JP3856688B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数種類の図柄を可変表示可能な可変表示装置を備え、遊技者の停止操作によって図柄を停止可能な可変表示遊技(可変表示ゲーム)を実行可能な遊技機(例えば、いわゆるパチスロ機や球スロ機)に関し、特に、リールの停止操作について遊技者を補助する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機(パチスロ機、球スロ機等のスロットマシン)は、「左」、「中」、「右」の3本のリールと、各リールに対応した3個のリール停止ボタンを備えている。そして、遊技者はスタートボタンを押してリールの回転を開始させた後、リール停止ボタンを所望の順序で操作して、変動表示を開始したリールを所望の順序で停止して変動表示ゲームの結果を導出する。
【0003】
一方、リールには多数の図柄(例えば、21図柄)が所定の間隔で配置されるとともに、リールの回転速度も所定の速度に固定されており、例えば、0.8秒で一回転するように設定される。
【0004】
また、近年の遊技機においては、遊技者が有利に遊技を進行するために目押しが欠かせず、このためにリールに描かれる図柄の大きさや色彩を工夫し、回転中のリールについても遊技者が識別しやすいようにしたものがある。なお、目押し操作とは、遊技者が回転中のリールの図柄を視認して、所望の図柄でリールを停止させるようにリール停止ボタンを操作するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リールに配置された多数の図柄の中から所望の図柄を選んで目押しするには、0.8秒でリールが一回転するので高速で回転する図柄を把握してリール停止ボタンを操作する必要があり、目押しに馴染んでいない初心者と、目押し操作が容易な熟練者との間では遊技上の公平性が失われつつあり、初心者にとって敷居が高いものとなっている。一方で、目押しなどの技術介入度を下げると熟練者にとって物足りない遊技となってしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、初心者と熟練者の技術介入の公平性を向上しながら、遊技進行に対する興趣を確保することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、複数の図柄を可変表示可能な複数の可変表示部を有する可変表示装置を有し、前記複数の可変表示部の可変表示結果が所定の表示態様となった場合に所定の入賞が発生する遊技機において、
遊技者が前記可変表示部の可変表示結果を導出表示させるための操作を行うことが可能な操作手段と、遊技者が前記可変表示部の可変表示速度を減速させるための操作を行うことが可能な減速操作手段と、前記減速操作手段の操作に基づいて前記可変表示部の可変表示速度を減速する減速制御手段と、前記減速操作手段によって可変表示速度を減速した状態で、前記操作手段の操作に基づいて前記可変表示部に可変表示結果を導出表示する制御を行うことが可能な表示制御手段と、を備え、前記減速制御手段は、周期的に可変表示する可変表示部の所定の期間または所定の区間についての加速を行って、一周期の時間を一定に保持して減速を行う。
【0008】
あるいは、表示状態が変化可能な複数の可変表示部を有する可変表示装置を有し、前記複数の可変表示部の表示結果が導出表示されることによって1ゲームが終了し、前記複数の可変表示部の表示結果が所定の表示態様となった場合に所定の入賞が発生する遊技機であってもよい。
【0009】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記減速操作手段の操作があった場合でも、所定時間以内に操作手段の操作があったときには、減速操作の受け付けを禁止する。
また、第3の発明は、前記第1または第2の発明において、前記減速制御手段は、周期的に可変表示する可変表示部の一周期の中で前記減速操作手段の操作が行われたタイミングから所定の図柄数分だけ減速を行う。
【0010】
また、第4の発明は、前記第3の発明において、前記減速制御手段は、前記減速を周期的に繰り返して行う。
【0019】
【発明の作用及び効果】
したがって、第1の発明は、可変表示部のそれぞれに対応して、前記減速操作手段により減速操作を行った状態で、操作手段による可変表示部の停止操作が可能になったため、リール(可変表示部)の回転速度を一時的に減速状態とすることで、目押し操作に不慣れな遊技者であっても熟練者と同等に、所望のタイミングでリールを停止させるタイミングを把握することが可能となって、この減速状態で停止操作を行うことで、初心者であっても熟練者と同様に所望の図柄で停止させることができり、従来例のような初心者と熟練者の技術の差異による不公平を防ぎ、遊技の公平性を向上できる。また、所定の期間または区間で減速を行い、その他の区間で加速して一周期に要する時間を通常の回転速度と同等にしたので、1ゲームでのリールの回転数は減速操作の有無に関わらず一定にでき、減速制御を行うことで単位時間内に実行可能なゲーム数が減少するのを防止して、遊技機の稼働率を向上させることができる。
【0020】
さらに、減速状態で図柄を見ることにより、図柄の配列や位置などを習熟でき、初心者などの不慣れな遊技者の熟練度を向上させることができ、初心者などでは少ない遊技価値の消費で熟練度の向上を図ることが可能となる。あるいは、遊技価値を獲得する機会をより多く得ることができるので、熟練度の差異による不公平感を解消することができる。
【0021】
一方、目押し操作の熟練度の高い遊技者においては、上記停止操作にて遊技を行えば、従来と同様の操作で単位時間内に許容された数のゲームを行うことができ、熟練者の操作性を煩わしくさせることがなく、初心者に対する目押し操作の敷居を下げながらも、技術介入のレベルを維持することで、熟練者の遊技進行に対する興趣の低下を防止でき、初心者と熟練者の興趣を両立可能な遊技機を提供できるのである。
【0022】
また、第2の発明は、減速操作手段の操作があった場合でも、所定時間以内に操作手段が操作されると減速が禁止されて停止操作が行われるので、熟練者が通常に停止操作を行っても減速状態が生じずに所望の位置で可変表示部を停止させることができ、初心者などに対する遊技の補助と、熟練者への操作性の確保を両立できる。
また、第3の発明は、可変表示部(リール)の一周期のうち、遊技者が減速操作を行うタイミングから所定数の図柄のみが減速され、図柄配列や図柄の位置を把握させることができる。
【0023】
また、第4の発明は、所定区間または所定期間の減速を周期的に繰り返すようにしたので、遊技者が減速操作を行うタイミングから所定数の図柄だけ減速され、また、この減速が周期的に繰り返して行われるので、減速操作を行う際にもリールの図柄配置に注意を払ってリール停止ボタンを操作することになり、技量の向上を図りながらも減速状態によって図柄の表示速度を低下させて、図柄配列や図柄の位置を把握させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の構成を示す正面図である。
【0031】
本実施の形態の遊技機100は、左側に蝶番を有し、この蝶番を軸として片開き形式に開閉自在な前面パネル2を備えている。この前面パネル2の背部には、可変表示装置(変動表示装置)を構成する3個のリール(ドラム)4a、4b、4cが回転自在な状態で横に並んで配置されている。各リール4a、4b、4cの外周面には、複数種類のシンボル(図柄)からなる図柄列が表記されている(図3参照)。リール4a、4b、4cはリール駆動部によって駆動され、互いに独立に回転するようになっている。このリール駆動部は、例えば、ステッピングモータ(4Ma、4Mb、4Mc)から構成されている。本実施の形態の遊技機においては、リール4a、4b、4cの回転によって可変表示ゲームが行われ、前記可変表示の停止結果が有効ライン上において所定の停止表示態様(所定の図柄組合せ態様)となることに関連して所定の遊技価値を遊技者に付与するように構成されている。
【0032】
前面パネル2の上半部の略中央には、リール4a、4b、4cの回転により可変表示(変動表示)される図柄を遊技者に視認させるための表示窓部20が設けられている。リール4a、4b、4cが停止している状態で、表示窓部20からリール4a、4b、4cの外周面に表記された図柄列のうち3個の図柄がそれぞれ視認可能となっている。つまり、リール4a、4b、4cが停止した状態で表示窓部20には合計9個の図柄が視認できる。
【0033】
表示窓部20の上方には、補助ゲームが実行されたり、可変表示ゲームに関連して演出表示、情報表示を行う補助表示装置5が設けられている。この補助表示装置5は表示制御装置35によって制御され(図2参照)、液晶パネルやLEDなどで構成されて表示内容を可変する。
【0034】
表示窓部20の左側方には、メダルの賭数(ベット数)に対応して有効化されたベットライン(有効ライン)を表示するベットライン表示部13が設けられている。メダルのベット数とは、遊技者が遊技のために投入したメダルの数、又は、予め遊技者が投入したメダルの記憶数(クレジット数)から減算され、遊技に使用されるメダルの数である。なお、遊技を開始するために遊技者がメダルを投入したり、記憶数から減算したりする操作をベットという。
【0035】
ベットライン表示部13は、例えば、ベット数が1枚のときは、ベットライン表示部13中央の「1」のランプだけが点灯して、中段の横ラインだけが有効ラインであることを示している。ベット数が2枚のときは、ベットライン表示部13中央の「1」とその上下に設けられた「2」のランプが点灯して、上段、中段、下段の3本の横ラインが有効ラインであることを示している。ベット数が3枚のときは、ベットライン表示部13の「1」「2」「3」の全てのランプが点灯して、3本の横ラインと右下がり、右上がりの2本の斜めラインの合計5ラインが有効ラインであることを示している。
【0036】
表示窓部20の右側方には、遊技状態を表示する遊技状態表示部14が設けられている。遊技状態表示部14は、遊技可能な状態であることを示し、メダルの投入を促す「INSERT MEDALS」表示、リプレイ入賞を獲得したこと及び現在行っている遊技がリプレイ入賞後のリプレイゲームであることを示す「REPLAY」表示、遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作してからリールの回転が開始するまで待ち時間(遅延時間)があることを示す「WAIT」表示、リールが停止してゲームが終了したことを示す「GAME OVER」表示等で構成される。
【0037】
表示窓部20の下方には、遊技者が入賞を確定してメダルを獲得したときの払出枚数を表示する払出数表示部8、AT(アシストタイム)状態中、ビッグボーナス(BB)状態中又はレギュラーボーナス(RB)状態中の残りゲーム回数等を表示する遊技進行表示部11、メダルのクレジット数を表示するクレジット数表示部12が設けられている。これらの表示部8、11、12は、7セグメントのLEDや液晶ディスプレイ等を用いて構成する。
【0038】
前面パネル2の上部には、透光性を有する前面カバー部材25が装着され、この前面カバー部材25の背部には、ランプやLED等からなる装飾表示部37やスピーカ等からなる音声発生部等が配設されている。
【0039】
また、前面パネル2の上半部と下半部の中間にある傾斜台部22には、メダルを投入するメダル投入口27が配設され、遊技者はこの投入口にメダルを投入することにより遊技ができるようになっている。また、傾斜台部22には、押圧操作によってクレジットしたメダルを1枚ずつベット可能な1ベットボタン(1ベットスイッチ)10と、1回の押圧操作によってベット可能枚数だけメダルがベットされるマックスベットボタン(MAXベットスイッチ)9が配設されている。このマックスベットボタン9を操作すると、例えば、メダルがベットされていないときには3枚メダルがベットされ、メダルが1枚ベットされているときは、さらに2枚のメダルがベットされる。
【0040】
これらベットボタン9、10により、メダル投入口15よりメダルを投入することなく、クレジット数表示部12に表示されているクレジット数以内でメダルをベットすることができ、このベット数に応じて有効ラインが設定される。
【0041】
前面パネル2の下半部には矩形状の化粧パネル19が設けられている。化粧パネル19の上方には、メダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と記憶不能な非クレジット状態の何れか一方の状態に選択的に切換可能なクレジット選択ボタン(クレジット選択スイッチ)18、リール4a、4b、4cの回転を開始させるためのスタートレバー(スタートレバースイッチ)6、及び、リール4a、4b、4cの回転をそれぞれ停止させ、または停止操作タイミングを検討するためにリール4a〜4cの回転速度を一時的に減速させるためのリール停止ボタン7a、7b、7cが設けられている。
【0042】
後述するように、リール停止ボタン7a〜7cボタンを途中まで押し込むと、リール減速スイッチ70a〜70cがONとなってリール4a〜4cの回転速度を一時的に低下させた状態へ遷移し、さらに押し込むとリール4a〜4cを停止させ、図柄の確定が行われる。
【0043】
なお、各リール停止ボタン7a〜7cは、それぞれ対応するリール4a〜4cの操作を独立して行うものである。
【0044】
各リール停止ボタン7a〜7cには、リール停止ボタンを発光させることでリール停止ボタンが操作可能な状態であることを報知する操作情報ランプが内蔵されている。これらの操作情報ランプが点灯していない間はリール停止ボタン7a〜7cが操作不能となり、操作情報ランプが点灯している間はリール停止ボタン7a〜7cが操作可能となるように制御される。また、リールの減速期間中は操作情報ランプが点滅して減速状態であることを報知する。
【0045】
よって、操作情報ランプが点灯していない間はリール停止ボタン7a〜7cを操作してもリール4a、4b、4cの回転は停止しない。また、操作情報ランプの点灯色によって、リール停止ボタン7a〜7cが操作可能であるかを報知するようにしてもよい。
【0046】
クレジット選択ボタン(クレジット選択スイッチ)18の下方には、プリペイドカード(有価価値記憶媒体)を挿入可能なカードユニット30(図2参照)の挿入口30aが配設される。
【0047】
また、化粧パネル19の左右両側方には、透光性を有する前面カバー部材24、24が装着されている。この前面カバー部材24の背部には、ランプやLED等からなる装飾表示部37が配設されている。
【0048】
また、化粧パネル19の下方には、前面パネル2の背部にあるメダル払出部3より払出されたメダルを貯留可能な受皿23や、灰皿21が設けられている。
【0049】
図2は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の制御系の一部を示すブロック図である。
【0050】
本遊技機の制御系統は、遊技機内部に配置される遊技制御装置50を主要な構成要素としている。遊技制御装置50は、遊技の総括的制御(遊技進行の制御処理及び各被制御機器の制御)を行う制御装置で、CPU51、ROM52、RAM53、およびI/F(インターフェース)54を備えている。このCPU等によって設定手段、停止制御手段が実現され、遊技制御装置がこれらの手段として機能する。
【0051】
CPU51は、制御部、演算部を備え、各種演算制御を行う他、予め定められている特別の図柄組み合わせ態様が主ゲームにおいて形成されるようにリール4a、4b、4cを停止させることを許可するか否かを決定する内部抽選用の乱数を生成して内部抽選を行う。内部抽選における各入賞の当選確率は遊技媒体の賭数により変更され、賭数が多いほど当選確率が高くなるように制御している。なお、CPU51のソフトウェア処理によって内部抽選用乱数を生成する代わりに、遊技制御装置50に乱数を発生する乱数発生器を設け、該乱数発生器から出力される乱数を内部抽選用の乱数として用いて内部抽選を行うようにしてもよい。
【0052】
この内部抽選の結果(入賞フラグの成立/未成立)は、サブ制御手段としての演出制御装置60(演出手段)を介して表示制御装置35に送信され、前記抽選結果に基づいて補助表示装置5の補助ゲームが制御される。補助ゲームが実行される確率も遊技媒体の賭数が多いほど確率が高くなるようにして、内部抽選の結果に応じて補助ゲームを適当な頻度で実行できるようにしてもよい。なお、この補助ゲームを実行するか否かを決定する抽選は、CPU51で行うこともできるが、サブ制御手段としての演出制御装置60で行うようにしてもよい。
【0053】
ROM52には、制御処理を実行するためのプログラムや制御データ(例えば、内部抽選用の判定値)が格納されている。RAM53はCPU51で生成される内部抽選用の乱数の記憶領域や、その他の各種データ(例えば、メダルのクレジット数、メダルの賭数、成立フラグなど)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU51の作業領域を備えている。
【0054】
入出力インターフェース(I/F)54は、図示しないローパスフィルタやバッファゲートを介して、カードユニット30、メダル検知センサ15a、スタートレバースイッチ6a、各リール停止ボタン7a〜7c、リール位置検出センサ31a、31b、31c、ベットスイッチ9、10、クレジット選択スイッチ18、払い出しメダル検出センサ3a、確率設定装置32、リセットスイッチ33及び前面枠開放検出スイッチ34から出力される信号をCPU51に対して出力している。
【0055】
メダル検知センサ15aは、メダル投入口15より投入されたメダルを検知するためのセンサである。スタートレバースイッチ6aは、スタートレバー6が操作されたことを検出するためのスイッチである。
【0056】
リール停止スイッチ7a〜7cは、リール停止ボタンに各々設けられ、各リール停止ボタンが操作されたことを検出するためのスイッチである。これら、リール停止スイッチ7a〜7cは、例えば、カメラのレリーズボタンと同様に2段階の位置を備えた押しボタンスイッチで構成されて、全ストロークの2カ所でスイッチがONになるものである。全ストロークSの途中(半押し位置)まで押し込むと反発力が増大するとともに、減速スイッチ70a〜70cがONになって減速モードに切り替わり、リールの回転速度を通常よりも低下させる位置となる。さらに全ストロークSまで押し込むと、リール停止スイッチ17a〜17cがONになってリールを完全に停止させる位置となる。
【0057】
リール位置検出センサ31a、31b、31cは、リール4a、4b、4c毎に各々設けられ各リール4a、4b、4cの停止位置を検出するセンサである。
【0058】
1ベットスイッチ10は、1ベットボタンが押されたことを検出するためのスイッチである。マックスベットスイッチ9Sは、マックスベットボタンが押されたことを検出するためのスイッチである。クレジット選択スイッチ18Sは、クレジット選択ボタン18が押されたことを検出するためのスイッチである。払い出しメダル検出センサ3aは、メダル払出機3から払い出されたメダルの枚数を検出するセンサである。リセットスイッチ33は、遊技機の遊技状態をリセットするためのスイッチである。前面枠開放検出スイッチ34は、前面パネル2が開放されたことを検出するスイッチである。
【0059】
確率設定装置32は遊技機の設定を切り替える装置で、この設定は、入賞フラグの成立する確率が異なる1〜6の設定が用意されており、設定1の入賞フラグの成立確率が一番低く、設定値が大きくなるにつれ入賞フラグの成立確率は高くなるように切り替えることができる。
【0060】
また、入出力インターフェース(I/F)54は、CPU51から出力される制御信号を、図示しない出力ポートやドライバを介して、演出制御装置(サブ制御手段)60、遊技進行表示部11、ベットライン表示部13、クレジット数表示部12、払出数表示部8、遊技状態表示部14、装飾表示部37、メダル払出部3、リール用モータ4M(4Ma〜4Mc)、外部信号出力部38、リール操作情報ランプなどに出力している。
【0061】
サブ制御装置としての演出制御装置60は、制御用CPUおよびRAM、ROM等を備えており、補助ゲームの演出に関わる情報表示や音出力等の制御を統括して行う。例えば、投入メダル検出センサ15、1ベットスイッチ10またはマックスベットスイッチ9の何れかからの検出信号により賭入力が検出されることに伴い遊技制御装置50から送信される賭入力情報を受信することに基づいて、補助表示装置5で演出表示される補助ゲームに関する制御処理や、音出力部26で出力される補助ゲームに対応した音に関する制御処理等を行い、その制御処理に応じて表示制御信号と音制御信号を各々表示制御装置35と音制御装置36に送信する。
【0062】
また、演出制御装置60は、特定入賞が獲得され派手な演出が行われている特定遊技状態中に、一定時間ゲームが実行されなければ補助表示装置5の演出表示や音出力部26からの出力を小さくしたり停止させたりする制御等も行う。
【0063】
表示制御装置35は、表示制御用CPUおよびRAM、情報表示データを記憶するROM等で構成され、演出制御装置60から送信された制御信号に基づいて、後述する補助ゲームを構成する演出情報(演出パターン)を補助表示装置5に送信して表示させる。
【0064】
音制御装置26は、音制御用CPUおよびRAM、効果音データを記憶するROM、およびアンプ等で構成され、演出制御装置60から送信された音制御信号に基づいて音出力部26から遊技状態に対応した効果音や前記補助ゲームに応じた所定の演出音を出力させる。
【0065】
また、遊技制御装置50と演出制御装置60との通信は遊技制御装置50から演出制御装置60への単方向にのみ制御信号が送信されるような通信形態となっていて、遊技制御装置50への不正な信号が入力されるのを防止している。
【0066】
外部信号出力部38からは、稼働状況に関する各種情報(メダルの投入や払出しに関する信号や、BB状態或いはRB状態であることを示す信号等)を外部(遊技店の管理装置等)に対して出力可能となっている。また、各入賞フラグの成立に関連する情報等を含むテスト用のデータ(検査用のデータ)も外部に出力可能となっている。
【0067】
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の所定の電圧降下を検出すると、遊技制御装置50、演出制御装置60等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置50は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置50のRAM53等にバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報:変動表示ゲーム情報を含む)等に関する記憶内容を保持する。
【0068】
図3は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)が備えているリール4に表記される図柄の配列図である。
【0069】
図3に示すように、本実施形態では、左リール4aの配列番号0、6に位置する「黒7」、左リール4aの配列番号1、10に位置する「白7」、左リール4aの配列番号2、8、11、13、18に位置する「王冠」、左リール4aの配列番号3、7、12、15、19に位置する「剣の刺さったプラム」(以下、単にプラムと称する)、左リール4aの配列番号4に位置する「人の顔を模倣したキャラクタ」(以下、BARと称する)、左リール4aの配列番号5、14、16、17に位置する「スイカ」、左リール4aの配列番号9、20に位置する「チェリー」の7種類の図柄が所定の規則に従ってリール上に配置されている。そして、リール4a、4b、4cを停止させたときに、有効ライン上に停止された図柄が図4に示す成立図柄列のいずれかを形成していれば対応する入賞が獲得される。
【0070】
図4は、本発明の実施の形態の遊技機(パチスロ機)の入賞種類、各入賞に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容との説明図である。
【0071】
本実施の形態の遊技機では、通常遊技状態において、「ビッグボーナス(BB)入賞」、「レギュラーボーナス(RB)入賞」、「リプレイ入賞」、「小役入賞(チェリー、スイカ、王冠)」又は「ハズレ」のいずれかが内部抽選によって当選される。
【0072】
BB入賞は、「黒7、黒7、黒7」、「白7、白7、白7」、「BAR、BAR、BAR」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルが15枚払い出されるとともにBB状態が発生する。
【0073】
RB入賞は、「黒7、黒7、BAR」、「白7、白7、BAR」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルが15枚払い出されるとともにRB状態が発生する。
【0074】
リプレイ入賞は、「プラム、プラム、プラム」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、リール停止後にリプレイゲームが行われる。このリプレイゲームでは、今回のメダル賭数が次回ゲームに持ち越されるので、メダルを新たにベットしなくともゲームを開始することができる。
【0075】
小役入賞は、「スイカ、スイカ、スイカ」、「王冠、王冠、王冠」、「チェリー、ANY、ANY」(「ANY」部分はどんな図柄であってもよい)の何れかが有効ライン上に停止表示されることにより確定される入賞で、小役入賞の種類に対応する枚数のメダルが払い出される。例えば、「スイカ、スイカ、スイカ」のときは10枚、「王冠、王冠、王冠」のときは8枚、「チェリー、ANY、ANY」のときは2枚のメダルが払い出される。
【0076】
また、JACイン入賞とは、BBの小役ゲームにおいて「プラム、プラム、プラム」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、2枚のメダルが払い出されるとともに、1枚だけメダルをベットして高確率で「プラム、プラム、プラム」が有効ライン(例えば、中段ライン)上に停止表示されるように停止制御されるJACゲームが開始される。なお、BBの小役ゲームにおいてJACイン入賞となった場合には、12回のJACゲームが終了するか又は8回のJAC入賞が獲得されるまでJACゲームは継続する。
【0077】
JAC入賞とは、JACイン入賞により開始されるJACゲームにおいて、メダルを1枚ベットしたときに「プラム、プラム、プラム」が有効ライン(例えば、中段ライン)上に停止表示された場合に確定される入賞で、15枚のメダルが払い出される。ただし、JACゲーム中は「プラム、プラム、プラム」が有効ライン上に停止表示されてもリプレイ入賞とはならずリプレイゲームは行われない。
【0078】
本実施形態の遊技機においては、遊技制御装置50によりリールの停止制御が行われ、遊技者がリール停止ボタン7a、7b、7cを操作したタイミングから最大4コマ進んだ位置でリール4を停止させることができる。このため、遊技者がリール停止ボタン7a、7b、7cを操作したタイミングで有効ライン上にある図柄とそれ以降の4コマの中にフラグが成立した入賞に対応する図柄があれば、その図柄が強制的に有効ライン上に引き込まれて停止表示される。つまり、連続する5コマの中に必ず存在する図柄は、遊技制御装置50による停止制御(引き込み制御)によって有効ライン上に停止表示させることができる。このため、このような図柄で形成される入賞は、フラグが成立したときに適当なタイミングで停止操作を行っても獲得することができる。ただし、別の有効ラインでフラグが成立していない図柄により形成される入賞が発生する場合には、この限りではない。
【0079】
例えば、図3に示す図柄配列図では「王冠」は連続する5コマの中に必ず存在するので、「王冠」の小役入賞は小役入賞フラグが成立すると必ず獲得することができる。また、「プラム」も連続する5コマの中に必ず存在するので、リプレイ入賞はリプレイフラグが成立すると必ず獲得することができる。ただし、遊技者が変則押し(例えば、中→右→左)をした場合等にリール停止制御が正常に機能しなくなる場合は賞を獲得することができない場合がある。
【0080】
一方、「王冠」の小役入賞およびリプレイ入賞以外の入賞は、特定の図柄を狙って停止ボタン7a〜7cを操作(目押し操作)しなければ、遊技制御装置50による停止制御が行われても必ずしも獲得することはできない。例えば、BB入賞のフラグが成立して、有効ライン上に「白7」を停止表示させる場合について説明する。まず、第1リール(左リール)4aには、点線L1で囲まれる図柄(配列番号1に対応する「白7」、配列番号2に対応する「王冠」、配列番号3に対応する「プラム」、配列番号4に対応する「BAR」、配列番号5に対応する「スイカ」)の何れかを有効ライン上に停止させるタイミングでリール停止ボタン7aを操作すれば、配列番号1に対応する「白7」が有効ライン上に停止する。または、点線L2で囲まれる図柄(配列番号10に対応する「白7」、配列番号11に対応する「王冠」、配列番号12に対応する「プラム」、配列番号13に対応する「王冠」、配列番号14に対応する「スイカ」)の何れかを有効ライン上に停止させるタイミングでリール停止ボタン7aを操作すれば配列番号10に対応する「白7」が有効ライン上に停止する。しかし、前述した以外の図柄でリール停止ボタン7aを操作しても「白7」の図柄を有効ライン上に停止表示させることはできない。
【0081】
同様に、第2リール(中リール)4aには点線Cで囲まれる図柄の何れかを有効ライン上に停止させるタイミングでリール停止ボタン7bを操作すれば配列番号15に対応する「白7」が有効ライン上に停止し、第3リール(右リール)4aには点線Rで囲まれる図柄の何れかを有効ライン上に停止させるタイミングでリール停止ボタン7cを操作すれば配列番号5に対応する「白7」が有効ライン上に停止する。このような目押し操作を行うことによって「白7」を有効ライン上に3つ停止表示させることができ、BB入賞を獲得することができる。
【0082】
図5は、本実施形態の遊技機(パチスロ機)における遊技状態の状態遷移図である。
【0083】
遊技状態は通常状態、BB状態、RB状態の3つに大別される。通常状態においては、遊技者による所定数(通常1〜3枚)の遊技媒体(本実施の形態ではメダルであるが、遊技球を用いてもよい)の投入操作、あるいはクレジットからの賭けボタン操作(ベット操作)に基づく賭数の入力後、スタートレバー6を操作することによってリールが回転して可変表示ゲームが開始すると共に、ゲーム毎に内部抽選が行われる。
【0084】
遊技者がスタートレバー6を操作して、直ちにリールが回転を開始しない場合があり、この時間を「ウェイトタイム(待ち時間)」という。この「ウェイトタイム」は、連続して遊技がされた結果、遊技者が過剰に遊技価値を浪費しないように、所定時間内の実行可能ゲーム数を制限するために設けられているものである。
【0085】
そして、この遊技機には、ゲームの実行に関連して各種入賞に当選するか否かの抽選を予め行う機能(内部抽選機能)が備えられており、スタートレバー6の操作によって、内部抽選用の乱数に基づいて内部抽選が行われる。この内部抽選に当選した場合に入賞フラグが立てられ、所定の入賞役(入賞態様)の発生が許可される。すなわち、内部抽選に当選し、入賞フラグが立てられた場合に限り、所定の図柄が有効ライン上に停止して入賞態様を形成することを許可され、極力入賞を獲得できるようにリール制御が行われる。このように、内部抽選によって、BB入賞、RB入賞、小役入賞、リプレイ入賞、JAC入賞、ハズレの何れかが決定される。
【0086】
すなわち、可変表示ゲームでは、遊技者の停止操作によって狙った図柄が確実に停止するのではなく、遊技機の制御手段の制御処理で許可された図柄の組み合わせのみが遊技者の操作により停止可能に構成されており、遊技制御装置50が、例えばスタートレバー操作をきっかけとするタイミングで乱数を抽出し、その乱数を判定した結果に基づいて何れかの入賞役(入賞フラグ)の発生を許可するか否かを決定する処理を行い、こうした決定に基づく図柄の組み合わせのみが遊技者の操作により停止可能となっている。
【0087】
BB入賞とは、高確率で小役入賞を獲得しやすい小役ゲームと高確率でJAC入賞を獲得しやすいJACゲームとを所定の回数遊技できるビッグボーナス(BB)状態を発生させる入賞態様である。RB入賞とは、高確率でJAC入賞を獲得しやすいJACゲームを所定の回数遊技できるレギュラーボーナス(RB)状態を発生させる入賞態様である。小役入賞とは、比較的少量(例えば10枚以下)のメダルが払い出されるのみの入賞態様である。リプレイ入賞とは、メダルをベットすることなく再度ゲームが可能となる入賞態様である。JAC入賞とは、1枚のメダルをベットするだけで比較的多数(例えば15枚)のメダルが払い出される入賞態様である。特に、BB入賞やRB入賞は、遊技者に有利な特別遊技状態(BB状態、RB状態)を導出する特定入賞と称される。この特別遊技状態では、小役入賞に比較して大量(例えば、100枚以上)の遊技媒体の獲得が期待できる。
【0088】
そして、リールの回転(図柄の可変表示)は、遊技者が各リールに対応して各々備えられたリール停止ボタン7a〜7cを操作することにより又は一定時間後自動的に、各リールの回転を順次停止して、停止表示態様が確定する。そして、リールが停止した際に、前記賭数に応じて有効化された有効ライン上に形成された図柄の組合せ態様が、予め定められた所定の組合せ態様(入賞態様)となった場合に入賞が確定し、入賞種類に対応して利益(遊技媒体)が遊技者に付与される。
【0089】
具体的には、通常状態での内部抽選の結果、BB入賞のフラグが成立すると、停止表示態様が所定の図柄組合せ態様(例えば「白7、白7、白7」)となることにより遊技状態はBB状態となり、ビッグボーナスゲーム(小役ゲーム+JACゲーム)が開始される。BB状態でビッグボーナスゲームの終了条件が成立した後は通常状態に移行し、通常ゲームが再開される。
【0090】
また、通常状態での内部抽選の結果、RB入賞のフラグが成立すると、停止表示態様が所定の図柄組合せ態様(例えば「白7、白7、BAR」)となることにより遊技状態はRB状態となり、レギュラーボーナスゲーム(JACゲーム)が開始される。RB状態で所定回数のJACゲームが終了された後は通常状態に移行し、通常ゲームが再開される。
【0091】
内部抽選によりRB入賞やBB入賞等の特定入賞に当選した場合には、そのゲームで入賞態様が形成されなくても、可変表示ゲームを実行した結果、ハズレあるいは小役の図柄停止状態となるときに通常では出現しない予め定められた組合せ態様(リーチ目)を形成させる。このリーチ目の停止態様が出現することによって、遊技者にビッグボーナス等の特定入賞のフラグが成立(特定入賞に当選)したことを報知し、遊技者は以降の可変表示ゲームでビッグボーナス等の図柄を真剣に揃えるようにする。
【0092】
また、小役の入賞フラグが成立したときに、乱数を用いて特定の停止順を選択しておき、この特定の停止順で遊技者がリールの停止操作をした場合にのみ、この小役に対応する図柄が停止し、特定の停止順以外で遊技者が停止操作をした場合には小役が成立せずに、この小役の入賞フラグは消滅するようになっている。
【0093】
一方、内部抽選に当選しなかった場合(入賞フラグ不成立)は、遊技者がいかなるタイミングでリールの停止操作を行っても、所定の図柄が有効ライン上に停止して入賞態様を形成しないようにリール制御が行われる。したがって、ビッグボーナス等のフラグが成立していなければ、遊技者がビッグボーナス等の図柄を狙って停止させようとしても、ビッグボーナス等の図柄で停止することはない。
【0094】
すなわち、いつでもリール停止操作のタイミングが合えば入賞態様を形成することができるというものではなく、前記内部抽選に当選した上でリール停止操作のタイミングが合ったときに限り所定の入賞態様が形成されるようになっている。このように内部抽選結果に基づいてリールの停止制御を行うことにより、内部抽選の結果通りに遊技結果を制御することがある程度可能となる。
【0095】
また、本実施の形態の遊技機で、遊技者をアシストする特定の遊技状態を有するように構成してもよい。このAT状態では小役の入賞フラグが成立したこと及び入賞フラグの成立した小役の種類を遊技者に報知して、遊技者が小役を取りこぼさないようにする。また、AT状態で、小役を導出する特定の停止順を遊技者に報知するようにしてもよい。
【0096】
また、主ゲームを構成する3つのリール以外に別個に設けられた補助表示装置5によって主ゲームに関わる補助ゲームを演出するようにした遊技機も提案されている。例えば、補助表示装置5でさまざまな演出表示を行う補助ゲームを行う。また、主ゲームを構成する3つのリール以外に、入賞種類を示唆する図柄の配置された第4のリールを設け、第4のリールを変動表示させるようにした補助ゲームを行うものも提案されている。これらの補助ゲームによって、リールで行われる主ゲームでは表現できない興趣性の高い演出ゲームを行うことができる。また、リールを停止表示させたときに特定の入賞態様(特定入賞となる図柄組合せ態様)を形成できなくても、同時に行われていた補助ゲームで特定の結果を導出することで、特定入賞のフラグが成立したことを遊技者に報知することができる。また、遊技者がリールの停止表示態様として形成されるリーチ目を把握していなくても、補助ゲームの結果により特定入賞のフラグ成立を知ることができるので、遊技者が遊技に対して不公平感を感じることが少なくなる。
【0097】
さらに、補助ゲームにおいてより興趣性の高い演出を行わせるために、複数の途中態様を用意して演出態様を段階的に発展させ、最終的に内部抽選の結果に応じた演出態様を導出するようにしてもよい。
【0098】
図6は、ビッグボーナスゲームの状態遷移図である。
【0099】
所定の図柄組合せ態様(例えば「白7、白7、白7」)が有効ライン上に停止されBB入賞が発生すると、通常ゲーム時に比べて高い確率で小役入賞を獲得できる小役ゲーム状態となる。この小役ゲーム状態における遊技は通常状態と同様に進行され、例えばメダルを3枚投入して、有効ライン上に「スイカ、スイカ、スイカ」の図柄列が停止表示された場合にはメダルが10枚払い出され、有効ライン上に「王冠、王冠、王冠」の図柄列が停止表示された場合にはメダルが8枚払い出され、有効ライン上に「チェリー、ANY、ANY」(「ANY」部分はどんな図柄であってもよい)の図柄列が停止表示された場合にはメダルが2枚払い出される。
【0100】
そして、小役ゲーム状態において、例えば「プラム、プラム、プラム」の図柄列が有効ライン上に停止表示された場合にJACインとなり、2枚のメダルが払い出されるとともに、小役ゲームが一時中断され高確率でJAC入賞を獲得できるJACゲーム状態となる。なお、小役ゲーム中に特定の図柄が有効ライン上に停止表示された場合にJACインとなり即座にJACゲームに移行するのではなく、リール装置4とは別に設けられた補助表示装置5でJACインに関するゲームを行い、そのゲーム結果に基づいてJACゲームが発生するようにしてもよい。
【0101】
JACゲーム状態では、メダルの賭数は1枚とされ、この1ベットに対応する有効ライン(例えば、中段横ライン)上に「プラム、プラム、プラム」の図柄列が停止表示されるとJAC入賞となりメダルが15枚払い出される。このJACゲームは最大12回まで実行可能となっており、12回目のJACゲームが終了すると小役ゲームが再開する。但し、JACゲームが12回に達する前にJAC入賞が8回獲得された場合には、8回目のJAC入賞を以てJACゲームは終了され、小役ゲームが再開する。
【0102】
また、BB中の小役ゲームは、最大30回まで実行可能となっており(JACインしたゲームは含み、JACインした後のJACゲームは含まない)、小役ゲームが30回消化された時点でBBゲームは終了となる。但し、小役ゲームが30回消化されるまでに3回JACインした場合には、3回目のJACインによるJACゲームの終了を以て当該BBゲームは終了となる。そこで、遊技者は、所定回数の小役ゲームを消化するまでは、有効ライン上に「プラム、プラム、プラム」の図柄列が停止表示されないように(3回目のJACゲームが行われないように)する、いわゆる「リプレイ外し」を行う。
【0103】
ちなみに、RB入賞は、所定の図柄組合せ態様(例えば「白7、白7、BAR」)が有効ライン上に停止されRBが発生すると同時にJACインとなり、このJACインにより15枚のメダルが払い出されるとともに、高確率でJAC入賞を獲得できるJACゲームが開始する。そして12回目のJACゲームが終了するか、またはJACゲームが12回に達する前にJAC入賞を8回獲得するとRBは終了して、通常状態に移行する。
【0104】
図7(A)〜(C)は、本発明の遊技機(パチスロ機)の、リールの操作を行うリール停止ボタンとリールの回転の関係を示す説明図で、一例としてリール停止ボタン7aとリール4aの関係を示す。
【0105】
まず、図7(A)はスタートレバー6が操作されてリール4aが所定の速度で回転して、リール停止ボタン7aがまだ押されていない解放状態を示しており、この状態からリール停止ボタン7aを押し込むストローク量により、リール停止スイッチ17aまたは減速スイッチ70aがONになってリール4aの回転を停止させたり減速を行うことができる。なお、リール4aが回転している場合には、リール停止ボタン7aに内蔵した操作情報ランプが点灯して操作可能な状態にあることを示す。
【0106】
図7(B)は、リール停止ボタン7aの半押し状態(減速状態)を示しており、全ストロークSの途中、例えば1/2まで押し込んだ位置では、減速スイッチ70aがONになり、減速モードに切り換えられてリール4aの回転速度を一時的に減速させる。この減速位置では、所定の速度(例えば、通常の回転速度の50%等)まで減速が行われ、リール停止ボタン7aを解放するか、後述する所定の条件が成立すると、通常の回転速度に復帰する。
【0107】
次に、図7(C)は、リール停止ボタン7aの全押し状態(操作手段)を示しており、全ストロークSまで押し込んだ位置で、リール停止スイッチ17aがONになり、リール4aを完全に停止させて図柄を確定する。このとき、リール停止ボタン7aに内蔵した操作情報ランプは、消灯して操作が完了した状態にあることを示す。
【0108】
図8、図9は、リールの減速と停止(確定)を切り換えるリール停止処理の一例を示すフローチャートである。
【0109】
まず、図8のステップS1では、スタートレバー6が操作されてスタートレバースイッチ6aがONになったか否かを監視するもので、スタートレバースイッチ6aがONになると、各リール4a、4b、4cの回転を開始させるとともに、リール停止ボタン7a〜7cの操作情報ランプを点灯させてゲームを開始し、次のステップS2の処理へ進み、各リール4a〜4cを所定の回転速度(例えば、0.8秒/回転)まで加速する。
【0110】
次に、ステップS3では、リール停止ボタン7a〜7cの何れかが図7(C)で示した全押し位置(リール停止スイッチ17a〜17cがON)まで押されたかを判定する。リール停止ボタンが全押し位置まで押されていれば、ステップS4の全押し(停止)処理へ進む一方、そうでない場合には、ステップS6に進んで、リール停止ボタン7a〜7cの何れかが図7(B)で示した半押し位置(減速スイッチ17a〜17cがON)まで押されたかを判定する。
【0111】
ステップSS6では、リール停止ボタンが半押し位置まで押されていれば、ステップS7、S8で全押しに至る途中での半押し位置であるか否かを検出する一方、そうでない場合にはリール停止ボタンが押されていないので、ステップS9へ進んで、ゲーム開始から所定時間(例えば、30秒)を経過したか否かを判定する。
【0112】
ステップS7、S8では、上記図7(B)、(C)で示したように、リール停止ボタンは全押しに至る途中で半押し(減速スイッチ=ON)となるため、半押しを判定してから所定時間(例えば、十数msec)以内に全押し(リール停止スイッチ=ON)となれば、ステップS3に戻って全押しの処理(リール停止)を行う一方、所定時間内に全押しが判定されなければ図9のステップS11以降に示す半押しの処理(減速処理)へ進む。
【0113】
また、上記ステップS6の判定で半押しではない(減速スイッチがOFF)と判定された場合のステップS9では、ゲームの開始から所定時間(例えば、30秒で1ゲームの長さを規制する時間)を経過していなければ、ステップS3へ戻ってリール停止ボタンが押されるまでループを繰り返し、1ゲームを規制する所定時間を経過した場合にはステップS10へ進んで、予め設定した順序とタイミングで回転中の全リール4a〜4cを停止させて図柄を確定し、処理を終了する。
【0114】
次に、ステップS4の全押し(停止)処理は、リール停止ボタン7a〜7cの何れかが全押しになると、リール停止ボタンに対応するリールを停止させ、全押しの操作結果を表示する(操作結果表示手段)。
【0115】
リールを停止させた後には、ステップS5で、全てのリールが停止していれば処理を終了する一方、そうでなければステップS3の処理へ戻って次のリール停止ボタンの操作を待つ。
【0116】
次に、図9のステップS11以降の半押し処理(減速処理)について説明する。
【0117】
上記図8のステップS6の判定で、リール停止ボタンが半押し位置(減速スイッチ70a〜70cがON)である場合には、ステップS11へ進んで半押しとなったリール停止ボタンに対応するリールを一時的に減速させて、図柄の通過速度(切り換え速度)を抑制し、遊技者に図柄の配列順序などを明示して、停止のタイミングを把握させる。
【0118】
次の、ステップS12では、リール停止ボタンが半押しとなってから所定時間(例えば、2秒などリールが一回転以上する時間)が経過すると、リールの減速処理を解除するためステップS15へ進み、所定時間未満であればステップS13に進んで、リール停止ボタンが全押し位置となったか否かを判定する。
【0119】
リールの減速状態で全押しになれば、ステップS4へ進んでリール停止処理を行い、全押しでない場合には、ステップS14に進んでリール停止ボタンが戻された(解放された)かを判定する。
【0120】
リール停止ボタンが解放されていれば減速処理を終了するため、ステップS15に進み、リールを再度加速して所定の回転速度に復帰させ、上記ステップS3に戻る。一方、半押し状態であればステップS12へ戻って所定時間の経過を監視するのである。
【0121】
上記図8、図9の処理により、リールの停止操作と減速操作は次のようになる。
【0122】
スタートレバー6を操作して全リールを回転させ、図7(C)で示すように、リール停止ボタンを全押しすると、上記ステップS3、S4により、全押ししたタイミングでリールの停止制御が行われる。これは、従来例と同様であり、上述の引き込み制御が行われていない場合では、全押しのタイミング(目押し操作)に応じた図柄でリールが停止する。
【0123】
この全押しの一例は、図10のようになり、減速スイッチがONとなってからリール停止スイッチがONになるまでの時間xが、上記ステップS8の所定時間未満であることより、減速は行われずリール停止ボタンの全押しタイミングT1でリールの停止が行われる。
【0124】
したがって、減速操作を意図しない停止操作では減速スイッチがONとなってから操作スイッチがONになるまでの時間が所定時間に満たないために、望まない減速操作が行われることを防止できる。
【0125】
一方、リール停止ボタンを半押しした場合では、図7(B)で示すように、リールの回転速度は通常の速度から減速され、例えば、通常の回転速度の50%等の所定値まで落ちる。
【0126】
この減速(半押し)の一例は、図11のようになり、減速スイッチがONとなってから、上記ステップS8の所定時間が経過してもリール停止スイッチ17a〜17cがOFFであることより、減速スイッチ70a〜70cがONとなった時間T0から所定時間を経過した時間T1で、減速が行われる。
【0127】
そして、減速期間中の時間T2でリール停止ボタンをさらに押し込むと、リール停止スイッチ17a〜17cがONとなって、リールが停止して図柄の確定が行われる。
【0128】
また、リールの減速を行う時間は、上記ステップS12で制限されており、図12で示すようにリールの減速が開始されてから所定時間を経過した時間T2では自動的に減速処理が終了(タイムアウト)して、通常の回転速度へ復帰する。この後、リール停止スイッチ70a〜70cがONになった時間T3でリールの停止が行われる。
【0129】
リールの回転速度が低下することにより、遊技者はリールに配置された図柄の配列や所望の図柄後などを確認することができ、初心者などが目押しを行う際の操作(全押し)タイミングを示唆することができる。
【0130】
そして、この半押し状態から全押しへリール停止ボタンを操作することにより、目押しに不慣れな遊技者であっても、熟練者と同等に遊技価値を獲得する機会を得ることが可能となるのである。
【0131】
ただし、半押し操作による減速状態は2秒などの所定時間内に限定されているため、遊技者に有利な状態が過大になるのを防ぐことができ、この減速状態の所定時間では遊技者が、リールの図柄に注目するので、特に初心者などの熟練度を向上させることができる。しかし、この減速状態は繰り返して実行することができるため、初心者などの補助を効果的に行うことができる。
【0132】
このように、リール停止ボタンの半押し操作によって、リールの回転速度を一時的に減速状態とすることで、目押し操作に不慣れな遊技者であっても熟練者と同等に、所望のタイミングでリールを停止させるタイミングを把握することが可能となって、この減速状態で全押し操作を行うことで、初心者であっても熟練者と同様に所望の図柄で停止させることが可能となり、従来例のような初心者と熟練者の技術の差異による不公平を防ぎ、遊技の公平性を向上できる。
【0133】
さらに、減速状態で図柄を見ることにより、図柄の配列や位置などを習熟でき、遊技者の熟練度を向上させることができ、特に、1ゲームで許容された時間内であれば、繰り返してリールの減速操作を行うことができるため、初心者などでは少ない遊技価値の消費で熟練度の向上を図ることが可能となる。あるいは、遊技価値を獲得する機会をより多く得ることができるので、熟練度の差異による不公平感を解消することができる。
【0134】
一方、目押し操作の熟練度の高い遊技者においては、上記全押しにて遊技を行えば、半押しを検出してから所定時間内の全押しの検出で減速操作が行われないようになるので、望まない減速操作が行われることをぼうしできる。また、従来と同様の操作で単位時間内に許容された数のゲームを行うことができるので、熟練者の操作性を煩わしくさせることがなく、初心者に対する目押し操作の敷居を下げながらも、技術介入のレベルを維持することで、熟練者の遊技進行に対する興趣の低下を防止でき、初心者と熟練者の興趣を両立可能な遊技機を提供できるのである。
【0135】
なお、上記実施形態では、ステップS12の所定時間(2秒など)が経過して、通常の回転速度に復帰した後、繰り返して減速操作を実行することが可能であるが、半押しによる減速操作を行った後は、所定時間(例えば、5秒など)を経過しないと次の減速操作を禁止するようにしてもよく、あるいは、1ゲーム中に実行可能な減速操作の回数を予め決めておき、所定回数を超える減速操作を禁止してもよく、これら減速操作の間隔や回数に制限を設けることで、遊技者に有利な状態が過剰になるのを防ぎながら、初心者などに対する遊技の補助を提供することが可能となる。
【0136】
あるいは、予め設定した遊技状態(例えば、ATまたはチャレンジタイム:CT)となったときに上記減速操作を許可してもよく、遊技者に有利な状態が過剰になるのを防ぎながら、初心者などに対する遊技の補助を遊技状態に応じて提供することが可能となる。
【0137】
なお、上記においては、減速の結果を実際にリールの回転速度を低下させることで行ったが、補助表示装置5にリールの減速した様子を表示してもよい。
【0138】
図13は、第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の減速処理をリールの一回転のうち、所定のコマ数(図柄の通過数)のみに限定し。かつリールの一回転に要する時間を通常の時間(例えば、0.8秒)となるようにしたものである。なお、図13のフローチャートは、前記第1実施形態の図9に示した半押し処理のみを示し、その他は前記第1実施形態と同様である。
【0139】
リール停止ボタンのいずれかが半押しになると、上記図8で示したステップS7、S8を経て、図13のステップS21において、リール停止ボタンが半押し(減速スイッチがON)になった時点(例えば、ステップS8の所定時間=十数msec後)の、リールの位置を第1ないし第3のリール位置検出センサ31a、31b、31cのいずれかより読み込み、RAM35の所定の領域に記憶する。
【0140】
次に、ステップS12’で減速処理を許可する所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していなければステップS22以降の減速処理を実行し、所定時間が経過した場合には、ステップS15でリールの再加速を行って所定の回転速度とした後に、上記図8のステップS3に戻る。なお、減速処理を許可する所定時間は、リールが一回以上回転可能な時間に設定され、例えば、2ないし3秒である。
【0141】
ステップS22では、上記ステップS21で検出したリール位置(減速開始位置)から一回転して、再び減速開始位置となったか否かを判定し、再度減速開始位置となった場合にはステップS24へ進んでリールの回転速度を所定値まで減速する。一方、一回転していない場合では、ステップS23に進んで、減速処理を開始してから所定の図柄数(例えば、4図柄)を表示したか、すなわち、可変表示装置の有効ラインを所定の数の図柄が通過したか否かを判定する。図柄数のカウントは、上記のリール位置検出センサ31a〜31cで行えばよい。
【0142】
減速状態で所定数の図柄が有効ラインを通過していれば、減速状態を一時的に解消するためステップS25に進んでリールの再加速を行う。この再加速により停止させたい図柄が来るまでの待ち時間を減少させて、操作性を向上できる。
【0143】
一方、有効ラインを通過した図柄数が所定数に達していなければ、ステップS24に進んでリールの減速処理を継続する。
【0144】
ここで、ステップS25の再加速処理は、減速状態のときであってもリールの一回転(一周)に要する時間が通常のゲーム中と同様になるように加速が行われ、例えば、減速状態の回転速度が通常の50%であれば、ステップS25の再加速処理では、減速した期間と同等の期間で回転速度を150%まで増速し、この後、通常の回転速度とすることで、リールの一回転に要する時間を通常のゲーム時と等しくする。これにより、減速処理を行うことで単位時間内に実行可能なゲーム数が減少するのを防いで、遊技機の稼働率を向上させることができる。
【0145】
ステップS24の減速処理またはステップS25の再加速処理を行った後、ステップS13に進んで、リール停止ボタンが全押し位置(リール停止スイッチ17a〜17cがON)となったか否かを判定する。
【0146】
リールの減速状態で全押しになれば、ステップS4へ進んでリール停止処理を行い、全押しでない場合には、ステップS14に進んでリール停止ボタンが戻された(解放された)かを判定する。
【0147】
リール停止ボタンが解放されていれば減速処理を終了するため、ステップS15に進み、リールを再度加速して所定の回転速度に復帰させ、上記ステップS3に戻る。一方、半押し状態であればステップS12’へ戻って減速処理を継続して所定時間の経過を監視するのである。
【0148】
上記図13の処理により、リールの減速操作は図14に示すようになる。
【0149】
いま、リールが通常の速度(0.8秒/回転=100%)で回転しており、図14の時間T1、リールの配列番号が2のときに、リール停止ボタンが半押しになると、この配列番号2をRAM35に記憶するとともに、リールの回転速度を50%に減速する。
【0150】
そして、この減速状態となってから4コマ(4図柄)が有効ラインを通過した時間T2(配列番号=6)からは、リールの再加速が行われる。
【0151】
このリールの再加速は、例えば、通常の回転速度の150%まで増速し、かつ、減速期間(T1〜T2)と同等の時間となるT3まで増速を継続した後、通常の回転速度に戻る。
【0152】
この後、リールの位置が半押しとなった位置(配列番号=2)になる時間T4では、再び減速が再開されて、上記ステップS12’で許容される所定時間となるまでT1〜T4の処理が繰り返される。この時間T1〜T4は、上記増速により通常の回転速度と同等の周期でリールが回転するようになる。
【0153】
こうして、遊技者が半押しを行うタイミングから所定数の図柄だけ減速され、また、この減速が周期的に繰り返して行われるので、減速操作を行う際にもリールの図柄配置に注意を払ってリール停止ボタンを操作することになり、技量の向上を図りながらも減速状態によって図柄の表示速度を低下させて、図柄配列や図柄の位置を把握させることができる。
【0154】
さらに、減速状態の後に通常の回転速度よりも増速して、一回転に要する時間を通常の回転速度と同等にしたので、1ゲームでのリールの回転数は減速操作の有無に関わらず一定にでき、減速処理を行うことで単位時間内に実行可能なゲーム数が減少するのを防止して、遊技機の稼働率を向上させることができる。
【0155】
また、周期的な減速は、常時減速するのに比して停止操作タイミングの待ち時間を少なくすることができ、さらに、周期的に反復して減速するため、減速期間中に停止操作を行わなくとも次の周回以降に停止操作を行うことができ、所望の図柄で停止させる機会を増やすことができる。
【0156】
なお、上記においては所定の図柄数でリールの減速を行ったが、所定の時間(リールの一回転に要する時間未満で、例えば、0.2秒など)としてもよい。
【0157】
また、上記図14では減速期間中でも、リール一周に要する時間を通常の回転速度と等しくなるように、減速と増速を繰り返したが、図15で示すように、通常の回転速度と減速を交互に繰り返してもよい。
【0158】
図15では、減速スイッチがONになって(時間T0)から所定時間後のT1からリールの減速を行う。
【0159】
この減速は、上記と同様に所定のコマ数が有効ラインを通過するのに相当する時間ΔTだけ行った後、通常の回転速度に復帰させる。そして、時間T1からリールが1周した時間T2では、減速を開始したリールの位置から所定時間ΔTの間だけリールの減速を行う。
【0160】
この場合では、リールの回転速度は、減速と通常の回転速度を交互に繰り返すことになり、減速期間中が終わった後は通常の回転速度で図柄を見ることができ、減速処理の間は通常よりもリールの1周に要する時間が長くはなるものの、減速期間以外では通常速度で図柄を見ることができる。
【0161】
図16は、第3の実施形態を示し、各リール停止ボタンを従来と同様に図柄の確定のために用い、減速を行うタッチスイッチを各リール停止ボタンの端面に設けたものである。なお、各リール停止ボタンは同様に構成されるので、図16ではリール停止ボタン7a’のみについて説明する。
【0162】
リール停止ボタン7a’の端面(遊技者側)には、タッチスイッチ170aを設けており、図中実線で示した解放状態(戻し位置)のときに、タッチスイッチ170aに触れるとONとなって、リールの減速が行われる。
【0163】
そして、図中破線で示す全押しの位置では、リール停止ボタン7a’が全押し位置となってリール停止スイッチ17aはONとなり、リールが停止して図柄の確定が行われる。
【0164】
これら各リール停止ボタン7a’の端面に設けたタッチスイッチ170aに触れるだけで容易に減速操作を行うことができ、さらに、減速状態からはリール停止ボタン7a’を押すだけでリールの停止操作を行うことができるので、目押し操作を容易に行うことができる。
【0165】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の遊技機全体の構成を示す正面図である。
【図2】同じく制御系の一部を示すブロック図である。
【図3】同じくリールの図柄の配列図である。
【図4】同じく入賞態様を示す説明図である。
【図5】同じく遊技状態の状態遷移図である。
【図6】同じくビッグボーナスゲームの状態遷移図である。
【図7】リール停止ボタンの操作状態とリールの状態を示す説明図で、(A)は通常の回転速度で可変表示中のリールと解放状態のリール停止ボタンを、(B)はリール停止ボタンの半押し状態で減速したリールの状態を、(C)はリール停止ボタンを全押ししてリールの図柄が確定した状態をそれぞれ示す。
【図8】リールの停止処理の一例を示すフローチャートで、その前半部である。
【図9】同じく、後半部である。
【図10】減速スイッチとリール停止スイッチの操作に応じたリールの回転速度と時間の関係を示すタイミングチャートで、減速を行わずに停止を行う場合を示す。
【図11】同じく、減速スイッチとリール停止スイッチの操作に応じたリールの回転速度と時間の関係を示すタイミングチャートで、減速を行う場合を示す。
【図12】同じく、減速スイッチとリール停止スイッチの操作に応じたリールの回転速度と時間の関係を示すタイミングチャートで、減速がタイムアウトになる場合を示す。
【図13】第2の実施形態を示し、リールの停止処理のうち減速処理を示すフローチャートである。
【図14】同じく、減速スイッチとリール停止スイッチの操作状態、リール位置(配列番号)及びリール速度と時間の関係を示し、減速と増速を繰り返す場合である。
【図15】同じく、減速スイッチ、リール停止スイッチの操作状態及びリール速度と時間の関係を示し、減速と通常の回転速度を交互に繰り返す場合である。
【図16】第3の実施形態を示し、遊技機の部分的な側面図。
【符号の説明】
4a、4b、4c リール(可変表示装置)
5 補助表示装置
6 スタートレバー
7a、7b、7c リール停止ボタン
17a、17b、17c リール停止スイッチ
70a、70b、70c タッチスイッチ
50 遊技制御装置(メイン制御装置)
60 演出制御装置(サブ制御装置)
100 スロットマシン(遊技機)

Claims (4)

  1. 複数の図柄を可変表示可能な複数の可変表示部を有する可変表示装置を有し、前記複数の可変表示部の可変表示結果が所定の表示態様となった場合に所定の入賞が発生する遊技機において、
    遊技者が前記可変表示部の可変表示結果を導出表示させるための操作を行うことが可能な操作手段と、
    遊技者が前記可変表示部の可変表示速度を減速させるための操作を行うことが可能な減速操作手段と、
    前記減速操作手段の操作に基づいて前記可変表示部の可変表示速度を減速する減速制御手段と、
    前記減速操作手段によって可変表示速度を減速した状態で、前記操作手段の操作に基づいて前記可変表示部に可変表示結果を導出表示する制御を行うことが可能な表示制御手段と、を備え
    前記減速制御手段は、
    周期的に可変表示する可変表示部の所定の期間または所定の区間についての加速を行って、一周期の時間を一定に保持して減速を行うことを特徴とする遊技機。
  2. 前記減速制御手段は、前記減速操作手段の操作があった場合でも、所定時間以内に操作手段の操作があったときには、減速操作の受け付けを禁止することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記減速制御手段は、可変表示する可変表示部の一周期の中で前記減速操作手段の操作が行われたタイミングから所定の図柄数分だけ減速を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記減速制御手段は、前記減速を周期的に繰り返して行うことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
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