JP3868030B2 - セメント添加剤組成物ならびにセメント配合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメント添加剤組成物ならびにセメント配合物に関するものである。詳しく述べると、優れた防凍性および乾燥収縮低減性を付与するセメント添加剤組成物ならびに該セメント添加剤組成物をモルタルないしコンクリートに配合してなるセメント配合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、寒冷地におけるセメントモルタルやコンクリートの施工工事における凍害を防止するために、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、尿素、さらし粉等の無機物や、エタノール、エチレングリコール等の有機化合物が使用されてきた。
【0003】
しかしながら、上記無機物のうち、塩類は、鉄筋を腐食させたり、アルカリ骨材反応を促進させたりするため、その使用が著しく制限されている。また、尿素は、コンクリート中のアルカリ環境下では徐々に分解して悪臭のアンモニアガスが発生することが知られている。さらし粉は、有害で、しかも、鉄筋を腐食させるという欠点があった。さらに、エタノール、エチレングリコール等の有機化合物は、コンクリートの凍結温度を下げるためには、比較的多量の添加量を必要とするが、多量添加した場合には、コンクリートの凝結遅延が生じるという問題がある。
【0004】
このような現状に鑑みて、近年、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム等の(亜)硝酸塩やポリグリコールエステル誘導体等の使用が提案されているが、上記問題はなお未解決である。
【0005】
一方、セメントやコンクリートは、凝結硬化時に乾燥収縮するためにひび割れが生じる。
【0006】
乾燥収縮を抑制するためには、石こう、カリ明ばん、カルシウムサルホアルミネート、半水石こう、炭酸カルシウム等の膨張剤系の収縮低減剤が使用されてきたが、これらの膨張剤系の収縮低減剤は、大幅な乾燥収縮低減には至っていないのが実情である。
【0007】
これらの膨張剤系の収縮低減剤に代わって、ポリアルキレングリコール系の収縮低減剤が提案されている(特開昭56−37259号、特開昭59−184753号等)。しかしながら、これらのポリアルキレンギリコール系の収縮低減剤は比較的良好な評価を得ているが、大幅な低減効果を発現させるためには、多量の添加を必要とするものであった。
【0008】
また、吸油性粉状体に、上記有機系低減剤を吸収せしめてなる収縮低減用添加剤が低減されている(特公平7−64607号)。しかしながら、その目的とするところは、セメントに直接ドライブレンドできる添加剤の提供にある。該添加剤は、モルタルまたはコンクリート製造時の水と接触すると、有機系低減剤が担体である吸油性粉状体から直ちに放出されて水中に溶解するため徐放性がない。このため、所望の収縮低減効果を得ようとした場合、吸油性の粉状体に吸収してない形態、すなわち有機低減剤の単独使用の場合より高い添加量を必要とした。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、新規なセメント添加剤組成物を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、腐食、アルカリ骨材反応の促進、悪臭発生、有毒ガス発生や凝結遅延の恐れがなく、少量添加でも著しい防凍性を発現するセメント添加剤組成物を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、凝結遅延の恐れがなく、しかも少量添加でも著しい収縮低減効果を発現するセメント添加剤組成物を提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、セメントモルタル、コンクリート等に配合されたときに、薬剤の徐放性に優れたセメント添加剤組成物を提供することにある。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、上記セメント添加剤組成物をモルタルないしコンクリートに配合してなるセメント配合物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記諸目的は、下記(1)〜(7)により達成される。
【0015】
(1) 一般式(1)
R(OA)nOH (1)
(ただし、式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基、Aは炭素原子数2〜3のアルキレン基を表わし、またnは1〜20の整数を表わす。)で表わされるアルキレングリコール化合物を、(a)アクリル酸塩架橋重合体;(b)アクリル酸塩−アクリル酸架橋共重合体;(c)イソブチレン−マレイン酸架橋共重合体;(d)澱粉−アクリル酸塩グラフト重合体;(e)ビニルアルコール−アクリル酸塩架橋重合体;(f)N−ビニルホルムアミド架橋重合体、N−ビニルアセトアミド架橋重合体、N−ビニルプロピオンアミド架橋重合体およびN−ビニルブチルアミド架橋重合体より選ばれた少なくとも1種のN−ビニルアミド系架橋重合体;(g)N−ビニル−2−ピロリドンおよびN−ビニル−ε−カプロラクタムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のN−ビニルラクタム系架橋重合体および(h)一般式(2)
【化2】
(ただし、式中、R 1 は水素原子またはメチル基、Xは全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル分率50モル%以上である炭素原子数が2〜4のオキシアルキレン基、Yは炭素原子数1〜5のアルコキシ基、フェノキシ基および炭素原子数1〜9のアルキル基を1〜3個置換基として有するオキシアルキルフェニル基よりなる群から選ばれた基であり、またmは平均3〜100の整数である。)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)および該(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)からなる単量体成分から導かれる架橋重合体よりなる群から選ばれた、該アルキレングリコール化合物で膨潤し得る少なくとも1種の吸液性樹脂に吸収させてなるセメント添加剤組成物。
【0016】
(2) 該吸液性樹脂が(f)N−ビニルアミド系架橋重合体、(g)N−ビニルラクタム系架橋重合体および(h)一般式(2)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)および該(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)からなる単量体成分から導かれる架橋重合体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の重合体である前記(1)に記載のセメント添加剤組成物。
【0017】
(3) 該吸液性樹脂が前記(h)一般式(2)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)および該(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)からなる単量体成分から導かれる架橋重合体である前記(1)に記載のセメント添加剤組成物。
【0018】
(4) 前記(h)一般式(2)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)および該(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)からなる単量体成分から導かれる架橋重合体において、(メタ)アクリル酸系単量体(A)20〜100重量%に対して(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)が80〜0重量%(ただし、(A)と(B)の合計は100重量%である。)である単量体から導かれるものである前記(3)に記載のセメント添加剤組成物。
【0019】
(5) 該吸液性樹脂の平均粒径が10〜500μmである前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のセメント添加剤組成物。
【0020】
(6) 該吸液性樹脂は表面架橋されたものである前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のセメント添加剤組成物。
【0021】
(7) 前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のセメント添加剤組成物をモルタルないしコンクリートに配合してなるセメント配合物。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のセメント添加剤組成物において使用されるアルキレングリコール化合物は、一般式(1)
R(OA)nOH (1)
で表わされる化合物であり、式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基、好ましくは水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基、Aは炭素原子数2〜3のアルキレン基を表わし、またnは1〜20、好ましくは2〜10の整数を表わす。しかして、前記R、Aおよびnのうち、少なくとも一つが前記範囲を外れたアルキレングリコール化合物を用いても、本願発明のように防凍性および収縮低減性に優れたセメント添加剤組成物は得られないのである。
【0023】
このようなアルキレングリコール化合物としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、オキシエチレンとオキシプロピレンのランダムまたはブロック共重合物、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、プロポキシポリエチレングリコール、イソプロポキシポリエチレングリコール、ブトキシポリエチレングリコール等を挙げることができる。これらのアルキレングリコール化合物は1種または2種以上の混合物として用いることができる。
【0024】
前記アルキレングリコール化合物を吸収させる樹脂としては、該アルキレングリコール化合物で膨潤され得るものであれば、特に制限はなく、該アルキレングリコールを吸収して膨潤し、通常、ゲルを形成する。膨潤し得ない樹脂の場合、アルキレングリコール化合物を徐放しないため、乾燥収縮低減効果および防凍効果が劣るものである。
【0025】
このような樹脂としては、一例を挙げると、例えば、アクリル酸塩架橋重合体;アクリル酸塩−アクリル酸架橋共重合体;イソブチレン−マレイン酸架橋共重合体;澱粉−アクリル酸塩グラフト重合体;ビニルアルコール−アクリル酸塩架橋重合体;N−ビニルホルムアミド架橋重合体、N−ビニルアセトアミド架橋重合体、N−ビニルプロピオンアミド架橋重合体、N−ビニルブチルアミド架橋重合体等のN−ビニルアミド系架橋重合体;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム等のN−ビニルラクタム系架橋重合体、一般式(2)
【0026】
【化3】
【0027】
で表わされる(メタ)アクリル酸系単量体(A)20〜100重量%および該(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)80〜0重量%(ただし、(A)と(B)の合計量は100重量%である。)からなる単量体成分から導かれる架橋重合体等があり、これらの1種または2種以上の混合物として用いることができる。なかでも、N−ビニルアミド系架橋重合体、N−ビニルラクタム系架橋重合体および一般式(2)より導かれる架橋重合体が好ましく、特に好ましい重合体は、一般式(2)より導かれる架橋重合体である。
【0028】
なお、一般式(2)において、R1 は水素原子またはメチル基、好ましくはメチル基、Xは全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル分率50モル%以上、好ましくは70モル%以上である炭素原子数が2〜4、好ましくは2〜3のオキシアルキレン基、Yは炭素原子数1〜5、好ましくは1〜3のアルコキシ基、フェノキシ基および炭素原子数1〜9、好ましくは1〜5のアルキル基を1〜3個、好ましくは1〜2個置換基として有するオキシアルキルフェニル基よりなる群から選ばれた基、好ましくは炭素原子数1〜3のアルコキシ基であり、またmは平均3〜100、好ましくは5〜30の整数である。
【0029】
一般式(2)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系単量体の具体例としては、例えばメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ベンジルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0030】
一般式(2)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系単量体は単独で用いてもよく、(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な他の単量体と混合して用いてもよい。
【0031】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な他の単量体の使用比率は前者20〜100重量%、後者80〜0重量%とするのが好ましい。特に好ましくは、前者40〜70重量%、後者60〜30重量%である。すなわち、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の使用比率が20重量%未満の少ない使用量の場合、前記一般式(1)R(OA)nOHで表わされるアルキレングリコール化合物に対する吸液性が低下する傾向がある。
【0032】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な他の単量体としては特に制限はないが、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸およびこれらの中和物や部分中和物等の不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびこれらの中和物や部分中和物等の不飽和ジカルボン酸系単量体;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸およびこれらの中和物や部分中和物等の不飽和スルホン酸系単量体;(メタ)アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系単量体;(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、3−メチル−3ブテン−1−オール(イソプレノール)、ポリエチレングリコールモノイソプレノールエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプレノールエーテル、3−メチル−2−ブテン−1−オール(プレノール)、ポリエチレングリコールモノプレノールエーテル、ポリプロピレングリコールモノプレノールエーテル、2−メチル−3−ブテン−2−オール(イソプレンアルコール)、ポリエチレングリコールモノイソプレンアルコールエーテル、ポリプロピレングリコールモノイソプレンアルコールエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリセロールモノアリルエーテル、ビニルアルコール等の水酸基含有単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のカチオン性単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体;(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクアリルアミドメタンホスホン酸メチルエステル、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸等の燐含有単量体等を挙げることができる。これらの共重合単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
このうち、不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和スルホン酸系単量体およびこれらの混合物が(メタ)アクリル酸エステル系単量体との共重合性に優れ、しかもアルキレングリコール化合物に対する吸液性にも優れるため特に好ましい。
【0034】
重合の方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、逆層懸濁重合法などを採用することができる。重合溶媒としては、水、水と水に溶解し得る有機溶媒との混合溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の疎水性溶媒等が使用できる。なかでも、水を溶媒とする溶液重合法が安価に製造できるため特に好ましい。溶液重合法の場合、溶媒中の単量体濃度(以下、モノマー濃度と称する。)は特に制限されるものではないが、重合反応の制御の容易さ、経済性、反応収率等を考慮に入れて、モノマー濃度が20重量%以上、飽和濃度以下の範囲内、好ましくは30〜95重量%の範囲内、さらに好ましくは40〜70重量%の範囲内となるように設定すればよい。モノマー濃度が20重量%未満の場合は、溶媒の使用量が過多となり、経済性や反応収率等が低下するため好ましくない。モノマー濃度が飽和濃度以上の場合には、重合反応が不均一となると共に、重合反応の反応熱(重合熱)を除去することが困難となるため好ましくない。
【0035】
重合開始剤としては、具体的には例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等の水溶性アゾ化合物;アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4ジメチルバレロニトリル)等の油溶性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、過酢酸、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド等の有機系過酸化物等のラジカル重合開始剤が挙げられるが特に限定されるものではない。これらの重合開始剤は単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0036】
また、これら重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用し、両者を組み合わせることによりレドックス系開始剤とすることもできる。具体的には、例えば、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が挙げられるが特に限定されるものではない。なお、重合開始剤を用いる代わりに、反応系に放射線、電子線、紫外線等を照射することにより重合反応を行なってもよい。
【0037】
上記単量体等を重合させてアルキレングリコール化合物で膨潤し得る樹脂を得るには、上記単量体等と共に、必要に応じて架橋剤の存在下で重合すればよい。また、上記単量体等を重合した後、架橋剤を添加して加熱等により架橋を促進させて得ることもまた可能である。また、上記単量体等を重合した後、γ線等の放射性を照射して架橋して得ることも可能である。
【0038】
上記の架橋剤としては、具体的には、例えば、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、N,N−メチレンビスアクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等の一分子中にエチレン系不飽和基を二個以上有する化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブトウ糖等の多価アルコール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル糖のポリエポキシ化合物が挙げられる。これらの架橋剤は単独で用いてもよく、二種以上を適宜混合して用いてもよい。
【0039】
架橋剤を用いることにより、得られる架橋重合体の架橋密度を任意の値に制御することが可能である。上記の架橋剤のうち、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましく、前記単量体にポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを添加して重合時に架橋することが好ましい。
【0040】
また、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを構成するエチレンオキサイドの付加モル数は4〜100モルの範囲内が好ましく、架橋効率の点から、5〜50モルの範囲内が特に好ましい。なお、架橋剤としてポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート以外の化合物を用いる場合においても、該化合物と共に、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。架橋剤の使用量としては、単量体1モルに対して、1×10-5〜5×10-2モルの範囲内が好ましく、5×10-4〜2×10-2の範囲内が特に好ましい。すなわち、架橋剤のモル比が1×10-5よりも小さい場合には、得られる架橋重合体の架橋密度が小さくなり過ぎ、耐久性等に問題が生じる場合がある。一方、架橋剤のモル比が5×10-2よりも大きい場合は、得られる架橋重合体の架橋密度が高くなり過ぎてポリアルキレングリコール化合物に対する吸液性が低下する傾向にある。
【0041】
また、架橋剤として多価アルコールを用いる場合には、重合反応後、得られた反応生成物を150〜250℃、好ましくは180〜220℃で加熱処理することが好ましい。また、架橋剤としてポリエポキシ化合物を用いる場合には、重合反応後、得られた反応生成物を50〜250℃、好ましくは100〜200℃で加熱処理することが好ましい。
【0042】
反応温度は、単量体、架橋剤、溶媒および重合開始剤の種類や組み合わせ、使用量等にもよるが、反応が完結し、しかも得られる架橋重合体の基本分子量が大きくなるように比較的低温の方が好ましい。反応温度は、例えば、20〜100℃の範囲内が好適である。なお、反応時間は特に制限されるものではなく、反応温度等に応じて適宜設定すればよい。
【0043】
重合反応を行なう際の重合容器等の反応器は特に制限されるものではないが、重合反応後、得られた反応生成物を簡単に破砕することができるように、(双軸型)ニーダーが特に好ましい。また、反応系は重合を行なう際に攪拌されていてもよく、また、静置されていてもよく、また攪拌と静置が組合わさった重合形態であってもよい。このうち、静置重合が最も好ましい。静置重合を行なうことにより、架橋重合体中におけるいわゆる可溶分が少なくなり、セメントの硬化遅延等の悪影響がなくなるため好ましい。なお、静置重合を行なう場合は、重合反応後、得られた反応生成物を破砕することが好ましい。
【0044】
重合反応によって得られる反応生成物は、そのまま、あるいは、必要に応じて亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜二チオン酸塩、亜硝酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩等の還元性無機塩を添加して該反応生成物中の残留モノマー量を低下させた後、乾燥機等を用いて乾燥される。乾燥温度は100〜180℃が好ましく、120〜140℃がさらに好ましい。また、減圧下で乾燥(減圧乾燥)することも可能である。不活性ガス気流下で加熱乾燥することが特に好ましい。乾燥物である架橋重合体は、必要に応じてハンマーミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて粉砕される。常圧乾燥の場合、乾燥温度が100℃未満の場合には反応生成物を充分に乾燥させるのに時間がかかるため好ましくない。乾燥温度が180℃を越える場合、架橋重合体の種類によっては、熱により劣化する場合があり好ましくない。
【0045】
架橋重合体は、その物性や特性、例えばポリアルキレングリコール系有機化合物の浸透性や分散性、吸液速度等を向上させるために、その表面に種々の加工や修飾等が施されていてもよい。すなわち、架橋重合体は、例えば、架橋重合体の表面近傍に、さらに架橋構造を導入する表面処理を施されていれもよい。上記の表面処理を施すことにより、架橋重合体は初期吸液速度(吸液開始直後の吸液速度)がより一層速くなる。
【0046】
上記の表面処理を施す際に用いられる表面架橋剤は、例えば、架橋重合体がカルボキシル基および/またはカルボキシレート基を含有する場合、該カルボキシル基および/またはカルボキシレート基と反応可能な官能基を分子内に2個以上含有する化合物が好適である。上記の表面架橋剤としては、具体的には、例えばグリセリン、エチレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール;エチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン;グルタルアルデヒド、グリオキザール等の多価アルデヒド;(ポリ)塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の多価金属塩等が挙げられる。これらの表面架橋剤は単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0047】
表面架橋剤の使用量は特に限定されるものではないが、架橋重合体に対して0.005〜5重量%、特に0.01〜2重量%の範囲内が好ましい。また、上記の表面処理を施す際の処理方法は特に限定されるものではない。例えば、粉体状の架橋重合体に表面処理剤をそのまま、あるいは適当な溶媒に溶解させた溶液の状態で混合した後、必要に応じて加熱することにより表面処理を施してもよく、また架橋重合体を疎水性の有機溶媒に分散させた後、該分散液に表面架橋剤を添加し、次いで必要に応じて加熱することにより表面処理を施してもよい。
【0048】
本発明におけるセメント添加剤組成物は、アルキレングリコール化合物が吸液性樹脂に吸液されているものであり、その形状は通常ゲル状である。吸液量については特に制限はないが、吸液性樹脂1重量部に対してアルキレングリコール化合物を1〜200重量部、特に10〜100重量部、吸液させることが好ましい。すなわち、1重量部未満の少ない吸液量では、所望の防凍効果ならびに収縮低減効果が得られない場合がある。また、200重量部を越える場合、吸液性樹脂に吸液しきれなくなり、無駄にアルキレングリコール化合物を使用することになり好ましくないものである。
【0049】
アルキレングリコール化合物の吸液性樹脂への吸液のさせかたとしては特別の制限はない。アルキレングリコール化合物単独を吸液性樹脂に吸液してもよし、アルキレングリコール化合物とアルキレングリコール化合物と相溶性のある溶媒との混合液を吸液性樹脂に吸液してもよい。このようなアルキレングリコール化合物を可溶化する溶媒としては例えば、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒などを例示することができる。吸液させる時の温度としては特に制限はないが、常温〜100℃が好ましい。吸液性樹脂の粒子径は特別の制限はないが、通常、平均粒子径として1〜1000μm、好ましくは10〜500μmのものが賞用される。すなわち、1μmより小さな粒子径のものは、取扱性が悪い。また、1000μmを越える粒子径のものは、所望の防凍効果ならびに収縮低減効果が得られない場合がある。
【0050】
このようして得られるセメント添加剤組成物は、セメントに対して直接あるいはセメントと砂、セメントと砂と砂利との混合物あるいはセメントモルタル、コンクリート等に配合して使用される。該セメント添加剤組成物のセメントモルタル、コンクリート等に対する配合量は、セメントに対して0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、例中の部は重量部を表し、%は重量%を表すものとする。
【0052】
製造例1
温度計を備えた容量10リットルのジャケット付ニーダー(内面は3フッ化エチレンでライニング処理)に43%メタクリル酸ナトリウム水溶液2448部(32重量%)およびメトキシポリエチレングリコール(E0付加モル数9)メタクリレート2247部(68重量%)、架橋剤としてポリエチレングリコール(E0付加モル数8)ジメタクリレート4.74部(対単量体0.07モル%)およびイオン交換水741部を仕込んだ。系内を窒素置換した後、ニーダーのブレードを回転させながらジャケットに45℃の温水を通水して内容物を45℃に昇温した。次いで、重合開始剤として、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩10%水溶液59部(対単量体0.15モル%)を添加して20秒間攪拌し溶解した後、攪拌を停止した。この時の単量体濃度は60%であった。直ちに重合が開始して74分でピーク温度85℃に到達した。この間、ジャケット温度は内容物とほぼ等しくなるように昇温した。次いで、ジャッケト温度を80℃に調節して30分間熟成した。熟成終了後、分子量が1.3万のポリエチレングリコール60%水溶液55部を添加した後、ブレード回転数40rpmで10分間の解砕を行った。ニーダーを反転して、含水ゲルをニーダーの重合容器から取り出した。かくして得られた微細な含水ゲルを窒素気流乾燥機で150℃、3時間乾燥した。乾燥後、ハンマーミルを用いて粉砕して平均粒子径が230μmの架橋重合体である吸液性樹脂を得た。
【0053】
該吸液性樹脂1部に、攪拌下に、エチレングリコール49部を1時間かけて滴下した後、60〜80℃で3時間加熱処理してゲル状のセメント添加剤組成物(P−1)を50部を得た。
【0054】
製造例2
製造例1で得られた吸液性樹脂1部に、攪拌下に、アルキレングリコール化合物を主成分とするテトラカードAS20(日本セメント株式会社製)9部を1時間かけて滴下した後、60〜80℃で3時間加熱処理してゲル状のセメント添加剤組成物(P−2)を10部を得た。
【0055】
製造例3
製造例1で得られた吸液性樹脂1部に、攪拌下に、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル9部を1時間かけて滴下した後、60〜80℃で3時間加熱処理してゲル状のセメント添加剤組成物(P−3)を10部を得た。
【0056】
実施例1
普通ポルトランドセメント100部、水30部および製造例1で得られたセメント添加剤組成物(P−1)0.5部(対セメント0.5%)をJIS(R5201)に記載の方法に準じて混練し、セメントペーストを得た。該セメントペーストの凍結温度を図1に示した、エタノール1を満たしたガラス管2内に素子互換式サーミスタからなる温度センサー3を挿入してなる温度計4を備えてなる装置本体(直径10mm、高さ20mm)5中に前記セメントペースト6を充填してなるものを用い、該装置本体5を恒温槽(図示せず)中に−18℃に保って、冷却温度曲線を自動記録し、その変位点から求めた。その結果、このセメントペーストの凍結温度は、−2.7℃であった。
【0057】
比較例1
セメント添加剤組成物(P−1)0.5部を使用しなかった他は実施例1と同様にしてセメントペーストを作成した。該セメントペーストの凍結温度を実施例1と同様に測定した結果、−1.6℃であった。
【0058】
比較例2
セメント添加剤組成物(P−1)0.5部の代わりに、エチレングリコール1部(対セメント1%)を用いた他は実施例1と同様にしてセメントペーストを作成した。該セメントペーストの凍結温度を実施例1と同様に測定した結果、−2.8℃であった。
【0059】
比較例3
セメント添加剤組成物(P−1)0.5部の代わりに、硝酸塩と亜硝酸塩を主成分とする市販防凍剤(藤沢薬品工業社株式会社製)をセメント100kgに対して4リットルの割合で用いた他は実施例1と同様にしてセメントペーストを作成した。該セメントペーストの凍結温度を実施例1と同様に測定した結果、−2.9℃であった。
【0060】
実施例2
細骨材と普通ポルトランドセメントの混合物に水、混和剤としてポゾリスNo.70(ポゾリス物産株式会社製)をセメント100kgに対して250ml、および収縮低減剤として製造例2で得られたセメント添加剤組成物(P−2)をセメントに対して0.8%添加混合した後、粗骨材を添加混合して、水/セメント比(W/C)55.7%、細骨材率(s/a)46.0%、単位セメント量300kg/m3 、単位水量167kg/cm3 、スランプ9.0cm、空気量4.0%のコンクリートを得た。該コンクリートの圧縮強度および乾燥収縮率をJIS(A6204、A1129)に準拠して測定した。その結果を表1に示した。
【0061】
実施例3
収縮低減剤として製造例3で得られたセメント添加剤組成物(P−3)をセメントに対して0.8%添加混合した他は実施例2と同様にしてスランプ8.5cm、空気量3.7%のコンクリートを得た。該コンクリートの圧縮強度および乾燥収縮率を実施例2と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
【0062】
比較例4
収縮低減剤を使用しなかった他は実施例2と同様にしてスランプ10.0cm、空気量4.6%のコンクリートを得た。該コンクリートの圧縮強度および乾燥収縮率を実施例2と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
【0063】
比較例5
収縮低減剤としてテトラガードAS20(日本セメント株式会社製)をセメントに対して2.5%添加混合した他は実施例2と同様にしてスランプ9.0cm、空気量3.8%のコンクリートを得た。該コンクリートの圧縮強度および乾燥収縮率を実施例2と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
【0064】
比較例6
収縮低減剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルをセメントに対して2.56%添加混合した他は実施例2と同様にしてスランプ9.0cm、空気量4.2%のコンクリートを得た。該コンクリートの圧縮強度および乾燥収縮率を実施例2と同様にして測定し、その結果を表1に示した。
【0065】
比較例7
収縮低減剤としてファインセメント10A(第一セメント株式会社製 高炉スラグ微粉末)2重量部に、テトラガードAS20(日本セメント株式会社製 液状収縮低減剤)1重量部を吸液させてなる粉末状体をセメントに対して7.5重量%添加混合した以外は、実施例2と同様にしてスランプ9.5cmかつ空気量4.0%のコンクリートを得た。該コンクリートの圧縮強度および乾燥収縮率を実施例2と同様に測定し、その結果を表1に示した。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるセメント添加剤組成物は、一般式(1)で表わされるアルキレングリコール化合物を、該アルキレングリコール化合物で膨潤し得る樹脂に吸収させてなるものであるから、セメントモルタル、コンクリート等に配合された場合に、系内に存在する水への該アルキレングリコール化合物の放出速度が遅く、すなわち徐放性に極めて優れているので、収縮低減効果や防凍効果を発揮するアルキレングリコール化合物の使用量が少なくてすむという利点があり、少量で上記のごとき効果をセメントモルタルやコンクリートに付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セメントペーストの凍結温度を測定するための装置の概略図である。
Claims (7)
- 一般式(1)
R(OA)nOH (1)
(ただし、式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基、Aは炭素原子数2〜3のアルキレン基を表わし、またnは1〜20の整数を表わす。)で表わされるアルキレングリコール化合物を、(a)アクリル酸塩架橋重合体;(b)アクリル酸塩−アクリル酸架橋共重合体;(c)イソブチレン−マレイン酸架橋共重合体;(d)澱粉−アクリル酸塩グラフト重合体;(e)ビニルアルコール−アクリル酸塩架橋重合体;(f)N−ビニルホルムアミド架橋重合体、N−ビニルアセトアミド架橋重合体、N−ビニルプロピオンアミド架橋重合体およびN−ビニルブチルアミド架橋重合体より選ばれた少なくとも1種のN−ビニルアミド系架橋重合体;(g)N−ビニル−2−ピロリドンおよびN−ビニル−ε−カプロラクタムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のN−ビニルラクタム系架橋重合体および(h)一般式(2)
- 該吸液性樹脂が(f)N−ビニルアミド系架橋重合体、(g)N−ビニルラクタム系架橋重合体および(h)一般式(2)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)および該(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)からなる単量体成分から導かれる架橋重合体よりなる群から選ばれた少なく1種の重合体である請求項1に記載のセメント添加剤組成物。
- 該吸液性樹脂が前記(h)一般式(2)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)および該(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)からなる単量体成分から導かれる架橋重合体である請求項1に記載のセメント添加剤組成物。
- 前記(h)一般式(2)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)および該(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)からなる単量体成分から導かれる架橋重合体において、(メタ)アクリル酸系単量体(A)20〜100重量%に対して(メタ)アクリル酸エステル系単量体(A)と共重合可能な単量体(B)が80〜0重量%(ただし、(A)と(B)の合計は100重量%である。)である単量体から導かれるものである請求項3に記載のセメント添加剤組成物。
- 該吸液性樹脂の平均粒径が10〜500μmである請求項1〜4のいずれか一つに記載のセメント添加剤組成物。
- 該吸液性樹脂は表面架橋されたものである請求項1〜5のいずれか一つに記載のセメント添加剤組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一つに記載のセメント添加剤組成物をモルタルないしコンクリートに配合してなるセメント配合物。
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