JP3867755B2 - 搬送転写体及びその製造方法並びにこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体や誘電体等の像担持体上に形成されるトナー像を直接若しくは転写材を介して転写保持する搬送転写体及びその製造方法並びにこれを用いた複写機やプリンタ等の画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における画像形成装置として、例えば電子写真方式を採用した中間転写型の画像形成装置を例に挙げると、無機又は有機材料からなる光導電性感光体からなる像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像して可視化したトナー像を得、しかる後に、前記トナー像を中間転写体に一次転写し、更に、中間転写体上のトナー像を用紙等の転写材に二次転写することにより所要の再生画像を得るものが既に知られている(例えば特開昭62−206567号公報等)。
【0003】
この種の中間転写型の画像形成装置にあっては、二次転写後の中間転写体上には転写されずに残ったトナーが存在するため、次の作像サイクルに入る前に中間転写体表面の残トナーを除去するクリーニング工程が必要となる。
このクリーニング工程には、通常ポリウレタン等からなるクリーニングブレードを用いたブレードクリーニング方式が多く採用されており、前記クリーニングブレードはクリーニング性能向上のため中間転写体の回転方向に対して鋭角的に取り付けられる。
【0004】
前述のような中間転写体クリーニングシステムを採用した場合、そのシステムの性能は中間転写体の表面形状に大きく依存することが知られている。
具体的には、中間転写体上の残トナー除去を確実に行うためには、例えば特開平7−77879号公報に示されている通り、中間転写体表面にある一定レベル以上の平滑さが要求される。これは、中間転写体表面の凹凸が大きすぎると、クリーニングブレードがその凹凸に追従できず、凹部の残トナーを十分にクリーニングすることができないことによる。
【0005】
一方、例えば特公平3−77514号公報や特開平10−39647号公報に示される通り、中間転写体表面にはある一定レベル以上の粗さも要求される。これは、中間転写体表面が平滑すぎると、トナーの融着、転写効率の低下等の問題を発生させると同時に、中間転写体と接する他の平滑な部材との摩擦係数が高くなることによる。特に中間転写体をクリーニングするブレードとの摩擦係数が高くなると、鋭角的に取り付けられているブレードが中間転写体によって逆の方向に引張られ、所謂ブレードめくれという現象が発生する。
【0006】
従って、上記のような中間転写体クリーニングシステムを正常に動作させるためには、中間転写体表面はクリーニングが確実に行われる程度に平滑であり、かつ、摩擦係数をある一定レベル以下に抑える程度に粗面であることが要求される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した先行技術のいずれの表面形状でも、平滑性及び粗面性の両者の要求を同時に満足することは非常に難しく、クリーニング不良あるいはブレードめくれが起こるという懸念がある。
尚、転写材搬送体にブレードクリーニング方式のクリーナーを付設したとしても、転写材搬送体上に浮遊トナーが付着したり、転写材ジャム時に転写材搬送体上にトナー像が直接転移することから、転写材搬送体についても、中間転写体と同様な技術的課題が生ずる。
【0008】
本発明は、上述した技術的課題を解決するためになされたものであって、製造性を損なうことなく、クリーニング不良及びブレードめくれを有効に回避することができる搬送転写体を用いた画像形成装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る画像形成装置の基本的構成は、図1に示すように、静電潜像が形成される像担持体1と、この像担持体1上に静電潜像を形成する潜像形成装置5と、像担持体1上に形成された静電潜像をトナーにてトナー像Tとして可視像する現像装置6と、像担持体1に対向配置され、像担持体1上に形成されるトナー像を転写材3に転写する前に一時的に転写保持する中間転写体からなる搬送転写体2と、像担持体1上のトナー像Tを搬送転写体2に転写する一次転写装置7と、搬送転写体2上のトナー像Tを転写材3に転写する二次転写装置8と、搬送転写体2に接触配置されるブレード9aにて搬送転写体2上の残留トナーを除去するクリーナー9とを備えたものである。
特に、本発明に用いられる搬送転写体2は、像担持体1上に形成されるトナー像Tを直接若しくは転写材3を介して転写保持する搬送転写体2であって、この搬送転写体2の少なくとも画像を担持する側に位置する面の表面近傍をフィラーが含有せしめられる高分子組成物にて形成し、搬送転写体2の少なくとも画像を担持する側に位置する面にフィラーによる突起4を散在させ、フィラーによる突起4は、少なくとも搬送転写体2上に残留するクリーニング助剤径以上且つ前記残留トナーの平均粒子径以下の分散粒子径をもつフィラーにて形成され、更に、搬送転写体2の平均表面から突出する部分の投影面積の割合を表面被覆率としたときの表面被覆率が0.5%以上13%未満となるように形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
このような技術的手段において、像担持体1としては、例えば電子写真方式や静電記録方式等で形成されるトナー像Tを担持し得るものであれば、感光体、誘電体等適宜選定して差し支えない。また、像担持体1の態様についても、ドラム状、ベルト状を問わず、像担持体1の数についても単数、複数を問わない。
また、搬送転写体2としては、像担持体1上に形成されるトナー像Tを転写材3に転写する前に一時的に転写保持する中間転写体であればよく、あるいは、転写材3(図1に仮想線で示す)を担持搬送し、像担持体1上に形成されるトナー像Tを転写材3に転写する転写材搬送体に用いることも可能である
そして、搬送転写体2の態様についてもドラム状、ベルト状を問わない。
【0011】
更に、搬送転写体2の構成としては、例えばベルト状の態様を例に挙げると、搬送転写体2全体が略均一な組成を持つ高分子組成物からなり、全体として単層の無端ベルト状成形体であってもよいし、あるいは、搬送転写体2の少なくとも画像を担持する面の表面近傍が略均一な組成を持つ高分子組成物からなり、全体として複数層の無端ベルト状成形体であってもよい。
尚、搬送転写体2がドラム状の態様であれば、ドラム状の基材上で少なくとも画像を担持する面の表面近傍が略均一な組成を持つ高分子組成物となるように構成すればよい。
【0012】
更にまた、搬送転写体2が中間転写体である態様にあっては、フィラーによる突起4は、予め粒子径及びその分散が規定されたフィラーによって形成される。
その具体的条件としては、フィラーによる突起4は、クリーニング助剤径以上且つ該トナーの平均粒子径以下の分散粒子径をもつフィラーにて形成されることが好ましい。
ここでいう「分散粒子径」とは、搬送転写体2が形成された後、SEM(Scanning Electron Microscope)又はTEM(Transmission Electron Microscope)などによって計測されるフィラーの塊の径であり、もしフィラーが一次粒子のまま分散されていれば分散粒子径=一次粒子径であり、フィラー同士又はフィラーとバインダー樹脂が凝集し二次粒子を形成した状態で分散されていれば分散粒子径=二次粒子径である。
【0013】
上述の「搬送転写体2の表面被覆率」とはフィラーにより搬送転写体2表面に形成された突起(凸部)4が全表面に占める割合のことであり、搬送転写体2の平均表面より突出している部分の水平投影面積比のことである。
【0014】
一方、搬送転写体2が転写材搬送体である態様にあっても、フィラーによる突起4は、予め粒子径及びその分散が規定されたフィラーによって形成される。
但し、その具体的条件としては、中間転写体の場合と異なり、フィラーによる突起4は、クリーニング助剤径以上の分散粒子径をもつフィラーにて形成されることが好ましい。
【0015】
また、搬送転写体2の製造方法としては、例えばベルト状の態様を例に挙げると、搬送転写体2が単層である態様では、予め粒子径及び分散の規定されたフィラーが添加されたバインダー樹脂(搬送転写体2全体を構成)を無端ベルト状に成形するか、又は、フィルム状に成形した後接合手段にて無端ベルト状に加工するようにすればよいし、搬送転写体2が複数層である態様では、搬送転写体2の少なくとも画像を担持する側に位置する面を形成する層として、予め粒子径及び分散の規定されたフィラーが添加されたバインダー樹脂を無端ベルト状に成形された基材上に形成するか、又は、フィルム状に成形された基材上に形成した後、接合手段により無端ベルト状に加工するようにすればよい。
尚、搬送転写体2がドラム状の態様であれば、ドラム状の基材上で搬送転写体2の少なくとも画像を担持する側に位置する面を形成する層として、予め粒子径及び分散の規定されたフィラーが添加されたバインダー樹脂を塗布するようにすればよい。
【0016】
特に、このような搬送転写体2の製造方法によれば、搬送転写体2の少なくとも画像を担持する側に位置する面を形成する層として、バインダー樹脂に予め粒子径及びその分散が規定されたフィラーを所定量添加することで、搬送転写体2の少なくとも画像を担持する側に位置する面にフィラーによる突起4を散在させることが可能になるため、前記搬送転写体2の製造工程後に、凸部を形成するための型加工工程などの別工程を必要とせず、簡単に搬送転写体2を製造することができるようになる。
【0017】
また、転写材搬送体からなる搬送転写体2を用いた画像形成装置としては、図1に示すように、静電潜像が形成される像担持体1と、この像担持体1上に静電潜像を形成する潜像形成装置5と、像担持体1上に形成された静電潜像をトナーにてトナー像Tとして可視像する現像装置6と、像担持体1に対向配置され、像担持体1上に形成されるトナー像Tを転写材3(図1に仮想線で示す)に転写保持する転写材搬送体からなる搬送転写体2と、像担持体1上のトナー像Tを搬送転写体2上の転写材3に転写する転写装置(図示せず)と、搬送転写体2に接触配置されるブレード9aにて搬送転写体2上の残留トナーを除去するクリーナー9とを備えた画像形成装置において、搬送転写体2の少なくとも画像を担持する側に位置する面の表面近傍をフィラーが含有せしめられる高分子組成物にて形成し、搬送転写体2の少なくとも画像を担持する側に位置する面にフィラーによる突起4を散在させたものが挙げられる。
【0018】
このような画像形成装置において、潜像形成装置5としては、静電潜像を形成する態様であれば、帯電デバイスと露光デバイスとを組み合わせた態様であってもよいし、帯電デバイスとイオン照射デバイスとを組み合わせた態様であってもよいし、あるいは、単にイオン照射デバイスのみを用いる態様であるなど適宜選定して差し支えない。
また、現像装置6についても、単色トナー像を形成する態様でもよいし、あるいは、複数の色トナー像を形成するものでもよい。
更に、搬送転写体2が中間転写体である態様にあっては、一次転写装置7、二次転写装置8については、像担持体1から搬送転写体2へ、あるいは、搬送転写体2から転写材3へトナー像Tを転写するものであればよく、また、搬送転写体2が転写材搬送体である態様にあっては、図示外の転写装置については像担持体1から搬送転写体2上の転写材3へトナー像Tを転写するものであればよく、接触方式、非接触方式等適宜選定して差し支えない。
但し、本発明において、転写材3にトナー像Tを転写する二次転写装置8、図示外の転写装置には、転写材3にトナー像Tを転写する機能のみならず、同時に定着する機能を具備したものも含む。
更にまた、クリーナー9についても、少なくともブレード9aを具備していればよく、ブレード9aに他のクリーニング部材(例えばファーブラシ等)を付加した態様のものも含む。
【0019】
尚、本発明に係る搬送転写体2は、ブレードクリーニング方式のクリーナー9を具備した画像形成装置に対して有効であるが、搬送転写体2のクリーナーとして他の方式を採用した画像形成装置についても適用できることは勿論である。
【0020】
また、本件発明に近似した先行技術として、中間転写体の平滑な表面に凸部を区別可能に散在させるようにした技術が既に知られている(例えば特開平10−186892号公報)。
しかしながら、この先行技術は、シリコーン系ゴム等の表面を持つ中間転写体を用いて感光体からトナー像を転写材へ転写定着する画像形成装置を前提とし、画像グロスがカラー画像に望ましい高い値を得、また、感光体との摩擦抵抗を下げて中間転写体の駆動走行制御を容易にし、しかも、カブリトナーの転写率を低減して画質の劣化を防止できる中間転写体を提供することを解決すべき技術課題としている。
これに対し、本件発明は、製造性を損なうことなく、クリーニング不良及びブレードめくれを有効に回避することができる搬送転写体を提供することを解決すべき技術的課題としており、先行技術の技術的課題と全く相違する。
更に、解決手段についても、本件発明は、搬送転写体2の少なくとも画像を担持する側に位置する面にフィラーによる突起4を散在させた点を特徴とするものであり、確かに、搬送転写体2(中間転写体を含む)の表面に凸部を散在させている点では先行技術と共通していると言えるかも知れないが、先行技術の「凸部」は、中間転写体の表面が最終硬化する前に、その表面に、所望の表面形状に対応する型を押圧することで形成されることが記載されているに過ぎず、先行技術の「凸部」という記載から、本件発明の「フィラーによる突起4」を想定することは実質的に不可能である。
現に、その技術的効果についてみても、本件発明の「フィラーによる突起4」は、搬送転写体2の少なくとも画像を担持する側に位置する面を形成する層として、バインダー樹脂に予め粒子径及び分散の規定されたフィラーを所定量添加するというだけで、簡単に製造されるのに対し、先行技術の「凸部」は、中間転写体製造工程に更なる型加工工程を追加することになり、工程の複雑化、得率の低下、生産性の低下、それによる中間転写体のコストアップにつながり、製造性を損なうことは明らかである。
従って、本件発明と先行技術とは、技術的課題及び解決手段が全く相違し、両者は無関係である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用された中間転写型画像形成装置の実施の形態1の主要部分を示す説明図である。
同図において、11は像担持体としての感光体ドラム、12は感光体ドラム11を帯電するための帯電装置、13は帯電された感光体ドラム11上に静電潜像を書き込むためのレーザー走査装置などの露光装置(図中ではビームのみを示す)、14〜17はブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナーが収容される現像装置である。
また、符号20は感光体ドラム11に対向配置される中間転写ベルト、21〜24は中間転写ベルト20を張架するベルトロール、25は感光体ドラム11と中間転写ベルト20との対向部に配設され、感光体ドラム11上のトナー像Tを中間転写ベルト20に一次転写する一次転写装置(本例では転写電極としての導電性のバイアスロールを使用)、26は中間転写ベルト20上の一次転写トナー像を転写材としての用紙Pに二次転写する二次転写装置であり、例えばベルトロール24をバックアップロールとして導電性のバイアスロール27を対向配置し、前記バックアップロール24に圧接回転する給電ロール28を介して転写バイアスを印加すると共に、前記バイアスロール27を接地するようにしたものである。尚、符号29はバイアスロール27を清掃するためのクリーニングブレードである。
【0022】
更に、中間転写ベルト20の二次転写部の下流側には、二次転写後に中間転写ベルト20上に残留するトナーをクリーニングするベルトクリーナー30が設けられている。
このクリーナー30は、中間転写ベルト20に接触するポリウレタン等で形成されるブレード31と、このブレード31の上流側に設けられ、中間転写ベルト20上の残留トナーを均一にならすディスターバーブラシ32とを備えている。
更にまた、符号40は転写材としての用紙Pを収容する用紙トレイ、41は用紙トレイ40内の用紙Pを送り出すフィードロール、42はフィードロール41から送出された用紙Pを位置決めし、二次転写部に向けて用紙Pを所定のタイミングで供給するレジストレーションロールである。
【0023】
同図において、感光体ドラム11は矢印A方向に回転し、帯電装置12でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム11にレーザ走査装置などの露光装置13により第一色(例えば、Bk)の静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置14によってトナー現像され、可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは感光体ドラム11の回転で一次転写装置であるバイアスロール25が配置された一次転写部に到り、バイアスロール25からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより上記トナー像Tは静電的に中間転写ベルト20に吸着されつつ中間転写ベルト20の矢印B方向の回転で一次転写される。
以下、同様にして第二色トナー像、第三色のトナー像、第四色のトナー像が順次形成され、中間転写ベルト20において重ね合わせ、多重トナー像が形成される。
【0024】
中間転写ベルト20に転写された多重トナー像は、中間転写ベルト20の回転によりバイアスロール27が設置された二次転写部に到る。
一方、用紙Pは、用紙トレイ40に収容された用紙束からフィードロール41で二次転写部の中間転写ベルト20とバイアスロール27との間に所定のタイミングで給送される。給送された用紙Pはバイアスロール27とバックアップロール24による圧接搬送と中間転写ベルト20の回転で当該中間転写ベルト20に担持されたトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Pは中間転写ベルト20から剥離され、図示しない定着装置に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。
【0025】
また、多重トナー像の用紙Pへの転写が終了した中間転写ベルト20は二次転写部の下流に設けたベルトクリーナー30に到る。
ベルトクリーナー30上の残留トナーは、ディスターバーブラシ32で均一にならされた後、中間転写ベルト20の回転方向に対して鋭角的に取り付けられているブレード31によりクリーニングされる。また、バイアスロール27にもポリウレタン等からなるクリーニングブレード29が常時当接するごとく取り付けられており、転写で付着したトナー粒子や紙粉等の異物が除去される。
【0026】
また、本実施の形態で使用される中間転写ベルト20としては、単層又は二層以上の層からなるものが使用される。いずれの中間転写ベルト20もその抵抗は特に規定されるものではなく、誘電体、半導電体いずれも使用可能である。誘電体の場合は下記に示す非導電性バインダーを主に用い、半導電体を中間転写ベルト20として用いる場合は別途抵抗調整を行う。
【0027】
中間転写ベルト20として半導電体を用いる場合、一般に抵抗調整は非導電性バインダーに導電性フィラーを添加して行う。非導電性のバインダーとしてはPI(ポリイミド)、PAI(ポリアミドイミド)、PC(ポリカーボネイト)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)及びこれらをブレンドした樹脂、又はEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、ウレタンゴム等の一般エラストマーが主に用いられる。導電性を付与するフィラーとしてはカーボンやグラファイト系の粉末、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化すず等の半導電性金属酸化物、Cu、Ni、Ag等の金属粉、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性樹脂、ガラスビーズ等のフィラーに金属メッキ又は導電性樹脂のコーティングを施して導電性を付与した物質、またはこれらの混合物を用いる。非導電性バインダー樹脂の代わりにポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン等のそれ自体、若しくはそれらをドーピングしたものが導電性を持つ樹脂、或いはポリエチレンオキシド、ポリエーテルアミドイミド等のそれ自体イオン導電性を持つ樹脂及びエラストマーを用いることも可能である。さらにはNaSCN等の1価金属塩、水酸化テトラメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、LiClO等の過塩素酸塩など、イオン導電化材の添加によりイオン伝導性を持つに到った樹脂及びエラストマーを単独或いは上記導電性フィラーを更に添加して使用することも可能である。
【0028】
次に、本実施の形態に係る中間転写ベルト20の製造方法について説明する。
例えば中間転写ベルト20が単層の態様であれば、上記方法により得られる誘電体或いは半導電体中間転写ベルト20そのものに予め粒径及び分散が規定されたフィラーを添加することによって、フィラーによる突起を形成するようにすればよい。
すなわち、図3に示すように、予め粒子径及び分散の規定されたフィラーが添加されたバインダー樹脂50を無端ベルト状51に成形するか、又は、フィルム状52に成形した後接合手段53にて無端ベルト状に加工する。
【0029】
また、中間転写ベルト20が二層以上である態様にあっては、その表面層に、予め粒径及び分散が規定されたフィラーを添加することによって、フィラーによる突起を形成するようにすればよい。
具体的には、図4に示すように、中間転写ベルト20の画像を担持する側に位置する表面層として、予め粒子径及び分散の規定されたフィラーが添加されたバインダー樹脂60を無端ベルト状に成形された基材61上に形成するか、又は、フィルム状に成形された基材62上に形成した後、接合手段63により無端ベルト状に加工するようにすればよい。
【0030】
中間転写ベルト20表面に突起を形成するために添加するフィラーとしては、アルミナ、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ等絶縁体の他に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化すず等の半導電性金属酸化物、更には中間転写ベルトの抵抗が使用可能な範囲におさまるのであれば、CB等上記記載の導電性フィラーでも勿論構わない。CB、金属酸化物等上記記載の導電性フィラーで表面に突起を形成させる場合は、突起を形成させる層(単層ベルトの場合はベルトそのもの、二層以上のベルトの表面層)の抵抗調整と突起の形成を兼ねることも十分ありうる。また、前記フィラーを同時に使用することも可能である。
【0031】
上記フィラーによって中間転写ベルト20表面に突起を形成すると、フィラーの上に非導電性バインダーによる表面層が形成されている場合もあれば、フィラーそのものが露出している場合、また一部のフィラーが露出し残りはバインダーによる表面層に覆われている場合も考えられる。いずれの場合でもフィラーによる突起として機能する。
また、上記フィラーによる突起を形成させる層の製造方法によっては、上記フィラーの分散状態がある程度片寄りを持つ場合も考えられる。本発明でいうところの略均一な組成とは、このような製造工程に由来する層内の組成変動をも含むものである。例えば単層ベルトを遠心成形で形成する場合、おおよその組成は均一と言えるが、成形時の遠心力でベルト内側から表面層である外側にかけてフィラー濃度に若干の勾配が形成される。しかし、このような場合でも、本発明には記載した所定の突起が中間転写ベルト20上に形成されていれば、本発明の効果には全く影響を及ぼさないことは明らかである。
【0032】
更に、本実施の形態に係るフィラーによる突起の作用について説明する。
今、フィラーによる突起のない比較の形態を例に挙げると、図5(b)に示すように、中間転写ベルト20のクリーナー30で用いられるブレード31は、その動作中、組立終了後あるいはブレード31交換直後にブレード31若しくは中間転写ベルト20若しくはその両方に塗布されるクリーニング助剤、前記助剤径程度に粉砕された微紛トナー、あるいは、トナーの潤滑性、帯電性等を向上させるためにその外側にまぶされている外添剤(以下、これらを合わせてクリーニング助剤70と呼ぶ)を介して中間転写ベルト20に接している。
通常のクリーニングにおいては、ブレード31はこのクリーニング助剤70を中間転写ベルト20上から完全には掻き取らず、前記クリーニング助剤70は常にブレード31と中間転写ベルト20との間にあって潤滑剤の役割を果たす。しかし、中間転写ベルト20が極度に平滑な場合には、図5(c)に示すように、ブレード31は転写残トナーと一緒にクリーニング助剤70をも中間転写ベルト20上から掻き取ってしまう。
このような状態において、中間転写ベルト20の表面に潤滑剤が全く存在しない場合、ブレード31は中間転写ベルト20そのものに密着する。ゴムであるブレード31と平滑な樹脂フィルムである中間転写ベルト20とが直接密着した時、両者の摩擦係数は大きく、従って摩擦力も大変大きい。ブレード31はその摩擦力に耐えきれず、中間転写ベルト20によってその回転方向に持っていかれ、所謂ブレードめくれを起こす。
【0033】
これに対して、本実施の形態のように、中間転写ベルト20表面にフィラーによって形成されたクリーニング助剤70径以上の大きさを持つ突起80が存在すると、図5(a)に示すように、ブレード31はトナーをクリーニングする程度には中間転写ベルト20に密着できるが、それよりも更に小さいクリーニング助剤70を掻き取るほどには中間転写ベルト20に密着することができない。このため、中間転写ベルト20上には常にクリーニング助剤70が存在し潤滑剤の役割を果たすため、ブレード31と中間転写ベルト20との摩擦力は適度に保たれ、所謂ブレードめくれも発生しない。
【0034】
更に、前記フィラーによる突起80の大きさが平均トナー径以下であると、中間転写ベルト20表面に存在するフィラーによる突起80が原因して画像の乱れ、特にハーフトーン等濃度の薄い画像の乱れも完全に回避できる。
なぜならば、中間転写ベルト20表面に一層だけトナーを担持させるようなハーフトーンを考えた場合、中間転写ベルト20平坦部にはトナーがのるが、突起80にはトナーがのらないという事態が想定される。しかし、突起80の大きさが平均トナー径以下であれば、その影響は一粒のトナーが画像から欠けるだけで済む。この程度のトナーの乱れであれば実際の画像の乱れには結びつかない。
また、中間転写ベルト20表面に突起80が存在する場合、例えばフィラーによる突起80が平均トナー径より大きければ、一次転写の際に突起80のみがトナー層81を介さず直接感光体ドラム11に接することが考えられる(図6(a))。
この場合、突起80はトナー層81を介していない分だけ他の平坦部より電流が流れやすい。突起80を通って流れた電流が周辺のトナー層に流入すると、トナー層はその帯電を無くしてしまう。その結果、突起80周辺のトナー層81は中間転写ベルト20に転写されず、白点抜けという画像欠陥を起こす。
しかし、突起80の大きさが平均トナー径以下であれば、突起80は周辺のトナー層81に埋没し直接感光体ドラム11に接することはない(図6(b))。従って、流入電流による白点抜けも起こらない。
【0035】
以上をまとめると、中間転写ベルト20表面に存在するフィラーにより形成された突起80が存在し、また、上記突起80の大きさが、クリーニング助剤径以上平均トナー径以下であれば、ブレードめくれも起こらず、画像欠陥も発生させないということが分かる。
また、フィラーにより形成された突起80の表面被覆率は、0.5%以上13%未満である必要がある。
表面被覆率は中間転写ベルト20のトナークリーニング性と密接な関係がある。本実施の形態に係る中間転写ベルトに関しては、表面にフィラーによる突起80しか存在しない(図7(a))という点が重要な意味を持つ。
すなわち、一つの比較の形態として、中間転写ベルト20表面を研磨するなど機械的に表面を粗らしてブレードめくれ対策を施した場合、その表面には図7(b)に示すように、主に凹部90が形成される。このような凹部90にはトナーがはまりこむ、或いは引っかかってしまい、クリーニング不良となる。
突起80の表面被覆率が大きくなれば突起80以外の平坦部が凹部と同じように働き、トナーがトラップされ始めるが、我々の調査によると表面被覆率を13%未満に保てばそのような問題は生じない。更に、突起80がブレードめくれ防止に有効に働くためには、その表面被覆率が0.5%以上でなければならないことも判明した。
【0036】
◎実施の形態2
図8は実施の形態2に係る画像形成装置の概要を示す。
本実施の形態は、実施の形態1と異なり、転写材としての用紙を搬送する搬送ベルトを使用したタンデム型の画像形成装置に本発明を適用したものである。
同図において、本実施の形態に係る画像形成装置は、例えば電子写真方式にて各色成分トナー像が形成される複数の画像形成ユニット100(具体的には100K,100Y,100M,100C)を並列配置し、各画像形成ユニット100で形成した各色成分トナー像を搬送ベルト120上の用紙(図示せず)に順次転写させるものである。
【0037】
本実施の形態で用いられる画像形成ユニット100は、感光体ドラム101、帯電装置102、レーザー走査装置などの露光装置103(図中ではビームのみを示す)、現像装置104、転写ロールなどの転写帯電装置105及びクリーナー106などの電子写真用デバイスを備えている。
また、搬送ベルト120には、紙粉や浮遊トナーなどの汚れを除去するベルトクリーナー110が設けられており、本実施の形態では、このベルトクリーナー110は搬送ベルト120に接触するブレード111を備えている。尚、図中130は用紙上に転写された未定着トナー像を定着する定着装置である。
【0038】
特に、本実施の形態では、搬送ベルト120としては、単層又は二層以上の層からなるものが使用される。
例えば搬送ベルト120が単層の態様であれば、誘電体或いは半導電体搬送ベルト120そのものに予め粒径及び分散が規定されたフィラーを添加することによって、フィラーによる突起を形成するようにすればよい。
また、搬送ベルト120が二層以上である態様にあっては、その表面層に、予め粒径及び分散が規定されたフィラーを添加することによって、フィラーによる突起を形成するようにすればよい。
【0039】
この場合において、搬送ベルト120表面にフィラーによって形成された突起は、好ましくはクリーニング助剤径以上の大きさを持つ突起であればよい。
このとき、実施の形態1と同様に、ベルトクリーナー110のブレード111はトナーをクリーニングする程度には搬送ベルト120に密着できるが、それよりも更に小さいクリーニング助剤を掻き取るほどには搬送ベルト120に密着することができない。このため、搬送ベルト120上には常にクリーニング助剤が存在し潤滑剤の役割を果たすため、ブレード111と搬送ベルト120との摩擦力は適度に保たれ、所謂ブレードめくれも発生しない。
また、搬送ベルト120として使用する場合には、画像欠陥について考慮する必要がないため、特にフィラーによる突起は平均トナー径以下である必要はない。
但し、クリーニングブレード111の弾性率、プロセススピード、搬送される用紙種(普通紙、OHPなど)の搬送性を考慮して、フィラーによる突起の大きさの最適化を図ることが好ましい。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、熱硬化性ポリイミドを単層で中間転写ベルトとして用いた場合について説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0041】
◎実施例1
熱硬化性ポリイミドとして宇部興産(株)のユーピレックス−Rを用い、抵抗調整には電気化学(株)製の粒状アセチレンブラック、突起を形成するフィラーには三井金属(株)製の酸化すず系複合酸化物を用いた。フィラーの添加量は段階的に変え、これによってフィラーにより形成される突起の表面被覆率を変化させた。これらをミキサーで十分に混合し、得られた製膜原液をステンレススチール製シート上に厚さ200μmに均一に流延した。その後120℃の雰囲気で120分乾燥させて、更に150℃で30分、200℃で30分、250℃で60分、350℃で30分、420℃で30分と段階的に昇温して、厚さ50μmのポリイミドフィルムを得た。これを長さ530mm、幅320mmにカットし、その後フィルムの一端部20mmに1液性弾性接着剤である特殊変性シリコーン(サイレックス100;コニシ(株)製)を塗布して両端部を重ね合わせた。次いで接合部上に1kgの錘を置いて常温で1時間硬化させて、中間転写ベルトを製造した。
【0042】
得られたポリイミドフィルムに対しては、突起を形成するために添加したフィラーの分散径や、その凸の表面被覆率をSEM及びTEMを用いて確認した。
TEM観察によりベルト内及び表層部におけるフィラーの分散径を計測し、同時にベルト表面の凸が上記フィラーにより形成されていることを確認した。
表面被覆率の計測はSEM画像の解析により行った。SEMの倍率を1000倍程度にして中間転写体ベルトの表面を観察すると、突起部分と平坦部分が白黒の濃淡差として観測される。この画像を2値化処理して突起とそれ以外の部分とに分け、突起がベルト表面に占める割合、即ち表面被覆率を算出した。突起の表面被覆率の代用値としては表面粗さを用いることもできるが、その計測にはSEMに用いるような電子線や、ビーム径がフィラーの分散径以下であるレーザー光を用いなくてはならない。
例えば特開平10−39647号公報等に記載されているようなJIS規格の表面粗さでは、ベルト表面が計測時にダイヤモンドの深針により傷つけられる、或いは深針の先端径がフィラーにより形成されている突起のサイズより大きい等の理由により、本発明のフィラーによって形成された突起の表面被覆率の代用値とはなり得ない。
【0043】
上記中間転写ベルトを用いてクリーニング性のテストを行った。
図9は添加したフィラーの表面被覆率とブレードめくれ、クリーニング不良発生、画質欠陥発生との関係を示したものである。
表面被覆率の代用値として利用できる表面粗さも併記した(Feinpruf PerthenGmbH社製 PerthometerS3P及び光学トレーサーfocodyn使用)。添加したフィラーの分散径、テストに用いたクリーニング助剤径、平均トナー径はそれぞれ、3μm、0.04μm、6.5μmである。またテストに使用したブレードは北辰工業(株)製のウレタンブレードである。
【0044】
図9から分かるように、フィラーを全く添加しない中間転写ベルトはブレードめくれを発生した。フィラーの表面被覆率が0.5%を超えるとブレードめくれは未発生となり、更にフィラーを添加して表面被覆率が13%に達するとクリーニング不良が発生した。また、添加したフィラーの分散径が平均トナー径以下であるため、クリーニング不良が発生するベルトであっても画質欠陥は発生しなかった。また、ここで得られた中間転写ベルトの中には、表面の突起のない部分が若干凹部のようになっているものも見られたが、クリーニング性や画質に特に影響はなかった。
【0045】
◎実施例2
熱硬化性ポリイミドとして宇部興産(株)のユーピレックス−Rを用い、抵抗調整には電気化学(株)製の粒状アセチレンブラックを用い、突起を形成するフィラーには実施例1で用いた酸化すず系複合酸化物、新日本製鉄(株)製のアルミナ微粒子、又は抵抗調整用のアセチレンブラックを突起形成用として併用した。ここでは突起を形成するフィラー種を変えることによりフィラーの分散径を変更している。これらを用いて実施例1と同様の手順で中間転写ベルトを製造した。
【0046】
図10は表面に突起を形成するために添加したフィラーの分散径とブレードめくれ、クリーニング不良発生、画質欠陥発生との関係を示したものである。
分散径が0.03μmと小さいフィラーはアセチレンブラック、中間の分散径3μmのフィラーは実施例1で用いた酸化すず、分散径が25μmと大きいフィラーはアルミナである。テストには実施例1と同じクリーニング助剤、トナー、ブレードを使用した。
【0047】
図10から分かるように、フィラーの分散径がクリーニング助剤径以下の場合はブレードめくれを引き起こした。また、トナー径以上の場合は、突起周辺のクリーニング不良、画質欠陥を生じた。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置に用いられる搬送転写体によれば、搬送転写体の少なくとも画像を担持する側に位置する面の表面近傍をフィラーが含有せしめられる高分子組成物にて形成し、搬送転写体の少なくとも画像を担持する側に位置する面にフィラーによる突起を散在させ、フィラーによる突起少なくとも搬送転写体上に残留するクリーニング助剤径以上且つ前記残留トナーの平均粒子径以下の分散粒子径をもつフィラーにて形成し、更に、搬送転写体2の平均表面から突出する部分の投影面積の割合を表面被覆率としたときの表面被覆率が0.5%以上13%未満となるように形成したので、搬送転写体表面が平滑すぎることに起因するブレードめくれも起きず、表面が粗面すぎていることに起因するクリーニング不良や画質欠陥の発生も有効に防止することができる。
このため、上述した搬送転写体を用いた画像形成装置を構成することで、ブレードめくれやクリーニング不良、画質欠陥のない信頼性の高い画像形成装置を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る搬送転写体及びこれを用いた画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】 実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】 実施の形態1に係る中間転写ベルトの製造例を示す説明図である。
【図4】 実施の形態1に係る中間転写ベルトの他の製造例を示す説明図である。
【図5】 (a)は本実施の形態に係る中間転写ベルトの表面とブレードとの接触状態を示す説明図、(b)は比較の形態(フィラーによる突起なしの態様)に係る中間転写ベルトの表面とブレードとの接触状態を示す説明図、(c)は比較の形態に係る中間転写ベルトの表面が極端に平滑な場合に生ずる状況を示す説明図である。
【図6】 (a)はフィラーによる突起が平均トナー径よりも大きい状況を示す説明図、(b)はフィラーによる突起が平均トナー径よりも小さい状況を示す説明図である。
【図7】 (a)は本実施の形態に係る中間転写ベルトの表面部分の断面説明図、(b)は比較の形態に係る中間転写ベルト(機械的に表面を粗した形態)の表面部分の断面説明図である。
【図8】 実施の形態2に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図9】 フィラーによる突起を形成するために添加したフィラーの表面被覆率とブレードめくれ、クリーニング不良発生、画質欠陥発生との関係を示す説明図である。
【図10】 フィラーによる突起を形成するために添加したフィラーの分散粒子径とブレードめくれ、クリーニング不良発生、画質欠陥発生との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体,2…搬送転写体,3…転写材,4…フィラーによる突起,5…潜像形成装置,6…現像装置,7…一次転写装置,8…二次転写装置,9…クリーナー,9a…ブレード,11…感光体ドラム(像担持体),12…帯電装置,13…露光装置,14〜17…現像装置,20…中間転写ベルト,25…一次転写装置,26…二次転写装置,30…ベルトクリーナー,31…ブレード,80…フィラーによる突起,100…画像形成ユニット,101…感光体ドラム,102…帯電装置,103…露光装置,104…現像装置,105…転写帯電装置,110…ベルトクリーナー,111…ブレード,120…搬送ベルト,T…トナー像

Claims (1)

  1. 静電潜像が形成される像担持体と、この像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成装置と、像担持体上に形成された静電潜像をトナーにてトナー像として可視像する現像装置と、像担持体に対向配置され、像担持体上に形成されるトナー像を転写材に転写する前に一時的に転写保持する中間転写体からなる搬送転写体と、像担持体上のトナー像を搬送転写体に転写する一次転写装置と、搬送転写体上のトナー像を転写材に転写する二次転写装置と、搬送転写体に接触配置されるブレードにて搬送転写体上の残留トナーを除去するクリーナーとを備えた画像形成装置において、
    搬送転写体の少なくとも画像を担持する側に位置する面の表面近傍をフィラーが含有せしめられる高分子組成物にて形成し、搬送転写体の少なくとも画像を担持する側に位置する面にフィラーによる突起を散在させ、
    フィラーによる突起は、少なくとも搬送転写体上に残留するクリーニング助剤径以上且つ前記残留トナーの平均粒子径以下の分散粒子径をもつフィラーにて形成され、更に、搬送転写体の平均表面から突出する部分の投影面積の割合を表面被覆率としたときの表面被覆率が0.5%以上13%未満となるように形成されていることを特徴とする画像形成装置。
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