JP3862578B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は複数種類の複数種類の識別情報が表される複数の変動表示領域において前記識別情報を変動表示可能な可変表示装置を備え、スタートレバーの操作に基づいて前記複数の変動表示領域を変動表示させると共に内部抽選を行い、該内部抽選により入賞に当選し、停止ボタンの停止操作に基づいて前記複数の変動表示領域における前記識別情報の停止態様が有効ライン上にて、前記内部抽選によって当選した入賞に対応する停止態様が導出された場合に遊技価値を付与可能な遊技機(例えば、パチスロ機、球スロ機)に関し、特に、識別情報の変動開始タイミングの制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機(パチスロ機、球スロ機等のスロットマシン)は、「左」、「中」、「右」の3本のリールと、各リールに対応した3個のリール停止ボタンを備えている。そして、遊技者はリール停止ボタンを所望のタイミングで操作して、回転を開始した変動表示中のリールを停止させて変動表示ゲームの結果を導出する。
【0003】
このような変動表示ゲームを行う遊技機では、遊技者はリールの回転を注視して、停止したい図柄が表示窓部を通過するタイミングに合わせてリール停止ボタンを操作する、いわゆる「目押し」によって遊技を有利に進行させることができる。すなわち、大当たりフラグの成立したときに大当たり図柄を揃えるためにも目押し操作が必要であり、適当に停止操作をしたのでは必ずしも大当たり図柄を揃えることができない。また、リプレイ外しや、小役の取りこぼし防止など技術介入度の高い目押し操作もある。このような目押し操作を容易にするために、遊技者が回転中のリールの図柄を識別しやすいように、リールに描かれる図柄の大きさや色彩に工夫がされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、パチスロの人気が高まり、初心者から熟練者まで幅広い層の遊技者がいる。初心者は、前述した目押し操作の技量が低い為に、大当たりを揃えることが困難な場合がある。このような技量の低い遊技者を救済するために、遊技場では従業員による目押し操作の代行サービスが行われるようになっている。しかし、遊技者のなかには、従業員に救済を求めることを恥ずかしく感じたり、面倒に感じたりする者もいる。また、従業員による目押し操作の代行サービスは、従業員にとっても負荷がかかり、本来のサービスの提供や不正の監視などに影響を及ぼすおそれもあった。
【0005】
本発明は、熟練者の遊技意欲をそぐことなく、初心者の遊技を補助することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、複数種類の識別情報が表される複数の変動表示領域において前記識別情報を変動表示可能な可変表示装置を備え、スタートレバーの操作に基づいて前記複数の変動表示領域を変動表示させると共に内部抽選を行い、該内部抽選により入賞に当選し、停止ボタンの停止操作に基づいて前記複数の変動表示領域における前記識別情報の停止態様が有効ライン上にて、前記内部抽選によって当選した入賞に対応する停止態様が導出された場合に遊技価値を付与可能な遊技機において、前記スタートレバーが操作されてから所定時間内に前記停止ボタンによる停止操作が行われない場合に、前記変動表示領域の識別情報の変動表示を自動的に停止させる自動停止制御手段と、前記各変動表示領域において予め定められた速度(例えば、一定速度等の3つのリールが揃った速度)で変動表示する識別情報が、前記自動停止をする際に前記当選した入賞に対応する停止態様を導出するように、前記各変動表示領域の変動表示開始タイミングを制御する変動表示開始タイミング制御手段と、を備え、前記変動表示開始タイミング制御手段は、前記変動表示領域における変動表示時間が、停止態様を構成する識別情報を前記有効ライン上に停止させる時間となるように変動表示開始タイミングを制御することを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記自動停止制御手段は、前記複数の変動表示領域の変動表示を順次停止させるよう構成され、前記変動表示開始タイミング制御手段は、前記複数の変動表示領域の前記入賞に対応する識別情報が変動表示領域間の停止タイミング分ずれた相対位置関係で変動表示するように変動表示開始タイミングを制御することを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記変動表示開始タイミング制御手段は、前記変動表示領域において変動表示開始前に表示されている識別情報の位置を検出する位置検出手段と、前記変動表示領域における変動表示終了時に表示すべき識別情報の位置を決定する位置決定手段と、前記位置検出手段により検出された識別情報の位置と、前記位置決定手段により決定された識別情報の位置とから、前記位置同士の関係を算出する位置関係算出手段と、前記算出された位置関係に基づいて、変動表示開始タイミングを決定する変動表示開始タイミング決定手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、複数種類の識別情報が表される複数の変動表示領域において前記識別情報を変動表示可能な可変表示装置を備え、スタートレバーの操作に基づいて前記複数の変動表示領域を変動表示させると共に内部抽選を行い、該内部抽選により入賞に当選し、停止ボタンの停止操作に基づいて前記複数の変動表示領域における前記識別情報の停止態様が有効ライン上にて、前記内部抽選によって当選した入賞に対応する停止態様が導出された場合に遊技価値を付与可能な遊技機において、前記スタートレバーが操作されてから所定時間内に前記停止ボタンによる停止操作が行われない場合に、前記変動表示領域の識別情報の変動表示を自動的に停止させる自動停止制御手段と、前記各変動表示領域において予め定められた速度で変動表示する識別情報が、前記自動停止をする際に前記当選した入賞に対応する停止態様を導出するように、前記各変動表示領域の変動表示開始タイミングを制御する変動表示開始タイミング制御手段と、を備える。すなわち、停止ボタンを操作しないことによって、遊技者が停止ボタンの操作によらず自動停止制御手段によって変動表示を停止させることを選択した場合に、当選した入賞に対応する停止態様を導出可能としたので、停止ボタンの操作によって当選した入賞に対応する停止態様を導出する自信のない遊技者に遊技の補助手段を提供することができ、技量の低い遊技者を救済することができる。また、このような遊技者を救済するために、遊技場が提供する操作代行サービスが不要となる。
【0018】
さらに、前記変動表示開始タイミング制御手段は、前記変動表示領域における変動表示時間が、停止態様を構成する識別情報を前記有効ライン上に停止させる時間となるように変動表示開始タイミングを制御するので、変動表示開始タイミング決定時に停止図柄を特定できることから、技量の低い遊技者を確実に補助することができる。
【0019】
第2の発明では、前記自動停止制御手段は、前記複数の変動表示領域の変動表示を順次停止させるよう構成され、前記変動表示開始タイミング制御手段は、前記複数の変動表示領域の前記入賞に対応する識別情報が変動表示領域間の停止タイミング分ずれた相対位置関係で変動表示するように変動表示開始タイミングを制御するので、変動表示の自動停止までの残り時間によらずに変動表示開始タイミングを算出することができることから、変動表示開始タイミング制御における負荷を軽減することができる。
【0020】
第3の発明では、前記変動表示開始タイミング制御手段は、前記変動表示領域において変動表示開始前に表示されている識別情報の位置を検出する位置検出手段と、前記変動表示領域における変動表示終了時に表示すべき識別情報の位置を決定する位置決定手段と、前記位置検出手段により検出された識別情報の位置と、前記位置決定手段により決定された識別情報の位置とから、前記位置同士の関係を算出する位置関係算出手段と、前記算出された位置関係に基づいて、変動表示開始タイミングを決定する変動表示開始タイミング決定手段と、を備えるので、識別情報の現在の位置と、表示すべき識別情報の位置とによって変動表示開始タイミングを決定することができる。
。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の構成を示す正面図である。
【0030】
本実施の形態の遊技機100は、左側に蝶番を有し、この蝶番を軸として片開き形式に開閉自在な前面パネル2を備えている。この前面パネル2の背部には、可変表示装置(変動表示装置)を構成する3個のリール(ドラム)4a、4b、4cが回転自在な状態で横に並んで配置されている。各リール4a〜4cの外周面には、複数種類のシンボル(図柄)からなる図柄列が表記されている(図3参照)。リール4a〜4cはリール駆動部によって駆動され、互いに独立に回転するようになっている。このリール駆動部は、例えば、ステッピングモータ(4Ma、4Mb、4Mc)から構成されている。なお、モータによってリールが回転するものではなく、液晶表示器等を用いて複数の変動表示領域を設定した可変表示装置としてもよい。
【0031】
本実施の形態の遊技機においては、リール4a〜4cの回転によって可変表示ゲームが行われ、前記可変表示の停止結果が有効ライン上において所定の図柄が揃って表示された状態で停止する停止態様(所定の図柄組合せである結果態様)となることに関連して所定の遊技価値を遊技者に付与するように構成されている。なお、リール上に同一意味内容の図柄が一つしか存在しない場合には、同一の図柄組み合わせを導出する結果態様としては、一つの停止態様しか存在していない。しかし、リール上に同一意味内容の複数の図柄が表示されている場合には、同一の図柄組み合わせを導出する図柄の停止位置が複数存在するので、同一の図柄組み合わせを導出する結果態様には、複数の停止態様が存在している。
【0032】
前面パネル2の上半部の略中央には、リール4a〜4cの回転により可変表示(変動表示)される図柄を遊技者に視認させるための表示窓部20が設けられている。リール4a〜4cが停止している状態で、表示窓部20からリール4a〜4cの外周面に表記された図柄列のうちそれぞれ3個の図柄が視認可能となっている。つまり、リール4a〜4cが停止した状態で表示窓部20には合計9個の図柄が視認できる。
【0033】
表示窓部20の上方には、補助ゲームが実行されたり、可変表示ゲームに関連して演出表示、情報表示を行う報知手段としての補助表示装置5が設けられている。この補助表示装置5は表示制御装置35によって制御され(図2参照)、表示内容を可変する。
【0034】
表示窓部20の左側方には、メダルの賭数(ベット数)に対応して有効化されたベットライン(有効ライン)を表示するベットライン表示部13が設けられている。メダルのベット数とは、遊技者が遊技のために投入したメダルの数、又は、予め遊技者が投入したメダルの記憶数(クレジット数)から減算され、遊技に使用されるメダルの数である。なお、遊技を開始するために遊技者がメダルを投入したり、記憶数から減算したりする操作をベットという。
【0035】
ベットライン表示部13は、例えば、ベット数が1枚のときは、ベットライン表示部13中央の「1」のランプだけが点灯して、中段の横ラインだけが有効ラインであることを示している。ベット数が2枚のときは、ベットライン表示部13中央の「1」とその上下に設けられた「2」のランプが点灯して、上段、中段、下段の3本の横ラインが有効ラインであることを示している。ベット数が3枚のときは、ベットライン表示部13の「1」「2」「3」の全てのランプが点灯して、3本の横ラインと右下がり、右上がりの2本の斜めラインの合計5ラインが有効ラインであることを示している。
【0036】
表示窓部20の右側方には、遊技状態を表示する遊技状態表示部14が設けられている。遊技状態表示部14は、遊技可能な状態であることを示し、メダルの投入を促す「INSERT MEDALS」表示、リプレイ入賞を獲得したこと及び現在行っている遊技がリプレイ入賞後のリプレイゲームであることを示す「REPLAY」表示、遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作してからリールの回転が開始するまでの待ち時間、又は、回転を開始したリールが停止しない(停止図柄が導出表示されない)待ち時間(ウェイトタイム)であることを示す「WAIT」表示、リールが停止してゲームが終了したことを示す「GAME OVER」表示等で構成される。
【0037】
表示窓部20の下方には、遊技者が入賞を確定してメダルを獲得したときの払出枚数を表示する払出数表示部8、AT状態中、ビッグボーナス(BB)状態中又はレギュラーボーナス(RB)状態中の残りゲーム回数等を表示する遊技進行表示部11、メダルのクレジット数を表示するクレジット数表示部12が設けられている。これらの表示部8、11、12は、7セグメントのLEDや液晶ディスプレイ等を用いて構成する。
【0038】
前面パネル2の上部には、透光性を有する前面カバー部材25が装着され、この前面カバー部材25の背部には、ランプやLED等からなる装飾表示部37やスピーカ等からなる音声発生部等が配設されている。
【0039】
また、前面パネル2の上半部と下半部の中間にある傾斜台部22には、メダルを投入するメダル投入口25が配設され、遊技者はこの投入口にメダルを投入することにより遊技ができるようになっている。また、傾斜台部22には、カードユニット用の操作スイッチ(貸出スイッチ30b、カードの返却を指令するカード返却スイッチ30c)が設けられている。また、カードユニット用操作スイッチ30b、30cの上部には、カードの残高を表示するカード残高表示部30dが設けられている。
【0040】
また、傾斜台部22には、押圧操作によってクレジットしたメダルを1枚ずつベット可能な1ベットボタン(1ベットスイッチ)10と、1回の押圧操作によってベット可能枚数までメダルがベットされるマックスベットボタン(MAXベットスイッチ)9が配設されている。このマックスベットボタン9を操作すると、例えば、メダルがベットされていないときには3枚メダルがベットされ、メダルが1枚ベットされているときは、さらに2枚のメダルがベットされる。これらベットボタン9、10により、メダル投入口15よりメダルを投入することなく、クレジット数表示部12に表示されているクレジット数以内でメダルをベットすることができ、このベット数に応じて有効ラインが設定され、遊技制御装置50と共に有効ライン設定手段として機能する。
【0041】
前面パネル2の下半部には矩形状の化粧パネル19が設けられている。化粧パネル19の上方には、メダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と記憶不能な非クレジット状態の何れか一方の状態に選択的に切換可能なクレジット選択ボタン(クレジット選択スイッチ)18、リール4a〜4cの回転を開始させるためのスタートレバー(スタートレバースイッチ)6、が設けられている。
【0042】
また、化粧パネル19の上方には、リール4a〜4cの回転を停止させ、停止図柄を導出させるための操作手段としてのリール停止ボタン(リール停止スイッチ)7a、7b、7cが設けられている。リール停止ボタン7a〜7cが操作されると、各スイッチに対応したリール4a〜4cが回転を停止する。各リール停止ボタン7a〜7cには、リール停止ボタンを発光させることでリール停止ボタンが操作可能な状態であることを報知する操作情報ランプが内蔵されている。これらの操作情報ランプが点灯していない間はリール停止ボタン7a〜7cが操作不能となり、操作情報ランプが点灯している間はリール停止ボタン7a〜7cが操作可能となるように制御される。よって、操作情報ランプが点灯していない間はリール停止ボタン7a〜7cを操作してもリール4a〜4cの回転は停止しない。また、操作情報ランプの点灯色によって、リール停止ボタン7a〜7cが操作可能であるかを報知するようにしてもよい。
【0043】
また、化粧パネル19の左右両側方には、透光性を有する前面カバー部材24、24が装着されている。この前面カバー部材24の背部には、ランプやLED等からなる装飾表示部37が配設されている。
【0044】
また、化粧パネル19の左側には、カードユニット30のカード挿入部30aが設けられており、カード挿入部30aの奥には挿入されたカード(プリペイドカード等)のデータの読込、書込等を行うカードリーダライタと球貸制御装置が内蔵されている。
【0045】
また、化粧パネル19の下方には、前面パネル2の背部にあるメダル払出部3より払出されたメダルを貯留可能な受皿23や、灰皿21が設けられている。
【0046】
図2は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の制御系の一部を示すブロック図である。
【0047】
本遊技機の制御系統は、遊技機内部に配置される遊技制御装置50を主要な構成要素としている。遊技制御装置50は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御処理及び各被制御機器の制御)を行う制御装置で、CPU51、ROM52、RAM53、およびI/F(インターフェース)54を備えている。このCPU等によって表示制御手段、自動停止制御手段、変動表示開始タイミング制御手段、待機時間設定手段が実現され、遊技制御装置50がこれらの手段として機能する。
【0048】
CPU51は、制御部、演算部を備え、各種演算制御を行う他、予め定められている特別の図柄の組み合わせ態様が主ゲームにおいて形成されるようにリール4a〜4cを停止させることを許可するか否かを決定する内部抽選用の乱数を生成して内部抽選を行う。内部抽選における各入賞の当選確率は遊技媒体の賭数により変更され、賭数が多いほど当選確率が高くなるように制御している。なお、CPU51のソフトウェア処理によって内部抽選用乱数を生成する代わりに、遊技制御装置50に乱数を発生する乱数発生器を設け、該乱数発生器から出力される乱数を内部抽選用の乱数として用いて内部抽選を行うようにしてもよい。
【0049】
この内部抽選の結果(入賞フラグの成立/未成立)は、サブ制御手段としての演出制御装置60を介して表示制御装置35に送信され、前記抽選結果に基づいて補助表示装置5の補助ゲームが制御される。補助ゲームが実行される確率も遊技媒体の賭数が多いほど確率が高くなるようにして、内部抽選の結果に応じて補助ゲームを適当な頻度で実行できるようにしてもよい。なお、この補助ゲームを実行するか否かを決定する抽選は、CPU51で行うこともできるが、サブ制御手段としての演出制御装置60で行うようにしてもよい。
【0050】
ROM52には、制御処理を実行するためのプログラムや制御データ(例えば、内部抽選用の判定値)が格納されている。RAM53はCPU51で生成される内部抽選用の乱数の記憶領域や、その他の各種データ(例えば、メダルのクレジット数、メダルの賭数、成立フラグなど)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU51の作業領域を備えている。
【0051】
入出力インターフェース(I/F)54は、図示しないローパスフィルタやバッファゲートを介して、メダル検知センサ15a、スタートレバースイッチ6、各リール停止ボタン7a〜7c、リール位置検出センサ31a、31b、31c、ベットスイッチ9、10、クレジット選択スイッチ18、払い出しメダル検出センサ3a、確率設定装置32、リセットスイッチ33及び前面枠開放検出スイッチ34から入力される信号をCPU51に対して出力している。
【0052】
メダル検知センサ15aは、メダル投入口15より投入されたメダルを検知するセンサである。スタートレバースイッチ6は、スタートレバーが操作されたことを検出するスイッチである。リール停止スイッチ7a〜7cは、リール停止ボタンに各々設けられ、各リール停止ボタンが操作されたことを検出するスイッチである。リール停止スイッチ7a〜7cによって、リール停止ボタンの操作が検出されると、各々対応したリール4a〜4cの回転を停止させる。リール位置検出センサ31a〜31cは、リール4a〜4c毎に各々設けられ各リール4a〜4cの停止位置を検出するセンサである。
【0053】
1ベットスイッチ10は、1ベットボタンが押されたことを検出するスイッチである。マックスベットスイッチ9Sは、マックスベットボタンが押されたことを検出するスイッチである。クレジット選択スイッチ18Sは、クレジット選択ボタン18が押されたことを検出するスイッチである。払い出しメダル検出センサ3aは、メダル払出機3から払い出されたメダルの枚数を検出するセンサである。リセットスイッチ33は、遊技機の遊技状態をリセットするスイッチである。前面枠開放検出スイッチ34は、前面パネル2が開放されたことを検出するスイッチである。
【0054】
確率設定装置32は遊技機の設定を切り替える装置で、この設定は入賞フラグの成立する確率が異なる1〜6の設定が用意されており、設定1の入賞フラグの成立確率が一番低く、設定値が大きくなるにつれ入賞フラグの成立確率は高くなるように切り替えることができる。
【0055】
また、入出力インターフェース(I/F)54は、CPU51から出力される制御信号を、図示しない出力ポートやドライバを介して、演出制御装置(サブ制御手段)60、遊技進行表示部11、ベットライン表示部13、クレジット数表示部12、払出数表示部8、遊技状態表示部14、装飾表示部37、メダル払出部3、リール用モータ4M(4Ma〜4Mc)、外部信号出力部38、リール操作情報ランプなどに出力している。
【0056】
サブ制御装置としての演出制御装置60は、制御用CPUおよびRAM、ROM等を備えており、補助ゲームの演出に関わる情報表示や音出力等の制御を統括して行う。例えば、投入メダル検出センサ15、1ベットスイッチ10又はマックスベットスイッチ9の何れかからの検出信号により賭入力が検出されることに伴い、遊技制御装置50から送信される賭入力情報を受信することに基づいて、補助表示装置5で演出表示される補助ゲームに関する制御処理や、音出力部26で出力される補助ゲームに対応した音に関する制御処理等を行い、その制御処理に応じて表示制御信号を表示制御装置35に送信し、音制御信号を音制御装置36に送信する。
【0057】
また、演出制御装置60は、特定入賞が獲得され派手な演出が行われている特定遊技状態中に、一定時間ゲームが実行されなければ補助表示装置5の演出表示や音出力部26からの出力を小さくしたり停止させたりする制御等も行う。
【0058】
表示制御装置35は、表示制御用CPUおよびRAM、情報表示データを記憶するROM等で構成され、演出制御装置60から送信された制御信号に基づいて、後述する補助ゲームを構成する演出情報(演出パターン)を補助表示装置5に送信して表示させる。
【0059】
音制御装置26は、音制御用CPUおよびRAM、効果音データを記憶するROM及びアンプ等で構成され、演出制御装置60から送信された音制御信号に基づいて音出力部26から遊技状態に対応した効果音や前記補助ゲームに応じた所定の演出音を出力させる。
【0060】
また、遊技制御装置50と演出制御装置60との通信は、遊技制御装置50から演出制御装置60への単方向にのみ制御信号が送信されるような通信形態となっていて、遊技制御装置50への不正な信号が入力されるのを防止している。
【0061】
外部信号出力部38からは、稼働状況に関する各種情報(メダルの投入や払出しに関する信号や、BB状態或いはRB状態であることを示す信号等)を外部(遊技店の管理装置等)に対して出力可能となっている。また、各入賞フラグの成立に関連する情報等を含むテスト用(検査用)のデータも外部に出力可能となっている。
【0062】
カードユニット30は遊技制御装置50に接続されている。カードユニット30は遊技制御装置50に貸メダル要求信号を送信し、遊技制御装置50は、この貸メダル要求信号によって、メダル払出部3を動作させて所定数の遊技媒体を受皿23に払い出すか、所定数量の遊技媒体がクレジット数に加算する。また、遊技制御装置50はカードユニット30に貸メダル準備信号を送信し、メダル払出部3を動作させて遊技媒体を払い出す準備ができていることをカードユニット30に知らせる。このカードユニット30に関し、カードがカード挿入部30aに挿入されて、正規なカードだと判定された、カード受付状態においてのみ、変動表示ゲームが開始され、変動表示が停止可能にしてもよい。
【0063】
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置50、演出制御装置60等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置50は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は遊技制御装置50のRAM53等にバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報:変動表示ゲーム情報を含む)等に関する記憶内容を保持させる。
【0064】
図3は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)が備えているリール4に表記される図柄の配列図である。
【0065】
図3に示すように、本実施形態では、左リール4aの配列番号0、6に位置する「黒7」、左リール4aの配列番号1、10に位置する「白7」、左リール4aの配列番号2、8、11、13、18に位置する「王冠」、左リール4aの配列番号3、7、12、15、19に位置する「剣の刺さったプラム」(以下、単にプラムと称する)、左リール4aの配列番号4に位置する「人の顔を模倣したキャラクタ」(以下、BARと称する)、左リール4aの配列番号5、14、16、17に位置する「スイカ」、左リール4aの配列番号9、20に位置する「チェリー」の7種類の図柄が所定の規則に従ってリール上に配置されている。そして、リール4a〜4cを停止させたときに、有効ライン上に停止された図柄が図4に示す成立図柄列のいずれかを形成していれば対応する入賞が獲得される。
【0066】
図4は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の入賞種類、各入賞に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容との説明図である。
【0067】
本実施の形態の遊技機では、通常遊技状態において、「ビッグボーナス(BB)入賞」、「レギュラーボーナス(RB)入賞」、「リプレイ入賞」、「小役入賞(チェリー、スイカ、王冠)」又は「ハズレ」のいずれかが内部抽選によって当選される。
【0068】
BB入賞は、「黒7、黒7、黒7」、「白7、白7、白7」、「BAR、BAR、BAR」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルが15枚払い出されるとともにBB状態が発生する。
【0069】
RB入賞は、「黒7、黒7、BAR」、「白7、白7、BAR」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルが15枚払い出されるとともにRB状態が発生する。
【0070】
リプレイ入賞は、「プラム、プラム、プラム」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、リール停止後にリプレイゲームが行われる。このリプレイゲームでは、今回のメダル賭数が次回ゲームに持ち越されるので、メダルを新たにベットしなくともゲームを開始することができる。
【0071】
小役入賞は、「スイカ、スイカ、スイカ」、「王冠、王冠、王冠」、「チェリー、ANY、ANY」(「ANY」部分はどんな図柄であってもよい)の何れかが有効ライン上に停止表示されることにより確定される入賞で、小役入賞の種類に対応する枚数のメダルが払い出される。例えば、「スイカ、スイカ、スイカ」のときは10枚、「王冠、王冠、王冠」のときは8枚、「チェリー、ANY、ANY」のときは2枚のメダルが払い出される。
【0072】
また、JACイン入賞とは、BBの小役ゲームにおいて「プラム、プラム、プラム」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、2枚のメダルが払い出されるとともに、1枚だけメダルをベットして高確率で「プラム、プラム、プラム」が有効ライン(例えば、中段ライン)上に停止表示されるように停止制御されるJACゲームが開始される。なお、BBの小役ゲームにおいてJACイン入賞となった場合には、12回のJACゲームが終了するか又は8回のJAC入賞が獲得されるまでJACゲームは継続する。
【0073】
JAC入賞とは、JACイン入賞により開始されるJACゲームにおいて、メダルを1枚ベットしたときに「プラム、プラム、プラム」が有効ライン(例えば、中段ライン)上に停止表示された場合に確定される入賞で、15枚のメダルが払い出される。ただし、JACゲーム中は「プラム、プラム、プラム」が有効ライン上に停止表示されてもリプレイ入賞とはならずリプレイゲームは行われない。
【0074】
本実施形態の遊技機においては、遊技制御装置50によりリールの停止制御が行われ、遊技者がリール停止ボタン7a〜7cを操作したタイミングから最大4コマ進んだ位置でリール4を停止させることができる。このため、選択された停止位置テーブルに規定される停止禁止位置及び停止優先位置よって、図柄蹴飛ばし処理(S152)、図柄引き込み処理(S153)が行われる。よって、停止操作タイミングから1コマ〜4コマ進んだ位置でリール4を停止させることができる停止位置テーブルが選択されたなら、遊技者がリール停止ボタン7a〜7cを操作したタイミングで有効ライン上にある図柄とそれ以降の4コマの中にフラグが成立した入賞に対応する図柄があれば、その図柄が強制的に有効ライン上に引き込まれて停止表示される。つまり、このような停止位置テーブルが選択された場合、連続する5コマの中に存在する図柄は、遊技制御装置50による停止制御(図柄引き込み処理)によって有効ライン上に停止表示させることができる。このため、フラグが成立したときにはどのようなタイミングで停止操作を行っても、このような図柄で形成される入賞を獲得することができる。但し、別の有効ラインでフラグが成立していない図柄によって形成される入賞が発生する場合には図柄蹴飛ばし処理によって、該停止図柄の形成が排除される。
【0075】
例えば、停止操作タイミングから1コマ〜4コマの何れのコマ数が進んだ位置でもリール4を停止させることができる停止位置テーブルが選択された場合、図3に示す図柄配列図では「王冠」は連続する5コマの中に必ず存在するので、「王冠」の小役入賞は小役入賞フラグが成立すると必ず獲得することができる。また、「プラム」も連続する5コマの中に必ず存在するので、リプレイ入賞はリプレイフラグが成立すると必ず獲得することができる。ただし、遊技者が変則押し(例えば、中→右→左)をした場合等にリール停止制御が正常に機能しなくなる場合は賞を獲得することができない場合がある。
【0076】
一方、「王冠」の小役入賞およびリプレイ入賞以外の入賞は、特定の図柄を狙って停止ボタン7a〜7cを操作(目押し操作)しなければ、遊技制御装置50による停止制御が行われても必ずしも獲得することはできない。例えば、前述と同様に停止操作タイミングから1コマ〜4コマの何れのコマ数が進んだ位置でもリール4を停止させることができる停止位置テーブルが選択された場合、BB入賞のフラグが成立して、有効ライン上に「白7」を停止表示させる場合について説明する。まず、第1リール(左リール)4aには、点線L1で囲まれる図柄(配列番号1に対応する「白7」、配列番号2に対応する「王冠」、配列番号3に対応する「プラム」、配列番号4に対応する「BAR」、配列番号5に対応する「スイカ」)の何れかを有効ライン上に停止させるタイミングでリール停止ボタン7aを操作すれば、配列番号1に対応する「白7」が有効ライン上に停止する。または、点線L2で囲まれる図柄(配列番号10に対応する「白7」、配列番号11に対応する「王冠」、配列番号12に対応する「プラム」、配列番号13に対応する「王冠」、配列番号14に対応する「スイカ」)の何れかを有効ライン上に停止させるタイミングでリール停止ボタン7aを操作すれば配列番号10に対応する「白7」が有効ライン上に停止する。しかし、前述した以外の図柄でリール停止ボタン7aを操作しても「白7」の図柄を有効ライン上に停止表示させることはできない。
【0077】
同様に、第2リール(中リール)4aには点線Cで囲まれる図柄の何れかを有効ライン上に停止させるタイミングでリール停止ボタン7bを操作すれば配列番号15に対応する「白7」が有効ライン上に停止し、第3リール(右リール)4aには点線Rで囲まれる図柄の何れかを有効ライン上に停止させるタイミングでリール停止ボタン7cを操作すれば配列番号5に対応する「白7」が有効ライン上に停止する。このような目押し操作を行うことによって「白7」を有効ライン上に3つ停止表示させることができ、BB入賞を獲得することができる。
【0078】
図5は、本実施形態の遊技機(パチスロ機)における遊技状態の状態遷移図である。
【0079】
遊技状態は通常状態、BB状態、RB状態の3つに大別される。通常状態においては、遊技者による所定数(通常1〜3枚)の遊技媒体(本実施の形態ではメダルであるが、遊技球を用いてもよい)の投入操作、あるいはクレジットからの賭けボタン操作(ベット操作)に基づく賭数の入力後、スタートレバー6を操作することによってリールが回転して可変表示ゲームが開始すると共に、ゲーム毎に内部抽選が行われる。
【0080】
遊技者がスタートレバー6を操作して、直ちにリールが回転を開始しない場合があり、この時間を「ウェイトタイム」という。この「ウェイトタイム」は、連続して遊技がされた結果、遊技者が過剰に遊技価値を消費しないように、所定時間内の実行可能ゲーム数を制限するために設けられているものである。このウェイトタイム中では、直ちにリールが回転を開始しないようにしたり、リール停止ボタンに備えられたランプや、リール背面のランプを消灯して、ウェイトタイムであることを明らかにする。
【0081】
そして、この遊技機には、ゲームの実行に関連して各種入賞に当選するか否かの抽選を予め行う機能(内部抽選機能)が備えられており、スタートレバー6の操作によって、内部抽選用の乱数に基づいて内部抽選が行われる。この内部抽選に当選した場合に入賞フラグが立てられ、所定の入賞役(入賞態様)の発生が許可される。すなわち、内部抽選に当選し、入賞フラグが立てられた場合に限り、所定の図柄が有効ライン上に停止して入賞態様を形成することを許可され、極力入賞を獲得できるようにリール制御が行われる。このように、内部抽選によって、BB入賞、RB入賞、小役入賞、リプレイ入賞、JAC入賞、ハズレの何れかが決定される。
【0082】
すなわち、可変表示ゲームでは、遊技者の停止操作によって狙った図柄が確実に停止するのではなく、遊技機の制御手段の制御処理で許可された図柄の組み合わせのみが遊技者の操作により停止可能に構成されており、遊技制御装置50が、例えば、スタートレバー操作をきっかけとするタイミングで乱数を抽出し、その乱数を判定した結果に基づいて何れかの入賞役(入賞フラグ)の発生を許可するか否かを決定する処理を行い、こうした決定に基づく図柄の組み合わせが遊技者の操作により、また自動停止制御が働いた場合に停止可能となっている。
【0083】
BB入賞とは、高確率で小役入賞を獲得しやすい小役ゲームと高確率でJAC入賞を獲得しやすいJACゲームとを所定の回数遊技できるビッグボーナス(BB)状態を発生させる入賞態様である。RB入賞とは、高確率でJAC入賞を獲得しやすいJACゲームを所定の回数遊技できるレギュラーボーナス(RB)状態を発生させる入賞態様である。小役入賞とは、比較的少量(例えば、10枚以下)のメダルが払い出されるのみの入賞態様である。リプレイ入賞とは、メダルをベットすることなく再度ゲームが可能となる入賞態様である。JAC入賞とは、1枚のメダルをベットするだけで比較的多数(例えば、15枚)のメダルが払い出される入賞態様である。特に、BB入賞やRB入賞は、遊技者に有利な特別遊技状態(BB状態、RB状態)を導出する特定入賞と称される。この特別遊技状態では、小役入賞に比較して大量(例えば、100枚以上)の遊技媒体の獲得が期待できる。
【0084】
そして、リールの回転(図柄の可変表示)は、遊技者が各リール4a〜4cに対応して各々備えられたリール停止ボタン7a〜7cを操作することにより又は所定時間後(リールの回転開始から定められた時間の経過後)自動的に、各リールの回転を順次停止して、停止表示態様が確定する。そして、リールが停止した際に、前記賭数に応じて有効化された有効ライン上に形成された図柄の組合せ態様が、予め定められた所定の組合せ態様(入賞態様)となった場合に入賞が確定し、入賞種類に対応して利益(遊技媒体)が遊技者に付与される。
【0085】
具体的には、通常状態での内部抽選の結果、BB入賞のフラグが成立すると、停止表示態様が所定の図柄組合せ態様(例えば、「白7、白7、白7」)となることにより遊技状態はBB状態となり、ビッグボーナスゲーム(小役ゲーム+JACゲーム)が開始される。BB状態でビッグボーナスゲームの終了条件が成立した後は通常状態に移行し、通常ゲームが再開される。
【0086】
また、通常状態での内部抽選の結果、RB入賞のフラグが成立すると、停止表示態様が所定の図柄組合せ態様(例えば、「白7、白7、BAR」)となることにより遊技状態はRB状態となり、レギュラーボーナスゲーム(JACゲーム)が開始される。RB状態で所定回数のJACゲームが終了された後は通常状態に移行し、通常ゲームが再開される。
【0087】
内部抽選によりRB入賞やBB入賞等の特定入賞に当選した場合には、そのゲームで入賞態様が形成されなくても、可変表示ゲームを実行した結果、ハズレあるいは小役の図柄停止状態となるときに通常では出現しない予め定められた組合せ態様(リーチ目)を形成させる。このリーチ目の結果態様が出現することによって、遊技者にビッグボーナス等の特定入賞のフラグが成立(特定入賞に当選)したことを報知し、遊技者は以降の可変表示ゲームでビッグボーナス等の図柄を真剣に揃えるようにする。
【0088】
また、小役の入賞フラグが成立したときに、乱数を用いて特定の停止順を選択しておき、この特定の停止順で遊技者がリールの停止操作をした場合にのみ、この小役に対応する図柄が停止し、特定の停止順以外で遊技者が停止操作をした場合には小役が成立せずに、この小役の入賞フラグは消滅するようになっている。
【0089】
一方、内部抽選に当選しなかった場合(入賞フラグ不成立)は、遊技者がいかなるタイミングでリールの停止操作を行っても、所定の図柄が有効ライン上に停止して入賞態様を形成しないようにリール制御が行われる。したがって、ビッグボーナス等のフラグが成立していなければ、遊技者がビッグボーナス等の図柄を狙って停止させようとしても、ビッグボーナス等の図柄で停止することはない。
【0090】
すなわち、いつでもリール停止操作のタイミングが合えば入賞態様を形成することができるというものではなく、前記内部抽選に当選した上でリール停止操作のタイミングが合ったときに限り所定の入賞態様が形成されるようになっている。このように内部抽選結果に基づいてリールの停止制御を行うことにより、内部抽選の結果通りに遊技結果を制御することがある程度可能となる。
【0091】
また、本実施の形態の遊技機で、遊技者をアシストする遊技状態(AT状態)を有するように構成してもよい。このAT状態では小役の入賞フラグが成立したこと及び入賞フラグの成立した小役の種類を遊技者に報知して、遊技者が小役を取りこぼさないようにする。また、AT状態で、小役を導出する特定の停止順を遊技者に報知するようにしてもよい。
【0092】
また、主ゲームを構成する3つのリール以外に別個に設けられた補助表示装置5によって主ゲームに関わる補助ゲームを演出するようにした遊技機も提案されている。例えば、補助表示装置5でさまざまな演出表示による補助ゲームを行う。また、主ゲームを構成する3つのリール以外に、入賞種類を示唆する図柄の配置された第4のリールを設け、第4のリールを変動表示させるようにした補助ゲームを行うものも提案されている。これらの補助ゲームによって、リールで行われる主ゲームでは表現できない興趣性の高い演出ゲームを行うことができる。また、リールを停止表示させたときに特定の入賞態様(特定入賞となる図柄組合せ態様)を形成できなくても、同時に行われていた補助ゲームで特定の結果を導出することで、特定入賞のフラグが成立したことを遊技者に報知することができる。また、遊技者がリールの停止表示態様として形成されるリーチ目を把握していなくても、補助ゲームの結果により特定入賞のフラグの成立を知ることができるので、遊技者が遊技に対して不公平感を感じることが少なくなる。
【0093】
さらに、補助ゲームにおいてより興趣性の高い演出を行わせるために、複数の途中態様を用意して演出態様を段階的に発展させ、最終的に内部抽選の結果に応じた演出態様を導出するようにしてもよい。
【0094】
図6は、ビッグボーナスゲームの状態遷移図である。
【0095】
所定の図柄組合せ態様(例えば、「白7、白7、白7」)が有効ライン上に停止されBB入賞が発生すると、通常ゲーム時に比べて高い確率で小役入賞を獲得できる小役ゲーム状態となる。この小役ゲーム状態における遊技は通常状態と同様に進行され、例えば、メダルを3枚投入して、有効ライン上に「スイカ、スイカ、スイカ」の図柄列が停止表示された場合にはメダルが10枚払い出され、有効ライン上に「王冠、王冠、王冠」の図柄列が停止表示された場合にはメダルが8枚払い出され、有効ライン上に「チェリー、ANY、ANY」(「ANY」部分はどんな図柄であってもよい)の図柄列が停止表示された場合にはメダルが2枚払い出される。
【0096】
そして、小役ゲーム状態において、例えば、「プラム、プラム、プラム」の図柄列が有効ライン上に停止表示された場合にJACインとなり、2枚のメダルが払い出されるとともに、小役ゲームが一時中断され高確率でJAC入賞を獲得できるJACゲーム状態となる。なお、小役ゲーム中に特定の図柄が有効ライン上に停止表示された場合にJACインとなるが、即座にJACゲームに移行するのではなく、リール装置4とは別に設けられた補助表示装置5でJACインに関するゲームを行い、そのゲーム結果に基づいてJACゲームが発生するようにしてもよい。
【0097】
JACゲーム状態では、メダルの賭数は1枚とされ、この1ベットに対応する有効ライン(例えば、中段横ライン)上に「プラム、プラム、プラム」の図柄列が停止表示されるとJAC入賞となりメダルが15枚払い出される。このJACゲームは最大12回まで実行可能となっており、12回目のJACゲームが終了すると小役ゲームが再開する。但し、JACゲームが12回に達する前にJAC入賞が8回獲得された場合には、8回目のJAC入賞を以てJACゲームは終了され、小役ゲームが再開する。
【0098】
また、BB中の小役ゲームは、最大30回まで実行可能となっており(JACインしたゲームは含み、JACインした後のJACゲームは含まない)、小役ゲームが30回消化された時点でBBゲームは終了となる。但し、小役ゲームが30回消化されるまでに3回JACインした場合には、3回目のJACインによるJACゲームの終了を以て当該BBゲームは終了となる。そこで、遊技者は、所定回数の小役ゲームを消化するまでは、有効ライン上に「プラム、プラム、プラム」の図柄列が停止表示されないように(3回目のJACゲームが行われないように)する、いわゆる「リプレイ外し」を行う。
【0099】
ちなみに、RB入賞は、所定の図柄組合せ態様(例えば、「白7、白7、BAR」)が有効ライン上に停止されRB状態が発生すると同時にJACインとなり、このJACインにより15枚のメダルが払い出されるとともに、高確率でJAC入賞を獲得できるJACゲームが開始する。そして12回目のJACゲームが終了するか、またはJACゲームが12回に達する前にJAC入賞を8回獲得するとRB状態は終了して、通常状態に移行する。
【0100】
図7は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の、通常状態の遊技制御処理のフローチャートである。
【0101】
この遊技制御処理では、最初にベットを受け付けてゲーム開始条件が成立しているかを判定する(S101〜S102)。
【0102】
具体的には、まず、メダルがベットされた状態であるか否かを判定する(S101)。この判定処理では、前回のゲームの結果としてリプレイゲームの権利が発生している場合(前回のゲームでベットされたメダルの持ち越しが有る場合)、メダル投入口15より少なくとも1枚以上のメダルが投入された場合、又は、RAM53に少なくとも1枚以上のメダルがクレジットとして記憶されている状態で1ベットボタン10若しくはマックスベットボタン9が操作された場合の何れかに該当するときに、メダルがベットされた状態であると判定する。
【0103】
例えば、メダル投入口15よりメダルが投入されると、投入されたメダルがメダル検出センサ15aによって検出され、該検出信号が遊技制御装置50に入力される。そして、その検出信号に基づいて、メダルの賭数が記憶されるとともに、その賭数に対応する有効ラインがベットライン表示部13により表示される。但し、賭数には、所定の上限値(例えば、3枚)が設定されており、例えば、クレジット選択ボタン18により「非クレジット状態」が選択されている状態において、賭数の上限値を超えるメダルがメダル投入口15より投入された場合には、超えた分のメダルは賭数に加算されずに受皿23へと返却される。一方、クレジット選択ボタン18により「クレジット状態」が選択されている状態において、賭数の上限値を超えるメダルがメダル投入口15より投入された場合には、超えた分のメダルがクレジット数に加算されるとともに、その加算結果がクレジット数としてクレジット数表示部12に表示される。
【0104】
ステップS101でメダルがベットされた状態であると判定された場合にはスタートスイッチ監視処理(S102)へ進む。一方、メダルがベットされた状態でないと判定された場合には、メダルがベットされるまでこの処理が繰り返されて、ステップS102で待機する。
【0105】
次に、スタートレバースイッチ6aからの信号に基づきスタートレバー6が操作されたか否かを判定する(S102)。スタートレバー6が操作されたと判定した場合には、内部抽選用の乱数を抽出する処理に進む(S103)。一方、スタートレバー6の操作が検出されない場合にはスタートレバー6が操作されるまでこの処理が繰り返されて、ステップS103で待機する。
【0106】
そして、スタートレバー6の操作に基づいて内部抽選用の乱数を抽出する(S103)。なお、スタートレバー6の操作時以外に、ベット時や、リール4a〜4cの回転開始時等のタイミングで内部抽選用の乱数を抽出するように構成してもよい。
【0107】
さらに、ステップS103では、前回ゲームにおける各リール4a〜4cの回転開始から一定時間(例えば、4.1秒)経過しているか否かの判定を行い、一定時間経過していると判定した場合には抽選処理(S104)以後の処理に進み、一定時間経過してないと判定した場合には遊技開始までの待ち時間を消化した後(すなわち、前回ゲームにおける各リール4a〜4cの回転開始から一定時間経過した後)、抽選処理(S104)以後の処理に進むように構成してもよい。この遊技開始までの待ち時間消化中は、遊技状態表示部14の「WAIT」表示が点灯する。なお、この待ち時間を消化する待機処理は、スタートスイッチの操作(S102)からリール停止(S106)までの何れのタイミングで行ってもよく、ウェイトタイムの経過を待たずにリールの回転は開始するが、ウェイトタイム中はリールの回転が停止しないように構成してもよい。
【0108】
そして、該抽出した乱数と予めROM52に記憶されている判定値とを比較して内部抽選を行う(S104)。なお、この判定値は賭数や遊技台の設定値によって変化する。この内部抽選結果に基づいて各種入賞(例えば、小役、BB、RB、リプレイなど)に当選したか否かが決定され、当選した場合には当選した入賞に対応する入賞フラグが設定される。
【0109】
そして、補助表示装置5において行われる演出に関する指令信号を演出制御装置60に対して出力するコマンド出力処理を行う(S105)。
【0110】
そして、リール駆動用モータ4Ma〜4Mcに制御信号を送って各リール4a〜4cの回転を開始させるリール回転開始処理を行う(S106)。具体的には、遊技制御装置50は、スタートレバースイッチ6aからの検出信号の入力に基づき、リール駆動用モータ4Ma〜4Mcに対してリール4a〜4cの回転開始を指示する制御信号を送信して、各リール4a〜4cを一斉に回転を開始させる。そして、スタートレバー6が操作されてから所定時間が経過すると、各リール停止ボタン7a〜7cが操作可能な状態になるように制御する。なお、本発明のリール回転開始タイミングはこのステップS106において制御される。
【0111】
そして、遊技者がリール停止ボタン7a〜7cを操作するとリール4a〜4cを停止させるリール停止処理を行う(S107)。このリール停止処理では、遊技者が各リール停止ボタン7a〜7cを操作したタイミングと入賞フラグの成立状態とに基づいて、リール4a〜4cの停止位置を決定し、この決定に基づいてリール駆動用モータ4Ma〜4Mcに対して制御信号を出力する。例えば、何れかの入賞フラグが成立している状態においては、その入賞に対応する図柄が有効ライン上に停止表示されるように、リールの引き込み制御が行われる。すなわち、遊技者がリール停止ボタン7a〜7cを操作したときに有効ライン上に本来停止表示されるべき図柄、或いはそれに続く数コマ分(例えば、4コマ分)の図柄の中にフラグが成立した入賞に対応する図柄が含まれる場合には、その入賞に対応する図柄が有効ライン上に優先的に停止表示されるように、各リール4a〜4cの停止制御が行われる。
【0112】
ただし、スタートレバー6が操作されてから一定時間(例えば、30秒以上)経過しても遊技者によって各リール停止ボタン7a〜7cの停止操作が行われない場合には、遊技制御装置50は各リールのゲーム開始前の状態と成立した入賞フラグとに基づいて決定したリールの停止位置に従ってリール駆動用モータ4Ma〜4Mcに対して制御信号を出力し、各リール4a〜4cの回転を自動的に停止させる。そして、リール位置検出センサ31a〜31cによって各リールの停止位置を検出する。
【0113】
続いて、リールの停止表示態様に基づいて入賞判定処理を行う(S108)。この入賞判定処理では、リール位置検出センサ31a〜31cが検出した各リールの停止位置の検出結果に基づいて、何れかの入賞(例えば、小役、BB、RB、リプレイなど)に対応する停止表示態様が有効ライン上に形成されているか否かに基づいて入賞が獲得されたかを判定する。
【0114】
この入賞処理において入賞が獲得されたと判定された場合には、所定枚数のメダルの払出処理を行う(S109)。この払出処理では、入賞判定処理(S108)においてリプレイゲーム以外の入賞が確定していると判定された場合に、メダル払出部3に制御信号を送って、確定した入賞態様に応じた数のメダルを払い出す処理又は入賞態様に応じたメダル数をクレジット数の記憶に加算する処理を行う。そして、小役やリプレイゲームの入賞フラグをクリアする処理等を行う。また、この払出処理では、入賞判定処理(S108)においてリプレイゲームの発生が決定された場合には今回のゲームで記憶された賭数を次回ゲームに持ち越す処理を行い、リプレイゲームの発生が決定されなかった場合には賭数の記憶をクリアする処理を行う。この払出処理が終了すると、一連の遊技制御処理が終了されて1ゲームが終了する。
【0115】
図8は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の、リール回転処理のフローチャートであり、前述した遊技制御処理(図7)のステップS106において実行される。
【0116】
まず、変動開始タイミングの制御の有無を判断する(S111)。例えば、所定の入賞フラグ(例えば、BBフラグ)の成立時には、変動開始タイミングの制御を行う。また、BB小役ゲーム中や、CT、AT等の遊技状態中や、成立フラグに対応する役の獲得の失敗が所定回数となったときに、所定の停止態様を得るためにリールの回転開始タイミングを制御する場合には(S111で”有”)、遅延時間算出処理(図9参照)によって各リールの回転開始タイミングを算出して、ステップS112に進む。一方、変動開始タイミングの制御が不要な場合には(S111で”無”)、ウェイト時間の経過を待って(S120)、全リールの回転を開始する(S121)。このウェイト時間は、リールの変動表示結果を導出させない時間として設定されているものである。
【0117】
そして、各リールの回転開始タイミングを制御するために必要とされる時間の有無を判定する(S112)。例えば、遅延時間算出処理(図9参照)によって算出された第3リール回転開始(S118)までの遅延時間が、ウェイトタイムを超えないかを判定する。また、ステップS112では、リール回転開始タイミング制御を行う他の条件を満たしているかも判定する。リールの回転開始タイミングを制御するための時間が有れば(S112で”有”)、ステップS113に進み、各リールの回転開始タイミングを制御する。一方、リールの回転開始タイミングを制御するための時間が不足すれば(S112で”無”)、リールの回転開始タイミングの制御をすることなく、ウェイト時間の経過を待って(S120)、全リールの回転を開始する(S121)。
【0118】
ステップS113からは、予め計算された各リールの回転開始タイミングに合わせて各リールの回転を開始する処理を行う。まず、第1リールの回転開始タイミングかを判定し(S113)、回転開始タイミングであればステッピングモータ4Mを駆動して第1リールの回転を開始する(S114)。次に、第2リールの回転開始タイミングかを判定し(S115)、回転開始タイミングであればステッピングモータ4Mを駆動して、第2リールの回転を開始する(S116)。そして、第3リールの回転開始タイミングであるかを判定し(S117)、回転開始タイミングであればステッピングモータ4Mを駆動して、第3リールの回転を開始する(S118)。このリールの回転開始順序は、通常は左中右の順であるが、これ以外の他の順序であってもよい。なお、前述したリールの回転開始タイミングは、図9を用いて後述する遅延時間算出処理によって決定される。
【0119】
そして、ウェイト時間が経過しているかを判定し(S119)、ウェイト時間が経過していれば、リール回転処理を終了して、遊技制御処理(図7)に戻って、リール停止処理(S107)を実行する。
【0120】
すなわち、リールの回転開始タイミングを制御する場合には、ウェイトタイムの範囲内でリールの回転開始タイミングを決定してリールの回転を開始し、ウェイトタイム経過後にリールの停止を許可する。一方、リールの回転開始タイミングを制御しない場合には、ウェイトタイム経過後にリールの回転を許可して、リールの回転を開始する。
【0121】
なお、前述したリール回転処理において、リールの回転開始タイミングを制御することが決定されたら(S112にて”有”)、補助表示装置5又はその他のランプ等の表示装置に所定の表示を行って、停止操作をしなければ遊技者に有利な図柄の結果態様が導出されることを遊技者に報知するように構成してもよい。また、補助表示装置5又はその他のランプ等の表示装置に所定の表示を行って、特定の結果態様を導出する条件としての入賞フラグが成立していることを報知するように構成してもよい。
【0122】
図9は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の、変動開始遅延時間算出処理のフローチャートであり、前述したリール回転処理(図8)のステップS111とS112の間において実行される。
【0123】
まず、リール位置検出センサ31aによって、第1リールの現在の停止位置を検出する(S161)。この停止位置は、中段の横ライン(ベット数が1枚のときの有効ライン)を基準として検出される。
【0124】
そして、成立している入賞フラグを判定して、この入賞フラグに対応する入賞役に対応する図柄の位置を算出する(S162)。この入賞フラグに対応する図柄位置も、中段の横ライン(ベット数が1枚のときの有効ライン)を基準として検出される。
【0125】
このとき、リール上に同じ図柄が複数存在する場合には、予め定められた位置に配置された図柄の位置を算出し、該図柄の位置を入賞役を導出する図柄の位置として用いて、変動表示開始タイミング(変動開始遅延時間)を算出する。
例えば、複数あるチェリーの内の一つに停止させる場合、いずれの図柄が、現在の停止位置に近いかの判断をその都度行う必要がなく、予め定められた図柄が表示されるように停止制御することが可能になるので、複数役の同時成立を排除する制御等の複雑な計算が不要となり、変動表示開始遅延時間算出処理を簡素化することができる。より具体的には、図3に示すリールの図柄配置において、左リールの停止図柄を2(王冠)、3(プラム)、5(スイカ)、6(黒7)、9(チェリー)のいずれかとし、中リールの停止図柄を0(黒7)、1(王冠)、2(スイカ)、3(プラム)、6(黒7)のいずれかとし、右リールの停止図柄を2(王冠)、3(チェリー)、4(スイカ)、13(BAR)のいずれかとすると、他の図柄に停止させなくても、図4に示す全ての役を導出することができる。
【0126】
そして、検出された第1リールの現在の停止位置と算出された停止すべき図柄の位置との相対的位置関係によって、図柄の位相差を算出する。すなわち、現在の停止図柄と変動表示後に停止すべき図柄とがズレ量が何図柄分かを算出する。
【0127】
そして、予め記憶された遅延時間テーブルを参照して(S164)、図柄のズレ量から回転開始の遅延時間t1を算出する(S165)。
【0128】
すなわち、第1リールの自動停止時間は、自動停止までリールが回転する所定時間T及び回転開始前の図柄の位置とにより算出される自動停止時の図柄の位置と、成立している入賞フラグに対応する図柄の位置との位相差(位置差)に相当する時間を減じた回転時間となるように、遅延時間t1が算出される。
【0129】
同様に、第2リール(次に回転を開始するリール)の回転開始遅延時間t2及び第3リール(最後に回転を開始するリール)の回転開始遅延時間t3は、自動停止までリールが回転する所定時間T、回転開始前の図柄の位置、成立している入賞フラグに対応する図柄の位置及び既に停止しているリールの停止位置(停止図柄)を勘案し、所定時間の回転後にリールが自動的に停止すると、内部抽選の結果成立している入賞フラグに対応する図柄で停止するように回転停止の遅延時間が算出され、決定される。
【0130】
なお、この遅延時間算出処理は、前述したように特定の結果態様を導出させるように遅延時間を計算したが、成立している入賞フラグの状態によっては、特定の結果態様を導出させないような遅延時間も計算をする。すなわち、BB状態(特別遊技状態)での小役ゲーム(第2の入賞を獲得可能な第2の特別ゲーム)の進行が予め定めた進行数に満たない場合に、最後のJACゲーム(所定回数遊技可能な、第1の入賞を獲得可能な特別ゲーム(特定遊技状態))開始条件となる結果態様を導出させないように、各リールの回転開始遅延時間が制御される。
【0131】
図10は、図柄の位相差による左リール(第1リール)の回転開始遅延時間を表す図表である。
【0132】
すなわち、自動停止時の図柄の位置と成立している入賞フラグに対応する賞を導出する図柄の位置との位相差(位置差)に応じて、遊技制御装置のROM52に予め記憶されたこのテーブルを参照して、遅延時間が定められる。
【0133】
図11は、図柄の位相差による中リール(第2リール)の回転開始遅延時間を表す図表である。
【0134】
中リールでも、左リールと同様に、自動停止時の図柄の位置と成立している入賞フラグに対応する賞を導出する図柄の位置との位相差(位置差)に応じて、遊技制御装置のROM52に予め記憶されたこのテーブルを参照して、遅延時間が定められる。
【0135】
この中リール用の遅延時間テーブルは、左リール用の遅延時間テーブルと比べ、少なくともリール1回転分(798ミリ秒)遅延時間が多く設定されており、中リールが左リールより少なくとも1回転分遅く回転を開始するようになっている。
【0136】
図12は、図柄の位相差による右リール(第3リール)の回転開始遅延時間を表す図表である。
【0137】
右リールでも、他のリールと同様に、自動停止時の図柄の位置と成立している入賞フラグに対応する賞を導出する図柄の位置との位相差(位置差)に応じて、遊技制御装置のROM52に予め記憶されたこのテーブルを参照して、遅延時間が定められる。
【0138】
この右リール用の遅延時間テーブルは、左リール用の遅延時間テーブルと比べ、少なくともリール2回転分(1596ミリ秒)遅延時間が多く設定されており、右リールが中リールより少なくとも1回転分遅く(左リールより2回転分遅く)回転を開始するようになっている。
【0139】
図13は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の、リール停止処理1のフローチャートである。
【0140】
まず、予め定められたリールの回転時間(自動停止時間)が経過しているか否かを、リールの回転時間を計測するタイマがタイムアップしているか否かで判定する(S131)。このタイマは、第1リールの回転開始から、第1リールの回転停止までを計時するものである。所定のタイマがタイムアップし、リールの回転時間が経過していれば(S131で”Y”)、遊技者の操作なしにリールを停止させる自動停止処理(S140〜S145)に移行する。一方、リールの回転時間が経過していなければ(S131で”N”)、遊技者がリールを停止させるため手動停止処理(S132〜S139)に移行する。
【0141】
手動停止処理では、リール停止スイッチ7a〜7cの出力を検出し、停止操作がされたか否かを判断する(S132)。そして、停止操作がされておらず、リール停止スイッチ7a〜7cの出力が検出されなければ、ステップS131に戻り、さらにリールの回転時間が経過しているかを判定する。一方、リール停止スイッチ7a〜7cの出力によって、停止操作がされたことが検出されたなら(S132で”YES”)、どのリール停止スイッチが操作されたのかを判定する(S133、S135、S137)。第1リール停止スイッチの操作が検出されたなら(S133)、ステッピングモータ4Mの動作を停止して、第1リールの回転を停止する(S134)。また、第2リール停止スイッチの操作が検出されたなら(S135)、ステッピングモータ4Mの動作を停止して、第2リールの回転を停止する(S136)。また、第3リール停止スイッチの操作が検出されたなら(S137)、ステッピングモータ4Mの動作を停止して、第3リールの回転を停止する(S138)。このとき各リールの停止処理(S134、S136、S138)において、リール停止処理2(図14)によって、図柄蹴飛ばし処理(S152)及び図柄引き込み処理(S153)が実行されて停止図柄が決定される。そして、全リールが停止したか否かを判定し(S139)、全リールが停止すれば、リール停止処理1を終了して、遊技制御処理(図7)に戻る。一方、一部のリールが回転していれば、ステップS131に戻り、さらにリールの回転時間が経過しているか否かを判定する。すなわち、このとき各リールの停止操作(S132)はリールの停止の契機を与えるだけであり、後述する図柄蹴飛ばし処理(S152)及び図柄引き込み処理(S153)によって停止図柄が決定される。
【0142】
自動停止処理(S140〜S145)では、各リールが停止しているかを判定し、停止していないリールについて順次停止処理を行う。まず、第1リールが停止しているか否かを判定し(S140)、第1リールが停止していなければ、所定のリール回転時間の経過後にステッピングモータ4Mの動作を停止して、第1リールの回転を停止する(S141)。次に、第2リールが停止しているか否かを判定し(S142)、第2リールが停止していなければ、第1リールの停止から所定の回転停止遅延時間の経過後にステッピングモータ4Mの動作を停止して、第2リールの回転を停止する(S143)。そして、第3リールが停止しているか否かを判定し(S144)、第3リールが停止していなければ、第2リールの停止から所定の回転停止遅延時間の経過後にステッピングモータ4Mの動作を停止して、第3リールの回転を停止する(S145)。この各リールの停止処理(S141、S143、S145)においても、各リール停止処理2(図14)が実行されて停止図柄が決定される。すなわち、このとき各リールの停止処理(S141、S143、S145)の開始はリールの停止の契機を与えるだけであり、後述する図柄蹴飛ばし処理(S152)及び図柄引き込み処理(S153)によって停止図柄が決定される。
【0143】
図14は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の、リール停止処理2のフローチャートである。リール停止処理2は、リール停止処理1(図13)にて各リールの停止図柄を決定し、リールの回転を停止するために実行される処理である。
【0144】
抽選によって選択された入賞フラグ及び既に停止しているリールの図柄によって停止位置テーブルを選択する(S151)。この停止テーブルは、停止操作や自動停止タイミングの到来等によって停止処理が開始されたタイミングからの移動可能コマ数が記載されているものであり、成立している入賞フラグ、選択されたテーブル及び既に停止しているリールによって表示されている図柄に基づいて、図柄蹴飛ばし処理(S152)、図柄引き込み処理(S153)が行われる。
【0145】
図柄蹴飛ばし処理(S152)では、内部抽選の結果所定条件が成立していないときに(例えば、入賞フラグの何もが成立していないときに)、リール停止ボタン7a〜7cを操作したタイミングで有効ライン上にある図柄とそれ以降の4コマの中にフラグが成立した入賞に対応する図柄があれば、停止テーブルの停止禁止情報に基づいて、その図柄で停止しないように強制的に有効ラインから外して、他の図柄で停止するように停止図柄を選択する。
【0146】
また、図柄引き込み処理(S153)では、内部抽選の結果所定条件が成立(例えば、BBフラグが成立)すると、リール停止ボタン7a〜7cを操作したタイミングで有効ライン上にある図柄とそれ以降の4コマの中にフラグが成立したBB入賞に対応する図柄があれば、停止テーブルの停止優先情報に基づいて、その図柄を優先的に有効ライン上に引き込んで、他の図柄で停止するように停止図柄を選択する。
【0147】
そして、図柄蹴飛ばし処理(S152)によって決定された停止が禁止される図柄、及び、図柄引き込み処理(S153)によって決定された強制的に停止される図柄に基づいてリールの停止位置を決定して、停止図柄を設定する(S154)。そして、決定された停止位置でリールを停止させて、停止図柄が導出表示される。
【0148】
図15は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)のリールの回転動作を示すタイミング図である。
【0149】
遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作するとスタート信号が発生して、リールが回転を開始する。具体的には、スタート信号の立ち上がりから遅延時間t1後に最初に回転を開始する第1リール(例えば、左リール)が回転を開始する。そして、スタート信号から遅延時間t2後に、次に回転を開始する第2リール(例えば、中リール)が回転を開始し、スタート信号から遅延時間t3後に、最後に回転を開始する第3リール(例えば、右リール)が回転を開始する。
【0150】
以上のように定められた回転開始遅延時間は、第3リールの回転開始時間までの遅延時間t3が、ウェイトタイムWTを超えないように設定して、遊技者が単位時間内に実行できる変動表示ゲーム数が減少して遊技者に不利益を与えないようにしている。なお、ウェイト時間(WT)中はリールの回転を停止することができず、変動表示結果が導出されない時間である。
【0151】
そして、第1リールの回転開始から、予め定められたリールの回転時間(変動表示時間)の間、遊技者がリールの停止操作をしなかったときに、リールの回転時間経過後に第1リールの回転が停止する。そして、第1リールの回転停止から遅延時間t'4遅れて第2リールの回転が停止し、第2リールの回転停止から遅延時間t'5遅れて第3リールの回転が停止する。このリールの定時時間差t'4、t'5は、予め定められた停止遅延時間t4、t5(例えば、798ミリ秒)に、前述した図柄蹴飛ばし処理及び図柄引き込み処理によって決定される図柄のすべり誤差Δtを加えた時間であり、下式で表される。
t'4=t4+Δt
t'5=t5+Δt
すなわち、第1に回転した第1リールの回転停止から予め定められた時間t4後に第2に回転した第2リールの停止処理が開始され、第2に回転した第2リールの回転停止から予め定められた時間t5後に第3リールの停止処理が開始される。
【0152】
なお、図16に示すように、第2リールの回転開始タイミングは既に回転している第1リールの回転状態(回転開始タイミング、停止タイミング)に基づいて、第1リールとの回転開始タイミングの間隔(t2)を決定して、第1リールの回転開始からt2後に第2リールの回転を開始してもよい。同様に、第3リールの回転開始タイミングは既に回転しているリール(第1リール、第2リール)の回転状態(回転開始タイミング、停止タイミング)に基づいて、第2リールとの回転開始タイミングの間隔(t3)を決定して、第2リールの回転開始からt3後に第3リールの回転を開始するようにしてもよい。
【0153】
図17は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)のリールの回転を説明する図である。本図では、BBフラグが成立しており、リールが「7」で揃って停止するように各リールの回転開始タイミングが制御されて、リールが回転している状態を示す。
【0154】
各リールは、前述したように、各リールの停止タイミング差(t4、t5)に基づくタイミング差をもって回転している(図17(A))。
【0155】
リールの回転開始から所定の時間中に遊技者がリールの停止操作をしないと、所定時間の経過後に左リール(第1リール)が停止し(図17(B))、所定の停止タイミング差(t'4)後に中リール(第2リール)が停止する(図17(C))。所定の停止タイミング差(t4)後に、中リールに関するリール停止信号が与えられるが、該リール停止信号が与えられたタイミングの中リールの回転位置において、停止図柄を「7」に引き込むことができるようなタイミングで中リールは回転している。
【0156】
そして、さらに所定の停止タイミング差(t'5)後に右リール(第3リール)が停止する(図17(D))。所定の停止タイミング差(t5)後に、右リールに関するリール停止信号が与えられるが、該リール停止信号が与えられたタイミングの右リールの回転位置において、停止図柄を「7」に引き込むことができるようなタイミングで右リールは回転している。
【0157】
本発明の実施の形態において、所定の入賞フラグが成立していても、必ずしも該所定の入賞フラグに対応する賞が導出されないように構成してもよい。例えば、BBフラグが成立して、遊技者が停止操作を行わずリールが自動的に停止すると「7、7、7」が横一列に揃った状態で停止するようにする場合、表示窓内の3ライン、各リールのスベリ4図柄分を考慮すると、7/21の確率で「7、7、7」が導出されるように構成する。また、「7、7、7」が斜め一列に揃った状態で停止するようにする場合も含めると4/21の確率で「7、7、7」を導出可能されるように構成することができる。
【0158】
このように、自動停止しても停止図柄が必ず賞を導出するわけではなく、遊技者の救済が確率的に行われることで、狙わなくても図柄が揃って賞が得られるという利益を遊技者に与える一方、必ず賞を導出されるわけではないという不確実性を付加することで、遊技者の技量向上を動機付けるとともに、熟練者との間での適度なハンデを設定することができる。
【0159】
また、前述したように所定の確率で遊技者を救済する場合に、どの列(例えば、斜列、横列)に揃うと賞が導出されるかを所定の確率で、又は、遊技状態に従って振り分けるようにしてもよい。また、必ず賞が導出されるか、所定の確率で賞が導出されるかを確率的に、又は、遊技状態によって振り分けるように構成してもよい。
【0160】
このように本発明の実施の形態では、複数のリール4a〜4cに表示された識別情報の変動表示を制御する表示制御手段を遊技制御装置50に備え、前記リールが所定の結果態様を導出した場合に遊技価値を付与可能な遊技機において、遊技者が複数のリール4a〜4cを各々停止させるための操作を行うリール停止ボタン7a〜7cと、所定時間内にリール停止ボタンによる停止操作が行われない場合に、リールに表示された識別情報の変動表示を自動的に停止させる自動停止制御手段と、を遊技制御装置50に備え、遊技制御装置50(表示制御手段)には、予め定められた速度で変動表示するリール4a〜4cが、自動停止をする際に所定の結果態様を導出するように、前記各変動表示領域の変動表示開始タイミングを制御する変動表示開始タイミング制御手段を備える。すなわち、リール停止スイッチ7を操作しないことによって、遊技者が操作手段の操作によらず自動停止制御手段によってリール4a〜4cを停止させることを選択した場合に、所定の賞を構成する結果態様を導出可能としたので、操作手段の操作によって所定の賞態様を導出する自信のない遊技者に遊技の補助手段を提供することができ、技量の低い遊技者を救済することができる。また、このような遊技者を救済するために、遊技場が提供する操作代行サービスが不要となる。
【0161】
また、所定のリール回転時間内に、遊技者がリール4a〜4cの停止操作を行わなければ、リール4a〜4cが自動的に停止するように構成したので、遊技者の操作によって変動表示を停止する場合と比較すると、単位時間に実行される変動表示ゲーム数が減少するので、リール4a〜4cによる変動表示の自動停止を選択するような初心者が、変動表示の停止操作を行う熟練者と比較してゲームの進行において不利になることから、技量の異なる遊技者間で特定の遊技者が不利益となることはない。
【0162】
また、遊技制御装置50(変動表示開始タイミング制御手段)は、入賞フラグが成立しており、賞態様を導出可能な場合に、該賞態様を導出するようにリール4a〜4cの回転開始タイミングを制御するので、操作手段の操作によって所定の結果態様を導出する自信のない遊技者に遊技の補助手段を提供して、入賞フラグの成立時(例えば、BBフラグの成立時)に特定の結果態様を導出させることができ、技量の低い遊技者も遊技を有利に進行させることができる。
【0163】
また、遊技制御装置50(変動表示開始タイミング制御手段)は、遊技者に不利益を与える特定の結果態様を導出する入賞フラグが成立しており、特定の結果態様の導出が遊技者に不利益を与える場合でも、該特定の結果態様を導出しないようにリール4a〜4cの回転開始タイミングを制御するので、操作手段の操作によって所定の結果態様を導出する自信のない遊技者に遊技の補助手段を提供して、所定条件の成立時(例えば、リプレイフラグの成立時)に特定の結果態様を導出させないことができ、技量の低い遊技者も遊技を有利に進行させることができる。
【0164】
また、遊技制御装置50(変動表示開始タイミング制御手段)は、前記複数リール4a〜4cが所定の相対的位置関係となるようにリール4a〜4cの回転開始タイミングを制御するので、変動表示の自動停止までの残り時間によらずに回転開始タイミングを算出することができることから、回転開始タイミング制御における負荷を軽減することができる。
【0165】
また、遊技制御装置50(変動表示開始タイミング制御手段)は、第1停止リールの変動表示時間が結果態様を構成する図柄を有効ライン上に停止させる時間となるようにリール4a〜4cの回転開始タイミングを制御するので、回転開始タイミング決定時に停止図柄を特定できることから、技量の低い遊技者を確実に補助することができる。
【0166】
また、変動表示ゲームが所定間隔で進行するように変動表示の停止操作が有効になるまでの時間を設定するウェイトタイム設定手段を遊技制御装置50に備え、遊技制御装置50(変動表示開始タイミング制御手段)は、該設定されたウェイトタイムを超えない範囲で、前記変動表示開始タイミングを制御する。すなわち、所定の賞フラグの成立時(例えば、BBフラグの成立時)にウェイトタイムが動作するようにゲームが開始された場合には、遊技者の停止操作によらずリール4a〜4cが自動停止するときに所定の結果態様を得るように各リールの回転開始タイミングを異ならせるようにしたので、ウェイトタイムの範囲内で変動開始タイミングを制御することから、遊技テンポを損なうことなく遊技を進行することができる。
【0167】
また、特定の結果態様を導出する条件が成立していることを報知する補助表示装置5を備え、遊技制御装置50(変動表示開始タイミング制御手段)は、補助表示装置5により報知が行われた場合に変動表示開始タイミングを制御するので、遊技者が変動表示開始タイミングが制御されるかが分かることから、変動表示開始タイミングが制御されない場合にも、遊技者が変動開始タイミングの制御を期待して自動停止まで待つことがないので、遊技機の稼動の低下を防止することができる。
【0168】
また、遊技制御装置50(変動表示開始タイミング制御手段)は、所定の遊技条件の成立中に変動表示開始タイミングを制御するので、いつでも変動表示開始タイミングが制御されるものではないことから、変動表示開始タイミングが制御されない場合にも、遊技者が変動開始タイミングの制御を期待して自動停止まで待つことがないので、遊技機の稼動の低下を防止することができる。
【0169】
また、ベット数を異ならせるベットボタン9、10及び遊技制御装置50によって、停止態様の有効ラインを異なって設定する有効ライン設定手段を構成し、遊技制御装置50(変動表示開始タイミング制御手段)は、複数の賭数に共通する有効ライン上に特定の結果態様を導出するように変動表示開始タイミングを制御するので、異なる賭数でも遊技機の制御を共通化することができる。
【0170】
また、遊技制御装置50(変動表示開始タイミング制御手段)は、複数個、同一の図柄が表されている場合に、予め定められた位置に配置された図柄によって、特定の結果態様を導出するように変動表示開始タイミングを制御するので、リール上に複数設けられている図柄に停止させる場合であっても、現リール位置と停止目標図柄との位置関係が一意に決まることから、遅延時間算出処理による変動表示開始タイミングの決定を簡素化することができる。
【0171】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の遊技機の構成を示す正面図である。
【図2】 同じく制御系の一部を示すブロック図である。
【図3】 同じくリールの図柄の配列図である。
【図4】 同じく入賞態様を示す説明図である。
【図5】 同じく遊技状態の状態遷移図である。
【図6】 同じくビッグボーナスゲームの状態遷移図である。
【図7】 同じく通常状態の遊技制御処理のフローチャートである。
【図8】 同じくリール回転処理のフローチャートである。
【図9】 同じく変動開始遅延時間算出処理のフローチャートである。
【図10】 同じくリールの回転開始遅延時間を表す図表である。
【図11】 同じくリールの回転開始遅延時間を表す図表である。
【図12】 同じくリールの回転開始遅延時間を表す図表である。
【図13】 同じくリール停止処理1のフローチャートである。
【図14】 同じくリール停止処理2のフローチャートである。
【図15】 同じくリールの回転動作のタイミング図である。
【図16】 同じくリールの回転動作のタイミング図である。
【図17】 リールの回転の説明図である。
【符号の説明】
4a〜4c リール(可変表示装置)
5 補助表示装置
6 スタートレバー
7a〜7c リール停止ボタン
50 遊技制御装置(メイン制御装置)
60 演出制御装置(サブ制御装置)
100 スロットマシン
Claims (3)
- 複数種類の識別情報が表される複数の変動表示領域において前記識別情報を変動表示可能な可変表示装置を備え、スタートレバーの操作に基づいて前記複数の変動表示領域を変動表示させると共に内部抽選を行い、該内部抽選により入賞に当選し、停止ボタンの停止操作に基づいて前記複数の変動表示領域における前記識別情報の停止態様が有効ライン上にて、前記内部抽選によって当選した入賞に対応する停止態様が導出された場合に遊技価値を付与可能な遊技機において、
前記スタートレバーが操作されてから所定時間内に前記停止ボタンによる停止操作が行われない場合に、前記変動表示領域の識別情報の変動表示を自動的に停止させる自動停止制御手段と、
前記各変動表示領域において予め定められた速度で変動表示する識別情報が、前記自動停止をする際に前記当選した入賞に対応する停止態様を導出するように、前記各変動表示領域の変動表示開始タイミングを制御する変動表示開始タイミング制御手段と、を備え、
前記変動表示開始タイミング制御手段は、前記変動表示領域における変動表示時間が、停止態様を構成する識別情報を前記有効ライン上に停止させる時間となるように変動表示開始タイミングを制御することを特徴とする遊技機。 - 前記自動停止制御手段は、前記複数の変動表示領域の変動表示を順次停止させるよう構成され、
前記変動表示開始タイミング制御手段は、前記複数の変動表示領域の前記入賞に対応する識別情報が変動表示領域間の停止タイミング分ずれた相対位置関係で変動表示するように変動表示開始タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記変動表示開始タイミング制御手段は、
前記変動表示領域において変動表示開始前に表示されている識別情報の位置を検出する位置検出手段と、
前記変動表示領域における変動表示終了時に表示すべき識別情報の位置を決定する位置決定手段と、
前記位置検出手段により検出された識別情報の位置と、前記位置決定手段により決定された識別情報の位置とから、前記位置同士の関係を算出する位置関係算出手段と、
前記算出された位置関係に基づいて、変動表示開始タイミングを決定する変動表示開始タイミング決定手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
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