JP2514202B2 - セメント複合体 - Google Patents

セメント複合体

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特定のセメントモルタルやコンクリート等
のセメント組成物を硬化して得られる改質されたセメン
ト製品に関するものである。更に詳しくは、すぐれた亀
裂防止性、吸水性および吸・放湿性を有しかつ軽量化さ
れたセメント複合体に関するものである。
(従来の技術) セメントモルタルやコンクリート等のセメント組成物
から導かれるセメント製品を軽量化したり、セメント組
成物を硬化してセメント製品とする際の亀裂の発生を防
止するために、吸水性樹脂をセメント組成物に配合する
ことが知られている。このような吸水性樹脂としては、
ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、デンプン−アクリル
酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体のケン化物、イソブチレン−無水マレイ
ン酸共重合架橋体の中和物等が従来用いられていた。
しかし、これら従来の吸水性樹脂は、多価金属イオン
に接すると吸水能力を失うという欠点があるため、カル
シウムイオン濃度が高いセメント組成物やそれを硬化し
て得られるセメント製品中では充分にその吸水能力が発
揮できず、その結果として、セメント製品を軽量化した
り亀裂防止性を与えたりすることが十分にはできないと
いう問題点がある。
また、セメント製品に従来の吸水性樹脂を組み合わせ
てセメント製品お吸水性や吸・放湿性を改良する場合に
も、セメント製品の製造直後にはある程度の性能を発揮
しても、長期的に使用するとセメント製品中のカルシウ
ム成分のために吸水性や吸・放湿性を失ってしまうとい
う問題点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、上記問題点を解決するため、セメント
モルタルやコンクリート等のセメント組成物の改質につ
いて鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至っ
た。
従って、本発明の目的は、亀裂防止性、吸水性および
吸・放湿性にすぐれかつ軽量化されたセメント複合体製
品を提供することにある。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明は、一般式 (ただし、R1は水素またはメチル基、R2は炭素数2〜4
のアルキレン基、Zは−O−または−NH−、Mは水素、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基また
はアミン塩基を示す。)で表わされる不飽和スルホン酸
系単量体(A)を全単量体成分中5モル%以上含んでな
る単量体成分を重合して得られる、水性液を吸収して膨
潤する高分子架橋体からなる吸水性樹脂(I)を配合し
てなるセメント組成物を硬化してなるセメント複合体に
関するものである。
本発明で用いられる吸水性樹脂(I)は、不飽和スル
ホン酸系単量体(A)及び必要によりその他の重合性単
量体(B)からなり、かつ不飽和スルホン酸系単量体
(A)の量が5モル%以上である単量体成分を架橋剤の
存在下または不存在下で重合して得られる、水性液を吸
収して膨潤する高分子架橋体である。不飽和スルホン酸
系単量体(A)の量が全単量体成分中5モル%未満で
は、得られるセメント組成物やセメント複合体中で吸水
性樹脂が充分な吸水能力を発揮しなくなる。
本発明で用いられる不飽和スルホン酸系単量体(A)
は、前記一般式で表わされるものであり、例えば2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ス
ルホエチル(メタ)アクリレート、3−スルホプロピル
(メタ)アクリレート、1−スルホプロパン−2−イル
(メタ)アクリレート、2−スルホプロピル(メタ)ア
クリレート、1−スルホブタン−2−イル(メタ)アク
リレート、2−スルホブチル(メタ)アクリレート、3
−スルホブタン−2−イル(メタ)アクリレート等の不
飽和スルホン酸やそれらのナトリウム・カリウム等のア
ルカリ金属塩、カルシウム・マグネシウム等のアルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩もしくは有機アミン塩を挙
げることができ、これらの中から1種または2種以上を
用いることができる。
本発明で使用することができるその他の重合性単量体
(B)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラ
コン酸等の不飽和カルボン酸ならびにそれらのアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩もしくは
有機アミン塩等のカルボキシル基含有不飽和単量体;
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、
酢酸ビニル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、2−(メタクリロイルオキシエチル)トリメ
チルアンモニウムクロリド等の水溶性不飽和単量体;ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリブ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エ
トキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、エトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコール・ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノ
キシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ベンジルオキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリル酸エステル、及びスチレン等の疎
水性不飽和単量体などを挙げることができ、これらの1
種又は2種以上を用いることができる。
本発明で使用することができる架橋剤としては、ジビ
ニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
ジ(メタ)アクリレート、N,N−メチレンビスアクリル
アミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプ
ロパンジアリルエーテル等の1分子中にエチレン系不飽
和基を2個以上有する化合物;エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロ
ピレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアル
コール、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタ
ン、グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブ
ドウ糖等の多価アルコール;エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエ
ーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のポリエ
ポキシ化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以
上を用いることができる。架橋剤として多価アルコール
を用いる場合には150℃〜250℃で、ポリエポキシ化合物
を用いる場合は50℃〜250℃で重合後熱処理することが
好ましい。架橋剤の使用は、得られる吸水性樹脂(I)
の架橋密度を自由自在に制御できるため好ましい。架橋
剤の使用量としては、好ましくは前記単量体成分に対し
てモル比で0.00001〜0.3の範囲である。架橋剤の使用量
がモル比で0.3を超える量では、得られる吸水性樹脂
(I)の架橋密度が大きくなりすぎて吸水能力が低下す
る傾向がある。逆に0.00001未満の少量では、架橋密度
が小さすぎて水分を吸収したあとにべとつきが生じるた
め、取り扱い性に問題が生じる場合がある。
本発明に使用する吸水性樹脂(I)を得るための重量
方法は、従来から知られているいかなる方法でも良く、
ラジカル重合触媒を用いる方法、放射線・電子線・紫外
線等を照射する方法が挙げられる。ラジカル重合触媒と
しては、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、キュ
メンハイドロパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩等のラジカル発生剤
や、これらと亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン
酸、第一鉄塩等の還元剤との組み合わせによるレドック
ス系開始剤が用いられる。重合系溶媒としては、例え
ば、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド等やこれらの混合
物を使用することができる。重合時の温度は用いる触媒
の種類により異なるが、比較的低温の方が吸水性樹脂
(I)の分子量が大きくなり好ましい。しかし、重合が
完結するためには20℃以上100℃以下の範囲内であるこ
とが好ましい。
重合系の単量体濃度には特に制限はないが、重合反応
の制御の容易さと収率・経済性を考慮すれば、20〜80重
量%の範囲にあることが好ましい。重合形態としては種
々の形態を採用できるが、懸濁重合、注型重合、双腕型
ニーダーの剪断力によるゲル状含水重合体を細分化しな
がら重合する方法(特開昭57−34101号)が好ましい。
本発明においてセメント組成物を調製するには、セメ
ント、水および必要に応じて骨材や各種セメント混和材
等と吸水性樹脂(I)とを混合すればよい。このような
セメント組成物としては、例えばセメント、水および砂
に代表される細骨材に吸水性樹脂(I)を配合したセメ
ントモルタルや、セメント、水、細骨材および砂利に代
表される粗骨材に吸水性樹脂(I)を配合したコンクリ
ート等が挙げられる。セメント組成物を調製する際の各
成分の混合順序に制限はなく、例えばセメント、吸水性
樹脂(I)および必要に応じて骨材やセメント混和材等
を混合した上に水を加えてもよく、またセメントに必要
に応じて骨材やセメント混和材等を混合し次いで水を加
え、そこに吸水性樹脂(I)をそのまま又は水で膨潤さ
せたゲル状として添加混合してもよい。
本発明に用いられるセメントとしては、例えばポルト
ランドセメント、アルミナセメント、高炉セメント、フ
ライアッシュセメント、およびその他の各種混合セメン
ト等の水硬性セメントが挙げられる。
本発明で用いることができる骨材としては、例えば
砂、砂利、パーミキュライト、パーライト、シラスバル
ーン、けいそう土焼成粒、石綿、セラミックファイバ
ー、カーボンファイバー、グラスファイバー等が挙げら
れ、これらは得られるセメント複合体の用途に応じて使
い分けることができる。
本発明に用いられるセメント混和材としては、例えば
リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アクリル
エマルション、SBRラテックス等の流動性・接着性改良
剤等を挙げることができる。
吸水性樹脂(I)の配合量は、最終的に得られるセメ
ント複合体の用途により適宜増減する必要があるが、一
般的にはセメント100重量部に対して0.01〜100重量部の
範囲が好ましい。0.01重量部未満では吸水性樹脂(I)
添加の効果が不十分となり、また100重量部を越える量
では得られるセメント複合体の強度が低下し、用途によ
っては実用に耐えなくなる。
本発明のセメント複合体を製造するには、吸水性樹脂
(I)を配合して得られるセメント組成物を常法にした
がって施工・硬化し、必要に応じて水中等で養生されれ
ばよい。この際、セメント複合体の用途に応じて、各種
形状の型により成形することもできる。
(発明の効果) 本発明のセメント複合体は、カルシウムイオン濃度が
高いセメント組成物やそれを硬化して得られるセメント
製品でも吸水能力の低下しない特定の吸水生樹脂を配合
して導かれているため、施工初期にセメント組成物から
の水の蒸発速度が緩慢になるので亀裂が発生しないもの
であり、またすぐれた吸水性を有しているのはもちろ
ん、空気中の湿度が高い時には吸湿し、低い時には放湿
するという吸・放湿性があり、雰囲気の調湿効果をも有
するものである。
また、本発明のセメント複合体は、配合されている膨
潤したゲル状の吸水性樹脂より放湿されて生じる空隙の
ため、乾燥と共に軽量化できるものである。さらに、施
工・硬化時のブリージング水が発生しないという利点も
ある。
従って、本発明のセメント複合体は、軽量化コンクリ
ート、モルタル壁、結露防止壁、グランドの保水材や発
塵防止材、農園芸用保水材等に有用である。
(実施例) 以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発
明の範囲がこれらの実施例にのみ限定されるものではな
い。
参考例1 500mlの円筒形セパラブルフラスコに2−スルホエチ
ルメタクリレートのナトリウム塩21.6g(0.10モル)、
メタクリル酸21.5g(0.25モル)、メタクリル酸ナトリ
ウム70.2g(0.65モル)、N,N−メチレンビスアクリルア
ミド0.92g(0.006モル)及び水170gを仕込み、撹拌して
均一に溶解させた。窒素置換した後、湯浴で40℃に加熱
し、10%過硫酸アンモニウム水溶液1.0gおよび1%L−
アスコルビン酸水溶液0.5gを添加し、撹拌を停止して重
合させた。重合開始後発熱し、30分後に95℃まで上昇し
た。重合系の温度が下がり始めたのを確認した後、湯浴
を90℃に上昇させ、更に1時間加熱した。得られた高分
子架橋体の含水ゲルを細分化したのち、150℃の熱風乾
燥器で3時間乾燥し、粉砕して吸水性樹脂(1)を得
た。
参考例2 500mlの円筒形セパラブルフラスコに2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸アンモニウム157g
(0.70モル)、アクリルアミド213g(0.30モル)、N,N
−メチレンビスアクリルアミド0.31g(0.002モル)およ
び水270gを仕込み、撹拌して均一に溶解させた。その
後、参考例1と同様に重合、乾燥、粉砕を行い、吸水性
樹脂(2)を得た。
参考例3 撹拌後、還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管を
備えた500mlの四つ口フラスコにn−ヘキサン220mlを仕
込み、ソルビタンモノステアレート1.8gを添加溶解した
後、窒素置換した。滴下ロートに3−スルホプロピルア
クリレートのカルシウム塩23.3g(0.10モル)、アクリ
ル酸0.72g(0.01モル)、アクリル酸カルシウム5.55g
(0.05モル)、メタクリルアミド4.25g(0.05モル)、
エチレングリコールジグリシジルエーテル0.0174g(0.0
001モル)、水50gおよび過硫酸カリウム0.05gを加えて
溶解した後、窒素ガスを吹き込んで水溶液内に存在する
酸素を除去した。次いで、滴下ロートの内容物を上記四
つ口フラスコに加えて分散させ、わずかに窒素ガスを導
入しつつ湯浴により重合系の温度を60〜65℃に保持して
3時間重合反応を続けた。その後n−ヘキサンを減圧下
に留去し、残った高分子架橋体の含水ゲルを90℃で減圧
乾燥して吸水性樹脂(3)を得た。
参考例4 1000mlの円筒系セパラブルフラスコに2−スルホエチ
ルメタクリレートのモノエタノールアミン塩51g(0.2モ
ル)、メタクリル酸4.3g(0.05モル)、メタクリル酸ナ
トリウム16.2g(0.15モル)、メトキシポリエチレング
リコールモノメタクリレート(平均1分子あたり10個の
エチレンオキシド単位を含むもの)216g(0.4モル)、
N,N−メチレンビスアクリルアミド0.154g(0.001モル)
および水250gを仕込み、撹拌して均一に溶解させた。そ
の後、参考例1と同様に重合、乾燥、粉砕を行い、吸水
性樹脂(4)を得た。
参考例5 500mlの円筒形セパラブルフラスコにアクリル酸18g
(0.25モル)、アクリウ酸ナトリウム70.5g(0.75モ
ル)、N,N−メチレンビスアクリルアミド0.92g(0.006
モル)および水135gを仕込み、撹拌して均一に溶解させ
た。その後、参考例1と同様に重合、乾燥、粉砕を行
い、吸水性樹脂(5)を得た。
実施例1 普通ポルトランドセメント(住友セメント(株)製)
100gおよびパーミキュライト100gを混合した後、水60g
を加えて充分に混練した。そこへ、参考例1で得られた
吸水性樹脂(1)5gに水150gを加えて膨潤させたゲル状
物を加えた。これを充分混練した後、内径9cmの円筒状
のポリ塩化ビニル製型枠に入れて放置して硬化させ、硬
化物を型枠より取り出し、本発明のセメント複合体
(1)を得た。このセメント複合体(1)を室内で放置
して十分に乾燥後、かさ比重を測定すると0.9であっ
た。
比較例1 参考例5で得られた吸水性樹脂(5)を5g使用する以
外はすべて実施例1と同様にして、比較セメント複合体
(1)を得た。実施例1と同様に乾燥後、かさ比重を測
定すると1.3であった。
実施例2 普通ポルトランドセメント100g、淀川産川砂300gおよ
び参考例2で得られた吸水性樹脂(2)1gを混合した
後、水80gを加えて充分に混練した。これを50cm×50cm
の大きさのラスシートをはった木板上へ、5mmの厚さで
塗布した。
その後、屋外に放置して硬化させ、本発明のセメント
複合体(2)を得た。塗布後の状態を観察すると、この
セメント複合体(2)は、3ヶ月間放置後でも亀裂の発
生は認められなかった。
比較例2 参考例5で得られた吸水性樹脂(5)を1g使用する以
外はすべて実施例2と同様にして、比較セメント複合体
(2)を得た。塗布後の状態を観察すると、この比較セ
メント複合体(2)は、2ヶ月間放置後に多数の亀裂の
発生が認められた。
実施例3 普通ポルトランドセメント100gに水60gを加えて混練
したものに、参照例3で得られた吸水性樹脂(3)80g
に水2000gを加えて膨潤させたゲル状物を添加して、充
分に混練した。次いで、これを型枠に入れて硬化させた
のち、3cm×3cmのふるいを通過できる粒度の大きさに粉
砕した。得られた粒状物を100℃で5時間乾燥させる
と、多孔質状の本発明のセメント複合体(3)を得るこ
とができた。これを水道水に1日間浸漬した後の重量増
加を測定すると、自重の9倍の水を吸収することがわか
った。
比較例3 参考例5で得られた吸水性樹脂(5)を80g使用する
以外はすべて実施例3と同様にして、比較セメント複合
体(3)を得た。これを水道水中に1日間浸漬した後の
重量増加を測定すると、自重の1.5倍の水を吸収するこ
とがわかった。
実施例4 普通ポルトランドセメント100g、淀産川砂200g、高槻
産砕石200gおよび参考例4で得られた吸水性樹脂(4)
10gを混合した後、水200gを加えて十分に混練し、これ
を型枠に入れて硬化させた。得られた本発明のセメント
複合体(4)を10cm×10cm×2cmの板状に切断して、こ
の切断物を20cm×20cm×50cmの容器に入れて密封した。
これを屋外に放置して、容器内の湿度変化を調べること
により、セメント複合体(4)の吸・放湿性を評価し
た。その結果を第1図に示した。
比較例4 参考例5で得られた吸水性樹脂(5)を10g使用する
以外はすべて実施例4と同様にして、比較セメント複合
体(4)を得た。これを用いて、実施例4と同様にして
吸・放湿性を評価し、その結果を第1図に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例4および比較例4で行なった吸・放湿
性評価結果を示すものであり、セメント複合体(4)お
よび比較セメント複合体(4)のそれぞれが入いった密
封容器の屋外放置時間と、密封容器放置場所の気温およ
びそれぞれの密封容器内の相対湿度との関係を表わすグ
ラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (ただし、R1は水素またはメチル基、R2は炭素数2〜4
    のアルキレン基、Zは−O−または−NH−、Mは水素、
    アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基また
    はアミン塩基を示す。) で表わされる不飽和スルホン酸系単量体(A)を全単量
    体成分中5モル%以上含んでなる単量体成分を重合して
    得られる、水性液を吸収して膨潤する高分子架橋体から
    なる吸水性樹脂(I)を配合してなるセメント組成物を
    硬化してなるセメント複合体。
  2. 【請求項2】セメント組成物がセメントモルタルまたは
    コンクリートである特許請求の範囲第1項記載のセメン
    ト複合体。
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