JP3323419B2 - 吸水又は保水剤並びにその製造方法 - Google Patents

吸水又は保水剤並びにその製造方法

Info

Publication number
JP3323419B2
JP3323419B2 JP14101397A JP14101397A JP3323419B2 JP 3323419 B2 JP3323419 B2 JP 3323419B2 JP 14101397 A JP14101397 A JP 14101397A JP 14101397 A JP14101397 A JP 14101397A JP 3323419 B2 JP3323419 B2 JP 3323419B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
copolymer
mol
absorbing
retaining agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14101397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1094729A (ja
Inventor
隆 住谷
正実 小池
洋二 藤浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26473359&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3323419(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP14101397A priority Critical patent/JP3323419B2/ja
Publication of JPH1094729A publication Critical patent/JPH1094729A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3323419B2 publication Critical patent/JP3323419B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水又は保水剤並
びにその製造方法に関する。更に詳しくは、所定量の
(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸(アルカ
リ金属塩)系の共重合体の熱架橋体からなる吸水または
保水剤並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、生理用品、紙おむつなどの衛
生材料や土壌保水剤などに吸水性樹脂が幅広く用いられ
ている。この様な吸水性樹脂の例としては、例えば、ポ
リアクリル酸塩架橋物、自己架橋型ポリアクリル酸塩、
デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物などの
実質的に水不溶性の架橋重合体が知られている。
【0003】しかし、これらの吸水性樹脂は水あるいは
尿などの比較的金属イオンの少ない溶液に対しては、高
い吸収量を示すものの、海水や、カルシウムイオンを大
量に含むセメントスラリーの様な金属イオンを含有する
水性液に関しては吸収量が極端に低下する問題点があっ
た。
【0004】この様な海水やセメントスラリーの様な金
属イオン含有水性液に対する吸収量をアップさせる方法
として、下記〜に例示する様な吸水性樹脂が提案さ
れている。 スルホン系モノマー(塩)単独の架橋重合体あるいは
スルホン系モノマー(塩)とアクリル酸(塩)の架橋共
重合体(特開昭56−161412号、特開昭61−3
6309号公報など) アクリル酸塩とポリビニルアルコール(PVA)との
架橋共重合体(特開昭53−104691号公報など) アクリルアミドとアクリル酸(塩)を架橋剤の存在下
共重合してなる吸水性樹脂(特開平4−45850号公
報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のうち上記では、スルホン酸はカルボン酸に比べ解離
度が高いため、海水のような主として1価の金属塩水中
では比較的高い吸収量を示すものの、カルシウムイオン
の様な多価金属を多量に含むセメントスラリーの様な水
性液中では多価金属により架橋が起こり、吸水量が低下
するなどの問題点があった。また、上記のポリマーは
通常スルホン酸系のモノマーを主体として、共重合をお
こなうが、このスルホン酸系のモノマーは重合性が良好
ではなく、ポリマー分子量が上がりにくいため、ゲルの
弾性が低いなどの問題があった。更に、これらのスルホ
ン系モノマーの市場価格は高価であり非経済的である。
では、共重合成分であるPVAは親水性ノニオンであ
るため、PVAの共重合比率をアップすれば、カルシウ
ムの様な多価金属塩が多量に存在しても比較的高い吸収
量を示すものの、PVA/アクリル酸(塩)の架橋共重
合は、通常、アクリル酸エステルと酢酸ビニルと疎水性
架橋剤を共重合した後、アルコール性のアルカリでケン
化して製造するのが一般的であるため、通常の水溶液重
合に比べて架橋共重合体の分子量が上がりづらく、金属
塩水中でのゲル強度が弱いなどの問題点があった。ま
た、ケン化後に、過剰のアルカリや副生する酢酸ナトリ
ウムやメタノールを洗浄除去する必要があるなど工程的
にも煩雑であった。では、アクリルアミドが親水性ノ
ニオンであり、またモノマーの重合性も良いため、、
に比べれば多価金属塩が多量に存在する塩水中での吸
収量及びゲル強度も比較的良好であるものの、架橋剤の
存在下に重合を行うため、均一な架橋構造を取り、架橋
度が低いとゲル強度が低下し、架橋度が高いと吸収量が
低下するため、吸収量とゲル強度の両者を同時に満足す
るといった点では不十分であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記〜
などの改良された吸水性樹脂における問題点を解決す
べく鋭意検討した結果、特定比率の(メタ)アクリルア
ミドと(メタ)アクリル酸(アルカリ金属塩)を用いた
共重合体の熱架橋体が、粒子内部の架橋密度が極めて低
く、外核部の架橋密度が高い事、またこの熱架橋体はセ
メントスラリーの様な多価金属が多量に存在する水性液
中での吸収量が高くかつゲル弾性も高いことを見い出
し、本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は、(メタ)アクリルアミ
ド(a)20〜99モル%と、(メタ)アクリル酸(ア
ルカリ金属塩)(b)1〜80モル%と、必要により、
10モル%を超えない量の他の水溶性のエチレン性不飽
和単量体(c)との共重合体(P)の平均粒径が1〜
1,000ミクロンの粒子の内部の架橋密度が低く粒子
外核部が高度に架橋された乾燥粉末あるいは乾燥粒子の
熱架橋体からなる吸水又は保水剤;並びに(メタ)アク
リルアミド(a)20〜99モル%と、(メタ)アクリ
ル酸(アルカリ金属塩)(b)1〜80モル%と、必要
により、10モル%を超えない他の水溶性のエチレン性
不飽和単量体(c)との共重合体(P)の平均粒径が1
〜1,000ミクロンの乾燥粉末あるいは乾燥粒子を、
130〜230℃に加熱して熱架橋させることを特徴と
する粒子の内部の架橋密度が低く粒子外核部が高度に架
橋された吸水又は保水剤の製造方法である。なお、ここ
で(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミド及び/又
はメタアクリルアミドを意味する。また、(メタ)アク
リル酸(アルカリ金属塩)は、アクリル酸、メタアクリ
ル酸、アクリル酸アルカリ金属塩及びメタアクリル酸ア
ルカリ金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の
モノマーをまとめて、以下(メタ)アクリル酸(アルカ
リ金属塩)と総称する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、共重合体(P)
を得るために、特定比率の(メタ)アクリルアミド
(a)と(メタ)アクリル酸(アルカリ金属塩)(b)
を共重合する。共重合比率は、通常(メタ)アクリルア
ミド(a);20〜99モル%、好ましくは塩水での吸
収量が大きいことからは60〜95モル%、副成するア
ンモニアの量がより少ないことからは20〜50モル
%、アクリル酸(アルカリ金属塩)(b);1〜80モ
ル%、好ましくは、5〜40モル%である。(メタ)ア
クリルアミドの比率が20モル%以下では、塩水での吸
収量が低下するため好ましくない。一方、(メタ)アク
リル酸(アルカリ金属塩)の比率が1%未満では、吸収
速度が低下するばかりでなく、後の熱架橋がうまく進行
しなくなる。
【0009】本発明において、該重合体(P)中の(メ
タ)アクリル酸(アルカリ金属塩)(b)単位の中和度
は、好ましくは60〜100モル%、より好ましくは7
0〜100モル%である。中和度が、60モル%未満で
は、(メタ)アクリル酸が充分に解離せず、吸収量及び
吸収速度が低下する。(メタ)アクリル酸の中和は、ア
ルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウムなど)を添加することにより行われ
る。(メタ)アクリル酸の中和は、重合前のモノマー段
階で中和してもよく、あるいは重合後の含水ゲルにアル
カリ金属の水酸化物を添加することによって行ってもよ
い。
【0010】本発明において、(メタ)アクリルアミド
(a)と、(メタ)アクリル酸(アルカリ金属塩)
(b)の共重合を行うに際し、必要により10モル%を
超えない範囲で他の水溶性のエチレン性不飽和単量体
(c)を共重合しても良い。この様な、水溶性のエチレ
ン性不飽和単量体(c)としては、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリ
レートや、そのアルカリ金属塩、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸及びそのアルカリ金属
塩、スチレンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩、マレ
イン酸、イタコン酸などを例示できるが、(メタ)アク
リルアミド(a)及び(メタ)アクリル酸(アルカリ金
属塩)(b)と共重合可能な水溶性エチレン性不飽和単
量体であれば何ら限定されるものではない。
【0011】本発明において、共重合体(P)は、必要
により、(a)〜(c)の合計量に対して、1モル%を
超えない範囲の架橋剤(d)を添加により予備的に架橋
されたものでも良い。架橋剤(d)としては、分子内に
エチレン性の不飽和官能基および/又は反応性官能基を
2個以上有する架橋剤であり、エチレン性の不飽和官能
基を2個以上有する架橋剤の具体例としては、例えばエ
チレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(ジ)アクリレート、グリセリントリ(ジ)ア
クリレート、エチレングリコールジアリルエーテル、グ
リセリントリ(ジ)アリルエーテル、ペンタエリスリト
ールトリ(ジ)アリルエーテル、N,N’−メチレンビ
スアクリルアミドなどを例示することができる。反応性
官能基を2個以上有するの架橋剤の具体例としては、多
価グリシジル化合物(エチレングリコールジグリシジル
エーテル、グリセロールトリ(ジ)グリシジルエーテ
ル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルなど)、
多価アミン化合物(エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミンなど)、多価イソシア
ネート化合物(2,4−トリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネートなど)を例示することが
できる。必要により添加する架橋剤(d)の添加量とし
ては、(a)〜(c)の合計量に対して、通常1モル%
を超えない量、好ましくは0.1モル%以下、更に好ま
しくは0.05モル%以下である。添加量が1モル%を
超えると、共重合体(P)の内部まで十分に架橋されて
しまい、吸収量が低下するため、後述する熱架橋を行う
意味がなくなってしまう。架橋剤(d)の添加は、架橋
剤(d)が、エチレン性の不飽和官能基を2個以上有す
る架橋剤である場合は、通常(a)〜(c)の共重合時
に添加し、一緒に共重合させれば良い。架橋剤(d)
が、反応性官能基を2個以上有するの架橋剤である場合
は、重合時あるいは重合後の任意の段階で添加し、必要
により加熱等を行い架橋させることができる。
【0012】本発明において、(メタ)アクリルアミド
(a)と(メタ)アクリル酸(アルカリ金属塩)(b)
と、必要により他の水溶性のエチレン性不飽和単量体
(c)を共重合する方法は、公知の方法で良く、例えば
ラジカル重合開始剤を用いて重合する方法、放射線、紫
外線、電子線などを照射する方法があげられる。ラジカ
ル重合開始剤を用いる方法において、この開始剤として
は、 ・アゾ化合物「4,4’−アゾビス(4−シアノバレリ
ックアシッド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N
−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,
2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロ
ライドなど」、 ・無機過酸化物「過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム、過硫酸ナトリウムなど」、 ・有機過酸化物「ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメ
ンヒドロパーオキサイドなど」及び ・レドックス開始剤「アルカリ金属塩の亜硫酸塩もしく
は重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニ
ウム、L−アスコルビン酸などの還元剤と、アルカリ金
属塩の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水な
どの過酸化物の組み合わせ」 ・及びこれらの2種類以上があげられる。
【0013】この開始剤を用いて重合させる方法は特に
限定されず、例えば重合温度は使用する開始剤の種類に
よっても異なるが、通常−10℃〜100℃、好ましく
は分子量をのばすために−10℃〜80℃である。開始
剤の量に関しても特に限定はないが、モノマーの合計重
量に関して、通常0.000001〜3.0%、好まし
くは0.000001〜0.5%である。重合時の溶媒
は、連鎖移動の少ない水を使用し通常水溶液重合で行わ
れるが、モノマーの水溶液を必要により分散剤の存在
下、疎水性溶媒(例えばヘキサン、トルエン、キシレン
など)中に分散・懸濁するいわゆる逆相懸濁重合も好適
に使用することができる。重合時のモノマー濃度である
重合濃度は、通常10〜60重量%、好ましくは20〜
50重量%である。重合濃度が10%以下では、共重合
体(P)の分子量が上がりづらくまた非効率的であり、
重合濃度が60%を越えると重合温度などがコントロー
ルしづらくなる。
【0014】この様にして重合することにより、共重合
体(P)の含水ゲル状物質が得られる。共重合体(P)
を作成するにあたり、架橋剤(d)を添加しない場合、
本発明の共重合体(P)は未架橋の水溶性の高分子とな
る。この未架橋の水溶性の高分子の固有粘度[η](分
子量の指標)は、通常15以上、好ましくは20以上、
更に好ましくは25〜50となる様に該重合条件を選択
する。未架橋の共重合体(P)の固有粘度[η]が15
未満では、重合体の分子量が低すぎて、この後、後述す
る熱架橋を行っても吸水又は保水剤の吸収量及びゲル強
度が低下する。また架橋剤(d)を添加した場合に関し
ては、共重合体(P)が架橋体となるため固有粘度
[η]の実測は不可能となるが、架橋剤(d)のみを除
いた場合に固有粘度[η]が15以上となる様な重合条
件で、共重合体(P)の重合を行うのが好ましい。
【0015】本発明において、必要により後述する熱架
橋時に架橋密度をアップさせる目的で、共重合体(P)
重合から乾燥までの含水ゲルの段階で、水溶性の
多価アルコール(e)を添加することができる。必要に
より使用する水溶性の多価アルコール(e)としては、
例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリス
リトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリグリセロールなどを例示することができる。
多価アルコールの添加は必ずしも必要ないが、添加する
場合は、通常(a)〜(c)の合計重量に対して、0.
01〜10重量%、好ましくは、0.1〜8重量%であ
る。
【0016】本発明において、水溶液重合又は逆相懸濁
重合により共重合体(P)の含水ゲルを得た場合、必要
により乾燥する。乾燥方法は公知の方法で良く、例えば
水溶液重合の場合は、重合ゲルを細分化した後、透気乾
燥(バンド乾燥など)や通気乾燥(循風乾燥など)、接
触乾燥(ドラムドライヤー乾燥など)を行う方法、逆相
懸濁重合の場合は、固液分離後、減圧乾燥や通気乾燥を
行う方法などを例示することができる。含水ゲルの乾燥
温度は、通常、品温が150℃以下、好ましくは130
℃以下で行う。150℃以上で長時間乾燥すると、乾燥
が終了し水が無くなった段階で一部熱架橋が開始する場
合がある。
【0017】このようにして得られた共重合体(P)の
乾燥物は、必要により粉砕して、粉末化する。粉砕方法
は、公知の方法でよく、例えば衝撃粉砕機(ピンミル、
カッターミル、スキレルミル、ACMパルペライザー、
遠心粉砕機など)や空気粉砕(ジェット粉砕機など)で
行うことができる。
【0018】共重合体(P)の熱架橋において、用途に
よっては目的の粒径に調整する前に、所定温度に加熱し
て熱架橋させた後、必要により粉砕を行って目的の粒径
に粒度調整しても良いが、好ましくは、目的の粒径の粉
末状あるいは粒子状に粒度調整した後、所定温度に加熱
して熱架橋させる。加熱温度は、通常130〜230
℃、好ましくは150〜210℃である。加熱温度が1
30℃未満では、加熱架橋が進行しないので好ましくな
い。一方、加熱温度が230℃を超えると、重合体のポ
リ(メタ)アクリルアミドの部分がアンモニアや炭酸ガ
スに分解し、品質が低下するので好ましくない。加熱時
間に関しては、達成したい架橋度によって種々異なる
が、品温が目的の温度に達してから、通常1〜600
分、好ましくは、5〜300分である。加熱時間が1分
以内ではうまく熱架橋が起こらず、一方加熱時間が60
0分を超えると、加熱する温度や重合体の組成にもよる
が、一部分解が開始する場合がある。粒状で熱架橋する
場合の粒径は、使用する用途によっても異なるが、例え
ば、セメント組成物の押し出し成型時の保形性改良など
を目的とした添加剤の用途には、通常平均粒径で1〜
1,000ミクロン、好ましくは、5〜500ミクロン
である。一方、土木用のセメント水などを含む水溶液の
シーリング材としてゴムなどに混練するような場合は、
通常平均粒径で0.1〜100ミクロン、好ましくは、
0.5〜50ミクロンである。
【0019】目的の粒径の粉末状あるいは粒子状に粒度
調整した後、所定温度に加熱して熱架橋させることによ
り、粒子の内部の架橋密度が低く粒子外核部が高度に架
橋された吸水又は保水剤を製造することができる。熱架
橋のメカニズムはさだかではないが、IR、NMRスペ
クトルの分析結果及び(メタ)アクリル酸(アルカリ金
属塩)(b)の比率がアップすると、架橋度がアップす
ることから、カルボン酸同士、カルボン酸とアミド基の
間での無水物の生成あるいはカルボン酸とアミド基間の
イミド結合の生成によるものと思われる。また、必要に
より重合体に多価アルコールを添加した場合は、カルボ
ン酸とアルコール間でのエステル結合も一部生成してい
るものと思われる。加熱により、粒子内部の架橋密度が
低く、かつ粒子外核部が高度に架橋された構造を持つポ
リマーが得られる理由に関しては、起こっていると思わ
れる加熱反応は、いずれも水又はアンモニアガスが副生
する反応であり、粉末の外核部で副生した水又はアンモ
ニアは加熱により系中から除去されるため、外核部での
架橋反応は高度に進行するが、粒子内部では水又はアン
モニアのかなりの割合が粒子内部に閉じこめられるた
め、平衡反応である架橋反応が進行しにくいためと推定
される。これを裏付ける根拠として、同一のポリマーで
粒度の異なる未架橋の乾燥粉末を同一条件で加熱架橋し
た場合、粒径の小さい粒子の方が架橋反応の進行が速い
こと、またある程度大きな粒子を再粉砕すると粒子内部
から、閉じこめられていたアンモニア及び水が発生する
ことが観察された。
【0020】この様にして得られた本発明の吸水または
保水剤は、同一組成、同一重合条件で架橋剤を使用して
均一に架橋したもので熱架橋はしない架橋重合体に比
べ、塩水での吸収量及びゲル強度が良好な耐塩性吸水性
樹脂が得られる。その理由は、本発明において熱架橋し
た吸水性樹脂は、粒子内部が低くかつ、粒子外核部が高
度に架橋されているため、いわゆる表面架橋に近い原理
で、均一に架橋した架橋重合体に比べ、吸収量が高くか
つゲル強度が高い吸収性樹脂が得られるためと思われ
る。
【0021】共重合体(P)の乾燥粉末の熱架橋を行う
加熱装置は、粉体を均一に加熱できる装置であればいず
れでも良く、例えば気流乾燥機、回転式乾燥機、パドル
ドライヤー、円盤型乾燥機、流動層乾燥機、ベルト式乾
燥機、ナウター式加熱機、赤外線乾燥機などを使用する
ことができる。
【0022】本発明の吸水又は保水剤は、実質的に水不
溶性の耐塩性の吸水又は保水剤であって、その吸収量及
び保水量は使用目的によりコントロールすることができ
るが、通常、10%塩化カルシウム水溶液での吸収量が
10倍以上でかつ10%塩化カルシウム水溶液を吸収し
た膨潤ゲルの弾性が50,000dyne/cm2
上、好ましくは吸収倍率が15倍以上でかつ膨潤ゲルの
弾性率が80,000dyne/cm2 以上である。従
って、本発明の耐塩性吸収性樹脂は、セメント外壁材の
様な押し出し成形を行うセメント配合物などに添加した
場合、押し出し成型時に過大な圧力が加わってもゲルが
壊れたり水を吐き出したりすることがなく、押し出し成
形後のセメント配合物の粘度アップや保形性を改良する
ことができる。また、ゴム基材「EPDM、クロロプレ
ン、SBRなど」のような基材に配合した場合には、ゴ
ムの圧力に打ち勝って塩水を吸収して膨潤できるため、
吸収速度が速くかつ吸収量が高い耐塩水膨潤性ゴムのシ
ーリング材を作成できる。更に、光ファイバー止水材の
様な海水中での膨潤速度や膨潤圧力を要求される用途に
も好適に使用できる。
【0023】本発明の吸水又は保水剤は、本発明の方法
における任意の段階で、防腐剤、防かび剤、殺菌剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、芳香剤、消臭剤など
を添加したものとすることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。 未架橋の重合体の固有粘度[η]、 熱架橋して得た耐塩性の吸水又は保水剤の10%塩化
カルシウム水溶液での吸収量、 人工海水での吸収量、 10%塩化カルシウム水溶液でのゲル弾性 は下記の方法により測定した。以下、特に定めない限り
%は重量%を示す。測定した。以下、特に定めない限
り、%は重量%を示す。
【0025】未架橋の重合体の固有粘度[η]:未架
橋の共重合体(P)の乾燥物0.20g(又は含水ゲ
ル、純分0.20g換算量)と5%の塩化ナトリウム水
溶液199.80gをビーカーに入れ、マグネティック
スターラーを用いて300rpmで3時間撹拌し均一に
溶解させ、純分0.10%の試料を作成する。この試料
を5%の塩化ナトリウム水溶液で希釈して、それぞれ純
分0.05%、0.03%、0.01%の試料を作成し
た。30±0.1℃に調整した恒温槽の水中にキャノン
フェンスケ粘度計を垂直に入れ、この中に各試料溶液1
0mlを入れ、30〜40分温調後、流出時間(秒)を
測定する。同様に5%塩化ナトリウムの水溶液単独の流
出時間を同一条件で測定してブランクとする。還元粘度
ηSP/Cを下式により測定した。 ηSP/C = (t−t0)/t0 × 1/C t :試料溶液の流出時間 t0 :5%塩化ナトリウムの水溶液単独の流出時間 C :試料溶液の濃度 ηSP:比粘度 方眼紙の横軸に各試料溶液の濃度C(%)を、縦軸に還
元粘度ηSP/Cをとり、各測定点をプロットする。各測
定点を通る直線を引き、縦軸と交わる点(C=0)にお
けるηSP/Cの値が固有粘度[η]である。
【0026】10%塩化カルシウムでの吸収量(Q
1):1リットルのビーカーに吸水性樹脂粉末2.0g
と10%塩化カルシウム水溶液500gを入れ、スター
ラーを用いて500rpmで1時間撹拌した。回転子を
取り除いた後、溶液全量を330メッシュのJIS標準
フルイ(目開き:50μm、直径20cm)に注ぎ、過
剰の10%塩化カルシウム水溶液を30分間水切りし
た。水切り後フルイ及び吸水性樹脂の間に付着した過剰
の塩化カルシウム水溶液を、ティッシュペーパーを用い
てフルイ網部を通して取り除いた後、膨潤した吸水性樹
脂とフルイとの総重量を測定し、次式により10%塩化
カルシウムでの吸収倍率(Q1)を求めた。 Q1=(膨潤した吸水性樹脂とフルイとの総重量−フル
イの重量)/2.0
【0027】人工海水での吸収量(Q2):1リット
ルのビーカーに吸水性樹脂粉末2.0gと人工海水(商
品名:アクアマリン、八洲薬品株式会社製)500gを
入れ、スターラーを用いて500rpmで1時間撹拌し
た。回転子を取り除いた後、溶液全量を330メッシュ
のJIS標準フルイ(目開き:50μm、直径20c
m)に注ぎ、過剰の人工海水を30分間水切りした。水
切り後フルイ及び吸水性樹脂の間に付着した過剰の人工
海水を、ティッシュペーパーを用いてフルイ網部を通し
て取り除いた後、膨潤した吸水性樹脂とフルイとの総重
量を測定し、次式により人工海水での吸収倍率(Q2)
を求めた。 Q2=(膨潤した吸水性樹脂とフルイとの総重量−フル
イの重量)/2.0
【0028】10%塩化カルシウムでのゲル弾性(E
0):10%塩化カルシウムでの吸収量測定時、フルイ
の上に残った含水ゲル0.2gを採取し、NO.1のプ
ランジャーを装着したクリープメーター[(株)山電
製]のテフロン製の測定板の上に置いた。このプランジ
ャーを0.5mm/秒の速度で測定板に近づけ、プラン
ジャーに10gの荷重がかかるまで測定板上のゲルを圧
縮しゲルを均一にならし、この時のプランジャーと測定
板との間隔(H0)(cm)を測定した。プランジャー
の荷重を50gに設定し、0.5mm/秒の速度でプラ
ンジャーに50gの荷重がかかるまで更にゲルを圧縮
し、付属の自動解析装置を用いて、ゲルが瞬間変形した
距離(H1)(cm)を測定し、下式により瞬間弾性
(E0)を計算して、ゲル弾性とした。 ゲル弾性(E0)=P0/H1/H0 (dyne/c
2) P0(応力) =F×980/S (dyne/cm2) F(荷重) =50(g) S(断面積) =V/(H0−H1)(cm2) V(サンプル体積)(cm3)=サンプル重量(g)/
比重(1.15)(g/cm3
【0029】実施例1 1リットルのビーカーにアクリル酸50gに48%の水
酸化ナトリウム水溶液55g、水495g及び50%ア
クリルアミド水溶液400gを添加し、5℃に冷却し
た。この溶液を、断熱重合槽に入れ、窒素を通じて溶液
の溶存酸素量を0.1ppmとした後、35%の過酸化
水素水0.0007g、L−アスコルビン酸0.000
25g及び4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック
アシッド)0.125gを添加した。約30分後重合が
開始し、約5時間後に最高到達温度72℃に到達して重
合が完結して、含水ゲル状の重合物が得られた。このゲ
ルを、ミートチョッパーで細分化した後、バンド乾燥機
(透気乾燥機、井上金属株式会社製)を用いて100℃
で1時間乾燥して、粉砕して粒径50〜500ミクロン
の未架橋の乾燥粉末を得た。この未架橋の乾燥粉末の固
有粘度[η]の値は27.2であった。この未架橋の乾
燥粉末100gをステンレスのバットに3mmの厚みで
入れ、180℃の循風乾燥機で60分加熱して熱架橋さ
せて、本発明の吸水・保水剤(1)を得た。本品の品質
分析結果を表1に示す。
【0030】実施例2 実施例1で得た重合ゲルに100gにジエチレングリコ
ール1.25gを混練添加した以外は、実施例1と同様
の操作を行い、本発明の吸水・保水剤(2)を得た。
【0031】実施例3 実施例1の重合を行う際に、ペンタエリスリトールトリ
アリルエーテル0.03gを添加した以外は、実施例1
と同様な操作を行い、本発明の吸水・保水剤(3)を得
た。
【0032】実施例4 アクリル酸40gに48%の水酸化ナトリウム46g、
水127g及び50%のアクリルアミド水溶液120g
を添加し、10℃まで冷却してモノマー溶液を調整した
後、過硫酸カリウム0.05gを添加した。還流機、滴
下ロートを備えた1リットルのセパラブルフラスコに、
トルエン600g及び分散剤としてスチレンスルホン酸
ソーダ/スチレン共重合体[三洋化成工業(株)製]
1.0gを入れ、トルエン中に窒素を通じて溶存酸素を
除去しながら、水浴を用いてトルエンの温度を60℃に
加熱し分散剤を均一に溶解させた。セパラブルフラスコ
のトルエンの温度を60℃に保ち、少量の窒素を通じな
がら、モノマー液を滴下ロートを通じて約2時間かけて
滴下し逆相懸濁重合させ、滴下後、トルエンの温度を6
5℃に昇温して重合を完結させた。重合後、トルエンを
デカンテーションして除去し、重合物である球状の含水
ゲルを分散剤を含まないトルエンで2〜3回洗浄した
後、80℃の減圧乾燥機で乾燥して、球状の未架橋の乾
燥粉末を得た。未架橋の乾燥粉末の粒径は、平均粒径で
約150ミクロンであった。 この未架橋の乾燥粉末の
固有粘度[η]の値は23.5であった。この未架橋の
乾燥粉末100gを、電機ヒーターを備えた小型のパド
ルドライヤー[細川ミクロン(株)製]に入れ、乾燥粉
末を撹拌しながら電機ヒーターの温度200℃に昇温し
た。打点温度計を用いて、乾燥粉末の品温をチェックし
たところ、約10分後に190℃に到達したため、この
温度で30分加熱を継続して熱架橋させ本発明の吸水・
保水剤(4)を得た。
【0033】実施例5 1リットルのビーカーにアクリル酸50gに48%の水
酸化ナトリウム水溶液55g、水495g及び50%ア
クリルアミド水溶液400g、及び2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート10gを添加し、5℃に冷却した。こ
の溶液を、断熱重合槽に入れ、窒素を通じて溶液の溶存
酸素量を0.1ppmとした後、35%の過酸化水素水
0.0007g、L−アスコルビン酸0.00025g
及び4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッ
ド)0.125gを添加した。約40分後重合が開始
し、約6時間後に最高到達温度73℃に到達して重合が
完結して、含水ゲル状の重合物が得られた。このゲル
を、ミートチョッパーで細分化した後、バンド乾燥機
[透気乾燥機、井上金属(株)製]を用いて100℃で
1時間乾燥して、粉砕して粒径50〜500ミクロンの
未架橋の乾燥粉末を得た。この未架橋の乾燥粉末の固有
粘度[η]の値は25.2であった。この未架橋の乾燥
粉末100gをステンレスのバットに3mmの厚みで入
れ、180℃の循風乾燥機で60分加熱して熱架橋させ
て、本発明の吸水・保水剤(5)を得た。
【0034】実施例6 1リットルのビーカーにアクリル酸175gに48%の
水酸化ナトリウム水溶液193g、水495g及び50
%アクリルアミド水溶液150gを添加し5℃に冷却し
た。この溶液を、断熱重合槽に入れ、窒素を通じて溶液
の溶存酸素量を0.01ppmとした後、35%の過酸
化水素水0.0001g、L−アスコルビン酸0.00
005g及び4,4’−アゾビス(4−シアノバレリッ
クアシッド)0.075gを添加した。約30分後重合
が開始し、約5時間後に最高到達温度72℃に到達して
重合が完結して、含水ゲル状の重合物が得られた。この
ゲルを、ミートチョッパーで細分化した後、バンド乾燥
機(透気乾燥機、井上金属株式会社製)を用いて100
℃で1時間乾燥して、粉砕して粒径50〜500ミクロ
ンの未架橋の乾燥粉末を得た。この未架橋の乾燥粉末の
固有粘度[η]の値は20.2であった。この未架橋の
乾燥粉末100gをステンレスのバットに3mmの厚み
で入れ、180℃の循風乾燥機で60分加熱して熱架橋
させて、本発明の吸水・保水剤(6)を得た。
【0035】比較例1 市販品のサンウェットIM−5000D[アクリル酸/
アクリル酸Na系吸水性樹脂、三洋化成工業(株)製]
を比較の吸水・保水剤(1)とした。
【0036】比較例2 500mlのセパラブルフラスコにスルホエチルアクリ
レートのナトリウム塩172.8g(0.80モル)、
アクリル酸3.6g(0.05モル)、アクリル酸ナト
リウム14.1g(0.15モル)、N,N’−メチレ
ンビスアクリルアミド0.154g(0.001モル)
及び水260gを仕込み、撹拌して均一に溶解させた。
窒素置換した後、湯浴で40℃に加熱し、10%過硫酸
アンモニウム水溶液1.0g及び1%L−アスコルビン
酸水溶液5gを添加し、撹拌を停止し重合させた。重合
開始後発熱し、40分後に68℃まで上昇した。重合系
の温度が下がり始めたのを確認した後、湯浴を90℃に
上昇させ更に1時間加熱した。得られた吸水性樹脂の含
水ゲルを細分化した後、150℃の循風乾燥機で5時間
加熱し、粉砕して比較の吸水・保水剤(2)を得た。
尚、比較例2において、架橋剤であるN,N’−メチレ
ンビスアクリルアミドを使用せずに重合体ゲルを作成
し、この固有粘度[η]を測定したところ、固有粘度
[η]の値は、4.3であった。
【0037】比較例3 1リットルのセパラブルフラスコに分散安定剤として、
部分ケン化PVA3gと水300mlを仕込み、次いで
この水溶液に酢酸ビニル60g、アクリル酸メチル40
g、架橋剤としてジビニルベンゼン0.1g及び重合開
始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5gを加え
て、撹拌することにより分散させた。窒素を通じて、溶
存酸素を置換した後、湯浴を用いて65℃に昇温させ
て、約6時間懸濁重合を行い架橋された共重合体を得
た。得られた架橋された共重合体10gをメタノール3
00mlに分散し、5Nの水酸化ナトリウム水溶液70
mlを添加し、60℃で5時間ケン化した。ケン化後、
ケン化された共重合体をメタノールで洗浄、ろ過を繰り
返し、遊離の水酸化ナトリウム及びケン化時副製した酢
酸ソーダを除去した後、減圧乾燥して比較の吸水・保水
剤(3)を得た。尚、比較例3において、架橋剤である
ジビニルベンゼンを使用せずに、同様に重合・ケン化
し、未架橋のケン化物を得た。この未架橋のケン化物の
固有粘度[η]を測定したところ、固有粘度[η]の値
は5.2であった。
【0038】比較例4 実施例1の重合を行う際に、ペンタエリスリトールトリ
アリルエーテル0.03gを添加し、熱架橋を行わずに
比較の吸水・保水剤(4)を得た。
【0039】比較例5 実施例1に記載した重合を行う際に、架橋剤としてN,
N’−メチレンビスアクリルアミド1.0gを添加し、
熱架橋を行わずに比較の吸水・保水剤(5)を得た。実
施例1〜6、比較例1〜5の品質分析結果を表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から、次のことが明らかである。 実施例1〜5で得られた、吸水・保水剤(1)〜
(5)は、比較例1〜3で得られた比較の吸水・保水剤
(1)〜(3)に比較して、10%塩化カルシウム及び
人工海水での吸水量、及び10%塩化カルシウムでのゲ
ル弾性が著しく優れており、実施例6で得られた、吸水
・保水剤(6)は、比較例1〜3で得られた比較の吸水
・保水剤(1)〜(3)に比較して、ゲル弾性が著しく
優れている。 また、実施例1〜6で得られた、吸水・保水剤(1)
〜(6)は、比較例4で得られた比較の吸水・保水剤
(4)と比較して、10%塩化カルシウムでのゲル弾性
が著しく優れており、比較の吸水・保水剤(5)と比較
すると10%塩化カルシウムでの吸収量が著しく優れて
いる。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法は次のような効果を奏す
る。 本発明の吸水又は保水剤は親水性ノニオンであるポリ
アクリルアミドを使用しているため、多価金属イオンの
影響を受けづらく、多価金属イオンが多量に存在する水
溶液でも吸収量の低下が少ない。 モノマーとして重合性が良好なアクリルアミドを使用
しているため、分子量が上がりやすく、多価金属イオン
を多量に含む水溶液下での吸収量及びゲル弾性が高い。 粒子内部の架橋密度が低く、粒子外核部が高度に架橋
されているため、均一に架橋した吸水性樹脂に比べ、高
濃度の塩水溶液下での吸収量及びゲル弾性の両者が良好
である。 安価なモノマーを使用し、かつ製造工程も簡便である
ため、耐塩性の吸水又は保水剤を安価に供給できる。
【0043】また、本発明の方法により得られる本発明
の吸水又は保水剤は次のような特性を有する。 セメントスラリーの様な多量のカルシウムイオンを含
む水性液に対する吸収量に優れるため、セメントスラリ
ーなどに添加した場合、増粘効果によりセメント成形物
の保形性がアップし、またゲル弾性が高いため、セメン
トスラリーの成形時、押出機等で高圧がかかっても、ゲ
ルから水を吐き出さず、保水性にも優れている。また、
セメントスラリーを乾燥した場合、吸水又は保水剤が存
在した部分が独立気泡となるため、セメント硬化物の強
度を維持したままで、軽量化を行うことが可能となる。 ゴム等に混練した場合、高度の塩水でも吸収量が高い
ため、海水やセメント施工後のブリード水でも良好に吸
収し、膨潤時のゲルの弾性が高いため、ゴムの弾性打ち
勝ってすばやく膨張し、短時間で海水やブリード水など
をシーリングする事ができる。また、ゴム等との相溶性
にも優れているため、膨潤時、ゴムからの樹脂の脱落量
が少ない。
【0044】上記効果を奏することから、本発明の方法
により得られる本発明の吸水又は保水剤は、セメント組
成物の増粘剤、植物や土壌などの保水剤;ヘドロなどの
凝固剤;土木建築用の止水材やパッキング材;電線ケー
ブルや光ファイバーケーブルの止水材などの各種用途に
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 33/24 C08L 33/24 C09K 3/00 C09K 3/00 N (56)参考文献 特開 昭57−34101(JP,A) 特開 平6−1886(JP,A) 特開 平4−363383(JP,A) 特開 平8−157823(JP,A) 特開 平5−70762(JP,A) 特開 平1−141938(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/00 - 20/34

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリルアミド(a)20〜9
    9モル%と、(メタ)アクリル酸(アルカリ金属塩)
    (b)1〜80モル%と、必要により、10モル%を超
    えない量の他の水溶性のエチレン性不飽和単量体(c)
    との共重合体(P)の平均粒径が1〜1,000ミクロ
    ンの粒子の内部の架橋密度が低く粒子外核部が高度に架
    橋された乾燥粉末あるいは乾燥粒子の熱架橋体からなる
    吸水又は保水剤。
  2. 【請求項2】 前記共重合体(P)が、固有粘度[η]
    が15以上の水溶性の共重合体である請求項1記載の吸
    水又は保水剤。
  3. 【請求項3】 共重合体(P)が、(a)〜(c)の合
    計量に対して、1モル%を超えない量の架橋剤(d)を
    添加した架橋共重合体である請求項1又は2記載の吸水
    又は保水剤。
  4. 【請求項4】 前記(c)が10モル%を超えない量の
    他の水溶性のエチレン性不飽和単量体(c)(架橋剤を
    除く)ものであり、且つ前記(P)が未架橋の共重合体
    (P)である請求項1又は2記載の吸水又は保水剤。
  5. 【請求項5】 該熱架橋体が、共重合体(P)の乾燥重
    量に対して、共重合体(P)内部に含有された0.01
    〜10重量%の水溶性の多価アルコール(e)により、
    該熱架橋と共に(e)による架橋もされたものである請
    求項1〜4の何れか記載の吸水又は保水剤。
  6. 【請求項6】 該重合体(P)中の(b)単位の中和度
    が、60〜100モル%である請求項1〜5の何れか記
    載の吸水又は保水剤。
  7. 【請求項7】 塩化カルシウム10%重量水溶液の吸収
    倍率が10g/g以上であり、かつゲル弾性が50,0
    00dyne/cm2 以上である請求項1〜6の何れ
    か記載の吸水又は保水剤。
  8. 【請求項8】 (メタ)アクリルアミド(a)20〜9
    9モル%と、(メタ)アクリル酸(アルカリ金属塩)
    (b)1〜80モル%と、必要により、10モル%を超
    えない他の水溶性のエチレン性不飽和単量体(c)との
    共重合体(P)の平均粒径が1〜1,000ミクロンの
    乾燥粉末あるいは乾燥粒子を、130〜230℃に加熱
    して熱架橋させることを特徴とする粒子の内部の架橋密
    度が低く 粒子外核部が高度に架橋された吸水又は保水剤
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記(c)が10モル%を超えない量の
    他の水溶性のエチレン性不飽和単量体(c)(架橋剤を
    除く)ものであり、且つ前記(P)が未架橋の共重合体
    (P)である請求項8記載の吸水又は保水剤の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 共重合体(P)が、水溶液重合または
    逆相懸濁重合で得られたものであると共に、 重合後
    の含水ゲルの段階で、共重合体(P)の乾燥重量に対
    し、水溶性の多価アルコール(e)0.01〜10重量
    %を添加し、熱架橋させる請求項8又は9記載の製造方
    法。
JP14101397A 1996-05-14 1997-05-14 吸水又は保水剤並びにその製造方法 Expired - Fee Related JP3323419B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14101397A JP3323419B2 (ja) 1996-05-14 1997-05-14 吸水又は保水剤並びにその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-144981 1996-05-14
JP14498196 1996-05-14
JP14101397A JP3323419B2 (ja) 1996-05-14 1997-05-14 吸水又は保水剤並びにその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1094729A JPH1094729A (ja) 1998-04-14
JP3323419B2 true JP3323419B2 (ja) 2002-09-09

Family

ID=26473359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14101397A Expired - Fee Related JP3323419B2 (ja) 1996-05-14 1997-05-14 吸水又は保水剤並びにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3323419B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007169372A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Dainippon Ink & Chem Inc 水膨潤性シール材
JP5037860B2 (ja) * 2006-05-30 2012-10-03 有限会社三鶴園芸 園芸用保水剤
CN115707721B (zh) * 2021-08-20 2024-01-26 中国石油天然气股份有限公司 一种地下二次交联的凝胶颗粒及其制备方法与应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1094729A (ja) 1998-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6130304A (en) Water-absorbent or water-retention material and production method thereof
US6335406B1 (en) Method for production of absorbent resin excelling in durability
JP2530668B2 (ja) 改良された吸水性樹脂の製造法
EP0693508B1 (en) Temperature-sensitive water-absorbing/desorbing polymer composition
WO2012002455A1 (ja) ポリアクリル酸系吸水性樹脂及びその製造方法
JPWO2010095427A1 (ja) ポリアクリル酸系吸水性樹脂粉末およびその製造方法
EP0312952A2 (en) Process for preparing absorbent polymers
US6333109B1 (en) Water-swellable crosslinked polymer composition and production
JPH04175319A (ja) 吸水性樹脂の製造法
US5621055A (en) Process for producing polymer particles with irregular shape
JPH0725810B2 (ja) 高吸水性樹脂の製造方法
JP3207785B2 (ja) 吸水又は保水剤
JP3597597B2 (ja) 吸水性樹脂及びその製造方法
JPH03195713A (ja) 高吸水性ポリマーの製造法
JPH0639487B2 (ja) 高吸水性樹脂の製法
CN113372611B (zh) 一种可提高吸收速度的超吸收聚合物及其制备方法与应用
JP3323419B2 (ja) 吸水又は保水剤並びにその製造方法
JPH04227705A (ja) 耐塩性吸水性樹脂の製造方法
JP4550256B2 (ja) 吸水性樹脂の製造法
JPH0726026A (ja) 表面架橋された吸水性ポリマーの製造方法
JPH01249808A (ja) 耐塩性吸水性樹脂微粒子の製造方法
JP2007009108A (ja) 吸水材
JPS6136309A (ja) 耐塩,耐光性吸水剤
JP4198265B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP4676747B2 (ja) 吸水性樹脂粒子とその製造方法、吸水性樹脂粒子組成物、ならびに用途

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080628

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090628

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100628

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100628

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110628

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110628

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110628

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120628

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120628

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120628

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120628

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120628

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120628

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130628

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees