JP3878245B2 - ジアゾ染料および染色方法 - Google Patents
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- C09B62/24—Azo dyes
- C09B62/25—Disazo or polyazo dyes
Description
本発明はアゾ染料、その製造方法並びに染色および捺染方法における繊維反応性染料としてのその使用に関する。
【0002】
本発明によると、式(I)の化合物
【化5】
(式中、R1 は水素または−SO3 Hであり、
R2 はメチル、−NHCO−NH2 または−NHCOCH3 であり、そして、
R3 は水素、C1 - 4 アルキル、好ましくはメチルまたはエチル、または、CN、OH、Cl、F若しくは−SO3 Hで置換されたC1 - 4 アルキルである。)が提供される。
【0003】
式Iにより表される、より好ましい化合物は、式(Ia)
【化6】
である。
【0004】
式(I)の化合物は遊離酸であってもまたは塩の形態であってもよい。
【0005】
式(I)の化合物が塩の形態であるときに、スルホ基に結合するカチオンは重要でなく、そして、その塩が水溶性であるかぎり、繊維反応性染料の分野において従来から用いられている非発色性カチオンのいずれかであってよい。
【0006】
このようなカチオンの例はアルカリ金属カチオンおよび無置換アンモニウムカチオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−およびテトラメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、並びに、モノ−、ジ−およびトリエタノールアンモニウムである。好ましいカチオンはアルカリ金属カチオンおよびアンモニウムカチオンであり、ナトリウムカチオンが最も好ましい。
【0007】
式(I)の化合物において、スルホ基のカチオンは同一であってもまたは異なっていてもよく、例えば、それらは上記のカチオンの混合物であってよく、式(I)の化合物が混合塩の形態であってよいことを意味する。
【0008】
本発明は、別の態様において、化合物(I)の化合物、その塩またはその混合物の生成方法を提供し、この方法は、下記式
【化7】
の化合物を一般式
【化8】
の化合物と反応させることを含む。
【0009】
この縮合反応は、既知の方法により進行し、そして好ましくは20〜50℃、好ましくは30〜40℃の温度で、4〜5のpHで行われる。
【0010】
式(I)の化合物の別の調製方法は、下記式
【化9】
の化合物を、下記式
【化10】
(式中、X- は塩化物イオン、臭化物イオンであり、好ましくは塩化物イオンである。)と反応させることにより提供される。
【0011】
このカップリング反応は既知の方法により行われ、そして好ましくは0〜10℃、より好ましくは0〜5℃において、pH0〜2で、好ましくは0〜1で行われる。
【0012】
上記の各々の合成において、出発材料は、容易に入手できるか、または、市販されている原料から合成できる。
【0013】
式(I)の化合物は既知の方法により単離され、例えば、アルカリ金属塩による従来の塩析、濾過および必要に応じて真空下で且つ若干高温で行われてよい乾燥により単離されうる。
【0014】
反応および単離条件により、式(I)の化合物は遊離酸または好ましくは塩の形態或いは1種以上の上記のカチオンを含む混合塩の形態で生成されることができる。
【0015】
式(I)の化合物は、遊離酸の形態から塩の形態または塩の混合物の形態、或いは、その逆、或いは、ある塩の形態から別の塩の形態へ、従来の手段により転化されうる。式(I)の化合物、その塩およびその混合物は反応性染料である。それは、ヒドロキシル基含有若しくは窒素含有基材を染色し、そして捺染するのに適している。それはレッドシェードの染色物または捺染物を製造することができる。
【0016】
従って、本発明の別の態様によると、染色または捺染が上記の化合物、その塩またはその混合物により行われる、ヒドロキシル基含有若しくは窒素含有有機基材を染色し、または捺染する方法が提供される。
【0017】
好ましい基材として、挙げられるのは、革および繊維材料であり、それは、天然若しくは合成ポリアミド、および、特に天然または再生セルロース、例えば、綿、ビスコースまたはレーヨンステープル繊維からなりまたはそれを含む。通常、好ましい基材は綿からなる紡織繊維材料である。
【0018】
式(I)の化合物、その塩またはその混合物は、反応性染料の分野において一般的なあらゆる染色若しくは捺染方法の染浴若しくは捺染糊において用いられてよい。染色は、好ましくは、水性媒質からの吸尽法により、30〜80℃、より好ましくは50〜60℃の温度で、10〜80g/l、好ましくは10〜50g/l、より好ましくは10〜30g/lの塩含有分で行われる。製品/溶液比(即ち、基材の溶液に対する比)は4:1〜30:1であり、好ましくは6:1〜20:1である。
【0019】
本発明の更に別の態様において、上記の基材への染色または捺染における上記の化合物、その塩またはその混合物の使用方法が提供される。
【0020】
本発明の化合物およびその塩は既知の繊維反応性染料と良好な相溶性を有する。従って、本発明の化合物、その塩またはその混合物は染色若しくは捺染方法において、個別に用いられても、または、同種の他の反応性染料、即ち、同等の染色特性、例えば、堅牢度特性および同程度の染浴から基材への吸尽能力を有する反応性染料を含む混合染料若しくは捺染組成物中の一成分として用いられてもよい。特に、本発明の染料は、幅広いシェードを生じることができるために適切な比率で、同一若しくは他の適切な反応性基を有する特定の適切な黄色および青の染料との組み合わせで、三色染浴中で用いられてよい。この組み合わせで得られる染色物または捺染物は、本発明に係る個々の染料で製造される染色物および捺染物と同等である。
【0021】
式(I)の化合物、その塩またはその混合物は、染料として用いられるときに、良好な吸尽収率および定着率を提供する。更に、未定着の染料は基材から容易に洗浄除去できる。形成される染色物および捺染物は、良好な耐光堅牢度および耐湿堅牢度、例えば、洗濯、水、海水または汗に対する堅牢度を示す。これは、また、酸化剤、例えば、塩素化された水、次亜塩素酸塩ブリーチ、過酸化物ブリーチおよび過ホウ酸塩含有洗剤に対して良好な耐性を示す。
【0022】
次の実施例は本発明の例示である。実施例において、全ての部およびパーセントは、特に指示がないかぎり、重量基準であり、そして全ての温度は摂氏温度で与えられる。
【0023】
例1
47.8部の2−アミノ−5−ヒドロキシナフタレン−7−スルホン酸を25℃で500部の水中で攪拌し、そして水酸化ナトリウム30重量%溶液22部の添加により溶解させた。この溶液に、26.8部の2,4,6−トリフルオロピリミジンを30分にわたって滴下して加えた。同時に、炭酸ナトリウム20%溶液をこの混合物に連続的に加え、混合物のpHを4〜5に維持した。反応体温度は40〜45℃に上昇した。反応の終点はクロマトグラフィー技術を用いて決定した。
【0024】
得られた懸濁液を20〜25℃に冷却し、そして、0〜5℃、pH1で71.5部の4−アミノ−1,1’−アゾベンゼン−3,4’−ジスルホン酸および50体積部の4N亜硝酸ナトリウム溶液から形成されたジアゾニウム塩溶液の上に注いだ。得られたカップリング反応混合物のpHを、炭酸ナトリウム20%溶液を連続的に加えることにより7〜7.5に維持した。このように生成されたジアゾ化合物を従来の方法を用いて塩析し、濾過しそして真空下で50℃乾燥した。生成物は、下記式
【化11】
を有した。H2 O中、λmax=515nm。
【0025】
この生成物は綿をレッドシェードに染色した。得られた染色物は優れた耐光堅牢度および耐湿堅牢度を示し、そして酸化影響に対して耐性であった。
【0026】
例2
28.1部の2−アセトアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸の200部の25℃の水中での溶液を、0〜5℃、pH1で、35.8部の4−アミノ−1,1’−アゾベンゼン−3,4’−ジスルホン酸および25体積部の4N亜硝酸ナトリウム溶液から形成されたジアゾニウム塩溶液と混合した。得られたカップリング反応混合物のpHを、炭酸ナトリウム20%溶液を連続的に加えることにより8〜8.5に維持した。反応の終了時に、得られた生成物を吸引濾過しそして乾燥した。吸引濾過後のまだ濡れている残存物を水酸化ナトリウム4重量%溶液300部中に溶解させ、そして薄層クロマトグラフィーにより決定してアセチル基の鹸化が完了するまで、得られた溶液を90〜100℃に加熱した。下記式
【化12】
の、このように得られた化合物の溶液を20℃に冷却し、そして30%塩素酸を加えることにより、pHを5〜6に調節した。このpHで、26.8部の2,4,6−トリフルオロピリジンを30分にわたって滴下して加えた。この溶液のpHを、20%炭酸ナトリウム溶液の連続的な添加により維持し、反応混合物温度を40〜45℃に維持した。
【0027】
反応の完了時に、得られた染料を塩析し、濾過し、そして50℃で真空下で乾燥した。得られた染料は次の式を有した。
【化13】
H2 O中でのλmax=533nm。
【0028】
この染料は綿をレッドシェードに染色しそして捺染した。このように得られた染色物および捺染物は優れた耐光堅牢度および耐湿堅牢度並びに酸化影響に対する安定性を示した。
【0029】
表1は例1および例2と類似の方法により生成された数種の染料および用いた出発材料を示す。全ての場合に、得られた染料は、綿をレッドシェードに染色し、そして捺染し、このようにして得られた染色物および捺染物は優れた耐光堅牢度および耐湿堅牢度並びに酸化性影響に対して安定であった。
【化14】
【0030】
【表1】
【0031】
適用例A
例1の染料0.3部を脱イオン水100部に溶解させ、そして芒硝(焼成された)を加えた。染浴を50℃に加熱し、その後、10部の綿布帛(漂白されている)を加えた。50℃で30分後、炭酸ナトリウム(焼成された)0.4部を染浴に加えた。炭酸ナトリウムの添加の間に、温度を50℃に維持した。次に、染浴を60℃に加熱し、そして60℃で更に1時間染色を行った。
【0032】
染色された布帛を、その後、流水で3分間濯ぎ、そしてその後、温水を流して更に3分間濯いだ。この染色物を、沸騰状態で15分間、脱イオン水500部中で、マルセイユソープ0.25部の存在下で洗った。温水を流しながら濯ぎ(3分間)、そして遠心分離した後、染色物を約70℃でキャビネット乾燥機中で乾燥した。赤い綿の染色物が得られ、良好な耐光堅牢度および、特に、高い耐湿堅牢度を示し、それは酸化性影響に対して安定であった。
【0033】
適法例B
脱イオン水100部および芒硝(焼成された)3gを含む染浴に、10部の綿布帛(漂白された)を加えた。この染浴を10分以内に50℃に加熱し、そして例1の染料0.5部を加えた。50℃で更に30分後、1部の炭酸ナトリウム(焼成された)を加えた。その後、染浴を60℃に加熱し、そして染色を更に45分間続けた。
【0034】
染色された布帛を、その後、適用例Aの方法により、流水で3分間濯ぎ、そしてその後、温水を流して濯ぎ、更に沸騰状態で濯いだ。濯ぎおよび乾燥後、赤い綿の染色物が得られ、それは、適用例Aに示したのと同一の堅牢度特性に関して良好であった。
【0035】
同様に、例2〜15の染料、または示した染料の混合物を用いて、適用例AまたはBに記載の方法により綿を染色した。このようにして得られた綿の染色物は赤であり、そして良好な堅牢度特性を示した。
【0036】
適用例C
40部の例1の染料、
100部の尿素、
350部の水
500部の4%アルギン酸ナトリウム増粘剤、および、
10部の重炭酸ナトリウム、
合計1000部
からなる捺染糊を、従来の捺染法を用いて綿布帛に適用した。捺染された布帛を乾燥し、そして102℃〜104℃のスチームで4〜8分間定着させた。それを冷水、次に温水で濯ぎ、沸騰状態で洗浄して(適用例Aに記載の方法により)、そして乾燥した。赤の捺染物が得られ、それは良好な一般堅牢度特性を有した。
【0037】
同様に、例2〜15の染料、または示した染料の混合物を用いて、適用例Cに記載の方法により綿を捺染した。得られた全ての捺染物は赤であり、そして良好な堅牢度特性を示した。
Claims (7)
- R3 が水素、メチル、エチル、または、OH、CN、Cl、F若しくは−SO3 Hで置換されたC1 - 4 アルキルである、請求項1記載の化合物またはその塩。
- 請求項1記載の化合物、その塩またはその混合物で染色または捺染を行う、ヒドロキシル基含有若しくは窒素含有有機基材を染色しまたは捺染する方法。
- 請求項1記載の化合物、その塩またはその混合物で染色されまたは捺染された、ヒドロキシル基含有若しくは窒素含有基材。
- 請求項1記載の化合物、その塩またはその混合物で染色されまたは捺染された綿からなる、または前記綿を含む、紡織材料。
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