JPH0569786B2 - - Google Patents

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JPH0569786B2
JPH0569786B2 JP34097490A JP34097490A JPH0569786B2 JP H0569786 B2 JPH0569786 B2 JP H0569786B2 JP 34097490 A JP34097490 A JP 34097490A JP 34097490 A JP34097490 A JP 34097490A JP H0569786 B2 JPH0569786 B2 JP H0569786B2
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copolymer
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Susumu Koda
Yasuyuki Inaba
Mitsuo Kinoshita
Tsuneo Yamamoto
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Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Onoda Cement Co Ltd
Original Assignee
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Onoda Cement Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〈産業上の利用分野〉 本発明はセルフレベリング性セメント水性組成
物(以下、単にSL材という)、更に詳しくはセメ
ント系セルフレベリング性床材料に関するもので
ある。 〈従来の技術、その課題〉 平滑な床面を形成するために、SL材を使用す
ることは、既に広く実施されている。 従来セルフレベリング材は粉体で供給され、打
設現場にて水と混合し使用されていた。しかしな
がら、均一な流動性を得るために必要な水量を調
整することは困難であり、スラリーの品質がより
高いものが望まれていた。 スラリーの品質がより高いSL材を供給するた
めには、粉体材料及び水の管理を適切に行なわな
ければならない。したがつて、SL材専用の製造
設備を設け、粉体材料及び水を一貫して管理する
ことが要求される。 SL材専用の製造設備を設け、スラリーを製造
する場合は製造後から現場にて使用されるまで、
高い流動性を保持していなければならず、少なく
とも5〜6時間安定した流動性であることが望ま
れる。 また、作業工程上SL材を打設した翌日には床
面上での軽作業が行なえることが望ましく、その
ためSL材の凝結時間は、終結時間が20時間以内、
望ましくは15時間以内であることが要求される。 一般にセメント分散剤としては各種のものが市
販されているが、SL材調整用に使用されている
分散剤としてはカルボン酸塩系のものとリグニン
系、ナフタリン系等のスルホン酸塩系のものとに
大別される。 カルボン酸塩系のものとしては、例えば特公昭
64−1425に記載のものがあり、このものは、長時
間高い流動性を保持できる長所を有するが、反
面、凝結を遅延する短所を有し、SL剤に使用し
た場合、凝結時間が20時間を越える。 通常、凝結時間を短くするためには、水、保水
剤の使用を制限することにより行なわれるが、カ
ルボン酸塩系分散剤を使用する場合は分散剤自体
の凝結遅延効果が大きいために、水、保水剤の使
用は必要最小限にとどめられている。 また、水、保水剤の使用を制限することにより
凝結時間を短く調整すると、高温下や乾燥条件下
において、乾燥により床表面がボロボロとなる現
象が生じる。 一方、スルホン酸塩系のものとしては、例えば
特公平1−53226に記載のものがあり、分散剤自
体のみ使用する場合は、長時間高い流動性を保持
することができないために、通常凝結遅延剤を併
用する。しかし、凝結遅延剤を併用することによ
り高い流動性を長時間保持することは可能となる
が、凝結時間はカルボン酸塩系のものよりもはる
かに遅延する。ここで、硬化促進剤としてアルカ
リ金属塩(例えば炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ
等)を併用することにより凝結を促進することは
可能であるが、高い流動性を有する時間のコント
ロールが困難となる。また高い流動性を有する時
間が6時間程度のSL材を作る場合、遅延剤の使
用量が多量となるため経済的でない。また、炭酸
アルカリ等の硬化促進剤を使用する場合、使用量
が増すと、硬化体の部材としての強度が低下する
等の問題がある。 このように、可使時間が5〜6時間と長く、し
かも凝結硬化が12〜15時間と比較的早いという二
つの要求を同時に満たしうるSL材は、いまだ開
発されていない。 〈発明が解決しようとする課題、その解決手段〉 本発明は、叙上の如き従来の課題を解決し、二
つの要求に同時に応える、SL材を提供するもの
である。 しかして本発明者らは、可使時間5〜6時間、
凝結時間12〜15時間程度のSL材を開発すべく、
鋭意研究した結果、セメント分散剤として主鎖の
末端にスルホン酸基を有する構造の規制された水
溶性ビニル共重合体を用い、これと他の材料を適
切な割合で併用することにより、高い流動性を長
時間保持し、かつ凝結時間の短いSL材が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至つた。 すなわち本発明は、 セメント100重量部に対し、膨張材1〜20重量
部、保水剤0.01〜7重量部、消泡剤0.01〜2重量
部、骨材30〜300重量部、水25〜100重量部、及び
分散剤0.05〜2重量部が配合されて成るSL材で
あつて、該分散剤が、下記式(1)で示されるビニル
単量体と下記式(2)で示されるビニル単量体とを式
(1)で示されるビニル単量体/式(2)で示されるビニ
ル単量体=50/50〜95/5(モル比)の割合でラ
ジカル開始剤存在下に共重合させた後、ラジカル
停止をして二元共重合体を得、次に該二元共重合
体にラジカル開始剤を加えてラジカル活性化され
た二元共重合体となした後、該ラジカル活性化さ
れた二元共重合体に下記式(3)で示されるビニル単
量体の1種又は2種以上をラジカル付加させるこ
とにより製造される主鎖の末端にスルホン酸基を
有する水溶性ビニル共重合体であるSL材に係る。 式(1):
【化】 式(2):
【化】 式(3):
【化】 [式(1)〜(3)において、 R1〜R5,R7は、同時に同一又は異なる、H又
はCH3。 R6は炭素数1〜3のアルキル基。 X,Yはアルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
ンモニウム又は有機アミン nは5〜25の整数。] 分散剤はSL材スラリーが高い流動性を得るた
めに使用するものであるが、本発明に使用する分
散剤は式(1)で示されるビニル単量体と式(2)で示さ
れるビニル単量体とを共重合して得られるビニル
共重合体の主鎖の末端に極性基としてスルホン酸
基を有する構造の規制された水溶性ビニル共重合
体からなるものである。かかる水溶性ビニル共重
合体は次に述べるような特定の方法によつて製造
することができる 該製造方法は、第1工程、第2工程及び第3工
程に大別される。 第1工程は、前記式(1)で示されるビニル単量体
と前記式(2)で示されるビニル単量体とを所定の割
合でラジカル共重合させた後、ラジカル停止をし
て、式(1)で示されるビニル単量体と式(2)で示され
るビニル単量体とからなる二元共重合体を得る工
程である。 式(1)で示されるビニル単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸のアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、アルカノールアミン塩
等がある。また式(2)で示されるビニル単量体とし
ては、メトキシポリエチレングリコール、エトキ
シポリエチレングリコール、プロポキシポリエチ
レングリコール、イソプロポキシポリエチレング
リコール、メトキシポリエチレンポリプロピレン
グリコール又はエトキシポリエチレンポリプロピ
レングリコール等の片末端アルキル基封鎖ポリア
ルキレングリコールとアクリル酸、メタクリル酸
又はクロトン酸とのエステル化物であつて、ポリ
アルキレングリコールの付加モル数が5〜25であ
るエステル化物がある。 製造方法の第1工程では、式(1)で示されるビニ
ル単量体/式(2)で示されるビニル単量体=50/50
〜95/5(モル比)、好ましくは55/45〜85/15
(モル比)の割合で双方を共重合させる。 式(1)で示されるビニル単量体と式(2)で示される
ビニル単量体との共重合反応としては、水又は水
と水溶性の有機溶媒との混合溶媒を用いた水系溶
液重合によるのが好ましい。該共重合反応に用い
るラジカル開始剤としては、水溶性のラジカル開
始剤を用いるのが有利である。 製造方法の第1工程は、前記した2種のビニル
単量体のラジカル共重合において、その反応系の
ラジカル停止を適時に行ない、二元共重合体を得
るものであるが、かかるラジカル停止の方法につ
いては大別して2種の方法がある。その第1の方
法はラジカルが反応系から完全に消失してラジカ
ル共重合反応が実質的に停止するまで反応を継続
する方法である。その第2の方法は強制的にラジ
カルを分解消失させるラジカル停止剤を反応系に
加える方法である。 かかるラジカル停止剤としては従来公知の化合
物を用いることができる。有利に使用できるラジ
カル停止剤としては、3−メルカプト−1,2−
プロパンジオール、ジチオエリスリトール、2−
メルカプトエタノール、1,2−エタンジチオー
ル等の分子中に水酸基又はチオール基等の活性水
素基を少なくとも2個有する化合物がある。また
有利に使用できる他のラジカル停止剤としては、
分子中にチオール基とα,β−不飽和炭化水素基
とを共有する化合物がある。より具体的にかかる
化合物としては、メルカプトエチル(メタ)アク
リレート、メルカプトエチルクロトン酸エステル
等のα,β−不飽和モノカルボン酸メルカプトア
ルキルエステルがある。 製造方法の第2工程は、第1工程で得た二元共
重合体にラジカル開始剤を加えて、主鎖の末端が
ラジカル活性化された二元共重合体を得る工程で
ある。 第2工程で用いるラジカル開始剤は第1工程に
おいて用いたラジカル開始剤と同様のものでよ
い。 第1工程においてラジカル停止剤を用いないで
ラジカル停止を行なうことにより得られた二元共
重合体に対しては、次の第3工程で用いる式(3)で
示されるビニル単量体のラジカル付加を効率良く
選択的に行なうために、分子内に水酸基を有する
アゾビス系化合物をラジカル開始剤として加える
のが好ましい。かかるアゾビス系化合物は第1工
程においてラジカル停止剤を用いてラジカル停止
を行なうことにより得られた二元共重合体に対し
てもその適用を制限するものではない。分子内に
水酸基を有するアゾビス系化合物としては、2,
2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミド]、2,2′−アゾビ
ス[2−メチル−N−{1,1−ビス(ヒドロキ
シメチル)エチル}プロピオンアミド]、2,
2′−アゾビス[2−メチル−N−{1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル}プ
ロピオンアミド]等がある。 製造方法の第3工程は、第2工程で得た主鎖の
末端がラジカル活性化された二元共重合体に式(3)
で示されるビニル単量体をラジカル付加させて、
主鎖の末端にスルホン酸基を有する水溶性ビニル
共重合体を得る工程である。 式(3)で示されるビニル単量体としては、アリル
スルホン酸やメタリルスルホン酸のアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、アルカノールアミン塩
等がある。 第2工程で得た主鎖の末端がラジカル活性化さ
れた二元共重合体と式(3)で示されるビニル単量体
との反応割合は、通常、ラジカル活性化された二
元共重合体1モルに対し1〜10モル、好ましくは
1.5〜5モルである。第2工程で得た主鎖の末端
がラジカル活性化された二元共重合体と式(3)で示
されるビニル単量体とのラジカル付加反応それ自
体は公知のラジカル溶液重合の方法に準じて行な
うことができる。 以上述べた製造方法によれば、主鎖の末端がラ
ジカル活性化された二元共重合体と式(3)で示され
るビニル単量体とのラジカル付加反応において、
ラジカル活性化された二元共重合体の末端ラジカ
ル活性点1個当り1分子の(メタ)アリルスルホ
ン酸塩が付加したものが得られる。末端ラジカル
活性点1個当り1分子のスルホン酸系ビニル単量
体をラジカル付加させるに際し、式(3)で示される
(メタ)アリルスルホン酸塩が、他のスルホン酸
系ビニル単量体に比べて、極めて高い反応選択性
を有しているために、末端構造の規制された本発
明の水溶性ビニル共重合体が得られるのである。 かくして得られる主鎖の末端にスルホン酸基を
有する水溶性ビニル共重合体はGPC法によつて
測定されたポリエチレングリコール換算によるそ
の数平均分子量が2000〜15000のものが好ましく、
3000〜10000のものが更に好ましい。 上記水溶性ビニル共重合体からなる分散剤の使
用量は固形分換算で0.05〜2.0重量部、好ましく
は0.2〜1.0重量部(いずれもセメント100重量部
に対する重量部、以下同じ)である。使用量が上
記より少ないと高い流動性が得られず、上記より
多く使用しても効果は変わらない。 セメントは、ポルトランドセメントとして普通
セメント、早強セメント、超早強セメント、中庸
熱セメント、耐硫酸塩セメント等、混合セメント
として高炉セメント、フライアツシユセメント、
シリカセメント等が使用できる。 膨張材は、セメントの硬化乾燥に際して発生す
る収縮によるひびわれを防止するためのものであ
る。膨張材には、石灰を主成分とするもの、カル
シウムサルフオアルミネートを主成分とするもの
等が挙げられるが、いずれのものも使用すること
ができる。市販の膨張材の例としては、石灰系で
は小野田エクスパン(小野田セメント社製)等が
あり、またカルシウムサルフオアルミネート系で
はデンカCSA(電気化学工業社製)等がある。膨
張材の使用量は1〜20重量部、好ましくは4〜12
重量部である。使用量が上記より少ないと床材表
面に乾燥収縮が原因のひびわれを生じ、上記を越
えると、膨張による床面のふくれ、破壊等が生じ
る。 保水剤は、特に高温、乾燥条件下において、乾
燥によつて床表面がボロボロになるような現象を
防止するために使用するものである。本発明で
は、一般に使用されている保水剤、増粘剤、粘度
調整剤等を使用することができる。市販の保水剤
として、セルロース系のもの、アクリル酸系のも
の、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサ
イド、ビニル系のもの、ゴム、ラテツクス系のも
の等が挙げられるが、本発明においては、特にセ
ルロース系のものが好ましい。保水剤の使用量は
0.01〜7重量部、好ましくは0.06〜3重量部であ
る。使用量が上記より少ないと、ドライアウト
等、床表面がボロボロとなるような現象が著しく
なり、上記を越えると、高い流動性を得るために
必要な水量が著しく多量になり、強度低下等の問
題が生じる。 消泡剤は、起泡による床面のふくれ、ヘコミ等
を防止するために使用する。本発明で使用する消
泡剤には、一般に使用されているシリコン系、非
イオン系界面活性剤等の消泡剤を使用することが
できる。消泡剤の使用量は0.01〜2重量部、好ま
しくは0.1〜0.5重量部である。使用量が上記より
少ないと消泡効果がなく、上記より多く添加して
も効果は変わらない。 骨材は、川砂、海砂、陸砂、砕砂、珪砂等が使
用される。、また、軽量化を目的としてパーライ
ト、フライアツシユ等を単独で又は上記の砂等と
併用することができる。また、使用砂は好ましく
は乾燥砂が良いが、湿砂でも支障はない。骨材の
使用量は30〜300重量部、好ましくは60〜150重量
部である。使用量が上記より少ないと、流動性が
長時間保持されず、上記を越えると、強度が低
く、流動性も悪くなる。 水は、水道水、工業用水等が使用される。使用
量は他の材料の配合及び目的とするスリラーの性
状によるが、25〜100重量部である。使用量が上
記より少ないと、高い流動性を得られず、上記を
越えると、白華、ブリージングを生じ易く、強度
も低下する。 本発明のSL材では、必要に応じ、収縮低減剤、
増量材等物性に悪影響を及ぼすものでない限り、
他の一般的にセメント水性組成物に配合される材
料を使用することができる。収縮低減剤としては
アルコールアルキレンオキシド系、グリコールエ
ステル等がある。また、増量材として、炭酸カル
シウム、石膏、シリカ微粉末、フライアツシユ等
が使用できる。 〈実施例等〉 試験区分1 (分散剤の製造) 製造例1 (分散剤Aの製造) メタクリル酸60部(重量部、以下同じ)、メト
キシポリエチレングリコール(エチレンオキサイ
ド付加モル数n=9)モノメタアクリレート150
部、水250部及び2−メルカプトエタノール7部
をフラスコに仕込み、水酸化ナトリウムの48%
(重量%,以下同じ)水溶液58部を投入して中和
し、均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換した。
反応系の温度を温水浴にて65℃に保ち、過硫酸ア
ンモニウムの10%水溶液50部を投入して重合を開
始し、反応系に残存するビニル単量体がほぼ消費
されるまで4時間、重合反応を継続した。そして
2−メルカプトエタノールの10%水溶液50部を添
加してラジカル停止を行なつた。ラジカル停止を
して得られた二元共重合体の水溶液をイソプロパ
ノール中に沈澱精製して乾燥し、二元共重合体
(分子量3700、イオウ含有量1.6%)を得た。次
に、得られた二元共重合体200部(0.054モル)及
び水450部を別のフラスコに仕込み、雰囲気を窒
素置換した。反応系の温度を温水浴にて70℃に保
ち、過硫酸アンモニウムの10%水溶液30部を投入
して、二元共重合体をラジカル活性化させた後、
更にメタリルスルホン酸ナトリウムの20%水溶液
80部(メタリルスルホン酸ナトリウムとして0.10
モル相当)を投入し、2時間反応を継続して、ラ
ジカル付加反応を完結した。 得られた生成物を前述のように沈澱精製した
後、分析したところ、カルボキシル価152、イオ
ウ含有量3.1%、数平均分子量4000(GPC法、ポリ
エチレングリコール換算、以下同じ)であつた。
この結果より、生成物は、メタクリル酸ナトリウ
ム/メトキシポリエチレングリコール(n=9)
メタクリレート=70/30(モル比)の割合で共重
合された二元共重合体1分子当りメタリルスルホ
ン酸ナトリウム7.5(1.9個相当)が主鎖の末端に
付加した水溶性ビニル共重合体(分散剤A)であ
つた。 製造剤2 (分散剤Bの製造) メタクリル酸70部、メトキシポリエチレングリ
コール(n=9)モノメタアクリレート101部、
水240部及び2−メルカプトエタノール6部をフ
ラスコに仕込み、水酸化ナトリウムの48%水溶液
67部を投入して中和し、均一に溶解した後、雰囲
気を窒素置換した。反応系の温度を温水浴にて65
℃に保ち、過硫酸アンモニウムの10%水溶液30部
を投入して重合を開始し、反応系に残存するビニ
ル単量体がほぼ消費されるまで4時間、重合反応
を継続した。そして2−メルカプトエチルアクリ
レートの5%水溶液80部を添加してラジカル停止
を行なつた。ラジカル停止をして得られた二元共
重合体の水溶液をイソプロパノール中に沈澱精製
して乾燥し、二元共重合体(分子量5200、イオウ
含有量1.4%)を得た。次に、得られた二元共重
合体150部(0.029モル)及び水350部を別のフラ
スコに仕込み、雰囲気を窒素置換した。反応系の
温度を温水浴にて70℃に保ち、過硫酸アンモニウ
ムの10%水溶液23部を投入して、二元共重合体を
ラジカル活性化させた後、更にメタリルスルホン
酸ナトリウムの20%水溶液45部(メタリルスルホ
ン酸ナトリウムとして0.057モル相当)を投入し、
2時間反応を継続して、ラジカル付加反応を完結
した。 得られた生成物を前述のように沈澱精製した
後、分析したところ、カルボキシル価221、イオ
ウ含有量2.5%、数平均分子量5500であつた。こ
の結果より、生成物は、メタクリル酸ナトリウ
ム/メトキシポリエチレングリコール(n=9)
メタクリレート=80/20(モル比)の割合で共重
合された二元共重合体1分子当りメタリルスルホ
ン酸ナトリウム5.5%(1.8個相当)が主鎖の末端
に付加した水溶性ビニル共重合体(分散剤B)で
あつた。 製造例3 (分散剤Cの製造) メタクリル酸50部、メトキシポリエチレングリ
コール(n=9)モノメタアクリレート383部、
水750部及びメルカプト酢酸4部をフラスコに仕
込み、水酸化ナトリウムの48%水溶液48部を投入
して中和し、均一に溶解した後、雰囲気を窒素置
換した。反応系の温度を温水浴にて65℃に保ち、
過硫酸アンモニウムの10%水溶液40部を投入して
重合を開始し、反応系に残存するビニル単量体が
ほぼ消費されるまで5時間、重合反応を継続した
後、更に90〜95℃にて1時間、加熱攪拌を続けて
ラジカル停止を行なつた。ラジカル停止をして得
られた二元共重合体の水溶液をイソプロパノール
中に沈澱精製して乾燥し、二元共重合体(分子量
7800、イオウ含有量0.3%)を得た。次に、得ら
れた二元共重合体400部(0.051モル)及び水950
部を別のフラスコに仕込み、雰囲気を窒素置換し
た。反応系の温度を温水浴にて70℃に保ち、2,
2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミド]の10%水溶液35部
を投入して、二元共重合体をラジカル活性化させ
た後、更にメタリルスルホン酸ナトリウムの20%
水溶液100部(メタリルスルホン酸ナトリウムと
して0.13モル相当)を投入し、2時間反応を継続
して、ラジカル付加反応を完結した。 得られた生成物を前述のように沈澱精製した
後、分析したところ、カルボキシル価123、イオ
ウ含有量0.9%、数平均分子量8000であつた。こ
の結果より、生成物は、メタクリル酸ナトリウ
ム/メトキシポリエチレングリコール(n=9)
メタクリレート=60/40(モル比)の割合で共重
合された二元共重合体1分子当りメタリルスルホ
ン酸ナトリウム3.1%(1.6個相当)が主鎖の末端
に付加した水溶性ビニル共重合体(分散剤C)で
あつた。 以下、製造例1〜3と同様の方法によつて分散
剤D〜Hを得た。分散剤A〜Hの製造条件を第1
表に、また分析値を第2表にまとめて示した。
【表】 注 第1表において、 種類:分散剤の種類 条件1:用いたラジカル停止剤 条件2:二元共重合体をラジカル活性化させるた
めに用いたラジカル開始剤 条件3:式(1)相当分のビニル単量体の種類及び式
(2)相当分のビニル単量体の種類並びに双方の
ビニル単量体のモル比(第1表中該当欄の数
値) 条件4:式(3)相当分のビニル単量体の種類及び二
元共重合体に対する仕込み比率(モル%) *1:2−メルカプトエタノール *2:2−メルカプトエチルアクリレート *3:1,2−エタンジオール *4:3−メルカプト−1,2−プロパンジオー
ル *5:過硫酸アンモニウム *6:2,2′アゾビス[2−メチル−N−(2−
ヒドロキシエチル)プロピオンアミド] *7:メタリルスルホン酸ナトリウム塩 *8:アリルスルホン酸ナトリウム塩 a:メタクリル酸ナトリウム塩 b:アクリル酸ナトリウム塩 c:クロトン酸ナトリウム塩 d:メトキシポリエチレングリコール(n=9)
メタクリレート e:メトキシポリエチレングリコール(n=23)
メタクリレート f:メトキシポリ(n=12)エチレン/ポリ(n
=3)プロピレングリコールメタクリレート
【表】 注 第2表において、 種類、*7、*8:第1表の場合と同じ 分析値1:{式(1)相当分のビニル単量体/式(2)相
当分のビニル単量体}の反応比率(モル比) 分析値2:二元共重合体1分子当り末端に付加し
た式(3)相当分のビニル単量体の%及びモル数 製造比較例1 (分散剤R−1の合成) メタクリル酸60部、メトキシポリエチレングリ
コール(n=9)モノメタクリレート150部、水
250部及び2−メルカプトエタノール7部をフラ
スコに仕込み、水酸化ナトリウムの48%水溶液58
部を投入して中和し、均一に溶解した後、雰囲気
を窒素置換した。反応系の温度を温水浴にて65℃
に保ち、過硫酸アンモニウムの10%水溶液50部を
投入して重合を開始し、5時間重合反応を継続し
て、重合を完結させた。 得られた生成物をイソプロパノール中に沈澱精
製した後、分析したところ、カルボキシル価175、
数平均分子量4300であり、メタクリル酸ナトリウ
ム/メトキシポリエチレングリコール(n=9)
モノメタクリレート=73/27(モル比)の割合で
共重合された水溶性ビニル共重合体(分散剤R−
1)を得た。 製造比較例2 (分散剤R−2の合成) メタクリル酸52部、メトキシポリエチレングリ
コール(n=9)モノメタクリレート129部、ス
チレンスルホン酸ナトリウム塩48部、水390部及
び2−メルカプトエタノール7部をフラスコに仕
込み、水酸化ナトリウムの48%水溶液50部を投入
して中和し、均一に溶解した後、雰囲気を窒素置
換した。反応系の温度を温水浴にて60℃に保ち、
過硫酸アンモニウムの10%水溶液55部を投入して
重合を開始し、5時間重合反応を継続して、重合
を完結させた。 得られた生成物をイソプロパノール中に沈澱精
製した後、分析したところ、カルボキシル価140、
数平均分子量4100であり、またUV吸収によるス
チレンスルホン酸ナトリウム塩の共重合率18%
(共重合体1分子当り3.5個相当)である、各ビニ
ル単量体がランダムに結合した水溶液ビニル共重
合体(分散剤R−2)を得た。 製造比較例3 (分散剤R−3の合成) メタクリル酸60部、メトキシポリエチレングリ
コール(n=9)モノメタクリレート150部及び
水250部をフラスコに仕込み、水酸化ナトリウム
の48%水溶液58部を投入して中和し、均一に溶解
した後、雰囲気を窒素置換した。反応系の温度を
温水浴にて65℃に保ち、過硫酸アンモニウムの10
%水溶液40部を投入して重合を開始し、2時間重
合反応を継続した。反応系に対してラジカル停止
のための何等の操作を行なうことなく、該反応系
へメタリルスルホン酸ナトリウム塩の20%水溶液
80部(メタリルスルホン酸ナトリウム塩として
0.10モル相当)を投入し、3時間反応を継続し
た。 得られた生成物をイソプロパノール中に沈澱精
製した後、分析したところ、カルボキシル価170、
数平均分子量9000、イオウ含有量0.2%以下であ
り、メタリルスルホン酸ナトリウム塩の共重合率
0.2%(共重合体1分子当り0.1個相当)である、
水溶性ビニル共重合体(分散剤R−3)を得た。 製造比較例4 (分散剤R−4の合成) メタクリル酸55部、メトキシポリエチレングリ
コール(n=9)モノメタクリレート160部、水
270部及び2−メルカプトエタノール6.5部をフラ
スコに仕込み、水酸化ナトリウムの48%水溶液53
部を投入して中和し、均一に溶解した後、雰囲気
を窒素置換した。反応系の温度を温水浴にて65℃
に保ち、過硫酸アンモニウムの10%水溶液50部を
投入して重合を開始し、4時間重合反応を継続し
た。そして2−メルカプトエタノールの10%水溶
液50部を添加してラジカル停止を行なつた。得ら
れた二元共重合体の水溶液をイソプロパノール中
に沈澱精製して乾燥した後、分析したところ、イ
オウ含有量1.4%、数平均分子量4800であつた。
次に、得られた二元共重合体150部及び水350部を
別のフラスコに仕込み、雰囲気を窒素置換した。
反応系の温度を温水浴にて70℃に保ち、過硫酸ア
ンモニウムの10%水溶液30部を投入して、二元共
重合体をラジカル活性化させた後、ナトリウム2
−スルホエチルメタクリレートの20%水溶液100
部を投入し、2時間反応を継続して、ラジカル付
加反応を完結した。 得られた生成物をイソプロパノール中に沈澱精
製した後、分析したところ、カルボキシル価155、
イオウ含有量1.5%、数平均分子量4800であり、
二元共重合体1分子当りナトリウム2−スルホエ
チルメタクリレート0.6%(二元共重合体1分子
当り0.2個相当)が主鎖の末端に付加した、水溶
性ビニル共重合体(分散剤R−4)を得た。 製造比較例5 (分散剤R−5の合成) メタクリル酸15部、メトキシポリエチレングリ
コール(n=9)モノメタクリレート327部、水
550部及び2−メルカプトエタノール9部をフラ
スコに仕込み、水酸化ナトリウムの48%水溶液15
部を投入して中和し、均一に溶解した後、雰囲気
を窒素置換した。反応系の温度を温水浴にて65℃
に保ち、過硫酸アンモニウムの10%水溶液60部を
投入して重合を開始し、4時間重合反応を継続し
た。そして2−メルカプトエタノールの10%水溶
液50部を添加してラジカル停止を行なつた。得ら
れた二元共重合体の水溶液をイソプロパノール中
に沈澱精製して乾燥した後、分析したところ、イ
オウ含有量0.9%、数平均分子量4500であつた。
次に、得られた二元共重合体200部及び水450部を
別のフラスコに仕込み、雰囲気を窒素置換した。
反応系の温度を温水浴にて70℃に保ち、過硫酸ア
ンモニウムの10%水溶液30部を投入して、二元共
重合体をラジカル活性化させた後、メタリルスル
ホン酸ナトリウム塩の20%水溶液80部を投入し、
2時間反応を継続して、ラジカル付加反応を完結
した。 得られた生成物をイソプロパノール中に沈澱精
製した後、分析したところ、カルボキシル価27、
イオウ含有量2.0%、数平均分子量4800であつた。
この結果より、生成物は、メタクリル酸ナトリウ
ム/メトキシポリエチレングリコール(n=9)
メタクリレート=20/80(モル比)の割合で共重
合された二元共重合体1分子当りメタリルスルホ
ン酸ナトリウム塩5.4%(二元共重合体1分子当
り1.6個相当)が主鎖の末端に付加した水溶性ビ
ニル共重合体(分散剤R−5)を得た。 試験区分2(SL材の製造と分散剤の違いによる
SL材物性の比較) 試験区分1で製造した分散剤及び従来のリグニ
ン系、ナフタレン系、メラミン系、カルボン酸塩
系の分散剤を使用し、SL材を製造した。各材料
の配合を第3表に示した。
【表】 第3表において、使用した材料は、セメントが
小野田セメント社製普通ポルトランドセメント、
骨材が山形珪砂(F.M=2.3)、膨張材が小野田セ
メント社製小野田エクスパン、保水剤が信越化学
社製メトローズ(分子量8000)、消泡剤がサンノ
プコ社製SN−デイフオーマーである。 また第3表の分散剤の種類において、イはリグ
ニン系として山陽国策パルプ社製HR−100、ロ
はナフタリン系として花王社製マイテイ
2000WH、ハはメラミン系として日産化学社製
SMF−PG、ニはカルボン酸塩系として日本触媒
化学社製アクアロツクFC−600を使用した。 各材料を容量21のホバートミキサにて高速回
転で2分間混練りし、得られたスリラーについ
て、フロー値の経時変化、J−ロート値の経時変
化、凝結試験、7日及び28日材令の圧縮強度、14
日及び28日材令の表面強度、3日及び28日材令の
長さ変化試験を行なつた。試験は、下記の方法に
より、すべて20℃で行なつた。試験の結果を第4
−1表及び第4−2表に示した。 試験方法 ・ フロー試験 SL材スラリーを内径50mm、高さ50mmのフロー
コーンにつめ、コーンを引き上げて、組成物の広
がりが止まつた時点で広がりの直径を測定した。 ・ フロー試験の経時変化 練り上がりから3.0時間後、4.5時間後、6.0時間
後の試験では、測定までの間スラリーを静置の状
態で保存したものを採取し、練りさじにて約1分
間混練りして上記フロー試験を行なつた。 ・ J−ロート試験 土木学会「工業材料規格便覧(日本材料学会
編)」コンシステンシー試験方法(案)17に準じ
て行なつた。J−ロートは落ち口の内径が10mmの
ものを使用して行なつた。 ・ J−ロート試験の経時変化 練り上がりから3.0時間後、4.5時間後、6.0時間
後に、フロー試験と同様にして上記J−ロート試
験を行なつた。 ・ 凝結試験、圧縮強度試験、長さ変化試験 JIS−R−5201に準拠して行なつた。 ・ 表面強度 40mm×40mmの鋼製平板をSL材硬化体の表面に
エポキシ系接着剤にて張りつけ、油圧ジヤツキに
て平板が剥がれるまで引張り、最大引張り力を測
定した。
【表】
【表】 まず、製造例より製造された分散剤による本発
明のSL材と製造比較例より製造された分散剤に
よるSL材とを比較してみる。 フロー値、J−ロート値の経時変化を見ると、
本発明のSL材は、比較例に比べてフロー値、J
−ロート値ともに良好な価を示している。フロー
との経時変化を見ると、本発明のSL材は、練り
上がり時から6時間後までフロー値が220mm付近
で安定している。これに対し、比較例は、4.5時
間後から6時間後にかけてフロー値が低下してい
る。 J−ロート値の経時変化を見ると、本発明の
SL材は、練り上がり時のJ−ロート値に比べて
6時間後の価は20秒程度上昇している。これに対
し、比較例のSL材は、本発明のSL材に比べて練
り上がり時ですでに10秒程度高く、6時間後にお
いては30〜40秒程度高くなる。J−ロート値が高
くなると、スラリーの粘性が高くなり、作業性が
悪くなる。 次に、本発明のSL材と従来からSL材に使用さ
れていた一般の分散材によるSL材とを比較して
みる。 フロー値の経時変化を見ると、練り上がり6時
間後まで高い流動性を保持できるのは本発明の
SL材とカルボン酸塩系の分散剤によるSL材の2
種であつた。 これに対し、凝結時間を見てみると、カルボン
酸塩系の分散剤を使用したSL材のみが、始発、
終結時間ともに20時間を越え、特に終結時間は24
時間を越えた。したがつて、カルボン酸塩系の分
散剤によるSL材を使用すると、翌日床面上での
作業は困難であると考えられる。それに対して本
発明のSL材は高い流動性を長時間保持し、かつ
凝結時間も始発、終結時間ともに20時間よりはる
かに短い。したがつて、本発明のSL材は練り上
がり後から打設までかなり時間があいても十分使
用に耐え、しかも翌日は確実に硬化しているた
め、他の作業が行なえるという長所を有する。 試験区分3 (SL材の製造とSL材物性) 分散剤として、前記製造例2より得た分散剤B
を使用し、その他の材料は試験区分2と同じもの
を使用して、第5表の配合割合でSL材を製造し
た。各SL材について、試験区分2と同様にして
行なつた物性試験の結果を第6−1表及び第6−
2表に示した。試験はすべて20℃にて行なつたも
のである。
【表】
【表】 実施例9〜11は分散剤の添加量を変化させたも
のである。打設可能な流動性を保持する時間は、
添加量が増すにつれて長くなる。凝結時間もまた
添加量が増すにつれて長くなる。本試験範囲にお
いては終結時間がすべて24時間以内であるので、
SL材を打設した翌日の床上での作業は可能であ
る。 実施例10,12,13はセメント骨材比(以下C/
Sという)を変化させたものである。C/Sが高
いと、高い流動性を長時間保持するのが困難とな
り、またC/Sが低いと高いフロー値が得られな
いが、流動性は長時間変わらない。部材の強度は
C/Sが高いほど大きい。 実施例10,14,15はSL材中の膨張材の量を変
化させたものである。長さ変化率をみると、実施
例10はほぼ0付近、実施例14は−10以下、実施例
15は+10付近である。長さ変化率が+10を越える
と、膨張によるひびわれ、仕切り等の押出し、破
壊等のおそれがある。長さ変化率が−10より小さ
いと乾燥収縮が原因のひびわれが生じる可能性が
ある。 試験区分4 (SL材の製造とSL材物性) 容量0.35m3のモルタルミキサに実施例1にて使
用した材料を第7表に示す配合で秤りとり、回転
数300rpmで10分間混練りして、1m3のSL材スラ
リーを製造した。 混練り終了時の流動性はJ−ロート値35秒、フ
ロー値370mmであつた。この時の気温は30℃、湿
度は約40%であつた。 得られたスラリーをアジテータ車に投入し、ド
ラムの回転数0.7rpmで混練り終了時から5時間
経過後、倉庫床に打設を行なつた。床下地はモル
タル造、下地にアクリル系プライマーを十分塗布
し、下地による給水を防止した。打設時のSL材
の流動性はJ−ロート値35秒、フロー値360mmで
あつた。打設時の気温が32℃、湿度が約40%であ
つた。硬化後も特にひびわれ等を生じることな
く、平滑な床面を形成させることができた。な
お、混練り直後のスラリーを採取し試験したとこ
ろ、材令28日の圧縮強度320Kg/cm2、材令14日の
表面強度17.0Kg/cm2であつた。
【表】 〈発明の効果〉 本発明によれば、配合使用するセメント分散剤
がビニル共重合体中にカルボキシル基又はその
塩、グリコールエステル及び特に主鎖の末端にス
ルホン酸基又はその塩の3種の親水基を有するた
めに、カルボン酸を主成分とする分散剤と比較す
ると、高い流動性を長時間保持し得ることにおい
ては同等以上の性能を有すると共に、かつ凝結時
間を著しく短縮されたSL材を製造することがで
きる。そして、凝結時間が短いために、保水材、
水及び分散剤等のセメント系組成物の凝結効果を
遅延する成分を従来のものよりも多量に使用する
ことができるので、従来品に見られた夏場高温条
件下で床表面がボロボロとなる現象等による表面
強度の低下等を避けることができ、環境の変化に
も物性の安定したSL材が得られる。 また、本発明によれば、高流動性を長時間保持
することができ、しかも打設後凝結硬化が遅いの
で、長距離の輸送が可能であり、しかも翌日には
打設後の床上での作業が従来のものよりもかなり
早く行なうことができるものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 セメント100重量部に対し、膨張材1〜20重
    量部、保水剤0.01〜7重量部、消泡剤0.01〜2重
    量部、骨材30〜300重量部、水25〜100重量部、及
    び分散剤0.05〜2重量部が配合されて成るセルフ
    レベリング性セメント水性組成物であつて、該分
    散剤が、下記式(1)で示されるビニル単量体と下記
    式(2)で示されるビニル単量体とを式(1)で示される
    ビニル単量体/式(2)で示されるビニル単量体=
    50/50〜95/5(モル比)の割合でラジカル開始
    剤存在下に共重合させた後、ラジカル停止をして
    二元共重合体を得、次に該二元共重合体にラジカ
    ル開始剤を加えてラジカル活性化された二元共重
    合体となした後、該ラジカル活性化された二元共
    重合体に下記式(3)で示されるビニル単量体の1種
    又は2種以上をラジカル付加させることにより製
    造される主鎖の末端にスルホン酸基を有する水溶
    性ビニル共重合体であるセルフレベリング性セメ
    ント水性組成物。 式(1): 【化】 式(2): 【化】 式(3): 【化】 [式(1)〜(3)において、 R1〜R5,R7は、同時に同一又は異なる、H又
    はCH3。 R6は炭素数1〜3のアルキル基。 X,Yはアルカリ金属、アルカリ土類金属、ア
    ンモニウム又は有機アミン。 nは5〜25の整数。] 2 分散剤が、水溶性ビニル共重合体の製造にお
    いて分子内に水酸基又はチオール基等の活性水素
    基を少なくとも2個有する化合物を加えてラジカ
    ル停止をすることにより製造される主鎖の末端に
    スルホン酸基を有する水溶性ビニル共重合体であ
    る請求項1記載のセルフレベリング性セメント水
    性組成物。 3 分散剤が、水溶性ビニル共重合体の製造にお
    いて分子内にチオール基とα,β−不飽和炭化水
    素基とを共有する化合物を加えてラジカル停止を
    することにより製造される主鎖の末端にスルホン
    酸基を有する水溶性ビニル共重合体である請求項
    1記載のセルフレベリング性セメント水性組成
    物。 4 分散剤が、水溶性ビニル共重合体の製造にお
    いて分子内に水酸基を有するアゾビス系化合物を
    加えてラジカル活性化された二元共重合体となす
    ことにより製造される主鎖の末端にスルホン酸基
    を有する水溶性ビニル共重合体である請求項1記
    載のセルフレベリング性セメント水性組成物。 5 分散剤が、分子量2000〜15000の主鎖の末端
    にスルホン酸基を有する水溶性ビニル共重合体で
    ある請求項1,2,3又は4記載のセルフレベリ
    ング性セメント水性組成物。
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