JPH08266895A - 含水ゲルおよびその用途 - Google Patents

含水ゲルおよびその用途

Info

Publication number
JPH08266895A
JPH08266895A JP7647195A JP7647195A JPH08266895A JP H08266895 A JPH08266895 A JP H08266895A JP 7647195 A JP7647195 A JP 7647195A JP 7647195 A JP7647195 A JP 7647195A JP H08266895 A JPH08266895 A JP H08266895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
water
absorbent resin
hydrogel
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7647195A
Other languages
English (en)
Inventor
Naotake Shioji
尚武 塩路
Kazuhiro Okamura
一弘 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP7647195A priority Critical patent/JPH08266895A/ja
Publication of JPH08266895A publication Critical patent/JPH08266895A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱燐材の脱燐性能をより一層改善する。 【構成】 脱燐材の原料として、吸水性樹脂、吸水性樹
脂に吸収された水、および吸水性樹脂1重量部に対して
0.18重量部以上の鉄元素および/またはアルミニウ
ム元素を含む含水ゲルを用いる。この含水ゲルをアルカ
リ性物質で処理して脱燐材を得る。吸水性樹脂は、たと
えば、メトキシポリエチレングリコール(エチレンオキ
サイド平均付加モル数9モル)メタクリレート68重量
%、メタクリル酸ナトリウム43重量%からなる第1単
量体成分を重合開始剤および架橋剤の存在下に水性媒体
中で重合するにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含水ゲルおよびその用
途に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸−ビニルアルコール架橋共重
合体、イソブチレン−無水マレイン酸架橋共重合体など
の含水ゲル内に燐吸着力をもつAl、Feなどの3価金
属の水酸化物を保持させた脱燐材が提案されている(特
開平6−218366号公報)。この脱燐材は、含水ゲ
ルの比重が水に近いため、きわめて容易に水中に懸濁流
動させやすい。
【0003】しかし、上記脱燐材は、脱燐性能をより一
層改善する余地がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、脱燐
性能がより一層改善した脱燐材を作ることができる含水
ゲルを提供することである。本発明の課題は、また、脱
燐性能がより一層改善した脱燐材を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の含水ゲルは、第
1の態様によれば、吸水性樹脂と吸水性樹脂に吸収され
た水とを含み、鉄元素および/またはアルミニウム元素
を、吸水性樹脂1重量部に対して0.18重量部以上さ
らに含む。本発明の含水ゲルは、第2の態様によれば、
吸水性樹脂が、第1単量体成分を重合開始剤および架橋
剤の存在下に水性媒体中で重合することにより得られる
ものであること以外は第1の態様の含水ゲルと同じ構成
を持つ。第1単量体成分は、下記一般式(1):
【0006】
【化2】
【0007】(ただし、Rは水素またはメチル基であ
り;Xは、全オキシアルキレン基に対するオキシエチレ
ン基のモル分率が50モル%以上である炭素数2〜4の
オキシアルキレン基であり;Yは、炭素数1〜5のアル
コキシ基であり;nは平均で3〜50の正数である)で
表されるノニオン性単量体を30〜100重量%含む。
【0008】本発明の含水ゲルは、第3の態様によれ
ば、第1単量体成分の水性媒体中における重合を、第1
単量体成分、架橋剤および水性媒体を含む混合物の曇点
未満の温度で開始すること以外は第2の態様の含水ゲル
と同じ構成を持つ。本発明の含水ゲルは、第4の態様に
よれば、吸水性樹脂が、第2単量体成分を重合すること
により得られるものであること以外は第1の態様の含水
ゲルと同じ構成を持つ。第2単量体成分は、アミド基含
有エチレン性不飽和単量体を90〜100重量%含む。
【0009】本発明の脱燐材は、本発明の第1の態様か
ら第4の態様までのいずれかの含水ゲルをアルカリ性物
質で処理することにより得られる。
【0010】
【手段の説明】
(含水ゲル)本発明の含水ゲルは、吸水性樹脂と、水
と、鉄元素および/またはアルミニウム元素とを含む。
鉄元素とアルミニウム元素との合計量は、吸水性樹脂1
重量部に対して、0.18重量部以上、好ましくは0.
30重量部以上である。鉄元素とアルミニウム元素との
合計量が0.18重量部を下回ると、脱燐性能がきわめ
て悪くなり、0.30重量部以上だと、脱燐性能がより
一層良い。
【0011】本発明に用いられる吸水性樹脂は、含水ゲ
ルになった状態で鉄元素および/またはアルミニウム元
素を吸水性樹脂1重量部に対して0.18重量部以上、
好ましくは0.30重量部以上含みうるものであれば、
製造方法、単量体組成などに特に限定はない。吸水性樹
脂を製造するために、たとえば、単量体、架橋剤、重合
開始剤、および重合溶媒の存在下、溶液重合法、懸濁重
合法、逆相懸濁重合法など公知の重合方法が使用され
る。使用される単量体としては、たとえば、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、あるいはそれらの一価
金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中
和物や完全中和物などの不飽和モノカルボン酸系単量
体;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸
あるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有
機アミンによる部分中和物や完全中和物などの不飽和ジ
カルボン酸系単量体;ビニルスルホン酸、アリルスルホ
ン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スル
ホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシスルホプロピル(メ
タ)アクリレートあるいはそれらの一価金属、二価金
属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中
和物などの不飽和スルホン酸系単量体;(メタ)アクリ
ルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミドなどのア
ミド系単量体;(メタ)アクリル酸エステル、スチレ
ン、2−メチルスチレン、酢酸ビニルなどの疎水性単量
体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリル
アルコール、アルコキシポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アクリレートなどのノニオン系単量体;ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミドなどのカチオン性単量
体;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル系単量
体;(メタ)アクリルアミドメタンホスホン酸、(メ
タ)アクリルアミドメタンホスホン酸メチルエステル、
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンホス
ホン酸などの含燐単量体;エチレン、プロピレン、1−
ブテン、イソブチレン、α−アミレン、2−メチル−1
−ブテン、3−メチル−1−ブテン(α−イソアミレ
ン)、1−ヘキセン、1−ヘプテンなどのα−オレフィ
ン系単量体などを挙げることができる。これらの単量体
は、それぞれ単独で使用されたり、あるいは、2種以上
併用されたりする。
【0012】架橋剤としては、たとえば、ジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、N,N−メチレンビスアクリルアミ
ド、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパ
ンジアリルエーテルなどの1分子中にエチレン系不飽和
基を2個以上有する化合物;エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピ
レングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコ
ール、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタ
ン、グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブ
ドウ糖などの多価アルコール;エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコ
ールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリ
シジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどの
ポリエポキシ化合物があげられ、これらの1種を単独で
使用したり、又は2種以上を併用したりすることができ
る。
【0013】架橋剤として多価アルコールを用いる場合
には150〜250℃で、ポリエポキシ化合物の場合に
は50〜250℃で重合後熱処理することが好ましい。
架橋剤の使用は、得られる吸水性樹脂の架橋密度を自由
自在に制御できるため好ましい。架橋剤の使用量は、前
記単量体に対してモル比で、たとえば0.0005〜
0.02の範囲であり、0.001〜0.01の範囲が
好ましい。この範囲を外れて得られた吸水性樹脂を用い
ても、鉄元素および/またはアルミニウム元素を吸水性
樹脂1重量部に対して0.18重量部以上、好ましくは
0.30重量部以上含む含水ゲルが得られないおそれが
ある。
【0014】重合開始剤としては、過酸化水素、ベンゾ
イルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド
などの過酸化物;アゾビスイソブチロニトリルなどのア
ゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの
過硫酸塩などのラジカル発生剤や、これらと亜硫酸水素
ナトリウム、L−アスコルビン酸、第1鉄塩などの還元
剤との組み合わせによるレドックス系開始剤が用いられ
る。
【0015】重合開始剤の量は、単量体の合計量に対し
て、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1
重量%である。また、還元剤を併用するレドックス系開
始剤の場合、還元剤の量は、ラジカル発生剤に対して重
量比で0.01〜5、特に0.05〜2の範囲が好まし
い。重合溶媒としては、たとえば、水、メタノール、エ
タノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシドなどが単独で、または混合物として使用す
ることができる。重合溶媒、単量体、および架橋剤を含
む混合物において、単量体の合計濃度は、特に制限はな
いが、重合反応の制御の容易さと収率・経済性を考慮す
れば、20〜80重量%、特に30〜60重量%の範囲
にあることが好ましい。
【0016】重合時の温度は用いる重合開始剤の種類に
より異なるが、比較的低温のほうが吸水性樹脂の分子量
が大きくなり好ましい。しかし、重合が完結するために
は20〜100℃の範囲であることが好ましい。本発明
の含水ゲルを得るには、乾燥した吸水性樹脂に鉄元素お
よび/またはアルミニウム元素の水溶性塩の水溶液を吸
収させ、必要に応じて洗浄する。または、未乾、あるい
は、乾燥した吸水性樹脂にイオン交換水を吸収させてか
ら、鉄元素および/またはアルミニウム元素の水溶性塩
の水溶液と接触させてもよい。
【0017】鉄元素および/またはアルミニウム元素の
水溶性塩としては、たとえば、塩化第2鉄、塩化第1
鉄、硫酸第2鉄、硫酸第1鉄、塩化アルミニウム、硫酸
アルミニウムなどが挙げられる。なお、鉄元素および/
またはアルミニウム元素を吸水性樹脂1重量部に対して
0.18重量部以上、好ましくは0.30重量部以上含
む含水ゲルに用いられる吸水性樹脂としては、鉄元素お
よび/またはアルミニウム元素を吸水性樹脂1重量部に
対して0.18重量部以上、好ましくは0.30重量部
以上容易に含みうるという理由により、次に挙げる2種
の吸水性樹脂(a) および(b) うちのいずれかが特に好ま
しい。なお、吸水性樹脂(a) および(b) の説明において
特に説明していない部分は上述の吸水性樹脂の製造方法
と同じである。
【0018】(a) 第1単量体成分を重合開始剤および架
橋剤の存在下に水性媒体中で重合することにより得られ
る吸水性樹脂。 第1単量体成分は、下記一般式(1):
【0019】
【化3】
【0020】(ただし、Rは水素またはメチル基であ
り;Xは、全オキシアルキレン基に対するオキシエチレ
ン基のモル分率が50モル%以上である炭素数2〜4の
オキシアルキレン基であり;Yは、炭素数1〜5のアル
コキシ基であり;nは平均で3〜50の正数である)で
表されるノニオン性単量体を30〜100重量%、好ま
しくは40〜90重量%含む。ノニオン性単量体の量が
前記範囲を外れた場合、上記一般式(1)において、X
が、全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基の
モル分率50モル%以上である炭素数2〜4のオキシア
ルキレン基ではない場合、Yが炭素数1〜5のアルコキ
シ基ではない場合、または、nが平均で3〜50の正数
ではない場合、鉄元素および/またはアルミニウム元素
を吸水性樹脂1重量部に対して0.18重量部以上、好
ましくは0.30重量部以上含む含水ゲルが得られない
という問題がある。
【0021】ここで使用されるノニオン性単量体として
は、たとえば、メトキシポリエチレングリコール(エチ
レングリコールの平均付加モル数3〜50)モノ(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール・
ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
メトキシポリエチレングリコール・ポリブチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエ
チレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール・
ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど
を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用
いることができる。
【0022】第1単量体成分として、これらのノニオン
性単量体のみで本発明に使用される吸水性樹脂が得られ
るが、好ましくは前記ノニオン性単量体40〜90重量
%とアニオン性単量体60〜10重量%(ただし、ノニ
オン性単量体とアニオン性単量体の合計は100重量%
である)からなる単量体成分が使用される。この理由
は、鉄元素および/またはアルミニウム元素を吸水性樹
脂1重量部に対して0.18重量部以上、好ましくは
0.30重量部以上含みうる含水ゲルが容易に得られる
からである。このようなアニオン性単量体としては、特
に制限はないが、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸あるいはそれらの1価金属、2価金属、アンモニア、
有機アミンによる部分中和物や完全中和物などの不飽和
モノカルボン酸系単量体;ビニルスルホン酸、アリルス
ルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸、スルホエ
チル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)ア
クリレートあるいはそれらの1価金属、2価金属、アン
モニア、有機アミンによる部分中和物や完全中和物など
の不飽和スルホン酸系単量体が好ましく、これらの1種
または2種以上を用いることができる。
【0023】第1単量体成分の重合は、第1単量体成分
を重合開始剤および架橋剤の存在下に水性媒体中で行
う。ここで、水性媒体とは、水単独、あるいは、水と水
に溶解可能な溶媒との混合溶媒を意味する。ここで水性
媒体中での重合は、逆相懸濁重合(単量体は疎水性溶媒
中に分散されている水性媒体に溶解していて重合され
る)を除外する。逆相懸濁重合を除外した水性媒体中で
の重合が好ましい理由は、安全性の高い吸水性樹脂が得
られるからである。
【0024】水に溶解可能な溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコ
ール系溶媒;アセトンなどのケトン系溶媒;ジメチルホ
ルムアミドなどのアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド
などを挙げることができる。水性媒体としては、水単独
が特に好ましい。水性媒体以外の重合溶媒を用いて得ら
れた吸水性樹脂の場合、鉄元素および/またはアルミニ
ウム元素を吸水性樹脂1重量部に対して0.18重量部
以上、好ましくは0.30重量部以上含みうる含水ゲル
は得られないし、また、耐久性にも問題が生じる。
【0025】重合開始剤としては、上述のラジカル発生
剤や上述のレドックス系開始剤が使用される。一般式
(1)で表されるノニオン性単量体を用いて吸水性樹脂
を作るために用いる架橋剤としては、上述の架橋剤が使
用されるが、なかでも、エチレンオキサイドのモル分率
が50%以上である炭素原子数2〜4のアルキレンオキ
サイドの平均付加モル数4〜100のポリアルキレング
リコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、炭素原子
数2〜4のアルキレンオキサイドの平均付加モル数5〜
50のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレー
トがより好ましく、炭素原子数2〜3のアルキレンオキ
サイドの平均付加モル数7〜30のポリアルキレングリ
コールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。アルキ
レンオキサイドのエチレンオキサイドのモル分率が50
%を下回るかアルキレンオキサイドの炭素原子数が上記
範囲を外れると、ポリアルキレングリコールジ(メタ)
アクリレートが水性媒体に溶解しにくくなるおそれがあ
る。また、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が上
記範囲を外れると、得られた含水ゲルの耐光性が低下す
るおそれがある。ポリアルキレングリコールジ(メタ)
アクリレートとしては、たとえば、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートな
どを挙げることができる。ポリアルキレングリコールジ
(メタ)アクリレート以外の架橋剤、たとえばN,N−
メチレンビスアクリルアミドやトリメチロールプロパン
トリアクリレートなどの周知の架橋剤を用いて得られた
吸水性樹脂は、鉄元素および/またはアルミニウム元素
を吸水性樹脂1重量部に対して0.18重量部以上、好
ましくは0.30重量部以上含まないことがあり、また
は、含水ゲルの耐光性が小さく、屋外で使用されるケー
スの多い脱燐材として問題が生じる場合がある。
【0026】第1単量体成分の重合は、第1単量体成
分、架橋剤および水性媒体を含む混合物の曇点未満の温
度で開始することが好ましい。重合の開始は、たとえ
ば、重合系からの発熱によりわかる。曇点未満の温度で
重合開始することにより、組成が均一で耐久性に優れた
吸水性樹脂を得ることができる。曇点は、第1単量体成
分、架橋剤、および水性媒体を含む透明な混合物の温度
を上げていったときに混合物が濁り始める温度である。
【0027】曇点は使用する単量体の種類、組成、濃
度、水性媒体の種類などにより変化する。たとえば、ノ
ニオン性単量体として、メトキシポリエチレングリコー
ル(エチレンオキサイド(以下、EOと記す)平均付加
モル数9)メタクリレートを、またアニオン性単量体と
してアクリル酸ナトリウムを使用し、水性媒体(重合溶
媒)として水単独を用いた場合の曇点は以下のように条
件によって異なる。すなわち、重合系におけるノニオン
性単量体とアニオン性単量体の合計単量体濃度が50重
量%で一定の場合、組成比としてノニオン性単量体が4
0重量%の時(アニオン性単量体が60重量%の時)は
31℃であり、またノニオン性単量体が80重量%の時
(アニオン性単量体が20重量%の時)は53℃とな
る。このように曇点は単量体の組成比によって異なった
値をとる。また、ノニオン性単量体、アニオン性単量体
ともに50重量%の時、重合系におけるノニオン性単量
体とアニオン性単量体の合計単量体濃度が30重量%の
場合に59℃であり、合計単量体濃度が50重量%の場
合には34℃であり、合計単量体濃度が60重量%の場
合は20℃となる。このように曇点は単量体濃度によっ
ても異なった値をとる。更に、ノニオン性単量体および
アニオン性単量体の種類を変えた場合や、水性媒体の種
類や組成を変えた場合にも曇点は違ってくる。このよう
に曇点は種々の条件により変化するが、重合系が一定で
あれば一義的に決まるものである。曇点未満の温度で反
応を開始させた後は直ちに重合熱あるいは加熱により曇
点以上の温度で反応を進行させることはもちろん可能で
あるが、全単量体に対して1モル%以上の単量体を曇点
未満の温度で重合せしめておくことが好ましい。
【0028】第1単量体成分を含む混合物において、第
1単量体成分の濃度(単量体の合計濃度)は、特に制限
はないが、重合反応の制御の容易さと収率・経済性を考
慮すれば、20〜80重量%、特に30〜60重量%の
範囲にあることが好ましい。重合開始剤の量は、第1単
量体成分の重量(単量体の合計重量)に対して、0.0
01〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%であ
る。また、還元剤を併用するレドックス系開始剤の場
合、還元剤の量は、ラジカル発生剤に対して重量比で
0.01〜5、特に0.05〜2の範囲が好ましい。 (b) アミド基含有エチレン性不飽和単量体を90〜10
0重量%、好ましくは100重量%含む第2単量体成分
を重合することにより得られる吸水性樹脂。
【0029】ここで使用されるアミド基含有エチレン性
不飽和単量体としては、たとえば、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミドな
どを挙げることができるが、中でも重合性に優れたアク
リルアミドが特に好ましい。全第2単量体成分中のアミ
ド基含有エチレン性不飽和単量体の割合が90重量%未
満の場合、鉄元素および/またはアルミニウム元素を吸
水性樹脂1重量部に対して0.18重量部以上、好まし
くは0.30重量部以上含む含水ゲルが得られないばか
りか、含水ゲルの耐久性も低下するため好ましくない。
アミド基含有エチレン性不飽和単量体を90重量%以
上、100重量%未満の量で使用する場合、使用される
共重合可能な単量体としては、たとえば、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、あるいはそれらの一価金
属、二価金属、アンモニア、有機アミンによる部分中和
物や完全中和物などの不飽和モノカルボン酸系単量体;
ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アク
リレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレートあるい
はそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミ
ンによる部分中和物や完全中和物などの不飽和スルホン
酸系単量体などが挙げられ、それぞれ単独で使用された
り、2種以上併用されたりする。
【0030】本発明の含水ゲルは、鉄元素および/また
はアルミニウム元素を吸水性樹脂1重量部に対して0.
18重量部以上、好ましくは0.30重量部以上含んで
おり、鉄元素とアルミニウム元素の合計含有量が従来の
含水ゲルよりも非常に多いため、たとえば、脱臭材、吸
着材(例、NOx吸着材)、吸着材原料(例、脱燐材原
料)などに使用することができる。 (脱燐材)本発明の脱燐材は、本発明の第1の態様から
第4の態様までのいずれかの含水ゲルをアルカリ性物質
で処理することにより得られる。アルカリ性物質での処
理は、たとえば、前記含水ゲルをアルカリ水溶液でpH
3.0〜10.0に中和することである。
【0031】本発明の第1の態様から第4の態様までの
いずれかの含水ゲルを必要に応じて水洗した後、ナトリ
ウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の水酸化
物や炭酸塩などのアルカリ金属塩の水溶液を添加して、
水層のpHを3.0〜10.0に調節することにより得
られる。このpH調節により、たとえば、鉄元素および
/またはアルミニウム元素が水酸化物などの塩を生成す
る。
【0032】本発明の脱燐材は、従来のものよりも多量
に含まれている鉄元素および/またはアルミニウム元素
がアルカリ性物質での処理により水酸化物を生成してい
ると考えられるので、脱燐性能に非常に優れている。
【0033】
【実施例】以下に、本発明の実施例および本発明の範囲
を外れた比較例を示すが、本発明は下記実施例に限定さ
れない。 (参考例1)温度計を備えた容量10Lのジャケット付
ニーダー(内面は三弗化エチレン樹脂でライニング処
理)に、43重量%メタクリル酸ナトリウム水溶液20
40重量部(単量体成分のメタクリル酸ナトリウム含有
量は32重量%である)、メトキシポリエチレングリコ
ール(EO平均付加モル数9モル)メタクリレート18
72重量部(単量体成分のメトキシポリエチレングリコ
ールメタクリレート含有量は68重量%である)、架橋
剤としてポリエチレングリコール(EO平均付加モル数
8モル)ジアクリレート2.8重量部およびイオン交換
水1579重量部を仕込んだ。仕込み物をN2気流下、
攪拌しながらジャケットに40℃の温水を流して内容物
(曇点:83℃)を40℃に昇温した後、重合開始剤と
して2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸
塩4.9重量部を添加して10秒間攪拌して溶解した
後、攪拌を停止した。直ちに重合が開始して85分でピ
ーク温度75℃に到達した。次いで、ジャケット温度を
80℃に上げて1時間熟成した。熟成終了後、ブレード
回転数36rpmで10分間の条件で熟成物を解砕し
た。ニーダーを反転し、解砕物をニーダーの重合容器か
ら取り出した。この解砕物をN2気流下、150℃×4
時間の条件下で乾燥した。乾燥物を卓上型粉砕機で粉砕
して微粉状吸水性樹脂を得た。 (参考例2)単量体成分の組成を、アクリル酸ナトリウ
ム5重量%、メトキシポリエチレングリコール(EO平
均付加モル数9モル)メタクリレート95重量%に変え
た他は参考例1と同様にして微粉状吸水性樹脂を得た。
重合開始剤を添加する直前の内容物の曇点は77℃であ
った。 (参考例3)単量体成分の組成を、アクリル酸ナトリウ
ム70重量%、メトキシポリエチレングリコール(EO
平均付加モル数9モル)メタクリレート30重量%に変
え、かつ、重合開始温度を20℃に変えた他は参考例1
と同様にして微粉状吸水性樹脂を得た。重合開始剤を添
加する直前の内容物の曇点は26℃であった。 (参考例4)容量500ccのプラスチック製容器に4
0重量%アクリルアミド水溶液181.2重量部、イオ
ン交換水31.7重量部および2重量%N,N’−メチ
レンビスアクリルアミド水溶液4.7重量部を仕込み、
N2脱気を行った。内温を20℃に調整した後、N2気
流下、20重量%過硫酸ナトリウム水溶液1.79重量
部および10重量%L−アスコルビン酸水溶液0.35
重量部を添加して均一になるよう攪拌した。直ちに重合
が開始して3分後にピーク温度104℃に到達した。次
いで80℃で30分間保持することにより重合を完結し
た。得られた吸水性樹脂の含水ゲルを細分化した後、1
20℃の熱風乾燥機で5時間乾燥し、粉砕し微粉状吸水
性樹脂を得た。 (参考例5)架橋剤としてポリエチレングリコール(E
O平均付加モル数8モル)ジアクリレート2.8重量部
に代えてN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.9
3重量部を用いた他は参考例1と同様にして微粉状吸水
性樹脂を得た。重合開始剤を添加する直前の内容物の曇
点は83℃であった。 (参考例6)重合開始温度を30℃とした他は参考例3
と同様にして微粉状吸水性樹脂を得た。 (参考例7)単量体成分の組成を、アクリル酸ナトリウ
ム32重量%、プロポキシポリエチレングリコール(E
O平均付加モル数45モル)アクリレート68重量%に
変えた他は参考例1と同様にして微粉状吸水性樹脂を得
た。重合開始剤を添加する直前の内容物の曇点は48℃
であった。 (比較参考例1)攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガ
ス導入管および滴下ロートを付した2Lの四つ口セパラ
ブルフラスコにシクロヘキサン780重量部をとり、ソ
ルビタンモノステアレートを5.0重量部加えて溶解さ
せた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
【0034】別のフラスコ中にメトキシポリエチレング
リコールアクリレート(EO平均付加モル数10モル)
110.46重量部、アクリル酸ナトリウム34.55
重量部とアクリル酸8.82重量部および架橋剤として
N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.01重量部
をイオン交換水153.83重量部に溶解し、単量体濃
度50重量%の単量体水溶液(曇点70℃)を調製し
た。この単量体水溶液に過硫酸カリウム0.15重量部
を加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで水溶液内
に溶存する酸素を追い出した。
【0035】次いで、このフラスコ内の単量体水溶液を
上記セパラブルフラスコに加えて、200rpmで攪拌
することにより分散させた。その後、浴温を60℃に昇
温して重合反応を開始させた後、2時間この温度に維持
して重合を完了させた。その後、得られた架橋重合体の
含水ゲル中の水をシクロヘキサンとの共沸脱水により留
去した後、架橋重合体を濾過してシクロヘキサンから分
離し、80℃で減圧乾燥した後、粉砕して比較用微粉状
吸水性樹脂を得た。 (比較参考例2)単量体成分の組成を、アクリルアミド
80重量%、アクリル酸ナトリウム20重量%に変えた
他は参考例4と同様にして比較用微粉状吸水性樹脂を得
た。
【0036】参考例1〜7で得られた微粉状吸水性樹
脂、比較参考例1〜2で得られた比較用微粉状吸水性樹
脂、および後述する比較例で使用する市販の吸水性樹脂
について、後述する実施例・比較例で使用する金属塩水
溶液の吸液倍率を表1と2に示した。吸液倍率の測定方
法は次のとおりである。 (吸液倍率の測定方法)吸水性樹脂粉末約0.3gを入
れたティーバッグと、吸水性樹脂粉末を入れない空のテ
ィーバッグとを、所定濃度の金属塩水溶液に3時間浸漬
した後の重量を測定し、次式に従って算出した。
【0037】
【数1】
【0038】〔ここで、Aはティーバッグに入れた吸水
性樹脂粉末の重量(g)であり;Bは吸水性樹脂粉末を
入れたティーバッグの3時間浸漬後の重量(g)であ
り;Cは吸水性樹脂粉末を入れない空のティーバッグの
3時間浸漬後の重量(g)である。〕
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表1と2にみるように、比較参考例1〜2
で得られた比較用吸水性樹脂や市販の吸水性樹脂は、金
属塩水溶液の濃度が高くなるにしたがって吸収量が低下
している。これに対し、参考例1〜7で得られた吸水性
樹脂は、金属塩の濃度が高くなっても、吸収量が低下し
ないか、あるいは逆に増大している。また、参考例1〜
7で得られた吸水性樹脂は、鉄元素およびアルミニウム
元素についてその金属塩の10重量%水溶液または20
重量%水溶液を最大限吸液したときに吸水性樹脂1重量
部に対して0.18重量部よりもはるかに多く含むこと
が算出される。 (実施例1)容量200ccのビーカーに、6重量%無
水塩化第2鉄水溶液100gおよび参考例1で得られた
微粉状吸水性樹脂1g(純分換算でのグラム数。以下同
様)を入れ、マグネチックスターラーで3時間攪拌し
た。次いで、100メッシュの金網(タイラーの標準ふ
るい)で濾過して含水ゲル(A−1)9.8gを得た。
濾液(90.2g)中にはゲル状物質はなかった。ま
た、濾液の無水塩化第2鉄濃度は、6重量%であった。
このことより、含水ゲル(A−1)の組成は、参考例1
で得られた微粉状吸水性樹脂1gと6重量%無水塩化第
2鉄水溶液8.8gからなることがわかる。つまり、含
水ゲル(A−1)は微粉状吸水性樹脂1重量部に対して
鉄元素を0.18重量部を含んでいた。 (実施例2、3)無水塩化第2鉄水溶液の濃度を表3に
示した通りとした他は実施例1と同様にして含水ゲル
(A−2)、(A−3)を得た。含水ゲル(A−2)、
(A−3)は、微粉状吸水性樹脂1重量部に対して表3
に示した量の鉄元素を含んでいた。 (実施例4〜9)参考例2〜7で得られた微粉状吸水性
樹脂を用いた他は実施例3と同様にして含水ゲル(A−
4)〜(A−9)を得た。含水ゲル(A−4)〜(A−
9)は、微粉状吸水性樹脂1重量部に対して表3に示し
た量の鉄元素を含んでいた。 (実施例10)無水塩化第2鉄の代わりに無水塩化アル
ミニウムを用いた他は実施例2と同様にして含水ゲル
(A−10)を得た。含水ゲル(A−10)は、微粉状
吸水性樹脂1重量部に対して表3に示した量のアルミニ
ウム元素を含んでいた。 (実施例11)無水塩化第2鉄の代わりに硫酸第1鉄
(FeSO4・7H2O)を用いた他は実施例3と同様
にして含水ゲル(A−11)を得た。含水ゲル(A−1
1)は、微粉状吸水性樹脂1重量部に対して表3に示し
た量の鉄元素を含んでいた。 (比較例1〜2)吸水性樹脂として比較参考例1〜2で
得られた比較用微粉状吸水性樹脂を用いた他は実施例2
と同様にして比較含水ゲル(1)〜(2)を得た。比較
含水ゲル(1)〜(2)は、比較用微粉状吸水性樹脂1
重量部に対して表4に示した量の鉄元素を含んでいた。 (比較例3)吸水性樹脂として市販のイソブチレン/マ
レイン酸架橋重合体を用いた他は実施例3と同様にして
比較含水ゲル(3)を得た。比較含水ゲル(3)は、吸
水性樹脂1重量部に対して表4に示した量の鉄元素を含
んでいた。 (比較例4)吸水性樹脂として市販のイソブチレン/マ
レイン酸架橋重合体を用いた他は実施例2と同様にして
比較含水ゲル(4)を得た。比較含水ゲル(4)は、吸
水性樹脂1重量部に対して表4に示した量の鉄元素を含
んでいた。 (比較例5)吸水性樹脂として市販のアクリル酸/ビニ
ルアルコール架橋重合体を用いた他は実施例2と同様に
して比較含水ゲル(5)を得た。比較含水ゲル(5)
は、吸水性樹脂1重量部に対して表4に示した量の鉄元
素を含んでいた。 (比較例6)吸水性樹脂として市販のアクリル酸系架橋
重合体を用いた他は実施例2と同様にして比較含水ゲル
(6)を得た。比較含水ゲル(6)は、吸水性樹脂1重
量部に対して表4に示した量の鉄元素を含んでいた。 (比較例7)吸水性樹脂として市販の澱粉系架橋重合体
を用いた他は実施例2と同様にして比較含水ゲル(7)
を得た。比較含水ゲル(7)は、吸水性樹脂1重量部に
対して表4に示した量の鉄元素を含んでいた。 (比較例8)吸水性樹脂として市販のイソブチレン/マ
レイン酸架橋重合体を用いた他は実施例10と同様にし
て比較含水ゲル(8)を得た。比較含水ゲル(8)は、
吸水性樹脂1重量部に対して表4に示した量のアルミニ
ウム元素を含んでいた。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】(実施例12)実施例1で得られた含水ゲ
ル(A−1)9.8gを容量200ccのビーカーに採
り、イオン交換水150gを加えた後、5重量%水酸化
ナトリウム水溶液でpHを7.0に調整した。次いで、
100メッシュの金網(タイラーの標準ふるい)で濾過
して含水ゲル(B−1)を得た。なお、この濾液にはゲ
ル状物質はなかった。
【0045】含水ゲル(B−1)の脱燐性能を次のよう
にして測定した。容量200ccのビーカーに正燐酸1
ppm水溶液100gを入れ、そこに含水ゲル(B−
1)を加えた後、マグネチックスターラーで低速攪拌し
た。1週間後の正燐酸水溶液の濃度は0.23ppmに
低下していた。 (実施例13〜22)実施例2〜11で得られた含水ゲ
ル(A−2)〜(A−11)を用いた他は実施例12と
同様にして含水ゲル(B−2)〜(B−11)を得た。
【0046】含水ゲル(B−2)〜(B−11)の脱燐
性能を実施例12と同様にして測定し、その結果を表5
に示した。 (比較例9〜16)比較例1〜8で得られた比較含水ゲ
ル(1)〜(8)を用いた他は実施例12と同様にして
比較含水ゲル(9)〜(16)を得た。
【0047】比較含水ゲル(9)〜(16)の脱燐性能
を実施例12と同様にして測定し、その結果を表6に示
した。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】実施例12〜22の含水ゲルは、表3にみ
るように、吸水性樹脂1重量部に対して0.18重量部
以上の鉄元素またはアルミニウム元素を含む含水ゲルか
ら得られたのに対し、比較例9〜16の比較含水ゲル
は、表4にみるように、吸水性樹脂1重量部に対して
0.18重量部よりも少ない量で鉄元素またはアルミニ
ウム元素を含む含水ゲルから得られた。このため、表5
〜6にみるように、実施例12〜22の含水ゲルは、比
較例9〜16の比較含水ゲルに比べて、脱燐性能に非常
に優れていた。実施例12と比較例11の結果を対比す
ると、吸水性樹脂1重量部に対して0.18重量部以上
の鉄元素またはアルミニウム元素を含むか含まないかで
脱燐性能が大きく異なっていることがわかる。実施例1
2と実施例13〜14とを比べると、吸水性樹脂1重量
部に対して0.30重量部以上の鉄元素を含むときには
脱燐性能がより優れている。また、実施例13と実施例
21とを比較すると、鉄元素を含むよりもアルミニウム
元素を含むときのほうが脱燐性能が優れている。
【0051】
【発明の効果】本発明の含水ゲルは、吸水性樹脂、吸水
性樹脂に吸収された水、および吸水性樹脂1重量部に対
して0.18重量部以上の鉄元素および/またはアルミ
ニウム元素を含むので、脱燐性能がより一層改善した脱
燐材を作ることができる。本発明の含水ゲルは、吸水性
樹脂が、下記一般式(1):
【0052】
【化4】
【0053】(ただし、Rは水素またはメチル基であ
り;Xは、全オキシアルキレン基に対するオキシエチレ
ン基のモル分率が50モル%以上である炭素数2〜4の
オキシアルキレン基であり;Yは、炭素数1〜5のアル
コキシ基であり;nは平均で3〜50の正数である)で
表されるノニオン性単量体を30〜100重量%含む第
1単量体成分を重合開始剤および架橋剤の存在下に水性
媒体中で重合することにより得られたときには、吸水性
樹脂1重量部に対して0.18重量部以上、好ましくは
0.30重量部以上の鉄元素および/またはアルミニウ
ム元素を含む耐光性に優れた含水ゲルが得られるという
利点をさらに有する。この場合、第1単量体成分の重合
を、第1単量体成分、架橋剤および水性媒体を含む混合
物の曇点未満の温度で開始するときには、更に脱燐性能
に優れた含水ゲルが得られるという利点をさらに有す
る。
【0054】本発明の含水ゲルは、吸水性樹脂が、アミ
ド基含有エチレン性不飽和単量体を90〜100重量%
含む第2単量体成分を重合することにより得られたとき
には、得られた含水ゲルの耐久性が優れるという利点を
さらに有する。本発明の脱燐材は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の含水ゲルの中和物からなるので、脱
燐性能がより一層改善したものとなる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性樹脂と前記吸水性樹脂に吸収された
    水とを含む含水ゲルにおいて、鉄元素および/またはア
    ルミニウム元素を前記吸水性樹脂1重量部に対して0.
    18重量部以上さらに含む含水ゲル。
  2. 【請求項2】前記吸水性樹脂が、下記一般式(1): 【化1】 (ただし、Rは水素またはメチル基であり;Xは、全オ
    キシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル分率
    が50モル%以上である炭素数2〜4のオキシアルキレ
    ン基であり;Yは、炭素数1〜5のアルコキシ基であ
    り;nは平均で3〜50の正数である)で表されるノニ
    オン性単量体を30〜100重量%含む第1単量体成分
    を重合開始剤および架橋剤の存在下に水性媒体中で重合
    することにより得られる、請求項1に記載の含水ゲル。
  3. 【請求項3】前記第1単量体成分の重合を、前記第1単
    量体成分、前記架橋剤および前記水性媒体を含む混合物
    の曇点未満の温度で開始する、請求項2に記載の含水ゲ
    ル。
  4. 【請求項4】前記吸水性樹脂が、アミド基含有エチレン
    性不飽和単量体を90〜100重量%含む第2単量体成
    分を重合することにより得られる、請求項1に記載の含
    水ゲル。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかに記載の含
    水ゲルをアルカリ性物質で処理することにより得られる
    脱燐材。
JP7647195A 1995-03-31 1995-03-31 含水ゲルおよびその用途 Pending JPH08266895A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7647195A JPH08266895A (ja) 1995-03-31 1995-03-31 含水ゲルおよびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7647195A JPH08266895A (ja) 1995-03-31 1995-03-31 含水ゲルおよびその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08266895A true JPH08266895A (ja) 1996-10-15

Family

ID=13606098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7647195A Pending JPH08266895A (ja) 1995-03-31 1995-03-31 含水ゲルおよびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08266895A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2100627A1 (en) * 2006-12-07 2009-09-16 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha (meth)acrylate copolymer, process for producing the same and medical device
JP2014183846A (ja) * 2008-07-17 2014-10-02 Iej:Kk 植物マット
WO2016148397A1 (ko) * 2015-03-18 2016-09-22 한화케미칼 주식회사 고흡수성 수지의 제조방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2100627A1 (en) * 2006-12-07 2009-09-16 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha (meth)acrylate copolymer, process for producing the same and medical device
EP2100627A4 (en) * 2006-12-07 2009-12-16 Toyo Boseki (METH) ACRYLATE COPOLYMER, METHOD FOR ITS MANUFACTURE AND MEDICINE PRODUCT
US8236913B2 (en) 2006-12-07 2012-08-07 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha (Meth)acrylate copolymer, a method for producing the same and a medical device
JP2014183846A (ja) * 2008-07-17 2014-10-02 Iej:Kk 植物マット
WO2016148397A1 (ko) * 2015-03-18 2016-09-22 한화케미칼 주식회사 고흡수성 수지의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0312952B1 (en) Process for preparing absorbent polymers
JP2530668B2 (ja) 改良された吸水性樹脂の製造法
JP3155294B2 (ja) 高吸水性ポリマーの製造法
JPH01207327A (ja) 吸水性樹脂の表面処理方法
JPH06510557A (ja) 超吸収性ポリマーおよびそれらの製造法
WO1995021876A1 (fr) Composition polymere hydroabsorbante/desorbante et thermosensible
JPH05170848A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JPH03179008A (ja) 耐久性の優れた吸水性樹脂の製造方法
JPH0826085B2 (ja) 耐久性の優れた吸水性樹脂の製造方法
JP3259143B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JPH03195713A (ja) 高吸水性ポリマーの製造法
JPH08157531A (ja) 高吸水性樹脂の製造法
JPH04227705A (ja) 耐塩性吸水性樹脂の製造方法
JP4694140B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP3368939B2 (ja) 新規な架橋水吸収性樹脂
JPH08266895A (ja) 含水ゲルおよびその用途
JP4711122B2 (ja) 吸水材
JPH0848721A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP3868030B2 (ja) セメント添加剤組成物ならびにセメント配合物
JPS6136309A (ja) 耐塩,耐光性吸水剤
JP4565636B2 (ja) 高加圧下高吸収倍率吸水性樹脂の製造法
JPH02242809A (ja) 耐塩性吸水性樹脂の製造法
JPH0218899B2 (ja)
JPH04130113A (ja) 巨大ビーズ状吸水性樹脂の製造法
JP2801141B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法