JP2024048180A - 無端ベルト、転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

無端ベルト、転写装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024048180A
JP2024048180A JP2022154081A JP2022154081A JP2024048180A JP 2024048180 A JP2024048180 A JP 2024048180A JP 2022154081 A JP2022154081 A JP 2022154081A JP 2022154081 A JP2022154081 A JP 2022154081A JP 2024048180 A JP2024048180 A JP 2024048180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer peripheral
peripheral surface
endless belt
resin
intermediate transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022154081A
Other languages
English (en)
Inventor
宏晃 田中
Hiroaki Tanaka
大輔 種村
Daisuke Tanemura
雅士 古川
Masashi Furukawa
陽祐 久保
Yosuke Kubo
伊織 西村
Iori Nishimura
雅人 小野
Masato Ono
真路 瀬古
Masamichi Seko
茂 福田
Shigeru Fukuda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fujifilm Business Innovation Corp
Priority to JP2022154081A priority Critical patent/JP2024048180A/ja
Priority to US18/188,433 priority patent/US20240118646A1/en
Priority to CN202310298293.5A priority patent/CN117784556A/zh
Publication of JP2024048180A publication Critical patent/JP2024048180A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/14Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base
    • G03G15/16Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer
    • G03G15/1605Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer using at least one intermediate support
    • G03G15/162Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer using at least one intermediate support details of the the intermediate support, e.g. chemical composition
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/14Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base
    • G03G15/16Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer
    • G03G15/1605Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer using at least one intermediate support
    • G03G15/161Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for transferring a pattern to a second base of a toner pattern, e.g. a powder pattern, e.g. magnetic transfer using at least one intermediate support with means for handling the intermediate support, e.g. heating, cleaning, coating with a transfer agent
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G21/00Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge
    • G03G21/0005Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium
    • G03G21/0011Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium using a blade; Details of cleaning blades, e.g. blade shape, layer forming
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/16Transferring device, details
    • G03G2215/1647Cleaning of transfer member
    • G03G2215/1661Cleaning of transfer member of transfer belt

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)

Abstract

【課題】転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトの提供。【解決手段】外周面の動摩擦係数が0.85以下であり、外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cm2で付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、前記吹き付け圧力が6kPa以内で、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する無端ベルト。【選択図】なし

Description

本発明は、無端ベルト、転写装置及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、「少なくとも2層からなる導電性ベルトであって、そのうちの少なくとも表面層はシロキサン結合を有する高分子重合体組成物よりなり、該表面層の水滴接触角が90度以上であり、かつ、ウレタンゴムとの動摩擦係数が0.1以下であり、体積抵抗値が10~1016Ω・cmであることを特徴とする導電性ベルト。」が提案されている。
特許文献2には、「トナー像を担持する像担持体と、部材を担持し担持した部材へ像担持体上のトナー像を転写する無端状転写搬送手段と、転写搬送手段をクリーニングするクリーニング手段と、転写搬送手段を張架する張架手段と、転写搬送手段にバイアスを印加する印加電極と、を備える転写搬送装置において、転写搬送手段の最外層の静止摩擦係数μsの最大静止摩擦係数μsmaxが、0.79未満であることを特徴とする転写搬送装置。」が提案されている。
特許文献3には、「画像形成装置などに用いられる搬送ベルトであって、静摩擦係数が0.10~0.40であることを特徴とする搬送ベルト。」が提案されている。
特開2001-042658号公報 特開2002-258633号公報 特開2004-182382号公報
本発明の第一実施形態が解決しようとする課題は、外周面の動摩擦係数が0.85を超える場合、又は外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、吹き付け圧力が6kPaを超える圧力で、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトを提供することである。
本発明の第二実施形態が解決しようとする課題は、樹脂及びシリコーンを含む層を有する無端ベルトにおいて、シリコーンの分子量が5000未満、若しくは40000を超える場合、又は樹脂のSP値とシリコーンのSP値との差の絶対値が4未満若しくは8を超える場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトを提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の手段が含まれる。
<1> 外周面の動摩擦係数が0.85以下であり、
外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、前記吹き付け圧力が6kPa以内で、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する無端ベルト。
<2> 樹脂及び分子量が5000以上40000以下であるシリコーンを含む層を有する<1>に記載の無端ベルト。
<3> 前記シリコーンの含有量が、前記層全体に対して、1.0質量%以上である<2>に記載の無端ベルト。
<4> 樹脂及び分子量が5000以上40000以下であるシリコーンを含む層を有し、
前記樹脂のSP値と前記シリコーンのSP値との差の絶対値が4以上8以下である無端ベルト。
<5> 前記樹脂がイミド系樹脂であり、前記シリコーンがポリエーテル変性ポリシロキサンである<4>に記載の無端ベルト。
<6> 外周面にトナー像が転写される中間転写体であって、<1>~<5>のいずれか1つに記載の無端ベルトを有する中間転写体と、
像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の外周面に一次転写する一次転写部材を有する一次転写装置と、
前記中間転写体の外周面に接触して配置され、前記中間転写体の外周面に転写された前記トナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写部材を有する二次転写装置と、
クリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードを前記中間転写体に接触させて残留トナーを除去するクリーニング装置と、
を備える転写装置。
<7> 前記クリーニングブレードの前記中間転写体との接触部における反発弾性率が20%以上33%以下である<6>に記載の転写装置。
<8> 前記クリーニングブレードに対する前記中間転写体の動摩擦係数が0.6以下である<6>又は<7>に記載の転写装置。
<9> 像保持体を有し、前記像保持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置であって、<6>~<8>のいずれか1つに記載の転写装置と、
を備える画像形成装置。
<1>に係る発明によれば、外周面の動摩擦係数が0.85を超える場合、又は外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、吹き付け圧力が6kPaを超える圧力で、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトが提供される。
<2>に係る発明によれば、樹脂及び分子量が5000未満又は40000を超えるシリコーンを含む層を有する場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトが提供される。
<3>に係る発明によれば、シリコーンの含有量が、前記層全体に対して、1.0質量%未満である場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトが提供される。
<4>に係る発明によれば、樹脂及びシリコーンを含む層を有する無端ベルトにおいて、シリコーンの分子量が5000未満又は40000を超える場合、又は樹脂のSP値とシリコーンのSP値との差の絶対値が4未満、若しくは8を超える場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトが提供される。
<5>に係る発明によれば、前記樹脂がポリイミドであり、前記シリコーンが非変性ジメチルシリコーンである場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトが提供される。
<6>又は<9>に係る発明によれば、外周面の動摩擦係数が0.85を超える無端ベルトを備える場合、外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、吹き付け圧力が6kPaを超える圧力で、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する無端ベルトを備える場合、樹脂及びシリコーンを含む層を有する無端ベルトにおいて、シリコーンの分子量が5000未満、若しくは40000を超える場合、又は樹脂及びシリコーンを含む層を有する無端ベルトにおいて、樹脂のSP値とシリコーンのSP値との差の絶対値が4未満、若しくは8を超える場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトを備える転写装置又は画像形成装置が提供される。
<7>に係る発明によれば、クリーニングブレードの前記中間転写体との接触部における反発弾性率が20%未満又は33%を超える場合と比較して、クリーニング性に優れる転写装置が提供される。
<8>に係る発明によれば、クリーニングブレードに対する前記中間転写体の動摩擦係数が0.6を超える場合と比較して、クリーニング性に優れる転写装置が提供される。
無端ベルトの外周面の動摩擦係数の測定方法を説明する概略図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例における二次転写部周辺を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。これらの説明および実施例は、実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<無端ベルト>
第一実施形態に係る無端ベルトは、外周面の動摩擦係数が0.85以下であり、外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、吹き付け圧力が6kPa以内で、外周面に付着した全てのポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する。
第一実施形態に係る無端ベルトは、上記構成により、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトとなる。その理由は、次の通り推測される。
従来、中間転写体は、外周面の動摩擦係数が高く、かつトナーとの付着力が大きいことがあった。そのため、画像形成装置の設定などにより記録媒体への転写性を向上させると、クリーニングブレードに残存するトナーの量が減少するため、中間転写体とクリーニングブレードとの摩擦を低減する作用が低下しやすくなる。そうすると、外周面の動摩擦係数が大きい中間転写体とクリーニングブレードとが接触し、クリーニング不良、クリーニングブレードの劣化促進等が生じることがあった。
第一実施形態に係る無端ベルトは、外周面の動摩擦係数を0.85以下とし、前記吹き付け圧力が6kPa以内で、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間するようにしている。第一実施形態に係る無端ベルトを中間転写体として適用することで、転写性が向上し、かつクリーニングブレードに残存するトナーの量が減少しても、中間転写体とクリーニングブレードとの摩擦が低減される。それによりクリーニングブレードの姿勢が維持され、クリーニング性も優れる。
以上のことから、第一実施形態に係る無端ベルトは転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトとなると推測される。
第二実施形態に係る無端ベルトは、樹脂及び分子量が5000以上40000以下であるシリコーンを含む層を有し、樹脂のSP値とシリコーンのSP値との差の絶対値が4以上8以下である。
第二実施形態に係る無端ベルトは、上記構成により、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトとなる。その理由は、次の通り推測される。
第二実施形態に係る無端ベルトが、樹脂及び分子量が5000以上40000以下であるシリコーンを含む層を有する。分子量が上記範囲内であるシリコーンは表面自由エネルギーを低下する働きを有するため、無端ベルトの外周面の動摩擦係数が低下し、トナーの付着力も低下する。
また、樹脂のSP値とシリコーンのSP値との差の絶対値を4以上8以下とすることで、樹脂と、シリコーンと、の混合性に優れやすくなる。
以上のことから、第一実施形態に係る無端ベルトは転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトとなると推測される。
以下、第一実施形態及び第二実施形態のいずれにも該当する無端ベルト(以下、「本実施形態に係る無端ベルト」と称する)について詳細に説明する。ただし、本発明の無端ベルトの一例は、第一実施形態又は第二実施形態に係る無端ベルトのいずれか一つに該当する無端ベルトであればよい。
(動摩擦係数)
本実施形態に係る無端ベルトは、外周面の動摩擦係数が0.85以下である。
転写性及びクリーニング性の観点から、外周面の動摩擦係数は0.1以上0.85以下であることが好ましく、0.1以上0.5以下であることがより好ましく、0.3以上0.5以下であることが更に好ましい。
・無端ベルトの外周面の動摩擦係数の測定手順
外周面の動摩擦係数は以下の通りの手順で測定する。
無端ベルトを切り開き、外周面を上にして摩擦力測定装置の台の上に置く。無端ベルトの外周面にクリーニングブレード(ウレタンゴム製、硬度79°、反発弾性率28%、縦10mm×横20mm×厚さ2.0mm)を、無端ベルトの幅方向に平行、且つ、無端ベルトと角度20度を成して接触させる。無端ベルトとクリーニングブレードの接触部に垂直抗力1Nを印加する。無端ベルトを、クリーニングブレードの下に入り込む方向と逆の方向に、速度100mm/sで、無端ベルトの一端近傍から他端近傍まで動かす。摩擦力測定装置の台上での無端ベルトの移動方向は、画像形成装置内での無端ベルトの回転方向と逆である。無端ベルトを移動させてクリーニングブレードとの間の動摩擦力を測定し、動摩擦係数を求める。温度22℃且つ相対湿度55%下で測定する。図1は、上記測定方法を示した概略図である。
(付着力特性)
本実施形態に係る無端ベルトは、外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、吹き付け圧力が6kPa以内で、外周面に付着した全てのポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する(以下、当該要件を「付着力特性」と称する)。
転写性及びクリーニング性の観点から、上記吹き付け圧力は8kPa以内であることが好ましく、7kPa以内であることがより好ましく、6kPa以内であることが更に好ましい。
付着力特性を満足するか否かの判断は、次の通り行う。
まず、対象となる無端ベルトから、3cm×4cm四方の試料片を採取する。
次に、22℃15%RHの環境下において、試料片における、無端ベルトの外周面に相当する面に、高さ15cmの上方から、無端ベルトの外周面に相当する面と水平に10kVの電圧が印加された状態で、ポリエステル樹脂粒子を散布し、3g/cmの載り量で付着させる。ポリエステル樹脂粒子は、無端ベルトの外周面に相当する面から上方10cm以下から自重で自然落下するように散布し、無端ベルトの外周面に相当する面に荷重0g/cmで付着させる。
ここで、ポリエステル樹脂粒子は、ジカルボン酸であるフマル酸ジメチルとジアルコールであるプロピレングリコールとの重縮合体であり、重量平均分子量25000、体積平均粒子径4.7μmの樹脂粒子を適用する。
ポリエステル樹脂粒子は、ポリエステル樹脂粒子同士又は他の部材(キャリア等)と摩擦接触が実質的になく、実質的に摩擦帯電が生じていない樹脂粒子を採用する。具体的には、ポリエステル樹脂粒子は、製造後、10℃以上22℃以下、かつ10%RH以上55%RH以下の環境下で半年間、保管後の樹脂粒子を採用する。
次に、試料片におけるポリエステル樹脂粒子付着面の中央部に、高さ3cmの上方に位置する直径0.7mmの空気噴き出し口から、吹き付け圧力0.1kPaで空気の吹き付けを開始し、0.5kPa/秒で吹き付け圧力を上昇させる。
そして、吹き付け圧力が6kPaに到達したとき、試料片から全てのポリエステル樹脂粒子が離間していれば、付着力特性を満足すると判断する。
一方、吹き付け圧力が6kPa超えても、試料片にポリエステル樹脂粒子が残存している場合、付着力特性を満足しないと判断する。
ここで、ポリエステル樹脂粒子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
また、ポリエステル樹脂粒子の体積平均粒子径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒子径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は4000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒子径を体積平均粒子径D50vと定義する。
(組成及び層構成)
本実施形態に係る無端ベルトは、樹脂及び分子量が5000以上40000以下であるシリコーン(以下、「特定シリコーン」とも称する)を含む層を有することが好ましい。
-樹脂-
樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂(PI樹脂)、ポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(例えば、芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂等)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂は、機械的強度及びシリコーンとの相溶性の観点から、イミド系樹脂(ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂から選択される少なくとも1種)、芳香族ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、及びポリフェニレンサルファイド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。中でも、機械的強度及びシリコーンとの相溶性の観点から、イミド系樹脂であることがさらに好ましい。樹脂は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂の混合物であってもよい。
・ポリイミド樹脂
ポリイミド樹脂としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミック酸(ポリイミド前駆体)のイミド化物が挙げられる。
ポリイミド樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示される構成単位を有する樹脂が挙げられる。
一般式(I)中、Rは4価の有機基を表し、Rは2価の有機基を表す。
で表される4価の有機基としては、芳香族基、脂肪族基、環状脂肪族基、芳香族基と脂肪族基とを組み合わせた基、又はそれらが置換された基が挙げられる。4価の有機基として具体的には、例えば、後述するテトラカルボン酸二無水物の残基が挙げられる。
で表される2価の有機基としては、芳香族基、脂肪族基、環状脂肪族基、芳香族基と脂肪族基とを組み合わせた基、又はそれらが置換された基が挙げられる。2価の有機基として具体的には、例えば、後述するジアミン化合物の残基が挙げられる。
ポリイミド樹脂の原料として用いるテトラカルボン酸二無水物として具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の原料として用いるジアミン化合物の具体例としては、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジクロロベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、1,5-ジアミノナフタレン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,3’-ジメチル4,4’-ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、2,4-ビス(β-アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p-β-アミノ-第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノフェニル)ベンゼン、ビス-p-(1,1-ジメチル-5-アミノ-ペンチル)ベンゼン、1-イソプロピル-2,4-m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、ジ(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3-メチルヘプタメチレンジアミン、4,4-ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11-ジアミノドデカン、1,2-ビス-3-アミノプロボキシエタン、2,2-ジメチルプロピレンジアミン、3-メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘプタメチレンジアミン、3-メチルヘプタメチレンジアミン、5-メチルノナメチレンジアミン、2,17-ジアミノエイコサデカン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,10-ジアミノ-1,10-ジメチルデカン、12-ジアミノオクタデカン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHO(CH)NH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH(CHNH等が挙げられる。
・ポリアミドイミド樹脂
ポリアミドイミド樹脂としては、繰り返し単位にイミド結合とアミド結合とを有する樹脂が挙げられる。
より具体的には、ポリアミドイミド樹脂は、酸無水物基を有する3価のカルボン酸化合物(トリカルボン酸ともいう)と、ジイソシアネート化合物又はジアミン化合物と、の重合体が挙げられる。
トリカルボン酸としては、トリメリット酸無水物及びその誘導体が好ましい。トリカルボン酸の他に、テトラカルボン酸二無水物、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを併用してもよい。
ジイソシアネート化合物としては、3,3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-3,3’-ジイソシアネート、ビフェニル-3,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジエチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジエチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、ナフタレン-2,6-ジイソシアネート等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、上記のイソシアネートと同様の構造を有し、イソシアナト基の代わりにアミノ基を有する化合物が挙げられる。
-特定シリコーン-
特定シリコーンとしては、2以上のシロキサン結合(Si-O-Si)を有する化合物が挙げられる。
特定シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン等のシリコーンオイル;ポリエーテル変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン、ポリエステル樹脂変性ポリシロキサン等の変性シリコーンオイル;等が挙げられる。
ポリエーテル変性ポリシロキサンとは、ポリエーテル基(すなわち、2つ以上のエーテル結合を有する原子団)を有するシリコーンである。
樹脂との相溶性の観点から、特定シリコーンとしてはポリエーテル変性ポリシロキサンであることが好ましい。
特定シリコーンは、分子量が5000以上40000以下である。
特定シリコーンの分子量を5000以上とすることで、表面自由エネルギーを低下する働きがより高まる。また、特定シリコーンの分子量を40000以下とすることで、樹脂との相溶性を担保することができる。
転写性及びクリーニング性の観点から、特定シリコーンの分子量は7000以上40000以下であることが好ましく、10000以上40000以下であることがより好ましく、12000以上40000以下であることが更に好ましい。
以下、特定シリコーンの分子量の測定手順について説明する。
特定シリコーンの分子量は、粘度より算出する。Barryによって報告されたEyring-Floryの式より算出する(A.J. Barry, J. Appl. Phys., 17, 1020 (1946))。25℃における特定シリコーンの動的粘度をη(cSt)、分子量をMとすると、logη=1.00+1.23×0.01×√Mの関係より特定シリコーンの分子量が導出できる。
特定シリコーンの含有量は、樹脂及び特定シリコーンを含む層全体に対して、1.0質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましく、2.5質量%以上3.0質量%以下であることがさらに好ましい。
特定シリコーンの含有量を、樹脂及び特定シリコーンを含む層全体に対して、1.0質量%以上とすることで、樹脂及び特定シリコーンを含む層中に、表面自由エネルギー低下の効果が十分に発揮される程度に特定シリコーンが含まれるようになる。
-樹脂及び特定シリコーンの関係-
樹脂のSP値と特定シリコーンのSP値との差の絶対値が4以上8以下である。
転写性及びクリーニング性の観点から、樹脂のSP値と特定シリコーンのSP値との差の絶対値は5以上8以下であることが好ましく、7以上8以下であることがより好ましく、7.5以上8以下であることが更に好ましい。
ここで、樹脂及び特定シリコーンの溶解度パラメータ(SP値)は、Fedors法(Polym. Eng. Sci., 14, 147(1974))により算出される値である。
樹脂のSP値と特定シリコーンのSP値との差の絶対値が4以上8以下となる、樹脂及び特定シリコーンの組み合わせとしては、樹脂がイミド系樹脂であり、特定シリコーンがポリエーテル変性ポリシロキサンであることが好ましい。
樹脂及び特定シリコーンの組み合わせを上記の通りとすることで、樹脂及び特定シリコーンの相溶性が向上し、特定シリコーンの表面自由エネルギー低下の効果がより高まる。
-導電性粒子-
樹脂及び特定シリコーンを含む層は導電性粒子を含んでもよい。
導電性粒子としては、例えば、導電性カーボン粒子及び金属酸化物粒子よりなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
上記の中でも、導電性粒子は、導電性カーボン粒子を含むことが好ましい。
導電性カーボン粒子としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、等が挙げられる。カーボンブラックとしては、表面が処理されたカーボンブラック(以下、「表面処理カーボンブラック」ともいう)を用いてもよい。
表面処理カーボンブラックは、その表面に、例えば、カルボキシ基、キノン基、ラクトン基、ヒドロキシ基等を付与して得られる。表面処理の方法としては、例えば、高温雰囲気下で空気と接触して反応させる空気酸化法、常温(例えば、22℃)下で窒素酸化物又はオゾンと反応させる方法、高温雰囲気下での空気酸化後、低温でオゾンにより酸化する方法等を挙げられる。
金属酸化物粒子としては、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等が挙げられる。
導電性粒子としては、金属粒子(例えばアルミニウム粒子、ニッケル粒子等)、イオン導電性粒子(例えばチタン酸カリウム粒子、LiCl粒子等)等も挙げられる。
導電性粒子の含有量は、樹脂及び特定シリコーンを含む層全体に対して、10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
-その他の成分-
樹脂及び特定シリコーンを含む層は樹脂、特定シリコーン及び導電性粒子以外のその他の成分を含んでもよい。
その他の成分としては、例えば、導電性粒子以外の導電材、ベルトの強度向上のためのフィラー、ベルトの熱劣化を防止するための酸化防止剤、流動性を向上させるための界面活性剤、耐熱老化防止剤等が挙げられる。
その他の成分が含まれる場合、その他の成分の含有量は、樹脂及び特定シリコーンを含む層の全質量に対して、0質量%超10質量%以下が好ましく、0質量%超5質量%以下がより好ましく、0質量%超1質量%以下が更に好ましい。
無端ベルトは、単層体であっても積層体であってもよい。
なお、積層体である場合、樹脂及び特定シリコーンを含む層が外周面を構成する。
積層体である場合、樹脂及び特定シリコーンを含む層以外の層は特に限定されず、例えば樹脂を含有する層が挙げられる。
樹脂及び特定シリコーンを含む層以外の層が含有する樹脂としては、例えば、イミド系樹脂が挙げられる。
(無端ベルトの厚み)
無端ベルトが単層体である場合、無端ベルトの厚みは、ベルトの機械的強度の観点から、60μm以上120μm以下であることが好ましく、80μm以上120μm以下であることがより好ましい。
無端ベルトが積層体である場合、樹脂及び特定シリコーンを含む層の厚さが60μm以上120μm以下であることが好ましく、80μm以上120μm以下であることがより好ましい。
無端ベルトが積層体である場合、無端ベルトの全体の厚みは、70μm以上130μm以下であることが好ましく、90μm以上130μm以下であることがより好ましい。
なお、無端ベルトの厚み及び各層の膜厚は、以下のようにして測定する。
即ち、無端ベルトの厚み方向の断面を光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡により観察して、測定対象の無端ベルト又は層の厚みを10箇所測定し、この平均値を厚みとする。
(無端ベルトの製造方法)
本実施形態に係る無端ベルトは、無端ベルト形成用の塗布液を、被塗物に塗布した後、乾燥し焼成することで得ることが好ましい。
ここで塗布液は、樹脂又はその前駆体、特定シリコーン、及び溶媒を含むことが好ましい。また塗布液は、必要に応じて、導電性粒子、及びその他の成分を含んでもよい。
以下に無端ベルトの製造方法の一例として、樹脂及び特定シリコーンを含む層に含まれる樹脂がポリイミド樹脂である場合の無端ベルトの製造方法について説明する。
無端ベルトの製造方法は、例えば、ポリイミド前駆体組成物を円筒状の基材(金型)上に塗布して塗膜を形成する工程(塗膜形成工程)と、基材上に形成した塗膜を乾燥し、乾燥膜を形成する工程(乾燥工程)と、乾燥膜をイミド化処理(加熱処理)し、ポリイミド前駆体のイミド化を行って、ポリイミド樹脂の成形体を形成する工程(焼成工程)と、基材からポリイミド樹脂の成形体を取り外し、無端ベルトとする工程(取り外し工程)と、を含む。なお、このポリイミド樹脂の成形体が樹脂及び特定シリコーンを含む層となる。具体的には、例えば、次の通りである。
なお、ポリイミド前駆体組成物は後述の「-ポリイミド前駆体組成物-」の通りである。
まず、ポリイミド前駆体組成物を円筒状の基材の内面又は外面に塗布して、塗膜を形成する。円筒状の基材としては、例えば、円筒状の金属製基材が好適に用いられる。金属製の代わりに、樹脂製、ガラス製、セラミック製など、他の素材の基材を用いてもよい。また、基材の表面にガラスコート、セラミックコート等を設けてもよく、シリコーン系、フッ素系等の剥離剤を塗布してもよい。
ここで、ポリイミド前駆体組成物を精度よく塗布するには、塗布する前にポリイミド前駆体組成物を脱泡する工程を実施することがよい。ポリイミド前駆体組成物を脱泡することで、塗布時の泡かみ及び塗膜の欠陥発生が抑制される。
ポリイミド前駆体組成物を脱泡する方法としては、減圧状態にする方法、遠心分離する方法などが挙げられるが、減圧状態とする脱泡が簡便で脱泡能が大きいため適している。
次に、ポリイミド前駆体組成物の塗膜が形成された円筒状の基材を、加熱又は真空環境に置いて、塗布膜を乾燥し、乾燥膜を形成する。含有溶媒の30質量%以上、好ましくは50質量%以上を揮発させる。
次に、乾燥膜に対して、イミド化処理(加熱処理)を行う。これにより、ポリイミド樹脂の成形体が形成される。
イミド化処理の加熱条件としては、例えば150℃以上400℃以下(好ましくは200℃以上300℃以下)で、20分間以上60分間以下加熱することで、イミド化反応が起こり、ポリイミド樹脂の成形体が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。イミド化の温度は、例えば原料として用いたテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類によって異なり、イミド化が不充分であると機械的特性及び電気的特性に劣るため、イミド化が完結する温度に設定する。
その後、円筒状の基材から、ポリイミド樹脂の成形体を取り外し、無端ベルトを得る。
以上、単層体の無端ベルトの製造方法について説明したが、複層体の無端ベルトを得る場合、ポリイミド樹脂の成形体に対して適宜樹脂及び特定シリコーンを含む層以外の層を形成することで無端ベルトを得る。
-ポリイミド前駆体組成物-
ポリイミド前駆体組成物は、ポリイミド前駆体、特定シリコーン、及び溶媒を含む。
ポリイミド前駆体組成物の製造方法は、溶媒中で、前述のテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重合してポリイミド前駆体を得た後、特定シリコーンを添加する方法が挙げられる。
ポリイミド前駆体の重合反応時の反応温度は、例えば、0℃以上70℃以下であることがよく、好ましくは10℃以上60℃以下、より好ましくは20℃以上55℃以下である。この反応温度を0℃以上とすることで、重合反応の進行を促進し、反応に要する時間が短時間化され、生産性が向上し易くなる。一方、反応温度を70℃以下とすると、生成したポリイミド前駆体の分子内で生じるイミド化反応の進行が抑制され、ポリイミド前駆体の溶解性低下に伴う析出、又はゲル化が抑制され易くなる。
なお、ポリイミド前駆体の重合反応時の時間は、反応温度により1時間以上24時間以下の範囲とすることがよい。
ポリイミド前駆体組成物中の特定シリコーンの含有量は、ポリイミド前駆体組成物中の固形分に対して、1質量%以上10質量%以下とすることが好ましい。
(無端ベルトの使用例)
本実施形態に係る無端ベルトは、例えば、電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとして利用し得る。電子写真方式の画像形成装置用の無端ベルトとしては、例えば、中間転写ベルト、転写ベルト(記録媒体搬送ベルト)、定着ベルト(加熱ベルト、加圧ベルト)、搬送ベルト(記録媒体搬送ベルト)等が挙げられる。なお、本実施形態に係る無端ベルトは、画像形成装置用の無端ベルト以外にも、例えば、搬送ベルト、駆動ベルト、ラミネートベルト、電気絶縁材、配管被覆材、電磁波絶縁材、熱源絶縁体、電磁波吸収フィルム等のベルト状部材にも利用し得る。
本実施形態に係る転写装置は、外周面にトナー像が転写される中間転写体であって、本実施形態に係る無端ベルトを有する中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の外周面に一次転写する一次転写部材を有する一次転写装置と、前記中間転写体の外周面に接触して配置され、前記中間転写体の外周面に転写された前記トナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写部材を有する二次転写装置と、クリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードを前記中間転写体に接触させて残留トナーを除去するクリーニング装置と、を備える。
一次転写装置において、一次転写部材は、中間転写体を挟んで像保持体に対向して配置される。一次転写装置においては、上記一次転写部材により中間転写体に対しトナーの帯電極性と逆極性の電圧を付与することで、トナー像が中間転写体の外周面に一次転写される。
二次転写装置は、二次転写部材は、中間転写体のトナー像保持側に配置される。そして、二次転写装置は、例えば、二次転写部材と共に、中間転写体のトナー像保持側と反対側に配置される背面部材と、を備える。二次転写装置においては、中間転写体及び記録媒体を二次転写部材と背面部材とで挟み込み転写電界を形成することで、中間転写体上のトナー像が記録媒体に二次転写される。
二次転写部材は、二次転写ロールであってもよいし、二次転写ベルトであってもよい。なお、背面部材は、例えば、背面ロールが適用される。
クリーニング装置は、クリーニングブレードを中間転写体に接触させて残留トナーを除去する装置である。クリーニング装置は、例えば、ハウジングと、クリーニングブレードと、回収したトナーを収容する容器とを有する。中間転写体クリーニング手段はさらにほかの部材又は機構を有していてもよい。
クリーニングブレードに対する中間転写体の動摩擦係数が0.6以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.4以下であることが更に好ましい。
動摩擦係数を0.6以下とすることで、中間転写体とクリーニングブレードとの摩擦がより低減される。それによりクリーニングブレードの姿勢が維持され、クリーニング性もより優れる。
・クリーニングブレードに対する中間転写体の動摩擦係数の測定手順
クリーニングブレードに対する中間転写体の動摩擦係数の測定手順は、上記「・無端ベルトの外周面の動摩擦係数の測定手順」において、クリーニングブレードとして、転写装置に備えられるクリーニングブレードを使用すること以外は同一の手順にて行う。
なお、本実施形態に係る転写装置は、複数の中間転写体を介して、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置であってもよい。つまり、転写装置は、例えば、像保持体から第1中間転写体にトナー像を一次転写し、さらに、第1中間転写体から第2中間転写体にトナー像を二次転写した後、第二中間転写体から記録媒体にトナー像を三次転写する転写装置であってもよい。
転写装置が、複数の中間転写体を備える場合、記録媒体にトナー像を転写する中間転写体に、少なくとも上記本実施形態に係る無端ベルトを適用する。
-クリーニングブレード-
以下に、クリーニング装置に含まれるクリーニングブレードの詳細について説明する。
・反発弾性率
クリーニングブレードは、中間転写体との接触部における反発弾性率が20%以上33%以下であることが好ましく、25%以上33%以下であることがより好ましく、27%以上30%以下であることが更に好ましい。
接触部における反発弾性率を20%以上とすることで、クリーニングブレードの姿勢がより維持されやすくなり、クリーニング性がより向上する。接触部における反発弾性率を33%以下とすることで、クリーニングブレードの接触部の硬度が高くなりすぎず、クリーニングブレードの接触部の欠けの発生が抑制される。
反発弾性率の測定はJIS K6400-3(2011)に準拠して行う。
・硬度
クリーニングブレードは、中間転写体との接触部における硬度が80°以上90°以下であることが好ましく、82°以上88°以下であることがより好ましく、84°以上86°以下であることが更に好ましい。
硬度はデュロメータにより測定する。デュロメータとしては例えば、Asker社製、品名アスカーゴム硬度計A型が使用可能である。
・組成
クリーニングブレードは、少なくとも中間転写体との接触部にポリウレタンゴムを含有していることが好ましい。
ポリウレタンゴムは、ポリオール成分と、ポリイソシアネート成分と、を少なくとも重合したポリウレタンゴムである。ポリウレタンゴムは、必要に応じて、ポリオール成分以外にポリイソシアネートのイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂を重合したポリウレタンゴムであってもよい。
ポリオール成分は、例えば、高分子ポリオールと低分子ポリオールとが含まれる。
高分子ポリオール成分は、数平均分子量が500以上(好ましくは500以上5000以下)のポリオールである。高分子ポリオール成分としては、低分子ポリオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、低分子ポリオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等の周知のポリオールが挙げられる。なお、高分子ポリオールの市販品としては、例えば、ダイセル化学社製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
ここで、数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定された値である。以下、同様である。
これら高分子ポリオールは、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
高分子ポリオール成分の重合比は、ポリウレタンゴムの全重合成分に対して、30モル%以上50モル%以下がよく、好ましくは40モル%以上50モル%以下である。
低分子ポリオール成分は、分子量(数平均分子量)500未満のポリオールである。低分子ポリオールは、鎖長延長剤、及び架橋剤として機能する材料である。
低分子ポリオール成分としては、1,4-ブタンジオールが好適に挙げられる。1,4-ブタンジオールの割合は、全ポリオール成分(高分子ポリオール+低分子ポリオール)に対して50モル%超え75モル%以下(好ましくは52モル%以上75モル%、より好ましくは55モル%以上75モル%以下、さらに好ましくは55モル%以上60モル%以下)がよい。
1,4-ブタンジオールの割合を上記範囲にすると、耐摩耗性が向上する。
なお、1,4-ブタンジオールにおける全低分子ポリオール成分に対する割合は、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、さらに好ましくは100モル%である。つまり、全低分子ポリオール成分として、1,4-ブタンジオールを使用することが最も好ましい。
低分子ポリオール成分として、1,4-ブタンジオール以外に、鎖長延長剤及び架橋剤として周知なジオール(2官能)、トリオール(3官能)、又はテトラオール(4官能)等も挙げられる。
これら1,4-ブタンジオール以外のポリオールは、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
低分子ポリオール成分の重合比は、ポリウレタンゴムの全重合成分に対して、50モル%を超え75モル%以下がよく、好ましくは52モル%以上75モル%、より好ましくは55モル%以上75モル%以下、さらに好ましくは55モル%以上60モル%以下である
・ポリイソシアネート成分
ポリイソシアネート成分としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)および3,3-ジメチルビフェニル-4,4-ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
ポリイソシアネート成分としては、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより好ましい。
これらポリイソシアネート成分は、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
ポリイソシアネート成分の重合比は、ポリウレタンゴムの全重合成分に対して、5モル%以上25モル%以下がよく、好ましくは10モル%以上20モル%以下である。
ポリイソシアネート成分の重合比を上記範囲とすると、上記特性(1)及び(2)を満たし易くなり(特に、100%モジュラス、押し込み弾性率、引張応力、及び破断伸びが上記範囲を満たし易くなり)、耐摩耗性が更に向上する。
・非接触部材の組成
クリーニングブレードが、接触部と該接触部以外の領域とがそれぞれ異なる材料にて構成されている場合における、接触部以外の領域の組成について説明する。
接触部以外の領域は、接触部を支持する機能を有していれば、特に限定されずに公知の如何なる材料をも用い得る。具体的には、接触部以外の領域に用いられる材料としては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、プロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。これらの中で、ポリウレタンゴムがよい。ポリウレタンゴムとしては、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタンが挙げられ、特にエステル系ポリウレタンが好ましい。
・クリーニングブレードの製造方法
クリーニングブレードの製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は耐摩耗性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
なお、クリーニングブレードの成形は、上記方法により調製されたクリーニングブレード形成用の組成物を、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して、シート状に形成し、切断加工等を施すことにより作製される。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成装置と、記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、を備える。そして、転写装置は、上記本実施形態に係る転写装置が適用される。
トナー像形成装置は、例えば、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、を備える装置が例示される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;トナー像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;像保持体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための像保持体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、像保持体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、トナー像形成装置と転写装置とを備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例について図面を参照しつつ説明する。ただし、本実施形態に係る画像形成装置は、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
(画像形成装置)
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、例えば、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K(トナー像形成装置の一例)と、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60と、を備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する、矢印A方向に回転する感光体11(像保持体の一例)を備えている。
感光体11の周囲には、帯電手段の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、潜像形成手段の一例として、感光体11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
また、感光体11の周囲には、現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
更に、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写ロール16及び感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図2に示すB方向に目的に合わせた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能する張力付与ロール33、二次転写部20に設けられる背面ロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置され、更に一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、背面ロール25と、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
背面ロール25は、表面抵抗率が1×10Ω/□以上1×1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。この背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
一方、二次転写ロール22は、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置され、更に二次転写ロール22は接地されて背面ロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の外周面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング部材35が接離自在に設けられている。
また、二次転写ロール22の二次転写部20の下流側には、二次転写後の二次転写ロール22上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の外周面をクリーニングする二次転写ロールクリーニング部材22Aが設けられている。二次転写ロールクリーニング部材22Aは、クリーニングブレードが例示される。ただし、クリーニングロールであってもよい。
なお、中間転写ベルト15、一次転写ロール16、二次転写ロール22及び中間転写ベルトクリーニング部材35が、転写装置の一例に該当する。
ここで、画像形成装置100は、二次転写ロール22に代えて、二次転写ベルト(二次転写部材の一例)を備える構成であってもよい。具体的には、図3に示すように、画像形成装置100は、二次転写ベルト23と、中間転写ベルト15および二次転写ベルト23を介して背面ロール25に対向配置されている駆動ロール23Aと、駆動ロール23Aと共に二次転写ベルト23を張架するアイドラロール23Bと、を備えた二次転写装置を備えてもよい。
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
更に、本実施形態に係る画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを予め定められたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の外周面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の外周面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から目的とするサイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせて位置合わせロール(不図示)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22が背面ロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22と背面ロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<実施例1>
(塗膜形成工程及び乾燥工程)
ポリイミド前駆体(芳香族系テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物として4,4’-ジアミノジフェニルエーテルと、の重合体)のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶液(溶液全体に対する、溶液に含まれるポリイミド前駆体をイミド化して得られるイミド系樹脂の量(以下、溶液に含まれるポリイミド前駆体をイミド化して得られるイミド系樹脂の量を「樹脂固形分」とする)が、18質量%。)を用意した。この溶液に導電性粒子であるカーボンブラック(オリオンエンジニアドカーボン社製 FW200)を、溶液の樹脂固形分100質量部に対して、19質量部添加し、撹拌を行った。続いて、特定シリコーンとしてポリエーテル変性ポリシロキサン(信越化学工業株式会社製 KP-126)を溶液の樹脂固形分100質量部に対して、3質量部添加し、撹拌を行い、ポリイミド前駆体組成物を得た。
作製したポリイミド前駆体組成物を外径278mmのアルミニウム製円筒状の金型(基材)の外面にディスペンサーを介して塗布し、140℃で30分間回転乾燥した。
(焼成工程)
次いで、この金型を320℃のオーブンで回転させながら2時間加熱させた後、オーブンから取り出した。
(取り外し工程)
この金型の外周面に形成されたポリイミド樹脂の成形体を金型から抜き取り、この成形体を363mmの幅で切り出した後、幅方向両端部の外周面側に補強テープ(日東電工社製N31C)を貼り、幅方向両端部の内周面側にガイド部材(千代田化工機社製)を貼り、厚さ0.08mmの単層体の無端ベルトを得た。
<実施例2~8、比較例1、比較例3、比較例4>
特定シリコーンの種類、及び添加量を表1の通りに変更したこと以外は実施例1と同一の手順で単層体の無端ベルトを得た。
<比較例2>
特定シリコーンを添加せず、フッ素系界面活性剤であるフタージェント601ADH2(ネオス社製)を添加したこと以外は実施例1と同一の手順で単層体の無端ベルトを得た。
表1中、「添加量(質量部)」は、(塗膜形成工程及び乾燥工程)において添加した特定シリコーン又はフッ素系界面活性剤の樹脂固形分100質量部に対する添加量を意味する。
表1中、実施例2の「種類」の欄中に「KP-120/KP-126」と記載されているが、これは特定シリコーンであるKP-120及びKP-126を使用したことを意味する。
表1中、実施例2の「分子量」の欄中に「13000/40000」と記載されているが、これは特定シリコーンであるKP-120の分子量が13000であり、KP-126の分子量が40000であることを意味する。
表1中、実施例2の「添加量(質量部)」の欄中に「3/3」と記載されているが、これは特定シリコーンであるKP-120及びKP-126を、それぞれ樹脂固形分100質量部に対して、3質量部添加したことを意味する。
表1中、「PE変性Si」はポリエーテル変性ポリシロキサンを意味する。
表1中、「PES樹脂変性Si」はポリエステル樹脂変性ポリシロキサンを意味する。
以下、表1中の略称について説明する。
・KP-126:特定シリコーンであるポリエーテル変性ポリシロキサン(信越化学工業株式会社製 KP-126)
・KP-120:特定シリコーンであるポリエーテル変性ポリシロキサン(信越化学工業株式会社製 KP-120)
・601ADH2:フッ素系界面活性剤であるフタージェント601ADH2(ネオス社製)
・KP-124:特定シリコーンであるポリエーテル変性ポリシロキサン(信越化学工業株式会社製 KP-124)
・KP-106:特定シリコーンであるポリエーテル変性ポリシロキサン(信越化学工業株式会社製 KP-106)
・KP-104:特定シリコーンであるポリエーテル変性ポリシロキサン(信越化学工業株式会社製 KP-104)
・KP-621:特定シリコーンであるポリエステル樹脂変性ポリシロキサン(信越化学工業株式会社製 KP-621)
・KP-310:特定シリコーンであるシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン、信越化学工業株式会社製 KP-310)
<クリーニングブレード1~3の準備>
(クリーニングブレード1)
硬度81°のウレタンゴムからなるクリーニングブレードをクリーニングブレード1とした。
・寸法:縦13mm×横347mm×厚さ2.0mm
・反発弾性率28%
(クリーニングブレード2)
硬度85°のウレタンゴムからなるクリーニングブレードをクリーニングブレード2とした。
・寸法:縦13mm×横347mm×厚さ2.0mm
・反発弾性率33%
(クリーニングブレード3)
硬度71°のエーテル系ウレタンゴムからなるクリーニングブレードをクリーニングブレード3とした。
・寸法:縦13mm×横347mm×厚さ2.0mm
・反発弾性率35%
(クリーニングブレード4)
硬度65°のエーテル系ウレタンゴムからなるクリーニングブレードをクリーニングブレード4とした。
・寸法:縦13mm×横347mm×厚さ2.0mm
・反発弾性率20%
(クリーニングブレード5)
硬度60°のエーテル系ウレタンゴムからなるクリーニングブレードをクリーニングブレード5とした。
・寸法:縦13mm×横347mm×厚さ2.0mm
・反発弾性率18%
<評価>
画像形成装置Apeos C5570(富士フイルムビジネスイノベーション社製)の転写装置に、準備したクリーニングブレードと、中間転写ベルトとして各例で作成した無端ベルトと、を表2に記載の組み合わせで装着し、下記評価を行った。
なお、クリーニングブレードは、無端ベルトの幅方向に平行、且つ、無端ベルトと角度20度を成して接触させた。また、無端ベルトとクリーニングブレードの接触部に垂直抗力1Nを印加した状態となる様に装着した。
(画質評価)
画像部及び非画像部を含むように40万枚画像形成を行った。その後、ハーフトーン画像(画像濃度30%、Blue)の画像形成を30枚行い、形成した画像を目視にて確認し下記評価基準により画質評価を行った。
-評価基準-
A:画像不良がない。
B:画像不良があるが許容範囲内である。
C:許容できない画像不良がある。
(転写性評価)
Blueのハーフトーン30%画像をエンボス紙(ボス雪)に1000枚出力し、エンボス紙の凹部の白抜けの有無を目視確認し、1枚目の画像と1000枚目の画像とを比較することで、転写維持性を評価した。評価基準は、次の通りである。
A:1枚目の画像及び1000枚目の画像の両方に凹部の白抜けはなし
B:1枚目の画像と比較して1000枚目の画像では凹部のわずかな白抜けがみられる
C:1枚目の画像と比較して1000枚目の画像では凹部の白抜けが見られるが許容できる範囲内である
D:1枚目の画像と比較して1000枚目の画像では凹部の白抜けが大きく悪化した
(クリーニング性評価)
画質評価に用いたハーフトーン画像上に用紙の運搬方向に対する筋の有無から評価した。下記評価基準によりクリーニング性評価を行った。
-評価基準-
A:用紙運搬方向に筋は見られない
B:用紙運搬方向に3本以下の筋が発生した
C:用紙運搬方向に4本以上8本以下の筋が発生したが許容範囲内である
D:用紙運搬方向に8本を超える筋が発生した
以下、表2中の記載について説明する。
「PE変性Si」及び「PES樹脂変性Si」は表1における意味と同義である。
「特定シリコーン含有量」は、樹脂及び特定シリコーンを含む層全体に対する特定シリコーンの含有量を意味する。
「SP値の差の絶対値」は、樹脂のSP値と特定シリコーンのSP値との差の絶対値を意味する。なお、実施例2の「SP値の差の絶対値」の欄中に「6.0/7.7」と記載されているが、これは樹脂のSP値と特定シリコーンであるKP-120のSP値との差の絶対値が6.0であり、樹脂のSP値と特定シリコーンであるKP-126のSP値との差の絶対値が7.7であることを意味する。
「動摩擦係数-1」は、「・無端ベルトの外周面の動摩擦係数の測定手順」に記載の手順で測定した無端ベルトの外周面の動摩擦係数である。
「吹き付け圧力」は、外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間したときの吹き付け圧力である。
「動摩擦係数-2」は、「・クリーニングブレードに対する中間転写体の動摩擦係数の測定手順」である。すなわち、動摩擦係数の測定において、クリーニングブレードとして転写装置に装着したクリーニングブレードを使用して得た動摩擦係数である。
実施例4において「ベルト作製時に相分離し評価不可」と記載しているが、これは、樹脂と特定シリコーンと、が相溶しにくいため無端ベルトを作製することができなかったことを意味する。
上記結果から、本実施例の無端ベルトは、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトであることがわかる。
(((1))) 外周面の動摩擦係数が0.85以下であり、
外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、前記吹き付け圧力が6kPa以内で、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する無端ベルト。
(((2))) 樹脂及び分子量が5000以上40000以下であるシリコーンを含む層を有する(((1)))に記載の無端ベルト。
(((3))) 前記シリコーンの含有量が、前記層全体に対して、1.0質量%以上である(((2)))に記載の無端ベルト。
(((4))) 樹脂及び分子量が5000以上40000以下であるシリコーンを含む層を有し、
前記樹脂のSP値と前記シリコーンのSP値との差の絶対値が4以上8以下である無端ベルト。
(((5))) 前記樹脂がイミド系樹脂であり、前記シリコーンがポリエーテル変性ポリシロキサンである(((4)))に記載の無端ベルト。
(((6))) 外周面にトナー像が転写される中間転写体であって、(((1)))~(((5)))のいずれか1つに記載の無端ベルトを有する中間転写体と、
像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の外周面に一次転写する一次転写部材を有する一次転写装置と、
前記中間転写体の外周面に接触して配置され、前記中間転写体の外周面に転写された前記トナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写部材を有する二次転写装置と、
クリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードを前記中間転写体に接触させて残留トナーを除去するクリーニング装置と、
を備える転写装置。
(((7))) 前記クリーニングブレードの前記中間転写体との接触部における反発弾性率が20%以上33%以下である(((6)))に記載の転写装置。
(((8))) 前記クリーニングブレードに対する前記中間転写体の動摩擦係数が0.6以下である(((6)))又は(((7)))に記載の転写装置。
(((9))) 像保持体を有し、前記像保持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置であって、(((6)))~(((8)))のいずれか1つに記載の転写装置と、
を備える画像形成装置。
(((1)))に係る発明によれば、外周面の動摩擦係数が0.85を超える場合、又は外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、吹き付け圧力が6kPaを超える圧力で、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトが提供される。
(((2)))に係る発明によれば、樹脂及び分子量が5000未満又は40000を超えるシリコーンを含む層を有する場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトが提供される。
(((3)))に係る発明によれば、シリコーンの含有量が、前記層全体に対して、1.0質量%未満である場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトが提供される。
(((4)))に係る発明によれば、樹脂及びシリコーンを含む層を有する無端ベルトにおいて、シリコーンの分子量が5000未満又は40000を超える場合、又は樹脂のSP値とシリコーンのSP値との差の絶対値が4未満、若しくは8を超える場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトが提供される。
(((5)))に係る発明によれば、前記樹脂がポリイミドであり、前記シリコーンが非変性ジメチルシリコーンである場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトが提供される。
(((6)))又は(((9)))に係る発明によれば、外周面の動摩擦係数が0.85を超える無端ベルトを備える場合、外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、吹き付け圧力が6kPaを超える圧力で、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する無端ベルトを備える場合、樹脂及びシリコーンを含む層を有する無端ベルトにおいて、シリコーンの分子量が5000未満、若しくは40000を超える場合、又は樹脂及びシリコーンを含む層を有する無端ベルトにおいて、樹脂のSP値とシリコーンのSP値との差の絶対値が4未満、若しくは8を超える場合と比較して、転写性及びクリーニング性に優れる無端ベルトを備える転写装置又は画像形成装置が提供される。
(((7)))に係る発明によれば、クリーニングブレードの前記中間転写体との接触部における反発弾性率が20%未満又は33%を超える場合と比較して、クリーニング性に優れる転写装置が提供される。
(((8)))に係る発明によれば、クリーニングブレードに対する前記中間転写体の動摩擦係数が0.6を超える場合と比較して、クリーニング性に優れる転写装置が提供される。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット
10 一次転写部
11 感光体
12 帯電器
13 レーザ露光器
14 現像器
15 中間転写ベルト
16 一次転写ロール
17 感光体クリーナ
20 二次転写部
22 二次転写ロール
22A 二次転写ロールクリーニング部材
25 背面ロール
26 給電ロール
31 駆動ロール
32 支持ロール
33 張力付与ロール
34 クリーニング背面ロール
35 中間転写ベルトクリーニング部材
40 制御部
42 基準センサ
43 画像濃度センサ
50 用紙収容部
51 給紙ロール
52 搬送ロール
53 搬送ガイド
55 搬送ベルト
56 定着入口ガイド
60 定着装置
100 画像形成装置

Claims (9)

  1. 外周面の動摩擦係数が0.85以下であり、
    外周面に体積平均粒子径4.7μmのポリエステル樹脂粒子を荷重0g/cmで付着させた後、外周面上方側から、吹き付け圧力を上昇させながら、外周面に空気を吹き付けたとき、前記吹き付け圧力が6kPa以内で、外周面に付着した全ての前記ポリエステル樹脂粒子が外周面から離間する無端ベルト。
  2. 樹脂及び分子量が5000以上40000以下であるシリコーンを含む層を有する請求項1に記載の無端ベルト。
  3. 前記シリコーンの含有量が、前記層全体に対して、1.0質量%以上である請求項2に記載の無端ベルト。
  4. 樹脂及び分子量が5000以上40000以下であるシリコーンを含む層を有し、
    前記樹脂のSP値と前記シリコーンのSP値との差の絶対値が4以上8以下である無端ベルト。
  5. 前記樹脂がイミド系樹脂であり、前記シリコーンがポリエーテル変性ポリシロキサンである請求項4に記載の無端ベルト。
  6. 外周面にトナー像が転写される中間転写体であって、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の無端ベルトを有する中間転写体と、
    像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の外周面に一次転写する一次転写部材を有する一次転写装置と、
    前記中間転写体の外周面に接触して配置され、前記中間転写体の外周面に転写された前記トナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写部材を有する二次転写装置と、
    クリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードを前記中間転写体に接触させて残留トナーを除去するクリーニング装置と、
    を備える転写装置。
  7. 前記クリーニングブレードの前記中間転写体との接触部における反発弾性率が20%以上33%以下である請求項6に記載の転写装置。
  8. 前記クリーニングブレードに対する前記中間転写体の動摩擦係数が0.6以下である請求項6に記載の転写装置。
  9. 像保持体を有し、前記像保持体の表面にトナー像を形成するトナー像形成装置と、
    前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置であって、請求項6に記載の転写装置と、
    を備える画像形成装置。
JP2022154081A 2022-09-27 2022-09-27 無端ベルト、転写装置及び画像形成装置 Pending JP2024048180A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022154081A JP2024048180A (ja) 2022-09-27 2022-09-27 無端ベルト、転写装置及び画像形成装置
US18/188,433 US20240118646A1 (en) 2022-09-27 2023-03-22 Endless belt, transfer device, and image forming apparatus
CN202310298293.5A CN117784556A (zh) 2022-09-27 2023-03-24 环形带、转印装置及图像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022154081A JP2024048180A (ja) 2022-09-27 2022-09-27 無端ベルト、転写装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024048180A true JP2024048180A (ja) 2024-04-08

Family

ID=90391520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022154081A Pending JP2024048180A (ja) 2022-09-27 2022-09-27 無端ベルト、転写装置及び画像形成装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20240118646A1 (ja)
JP (1) JP2024048180A (ja)
CN (1) CN117784556A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
US20240118646A1 (en) 2024-04-11
CN117784556A (zh) 2024-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111913376A (zh) 带、中间转印带和图像形成设备
JP5434790B2 (ja) 弾性転写ベルト、及びこれを用いた画像形成装置
US12055874B2 (en) Transfer device, image forming apparatus, and endless belt
US8828475B2 (en) Image forming method
US10935908B1 (en) Transfer unit, transfer device, and image forming apparatus
JP2024048180A (ja) 無端ベルト、転写装置及び画像形成装置
JP7447452B2 (ja) 無端ベルト、転写装置、及び画像形成装置
US11966175B2 (en) Intermediate transfer belt cleaning system, transfer device, and image forming apparatus
US12117747B2 (en) Endless belt, transfer device, and image forming apparatus
US20230259056A1 (en) Endless belt, transfer device, and image forming apparatus
US11960231B2 (en) Transfer device and image forming apparatus
US11334006B1 (en) Transfer device, image forming apparatus, and endless belt
US11892785B2 (en) Inorganic compound particle supply member, transfer device, and image forming apparatus
JP6859664B2 (ja) ベルト部材、ベルト部材ユニット、及び画像形成装置
JP6852342B2 (ja) ベルト部材、ベルト部材ユニット、及び画像形成装置
JP2024047415A (ja) 無端ベルト、転写装置、及び画像形成装置
JP2024062919A (ja) 中間転写ベルト、転写装置、及び画像形成装置
CN116774551A (zh) 中间转印带、转印装置、及图像形成装置
JP2024118249A (ja) 転写装置、及び画像形成装置
CN117930606A (zh) 中间转印带、转印装置及图像形成装置