JP3864368B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヒータや加熱コイルなど複数の加熱手段を備えた加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導加熱調理器を厨房家具などの天板に組み込んで使用する場合に、使用中に内部の加熱コイルや回路部分等に煮こぼれの汁などが侵入して故障しないように、誘導加熱調理器の調理プレートは、シール性の良好な構造とする必要があった。
【0003】
そのため、調理プレートの周囲にパッキンを貼り付けたり、調理プレートと枠との係合部の全周に硬化型の接着剤を塗布したりして、シール性を高めていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の加熱調理器では、パッキンの取り付け作業が煩雑となったり、取り付けバラツキが生じたり、費用的にも高価なものであったとう問題点があり、また、接着剤を塗布するタイプでは、工作上の塗布ムラやピンホールや未塗布などが生じた場合、製品の故障や台所内を汚してしまったり、電気部品の発煙・発火などの危険性があるため、塗布した接着剤の乾燥後に水や洗剤などを接着剤塗布部に流し込み調理器本体内部への浸透が無いことを検査する必要があり、この水漏れ検査に手間が掛かっていたという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、枠と調理プレートの隙間から煮こぼれや洗剤水などが浸透しても、調理器本体内部へ浸水させることなく、調理器本体内部の電気部品などの浸水が防止でき、水漏れ検査の簡略化が可能となる加熱調理器を得るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる加熱調理器においては、調理プレートと、調理プレートの下部に配設される加熱コイルと該加熱コイルを駆動する駆動回路部とを有する調理器本体と、前記調理プレートの周縁を固定する枠体とを備え、前記枠体と前記調理器本体との間に、調理プレート周縁と平行するように断面凹形状を形成し、該断面凹形状を調理プレートの周縁下部に位置するように形成されたL字金具を設け、該L字金具の断面凹形状の最端部下方に前記調理器本体外部から着脱可能な水受部を設けたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である加熱調理器を示す全体斜視図、図2は図1のA−A断面図、図3は図2の要部断面図である。図において、1は調理プレート、2は調理プレート1の四辺(全周)固定する枠体、3はキッチンカウンター4に据え付けられる調理器本体である。
【0010】
5はヒータ6や加熱コイル7、基板8などの電気部品を取付けた調理器本体ケースで、調理器本体3を構成する。9は調理プレート1の四辺(全周)の下方位置で、調理器本体ケース5と枠体2のネジ座2bとを連結するL字金具で、調理プレート1を支持する断面凸形状9aを形成し、L字金具9とネジ座2bとの取付面9bと断面凸形状9aとの間のL字金具9に断面凹形状9cを調理プレート1の周縁と平行するように帯状に形成し、この断面凹形状9cの最端部は調理器本体ケース5の外側まで延設し、かつ開口状態となっている。調理器本体ケース5とL字金具9とはネジ10で、ネジ座2bとL字金具9とはネジ11でそれぞれ取り付けられている。
【0011】
このように構成された加熱調理器においては、調理プレート1上の被加熱容器からの煮こぼれや清掃時の洗剤水Xは、調理プレート1の周縁と枠体2との間A部分から枠体2のネジ座2bの取付面9b又は断面凹形状9c内に流出し、調理プレート1の周縁下部に位置するL字金具9上に落ちる。そして、断面凹形状9c内に溜まった煮こぼれや洗剤水Xは断面凹形状9c内を流れていき、最端部の開口部分から調理器本体ケース5の外側に滴下される(図3の矢印が煮こぼれや洗剤水の流れを表す)。このようにして、調理器本体ケース5内へ浸水することなく、電気部品などの浸水が防止できるので、水漏れ検査の簡略化も可能となる。
【0012】
また、図4に示すように、従来から行なわれているような調理プレート1の周縁と枠体2との間Aに浸水防止の為の硬化型の接着剤12を塗布したり、枠体2の最外周下側2cに調理器本体3をキッチンカウンター4に据付けたるときにシール用パッキン13を全周貼付したりすれば、さらにシール性は高まる。万が一、接着剤の塗布忘れや途切れ、気泡などがあって、煮こぼれや洗剤水が浸水したとしても、上記したように、L字金具9に形成した断面凹形状9c内を通って調理器本体3の外部に排出することができる、調理器本体3内へ浸水することはない。
【0013】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2を示す加熱調理器の図1のA−A断面図である。図において、1〜13は上記実施の形態1と同一であり、その説明は省略する。14はL字金具9の断面凹形状9cに部分的に設けた切欠き穴で、この切欠き穴14と同じ断面上に延設するように水路2dを形成し、この水路2dと枠本体2aのとの接合部分に穴2eを穿設している。
【0014】
このように構成された加熱調理器においては、上記実施の形態1と同様に、調理プレート1上の被加熱容器からの煮こぼれや清掃時の洗剤水Xは、調理プレート1と枠体2とを固定している接着剤12の未塗布・途切れ・気泡などによって、浸水した場合には、煮こぼれや洗剤水Xは調理プレート1周縁から枠体2のネジ座2bの取付面9b又は断面凹形状9c内に流出する。そして、断面凹形状9c内に溜まった煮こぼれや洗剤水Xは断面凹形状9cに穿設した切欠き穴14から水路2dへ流れ、枠本体2aに穿設した穴2eからキッチンカウンター4へ流出させ、布巾などで拭き取ることができる(図5の矢印が煮こぼれや洗剤水Xの流れを表す)。さらには流し台(図示せず)が近い場合は流し台(図示せず)まで導くこともできる。このようにして、調理器本体3内のヒーター6や加熱コイル7、基板8などの電気部品への浸水を防止できるばかりでなく、調理器本体3外へ流出した煮こぼれや洗剤水をキッチンカウンター4や流し台(図示せず)に導くことができ、調理器本体3内やキッチンカウンター4の内部を汚すことがない。
【0015】
なお、断面凹形状9cの最端部は、開口状態として穴2eと両方から煮こぼれや洗剤水を排出するようにしても良いし、断面凹形状9cの最端部を閉塞状態として穴2eからのみ煮こぼれや洗剤水を排出するようにしても良い。
【0016】
実施の形態3.
図6と図7はこの発明の実施の形態3を示す加熱調理器の全体斜視図、図8は据え付けの概略断面図、図9は図7のサイドパネル取り付け状態でのB−B断面図である。図において、1〜13は上記実施の形態1と同一であり、その説明は省略する。15はキッチンカウンター4の上面に形成された上面開口部、16はキッチンカウンター4の前面に形成された前面開口部、17は調理器本体3の前面に形成された正面パネルで、キッチンカウンター4の前面開口部16に嵌め込まれる。18は前面開口部16に正面パネル17が嵌め込まれたときに両側部にできる隙間で、調理器本体3をキッチンカウンター4内に嵌め込む時に、据え付けの際必要な隙間18である。この隙間18は、図9に示すように、枠体2と調理器本体3との間にあるL字金具9の下方に位置する。19は隙間18内に着脱可能に挿入嵌合される隙間かくし用のサイドパネル(特許請求の範囲でいう水受部)で、図8に示すように上面を開口する箱形状をしており、その箱形状の開口は前面開口部16側のL字金具9の断面凹形状9cの最端部の下方に位置する大きさとする。なお、L字金具9の断面凹形状9cの最端部のうち調理器本体3を正面から見て奥側に位置する4ヶ所(調理器本体3の正面から見て左右の断面凹部形状9cの後側2ヶ所と後面に位置する断面凹形状9cの最端部2ヶ所)を絞り形状としてその最端部同士を連接して、調理器本体3の左右に位置する断面凹形状9cの手前側の最端部2ヶ所と、前面に位置する断面凹形状9cの最端部2ヶ所は、それぞれ開口状態として、この開口している断面凹形状9cの最端部4ヶ所の下方に前記サイドパネルの開口が位置している。
【0017】
このように構成された加熱調理器においては、図6に示すように、調理器本体3をキッチンカウンター4の上部開口部15から矢印Aの方向に入れ込む。詳しくは、図8に示すように、前面開口部16に正面パネル17を矢印Bのようにして嵌め込み、調理器本体3を矢印cのようにして据え付けられる。この時、前面開口部16と正面パネル17の両側部との間に隙間18が形成される(図8参照)。これは、上記したように、調理器本体3のキッチンカウンター4内への据え付け性の関係でこの隙間18がないと正面パネル17が前面開口部16に入らない、などどいう不具合が生じる可能性があり、確実に嵌め込むために必要な隙間18である。そして、図8に示すように、この隙間18に正面からサイドパネル19を矢印Dの方向から挿入嵌合させる。このサイドパネル19はL字金具9の手前側の断面凹形状9cの最端部の下方まで位置する。
【0018】
このようにして組立てられた加熱調理器は、上記実施の形態1と同様に、調理プレート1上の被加熱容器からの煮こぼれや清掃時の洗剤水が、調理プレート1と枠体2とを固定している接着剤12の未塗布・途切れ・気泡などによって浸水した場合には、上記実施の形態1および2と同様に、煮こぼれや洗剤水は調理プレート1周縁から枠体2のネジ座2bの取付面9b又は断面凹形状9c内に流出する。そして、断面凹形状9cの開口している手前側の断面凹形状9cの最端部から滴下し、その下方に位置しているサイドパネル19内に煮こぼれや洗剤水が溜まっていく。そして、サイドパネル19を隙間18から取り外し、内部に溜まった水や洗剤水を流し台(図示なし)などに捨てる。
【0019】
このように、調理器本体3外に排出した煮こぼれや洗剤水を回収し、簡単に処理することができ、キッチンカウンター4の内部も外部も汚すことがない使い勝手の良い加熱調理器を得ることができる。
【0020】
上記実施の形態1〜3では、キッチンカウンター4内に調理器本体3が据え付けられた加熱調理器としているが、キッチンカウンター4上に置いて使う据え置きタイプの加熱調理器であっても良く、据え置きタイプの加熱調理器の本体枠をキッチンカウンター4と考えれば、上記実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。
【0021】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されるので、以下に示すような効果を奏する。
【0024】
調理プレートと、調理プレートの下部に配設される加熱コイルと該加熱コイルを駆動する駆動回路部とを有する調理器本体と、前記調理プレートの周縁を固定する枠体とを備え、前記枠体と前記調理器本体との間に、調理プレート周縁と平行するように断面凹形状を形成し、該断面凹形状を調理プレートの周縁下部に位置するように形成されたL字金具を設け、該L字金具の断面凹形状の最端部下方に前記調理器本体外部から着脱可能な水受部を設けたので、調理プレートからの煮こぼれ、清掃時の水等が浸水してもL字金具の断面凹形状内に滴下させ、断面凹形状の最端部から断面凹形状内の煮こぼれや洗剤水を水受部に排出させて回収することができ、調理器本体外部へ排出することができると同時に、煮こぼれや洗剤水などを簡単に回収および処理をすることができる使い勝手の良い加熱調理器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す加熱調理器の全体斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態1を示す加熱調理器のA−A断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1を示す加熱調理器の要部断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1を示す加熱調理器の要部断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2を示す加熱調理器のA−A断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3を示す加熱調理器の全体斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態3を示す加熱調理器の要部断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態3を示す加熱調理器の全体斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態3を示す加熱調理器のB−B断面図である。
【符号の説明】
1 調理プレート、2 枠体、2a 枠本体、2b ネジ座、2c 最外周下側、3 調理器本体、4 キッチンカウンター、5 調理器本体ケース、6 ヒータ、7 加熱コイル、8 基板、9 L字金具、9a 断面凸形状、9b 取付面、9c 断面凹形状、10 ネジ、11 ネジ、12 接着剤、13 パッキン、14 切り欠き穴、15 上面開口部、16 前面開口部、17 正面パネル、18 隙間、19 サイドパネル。
Claims (1)
- 調理プレートと、調理プレートの下部に配設される加熱コイルと該加熱コイルを駆動する駆動回路部とを有する調理器本体と、前記調理プレートの周縁を固定する枠体とを備え、前記枠体と前記調理器本体との間に、調理プレート周縁と平行するように断面凹形状を形成し、該断面凹形状を調理プレートの周縁下部に位置するように形成されたL字金具を設け、該L字金具の断面凹形状の最端部下方に前記調理器本体外部から着脱可能な水受部を設けたことを特徴とする加熱調理器。
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