JP3716630B2 - チルト式ステアリング装置 - Google Patents

チルト式ステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3716630B2
JP3716630B2 JP23112498A JP23112498A JP3716630B2 JP 3716630 B2 JP3716630 B2 JP 3716630B2 JP 23112498 A JP23112498 A JP 23112498A JP 23112498 A JP23112498 A JP 23112498A JP 3716630 B2 JP3716630 B2 JP 3716630B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tilt
column member
movable gear
wedge
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP23112498A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11198821A (ja
Inventor
健司 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP23112498A priority Critical patent/JP3716630B2/ja
Priority to US09/176,886 priority patent/US6282977B1/en
Priority to GB9823600A priority patent/GB2334322B/en
Priority to GB0124584A priority patent/GB2364765B/en
Publication of JPH11198821A publication Critical patent/JPH11198821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3716630B2 publication Critical patent/JP3716630B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Steering Controls (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両において、ステアリングホイールの高さをドライバーの身体に合わせて調整するためのチルト機構を備えたチルト式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に装着されるステアリング装置において、ステアリングホイールの高さを運転者の身体に合わせて調整することができるチルト式ステアリング装置が知られている。このチルト式ステアリング装置におけるステアリングホイールの高さ調整は、一般に、ロックを解除して下部コラム部材に対して上部コラム部材を傾動させることにより、ステアリングホイールを任意の高さに設定し、その後、下部コラム部材に対して上部コラムをロックすることによって行う。このときの、ロック及びロックの解除を行うのが、チルトロック機構である。
【0003】
チルトロック機構の一例として、図14、図15に、実公平2−34145号公報に提案されているものを示す。
【0004】
これらの図に示されているチルト式ステアリング装置は、下部ステアリングシャフト51を回動自在に支持する下部コラム52をブラケット53を介して車体(不図示)に固定する一方、ステアリングホイール(不図示)が取り付けられた上部ステアリングシャフト54を回動自在に支持する上部コラム55を、上述のブラケット53によってチルト軸56、57を中心に傾動自在に支持し、上部コラム55側に固定されたギヤ部58に、ブラケット53によって揺動自在に支持された可動ギヤ部材59を噛合させ、さらに、チルトロック機構によって可動ギヤ部材59を背面側から押圧することで、ロックを行っている。チルトロック機構は、上端をチルト軸56、57によって揺動自在に支持された左右の支持ハンガー60、61と、これら支持ハンガー60、61の下端に固定されたローラ支持軸62と、ローラ支持軸62によって回動自在に支持されたローラ63を有する。上述のローラ支持軸62は、チルトレバー64と一体に構成されており、チルトレバー64を操作することで、ローラ63を左右方向に移動させることができるようになっている。
【0005】
上述構成のチルトロック機構による、可動ギヤ部材59のロック解除、及びロックは次のようにして行う。図14のロック状態から、チルトレバー64をバネ65の付勢力に抗して同図中の反時計回りに回転させると、ローラ63がチルト軸56、57を中心にして右方に移動して、可動ギヤ部材59のテーパ部66から退避し、これにより固定ギヤ58に対する可動ギヤ部材59の噛合が解除される。このロック解除状態で、ブラケット53に対して上部コラム55を傾動させてステアリングホイールを適宜な位置にセットする。その後、チルトレバー64を離すと、バネ65の付勢力によりローラ63が左方に移動してテーパ部66を押圧し、可動ギヤ部材59を固定ギヤ58に噛合させるとともに、ロックを行う。このロックにより、ステアリングホイールの高さ調整が終了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のチルト式ステアリング装置よると、チルトロック機構のローラ63が下方に突出していて、これがちょうど運転者の膝の近傍に位置することになるため、運転中に膝が当たったり、また、これにより可動ギヤ部材59のロックが解除されたりするおそれがあった。
【0007】
なお、これらを防止するために、ローラ63をカバーで覆うという方策が考えられるが、これによると、部品点数が増加し、また、運転者の膝の近傍の空間をさらに狭めるため、良策とは言い難い。
【0008】
そこで、本発明は、部品点数の増加を伴うことなく、また、運転者の膝の近傍の空間を狭めることなく、運転中に膝が当たったり、また、これによりロックが解除されたりすることを防止するようにしたチルト式ステアリング装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための、本発明は、下端側にステアリングギヤが取り付けられた下部ステアリングシャフトと上端側にステアリングホイールが取り付けられた上部ステアリングシャフトとを自在継手によって連結し、前記下部ステアリングシャフトを回動自在に支持する下部コラム部材を車体に固定し、前記上部ステアリングシャフトを回動自在に支持する上部コラム部材を、前記下部コラム部材に設定されて前記自在継手の中心を通るチルト軸によって上下方向揺動自在に支持するとともに、チルトロック機構によって、前記下部コラム部材に対して前記上部コラム部材をロックしてなるチルト式ステアリング装置において、
前記チルトロック機構は、
前記下部コラム部材と上部コラム部材とのうちの一方に設けられた歯面を有する固定ギヤと、
前記下部コラム部材と上部コラム部材とのうちの他方に揺動自在に支持され、前記固定ギヤの前記歯面に係脱自在に噛み合う可動ギヤと、
該可動ギヤの背面近傍に配置され前記下部コラム部材と前記上部コラム部材との前記他方の一部として形成された反力部材と、
該反力部材と前記可動ギヤの背面との間に挿入されて前記可動ギヤを前記固定ギヤの前記歯面に噛合させるロック位置と、該ロック位置から引き抜かれて前記可動ギヤを前記固定ギヤから解除する解除位置とをとる楔状部材と、
該楔状部材を有し前記上部ステアリングシャフト又は下部ステアリングシャフトの軸心と前記チルト軸の軸心とを含む面に平行な面上において揺動可能に前記上部コラム部材又は下部コラム部材に支持されて、ロック位置とロック解除位置との間を操作可能な操作部材と、
を備え、
前記チルトロック機構は前記上部コラム部材および前記下部コラム部材の上方又は下方に設けてある
ことを特徴とする。
【0010】
本発明によると、反力部材と可動ギヤの背面との間に対して、楔状部材を挿脱させることで、固定ギヤに対して可動ギヤを噛合させてロックし、また、そのロックを解除して固定ギヤから可動ギヤを離間させることができる。さらに、ロック位置に配置された状態の楔状部材は、反力部材に覆われているので、例えば、特に、カバーを設けることなく、運転者の膝がこの楔状部材に当たってロックが解除されるおそれはない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
〈実施の形態1〉
図1、図2、図3、図4に、本発明に係るチルト式ステアリング装置の一例を示す。なお、図1は縦断面図、図2は下面図、図3は可動ギヤ32(後述)がロック位置に配置された状態を示す図、そして、図4は可動ギヤ32が解除位置に配置された状態を示す図である。また、以下の説明中の上下、前後左右の方向については、ステアリングホイールを操作する運転者を基準にして決める。具体的には、図1中の右方を「上」、左方を「下」とし、上方を「前」、下方を「後」とし、さらに、図2中の上方「左」、下方を「右」というものとする。また、ロックということばは、可動ギヤ32と上部コラム部材14(後述)との双方について使用する。すなわち、固定ギヤ31(後述)に可動ギヤ32をロックするというように、また、下部コラム部材15(後述)に対して上部コラム部材14をロックするというように使用する。
【0013】
これらの図に示すチルト式ステアリング装置10は、自動車等の車両に装着されてステアリングホイール(不図示)の回転を車輪(不図示)に伝達するものであり、次の部材を主要構成部材として構成されている。次の部材とは、上部ステアリングシャフト11、下部ステアリングシャフト12、自在継手13、上部コラム部材14、下部コラム部材15、チルトロック機構16である。以下、この順に詳述する。
【0014】
上部ステアリングシャフト11は、その上端側(図1中の右方)にステアリングホイール取付け部11aが形成されており、ステアリングホイール(不図示)が取り付けられている。また、下端側には自在継手13が取り付けられている。上部ステアリングシャフト11の上部と下部とには、上部コラム部材14との間にベアリング21、22が介装されている。
【0015】
下部ステアリングシャフト12は、その下端側(図1中の左方)には、ステアリングギヤ(不図示)が固定されている。例えば、ラック・ピニオン式のステアリング装置では、ステアリングギヤには、ステアリングラックが噛合され、ステアリングラックは、タイロッド、ボールジョイント、ナックルアーム等を介して車輪に連結されている。下部ステアリングシャフト12の上端部には、上述の自在継手13が接続されている。下部ステアリングシャフト12は、下部コラム部材15との間に介装されたベアリング(不図示)によって回動自在に支持されている。
【0016】
自在継手13は、上述のように、上部ステアリングシャフト11の下端と下部ステアリングシャフト12の上端との間に介装されており、両ステアリングシャフト11、12を屈曲可能に連結している。この自在継手13が介装されることにより、上部ステアリングシャフト11の軸心11bと下部ステアリングシャフト12の軸心12bとが同一直線上に並ばない場合、すなわち、下部ステアリングシャフト12の軸心12bに対して上部ステアリングシャフト11の軸心11bが傾斜した場合においても、ステアリングホイールの回転に伴う上部ステアリングシャフト11の回転は、自在継手13を介して下部ステアリングシャフト12に円滑に伝達される。ここで、下部ステアリングシャフト12の軸心12bに対して上部ステアリングシャフト11の軸心11bが傾斜した場合において、これら2本の軸心12b、11bによって形成される平面に直角で、かつ2本の軸心12b、11bの延長が交差する点を通る直線を、自在継手の中心13bと決める。このように決めると、後述のチルト軸25、25の軸心25a、25aは、この自在継手の中心13bと一致することになる。
【0017】
上部コラム部材14は、円筒状のコラム本体部23と、その下端部に固定された上部ブラケット部24とが一体となって構成されている。上部ブラケット部24は、下方に向かって開口されたお椀状に形成されており、上述の自在継手13の大部分を覆っている。また上部ブラケット部24の下端側における左側と右側とには、それぞれ左右方向の透孔(不図示)が穿設されており、これら透孔には、ブッシュ(不図示)を介して、チルト軸25、25の先端部が挿入されている。これらチルト軸25、25の軸心25a、25aは、前述の自在継手13の中心13bを通る。また、上部コラム部材14の外周面における後部(図1中の下部)には、支持部14a、14aが突設されている。これら支持部14a、14aには、チルト軸25、25の軸心25a、25aに平行な透孔14b、14bが穿孔されている。これら透孔14b、14bには、後述の可動ギヤ32を揺動自在に支持するピン26が挿着されている。なお、このピン26は、後述のチルトロック機構16の一部を構成するものである。上部コラム部材14全体は、コラム本体部23の上端部と前述の上部ステアリングシャフト11との間、及び上部ブラケット部24の上端部と上部ステアリングシャフト11との間にそれぞれ介装された前述のベアリング21、22によって上部ステアリングシャフト11を回動自在に支持し、また、チルト軸25、25により、次に説明する下部コラム部材15によって傾動自在(揺動自在)に支持されている。
【0018】
下部コラム部材15は、コラム本体部28と、それと一体に形成された円筒部29とを有する。円筒部29は、上述の上部ブラケット部24により左右方向から挟み込まれるように形成された支持部(不図示)を有しており、これら支持部には、上述のチルト軸25、25の先端部が挿入されている。コラム本体部28は、取付け部(不図示)を介して、車体のインストルメントパネル(不図示)に固定されている。下部コラム部材15全体は、ベアリング(不図示)を介して、下部ステアリングシャフト12を回動自在に支持するとともに、チルト軸25、25によって上部コラム部材14を揺動自在に支持している。さらに、下部コラム部材15と上部コラム部材14との間には、図1中の下部及び図2中の下部に図示するように、圧縮ばね30が介装されており、これにより、上部コラム部材14は、下部コラム部材15に対して、チルト軸25、25を中心として、上方(図1中の反時計回り)に付勢されている。この圧縮ばね30の付勢力は、上部ステアリングシャフト11、上部コラム部材14、ステアリングホイール等の重量を相殺してステアリングホイールの高さ調整を容易に行えるように設定されている。
【0019】
チルトロック機構16は、上述のピン26と、下部コラム部材15側に設けられた固定ギヤ31と、上部コラム部材14側に設けられた可動ギヤ32と、楔状部材33と、この楔状部材33を有する操作アーム34と、反力部材35とを主要構成部材として構成されている。
【0020】
以下、固定ギヤ31から順に、反力部材35まで詳述する。
【0021】
固定ギヤ31は、円筒部29の外周面における後面(図1の下部)29aに固定されたブロック状の部材であり、後方に向けて多数の固定歯部31aが形成されている。これら固定歯部31aは、各歯筋が左右方向を向くように形成されており、また、各歯面はチルト軸25、25を中心に円弧状に整列されている。
【0022】
可動ギヤ32は、その基端部を、前述の上部コラム部材14の支持部14a、14aに挿着されたピン26によって揺動自在に支持されており、先端側の前面には、上述の固定歯部31aに噛合可能な可動歯部32aが多数形成されている。可動ギヤ32における可動歯部32aと反対側の背面には、テーパ面32bが形成されている。また、可動ギヤ32の基端側には後方に向けて突起32cが形成されている。この突起32cは、後述の操作アーム34の上端部が当接することにより、可動ギヤ32の先端側を強制的に図1中の下方に押し下げて、固定歯部31aから可動歯部32aを引き離すものである。
【0023】
楔状部材33は、左右方向に長く形成された操作アーム34の、左右方向の中央部に下方(図1中、図2中の左方)を向けて突設されている。楔状部材33の先端側には、図3に示すように、後述の反力部材35に接する背面側の基準面33aに対して傾斜角度θで傾斜した傾斜面33bを有しており、これらの基準面33aと傾斜面33bとによってテーパ状の薄い楔部を構成している。傾斜面33bは、可動ギヤ32のテーパ面32bに対応する角度、すなわち、テーパ面32bと傾斜面33bとの間の最大摩擦係数をαとしたときにtanθ<αを満たすように傾斜角度θが設定されている。このことにより、楔状部材33は、可動ギヤ32側から力が作用した場合、例えば、引き抜き方向(図3中の右方)の力が作用した場合においても、図3に示すロック位置から同図中の右方に移動することはない。又は、傾斜角度がtanθ<αの関係になくても、後述のばね36の付勢力によって、楔状部材33が引き抜き方向(図3中右方)に移動することを押さえることができる。
【0024】
操作アーム34は、上述の楔状部材33を左右方向の中央部に有し、基端側には、揺動中心34aを有するとともに、先端側には操作レバー34bが固定されている。揺動中心34aは、上部ステアリングシャフト11の軸心11bとチルト軸25の軸心25aとを含む面に直交する方向に向けられており、操作アーム34は、この軸心11bと軸心25aとを含む面に平行な面上において揺動動作を行う。操作アーム34は、揺動中心34a近傍に配置された線状のばね36によって図2中の反時計回りに付勢されている。この付勢によって操作アーム34の楔状部材33は、図3に示すロック位置、すなわち、可動ギヤ32のテーパ面32bと反力部材35との間に挿入された位置と、図4に示す解除位置、すなわち、図2中の操作レバー34bの時計回りの操作により、ロック位置から図4中の左方に引き抜かれた位置とをとる。
【0025】
反力部材35は、上部コラム部材14の上部ブラケット部24の一部として、図1、図3中における可動ギヤ32のテーパ面32bの近傍に形成されている。反力部材35におけるテーパ面32bに対向する面を押圧面35aとすると、この押圧面35aとテーパ面32bとの間に楔状部材33が挿入されてロック位置をとることにより、固定ギヤ31の固定歯部31aに、可動ギヤ32の可動歯部32aが噛合され、ロックされるようになっている。
【0026】
次に、上述構成のチルト式ステアリング装置10の動作について説明する。 ステアリングホイールの高さ調整に際し、まず、楔状部材33による可動ギヤ32のロックを解除する。操作レバー34bをばね36の付勢力に抗して図2中の時計回りに引くと、操作アーム34全体が揺動中心34aを中心として時計回りに回転する。この操作アーム34の回転により、楔状部材33が図3中の右方に移動し、可動ギヤ32のテーパ面32bと反力部材35の押圧面35aとの間から引き抜かれる。さらに楔状部材33が右方に移動すると、その後端が図4に示すように、可動ギヤ32の突起32cに当接し、可動ギヤ32をピン26を中心に、図4中の下方に揺動させる。これにより、下部コラム部材15側の固定ギヤ31の固定歯部31aに対する、上部コラム部材14側の可動ギヤ32の可動歯部32aのロック及び噛合が解除される。可動ギヤ32のテーパ面32bが反力部材35の押圧面35aに当接すると、可動ギヤ32の揺動が停止され、これにより、逆に、可動ギヤ32の突起32cによって楔状部材33の右方への移動が停止される。この状態において、楔状部材33は、図4に示す解除位置に配置される。こうして、楔状部材33が解除位置に配置されると、下部コラム部材15に対して上部コラム部材14を傾動させることができるようになり、ステアリングホイールの高さ調整が可能となる。
【0027】
ステアリングホイールを適宜な位置に高さ調整した後、操作レバー34bを離す。すると、操作アーム34は、ばね36の付勢力によって、図2中の反時計回りに回転し、楔状部材33が図3中の左方に移動する。楔状部材33は、その基準面33aが、反力部材35の押圧面35a上を滑るようにして左方に移動し、傾斜面33bによって可動ギヤ32のテーパ面32bを図3中の上方に押し上げる。これにより、可動ギヤ32の可動歯部32aが固定ギヤ31の固定歯部31aに噛合し、ロックされる。こうして、下部コラム部材15に対して上部コラム部材14がロックされ、ステアリングホイールの高さ調整が終了する。
【0028】
上述のような構成及び動作をなすチルト式ステアリング装置10において、チルトロック機構16の楔状部材33は、その厚さ(図1、図3、図4中における上下方向の寸法)を薄く構成することができ、また、反力部材35によって覆われているので、運転者の膝が当たることがなく、したがって、膝が当たることによって可動ギヤ32のロックが解除されるおそれもない。なお、上述の楔状部材33を薄く構成するというときの「薄く」の意味は、前述の従来技術で示すローラ63(図14参照)の直径に比して寸法を小さく設定することができるという程度の意味である。
【0029】
〈実施の形態2〉
図5、図6に、実施の形態2を示す。なお、図5は上述の実施の形態1における図1に相当する図であり、また図6は同じく図2に相当する図である。
【0030】
本実施の形態2においては、楔状部材41の挿脱方向を実施の形態1とは逆にした点が大きく異なる。なお、以下の説明では、実施の形態1との相違点を主に説明し、同じ点については同じ符号を付して重複説明は省略するものとする。この点については、後述する実施の形態3、実施の形態4についても同様である。図6に示すように、楔状部材41を操作アーム42の先端部に設け、操作アーム42の基端部に揺動中心42aを設定する。そして、この揺動中心42aを基準として、楔状部材41とは反対側に操作レバー42bを設ける。操作アーム42は、ばね36によって反時計回りに付勢されている。
【0031】
上述構成によると、操作レバー42bをばね36の付勢力に抗して図6中の右方に引くと、操作アーム42全体が揺動中心42aを中心として時計回りに回転し、楔状部材41が図5、図6中の左方に移動して解除位置に配置される。これにより、固定ギヤ31の固定歯部31aに対する可動ギヤ32の可動ギヤ32aのロック及び噛合が解除されて、ステアリングホイールの高さ調整が可能となる。高さ調整後、操作レバー42bを離すと、操作アーム42は、ばね36によって反時計回りに回転され、これにより、楔状部材41が、解除位置から図5、図6中の右方に移動して、可動ギヤ32のテーパ面32bと反力部材35の押圧面35aとの間に入り込みロック位置に配置される。こうして固定ギヤ31に対する可動ギヤや32の噛合及びロックが行われ、下部コラム部材15に対する上部コラム部材14のロックが行われて、ステアリングホイールの高さ調整が終了する。
【0032】
上述の実施の形態2の作用、効果については、実施の形態1と同様である。すなわち、チルトロック機構16の楔状部材33は、その厚さ(図5中における上下方向の寸法)を薄く構成することができ、また、反力部材35によって覆われているので、運転者の膝が当たることがなく、したがって、膝が当たることによって可動ギヤ32のロックが解除されるおそれもない。
【0033】
〈実施の形態3〉
図7、図8に、実施の形態3を示す。なお、図7は前述の実施の形態1における図1に相当する図であり、また図8は上面図である。
【0034】
本実施の形態3においては、実施の形態1では図1中の下部に配置されていたチルトロック機構16を、図7中の上部に配置した点が異なる。なお、他の点は同じなので詳細な説明は説明は省略する。
【0035】
本実施の形態3によると、楔状部材32をはじめとするチルトロック機構16に運転者の膝が当たるおそれがまったくなくなる。したがって、当然、膝が楔状部材33に当たって固定ギヤ31に対する可動ギヤ32のロックが解除されることはない。
【0036】
〈実施の形態4〉
図9に、実施の形態4を示す。なお、同図は前述の実施の形態1における図1に相当する図である。
【0037】
上述の実施の形態1〜実施の形態3では、下部コラム部材15側に固定ギヤ31を設け、上部コラム部材14側に移動ギヤ32を設けていた。これに反し、本実施の形態4では、逆に、下部コラム部材15側に可動ギヤ32を設け、上部コラム部材14側に固定ギヤ31を設けた。すなわち、本発明は、このように、固定ギヤ31と可動ギヤ32の配設位置を逆にしたチルト式ステアリング装置に対しても適用することが可能であることが分かる。
【0038】
なお、本実施の形態4の作用、効果については、実施に形態1及び実施の形態2のそれと同様なのでその説明は省略する。
【0039】
また、本実施の形態4に、前述の実施の形態2を組み合わせて、楔状部材45の挿脱方向を、図9中とは逆にすることも可能である。この場合の作用、効果は実施の形態2のそれと同じである。
【0040】
さらに、本実施の形態4に、前述の実施の形態3を組み合わせて、チルトロック機構16の配設位置を、図9中の下部に代えて、上部に設定することも可能である。この場合の作用、効果は実施の形態3のそれと同じである。
【0041】
〈実施の形態5〉
図10および図11に、実施の形態5を示す。図10は、実施の形態5におけるチルト式ステアリング装置の縦断面図であり、図11は、図10に示したチルト式ステアリング装置の底面図である。
【0042】
上記実施の形態1〜3では、操作アーム34の戻り用ばね36について、ねじりコイルばね(36)を揺動中心34aの廻りに設定しているが、本実施の形態5では、これに代えて、圧縮コイルばね46を、可動ギヤ32の突起32cと、操作アーム34との間に介装している。
【0043】
これにより、ステアリングホイールの高さを調整するため、操作アーム34を解除した際、操作アーム34が、可動ギヤ32の突起32cに当接しなくても、圧縮コイルばね46の付勢力により、可動ギヤ32を回動して解除することができる。そのため、最小の操作量でチルトのロックを解除することができる。また、可動ギヤ32を解除する際、メタル部品の当接がないため、操作フィーリングが良好であるといったこともある。
【0044】
〈実施の形態6〉
図12および図13に、実施の形態6を示す。図12は、実施の形態6におけるチルト式ステアリング装置の縦断面図であり、図13は、図12に示したチルト式ステアリング装置の底面図である。
【0045】
上記実施の形態5では、圧縮コイルばね46を、可動ギヤ32の突起32cと、操作アーム34との間に介装しているが、本実施の形態6では、これに代えて、ねじりコイルばね47を、可動ギヤ32の突起32cと、操作アーム34との間に介装している。
【0046】
このねじりコイルばね47は、可動ギヤ34の揺動中心ピン26を若干延在した延在部26aの廻りに組み付けられ、このねじりコイルばね47の両端は、フック状に折り曲げられて、操作アーム34および可動ギヤ32の突起32cとに係合されている。
【0047】
これにより、ステアリングホイールの高さを調整するため、操作アーム34を解除した際、操作アーム34が、可動ギヤ32の突起32cに当接しなくても、ねじりコイルばね47の付勢力により、可動ギヤ32を回動して解除することができる。そのため、最小の操作量でチルトのロックを解除することができる。また、この場合にも、可動ギヤ32を解除する際、メタル部品の当接がないため、操作フィーリングが良好であるといったこともある。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、固定ギヤに可動ギヤを噛合させてロックするチルトロック機構が、反力部材と可動ギヤの背面との間に挿脱される楔状部材を有し、この楔状部材は、薄く形成することができ、また、ロック位置に配置された状態において、反力部材に覆われているので、例えば、特に、カバーを設けることなく、したがって、部品点数の増加を伴うことなく、また、運転者の膝の近傍の空間をカバーによってさらに狭めることなく、運転中に膝が当たったり、また、これによりロックが解除されたりすることを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるチルト式ステアリング装置の縦断面図である。
【図2】実施の形態1におけるチルト式ステアリング装置の下面図である。
【図3】楔状部材がロック位置に配置された状態を示す拡大図である。
【図4】楔状部材が解除位置に配置された状態を示す拡大図である。
【図5】実施の形態2におけるチルト式ステアリング装置の縦断面図である。
【図6】実施の形態2におけるチルト式ステアリング装置の下面図である。
【図7】実施の形態3におけるチルト式ステアリング装置の縦断面図である。
【図8】実施の形態3におけるチルト式ステアリング装置の上面図である。
【図9】実施の形態4におけるチルト式ステアリング装置の縦断面図である。
【図10】実施の形態5におけるチルト式ステアリング装置の縦断面図である。
【図11】図10に示したチルト式ステアリング装置の底面図である。
【図12】実施の形態6におけるチルト式ステアリング装置の縦断面図である。
【図13】図12に示したチルト式ステアリング装置の底面図である。
【図14】従来のチルト式ステアリング装置の縦断面図である。
【図15】図14のXV−XV線矢視図である。
【符号の説明】
10 チルト式ステアリング装置
11 上部ステアリングシャフト
12 下部ステアリングシャフト
13 自在継手
14 上部コラム部材
15 下部コラム部材
16 チルトロック機構
25 チルト軸
31 固定ギヤ
31a 固定歯部
32 可動ギヤ
32a 可動歯部
32b 可動ギヤの背面(テーパ面)
33、41、45
楔状部材
33b 傾斜面
34 操作アーム
34a 揺動中心
34b 操作レバー
35 反力部材
46 圧縮コイルばね
47 ねじりコイルばね

Claims (5)

  1. 下端側にステアリングギヤが取り付けられた下部ステアリングシャフトと上端側にステアリングホイールが取り付けられた上部ステアリングシャフトとを自在継手によって連結し、前記下部ステアリングシャフトを回動自在に支持する下部コラム部材を車体に固定し、前記上部ステアリングシャフトを回動自在に支持する上部コラム部材を、前記下部コラム部材に設定されて前記自在継手の中心を通るチルト軸によって上下方向揺動自在に支持するとともに、チルトロック機構によって、前記下部コラム部材に対して前記上部コラム部材をロックしてなるチルト式ステアリング装置において、
    前記チルトロック機構は、
    前記下部コラム部材と上部コラム部材とのうちの一方に設けられた歯面を有する固定ギヤと、
    前記下部コラム部材と上部コラム部材とのうちの他方に揺動自在に支持され、前記固定ギヤの前記歯面に係脱自在に噛み合う可動ギヤと、
    該可動ギヤの背面近傍に配置され前記下部コラム部材と前記上部コラム部材との前記他方の一部として形成された反力部材と、
    該反力部材と前記可動ギヤの背面との間に挿入されて前記可動ギヤを前記固定ギヤの前記歯面に噛合させるロック位置と、該ロック位置から引き抜かれて前記可動ギヤを前記固定ギヤから解除する解除位置とをとる楔状部材と、
    該楔状部材を有し前記上部ステアリングシャフト又は下部ステアリングシャフトの軸心と前記チルト軸の軸心とを含む面に平行な面上において揺動可能に前記上部コラム部材又は下部コラム部材に支持されて、ロック位置とロック解除位置との間を操作可能な操作部材と、
    を備え、
    前記チルトロック機構は前記上部コラム部材および前記下部コラム部材の上方又は下方に設けてあることを特徴とするチルト式ステアリング装置。
  2. 前記楔状部材は、前記可動ギヤの背面に接触する第1面と、該第1面に向かい合い前記反力部材に接触する第2面とを有し、これら第1および第2の面は楔部を形成するよう傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のチルト式ステアリング装置。
  3. 前記楔状部材は前記可動ギヤの揺動軸心側から前記反力部材と前記可動ギヤの背面との間に挿入されるよう前記操作部材に形成されている請求項1または2に記載のチルト式ステアリング装置。
  4. 前記楔状部材は前記可動ギヤの揺動軸心に向う側から前記反力部材と前記可動ギヤの背面との間に挿入されるよう前記操作部材に形成されている請求項1または2に記載のチルト式ステアリング装置。
  5. 前記固定ギヤと、前記可動ギヤと、前記楔状部材と、前記反力部材とは、前記楔状部材のロック位置で前記下部コラム部材に関して前記上部コラム部材をロックするための面部分が前記可動ギヤの揺動運動の軸心に直角な面内で互いに重なり合うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のチルト式ステアリング装置。
JP23112498A 1997-10-28 1998-08-04 チルト式ステアリング装置 Expired - Lifetime JP3716630B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23112498A JP3716630B2 (ja) 1997-11-13 1998-08-04 チルト式ステアリング装置
US09/176,886 US6282977B1 (en) 1997-10-28 1998-10-22 Tilt adjusting-type steering apparatus
GB9823600A GB2334322B (en) 1997-10-28 1998-10-27 Tilt adjustable steering apparatus
GB0124584A GB2364765B (en) 1997-10-28 1998-10-27 Tilt-adjustable steering apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32717497 1997-11-13
JP9-327174 1997-11-13
JP23112498A JP3716630B2 (ja) 1997-11-13 1998-08-04 チルト式ステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11198821A JPH11198821A (ja) 1999-07-27
JP3716630B2 true JP3716630B2 (ja) 2005-11-16

Family

ID=26529699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23112498A Expired - Lifetime JP3716630B2 (ja) 1997-10-28 1998-08-04 チルト式ステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3716630B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7069809B2 (en) 2001-12-27 2006-07-04 Nsk, Ltd. Vehicle tilt type steering device
US7237804B2 (en) 2001-12-27 2007-07-03 Nsk Ltd. Vehicle tilt type steering device
KR100465994B1 (ko) * 2002-01-04 2005-01-13 현대모비스 주식회사 차량용 스티어링 컬럼의 틸트장치
JP4218379B2 (ja) 2002-07-11 2009-02-04 日本精工株式会社 車両用チルト式ステアリング装置
KR100475922B1 (ko) * 2002-12-12 2005-03-10 현대자동차주식회사 자동차의 스티어링 컬럼
KR100526654B1 (ko) 2003-04-09 2005-11-08 현대모비스 주식회사 차량용 틸트 스티어링 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11198821A (ja) 1999-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0234145Y2 (ja)
JP3468742B2 (ja) チルトステアリングの回動支持構造
JP3895566B2 (ja) 車両用ステアリング装置
US6474189B1 (en) Apparatus for mounting a foot pedal and a steering column to a vehicle
US6282977B1 (en) Tilt adjusting-type steering apparatus
KR100530030B1 (ko) 자동차용 틸트 스티어링 장치
JP3636197B2 (ja) 車両用チルト式ステアリング装置
JP3716630B2 (ja) チルト式ステアリング装置
US7083198B2 (en) Tilt steering apparatus for vehicle
JP3365960B2 (ja) 手動操舵式ハンドガイドローラ
JP2001001914A (ja) メモリ機構付きチルトステアリング装置
JP2021048947A (ja) 操舵機構、及び、それを備えた車椅子
KR100669541B1 (ko) 농업용 주행차량의 스티어링 휠 및 계기패널 틸팅장치
JP4218379B2 (ja) 車両用チルト式ステアリング装置
JPS5941897Y2 (ja) チルト機構付ステアリング装置
JPS6342032Y2 (ja)
JPH0367778A (ja) チルト式ステアリング装置
JP2001334011A (ja) スケートボード
JPH02142373U (ja)
JPH0643186B2 (ja) メモリ−機構付チルトステアリング装置
JP4280954B2 (ja) メモリ機構付きチルトテレスコステアリング装置
JPS5943168Y2 (ja) チルト式ステアリングコラム
JPH11129914A (ja) チルト式ステアリング装置
JPS6117891Y2 (ja)
JPH085390B2 (ja) チルト式ステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080909

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090909

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100909

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110909

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110909

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120909

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120909

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130909

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term