形成されており、絶縁基体11の容器外部側の端面から面取り部Cにかけて、モリブデン(Mo)−マンガン(Mn)等からなるメタライズ層14が被着されている。そして、貫通孔11aに、アルミニウム等の金属からなる略円柱状等の棒状の端子体12を、その両端が絶縁基体11から突出するように挿入し、メタライズ層14と端子体12とがアルミニウムろう材16を介して接合されるとともに、メタライズ層15とアルミニウムからなる円環状のフランジ13とがアルミニウムろう材17を介して接合されることにより、電池内部が気密に封止される。
【0003】
また、電池の内部では、端子体12の下端部が電池の一方の電極板Eに接続されるとともに、フランジ13が電池の容器蓋Lに溶接によって接合されることにより、電池の一方の端子として機能している。一方、端子体12の上面には、その上面より内部に形成されたボルト穴が設けられ、枠状,円環状等の圧着端子18に挿通させた六角ボルトをそのボルト穴に螺合させて締め付け、圧着端子18を端子体12の上面に接触させることにより、外部との導通をとるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電池用端子において、端子体12の上面の略中央部に、圧着端子18を端子体12中に形成されたボルト穴に六角ボルトで締め付けて圧接した際に、締め付けトルク(JIS B 1083による)が1.5Nm(ニュートンメートル)程度になると、端子体12がそのトルクによる応力を吸収緩和することができなくなり、この応力がアルミニウムのろう材16を介して絶縁基体11に印加され、絶縁基体11よりも剛性の低いろう材16にクラックが発生し、そのため電池内部を気密に封止することができなくなるという問題点を有していた。一方、締め付けトルクが低い場合には、端子体12の上面と圧着端子18との接触状態が不良となり、外部との導通をとれなくなる場合があり、従って締め付けトルクをある程度高くする必要があった。
【0005】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたもので、その目的は、外部との導通不良が発生しない程度のトルクによって六角ボルトで圧着端子を締め付けても、ろう材にクラックが発生することを有効に防止することができ、また電池内部の気密性を良好なものとすることができる電池用端子を提供することにある。
【0006】
本発明の電池用端子は、電池の容器に形成された開口にその側部が接合されかつ前記容器の内外を貫通する貫通孔が形成された筒状の絶縁基体と、前記貫通孔に挿入されてその側面が前記容器の外部側で前記絶縁基体にろう付けされた棒状の端子体とを具備して成る電池用端子において、前記絶縁基体は、前記貫通孔の内周面と前記容器の外部側の端面との間に面取り部が形成されているとともに前記端面から前記面取り部にかけてメタライズ層が被着されており、該メタライズ層及び前記端子体が、前記面取り部と前記内周面との角部近傍まで垂れ込んだろう材を介してろう付けされており、さらに前記端子体は、前記容器の外部側の端面にネジ穴またはネジ部が設けられかつ内部側の端部に係止用の鍔部が形成されており、該鍔部の前記端子体側面からの突出幅をX,前記鍔部の厚さをY,前記絶縁基体の前記貫通孔内面から外側面までの厚さをW,前記絶縁基体の長さをHとした場合、0.5mm≦X≦W(1.0mm<W)かつ0.5mm≦Y≦H(1.0mm<H)であることを特徴とする。
【0007】
本発明は、上記の構成により、外部との導通不良が発生しない程度のトルクによって端子体に圧着端子を締め付けても、端子体接合用のろう材にクラックが発生しないものとなり、また電池内部の気密性を良好に保持できるとともに、外部との導通を良好なものとできる。その結果、電池の性能は長期にわたって安定し、長寿命化と高い信頼性が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の電池用端子を以下に詳細に説明する。図1は本発明の電池用端子の実施の形態の一例を示す断面図であり、図1において、1は絶縁基体、2はAl等の金属からなる端子体、3は金属製のフランジであり、これらとメタライズ層4,5とが、それぞれろう材6,7を介して接合されることによって、電池内部を気密に封止する電池用端子が構成される。
【0009】
絶縁基体1は、アルミナや窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックスから成る円筒状,角柱状等の筒状のものであり、端子体2とフランジ3とを電気的絶縁をもって保持している。そして、図1に示すように、絶縁基体1は容器の容器蓋Lの略円形の開口にその側部が接合され、かつその略中央部に内外を貫通する貫通孔1aが形成される。その貫通孔1aには、端子体2の容器外部側の上端部が突出するように端子体2を挿通し接合するとともに、端子体2の容器内部側の下端部に形成された係止用の鍔部2aを絶縁基体1の下面に接触させている。また、絶縁基体1の外側面にはフランジ3が接合され、フランジ3を介して容器蓋Lに接合固定されている。上記鍔部2aは、端子体2の下端面に面一となるように設けられているが、端子体2の下端部の側面から突出していればよく、必ずしも端子体2の下端面と面一となっていなくてもよい。
【0010】
このような絶縁基体1は、例えばアルミナセラミックスから成る場合、酸化アルミニウム(アルミナ:Al23),酸化珪素(SiO2),酸化カルシウム(CaO),酸化マグネシウム(MgO)等の原料粉末に適当な有機バインダを添加して調製した原料粉末を、所定形状のプレス型内に充填するとともに、これを所定圧力でプレスして成形し、しかる後得られた成形体を大気中にて約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
【0011】
また、絶縁基体1は、貫通孔1aの内周面と端面(上面および下面)との間に面取り部Cが形成され、絶縁基体1の一方の端面(上面)からこれに連なる面取り部Cにかけて延出(進出)するように、環状のメタライズ層4が被着されている。このメタライズ層4は、Mo−Mn等のメタライズ層から成り、絶縁基体1の貫通孔1aに挿入された端子体2を絶縁基体1に接合するための下地金属であって、このメタライズ層4に端子体2がアルミニウムろう材や金(約37.5wt%)−銅(約62.5wt%)ろう材等のろう材6を介して接合される。
【0012】
メタライズ層4は、例えばモリブデン粉末およびマンガン粉末ならびに金属の酸化物粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を添加混合して得た金属ペーストを、絶縁基体1の一方の端面(上面)にスクリーン印刷法や、筆塗り法等によって印刷塗布するとともにその一部を面取り部Cに垂れ込ませ、これを還元雰囲気中において約1400℃の温度で焼き付けることによって、絶縁基体1の一方の端面からこれに連なる面取り部Cにかけて被着される。
【0013】
このとき、面取り部Cに垂れ込んだ金属ペーストは、面取り部Cと内周面との間の角部において表面張力によってその垂れ込みが止まるため、その厚みおよび奥行きが一定のものとなる。よって、メタライズ層4と端子体2との接合において、ろう材6の過不足による応力の偏りを発生させることがなくなり、上記のような面取り部Cを設けることが好ましいものとなる。
【0014】
また、絶縁基体1の外周側面の一部(図1では下端部)には、メタライズ層5が被着されており、このメタライズ層5はメタライズ層4と同様にMo−Mn等のメタライズ層から成り、絶縁基体1にフランジ3を接合するための下地金属であって、このメタライズ層5にはフランジ3がアルミニウムろう材や金(約37.5wt%)−銅(約62.5wt%)ろう材等のろう材7を介して接合される。
【0015】
メタライズ層5は、メタライズ層4と同様に例えばモリブデン粉末,マンガン粉末および酸化物粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を添加混合して得た金属ペーストを、絶縁基体1の外周側面にスクリーン印刷法や筆塗り法等によって印刷塗布し、これを還元雰囲気中において約1400℃の温度で焼き付けることによって絶縁基体1の外周面に被着される。
【0016】
なお、メタライズ層4,5の表面には、メタライズ層4,5の酸化腐蝕を防止するとともに、ろう材6,7との濡れ性を向上させ、更には端子体2やフランジ3との接合後に発生する応力による剥がれやクラック等によって接合性を劣化させないようにするために、ニッケル等の耐食性に優れかつろう材6,7との濡れ性に優れる金属を1〜10μm程度の厚みに被着させることが好ましい。
【0017】
絶縁基体1の貫通孔1a内に挿入され接合される端子体2は、これらが接合される際に熱膨張係数差による熱応力が発生し、この熱応力が端子体2を介して絶縁基体1やろう材6に印加され、絶縁基体1やろう材6にクラック等が発生し接合を損なわせるとともに電池内部の気密性が破れるのを有効に防止できるように、延性に富んだ材料を、更には端子体2が導電路として機能するように導電性に優れた材料を用いることが好ましく、具体的にはアルミニウム,銅(Cu)等の金属材料がよい。
【0018】
また、端子体2は、容器外部側の端面(上面)の略中央部分にネジ穴(ボルト穴)、またはナット等が螺合可能なネジ部、即ちネジ切り加工された突出部が設けられ、容器内部側の一端に形成されている鍔部(大径部)2aと絶縁基体1の端面(下面)とが接触している。そして、ボルト穴に外部との導通不良が発生しない程度のトルク(約2.4Nm)でもって六角ボルトで圧着端子8を締め付けても、その際に発生する応力がろう材6のみを介して絶縁基体1に印加されて剛性の低いろう材6にクラックが発生することを有効に防止する。即ち、締め付け時の応力は、ろう材6のみを介して絶縁基体1に伝達するものではなく、鍔部2aをも介して絶縁基体1に印加されることとなる。従って、応力がろう材6と鍔部2aとを介して伝わることで分散され、ろう材6にクラックを発生させることがない。
【0019】
なお、端子体2の容器外部側の上端面の略中央部分に設けられるネジ部は、端子体2の上端面の略中央部分に設けた突出部、または端子体2の上端部の側面をネジ切り加工したものであってもよい。
【0020】
ところで、この鍔部2aの端子体2側面からの突出幅Xまたは鍔部2aの厚さYが0.5mm未満の場合、締め付け時に発生する応力によって延性に富む端子体2の鍔部2aが適度に変形し、ある程度その応力を吸収緩和できるが、吸収緩和できない分の応力が剛性の低いろう材6にクラックを発生させる傾向にある。そのため、電池内部を気密に封止することが困難となる場合がある。従って、鍔部2aの突出幅Xおよび鍔部2aの厚さYは0.5mm以上とする。
【0021】
一方、鍔部2aの突出幅Xが、絶縁基体1の貫通孔1a内面から外側面までの厚さWを超える場合、超えている部位は絶縁基体1の一端面(下面)と全く接触していないため、締め付けトルクによる応力を絶縁基体1に伝達し応力を分散する機能を有しないものとなる。即ち、絶縁基体1の一端面と接触している部位は、延性に富む端子体2が締め付けトルクによる応力を有効に吸収緩和し、絶縁基体1に印加される応力を、ろう材6のみを介することなく鍔部2aの接触部位とろう材6とを介することで有効に分散できるのに対し、Wを超えている部位は応力を有効に分散させるものではない。また、鍔部2aは電極板Eに接続されるため、突出幅Xが厚さWを超えた場合電極板Eが大型化し、その結果電池が大型化する。従って、鍔部2aの突出幅Xは厚さW以下とする。
【0022】
一方、鍔部2aの厚さYが絶縁基体1の長さHを超える場合、絶縁基体1と端子体2とを接合する際に熱膨張係数差によって発生する応力は、端子体2の好ましい変形が起こりにくいため直接絶縁基体1へ伝わり易く、よって端子体2で吸収緩和できない分の応力が絶縁基体1にクラックを発生させる傾向がある。即ち、この場合端子体2の長さ(高さ)が非常に大きくなるため、その剛性が絶縁基体1の剛性よりも高くなり、そのため端子体2が適度に変形することによって絶縁基体1と端子体2との接合の際の応力を吸収緩和することができない傾向にある。その結果、絶縁基体1に鍔部2aを介して印加される応力が非常に大きくなり、絶縁基体1にクラックを発生させ、電池内部の気密性を損なわせることとなる。従って、鍔部2aの厚さYは絶縁基体1の長さH以下とする。
【0023】
なお、一般に絶縁基体1の厚さWは4.5mm程度、絶縁基体1の長さHは7mm程度であるが、電池用端子の大きさは種々のものがあるため、電池用端子としての実用的な大きさの点から、1mm<W<100mm、1mm<H<400mmとするのがよい。
【0024】
本発明において、端子体2にかかるトルク(JIS B 1083)は、2.4Nm程度以下が良く、2.4Nmを超えるとトルクによる応力がろう材6と鍔部2aの両方に大きくかかることになり、ろう材6にクラックが発生し易くなる。
【0025】
上記のような大きさ、寸法の鍔部2aを有する端子体2は、その上端部を絶縁基体1から突出させた状態で、その上端部の側面が、絶縁基体1の一方の端面から面取り部Cにかけて被着させたメタライズ層4にろう材6を介して接合されている。そこで、例えば端子体2がアルミニウムから成る場合、ろう材6は接合を強固とするためにアルミニウムろう材とすることが好ましく、一方端子体2が銅から成る場合、ろう材6は接合を強固とするために金−銅ろう材とすることが好ましい。そして、端子体2下端面に電池の電極板Eを接続することにより、電極板Eを外部に電気的に接続する端子体として機能する。
【0026】
また、アルミニウムから成る端子体2をろう材6を介してメタライズ層4に接合するには、端子体2をその上端部が突出するようにして絶縁基体1の内側に挿入するとともに、メタライズ層4上であって端子体2の近傍に、例えばワイヤ状のアルミニウムろう材のプリフォームを端子体2を取り囲むように配置し、これを真空雰囲気中で約600℃の温度で加熱して溶融させることにより、端子体2とメタライズ層4とをろう付けすることによって行なわれる。
【0027】
このとき、面取り部Cに被着されたメタライズ層4の厚みや奥行きに大きなばらつきがないことから、メタライズ層4と端子体2とを接合するろう材6に過不足を発生させることがなく、そのため応力の偏りを発生させることがない。
【0028】
なお、絶縁基体1の貫通孔1aの内面と絶縁基体1の端面との間に形成された面取り部Cは、その端面からの奥行きが0.2mm未満であると、絶縁基体1と端子体2との接合強度が弱くなる傾向にある。他方、5mmを超えると、絶縁基体1のメタライズ層4に端子体2をろう付けする際に両者の熱膨張係数差によって大きな熱応力が発生し、これが絶縁基体1やろう材6に印加されて、それらにクラックを発生させ易いものとなる。また、絶縁基体1の端面に対する面取り部Cの角度は約30°〜60°程度の範囲が好ましく、なかでも約45°程度が最も好ましい。従って、上記面取り部Cは、端面からの奥行きが0.2mm〜5mmの範囲であることが良く、更には面取り部Cの角度は約30°〜60°程度が好ましい。
【0029】
絶縁基体1の外側面に接合されたフランジ3は、アルミニウムや銅等から成る金属製の円環体であり、例えばアルミニウムから成る場合、メタライズ層5にアルミニウムろう材から成るろう材7を介して接合される。そして、このフランジ3を電池の容器蓋Lに溶接することによって、本発明の電池用端子が電池の容器に固定される。
【0030】
フランジ3をろう材7を介してメタライズ層5に接合するには、絶縁基体1をフランジ3の内側に挿入するとともに、メタライズ層5上であってフランジ3の近傍に例えばワイヤ状のアルミニウムろう材を略全周にわたり配置し、これを真空雰囲気中で約600℃の温度で加熱してアルミニウムろう材を溶融させることにより、フランジ3をメタライズ層5にろう付けする方法が採り得る。
【0031】
なお、メタライズ層5は絶縁基体1の外側面の一部にのみ形成されており、メタライズ層5とフランジ3との接合部の幅および長さが短いことからろう付け時に発生する熱応力が小さいこと、およびフランジ3はろう付けにより絶縁基体1に対して主に圧縮応力を印加すること等から、圧縮応力に対して高い強度を示すアルミナセラミックス等からなる絶縁基体1にクラックが発生することはない。
【0032】
そして、このような電池用端子の端子体2の上面に、六角ボルト等で端子体2の上面の略中央部に設けられたボルト穴に圧着端子8を介して締め付ける際に、端子体2の上面と圧着端子8とが接触不良とならない程度に高いトルクによって締め付けることで、外部と電極板Eとの電気的接続がなされ電池として機能する。
【0033】
上記の如く、本発明の電池用端子は、絶縁基体1の略中央部に設けられた貫通孔1aに、鍔部2a(鍔部2aの端子体2側面からの突出幅をX、絶縁基体1の貫通孔1a内面から外側面までの厚さをW、鍔部2aの厚さをY、絶縁基体1の長さをHとした場合、0.5mm≦X≦Wかつ0.5mm≦Y≦Hの大きさを有する鍔部2a)が、絶縁基体1の容器内部側の端面(下面)に接触するように端子体2を挿通し、絶縁基体1の容器外部側の端面と端子体2の上部とをろう材付け接合するとともに、フランジ3を絶縁基体1の外側面にろう材付け接合することによって製作される。
【0034】
また、この電池用端子の端子体2の下端面を電極板Eに接続するとともにフランジ3を容器蓋Lに溶接し、更に端子体2の上面に圧着端子8を締め付けトルクにより圧接することによって、電池内部が気密に保持されるとともに電池内部と外部とが電気的に接続された電池として機能する。
【0035】
本発明の電池用端子は、電解液が封入された自動車等用の鉛畜電池などの端子として使用されるものであり、前記鉛畜電池と同様に電解液を用いた電池用であれば適用でき、その他比較的大型の種々の電池に応用可能である。
【0036】
かくして、本発明は、端子体2の上面に圧着端子8を締め付けトルクによって圧接しても、その際の応力でろう材6にクラックが発生するのを有効に防止できる。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何等支障ない。例えば、絶縁基体1の容器内部側の端面と端子体2の鍔部2aとは接触していれば良く、鍔部2aの接触部の形状は図3に示すように突起状となっていても良い。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、鍔部の端子体側面からの突出幅をX,鍔部の厚さをY,絶縁基体の貫通孔内面から外側面までの厚さをW,絶縁基体の長さをHとした場合、0.5mm≦X≦W(1.0mm<W)かつ0.5mm≦Y≦H(1.0mm<H)であることにより、外部との導通不良が発生しない程度のトルクによって圧着端子を締め付けても、ろう材にクラックが発生しないような構造とし得る。また、電池内部の気密性を良好に維持できるとともに、外部との電気的導通を良好なものとできる。その結果、電池の性能が長期にわたって安定化して長寿命化され、高い信頼性を有する電池となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池用端子の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】従来の電池用端子の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の電池用端子の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1:絶縁基体
1a:貫通孔
2:端子体
2a:鍔部

Claims (1)

  1. 電池の容器に形成された開口にその側部が接合されかつ前記容器の内外を貫通する貫通孔が形成された筒状の絶縁基体と、前記貫通孔に挿入されてその側面が前記容器の外部側で前記絶縁基体にろう付けされた棒状の端子体とを具備して成る電池用端子において、前記絶縁基体は、前記貫通孔の内周面と前記容器の外部側の端面との間に面取り部が形成されているとともに前記端面から前記面取り部にかけてメタライズ層が被着されており、該メタライズ層及び前記端子体が、前記面取り部と前記内周面との間の角部近傍まで垂れ込んだろう材を介してろう付けされており、さらに前記端子体は、前記容器の外部側の端面にネジ穴またはネジ部が設けられかつ内部側の端部に係止用の鍔部が形成されており、該鍔部の前記端子体側面からの突出幅をX,前記鍔部の厚さをY,前記絶縁基体の前記貫通孔内面から外側面までの厚さをW,前記絶縁基体の長さをHとした場合、0.5mm≦X≦W(1.0mm<W)かつ0.5mm≦Y≦H(1.0mm<H)であることを特徴とする電池用端子。
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