JP6852342B2 - ベルト部材、ベルト部材ユニット、及び画像形成装置 - Google Patents

ベルト部材、ベルト部材ユニット、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、ベルト部材、ベルト部材ユニット、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を採用した画像形成装置では、中間転写ベルトや、記録媒体搬送ベルトなどにおいてベルト部材が適用されている。
例えば、特許文献1には、「像保持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー画像が転写される中間転写体であって、円筒状の方の内面又は外面に、少なくとも樹脂成分と溶媒を含む塗工液を塗布し、それを乾燥又は硬化させることにより製膜化し、脱型することにより製造される中間転写体であって、該中間転写体表面の反射ヘイズが20.0から40.0の範囲にある中間転写体」が開示されている。
また、特許文献2には、「表面層、弾性層、及び基材層の少なくとも三層から成る電子写真装置用多層弾性ベルトであって、該表面層が、周方向に平行に連なる微細溝を有し、該ベルト表面の軸方向走査におけるベルト表面十点平均粗さ(Rz)が0.7μmから2.5μmである電子写真装置用多層弾性ベルト」が開示されている。
特開2011−186030号公報 特開2013−068733号公報
従来から、画像形成装置に搭載されるベルト部材には、外周表面に付着したトナー等を除去する目的でクリーニングブレードを接触させるクリーニング手段が用いられている。しかし、ベルト部材に接触するクリーニングブレードを設けた態様においても、画像形成を繰り返した際に画像濃度の局所的な変化が発生することがあった。
本発明の課題は、少なくとも外周表面が樹脂層で形成された態様において、外周表面の周方向における粗さ曲線のスキューネスRsk(JIS B0601−2001年)が−0.30未満もしくは+0.30超えの場合、又は外周表面の最大高さ粗さRz(JIS B0601−2001年)が0.075μm超えの場合に比べ、画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制されるベルト部材を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。即ち、

なくとも外周表面が樹脂層で形成され、
前記外周表面の周方向における粗さ曲線のスキューネスRsk(JIS B0601−2001年)が−0.30≦Rsk≦+0.30であり、
前記外周表面の最大高さ粗さRz(JIS B0601−2001年)がRz≦0.075μmである画像形成装置用のベルト部材。

記樹脂層がポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含有するに記載のベルト部材。

又はに記載のベルト部材と、
前記ベルト部材を張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、
前記ベルト部材の外周表面にクリーニングブレードを接触させて、前記外周表面をクリーニングするクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に対して脱着されるベルト部材ユニット。

記クリーニングブレードのJIS−A硬度が55°以上85°以下であるに記載のベルト部材ユニット。

保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
又はに記載のベルト部材ユニットを有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記ベルト部材の外周表面に一次転写し、かつ前記ベルト部材に転写されたトナー画像を記録媒体に二次転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。

記トナーが、トナー粒子と外添剤とを含み、
前記外添剤の最大粒子径D(μm)と、前記ベルト部材の外周表面の最大高さ粗さRzとの関係が、「Rz≦D/2」を満たすに記載の画像形成装置。
、又はに係る発明によれば、少なくとも外周表面が樹脂層で形成された態様において、外周表面の周方向における粗さ曲線のスキューネスRsk(JIS B0601−2001年)が−0.30未満もしくは+0.30超えの場合、又は外周表面の最大高さ粗さRz(JIS B0601−2001年)が0.075μm超えの場合に比べ、画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制されるベルト部材が提供される。
、又はに係る発明によれば、少なくとも外周表面が樹脂層で形成されたベルト部材であって、外周表面の周方向における粗さ曲線のスキューネスRsk(JIS B0601−2001年)が−0.30未満又は+0.30超えであるベルト部材、又は外周表面の最大高さ粗さRz(JIS B0601−2001年)が0.075μm超えのベルト部材のみを備える場合に比べ、画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制されるベルト部材ユニット、又は画像形成装置が提供される。
に係る発明によれば、JIS−A硬度が55°未満又は85°超えのクリーニングブレードのみを備える場合に比べ、画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制されるベルト部材ユニットが提供される。
に係る発明によれば、トナー粒子と外添剤とを含むトナーを用いる態様において、外添剤の最大粒子径Dとベルト部材の外周表面の最大高さ粗さRzとの関係が「Rz>D/2」である場合に比べ、画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制される画像形成装置が提供される。
本実施形態に係るベルト部材の一例を示す概略斜視図である。 (A)は円形電極の一例を示す概略平面図であり、(B)はその概略断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置に用いられるベルト部材のクリーニング装置を示す概略断面図である。 実施例1で形成したベルト部材の外周表面におけるスキューネスRskに関するプロファイルデータである。 実施例2で形成したベルト部材の外周表面におけるスキューネスRskに関するプロファイルデータである。 比較例1で形成したベルト部材の外周表面におけるスキューネスRskに関するプロファイルデータである。
以下、本発明の一例である実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
<ベルト部材>
本実施形態に係る画像形成装置用のベルト部材は、少なくとも外周表面が樹脂層で形成されてなる。そして、この樹脂層における外周表面は、周方向における粗さ曲線のスキューネスRsk(JIS B0601−2001年)が−0.30≦Rsk≦+0.30であり、最大高さ粗さRz(JIS B0601−2001年)がRz≦0.075μmである。
本実施形態に係るベルト部材は、上記の構成を有することにより、画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制される。
その理由は以下の通り推察される。
従来から、画像を形成する方式として、像保持体上に形成されたトナー画像を一旦中間転写体上に一次転写しその後記録媒体に二次転写する中間転写方式の画像形成装置が知られており、この中間転写方式における中間転写体にベルト部材(中間転写ベルト)が用いられている。また、像保持体上に形成されたトナー画像を直接記録媒体上に転写する直接転写方式の画像形成装置も知られており、この直接転写方式において像保持体に接触するよう配置されると共に記録媒体を搬送する記録媒体搬送体にベルト部材(記録媒体搬送ベルト)が用いられている。
なお、中間転写方式においては、像保持体から中間転写ベルトに一次転写されたトナー画像がその後の記録媒体上への二次転写時に転写されきらずに、中間転写ベルトの外周表面に残存することがある。また、直接転写方式においては、像保持体から記録媒体上にトナー画像を転写する際に一部のトナーに飛び散りが生じ、その飛び散ったトナーが記録媒体搬送ベルトの外周表面に残存することがある。このように、画像形成装置に用いられる各種のベルト部材にはトナー等が付着して残存することがあるため、ベルト部材の外周表面をクリーニングするためのベルトクリーニング装置が一般的に用いられている。なお、具体的には、ベルト部材の外周表面に弾性部材で構成されるクリーニングブレードを接触させて回転駆動するベルト部材と摺動させることで、付着したトナー等を除去するクリーニング方法が取られている。
しかし、画像形成装置中に搭載されたベルト部材に対してその外周表面をクリーニングするクリーニングブレードを設けた態様においても、画像形成を繰り返した際(例えば、画像濃度10%の画像を連続100,000枚出力した際)に、画像濃度の変化が発生することがあった。
これは、トナー中に含まれる(トナー粒子に外添されている)外添剤(無機粒子など)によるクリーニングブレードのすり抜けが原因であるものと考えられる。具体的には、通常トナーには流動性向上等の観点から、トナー粒子よりも粒径の小さい外添剤(例えばシリカ粒子などの無機粒子)が外添されており、この外添剤がトナー粒子から遊離してベルト部材の外周表面上に付着することがある。上記の通り外添剤はトナー粒子よりも一般的に粒径が小さいため、ベルト部材とクリーニングブレードとの接触位置(クリーニング位置)をすり抜け易い。そして、クリーニング位置をすり抜けてベルト部材上に残存した外添剤は、ベルト部材に接触する各種部材からの圧力によって引き伸ばされ、薄く付着した状態(所謂フィルミング)となることがある。
フィルミングが発生した箇所ではベルト部材の導電性に変化が生じるため、トナー画像の転写性に変化が生じる。例を挙げると、フィルミングが発生した箇所では、像保持体から中間転写ベルト上へのトナー画像の転写性が変化したり、中間転写ベルトから記録媒体上へのトナー画像の転写性が変化したり、記録媒体搬送ベルトで搬送されてきた記録媒体への像保持体からのトナー画像の転写性が変化したりする。その結果、フィルミングが発生した箇所に相当する位置での画像の濃度が変化し、つまり画像形成を繰り返した後における画像濃度の局所的な変化に繋がることがあった。
なお、上記のようなフィルミング及び該フィルミングに起因する画像濃度の変化は、特にトナー中の外添剤の最大粒子径Dの影響を受ける傾向にある。これは、外添剤の最大粒子径Dが小さいほどクリーニング位置(ベルト部材とクリーニングブレードとの接触位置)をよりすり抜け易くなるためであり、一方外添剤の最大粒子径Dが大きいほどベルト部材上で引き伸ばされてフィルミングの状態となった際により広い領域を覆う状態となり、その結果フィルミングによって転写性に影響する範囲がより広くなるためであると考えられる。
また、複数の像保持体が1つの中間転写ベルト又は1つの記録媒体搬送ベルトに接触して構成される、所謂タンデム方式(タンデム中間転写方式又はタンデム直接転写方式)の画像形成装置では、中間転写ベルトや記録媒体搬送ベルトの外周面に付着するトナー粒子や外添剤の量もより多くなる傾向にあるため、上記のようなフィルミング及び該フィルミングに起因する画像濃度の変化がより発生し易くなる。
これに対し本実施形態に係るベルト部材は、外周表面の周方向における粗さ曲線のスキューネスRsk、及び最大高さ粗さRzが上記範囲である。
ここで、粗さ曲線のスキューネスRskとは、表面粗さの高さ方向の歪度(わいど)の指標であり、表面の粗さ(凹凸)の平均線を中心としたときの山(凸部)と谷(凹部)の対称性を示しており、例えば摩擦性と関係が深いパラメータである。このスキューネスRskが上記の範囲であることで、クリーニングブレードとの良好な接触状態が得られ、すり抜けが生じ易い外添剤に対しても優れたクリーニング性能が発揮されるものと考えられる。
また、最大高さ粗さRzとは、表面の粗さ(凹凸)の輪郭曲線における山(凸部)の高さの最大値と谷(凹部)の深さの最大値の和を指す。つまり、この最大高さ粗さRzが上記の範囲であることは、外添剤の凹部への埋り込みに寄与し易い大きな凹凸の存在が低減されていることを表し、外添剤のベルト部材外周表面の凹部への埋り込みによるすり抜けの発生が抑制され、その結果外添剤のフィルミングも抑制されるものと考えられる。
さらには、スキューネスRskが上記範囲であり、つまり0に近いということは、表面の粗さ(凹凸)における山(凸部)及び谷(凹部)が均等に近い状態で存在していることを表す。また、最大高さ粗さRzが上記範囲であり、つまり小さいということは、極めて大きな山(凸部)や谷(凹部)の存在が抑制されていることを表す。すなわち、これらの両要件を満たす本実施形態に係るベルト部材は、外周表面に存在する山(凸部)及び谷(凹部)の大きさや存在割合等が全体的に均等に近い状態となっていることを表しており、本実施形態は樹脂層の表面の凹凸の状態を上記のように制御することで、トナーの外添剤のクリーニング性に優れることを見出したものである。
なお、外周表面が樹脂層で形成されるベルト部材において、この樹脂層の表面の荒れをなくし完全な平滑面とすることは技術的に困難であり、そのため通常表面には粗さ(凹凸)が存在する。そして、この表面の凹凸は様々な形状を取り得るものであり、その凹凸の形状の特性を示す指標についても例えばJIS等において様々な指標が示されている。
こうした背景が存在する中で、本実施形態は、様々な形状を取り得る外周表面の凹凸について、どのような特性を有する形状に制御することで、外添剤のすり抜けを抑制し得るかを見出した発明である。また、そのような形状の表面凹凸の特性が、多数存在している指標の中で特にどの指標に表れるかを見出し、その結果スキューネスRsk及び最大高さ粗さRzによって規定した発明である。つまり本実施形態は、樹脂層の表面を平滑な状態に近づけただけではなく、技術的に除去することが困難な粗さ(凹凸)について、その形状を特定の状態となるよう制御し、それによって外添剤のすり抜けを抑制し得ることを見出したものである。
以上のとおり、外周表面を構成する樹脂層の表面の周方向における粗さ曲線のスキューネスRsk及び最大高さ粗さRzが前記範囲である本実施形態のベルト部材によれば、画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制される。
−スキューネスRsk−
外周表面の周方向における粗さ曲線のスキューネスRskは−0.30≦Rsk≦+0.30である。なお、スキューネスRskは、好ましくは−0.28≦Rsk≦+0.28であり、より好ましくは−0.26≦Rsk≦+0.26である。
スキューネスRskの絶対値(|Rsk|)が0.30以下であることで、画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制される。
−最大高さ粗さRz−
外周表面の最大高さ粗さRzはRz≦0.075μmである。なお、最大高さ粗さRzは、好ましくはRz≦0.070μmであり、より好ましくはRz≦0.065μmである。
最大高さ粗さRzが0.075μm以下であることで、画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制される。
・測定方法
ここで、ベルト部材の外周表面における、周方向の粗さ曲線のスキューネスRsk及び
最大高さ粗さRzは、JIS B0601(2001年)に準拠して測定される。具体的には、表面粗さ計(サーフコム1500SD、東京精密社製)を用い、下記条件にて測定される。
・測定種別:粗さ測定
・測定長さ:1.0mm
・カットオフ波長:0.025mm
・測定レンジ:±32.0μm
・測定速度:0.03mm/s
・カットオフ種別:2RC(位相非補償)
・傾斜補正最小二乗直線補正
・λsカットオフ300
・λsカットオフ:0.0833μm
・達成方法
ベルト部材において、外周表面を構成する樹脂層の表面のスキューネスRsk及び最大高さ粗さRzを前述の範囲に制御する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば下記の方法が挙げられる。
まず、円筒状の金型であって、その内周表面が周方向に研磨処理されている金型を準備し、この金型の内面側に樹脂層を形成するための塗布液を塗布して塗膜を形成し、金型を回転させながら乾燥工程(さらに必要であれば焼成工程)を行って固化させる、内面塗布−遠心成形法による方法が挙げられる。この場合、金型の内周表面に接触する面がベルト部材の外周表面となり、つまり金型面の形状がベルト部材の外周表面に転写される。
また、固化されたベルト部材を金型から取外し(脱型)した後、さらに外周表面に研磨、エッチング等の表面処理を施してもよい。
なお、スキューネスRskを前述の範囲に制御する観点では、特に上記の内面塗布−遠心成形法において、乾燥工程後の塗膜を焼成する際(焼成工程)に、焼成炉での最大設定加熱温度の炉内分布のバラつきを抑制することが好ましく、特に炉内分布のバラつきを±10℃以下に調整することがより好ましい。焼成炉での炉内分布のバラつきが±10℃以下であると、冷却時の温度分布のバラつきが抑制され、硬化膜と金型の収縮バラつきが低減されて、硬化膜と金型内面の形状転写のバラつきが抑制される。
また、最大高さ粗さRzを前述の範囲に制御する観点では、特に上記の内面塗布−遠心成形法において、乾燥工程において塗膜から溶剤を揮発させる際に、溶剤の沸点までは徐々に加熱する(つまり昇温速度を遅くする)ことが好ましく、またより均一に近い状態で乾燥の熱を与えられるよう乾燥炉での炉内温度分布のバラつきを±10℃以下に調整することがより好ましい。乾燥炉での炉内分布のバラつきが±10℃以下であると、急激な加熱や局所的な加熱が低減され、溶剤の揮発に伴う対流のバラつきが抑制されて、溶剤揮発後の表面凹凸の発生が抑制される。
−外添剤の最大粒子径D(μm)との関係−
本実施形態では、画像形成装置において用いられるトナー中の外添剤(例えばシリカ粒子等の無機粒子)と、ベルト部材と、が以下の関係を満たすことが好ましい。つまり、前記外添剤の最大粒子径D(μm)と、ベルト部材の外周表面の最大高さ粗さRzとが、「Rz≦D/2」の関係を満たすことが好ましい。
トナー中の外添剤とベルト部材とが「Rz≦D/2」の関係を満たすことで、外添剤のベルト部材外周表面への埋り込みによるすり抜けの発生が抑制され、外添剤のフィルミングも抑制されて、その結果画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制され易くなる。
外添剤の最大粒子径D(μm)は、次の方法により測定される。
外添剤の一次粒子を、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S−4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの面積を測定し、この面積値から円相当径を算出する。この円相当径の算出を、外添剤100個について実施する。そして、得られた円相当径の体積基準の累積頻度における50%径(D50)を外添剤の平均一次粒子径(平均円相当径D50)とする。また、累積頻度における10%径を外添剤の最大粒子径Dとする。
なお、電子顕微鏡は1視野中に外添剤が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径が求められる。
−クリーニングブレードのJIS−A硬度−
本実施形態では、画像形成装置において用いられるクリーニングブレードは、そのJIS−A硬度が55°以上85°以下であることが好ましい。なお、より好ましくは55°以上80°以下であり、さらに好ましくは55°以上75°以下である。
クリーニングブレードのJIS−A硬度が85°以下であることで、回転駆動するベルト部材の外周表面への変形追従性に優れ、スキューネスRsk及び最大高さ粗さRzが前述の範囲であるベルト部材との相乗効果により優れたクリーニング性が得られ、その結果画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制され易くなる。
一方、JIS−A硬度が55°以上であることで、クリーニングブレードの摩耗が抑制され、かつベルト部材との駆動トルクの急変動の発生が抑制され優れたクリーニング性が得られ易くなる。
ここで、クリーニングブレードのJIS−A硬度の測定は、JIS K 7311(1995年)に示される硬さ試験法に従い、JIS K 7215に規定されるタイプAデュロメータを用いて行なわれる。
クリーニングブレードのJIS−A硬度を前述の範囲に制御するためには、例えば、クリーニングブレードに用いられる樹脂材料(ゴム材料)においてハードセグメント材料とソフトセグメント材料との組み合わせを調整する方法、ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との材料比(配合比)を調整する方法、樹脂材料(ゴム材料)を硬化させる際の硬化条件(例えば熟成時間や温度)を調整する方法等が挙げられる。
次いで、本実施形態に係るベルト部材の構成を詳しく説明する。
本実施形態では、図1に示すようにベルト部材7は無端状に形成されてなる。なお、図1に示すベルト部材7は、単層の樹脂層により構成されているが、この構成には限られず、さらに内周側に他の層を積層した態様であってもよい。例えば樹脂層の内周側に基材を設けた積層体で構成されていてもよい。
なお、以下においては単層の樹脂層からなるベルト部材を例にして、本実施形態に係るベルト部材を構成する材料の組成について説明する。
本実施形態に係るベルト部材は、樹脂材料を含んで構成される。また、ベルト部材は導電性を付与する観点で導電剤が含有されてもよく、その他周知の添加剤を含んで構成されてもよい。
・樹脂材料
ベルト部材(樹脂層)に用いられる樹脂材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、フッ化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
なお、ベルト部材(樹脂層)には、それぞれ樹脂材料を1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
樹脂材料は、熱硬化性樹脂が好ましく、特にポリイミド樹脂が好適である。
ポリイミド樹脂としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミド酸(ポリアミック酸)のイミド化物が挙げられる。ポリイミド樹脂として具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との等モル量を溶媒中で重合反応させてポリアミド酸の溶液として得て、そのポリアミド酸をイミド化して得られたものが挙げられる。
ポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示される構成単位を有する樹脂が挙げられる。
Figure 0006852342

(一般式(I)中、Rは4価の有機基であり、芳香族基、脂肪族基、環状脂肪族基、芳香族基と脂肪族基を組み合わせた基、又はそれらが置換された基である(例えば後述するテトラカルボン酸二無水物の残基が挙げられる)。Rは2価の有機基であり、芳香族基、脂肪族基、環状脂肪族基、芳香族基と脂肪族基を組み合わせた基、又はそれらが置換された基である(例えば後述するジアミン化合物の残基が挙げられる)。)
テトラカルボン酸二無水物として具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
一方、ジアミン化合物の具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHO(CH)NH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH(CHNH等が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性等の点より極性溶媒(有機極性溶媒)が好適に挙げられる。極性溶媒としては、N,N−ジアルキルアミド類が好ましく、具体的には、例えば、これの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単数又は複数併用してもよい。
・導電剤
ベルト部材には、導電性を付与する観点で導電剤が含有されてもよい。
導電剤としては、導電性(例えば体積抵抗率10Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率10Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)の粉末(1次粒径が10μm未満の粒子からなる粉末がよく、好ましくは1次粒径が1μm以下の粒子からなる粉末)が挙げられる。
導電剤としては、特に制限はないが、例えば、カーボンブラック(例えばケッチェンブラック、アセチレンブラック、表面が酸化処理されたカーボンブラック等)、金属(例えばアルミニウムやニッケル等)、金属酸化物(例えば酸化イットリウム、酸化錫等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等)等が挙げられる。
導電剤は、その使用目的により選択されるが、カーボンブラックがよく、特に電気抵抗の経時での安定性や、転写電圧による電界集中を抑制する電界依存性の観点から、pH5以下(好ましくはpH4.5以下であり、より好ましくはpH4.0以下)の酸化処理カーボンブラック(例えば表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して得られたカーボンブラック)がよい。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、例えば10nm以上50nm以下がよく、15nm以上30nm以下がより好ましい。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、次の方法により測定される。
まず、測定対象となるベルト部材から、ミクロトームにより切断して、100nmの厚さの測定サンプルを採取し、本測定サンプルをTEM(透過型電子顕微鏡)により観察する。そして、カーボンブラックの粒子50個の各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として、その平均値を平均一次粒子径とする。
導電剤の含有量は、目的とする抵抗により選択されるが、例えば、ベルト部材の全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、更には2質量%以上40質量%以下がより好ましく、4質量%以上30質量%以下が更に好ましい。
導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
導電剤以外のその他の添加剤としては、例えば、カーボンブラックの分散性を向上するための分散剤、機械強度などの各種機能を付与するための各種充填剤、イミド化反応促進のための触媒、製膜品質向上のためのレベリング剤、離型性を向上させるための離型性材料(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂粒子)等が挙げられる。
−ベルト部材の製造方法−
ここで、本実施形態に係るベルト部材を製造する方法について説明する。なお、ベルト部材を製造する方法は、特に限定されるものではないが、例えば以下の各工程を有する製造方法が好ましい方法として挙げられる。
・(金型準備工程)
まず、円筒状であって、その内周表面が周方向に研磨処理されている金型(例えば金属製の金型)を準備する。なお、金型の内周表面に接触する面がベルト部材の外周表面となり、つまり金型の内周表面の形状がベルト部材の外周表面に転写される。そのため、金型の内周表面は、得られるベルトの外周表面でのスキューネスRsk及び最大高さ粗さRzが前述の範囲を満たすよう研磨処理されていることが好ましい。
・(内面塗布工程)
前記金型の内面側に、樹脂層を形成するための塗布液を塗布する。なお、内面への塗布方法は、特に限定されず、公知の方法を適用し得る。
・(乾燥工程(焼成工程))
内面側に塗布液が塗布された金型を、回転させながら乾燥(さらに必要であれば焼成)して、樹脂層を固化させる。その後、固化されたベルト部材を金型から取り外して(脱型)、ベルト部材が得られる。
なお、さらにベルト部材の外周表面に対し、研磨、エッチング等の表面処理を施してもよい。
なお、上記方法によってベルト部材を得る場合、該ベルト部材の外周表面のスキューネスRsk及び最大高さ粗さRzは、前述の「達成方法」に記載の方法等によって、制御することができる。
得られたベルト部材には、さらに穴あけ加工やリブ付け加工等が施されることがある。なお、内周側にさらに基材等のその他の層を有するベルト部材の場合には、公知の方法によってさらに基材等のその他の層を形成することで、ベルト部材が得られる。
−ベルト部材の特性−
本実施形態に係るベルト部材の外周表面の表面抵抗率は、例えば、画像形成装置において中間転写ベルト、記録媒体搬送ベルト等として用いる場合であれば、転写性の観点から、常用対数値で9(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下であることが好ましく、10(LogΩ/□)以上12(LogΩ/□)以下であることがより好ましい。
なお、表面抵抗率の常用対数値は、導電剤の種類、及び導電剤の添加量により制御される。
ここで、表面抵抗率の測定方法は、次の通り行う。円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「URプローブ」)を用い、JIS−K6911に従って測定する。表面抵抗率の測定方法を、図を用いて説明する。図5は、円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。図5に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間にベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ベルトTの転写面の表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出する。ここで、下記式中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
式:ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
本実施形態に係るベルト部材7の全体の体積抵抗率は、例えば、画像形成装置において中間転写ベルト、記録媒体搬送ベルト等として用いる場合であれば、転写性の観点から、常用対数値で8(LogΩcm)以上13(LogΩcm)以下であることが好ましい。なお、体積抵抗率の常用対数値は、導電剤の種類、及び導電剤の添加量により制御される。
ここで、体積抵抗率の測定は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS−K6911に従って測定する。前記体積抵抗率の測定方法を、図5を用いて説明する。測定は表面抵抗率と同一の装置で測定する。但し、図5に示す円形電極において、表面抵抗率測定時の板状絶縁体Bに代えて第二電圧印加電極B’とを備える。そして、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと第二電圧印加電極B’との間にベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加した時に流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ベルトTの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出する。ここで、下記式中、tは、ベルトTの厚さを示す。
式ρv=19.6×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
また、上記式に示される19.6の数値は、抵抗率に変換するための電極係数であり、円柱状電極部の外径d(mm)、試料の厚さt(cm)より、πd/4tとして算出される。また、ベルトTの厚さは、サンコー電子社製渦電流式膜厚計CTR−1500Eを使用し測定する。
本実施形態に係るベルト部材7の厚みは、例えば、総厚みで0.05mm以上0.5mm以下が好ましく、より好ましくは0.06mm以上0.30mm以下、さらに好ましくは0.06mm以上0.15mm以下である。
−用途−
本実施形態に係るベルト部材7は、画像形成装置におけるベルト部材、例えば、像保持体上のトナー画像が転写(一次転写)されその後記録媒体上に再び転写(二次転写)させる中間転写ベルト、中間転写体上に保持されたトナー画像を記録媒体に二次転写させる際に該記録媒体の裏面(非転写面)に接して記録媒体を搬送すると共に二次転写のため電圧を印加する二次転写ベルト、像保持体上のトナー画像を記録媒体表面に直接転写させる態様において記録媒体を搬送すると共に転写のための電圧を印加する記録媒体搬送ベルト、等として用いられる。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
そして、前記転写手段において、本実施形態に係る前述のベルト部材と、前記ベルト部材を張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、前記ベルト部材の外周表面にクリーニングブレードを接触させて、前記外周表面をクリーニングするクリーニング手段と、を備えるベルト部材ユニットを有する。
例えば、本実施形態に係るベルト部材を、中間転写ベルトとして備える態様であれば、像保持体と、前記像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー画像が転写される中間転写ベルト(本実施形態に係るベルト部材)と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー画像を前記中間転写ベルトの表面に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写ベルトの表面に転写された前記トナー画像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー画像を定着する定着手段と、前記中間転写ベルトに前記クリーニングブレードが接触するよう配置されたクリーニング装置と、を備える画像形成装置が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置、像保持体上に保持されたトナー画像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色の現像器を備えた複数の像保持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置が挙げられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しつつ説明する。
・画像形成装置の構成(第1の態様)
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図3に示す画像形成装置は、上記本実施形態に係るベルト部材を中間転写体(中間転写ベルト)として適用した画像形成装置である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図3に示すように、例えば、いわゆるタンデム方式であり、電子写真感光体からなる4つの像保持体101a〜101dの周囲に、その回転方向に沿って順次、帯電装置102a〜102d、露光装置114a〜114d、現像装置103a〜103d、一次転写装置(一次転写ロール)105a〜105d、像保持体クリーニング装置104a〜104dが配置されている。尚、転写後の像保持体101a〜101dの表面に残留している残留電位を除去するために除電器を備えていてもよい。
中間転写ベルト107が、支持ロール106a〜106d、駆動ロール111及び二次転写対向ロール108により張力を付与しつつ支持され、後述する中間転写ベルトクリーニング装置120と共に、中間転写ベルトユニットを形成している。これらの支持ロール106a〜106d、駆動ロール111及び二次転写対向ロール108により、中間転写ベルト107は、各像保持体101a〜101dの表面に接触しながら各像保持体101a〜101dと一次転写ロール105a〜105dとを矢印Aの方向に移動し得る。一次転写ロール105a〜105dが中間転写ベルト107を介して像保持体101a〜101dに接触する部位が一次転写部となり、像保持体101a〜101dと一次転写ロール105a〜105dとの接触部には一次転写電圧が印加される。
二次転写装置として、中間転写ベルト107及び二次転写ベルト116を介して二次転写対向ロール108と二次転写ロール109が対向配置されている。二次転写ベルト116は、二次転写ロール109と支持ロール106eとによって支持されている。紙等の記録媒体115が中間転写ベルト107の表面に接触しながら中間転写ベルト107と二次転写ロール109とで挟まれる領域を矢印Bの方向に移動し、その後、定着装置110を通過する。二次転写ロール109が中間転写ベルト107及び二次転写ベルト116を介して二次転写対向ロール108に接触する部位が二次転写部となり、二次転写ロール109と二次転写対向ロール108との接触部には二次転写電圧が印加される。
なお、転写後の中間転写ベルト107には、クリーニングブレード112が画像形成側の面(外周表面)に接触するよう配置される。また、中間転写ベルト107を介して前記クリーニングブレード112の反対側の面には、導電性の対向部材としてのクリーニング用対向ロール113が接触して配置され、中間転写ベルトクリーニング装置120を構成している。
この構成の多色の画像形成装置100では、像保持体101aが矢印Cの方向に回転するとともに、その表面が帯電装置102aによって帯電された後、レーザ光等の露光装置114aにより第1色目の静電潜像が形成される。形成された静電潜像はその色に対応するトナー(トナー粒子に外添剤が外添されてなるトナー)を収容した現像装置103aにより、トナーを含む現像剤で現像(顕像化)されてトナー画像が形成される。なお、現像装置103a〜103dには、各色の静電潜像に対応するトナー(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)がそれぞれ収容されている。
像保持体101a上に形成されたトナー画像は、一次転写部を通過する際に、一次転写ロール105aによって中間転写ベルト107上に静電的に転写(一次転写)される。以降、第1色目のトナー画像を保持した中間転写ベルト107上に、一次転写ロール105b〜105dによって、第2色目、第3色目、第4色目のトナー画像が順次重ね合わせられるよう一次転写され、最終的に多色の多重トナー画像が得られる。
中間転写ベルト107上に形成された多重トナー画像は、二次転写部を通過する際に、記録媒体115に静電的に一括転写される。トナー画像が転写された記録媒体115は、定着装置110に搬送され、加熱及び加圧、又は加熱若しくは加圧により定着処理された後、機外に排出される。
一次転写後の像保持体101a〜101dは、像保持体クリーニング装置104a〜104dにより残留トナーが除去される。一方、二次転写後の中間転写ベルト107は、中間転写ベルトクリーニング装置120において、クリーニングブレード112により残留トナー(トナー粒子や外添剤等)が除去され、次の画像形成プロセスに備える。
−像保持体−
像保持体101a〜101dとしては、公知の電子写真感光体が広く適用される。電子写真感光体としては、感光層が無機材料で構成される無機感光体や、感光層が有機材料で構成される有機感光体などが用いられる。有機感光体においては、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層と、を積層する機能分離型有機感光体や、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を果たす単層型有機感光体が好適に用いられる。また、無機感光体においては、感光層がアモルファスシリコンにより構成されているものが、好適に用いられる。
また、像保持体の形状には特に限定はなく、例えば、円筒ドラム状、シート状又はプレート状等、公知の形状が採用される。
−帯電装置−
帯電装置102a〜102dとしては、特に制限はなく、例えば、導電性(ここで、帯電装置における「導電性」とは例えば体積抵抗率が10Ω・cm未満を意味する)又は半導電性(ここで、帯電装置における「半導電性」とは例えば体積抵抗率が10乃至1013Ωcmを意味する)のローラ、ブラシ、フィルム、又はゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器など、公知の帯電器が広く適用される。これらの中でも接触型帯電器が望ましい。
帯電装置102a〜102dは、像保持体101a〜101dに対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流を更に重畳させて印加してもよい。
−露光装置−
露光装置114a〜114dとしては、特に制限はなく、例えば、像保持体101a〜101dの表面に、半導体レーザ光、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)光、又は液晶シャッタ光等の光源、又はこれらの光源からポリゴンミラーを介して定められた像様に露光し得る光学系機器など、公知の露光装置が広く適用される。
−現像装置−
現像装置103a〜103dとしては、目的に応じて選択され、例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、又はローラ等を用い接触又は非接触で現像する公知の現像器などが挙げられる。
なお、現像剤中に含まれるトナーの構成の詳細については、後述する。
−一次転写ロール−
一次転写ロール105a〜105dは単層又は多層のいずれでもよい。例えば、単層構造の場合は、発泡又は無発泡のシリコーンゴム、ウレタンゴム、又はEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。
−像保持体クリーニング装置−
像保持体クリーニング装置104a〜104dは、一次転写工程後の像保持体101a〜101dの表面に付着する残存トナーを除去するためのものであり、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、又はロールクリーニング等が用いられる。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、又はシリコーンゴム等が挙げられる。
−二次転写ロール−
二次転写ロール109の層構造は、特に限定されるものではないが、例えば、三層構造の場合、コア層と中間層とその表面を被覆する表面層により構成される。コア層は導電性粒子を分散したシリコーンゴム、ウレタンゴム、又はEPDM等の発泡体で、中間層はこれらの無発泡体で構成される。表面層の材料としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、又はパーフルオロアルコキシ樹脂などが挙げられる。二次転写ロール109の体積抵抗率は10Ωcm以下であることが望ましい。また、中間層を除いた2層構造としてもよい。
−二次転写対向ロール−
二次転写対向ロール108は、二次転写ロール109の対向電極を形成する。二次転写対向ロール108の層構造は、単層又は多層のいずれでもよい。例えば単層構造の場合は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、又はEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。二層構造の場合は、上記のゴム材料で構成される弾性層の外周面を高抵抗層で被覆したロールから構成される。
二次転写対向ロール108と二次転写ロール109の芯体とには、通常1kV以上6kV以下の電圧が印加される。二次転写対向ロール108の芯体への電圧印加に代えて、二次転写対向ロール108に接触させた電気良導性の電極部材と二次転写ロール109とに電圧を印加してもよい。上記電極部材としては、金属ロール、導電性ゴムロール、導電性ブラシ、金属プレート、又は導電性樹脂プレート等が挙げられる。
−定着装置−
定着装置110としては、例えば、熱ローラ定着器、加圧ローラ定着器、又はフラッシュ定着器など公知の定着器が広く適用される。
−中間転写ベルトクリーニング装置−
中間転写ベルトクリーニング装置120には、少なくともクリーニングブレード112が中間転写ベルトの画像形成側の面(外周表面)に接触するよう配置される。クリーニングブレード112に加えて、さらにブラシクリーニング、ロールクリーニング、スクレーパークリーニング等を併設してもよい。
なお、中間転写ベルトクリーニング装置の構成の詳細については、後述する。
・画像形成装置の構成(第2の態様)
次に、本実施形態に係るベルト部材を、記録媒体搬送ベルトとして用いた画像形成装置を例にして説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図4に示す画像形成装置200において、ユニットY、M、C、BKは、矢印Cのとき計方向に回転するように、それぞれ感光体ドラム(像保持体)201Y、201M、201C、201BKが備えられる。感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKの周囲には、帯電器(帯電手段)202Y、202M、202C、202BKと、露光器(静電荷像形成手段)214Y、214M、214C、214BKと、各色現像装置(現像手段/イエロー現像装置203Y、マゼンタ現像装置203M、シアン現像装置203C、ブラック現像装置203BK)と、感光体ドラム清掃部材(像保持体クリーニング装置)204Y、204M、204C、204BKとがそれぞれ配置されている。
ユニットY、M、C、BKは、用紙搬送ベルト(ベルト部材)207に対して4つ並列に、ユニットBK、C、M、Yの順に配置されているが、ユニットBK、Y、C、Mの順等、画像形成方法に合わせて適当な順序が設定される。
用紙搬送ベルト207は、4つのベルト支持ロール206によって内面側から支持され、後述する用紙搬送ベルトクリーニング装置220と共に、中間転写ベルトユニットを形成している。用紙搬送ベルト207は、矢印Aの反時計方向に感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKと同じ周速度をもって回転するようになっており、ベルト支持ロール206間に位置するその一部が感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとそれぞれ接するように配置されている。
用紙搬送ベルト207には、におけるクリーニングブレード212が、用紙搬送側の面(外周表面)に接触するよう配置される。また、用紙搬送ベルト207を介して前記クリーニングブレード212の反対側の面には、導電性の対向部材としてのクリーニング用対向ロール213が接触して配置され、用紙搬送ベルトクリーニング装置220を構成している。
用紙搬送ベルトクリーニング装置220には、クリーニングブレード212に加えて、さらにブラシクリーニング、ロールクリーニング、スクレーパークリーニング等を併設してもよい。
また、クリーニング用対向ロール213としては、前述の図3に示す画像形成装置100に用いられるクリーニング用対向ロール113と同様の構成のものを、そのまま適用し得る。
転写ロール(転写手段)205Y、205M、205C、205BKは、用紙搬送ベルト207の内側であって、用紙搬送ベルト207と感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとが接している部分に対向する位置にそれぞれ配置され、感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKと、用紙搬送ベルト207を介してトナー画像を用紙(記録媒体)215に転写する転写領域を形成している。転写ロール205Y、205M、205C、205BKは、図4に示すとおり、感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKの直下に配置していても、直下からずれた位置に配置してもよい。
定着装置(定着手段)210は、用紙搬送ベルト207と感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKとのそれぞれの転写領域を通過した後に搬送されるように配置されている。
用紙搬送ロール208により、用紙215は用紙搬送ベルト207に搬送される。
図4に示す画像形成装置において、ユニットBKにおいては、感光体ドラム201BKを回転駆動させる。これと連動して帯電器202BKが駆動し、感光体ドラム201BKの表面を目的の極性及び電位に帯電させる。表面が帯電された感光体ドラム201BKは、次に、露光器214BKによって像様に露光され、その表面に静電潜像が形成される。
続いて該静電潜像は、ブラック現像装置203BKによって現像される。すると、感光体ドラム201BKの表面にトナー画像が形成される。なお、このときの現像剤は一成分系のものでもよいし二成分系のものでもよい。
このトナー画像は、感光体ドラム201BKと用紙搬送ベルト207との転写領域を通過し、用紙215が静電的に用紙搬送ベルト207に吸着して転写領域まで搬送され、転写ロール205BKから印加される転写バイアスによって形成される電界により、用紙215の表面に順次転写される。
この後、感光体ドラム201BK上に残存するトナーは、感光体ドラム清掃部材204BKによって清掃、除去される。そして、感光体ドラム201BKは、次の画像転写に供される。
以上の画像転写は、ユニットC、M及びYでも上記の方法によって行われる。
転写ロール205BK、205C、205M及び205Yによってトナー画像を転写された用紙215は、さらに定着装置210に搬送され、定着が行われる。
転写後の感光体ドラム201Y、201M、201C、201BKは、感光体ドラム清掃部材204Y、204M、204C、204BKにより残留トナーが除去される。一方、記録媒体215を搬送した後の用紙搬送ベルト207は、用紙搬送ベルトクリーニング装置220におけるクリーニングブレード212により残留トナーが除去され、次の画像形成プロセスに備える。
以上により用紙上に所望の画像が形成される。
−ベルトクリーニング装置−
ここで、図3に示される画像形成装置や図4に示される画像形成装置等において、中間転写ベルトクリーニング装置、記録媒体搬送ベルトクリーニング装置等として用いられる、ベルトクリーニング装置の一例について、図を用いて説明する。
図5は、ベルトクリーニング装置を示す、クリーニングブレードとベルト部材とが接触する領域の長手方向からの概略断面図である。
ベルトクリーニング装置は、ベルト部材7(図3に示す画像形成装置100では中間転写ベルト107、図4に示す画像形成装置200では記録媒体搬送ベルト207)に接触する接触部分Sが弾性材料で構成されるクリーニングブレード12を備える。クリーニングブレード12はベルト部材7の駆動方向の上流側に向かって鋭角に接触するよう配置されており、また保持部材19によって固定され、ベルト部材7に対して押し付けられて食い込むように圧力が加えられている。なお、ベルト部材7を介してクリーニングブレード12の接触部分Sに対向する位置に、ベルト部材7と接触するよう配置された対向部材としての対向ロール13を有していてもよい。
(クリーニングブレード)
図5に示すクリーニングブレード12は、ベルト部材7に接触する接触部分Sを含めたクリーニングブレード12全体が弾性材料を含む単一の層で構成される。
クリーニングブレード12は、そのJIS−A硬度が55°以上85°以下であることが好ましい。なお、JIS−A硬度はクリーニングブレード12に用いる材料の選択によって調整され、より具体的な調製方法としては前述の方法が挙げられる。
・弾性材料
弾性材料としては、特に限定されるものではなく従来公知の材料が用いられる。例えば樹脂が挙げられ、中でもゴムが望ましい。例えば、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられ、特にポリウレタンゴムが好ましい。
ポリウレタンゴムは、通常ポリイソシアネートとポリオールとを重合することで合成される。また、ポリオール以外にイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂を用いてもよい。尚、ポリウレタンゴムはハードセグメントとソフトセグメントとを有していることが好ましい。
ここで、「ハードセグメント」及び「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
ハードセグメントを構成する材料(ハードセグメント材料)とソフトセグメントを構成する材料(ソフトセグメント材料)との組み合わせとしては、特に限定されず、一方が他方に対して相対的に硬く、他方が一方に対して相対的に柔らかい組み合わせとなるよう公知の樹脂材料から選択し得る。例えば、以下の組み合わせが挙げられる。
・ソフトセグメント材料
(S1)ポリオール
ソフトセグメントを構成する材料としては、ポリオールが挙げられる。ポリオールとしては、ポリエステルポリオール(例えばジオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、ラクトン(環状エステル)の開環重合で得られるポリエステルポリオール)、ポリカーボネートポリオール(例えばジオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール)、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
なお、ソフトセグメント材料として用いられる上記ポリオールの市販品としては、例えば、株式会社ダイセルのプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
ポリオールは前記のものを単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
・ハードセグメント材料
(H1)ポリイソシアネート
ハードセグメントを構成する材料としては、ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルビフェニル−4,4−ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
尚、求められる大きさ(粒子径)のハードセグメント凝集体の形成し易さという点から、ポリイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより好ましい。
ポリイソシアネートの配合量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する材料100質量部に対して、20質量部以上40質量部以下が好ましく、更には20質量部以上35質量部以下がより好ましく、20質量部以上30質量部以下が更に好ましい。
20質量部以上であることにより、ウレタン結合量が多く確保されてハードセグメントが成長し、求められる硬度が得られる。一方40質量部以下であることにより、ハードセグメントが大きくなり過ぎず、伸張性が得られ、クリーニングブレードの欠けの発生が抑制される。
ポリイソシアネートは前記のものを単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
(H2)鎖延長剤
また前記ポリウレタンは、ハードセグメントを構成する材料としてさらに鎖延長剤が重合された重合体であってもよい。
鎖延長剤としては、従来公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えばポリイソシアネートのイソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する材料が挙げられる。具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール,1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の3価及びこれ以上の多価アルコール、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノ多価アルコール等が用いられる。これらの中でもグリコール類及び3価のアルコール類が好ましく、グリコール類がより好ましい。
また鎖延長剤として、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂を用いてもよい。該樹脂は、柔軟性のある樹脂であることが好ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより好ましい。具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等を用いることが好ましい。
2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂の市販品としては、例えば、綜研化学社製のアクトフロー(グレード:UMB−2005B、UMB−2005P、UMB−2005、UME−2005等)が挙げられる。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産社製、R−45HT等が挙げられる。
2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、従来の一般的なエポキシ樹脂のごとく硬くて脆い性質を有するものではなく、従来のエポキシ樹脂よりも柔軟強靭性であるものが好ましい。上記エポキシ樹脂としては、例えば、分子構造の面では、その主鎖構造中に、主鎖の可動性を高くし得る構造(柔軟性骨格)を有するものが好適であり、柔軟性骨格としては、アルキレン骨格や、シクロアルカン骨格、ポリオキシアルキレン骨格等が挙げられ、特にポリオキシアルキレン骨格が好適である。また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが好ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより好ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA−4850−150等が挙げられる。
鎖延長剤は前記のものを単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
(H3)架橋剤
また前記ポリウレタンは、ハードセグメントを構成する材料としてさらに架橋剤が重合された重合体であってもよい。
架橋剤としては、ジオール(2官能)、トリオール(3官能)、テトラオール(4官能)等が挙げられ、これらを併用してもよい。また、架橋剤としてアミン系化合物を用いてもよい。なお、3官能以上の架橋剤を用いて架橋されたものであることが好ましい。3官能の架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
架橋剤の、イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する材料100質量部に対する配合量は2質量部以下が好ましい。2質量部以下であることにより、分子運動が化学架橋で拘束されることなく、熟成によるウレタン結合由来のハードセグメントが大きく成長し、求められる硬度が得やすくなる。
なお、弾性材料として用いられる樹脂がポリウレタンゴムである場合、該ポリウレタンゴムの重量平均分子量は、1000乃至4000の範囲内であることが好ましく、1500乃至3500の範囲内であることがより好ましい。
・クリーニングブレードの成形方法
図5に示すクリーニングブレード12は、弾性材料からなる単層の弾性部材のみからなる。例えば、弾性材料としてポリウレタンゴムを用いたクリーニングブレード12の製造には、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は強度、耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
かかるクリーニングブレード12は、上述したポリオールとポリイソシアネートとを混合して成形され、さらに鎖延長剤や架橋剤等を配合してもよい。なお、成形は上記のようにして配合され混合された形成用の組成物を、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して、シート状に形成し、切断加工等を施すことにより作製される。
なお、図5では単層の弾性部材のみからなるクリーニングブレード12を示したが、これに限定されるものではない。例えば、ベルト部材に接触する側の層を成す弾性部材と、その背面側の層を成す弾性部材との二層構成のクリーニングブレードなど、複数の部材が組み合わされてなるクリーニングブレードであってもよい。
・クリーニングブレードの設定角度θ、押し付け圧力NF−
図5に示す、クリーニングブレード12の被クリーニング部材に対する設定角度θ(クリーニングブレード12の直線部分、つまりベルト部材7への押し付けによって歪んでいない部分とベルト部材7とがなす角度)は8度以上30度以下が好ましく、さらに10度以上25度以下がより好ましい。
また、クリーニングブレード12のベルト部材7に対する押し付け圧力NFは、1.0gf/mm以上3.0gf/mm以下が好ましく、さらに1.5gf/mm以上2.5gf/mm以下が好ましい。
ここで、クリーニングブレード12のベルトθと押し付け圧力との測定法を、図5を用いて説明する。まず、クリーニングブレード12に一定の変位を与えてロードセルで荷重を測定し、クリーニングブレード12固有のばね定数kを求める。次にクリーニングブレード12をハウジング(保持部材)19に固定し、ブレードエッジ(接触部分Sを成す角)の位置を測定する。なお、測定には例えばレーザー変位計等を用い得る。ブレードエッジの位置から、ベルト部材7を接触させたときのクリーニングブレード12のくいこみ量dを計算する。以上の値とブレード自由長L(ハウジング19で固定されていない部分の長さ)、クリーニングブレード12の設定角度θを用いて、以下の式から押し付け圧力NF及び接触角度WAを算出する。
NF(押し付け圧力)=k×d
WA(接触角度)=θ−tan−1(3d/2L)
(クリーニング用対向ロール)
クリーニング用の対向ロール13は、ベルトクリーニング装置におけるクリーニングブレード12の対向部材を形成する。
対向ロール13の層構造は、単層又は多層のいずれでもよい。例えば単層構造の場合は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、又はEPDM等のゴム材料のロールで構成してもよく、さらにカーボンブラック等の導電性粒子が配合されていてもよい。
二層構造の場合は、上記のゴム材料で構成される芯ロールや金属の芯ロールの外周面を、求められる抵抗を有する表面層で被覆したロールで構成してもよい。
−現像剤−
次いで、図3に示される画像形成装置や図4に示される画像形成装置等において、現像装置中に充填される現像剤について説明する。
本実施形態に用い得る現像剤としては、トナーからなる一成分系現像剤であっても、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。
トナーとしては、例えばトナー粒子と外添剤とを含むトナーが用いられる。
(トナー粒子)
トナー粒子は、結着樹脂を含み、さらに必要に応じて、着色剤、離型剤、その他添加剤を含んでもよい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸エステル類、エチレン性不飽和ニトリル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の体積平均粒径(D50v)は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積を小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vと定義する。
(外添剤)
外添剤としては、無機粒子や有機粒子が挙げられ、特に無機粒子が好ましい。
無機粒子として、SiO(シリカ)、TiO、CuO、SnO、Fe、BaO、CaO、KO、NaO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、他の無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
・シリカ粒子
シリカ粒子としては、シリカ、すなわちSiOを主成分とする粒子であればよく、結晶性でも非晶性でもよい。また、シリカ粒子としては、水ガラス、アルコキシシラン等のケイ素化合物を原料に製造された粒子であってもよいし、石英を粉砕して得られる粒子であってもよい
具体的には、シリカ粒子としては、例えば、ゾルゲルシリカ粒子、水性コロイダルシリカ粒子、アルコール性シリカ粒子、気相法により得られるフュームドシリカ粒子、溶融シリカ粒子が挙げられる。その中でも、シリカ粒子としては、下記特性を満たす観点から、ゾルゲルシリカ粒子が好ましい。
シリカ粒子は、単分散且つ球状であることが好ましい。単分散球状シリカ粒子は、トナー粒子表面に均一に近い状態で分散し、安定したスペーサー効果を得られる。
ここで、単分散の定義としては、凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差として体積平均粒径D50×0.22以下であることが好ましい。また、球状の定義としては、後述する平均円形度で議論することができる。
・外添剤の粒子径
本実施形態では、外添剤の最大粒子径D(μm)とベルト部材の外周表面の最大高さ粗さRzとが「Rz≦D/2」の関係を満たすことが好ましい。
・外添剤の平均円形度
外添剤(特にはシリカ粒子)は、平均円形度が0.75以上1.0以下が好ましく、0.9以上1.0以下がより好ましく、0.92以上0.98以下がさらに好ましい。
ここで、外添剤の平均円形度は、次の方法により測定される。
まず、外添剤の円形度は、外添剤の一次粒子を、SEM装置により観察し、得られた一次粒子の平面画像解析から、下記式により算出される「100/SF2」として得られる。
・式:円形度(100/SF2)=4π×(A/I
〔式中、Iは画像上における一次粒子の周囲長を、Aは一次粒子の投影面積を表す。〕
そして、外添剤の平均円形度は、上記平面画像解析によって得られた一次粒子100個の円形度の累積頻度における50%円形度として得られる。
・外添剤の含有量
外添剤のトナー粒子に対する含有量は、0.5質量%以上5.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下がより好ましく、1.5質量%以上2.5質量%以下が更に好ましい。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下において「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準である。
[実施例1]
(ベルト部材の形成)
・塗布液の調製
ポリイミド前駆体溶液(商品名:Uワニス、ユニチカ製、固形分濃度18%、溶剤はN−メチルピロリドン)に、カーボンブラック(商品名:Special Black4、オリオンエンジニアドカーボンズ製)を混合して、ジェットミルを用いて分散させ、カーボンブラックの含有率が塗布液の固形分100部に対して28部であるベルト部材形成用の塗布液を得た。
・ベルト部材の形成(内面塗布−遠心成形法)
以下の方法により、金型の内面に前記塗布液を塗布して遠心成形によりベルト部材を形成した。
具体的には、金型の内面を、求められるRsk及びRzとなるよう(具体的には、Rsk=0.027±0.005μm、Rz=0.022±0.002μm)、粒子研磨及びバフ研磨して平滑面に仕上げ、その平滑面に前記塗布液を塗布した。塗布後の金型を、炉内温度分布180℃±5℃に制御した乾燥炉にて回転乾燥させた。その後さらに、焼成炉において340℃まで加熱し、その際炉内温度分布を340℃±5℃に制御し、溶剤を揮発させて加熱硬化させた。
こうして、平均厚さが75μmであるポリイミド樹脂製のベルト部材を得た。
得られたベルト部材の外周表面における「スキューネスRsk」及び「最大高さ粗さRz」を前述の方法により測定した。結果を下記表1に示すと共に、スキューネスRskに関するプロファイルデータを図6に示す。
−評価試験−
・クリーニング維持性評価
得られたベルト部材を中間転写ベルトとして、画像形成装置「富士ゼロックス社製C2250」に搭載した。
なお、この画像形成装置の現像器には、トナー粒子に対して外添剤(シリカ粒子、信越化学工業社製、「X24」)が外添されたトナーを含む二成分系現像剤を充填した。このシリカ粒子の最大粒子径D(μm)を下記表1に示す。
また、中間転写ベルトの外周表面をクリーニングするクリーニングブレードとして、ポリウレタンゴム製のブレードを、下記の条件で中間転写ベルトに接触するよう配置した。このポリウレタンゴム製のブレードのJIS−A硬度(°)を下記表1に示す。
・中間転写ベルトに対する角度(設定角度)θ:24°
・押し付け圧力NF:2.5gf/mm
10℃/10%RHの低温低湿下及び30℃/80%RHの高温高湿下のそれぞれの環境下で、画像濃度10%としたチャートを連続100,000枚まで出力し、特定経過枚数(具体的には10,000枚)毎にハーフトーン(マゼンダ30%)画像を出力し、クリーニング性を確認するための画質評価を実施し、下記評価基準に従って実機における画質維持性を評価した。
また、上記の評価試験中に、クリーニングブレードと中間転写ベルトとのトルク変動に対する異音発生(摩擦音の発生)の有無を確認した。
(評価基準)
・A:画像不良(画像濃度の低下)確認されず
・B:わずかに画像濃度の部分的な低下が見られるが、画像として許容し得るレベル
・C:画像不良(画像濃度の低下)が顕著で、画像として許容できないレベル
[実施例2]
実施例1におけるベルト部材の形成(内面塗布−遠心成形法)の際、金型の内面に対する粒子研磨及びバフ研磨の条件を変更して、該内面のRsk=−0.140±0.005、Rz=0.032±0.002μmとなる金型を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてベルト部材を得た。
得られたベルト部材の外周表面における「スキューネスRsk」及び「最大高さ粗さRz」を下記表1に示すと共に、スキューネスRskに関するプロファイルデータを図7に示す。
また、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様にしてベルト部材を得た。得られたベルト部材の外周表面における「スキューネスRsk」及び「最大高さ粗さRz」を下記表1に示す。
また、用いたクリーニングブレード(ポリウレタンゴム製ブレード)のJIS−A硬度を下記表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
[実施例4]
実施例1におけるベルト部材の形成(内面塗布−遠心成形法)の際、金型の内面に対する粒子研磨及びバフ研磨の条件を変更して、該内面のRsk=0.066±0.005、Rz=0.041±0.002μmとなる金型を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてベルト部材を得た。
得られたベルト部材の外周表面における「スキューネスRsk」及び「最大高さ粗さRz」を下記表1に示す。
また、用いたクリーニングブレード(ポリウレタンゴム製ブレード)のJIS−A硬度を下記表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
[実施例5] 実施例1におけるベルト部材の形成(内面塗布−遠心成形法)の際、金型の内面に対する粒子研磨及びバフ研磨の条件を変更して、該内面のRsk=−0.200±0.005、Rz=0.044±0.002μmとなる金型を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてベルト部材を得た。
得られたベルト部材の外周表面における「スキューネスRsk」及び「最大高さ粗さRz」を下記表1に示す。
また、用いたクリーニングブレード(ポリウレタンゴム製ブレード)のJIS−A硬度を下記表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
[実施例6]
実施例1におけるベルト部材の形成(内面塗布−遠心成形法)の際、金型の内面に対する粒子研磨及びバフ研磨の条件を変更して、該内面のRsk=0.150±0.005、Rz=0.070±0.002μmとなる金型を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてベルト部材を得た。
得られたベルト部材の外周表面における「スキューネスRsk」及び「最大高さ粗さRz」を下記表1に示す。
また、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
[実施例7]
実施例1におけるベルト部材の形成(内面塗布−遠心成形法)の際、金型の内面に対する粒子研磨及びバフ研磨の条件を変更して、該内面のRsk=0.270±0.005、Rz=0.059±0.002μmとなる金型を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてベルト部材を得た。
得られたベルト部材の外周表面における「スキューネスRsk」及び「最大高さ粗さRz」を下記表1に示す。
また、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
[実施例8]
実施例1において、用いたクリーニングブレード(ポリウレタンゴム製ブレード)のJIS−A硬度を下記表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
[実施例9]
実施例1において、用いたクリーニングブレード(ポリウレタンゴム製ブレード)のJIS−A硬度を下記表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
[比較例1]
実施例1におけるベルト部材の形成(内面塗布−遠心成形法)の際、金型の内面に対する粒子研磨及びバフ研磨の条件を変更して、該内面のRsk=0.420±0.005、Rz=0.093±0.002μmとなる金型を用い、かつ乾燥後の焼成炉内の温度分布を340℃±6℃の設定に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてベルト部材を得た。
得られたベルト部材の外周表面における「スキューネスRsk」及び「最大高さ粗さRz」を下記表1に示すと共に、スキューネスRskに関するプロファイルデータを図8に示す。
また、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
[比較例2]
実施例1におけるベルト部材の形成(内面塗布−遠心成形法)の際、金型の内面に対する粒子研磨及びバフ研磨の条件を変更して、該内面のRsk=0.550±0.005、Rz=0.010±0.002μmとなる金型を用い、かつ乾燥炉内の温度分布を180℃±8℃の設定に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてベルト部材を得た。
得られたベルト部材の外周表面における「スキューネスRsk」及び「最大高さ粗さRz」を下記表1に示す。
また、用いたクリーニングブレード(ポリウレタンゴム製ブレード)のJIS−A硬度を下記表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
[比較例3]
比較例2と同様にしてベルト部材を得た。このベルト部材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
得られたベルト部材の外周表面における「スキューネスRsk」及び「最大高さ粗さRz」を下記表1に示す。
また、実施例1と同様にして評価試験を実施した。試験結果を下記表1に示す。
Figure 0006852342

表1に示す結果から、本実施例では比較例に比べて、画像形成を繰り返した際に生じる画像濃度の変化が抑制されていることがわかる。
7 ベルト部材
12 クリーニングブレード
13 対向ロール
19 保持部材(ハウジング)
100 画像形成装置
101a、101b、101c、101d 像保持体
102a、102b、102c、102d 帯電装置
103a、103b、103c、103d 現像装置
104a、104b、104c、104d 像保持体クリーニング装置
105a、105b、105c、105d 一次転写ロール
106a、106b、106c、106d 支持ロール
107 中間転写ベルト
108 二次転写対向ロール
109 二次転写ロール
110 定着装置
111 駆動ロール
112 クリーニングブレード
113 対向ロール
114a、114b、114c、114d 露光装置
115 記録媒体
116 二次転写ベルト
120 中間転写ベルトクリーニング装置
200 画像形成装置
201BK、201C、201M、201Y 感光体ドラム
202BK、202C、202M、202Y 帯電器
203BK ブラック現像装置
203C シアン現像装置
203M マゼンタ現像装置
203Y イエロー現像装置
204BK、204C、204M、204Y 感光体ドラム清掃部材
205BK、205C、205M、205Y 転写ロール
206 ベルト支持ロール
207 用紙搬送ベルト
208 用紙搬送ロール
210 定着装置
212 クリーニングブレード
213 対向ロール
214BK、214C、214M、214Y 露光器
215 記録媒体(用紙)
220 用紙搬送ベルトクリーニング装置

Claims (6)

  1. 少なくとも外周表面が樹脂層で形成され、
    前記外周表面の周方向における粗さ曲線のスキューネスRsk(JIS B0601−2001年)が−0.28≦Rsk≦+0.28であり、
    前記外周表面の最大高さ粗さRz(JIS B0601−2001年)がRz≦0.075μmである画像形成装置用のベルト部材。
  2. 前記樹脂層がポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を含有する請求項1に記載のベルト部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のベルト部材と、
    前記ベルト部材を張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、
    前記ベルト部材の外周表面にクリーニングブレードを接触させて、前記外周表面をクリーニングするクリーニング手段と、
    を備え、画像形成装置に対して脱着されるベルト部材ユニット。
  4. 前記クリーニングブレードのJIS−A硬度が55°以上85°以下である請求項3に記載のベルト部材ユニット。
  5. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    請求項3又は請求項4に記載のベルト部材ユニットを有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記ベルト部材の外周表面に一次転写し、かつ前記ベルト部材に転写されたトナー画像を記録媒体に二次転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
  6. 前記トナーが、トナー粒子と外添剤とを含み、
    前記外添剤の最大粒子径D(μm)と、前記ベルト部材の外周表面の最大高さ粗さRzとの関係が、「Rz≦D/2」を満たす請求項5に記載の画像形成装置。
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