JP3876945B2

JP3876945B2 - 液体洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP3876945B2
Application number: JP37024797A
Authority: JP
Inventors: 英之金田
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1997-12-26
Filing date: 1997-12-26
Publication date: 2007-02-07
Anticipated expiration: 2017-12-26
Also published as: JPH11193398A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、被洗物を洗浄する際に洗浄力を向上させるために添加される酵素を、より長期間安定化させることのできる酵素含有液体洗浄剤組成物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年では、消費者の利便性・流通の効率化のため高濃度界面活性剤を用いた標準使用量が少量で済む液体洗浄剤（界面活性剤濃度２０〜５０％）、いわゆるコンパクト洗剤が主流となってきている。このコンパクト洗剤に於いて、洗浄力を向上させるためアルカノールアミン（モノ及びジ及びトリエタノールアミン）などのアルカリ剤を配合するといった技術が既に確立されている。しかし、アルカリ剤を配合しｐＨが高く（ｐＨ９以上）なることにより酵素の安定性が劣化する等の問題があった。
一方、液体洗浄剤組成物中での酵素の保存安定性を向上させる技術としては、特開平２−２７６８９９、特開昭６２−５９６等にホウ素化合物とポリオールとの混合物よりなる酵素安定系が開示されているが、ホウ酸やホウ砂を用いることでアルカリ剤の効果を阻害し、本来の洗浄液のｐＨを低下させ洗浄力に悪影響を及ぼすといった問題が懸念される。また、特表平８−５１０７８６ではポリエーテルなどのポリマーと多価アルコールの組合せによる酵素の安定化技術が挙げられているが、安定化剤の配合量が多くコストや界面活性剤共存系への応用は困難と考えられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アルカリ剤配合系においても酵素の安定化が可能な酵素安定系を提供する。また、アルカリ剤配合系においても酵素が安定な液体洗浄剤組成物も提供する。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ね、（ａ）非イオン界面活性剤、（ｂ）（メタ）アクリル酸／（メタ）アクリル酸エステル共重合体、（ｃ）ポリエチレングリコール、（ｄ）酵素及び（ｅ）アルカリ剤を含有し、（ｂ）：（ｃ）＝１：１００〜１：１０（質量比）の割合で併用することにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。以下、詳細に説明する。本発明における酵素安定化組成物は、（メタ）アクリル酸／（メタ）アクリル酸エステル共重合体及びポリエチレングリコールからなる。（メタ）アクリル酸／（メタ）アクリル酸エステル共重合体は、下式（１）で示すアクリル酸及び／またはメタアクリル酸とアクリル酸アルキルエステル及び／またはメタアクリル酸アルキルエステルを共重合させた化合物である。
【０００５】
【化１】

【０００６】
好ましくは、ａ／ｂ＝１０／９０〜９０／１０、さらに好ましくは２０／８０〜６０／４０の範囲（モル）の共重合体である。
本発明における特に好ましい共重合体としては、例えば下記（２）式のモノマー単位を共重合した化合物があげられる。
【０００７】
【化２】

【０００８】
上記共重合体は、酵素含有組成物中、０．０５〜３％、好ましくは０．１〜１％配合する。０．０５％以下では酵素安定化に効果が十分でなく、３％以上では高粘度になり使用性が悪くなる。本発明の酵素安定化組成物におけるポリエチレングリコールは、上記共重合体と併用し酵素安定化剤の効果を相乗的に向上させる。好ましくは平均分子量１００〜１００００、好ましくは２００〜２０００のものであり、配合量としては０．１〜１０％、好ましくは１〜１０である。また、上記（メタ）アクリル酸／（メタ）アクリル酸エステル共重合体：ポリエチレングリコール＝１：１００〜１：１０の範囲で配合し、１：５０〜１：１５が好ましい。
【０００９】
本発明は、上記酵素安定系を配合した液体洗浄剤組成物を提供する。本発明における液体洗浄剤組成物は、非イオン界面活性剤、酵素、酵素安定系を含有し、酵素安定系が（メタ）アクリル酸／（メタ）アクリル酸エステル共重合体及びポリエチレングリコールからなる酵素安定化組成物であることを特徴とする液体洗浄剤組成物である。さらにアルカリ剤を含有する。すなわち、
（ａ）非イオン界面活性剤
（ｂ）（メタ）アクリル酸／（メタ）アクリル酸エステル共重合体
（ｃ）ポリエチレングリコール
（ｄ）酵素
（ｅ）アルカリ剤を含有することを特徴とする液体洗浄剤組成物である。
【００１０】
本発明の（ａ）成分である非イオン性界面活性剤は一種でも混合して用いても良い。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのアルコールエトキシレート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテルなどのＥＯＰＯ付加型ノニオン、アルキルグリコシドなどの糖系界面活性剤などがあげられる。好ましい非イオン界面活性剤は、炭素数８〜１６の直鎖または分岐鎖の第１級または第２級アルコールのエチレンオキサイド５〜１５モル、プロピレンオキサイド０〜３モル付加物である。
【００１１】
アニオン活性剤としては、アルキルベンゼン硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、脂肪酸塩などがあげられる。
両性活性剤としては、カルボキシベタイン、スルホベタイン、アミノ酸系界面活性剤などがあげられる。
カチオン活性剤としては、モノ・ジまたはトリアルキル四級塩などがあげられる。
また、配合する活性剤の総量の好ましい範囲は、２０〜６０％である。
【００１２】
本発明の液体洗浄剤組成物における（ｂ）及び（ｃ）成分は、前述の酵素安定化系にて詳述した（メタ）アクリル酸／（メタ）アクリル酸エステル共重合体（ｂ）、ポリエチレングリコール（ｃ）である。
【００１３】
（ｄ）成分の酵素としてはプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼが挙げられ、これらは一種でも混合して用いてもよい。特に、プロテアーゼが液体洗剤中、好的に用いられる。市販プロテアーゼとしては、アルカラーゼ（ノボノルディスクバイオインダストリー社製プロテアーゼ）や、サビナーゼ（ノボノルディスクバイオインダストリー社製プロテアーゼ）、デュラザイム（ノボノルディスクバイオインダストリー社製プロテアーゼ）、ニュートラーゼ（ノボノルディスクバイオインダストリー社製プロテアーゼ）、マキサターゼ（ジェネンコア社製プロテアーゼ）、マキサペム（ジェネンコア社製プロテアーゼ）などが挙げられる。また、配合する酵素の総量は、通常０．１〜１％である。
【００１４】
（ｅ）成分のアルカリ成分としては、水酸化ナトリウム等の無機水酸化物、モノエタノールアミン（ＭＥＡ）やジエタノールアミン（ＤＥＡ）、トリエタノールアミン等（ＴＥＡ）のアルカノールアミン等があげられる。アルカノールアミンが好ましく、ジエタノールアミンが特に好ましい。アルカリ剤は、好ましくは１〜１５％、更に好ましくは５〜１１％配合する。
【００１５】
（ｆ）その他任意成分
本発明の液体洗剤組成物には、任意に以下の各成分を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。
・Ｃａキレート剤
・エタノール、メタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、トリアルキレングリコールブチルエーテル等のハイドロトロープ剤
・粘度調整剤
・塩酸、硫酸、有機酸等のｐＨ調整剤
・安息香酸（塩）等の抗菌剤
・ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤
・香料、蛍光剤、色素
【００１６】
本発明の液体洗浄剤組成物のｐＨは任意に設定できるが、好ましくは６〜１１、さらに好ましくは８〜１１、最も好ましい範囲は９〜１１である。
また、液体洗浄剤の粘度は使用形態により任意に適当な値で設定されるべきである。例えば、計量キャップを備えた容器に収容される希釈して使用するタイプの場合は、５〜１５０ｃｐ（２５℃）、被洗物に直接塗布するタイプの場合は、２０〜５００ｃｐ、好ましくは５０〜３００ｃｐ（２５℃）の範囲に設定すると、使用性が良好である。
【００１７】
【発明の効果】
本発明によれば洗浄力が良好で、かつ酵素の保存安定性の良好な液体洗浄剤を提供できる。
【００１８】
【実施例】
次に実施例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、酵素の保存安定性については、液体洗剤組成物５０ｍｌをガラス瓶に入れ、３５℃で４週間保存した後、ジメチルカゼインを基質として酵素活性を測定し、保存前の酵素活性に対する度合いを百分率（％）で表した。
以下の実施例及び比較例においては、以下のノニオン界面活性剤を使用した。
【００１９】
１．ノニオン界面活性剤Ａ
ダイアドール１３／天然Ｃ１２アルコールの３／１混合アルコールに、平均７モルのエチレンオキサイドを付加させたノニオン界面活性剤
ここで、ダイアドール１３は、炭素数１３を主成分とする分岐鎖含有高級アルコール（直鎖率６０％）（三菱化学（株）製）である。
２．ノニオン界面活性剤Ｂ
ダイアドール１３／天然Ｃ１２アルコールの３／１混合アルコールに、平均８モルのエチレンオキサイドを付加させたノニオン界面活性剤
３．ノニオン界面活性剤Ｃ
ダイアドール１３／天然Ｃ１２アルコールの３／１混合アルコールに、平均９モルのエチレンオキサイドを付加させたノニオン界面活性剤
４．ノニオン界面活性剤Ｄ
ダイアドール１３に、平均１５モルのエチレンオキサイドを付加させた後、平均３モルのプロピレンオキサイドを付加させて得られたノニオン界面活性剤
５．ノニオン界面活性剤Ｅ
ソフタノール９０（（株）日本触媒製）
【００２０】
以下の実施例において、以下の共重合体を使用した。
１．共重合体：レオアールＭＳ−２００（ライオン（株）製）
平均分子量２００万
メタクリル酸／アクリル酸エチル／アクリル酸ブチル＝３４／５９／７
２．共重合体：レオアールＭＳ−１００（ライオン（株）製）
平均分子量１００万
メタクリル酸／アクリル酸エチル／アクリル酸ブチル＝３４／５９／７
３．共重合体：平均分子量８０万
メタクリル酸／アクリル酸エチル／アクリル酸ブチル＝３３／６３／４
【００２１】
【表１】

【００２２】
【表２】

Claims

（ａ）非イオン界面活性剤
（ｂ）（メタ）アクリル酸／（メタ）アクリル酸エステル共重合体
（ｃ）ポリエチレングリコール
（ｄ）酵素
（ｅ）アルカリ剤
を含有し、（ｂ）：（ｃ）＝１：１００〜１：１０（質量比）であることを特徴とする液体洗浄剤組成物。