JP2004182382A - 搬送ベルト - Google Patents

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【課題】複写機やプリンタ等の画像形成装置などに用いられる搬送ベルトに関し、製造性を損なうことなく、クリーニング不良及びブレードめくれを有効に回避することができる搬送ベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】像担持体上に形成されるトナー像が転写材を介して転写保持する搬送ベルトであって、静摩擦係数を所定の範囲内としたことを特徴とする。また、搬送ベルトの表面粗さ(Rz)が所定の範囲内であることが好ましい。さらには、転写搬送或いは中間転写を目的とする転写ベルトである場合においては、特に有用である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置などに用いられる搬送ベルトに関するものであって、感光体上に形成されるトナー像が転写材を介して転写保持する搬送ベルトに有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やプリンタ等の電子写真方式を採用した画像形成装置などにおいては、画像信号を変調したレーザー光等を、光導電性感光体からなる像担持体上に照射して静電潜像を形成した後、帯電したトナーで現像して可視化した後、転写材を介して搬送ベルト上に転写することにより再生画像を得るものが知られている。このとき、搬送ベルトには像担持体上に形成されるトナー像が転写材を介して転写保持する。しかし、こうした画像形成装置にあっては、転写後の搬送ベルト上には転写されずに残ったトナーが存在するため、次の作像動作に入る前に、この残留トナーを除去するためのクリーニング工程が必要となる。一般に、このクリーニング工程にはポリウレタン等からなるクリーニングブレードを用いたブレードクリーニング方式が多く採用されており、クリーニング性能向上のために、クリーニングブレードは搬送ベルトの回転方向に対して鋭角的に取り付けられる。
【0003】
このようなクリーニング方式の場合、そのクリーニング性能は転写体の表面の形状に大きく依存する。1つには、転写体表面が、一定レベル以上の平滑性を有することが要求される。これは、転写体表面の凹凸が大きすぎると、クリーニングブレードがその凹凸に追従できず、凹部の残留トナーを十分に除去することができないことによる。他方、転写体表面には、一定レベル以上の粗面性も要求される。これは、転写体表面が平滑すぎると、トナーの転写効率が低下するという問題が発生すると同時に、転写体と接する他の平滑な部材との摩擦係数が高くなることによるためである。特に、転写体とクリーニングブレードとの摩擦係数が高くなると、鋭角的に取り付けられているクリーニングブレードが転写体によって逆の方向に引っ張られ、いわゆるブレードめくれと呼ばれる現象が発生する。従って、上記のような転写体クリーニング方式を正常に動作させるためには、転写体表面は、クリーニングが確実に行われる程度に平滑であるとともに、摩擦係数をある一定レベル以下に抑える程度に粗面であることが要求される。
【0004】
従来は、こうした要求に対して、搬送転写体の少なくとも画像を担持する側に位置する面の表面近傍をフィラーが含有せしめられる高分子組成物にて形成し、搬送転写体の少なくとも画像を担持する側に位置する面にフィラーによる突起を散在させた搬送転写体およびその製造方法並びにこれを用いた画像形成装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−206798号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術で述べた搬送ベルトでは、以下のような課題が生じることがある。
【0007】
つまり、平滑性及び粗面性の両者の要求を同時に満足する表面形状を有することは非常に難しく、搬送ベルトとして使用した場合には、クリーニング不良が生じる、あるいはブレードめくれが起こるというおそれがある。
【0008】
また、既述の本件発明に近似した従来技術として例示した発明(特許文献1)では、表面状態に関する特性を添加したフィラー径などと関連付けて、ベルトの平滑性及び粗面性を間接的に議論・評価しているが、現実には、フィラー径などだけで平滑性及び粗面性が決まるものではなく、完成したベルトでの表面状態によって大きく影響される。つまり、フィラーにより形成された突起の大きさがクリーニング助剤径以上かつトナーの平均粒子径以下であっても、こうしたフィラーをベルト表面に均一に分散されることは難しく、表面での分布状態によっては、部分的に過度の平滑性や過度の粗面性を有する場合が生じる可能性がある。
【0009】
本発明は、こうした先行技術における発想と全く相違する観点から、上述した技術的課題を解決するためになされたものであって、製造性を損なうことなく、クリーニング不良及びブレードめくれを有効に回避することができる搬送ベルトを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す搬送ベルトにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】
すなわち、本発明は、画像形成装置などに用いられる搬送ベルトであって、静摩擦係数を0.10〜0.40までとしたことを特徴とする。上記の平滑性及び粗面性の両者の要求を同時に満足するベルトの特性として、ベルト完成状態での静摩擦係数を所定の範囲に制限することで、そのピーク的効果を得ることができることを見出したものであり、主として平滑性を担保することで、併せて、粗面性を確保することができる。
【0012】
また、搬送ベルトの表面粗さ(Rz)が1.0〜3.0μmであることが好適である。上記の平滑性及び粗面性の両者の要求を同時に満足するベルトの特性として、ベルト完成状態での表面粗さを所定の範囲に制限することで、そのピーク的効果を得ることができることを見出したものであり、平滑性を確保するとともに、粗面性を担保することで、クリーニング不良及びブレードめくれを有効に回避することができる。
【0013】
また、上記搬送ベルトが、転写搬送或いは中間転写を目的とする転写ベルトであることが好適である。平滑性及び粗面性の両者の特性を有するベルトは、広く画像形成装置などに用いられる搬送ベルトにおいて有用であるが、転写搬送或いは中間転写を目的とする転写ベルトにおいては特に有用であり、平滑性を確保するとともに、粗面性を担保することで、クリーニング不良及びブレードめくれを有効に回避することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、主として画像形成装置に利用される搬送ベルトを中心に説明する。
【0015】
本発明は、画像形成装置などに用いられる搬送ベルトであって、静摩擦係数を0.10〜0.40までとしたことを特徴とする。また、より好ましくは、0.15〜0.35である。上記のように転写体クリーニングシステムを正常に動作させるためには、転写体表面はクリーニングが確実に行われる程度に平滑であり、かつ、静摩擦係数をある一定レベル以下に抑える程度に粗面であることが要求される。両者を同時に満足させるために、ベルト完成状態での静摩擦係数を所定の範囲に制限することで、そのピーク的効果を得ることができるとともに、主として平滑性を担保することで、併せて、粗面性を確保することができることを見出したものである。静摩擦係数が0.10未満となると、クリーニングブレードが十分に働かず残留トナーの除去が不十分となり、また、回転ロールとの噛み合せが悪くなり均一にベルトが回転しないことも起こりうる。静摩擦係数が0.40を超えると、ブレードめくれが発生することとなり、いずれも十分な残留トナーの除去ができないという不都合が生じるおそれがある。なお、ここでいう静摩擦係数は、後述の<評価試験方法>に記載した方法を用いて測定した値を基準とする。
【0016】
また、搬送ベルトの表面粗さ(Rz)が1.0〜3.0μmであることが好適である。また、より好ましくは、1.2〜2.3μmである。上記のように転写体クリーニングシステムを正常に動作させるためには、転写体表面は静摩擦係数をある一定レベル以下に抑える程度に粗面であり、かつ、クリーニングが確実に行われる程度に平滑であることが要求される。両者を同時に満足させるために、ベルト完成状態での静摩擦係数を所定の範囲に制限するとともに、表面粗さ所定の範囲に制限することで、そのピーク的効果を得ることができることを見出したものである。表面粗さが1.0未満となると、ブレードめくれが発生することとなり、0.40を超えると、クリーニングブレードが十分に働かず残留トナーの除去が不十分となり、いずれも十分な残留トナーの除去ができないという不都合が生じるおそれがある。なお、ここでいう表面粗さは、後述の<評価試験方法>に記載した方法を用いて測定した値を基準とする。
【0017】
また、上記搬送ベルトが、転写搬送或いは中間転写を目的とする転写ベルトであることが好適である。上述のように、転写搬送或いは中間転写を目的とする転写ベルトにおいては、クリーニング不良及びブレードめくれを有効に回避するために、平滑性を確保するとともに粗面性を担保することは特に有用である。一般に、広く画像形成装置などに用いられる搬送ベルトは、円滑な移送のために、回転ローラとの接面での適正な平滑性及び粗面性を有することは好適であり、加えて、転写ベルトにおいてはクリーニングやブレーディングという特有の操作に関係して、平滑性を確保するとともに粗面性を担保することは、こうした操作を繰り返し行う上で非常に有効に機能することになる。
【0018】
次に、上記の要件を満たす搬送ベルトの作製手順の一例を、熱硬化性樹脂ベルトについて述べる。
(1)微細粒子を溶媒に均一に分散させ、
(2)前記分散溶媒に、1 または複数の熱硬化性樹脂の素材を溶解させて熱硬化性前駆体溶液を作製し、
(3)前記樹脂前駆体溶液を金型内面に塗布し、
(4)樹脂前駆体を形成させ、遠心成型した後に、
(4)加熱をして溶媒除去を行い、硬化させ、
(5)形成された熱硬化性樹脂ベルトを金型から取り外し、
(6)前記ベルトの内表面または外表面を、研磨手段を用いて、所定の荒さに形成する。
ことによって作製する。
【0019】
ここで、(1)における微細粒子の添加は、樹脂の組成や硬度によっては省略されることがあり、また、(4)の工程を自己支持できるまでの乾燥、固化に止め、(5)の工程後に所定の表面粗さのパイプに差し替えて硬化させることで、ベルトの表面粗さを確保することも可能であり、(6)の省略も可能である。また、上記は単層の樹脂層を形成する場合について述べたが、同様に、複数層の場合にも適用できる。つまり、(5)までの工程によって複数層を形成し、工程(6)を施すことによって、ベルトの表面状態を調整することが可能となる。
【0020】
また、熱硬化性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンフタレートのブレンド材料、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体等の樹脂からなるシームレスベルト等が挙げられる。耐熱性・強度・可撓性等搬送ベルトとしての特性を考慮すると、ポリイミド樹脂が好適である。
【0021】
さらに、微細粒子としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ベリウム等が挙げられるが、樹脂への分散性の高い粒子が好適であり、例えば、ポリイミド樹脂の場合、カーボンブラックや窒化ホウ素などが好ましい。また、微細粒子の分散媒としては、樹脂の前駆体溶液を構成する溶媒が好ましい。
【0022】
また、研磨手段としては、所定の粗さ範囲内にあるサンドペーパやラッピングフィルムなどの研磨材が挙げられ、所定の厚みを研磨する。研磨する厚みについては、薄すぎると上記目的の静摩擦係数を得ることができない一方、厚すぎると研磨工程の時間が増えるばかりでなく原材料や研磨紙のコストが増えることになる。従って、研磨紙の粗さや研磨の厚みは、使用するベルトの素材や加工方法に適した条件が選ばれることになる。研磨の粗さは、#300〜1000番の研磨材を用いて研磨することが好ましく、さらには、#300〜600番がより好ましい。
【0023】
上記のように、一例として、最終的に研磨紙等の研磨手段によって表面処理を行う方法を挙げたが、むろん、微細粒子を添加した状態で表面の摩擦係数や粗さを制御できる場合には、こうした処理を必要とするものではない。ただ、微細粒子の添加はベルトの導電性や滑度等、表面の機械的な状態の制御以外を主目的とすることが多く、また、素材以外の物の添加による特性変化を回避することも多く、こうした場合には、表面処理が有効な手段となる。
【0024】
図1は、上記の搬送ベルトが画像形成装置に搭載された具体例の詳細を示す。潜像形成器1によって感光ドラム2に静電潜像が形成された後、現像器3によって形成・可視化されたトナー像Tが、1 次転写部4を介して転写ベルト(搬送ベルト)5に転写される。転写ベルト5に形成されたトナー像Tは、2次転写部6を介して記録紙7に定着される。定着後の残留トナーは、転写ベルト5に接触配置されるブレード8およびクリーナ9によって取り除かれ、クリーンな転写ベルト5が再度1次転写部4に移動し、上記サイクルを連続的に繰り返すことで、装置が作動する。このとき、本発明の搬送ベルトを用いることで、ブレード8およびクリーナ9によって残留トナーを残らず取り除くことができ、かつ、上記動作が繰り返されてもブレードの破損は生じない。また、ブレード8の転写ベルト5に対する取り付け角度に対しても、許容範囲を広く取ることができる。なお、転写ベルト5は、上記のように、少なくとも画像を担持する側の表面状態が調整されていれば、単層に限られず複数層であっても使用可能である。
【0025】
ここで、潜像形成器としては、静電潜像を形成するものであれば、帯電デバイスと露光デバイスとの組み合わせ、帯電デバイスとイオン照射デバイスとの組み合わせ、あるいは、単にイオン照射デバイスのみを用いる等、適宜選択可能である。また、現像器についても、単色トナー像を形成する場合や複数の色トナー像を形成する場合がある。
【0026】
また、ここでは感光ドラムを例示したが、例えば電子写真方式や静電記録方式等で形成されるトナー像を担持し得るものであれば、感光体、誘電体等適宜選定が可能であり、ドラム状、ベルト状を問わず、単数、複数を問わない。
【0027】
また、転写ベルトの構成としては、転写ベルト全体が略均一な組成を持つ高分子組成物からなる単層の無端成形体、あるいは画像を担持する面の表面近傍が略均一な組成を持つ高分子組成物からなる複数層の無端成形体が用いられる。転写ベルトの製造方法としては、単層の場合、予め粒子径及び分散の規定された微細粒子が添加されたバインダー樹脂(転写ベルト全体を構成)を無端ベルト状に成形する方法と、フィルム状に成形した後接合手段にて無端ベルト状に加工する方法がある。複数層の場合は、画像を担持する側に位置する面を形成する層として予め粒子径及び分散の規定された微細粒子が添加されたバインダー樹脂を無端ベルト状に成形された基材上に形成する方法と、フィルム状に成形された基材上にバインダー樹脂層を形成した後接合手段により無端ベルト状に加工する方法がある。
【0028】
なお、上記では、ブレードクリーニング方式のクリーナを具備した画像形成装置を例示したが、むろん転写ベルトのクリーナとして他の方式を採用した画像形成装置についても適用可能である。
【0029】
また、上記は、主として画像形成装置に利用される搬送ベルトを中心に説明する。むろん、本発明はこれに限られるものではなく、他の装置、他の用途にも適用可能であることはいうまでもない。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
【0031】
<試験評価方法>
(1)静摩擦係数(すべり摩擦係数)
傾斜板型試験機を用いる方法、つまり、傾斜板とブロックに試料を張り、傾斜板を水平状態から傾斜させて、ブロックが滑り始める角度θを測定し、以下の式から静摩擦係数μ を求める。
μ =tanθ
(2)表面粗さ(Rz)
十点平均粗さ(Rz)について、JIS B0601に準じて測定を行った。
【0032】
<実施例1>
N−メチル−2−ピロリドン中にカーボンブラックを、ボールミルを用い8時間室温で混合した。このカーボンブラック分散液に3,3’ ,4,4’ −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物294gと、p−フェニレンジアミン108gを溶解し、窒素雰囲気下において室温で5時問撹拌しながら重合させカーボンブラック入りポリイミド前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆体溶液を円筒状金型の内面に塗布後、弾丸状走行体を用いて膜厚を均一にし、次いで300rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風をあて、溶媒の除去等によりベルト自身が自己支持できるまで乾燥、固化させた。このベルトを円筒状金型から離型し、次いでこれを表面粗さアルミ製パイプに差し替え、残存溶媒の除去、脱水閉環水の除去、及びイミド転化反応の完結を行うため、200℃から350℃まで5℃/分の昇温速度で昇温加熱した後、室温まで冷却して内径330mm、厚さ75μmシームレス状のベルトを得た。得られたベルトを研磨紙(#600)で荒らしたところの静摩擦係数が0.40と表面粗さ(Rz)が1.0μmであった。
【0033】
<実施例2>
実施例1で得られたベルトを研磨紙(#320)で表面を荒らしたところ、ベルトの静摩擦係数が0.10と表面粗さ(Rz)が3.0μmであった。
【0034】
<比較例1>
実施例1で得られたベルトまたは実施例1の方法で製造されたシームレスベルトを研磨紙(#2000)で荒らした試作ベルトで確認したところ、ベルトの静摩擦係数が0.55と表面粗さ(Rz)が0.3μmであった。
【0035】
<比較例2>
実施例1で得られたベルトまたは実施例1の方法で製造されたシームレスベルトを研磨紙(#100)で荒らした試作ベルトで確認したところ、ベルトの静摩擦係数が0.08と表面粗さ(Rz)が5.0μmであった。
【0036】
<試験結果>
実施例1及び実施例2で得られたベルトをウレタン製のブレードと駆動ロールとテンションロールで構成されたブレード耐久試験機にて、ブレードめくれ具合と市販のトナーの除去性を確認したところ、めくれは発生せず、ブレードの上流側でちりばめたトナーも全て回収された。
比較例1と比較例2で得られたベルトをブレードめくれ具合と市販のトナーの除去性を確認したところ、比較例1のベルトでは、ブレードのめくれが発生し、比較例2のベルトではトナーの一部がブレードを通過した。
【0037】
以上、実施例は、主としてポリイミド製のベルトを中心に説明したが、むろん、本発明はこれに限られるものではなく、他の樹脂製フィルムにも適用可能であることはいうまでもない。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、搬送転写体の少なくとも画像を担持する側の表面状態を調整することにより、搬送体表面が平滑すぎることに起因するブレードめくれも起きず、表面が粗面すぎていることに起因するクリーニング不良の発生も有効に防止することができる。
【0039】
すなわち、本発明は、画像形成装置などに用いられる搬送ベルトであって、静摩擦係数を所定の範囲に制限することで、そのピーク的効果を得ることができることを見出したものであり、主として平滑性を担保することで、併せて、粗面性を確保することができる。
【0040】
また、搬送ベルトの表面粗さ(Rz)を所定の範囲に制限することで、そのピーク的効果を得ることができることを見出したものであり、平滑性を確保するとともに、粗面性を担保することで、クリーニング不良及びブレードめくれを有効に回避することができる。
【0041】
さらに、上記搬送ベルトが、転写搬送或いは中間転写を目的とする転写ベルトである場合においては、平滑性及び粗面性の両者の特性をさらに活かすことができ意味において、特に有用であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る搬送ベルトを利用した画像形成装置の構成例を示す説明図
【符号の説明】
1 潜像形成器
2 感光ドラム
3 現像器
4 1次転写部
5 転写ベルト
6 2次転写部
7 記録紙
8 ブレード
9 クリーナ

Claims (3)

  1. 画像形成装置などに用いられる搬送ベルトであって、静摩擦係数が0.10〜0.40であることを特徴とする搬送ベルト。
  2. 搬送ベルトの表面粗さ(Rz)が1.0〜3.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の搬送ベルト。
  3. 前記搬送ベルトが、転写搬送或いは中間転写を目的とする転写ベルトであることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送ベルト。
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