JP3865549B2 - メモリ機構付きチルトステアリング装置 - Google Patents

メモリ機構付きチルトステアリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所望の高さにチルト調節されたステアリングホイールの位置を記憶しておき、チルトアップ状態のステアリングホイールを下降させたときに、自動的に上記所望の高さの位置に復帰させることができるメモリ機構付きチルトステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
運転者の体格や運転姿勢等に応じてステアリングホイールの高さを変えられるようにしたチルトステアリング装置において、ステアリングホイールが乗降の妨げとならないように、レバーの操作によりステアリングホイールを最上位置まで跳ね上げて(チルトアップして)、乗降を容易にするための装置が提供されている。
【0003】
この種の装置において、チルトアップ前にチルト調節されたステアリングホイールの高さ位置を記憶しておくメモリを設けたものがある。すなわち、ばねの弾力でステアリングホイールをチルトアップした状態で乗降した後、ステアリングホイールを下降させると、メモリされた高さ位置に自動的に復帰させることができるわけである。
例えば、ステアリングコラムをアッパチューブとロアチューブで構成し、アッパチューブの下端に固定されたチルトブラケットを、ロアチューブの上端に固定された固定ブラケットに設けられたチルト中心軸の回りに揺動可能に連結するようにした、いわゆる中折れ式のチルトステアリング装置がある。この種の中折れ式のものでは、チルトブラケットに組み付けられたポールを固定ブラケットに設けたラチェットに係合させてチルトロックを達成する。また、メモリ機構としては、チルトブラケットに組み付けられたチルトカムを、ラチェットに固着されたメモリピンにチルトブラケットの下方への揺動時に係合させるようにするものがある(例えば特開平5−116634号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の装置では、チルトロック及びその解除は、チルト中心軸の回りに回動自在なチルトレバーの操作により行われ、メモリ機構のメモリ位置の変更は、チルトレバーとは別個に設けられた位置決め機構によりチルトカムの回動位置を変更操作することにより行われる。このようにチルト調整とメモリ調整を別々の操作部材で行うので、構造が複雑となり、またコンパクト化の妨げともなる。
【0005】
一方、簡易チルト式とも呼ばれるいわゆる足元折れチルト方式のチルトステアリング装置では、フリクションロック式のチルトロックを採用していてチルト角度が無段に制御されるため、所望のチルト角度でメモリロックするようなメモリ機構を設けることが非常に困難であり、実際上、そのような装置は実現化されていない。ところが、この種の簡易チルト式のチルトステアリング装置においても、メモリ機構の装着が要望されている。
【0006】
ところで、トラック等ではチルトアップした状態でドライバが運転席に乗り降りする際に、ステアリングホイールを手で持って乗り降りするのが普通である。この場合、ステアリングホイールが最上位置でロックされていないと、ステアリングホイールがチルトダウンしてしまう。そこで、ステアリングホイールを最上位置にロックするロック機構とこれを操作するレバーを設けているが、乗り降りの前後のレバー操作が面倒であるという問題がある。
【0007】
また、チルトアップ時のチルト角の作動範囲を大きく確保していても、チルト調整時のチルト角の作動範囲はチルトアップ時まで確保する必要はなく、チルトアップ時の作動範囲の一部で十分である。ところが、この場合、チルト調整時に調整が要求される小角度の作動範囲を超えて、ステアリングホイールが上方へ移動してまうことがあり、調整に手間がかかるという問題がある。
また、チルトアップ機構を有するチルトステアリング装置には、ステアリングホイールが衝撃を受けたときにこれを吸収するためのエネルギ吸収板を装着することが実質的に不可能であった。というのは、チルトアップの方向とエネルギ吸収の方向が一致しており、チルトロック位置の付近でエネルギ吸収可能な状態に配置する必要のあるエネルギ吸収板が、チルトアップ位置への移動を妨げることになるからである。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、いわゆる簡易チルト式において、構造が簡単で操作が容易なメモリ機構付きチルトステアリング装置を提供することである。また、本発明の目的は、チルトアップ時にステアリングホイールを上方位置にロックする操作を不要にすることができるメモリ機構付きチルトステアリング装置を提供することである。
【0009】
また、本発明の目的は、チルト調整時にステアリングホイールが不必要に大きく変位することがなくチルト調整の容易なメモリ機構付きチルトステアリング装置を提供することである。また、本発明の目的は、チルトアップ機構とエネルギ吸収機構の併存を実質的に可能とするメモリ機構付きチルトステアリング装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、車両の固定部に支持されるチルト中心軸の回りに下端部が揺動可能に支持され、ステアリングシャフトを回転可能に支承するステアリングコラムと、このステアリングコラムに固定されたチルトブラケットと、チルトブラケットの揺動位置を固定ブラケットに固定するチルトロックとを備え、チルトロックの解除により固定ブラケットとチルトブラケットの間に介在するチルトアップばねによってステアリングホイールを上死点までチルトアップ可能なチルトステアリング装置において、上記固定ブラケットに揺動自在に支持され、付勢ばねによって付勢されてチルトブラケットの揺動に追従可能であって、チルトロック解除時に、チルトロック時の位置に固定されるチルトメモリと、このチルトメモリをチルトアップ前のステアリングコラムを受ける位置に固定するメモリロックと、固定ブラケット及びチルトブラケットの一方に設けられた横長孔と他方に設けられた円弧状の縦長孔を回動可能に挿通した状態で、固定ブラケットに対するチルトブラケットの揺動を許容する操作軸と、この操作軸と一体に回転し且つ手動操作される操作レバーとをさらに備え、上記チルトロック及びメモリロックは操作軸を挿通させるように同軸上に並べて配置され、チルトロックは操作軸の回動に伴ってチルトブラケットを操作軸の軸方向に押して固定ブラケットに摩擦係合させる押圧部材を含み、メモリロックは、操作レバーと回動方向に係合すると共に、操作レバーの回動に伴ってチルトメモリを操作軸の軸方向に押し、固定ブラケット又は固定ブラケットに回動不能に支持される部材に摩擦係合させる押圧部材を含み、上記メモリロックの押圧部材及び操作レバーの何れか一方に操作軸と平行に延びる係合突起を設けるとともに、他方に操作レバーの回動方向に応じて上記係合突起と係合する一対の係合面を設け、これら一対の係合面間に区画される、上記係合突起の可動領域が、上記押圧部材と上記操作レバーとの回動方向の係合に関する遊び領域となっていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明では、操作レバーを上記所定の遊びの範囲で操作すると、チルトロックのみが解除され、ステアリングホイールがチルトアップばねによってチルトアップされる。このとき、メモリロックは解除されておらず、チルトメモリがチルトアップ前の位置に固定されているので、ステアリングホイールを下降させると、ステアリングコラムがチルトメモリによって受けられて、自動的にチルトアップ前の位置に復帰させることができる。一方、操作レバーを上記所定の遊びの範囲を超えて操作すると、メモリロックも解除されるので、チルトメモリは、チルト調節時に揺動されるステアリングコラムに追従して自在に動くことになる。
【0012】
また、単一の操作レバーの操作で、チルトロック及びメモリロックとその解除を個別に達成でき、構造が簡単で操作性が良い。また、各ロックに摩擦係合を用いるので、操作軸の同軸上に各ロックをコンパクトに配置することができる。
【0014】
また、上記メモリロックの押圧部材及び操作レバーの何れか一方に操作軸と平行に延びる係合突起を設け、他方に操作レバーの回動方向に応じて上記係合突起と係合する一対の係合面を設け、これら一対の係合面間に区画される、上記係合突起の可動領域が、上記押圧部材と上記操作部材との回動方向の係合に関する遊び領域となっているので、簡単な構造にてメモリロックの押圧部材と操作レバーとの間に回動方向の遊びを設けて係合させることができる。
【0016】
また、上記目的を達成するため、請求項記載の発明は、請求項1において、上記縦長孔の終端に交差状に連続して横方向に延びる保持孔と、チルトブラケットに回動自在に支持された回動アームと、この回動アームを回動付勢する付勢ばねとを備え、チルトアップ時に縦長孔の終端に変位した操作軸が、上記付勢ばねによって回動付勢された上記回動アームによって、保持孔へ付勢されるようにしてあることを特徴とするものである。
【0017】
本発明では、チルトアップすると、付勢ばねにより回動アームを介して付勢された操作軸が、縦長孔の終端に連続して横方向に延びる保持孔へ自動的に移動し、チルトアップ状態が自動的にロックされる。しかも、これを保持孔と付勢手段という簡単な構成にて実現することができる。なお、チルトアップ状態でのロックを解除するには、付勢手段に抗して操作軸を引っ張り、操作軸を縦長孔に戻せば良い。
記目的を達成するため、請求項記載の発明は、請求項において、上記縦長孔は対応するブラケットの一対の側板にそれぞれ設けられ、操作レバーに近い側の側板に設けられた縦長孔のみにその終端に連続する保持孔が設けられていることを特徴とするものである。本発明では、チルトアップ状態のロックを外すときに、操作レバーに近い側の操作軸の端部を操作レバーによって押せば良く、操作性が良い。
【0018】
記目的を達成するため、請求項4記載の発明は、請求項1ないしの何れか1項において、上記縦長孔を貫通する操作軸の部分はチルト調整時に断面横長となり且つチルトアップ時に断面縦長となるように異形をしており、縦長孔の横幅は、チルト調整時に断面横長の操作軸の部分が移動する第1の範囲に対応して相対的に広幅とされるとともに、チルトアップのために断面縦長の操作軸の部分が上記第1の範囲を超えて縦長孔の終端に達するまでの第2の範囲に対応して相対的に狭幅とされていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明では、チルト調整時において断面横長となる操作軸の変位が、縦長孔の第1の範囲に制限されるので、必要以上のチルト角度まで作動してしまうようなことがなく、操作性が良い。また、チルトアップの際に断面縦長となる操作軸は、縦長溝の第2の範囲へ容易に移動させることができる。しかも、操作軸の断面が横長或いは縦長となる切り換えは、操作レバーの通常の動作に伴って実現されるものなので、この点からも操作性が良い。
【0020】
記目的を達成するため、請求項記載の発明は、請求項において、上記ステアリングホイールが衝撃を受けたときに断面横長の操作軸の部分が縦長溝の狭幅の部分に押し込まれて狭幅の部分の幅を拡げることにより、衝撃を吸収するようにしてあることを特徴とするものである。本発明では、チルトアップ機構のついたメモリ機構付きチルトステアリング装置に、エネルギ吸収機能を組み込むことが実質的に可能となる。また、例えばU字状をなすエネルギ吸収板を別途に設けたりすることが不要となり、構造を簡素化することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施の形態のメモリ機構付きチルトステアリング装置の分解斜視図である。図1を参照して、本メモリ機構付きチルトステアリング装置(以下では、単にチルトステアリング装置ともいう)は、上端に図示しないステアリングホイールが固定されるステアリングシャフト1を回転可能に支承するチューブからなるステアリングコラム2を備えている。このステアリングコラム2の下端部には横方向に延びるスリーブ3が固着されている。このスリーブ3には、図示しない車両の固定部に支持されるチルト中心軸4が挿通され、これにより、図1及び図2に示すようにステアリングコラム2はチルト中心軸4の回りに揺動可能に支持されている。
【0026】
4aはチルト中心軸4をスリーブ3に支持する軸受部材であり、4bはチルト中心軸4の先端のねじ部に結合するナットである。5はステアリングシャフト1の下端をギヤ側に連結する自在継手である。6,7は、ステアリングコラム2内に嵌め入れられて、ステアリングシャフト1の上端部及び下端部を回転可能に支持する転がり軸受である。6a,7aは転がり軸受6,7をステアリングコラム2内に止定する止め輪である。
【0027】
ステアリングコラム2の上端部近傍の位置には、U字状をなすチルトブラケット8が溶接により固定されている。図1及びステアリング装置の横断面である図3を参照して、チルトブラケット8はステアリングコラム2を横方向に挟んで相対向する一対の側板9,10と、これら側板9,10の下端同士を連結しステアリングコラム2の下半周に沿ってこれに溶接される円弧状の固定部11とを有している。各側板9,10には円弧状の縦長孔12が形成されている。
【0028】
13は車両に所定部に固定される固定ブラケットであり、この固定ブラケット13は下方に開放する溝形をなし、チルトブラケット8の各側板9,10の外面にそれぞれ沿う一対の側板14,15と、各側板14,15の上端部を連結する上板部16とを備えている。各側板14,15には水平方向に延びる横長孔17がそれぞれ形成されている(図1では側板15の横長孔17のみを示してある。)。
【0029】
図1及び図3を参照して、18は固定ブラケット13及びチルトブラケット8の各側板9,10;14,15の縦長孔12及び横長孔17を一体的に挿通する操作軸である。図1及び図2を参照して、操作軸18は横長孔17に案内されて固定ブラケット13に対して水平方向の移動のみを許容される。横長孔17はいわゆるテレスコ調整に対応するためのものである。
一方、操作軸18を挿通させる円弧状の縦長孔12はチルトブラケット8がステアリングコラム2と一体にチルト中心軸4の回りに揺動することを許容する。側板9,10の外面において円弧状の縦長孔12の周囲には横方向に延びる多数のノッチNが刻まれ、チルトブラケット8の各側板9,10を対応する固定ブラケット13の側板14,15に摩擦係合させるときに、高い係止力が得られるようにしている。
【0030】
図1及び操作軸18に沿う縦断面図である図4を参照して、操作軸18は、一端側からねじ部19,ねじ部19とほぼ同径の円断面をなす第1の丸軸部20、第1の丸軸部20よりも大径の円断面をなす第2の丸軸部21、角断面をなす角軸部22、円断面をなす第3の丸軸部23、セレーション部24及びねじ部25を順次に備えている。
操作軸18はチルトブラケット8の一対の側板9,10間でチルトロック26を貫通している。チルトロック26は、押圧部材としての第1のカム部材27と、押圧部材としての第2のカム部材28と、第2のカム部材28と側板10との間に介在する端部材29とを備えている。
【0031】
第5図(a)及び(b)を参照して、第1及び第2のカム部材27,28の互いの対向面には互いに合致するカム面30,31が形成されている。第1のカム部材27は第1の丸軸部21に相対回転自在に嵌合する。また、第1のカム部材27はカム面30の背面に二面幅部分32を形成しており、この二面幅部分32を側板9の縦長孔12に嵌め入れることにより、回動不能とされている。
一方、第2のカム部材28は角軸部22に一体回転可能に嵌合する。また、端部材29は側板10の縦長孔12に嵌め入れられる二面幅部分80を有しており、回動不能とされている。第2のカム部材28は、端部材29の端面に転がり接触するボール33をカム面31の背面に保持している。これにより、第2のカム部材28が端部材29に対してスムーズに相対回転できる。また、ボール33は図示しない付勢部材によって端部材29の端面に押圧されており、本装置の組立時において、ボール33が端部材29の端面に形成された凹部に嵌め入れられることにより、第2のカム部材28を端部材29及び第1のカム部材27に対して回転方向に位置決めできるようになっている。
【0032】
図5(a)に示す状態から図5(b)に示す状態へと、操作軸18が回動されると、第2のカム部材28が操作軸18に連れ回りし、これにより、第1及び第2のカム部材27,28が相対回動するので、第1のカム部材27と端部材29の間隔が増減される。その結果、チルトブラケット8の側板9,10を、対応する固定ブラケット13の側板14,15に押圧してチルトロックを達成できる。また、上記と逆の動作で上記の押圧を解除してチルトロックを解除することができる。
【0033】
図1を参照して、79はチルトロックが解除されたときに、ステアリングホイールを最上位置まで跳ね上げる(チルトアップする)ためのチルトアップばねであり、このチルトアップばね79の上端は固定ブラケット13の突起86に係止される。また、チルトアップばね79の下端はチルトブラケット8の側板10に形成される突起(図示せず)に係合される。
図1および図7を参照して、チルトブラケット8の側板10の縦長孔12の下端は、チルトアップ時に操作軸18の第3の丸軸部23が到達する終端であるが、この縦長孔12の終端に交差状に連続して横方向に延びる保持孔87が形成されている。
【0034】
また、側板10には、チルトアップ時に縦長孔12の終端に変位した操作軸18の第3の丸軸部23を、回動アーム36を介して保持孔87へ付勢する付勢手段としての付勢ばね34が設けられている。付勢ばね34の一端は突起35に係止され、付勢ばね34の他端は回動アーム36の回動中心から離反した位置に係止されている。
回動アーム36の基端は側板10に立設された支軸88により回動自在に支持され、回動アーム36の先端には、回動アーム36が付勢ばね34により回動付勢された状態で、操作軸18の第3の丸軸部23を上記の保持孔87へ案内する湾曲状の案内面89が設けられている。
【0035】
チルトアップすると、付勢ばね34により付勢された操作軸18が、縦長孔12の終端に連続して横方向に延びる保持孔87へ自動的に移動し、チルトアップ状態が自動的にロックされる。しかも、これを保持孔87、付勢ばね34および回動アーム36という簡単な構造の付加にて実現することができる。
なお、チルトアップ状態でのロックを解除するには、操作レバー51によって付勢ばね34に抗して操作軸18を押し、操作軸18を縦長孔12に戻せば良い。特に、本実施の形態では、操作レバー51に近い側の側板10に設けられた縦長孔12のみに、その終端に連続する保持孔87を設けてあるので、チルトアップ状態のロックを外すときに、操作レバー51に近い側の操作軸18の端部を操作レバー51によって押せば良く、より操作性が良い。
【0036】
図1,図2及び図3を参照して、38はステアリングホイールのチルトアップ前の位置を記憶するためのチルトメモリである。このチルトメモリ38は相対向する第1及び第2のアーム39,40と、これらアーム39,40同士を互いに連結しステアリングコラム2を受けるための受けバー41とを有している。各アーム39,40は基端部42と先端部43を有し、各アーム39,40の先端部43には受けバー41の対応する端部が固定されている。また、アーム39の基端部42には操作軸18の第1の丸軸20を挿通させる支持孔44が形成されており、アーム40の基端部42には後述する第1のねじ部材49のボス部84を挿通させる支持孔85が形成されている。
【0037】
図3及び図4を参照して、各アーム39,40は固定ブラケット13の対応する側板14,15の外面に対向して配置される。図4を参照して、操作軸18の第2の丸軸部21は、チルトブラケット8の側板9の縦長孔12及び第1のカム部材27の丸孔81に挿通され、これにより、操作軸18は、固定ブラケット13により横方向にスライド自在に支持されて、チルトメモリ38を回動自在に支持する。また、ねじ部19の根元となる第1の丸軸部20に挿通された環状板からなるスペーサ45がチルトメモリ38の第1のアーム39と固定ブラケット13の側板14との間に介在する。ねじ部19にねじ込まれたナット46と、操作軸18の第1の丸軸部20と第2の丸軸部21との間の段付き部47に、チルトメモリ38の第1のアーム39とスペーサ45が挟持され、これにより、操作軸18、チルトメモリ38及びスペーサ45が一体回転するようになっている。
【0038】
操作軸18の角軸部22は第2のカム部材28の角孔82に挿通され、操作軸18の第3の丸軸部23はチルトロック26の端部材29の丸孔83に相対回転自在に挿通し、さらに、メモリロック48の第1のねじ部材49、チルトメモリ38の第2の側板40及びメモリロック48の押圧部材としての第2のねじ部材50に挿通されている。また、操作軸18のセレーション部24は、操作レバー51の基端部のセレーション孔52に一体回転自在に挿通されている。
【0039】
ねじ部25には、操作軸18のセレーション部24とねじ部25との間の段付き部53に当接する位置まで、ナット54がねじ込まれ、これにより、操作軸18上において、スペーサ45とナット54との間に、固定ブラケット13の側板14、チルトブラケット8の側板9、チルトロック26の第1及び第2のカム部材27,28並びに端部材29、チルトブラケット8の側板10、固定ブラケット13の側板15、メモリロック48の第1のねじ部材49、チルトメモリ38の第2のアーム40、メモリロック48の第2のねじ部材50、及び操作レバー51が挟持されることになる。
【0040】
第1のねじ部材49は固定ブラケット13の側板15とチルトメモリ38のアーム40との間に介在するスペーサ部55と、このスペーサ部55の第1の面に突出形成され、第1のねじ部材49の回動を規制するために固定ブラケット13の側板15の横長孔17に嵌め入れられる二面幅を持つ係合突起56と、チルトメモリ38の側板40の支持孔85に嵌め入れられるボス部84と、スペーサ部55の第2の面に突出形成され、外周面にねじを設けたねじ部57を有する。各部55,56,84,57の中央を一体に貫く中心孔58が形成され、この中心孔58に操作軸18の第3の丸軸部23が挿通されている。
【0041】
図1及び図4を参照して、第2のねじ部材50は第1のねじ部材49のねじ部57に結合されるねじ孔を有する円筒状のナットからなり、操作レバー51の端面に操作軸18と平行に延びる係合突起59を有している。この係合突起59は操作レバー51の基端部に形成された円弧状の切欠凹部60内に進入している。図6を参照して、切欠凹部60は操作レバー51の回動方向に所定の間隔をおいて対向する一対の係合面61,62によって区画されている。各係合面61,62は操作レバー51の回動方向に応じて択一的に係合突起59と係合し、操作レバー51の回動を第2のねじ部材50に伝達する。すなわち、上記一対の係合面61,62間の切欠凹部60の領域が、操作レバー51と第2のねじ部材50との回動方向の係合に関する遊び領域となっている。
【0042】
すなわち、チルトロックを達成するための第2のカム部材28が操作軸18及び操作レバー51と一体に回転するので、操作レバー51が直立する実線で示す状態から、時計回り方向に所定角度回動する(図6中、二点鎖線で示す)状態までの領域Aでは、チルトロックが達成される。一方、操作レバー51が直立する実線で示す状態から、反時計回り方向に所定角度回動する(図6中、一点鎖線で示す)状態までの領域Bでは、チルトロックが解除される。
【0043】
一方、メモリロックを達成するための第2のねじ部材50と操作レバー51との間には回動方向に凹部60に対応する遊び領域Sが設けられているので、この遊び領域Sを挟んだ両側の領域C及びDにおいて、それぞれメモリロック及びメモリロックの解除が達成される。
図1及び図3を参照して、63は、第1のねじ部材49のスペーサ部55の外周を取り巻くねじりコイルばねからなり、チルトメモリ38をその受けバー41がステアリングコラム2に接するように回動付勢する付勢ばねである。この付勢ばね63の一端64はチルトメモリ38のアーム40の支持溝65に支持され、他端66は固定ブラケット13の側板15に形成した支持孔67に支持されている。
【0044】
次いで、チルトステアリング装置の動作について説明する。
操作レバー51を上記遊び領域Sの範囲で操作すると、チルトロックのみを達成したり解除したりすることができる。このようにして遊び領域Sの範囲でチルトロックを解除すると、ステアリングホイールがチルトアップばね34によってチルトアップされる。このとき、メモリロックは解除されておらず、チルトメモリ38がチルトアップ前の位置に固定されているので、ステアリングホイールを下降させると、ステアリングコラム2がチルトメモリ38の受けバー41によって受けられて、自動的にチルトアップ前の位置に復帰させることができる。
【0045】
一方、操作レバー51を上記遊び領域Sの範囲を超えて操作して、メモリロックを解除すると、チルトメモリ38がチルト調節時に揺動されるステアリングコラム2に追従して自在に動くことになり、異なる運転者の体格等に合わせたチルトメモリの設定が可能となる。
本態様によれば、単一の操作レバー51の操作で、チルトロック及びメモリロックとその解除を個別に達成でき、構造が簡単で操作性が良い。また、各ロックに摩擦係合を用いるので、操作軸18の同軸上に各ロック26,48をコンパクトに配置することができる。
【0046】
また、チルトメモリ38を操作軸18の回りに揺動自在に支持するので、チルトメモリ38を操作軸18と別個の軸により支持する場合と比較して、部品点数を削減して構造を簡素化することができる。
また、メモリロック48の両ねじ部材49,50間にチルトメモリ38の側板39,40を挟持してチルトメモリ38の位置をロックするので、構造が簡単であり、またロックが確実である。
【0047】
また、係合突起59と切欠凹部60を設ける簡単な構造にて、メモリロック48の第2のねじ部材50と操作レバー51との間に、容易に回動方向の遊びを設けて係合させることができる。
次いで、図8は本発明の他の実施の形態のメモリ機構付きチルトステアリング装置の分解斜視図であり、図9(a)および(b)はその要部の拡大図である。これらの図を参照して、本実施の形態が図1の実施の形態と主に異なるのは、下記の1)〜4である。すなわち、
1)固定ブラケット13Aの側板14,15に円弧状の縦長孔68を設け、チルトブラケット8Aの側板9,10にテレスコ調整用の横長孔69を設けている。
【0048】
2)本実施の形態では、チルトアップ時に操作軸18が縦長孔68の上端に変位するが、固定ブラケット13Aの一方の側板15の縦長孔68の上端に交差状に連続して横方向に延びる保持孔87が形成されている。また、図7の実施の形態と同様にして、操作軸18を保持孔87に付勢する回動アーム36および付勢ばね34を有している。図9の一点鎖線は、操作軸18の後述する異形部90が回動アーム36および付勢ばね34によって保持孔87に付勢された状態を示している。
【0049】
3)操作軸の第3の丸軸部23の一部が円断面でない異形部90を形成しており、この異形部90が一方の側板15の縦長孔68に案内されて変位するようにしてある。異形部90は、チルト調整時に図9の実線で示すように断面横長となり、且つチルトアップ時に図9の二点鎖線で示すように断面縦長となるように、相異なる2方向に関して長短の径d1,d2を有している。
一方、縦長孔68の横幅は、チルト調整時に断面横長の異形部90が移動する第1の範囲P1に対応して相対的に広幅W1の広幅部91とされるとともに、チルトアップのために断面縦長の異形部90が第1の範囲P1を超えて縦長孔68の終端に達するまでの第2の範囲P2に対応して相対的に狭幅W2の狭幅部92とされている。
【0050】
チルト調整時において断面横長となる異形部90を持つ操作軸18の変位が、縦長孔68の第1の範囲P1に制限されるので、必要以上のチルト角度まで作動してしまうようなことがなく、操作性が良い。また、チルトアップの際には、異形部90が断面縦長となるので、操作軸18を縦長溝68の第2の範囲P2へ容易に移動させることができる。特に、操作軸18の異形部90の断面が横長或いは縦長となる切り換えは、操作レバー51の通常の動作に伴って実現されるものなので、この点からも操作性が良い。
【0051】
さらに、チルトロックされている状態で、ステアリングホイールが衝撃を受けたときには、断面横長の異形部90が縦長溝68の狭幅部92に押し込まれて狭幅部92の幅を押し拡げることになり、この部分で衝撃を吸収することができる。この場合、後述するエネルギ吸収帯72による衝撃吸収構造を省略することも可能である。
4)操作軸18の第1の丸軸部20が挿通されるスペーサ45とナット46との間に、扱き部材70とワッシャ71を介在させてある。この扱き部材70は逆U字状をなすエネルギ吸収帯72の屈曲部73にて取り巻かれる態様にて配置され、ステアリングホイールが強い衝撃を受けたときに、挟持された操作軸が扱き部材から外れるようになっている。
【0052】
具体的には、図10(a)および(b)に示すように、固定ブラケット13Aの側板14に互いに対向して縦方向に延びる一対のガイド75,93が形成されており、エネルギ吸収帯72は上記のガイド間75,93に介在している。
エネルギ吸収帯72は両ガイド93,75の対向面にそれぞれ沿う一対の長片94および短片95を上記の屈曲部73により接続している。エネルギ吸収帯72は両ガイド75,93に沿ってスライド可能とされている。
【0053】
一方、図10(a)に示すように、操作軸18の第1の丸軸部20には、外周に二面幅を有する環状の二面幅部材104が圧入固定されている。扱き部材70は略U字状をなし二面幅部材104の二面幅を挟持する状態で嵌め入れられている。これにより、上記の扱き部材70は二面幅部材104を介して操作軸18に一体回動できるように固定されており、エネルギ吸収帯72をエネルギ吸収可能な状態に切り換えるカム部材として機能する。すなわち、カム部材としての扱き部材70は、操作軸18が回動されてチルトロックが解除されたときに対応して、エネルギ吸収帯72を図10(a)および(b)に示すようにガイド75,93に対してスライド可能な状態に切り換えると共に、チルトロックされたときに図11(a)および(b)に示すように、エネルギ吸収が可能な状態とに切り換える。
【0054】
扱き部材70は後者のチルトロック状態で短片95を図11(a)に示すようにガイド75に押圧するための平坦な押圧部96と、前者のチルトロック解除状態でエネルギ吸収帯72の屈曲部73の過半部を受ける屈曲部と等しい曲率を持つ受け部97とを備えている。
チルトロックが解除された状態では、図10(a)に示すように押圧部96がエネルギ吸収帯72の短片95から離れ、エネルギ吸収帯72が扱き部材70を介して操作軸18により受けられた状態で、ガイド75,93に対してスライド可能となる。すなわち、この状態で、長片94もガイド93に対してスライドできるようにされている。したがって、図11(a)に示すようにチルトロックされる位置に相当する図10(b)に示す位置まで、エネルギ吸収帯72が操作軸18と一体に縦方向に移動する。
【0055】
そして、図11(a)に示すようにチルトロックされた状態で、カム部材としての扱き部材70の押圧部96がエネルギ吸収帯72の短片95をガイド93に固定するので、このときに、ステアリングホイールが衝撃を受けると、操作軸18が図11(b)に示すように、上方へ移動することにより、エネルギ吸収帯72が扱き部材70から外れ長片94が短くなるように変形して衝撃を吸収する。以上のようにエネルギ吸収帯72がチルト調整時にチルト調整に応じて追従移動できるようにし、チルト調整後の位置にてガイドに固定するようにすることにより、チルトアップ機構のついたメモリ機構付きチルトステアリング装置に、エネルギ吸収機能を組み込むことが実質的に可能となる。
【0056】
5)図1の実施の形態のスリーブ3に代えて、ステアリングコラム2に溝形ブラケット77を固定しており、溝形ブラケット77の一対の側板の横長孔78にチルト中心軸4を挿通させてある。
本実施の形態においても、図1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。なお、図8〜図11において、図1〜図6の実施の形態と同様の構成には同一符号を付して、その説明を省略してある。
【0057】
次いで、図12は本発明の他の実施の形態に用いられる可動ブラケットを示している。すなわち、本実施の形態では、エネルギ吸収帯72の短片95を固定した可動ブラケット100を設け、操作レバー51が緩められたときに、可動ブラケット100が、操作軸18と共に一体に上下動でき、且つ操作レバー51が締められたときに、固定ブラケット13Aに固定されるようにしてある。
可動ブラケット100は、固定ブラケット13Aの側板14に摺接する第1の側板101と、これに平行な第2の側板102とを有しており、両側板101,102の間を連結片103にて連結している。この連結片103にエネルギ吸収帯72の短片95が固定されている。図示していないが、第1の側板101は、固定ブラケット13Aの一方の側板14の内面に接し、第2の側板102とナット46との間にはワッシャ71が接することになる。
【0058】
第1および第2の側板101,102には操作軸18の第1の丸軸部20及び異形部90を挿通させる挿通孔105がそれぞれ形成され、各挿通孔105は開放溝106により上方に開放されている。各挿通孔105から開放溝106への出口の両側には一対の突起109が形成され、両突起109間に、挿通孔105の直径よりも狭い幅W3の狭幅部110が形成されている。
第1の丸軸部20は各挿通孔105に対応して長径D3および短径Dを持つ異形部108を有している。上記の狭幅部110の幅W3は、D4<W3<D3の関係にある。すなわち、異形部108は、チルト調整時に図13(a)に示すように断面横長となって、操作軸18を挿通孔105内に保持して操作軸18と可動ブラケット100を一体移動させる。一方、異形部108は、チルトアップ時に図13(b)に示すように断面縦長となって、開放溝106内へ進入可能となり、操作軸18と可動ブラケット100との相対移動を許容する。
【0059】
固定ブラケット13Aの側板14とこれに摺接する可動ブラケット100の第1の側板101との対向面の何れか一方には、横方向に延びる多数のノッチ107が刻まれており、所要時に両ブラケット100,13Aが強固に固定されるようにしている。
本実施の形態においても、図8の実施の形態と同様の作用効果を奏することができ、チルトアップ機構のついたメモリ機構付きチルトステアリング装置に、エネルギ吸収機能を組み込むことが実質的に可能となる。
【0060】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、チルトロック26において第1及び第2のカム部材27,28に代えて、互いにねじ結合し相対回転により軸長方向の長さを可変する一対のねじ部材を用いても良い。
また、メモリロック48において第1のねじ部材49を、固定ブラケットに回動不能に支持される単なるスペーサとし、また、第2のねじ部材50を相対回転により軸長方向の長さを可変する一対のカム部材により構成するようにしても良い。この場合、上述した単なるスペーサを廃止し、メモリロックのアームを直接固定ブラケットに摩擦係合させても良い。
【0061】
また、第2のねじ部材50の端面に切欠凹部を設け、操作レバー51に係合突起を設けるようにしても良い。その他、本発明の範囲で種々の変更を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のメモリ機構付きチルトステアリング装置の分解斜視図である。
【図2】チルトステアリング装置の概略側面図である。
【図3】チルトステアリング装置の要部の断面図である。
【図4】操作軸周辺の縦断面図である。
【図5】(a)及び(b)はメモリロックとしてのカム部材の動作を示す側面図である。
【図6】操作レバーによるチルトロック及びメモリロックとその解除の領域を説明する概略図である。
【図7】チルトブラケットの側板の要部の拡大図である。
【図8】本発明の他の実施の形態のメモリ機構付きチルトステアリング装置の要部の分解斜視図である。
【図9】図8の実施の形態の縦長孔周辺の概略拡大図である。
【図10】(a)および(b)は図8の実施の形態においてチルトロックが解除された状態のエネルギ吸収帯の動作を示す概略断面図である。
【図11】(a)および(b)は図8の実施の形態においてチルトロックされた状態のエネルギ吸収帯のエネルギ吸収動作を順次に示す概略断面図である。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態のメモリ機構付きチルトステアリング装置のエネルギ吸収機構の要部の斜視図である。
【図13】(a)および(b)は、図12の実施の形態において、チルト調整時およびチルトロック時に関して、操作軸とこれを挿通させる可動ブラケットの挿通孔の関係を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ステアリングシャフト
2 ステアリングコラム
4 チルト中心軸
8,8A チルトブラケット
9,10 側板
12,68 縦長孔
13,13A 固定ブラケット
14,15 側板
17,69 横長孔
18 操作軸
21 第2の丸軸部
22 角軸部
24 セレーション部
26 チルトロック
27 第1のカム部材(押圧部材)
28 第2のカム部材(押圧部材)
30,31 カム面
34 付勢ばね(付勢手段)
38 チルトメモリ
39,40 アーム
41 受けバー
48 メモリロック
49 第1のねじ部材(固定ブラケットに回動不能に支持される部材)
50 第2のねじ部材(押圧部材)
51 操作レバー
59 係合突起
60 切欠凹部
61,62 係合面
63 付勢ばね
S 遊び領域
72 エネルギ吸収帯
73 屈曲部
75,93 ガイド
79 チルトアップばね
87 保持孔
90 異形部
91 広幅部
92 狭幅部
P1 第1の範囲
P2 第2の範囲
W1 広幅
W2 狭幅
94 長片
95 短片
96 押圧部
97 受け部
100 可動ブラケット
101,102 側板
103 連結片
105 挿通孔
106 開放溝
108 異形部

Claims (5)

  1. 車両の固定部に支持されるチルト中心軸の回りに下端部が揺動可能に支持され、ステアリングシャフトを回転可能に支承するステアリングコラムと、このステアリングコラムに固定されたチルトブラケットと、チルトブラケットの揺動位置を固定ブラケットに固定するチルトロックとを備え、チルトロックの解除により固定ブラケットとチルトブラケットの間に介在するチルトアップばねによってステアリングホイールを上死点までチルトアップ可能なチルトステアリング装置において、
    上記固定ブラケットに揺動自在に支持され、付勢ばねによって付勢されてチルトブラケットの揺動に追従可能であって、チルトロック解除時に、チルトロック時の位置に固定されるチルトメモリと、
    このチルトメモリをチルトアップ前のステアリングコラムを受ける位置に固定するメモリロックと、
    固定ブラケット及びチルトブラケットの一方に設けられた横長孔と他方に設けられた円弧状の縦長孔を回動可能に挿通した状態で、固定ブラケットに対するチルトブラケットの揺動を許容する操作軸と、
    この操作軸と一体に回転し且つ手動操作される操作レバーとをさらに備え、
    上記チルトロック及びメモリロックは操作軸を挿通させるように同軸上に並べて配置され、
    チルトロックは操作軸の回動に伴ってチルトブラケットを操作軸の軸方向に押して固定ブラケットに摩擦係合させる押圧部材を含み、
    メモリロックは、操作レバーと回動方向に係合すると共に、操作レバーの回動に伴ってチルトメモリを操作軸の軸方向に押し、固定ブラケット又は固定ブラケットに回動不能に支持される部材に摩擦係合させる押圧部材を含み、
    上記メモリロックの押圧部材及び操作レバーの何れか一方に操作軸と平行に延びる係合突起を設けるとともに、他方に操作レバーの回動方向に応じて上記係合突起と係合する一対の係合面を設け、これら一対の係合面間に区画される、上記係合突起の可動領域が、上記押圧部材と上記操作レバーとの回動方向の係合に関する遊び領域となっていることを特徴とするメモリ機構付きチルトステアリング装置。
  2. 上記縦長孔の終端に交差状に連続して横方向に延びる保持孔と、
    チルトブラケットに回動自在に支持された回動アームと、
    この回動アームを回動付勢する付勢ばねとを備え、
    チルトアップ時に縦長孔の終端に変位した操作軸が、上記付勢ばねによって回動付勢された上記回動アームによって、保持孔へ付勢されるようにしてある請求項記載のメモリ機構付きチルトステアリング装置。
  3. 上記縦長孔は対応するブラケットの一対の側板にそれぞれ設けられ、操作レバーに近い側の側板に設けられた縦長孔のみにその終端に連続する保持孔が設けられていることを特徴とする請求項記載のメモリ機構付きチルトステアリング装置。
  4. 上記縦長孔を貫通する操作軸の部分はチルト調整時に断面横長となり且つチルトアップ時に断面縦長となるように異形をしており、縦長孔の横幅は、チルト調整時に断面横長の操作軸の部分が移動する第1の範囲に対応して相対的に広幅とされるとともに、チルトアップのために断面縦長の操作軸の部分が上記第1の範囲を超えて縦長孔の終端に達するまでの第2の範囲に対応して相対的に狭幅とされていることを特徴とする請求項1ないしの何れか1項に記載のメモリ機構付きチルトステアリング装置。
  5. 上記ステアリングホイールが衝撃を受けたときに断面横長の操作軸の部分が縦長溝の狭幅の部分に押し込まれて狭幅の部分の幅を拡げることにより、衝撃を吸収するようにしてあることを特徴とする請求項記載のメモリ機構付きチルトステアリング装置。
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