JP3860095B2 - ゴルフクラブおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフクラブおよびその製造方法に関し、特に、フェースセンターの裏面側における平均結晶粒径を、フェースセンターの表面側における平均結晶粒径よりも小さくした金属製ゴルフクラブヘッドの構造および該ゴルフクラブヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ゴルフクラブのヘッド部の製造方法として種々のものが知られている。該ヘッド部の製造方法の1つに鋳造がある。この製造方法では、ヘッド素材を高温で溶融し、ワックスを溶かして成形されたシェルにその溶融金属を鋳込み、ゴルフクラブヘッドを成形する。
【0003】
また、ゴルフクラブのヘッド部におけるフェース部を板材で製造する方法もある。この方法では、たとえばフェース部以外のクラウン部やソール部等のヘッド構成部を上記鋳造方法で成形する。他方、板材に型抜き加工等を施してフェース部を形成する。そして、上記ヘッド構成部とフェース部とを接合することによりゴルフクラブヘッドを作製する。
【0004】
また、ゴルフクラブのヘッド部におけるフェース部を鍛造で成形する方法もある。この方法では、たとえば丸棒を型鍛造することによりフェース材を成形し、ヘッド構成部とフェース材とを接合し、さらに熱処理を施してヘッド部の強度を高める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、鋳造によって成形されたフェース部には多数のボイドが存在するためフェース部の強度が低くなるばかりでなく、強度のばらつきも大きくなる。そのため、打球時に発生する衝撃力によりフェース部が破損し易くなり、かかるフェース部の破損を回避するためフェース部の肉厚を大きくする必要が生じる。
【0006】
フェース部の肉厚を大きくすると、フェース部以外の部分の重量を小さくせざるをえず、大きなヘッド部を製造することができない。それに加え、フェース部の肉厚を大きくすると、フェース部が撓み難くなり、ヘッド部の反発性能が低下し、ボールの飛距離も低下してしまう。
【0007】
板材を用いてフェース部を作製する場合、板材には一般にロール機により圧延加工が施されるので、板材の結晶粒は比較的均一で小さいものとなっている。該板材の強度はその結晶粒の大きさに依存するので、フェース部の強度は、圧延後の板材の強度に相当するものとなり、比較的高いものとなる。
【0008】
しかし、圧延後の板材の強度は、圧延方向に高く、圧延方向に垂直な方向には低いという異方性を有する。フェース部の強度は低い垂直方向の強度に影響を受けるので、フェース部を薄肉化するのは困難となる。そのため、ヘッド部の反発性能を向上させることは困難となり、また大きなヘッド部を製造することも困難となる。
【0009】
丸棒鍛造によってフェース部を作製する場合、フェース部の結晶粒を小さくすることが可能であるが、通常の鍛造では丸棒や角材からなるブロック材料を平板状のフェース形状に加工するので、フェース中央部の塑性変形量が大きく、フェース中央部の結晶粒がフェース周辺部よりも細かくなる。このためフェース部の強度は中央部で最も高く、周辺部では低くなる。また、鍛造時には素材の表面に近い部分は金型と接触しているので塑性変形は少なく、図7に示すように、内部になるほど結晶粒が細かくなり、強度も高くなる。
【0010】
ところが、図8に示すように打球時にボール10がフェース部2のセンター部に当たると該センター部は後方側に撓むので、フェース表面付近では圧縮応力が、裏面付近では図中矢印で示すように引張応力が加わり、これらの応力はフェース部2の表面あるいは裏面から内部に向かうにつれて小さくなる。
【0011】
したがって、鍛造で作製されたフェースでは、応力が加わる部分が弱く、応力が加わらない部分が強くなる。そのため、フェースを薄肉にすることが難しく、ヘッドの反発性能を高めたり、ヘッドを大型化することが困難であった。
【0012】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、反発性能に優れかつ大型のヘッド部を備えたゴルフクラブおよびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るゴルフクラブは、1つの局面では、フェース部を有する金属製のヘッド部を備え、フェース部のセンター部における裏面側部分の平均結晶粒径が、フェース部のセンター部における表面側部分の平均結晶粒径よりも小さい。なお、本願明細書において「平均結晶粒径」とは、100倍の拡大写真で1辺25mmの正方形の領域に含まれる結晶粒の2次元的な数を用いて表現したものをいう。
【0014】
通常、ゴルフクラブヘッドにおけるフェース部のセンター部の表面(打球面)で打球し、打球時にフェース部のセンター部は後方側に撓む。そのため、図8に矢印で示すようにフェース部のセンター部の裏面には引張応力が作用し、フェース部のセンター部の表面には圧縮応力が作用する。逆にフェース部のセンター部の周辺部では、表面に引張応力が、裏面に圧縮応力が発生する。本願発明者は、これらの応力とフェース部の破損との関係を確認すべく、破損したフェース部のカット断面を調査したところ、フェース部裏面に亀裂が入り、その亀裂が進展してフェース部表面に到達し、フェース部が破損する場合がほとんどであることが判明した。したがって、フェース部の破損は、フェース部のセンター部における裏面側部分の引張応力に対する耐性に依存するといえる。そこで、フェース部のセンター部における裏面側部分の平均結晶粒径を小さくすることとした。それにより、フェース部の裏面側部分の強度を向上することができ、引張応力に対する耐性を向上することができる。
【0015】
フェース部のセンター部における表面側の平均結晶粒径は、裏面側の平均結晶粒径の2倍以上100倍以下であり、好ましくは、裏面側の平均結晶粒径の10倍以上100倍以下であり、さらに好ましくは、裏面側の平均結晶粒径の50倍以上100倍以下である。
【0016】
フェース部のセンター部における裏面側の平均結晶粒径は、0.1μm以上50μm未満である。上記裏面側の平均結晶粒径は、好ましくは0.1μm以上20μm以下であり、さらに好ましくは0.1μm以上10μm以下である。
【0017】
このようにフェース部のセンター部における裏面側の平均結晶粒径を小さくすることにより、この裏面側部分の強度を高めることができ、引張応力に対する耐性を高めることができる。
【0018】
また、フェース部のセンター部の周囲に位置する周辺部における表面側の平均結晶粒径を、該周辺部における裏面側の平均結晶粒径よりも小さくすることが好ましい。これは、フェース部のセンター部の周辺部では引張応力が作用するので、その部分を強化することが望ましいからである。
【0019】
上述のように打球時にフェース部のセンター部は後方側に撓むが、このとき図8に矢印で示すようにフェース部のセンター部の周囲に位置する周辺部における表面側には引張応力が作用する。そこで、フェース部の周辺部における表面側の平均結晶粒径を、該周辺部における裏面側の平均結晶粒径よりも小さくすることにより、フェース部の周辺部における表面側の強度を高めることができる。それにより、フェース部の周辺部における表面側の引張応力に対する耐性を向上することができる。
【0020】
フェース部のセンター部の裏面側に凸部を設ける。そして、該凸部の表面近傍の部分の平均結晶粒径を、フェース部のセンター部における表面側の平均結晶粒径よりも小さくする。このような凸部を設けることにより、フェース部の耐久性を向上するとともにフェース部の反発特性をも向上することができ、さらにはフェース部の表面側の平坦度を容易に確保することもできる。
【0021】
本発明に係るゴルフクラブは、他の局面では、フェース部を有する金属製のヘッド部を備え、フェース部のセンター部の断面と、該センター部の周囲に位置する周辺部の断面に、相対的に平均結晶粒径の大きい第1領域と、相対的に平均結晶粒径の小さい第2領域とがそれぞれ存在する。そして、該センター部の断面において、第1領域がセンター部の表面側に位置し、第2領域がセンター部の裏面側に位置し、上記周辺部の断面において、第2領域が周辺部の表面側に位置し、第1領域が周辺部の裏面側に位置する。この第2領域は、帯状の領域であり、センター部の裏面側から周辺部の表面側に向かって連続的に延びることが好ましい。また、センター部の裏面側に凸部を設けた場合には、上記第2領域を該凸部内に延在させることが好ましい。
【0022】
本発明に係るゴルフクラブの製造方法は、センター部の裏面側における塑性流動がセンター部の表面側における塑性流動よりも大きくなるように鍛造によって金属素材を板状に塑性変形させる工程と、該鍛造後の金属素材に機械加工または塑性加工を施すことによりゴルフクラブのヘッド部におけるフェース部の形状に上記金属素材を成形する工程とを備える。
【0023】
このように金属素材のセンター部の裏面側における塑性流動を表面側における塑性流動よりも大きくすることにより、金属素材のセンター部の裏面側における平均結晶粒径を、金属素材のセンター部の表面側における平均結晶粒径よりも小さくすることができる。この金属素材に切削加工等の機械加工や、鍛造、板金、曲げ、プレス加工等の塑性加工を施すことにより、センター部の裏面側における平均結晶粒径がセンター部の表面側における平均結晶粒径よりも小さいゴルフクラブヘッドのフェース部を作製することができる。
【0024】
上記鍛造工程は、金属素材のセンター部の表面側に凸部を形成するように金属素材を塑性変形させることにより、金属素材のセンター部の表面側における塑性流動を抑制する工程を含む。
【0025】
上記のように金属素材のセンター部の表面側に凸部を形成するように金属素材を塑性変形させることにより、該センター部の表面側における塑性流動を抑制することができる。このとき、金属素材の裏面側では塑性流動を積極的に抑制する要素は存在しないので、自由に金属素材が流動する。したがって、金属素材のセンター部の裏面側における塑性流動を結果的に促進することができ、金属素材のセンター部の裏面側における平均結晶粒径を、該センター部の表面側における平均結晶粒径よりも小さくすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、金属製ゴルフクラブヘッドのフェースセンターの裏面(打球面と反対側の面)側部分の平均結晶粒径を小さくすることによりフェースセンターの裏面側部分の強度を向上し、それによりフェース部を薄肉化してヘッドの反発性能を向上させ、かつヘッドを大型化(たとえば300cm3〜500cm3)しようとするものである。
【0027】
ゴルフクラブであれば、アイアン型であってもウッド型であっても本発明は適用可能である。図1は、本発明を適用したウッド型ゴルフクラブにおけるヘッド部1の斜視図である。なお、ゴルフクラブのシャフトおよびグリップの形状としては、従来から一般に採用されている周知のものを使用可能であるので、これらの図示は省略する。
【0028】
ヘッド部1は、金属製中空外殻構造を有し、図1に示すように、フェース部2と、トー部3と、クラウン部4と、ヒール部5と、ソール部6とを有する。
【0029】
図2に、図1におけるII−II線に沿うフェース部2の断面構造を示す。なお、図2では、フェース部2の断面における相対的に平均結晶粒径の大きい第1領域7aと、相対的に平均結晶粒径の小さい第2領域7bとを模式的に示している。
【0030】
図2において、フェース部2の上側に位置する表面が打球面であり、フェース部2の下側に位置しヘッド部1の内部空間に面する面が裏面である。フェース部2におけるセンター部2aの表面で打球すると、フェース部2のセンター部2aは後方側(図2における下側)に撓む。それにより、フェース部2のセンター部2aの裏面には引張応力が作用し、フェース部2のセンター部2aの表面には圧縮応力が作用する。
【0031】
前述のように、フェース部2のセンター部2aでの破損は、フェース部2のセンター部2aの裏面の引張応力に対し耐性があるか否かに大きく依存するので、フェース部2のセンター部2aにおける裏面側の強度を高める必要がある。
【0032】
金属製の部材においては、平均結晶粒径を小さくすることにより強度を高めることができるので、フェース部2の裏面側の強度を高めるには、フェース部2のセンター部2aにおける裏面側部分の平均結晶粒径を小さくすればよい。
【0033】
このとき、フェース部2の全体にわたって平均結晶粒径を均等に小さくしてもよいが、本実施の形態ではフェース部2のセンター部2aにおける裏面側の平均結晶粒径を選択的に小さくしている。
【0034】
より詳しくは、図2に示すように、フェース部2のセンター部2aの断面に、相対的に平均結晶粒径の大きい第1領域7aを残しながら相対的に平均結晶粒径の小さい第2領域7bを設け、第1領域7aをフェース部2のセンター部2aの表面側に配置し、第2領域7bをフェース部2のセンター部2aの裏面側に配置している。
【0035】
それにより、フェース部2のセンター部2aの裏面側の平均結晶粒径を小さくすることができ、打球時に引張応力が作用するフェースセンターの裏面側の強度を高めることができる。その結果、フェースセンターの裏面側の引張応力に対する耐性を向上することができ、フェース部2の破損を抑制することができる。
【0036】
他方、図2に示す例では、上記センター部2aの周囲に位置する周辺部2bの断面にも、第1領域7aと第2領域7bとがそれぞれ存在する。フェース部2の周辺部2bでは、第2領域7bが周辺部2bの表面側に位置し、第1領域7aが周辺部2bの裏面側に位置してもよい。
【0037】
なお、上記の第2領域7bは、図2に示す例では、帯状の領域であり、フェース部2のセンター部2aの裏面側から周辺部2bの表面側に向かって連続的に延びている。
【0038】
次に、本発明に係るフェース部2の平均結晶粒径についてより詳しく説明する。
【0039】
フェース部2のセンター部2aにおける表面側部分の平均結晶粒径は、裏面側部分の平均結晶粒径の2〜3倍以上100倍以下程度であり、好ましくは、裏面側部分の平均結晶粒径の10〜20倍以上100倍以下であり、さらに好ましくは、裏面側部分の平均結晶粒径の30〜50倍以上100倍以下である。
【0040】
上記の関係を満たすように表面側部分の平均結晶粒径と裏面側部分の平均結晶粒径を設定することにより、フェース部2のセンター部2aにおける裏面側の強度を高めることができる。
【0041】
また、フェース部2のセンター部2aにおける裏面側部分の平均結晶粒径は、0.1μm以上50μm未満であり、好ましくは、0.1μm以上20μm以下であり、さらに好ましくは、0.1μm以上10μm以下である。このようにフェース部2のセンター部2aにおける裏面側部分の平均結晶粒径を小さくすることにより、該裏面側の強度を効果的に高めることができる。
【0042】
次に、図2に示すフェース部2の断面構造の変形例について図6を用いて説明する。
【0043】
図6に示すように、フェース部2のセンター部2aの裏面側に凸部11を設けてもよい。この場合、第2領域7bが凸部11内に延在し、凸部11の表面近傍の部分の平均結晶粒径が、フェース部2のセンター部2aにおける表面側の平均結晶粒径よりも小さくなる。
【0044】
上記のようにフェース部2のセンター部2aの裏面側に凸部11を設けることにより、フェース部2のセンター部2aの厚みを増大できるとともに第2領域7bを凸部11内に延在させることができる。それにより、フェース部2の耐久性を向上するとともにフェース部2の反発特性をも向上することができる。また、フェース部2の成形時にフェース部2のセンター部2aの裏面側における金属素材の塑性流動を促進することができ、かつ凸部11を形成することにより凸部11の表面近傍の部分の平均結晶粒径をより小さくしながらフェース部2の表面側の平坦度をも容易に確保することができる。
【0045】
次に、本発明に係るゴルフクラブの製造方法について、図4および図5を用いて説明する。図4と図5は、本発明に係るゴルフクラブの製造方法における特徴的な製造工程を示す断面図である。
【0046】
まず、直径21mm、長さ140mmのβチタン(15V−6Cr−4AL)丸棒(金属素材)を準備し、該丸棒と金型とを所定温度に加熱する。その後、丸棒を金型内に設置し、1600tプレスにより板状に粗鍛造する。それにより、丸棒を板状に塑性変形させ、図4に示す形状の金属素材8を得る。
【0047】
このとき、図4に示すように、金属素材8のセンター部8aの表面側に凸部9を形成するように金属素材8を塑性変形させる。それにより、センター部8aの裏面側における金属素材8の塑性流動を、センター部8aの表面側における金属素材8の塑性流動よりも大きくすることができる。
【0048】
これは、金属素材8のセンター部8aの表面側では金型により金属素材8の塑性流動が抑制されるが、金属素材8の裏面側では金属素材8の塑性流動を実質的に抑制する要素は存在しないため自由に金属素材8が流動するからである。
【0049】
上記のように金属素材8のセンター部8aの裏面側における塑性流動をセンター部8aの表面側における塑性流動よりも大きくすることにより、裏面側における鍛造時のひずみが大きくなり、金属素材8のセンター部8aの裏面側部分における平均結晶粒径を、センター部8aの表面側部分における平均結晶粒径よりも小さくすることができる。なお、金属素材8の周辺部8bでは、金属素材8の裏面側と同様に金属素材8は流動する。
【0050】
次に、図4に示す鍛造品に機械加工を施す。具体的には、たとえば凸部9を切削加工により除去したり、あるいはさらに金属素材8を鍛造して凸部9を平坦化する。それにより、図5に示すように、ゴルフクラブのヘッド部1におけるフェース部2の形状に金属素材8を成形することができる。
【0051】
上記のように1度の鍛造で金属素材8のセンター部8aの裏面側における結晶を微細化することができるので、溶体化処理や時効処理等の熱処理を施すことでさらに裏面側における結晶を微細化することができる。
【0052】
なお、図2に示す構造を得るには、図4に示す凸部9を金属素材8内に押し込むようにさらに鍛造を行なえばよい。また、図6に示す構造を得るには、金属素材8の裏面側を成形する金型に上記の凸部11に対応した凹部を設け、該金型を用いて図4に示す形態の金属素材8をさらに鍛造すればよい。
【0053】
本願発明者は、本発明の手法で実際にフェース部2を作製し、その断面の金属組織を確認したので、その結果について説明する。
【0054】
図3(a)〜(c)に、該フェース部2の断面の厚み方向における各部の金属組織を示す。図3(a)は、フェース部2のセンター部2aの表面側における断面の金属組織を示し、図3(b)は、フェース部2のセンター部2aの厚み方向中央部に位置する断面の金属組織を示し、図3(c)は、フェース部2のセンター部2aの裏面側における断面の金属組織を示している。
【0055】
図3(a)〜(c)に示すように、フェース部2のセンター部2aの裏面側における結晶粒が、表面側における結晶粒よりも格段に微細化されているのがわかる。このとき、フェース部2のセンター部2aの表面におけるビッカース硬度は、Hv380であり、フェース部2のセンター部2aの裏面におけるビッカース硬度は、Hv300であった。
【0056】
上記のようにしてゴルフクラブヘッドのフェース部2を作製する一方で、フェース部2以外のクラウン部4やソール部6等のヘッド構成部を鋳造等により成形しておく。そして、このヘッド構成部とフェース部2とを溶接等により接合することにより、ゴルフクラブのヘッド部1を作製することができる。その後、該ヘッド部1と、グリップおよびシャフトとを接合し、ゴルフクラブが完成する。
【0057】
本願発明者は、本発明のフェース材を有するヘッド部(本発明品)1と、通常のフェース材を有するヘッド部(従来品)1とで耐久強度を比較したので、その結果を表1に示す。なお、今回の耐久強度試験では、38m/sのヘッド速度で打球し、フェース部2が破損するまでの打球回数を調べた。従来品としてはフェース厚2.9mmの15V−6Cr−4ALチタン材で作製されたヘッド部を使用し、本発明品としてはフェース厚2.9mmの15V−6Cr−4ALチタン材で作製されたヘッド部を使用した。
【0058】
【表1】
【0059】
表1に示すように、従来品では3000回の打球でフェース部2が破損したのに対し、本発明品では5000回の打球でフェース部2が破損した。したがって、本発明によりフェース部2の耐久強度を格段に向上することが可能となった。
【0060】
このように耐久強度を高めることができるので、フェース部2の厚みを薄くすることができる。それにより、フェース部2を撓みやすくすることができ、反発係数を向上することができる。また、ヘッド部1を大型化することもできる。
【0061】
なお、上述の実施の形態では、金属素材8のセンター部の裏面側における塑性流動を大きくして結晶を微細化するために、金属素材8のセンター部の表面側に図4に示す凸部9を形成するように鍛造を行ったが、これ以外の方法で金属素材8のセンター部の裏面側における塑性流動を大きくしてもよい。また、フェース部2の素材として、チタン以外の鉄、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム銅合金等を採用可能である。
【0062】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、フェース部の裏面側の強度を向上することができるので、該裏面側の引張応力に対する耐性を向上することができる。それにより、フェース部を薄肉化することができ、ヘッド部の反発性能を向上しながらヘッド部を大型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したゴルフクラブのヘッド部の斜視図である。
【図2】 図1におけるII−II線に沿う拡大断面図である。
【図3】 (a)はフェースセンターの表面側における断面の金属組織を示す図であり、(b)はフェースセンターの厚み方向中央部に位置する断面の金属組織を示す図であり、(c)はフェースセンターの裏面側における断面の金属組織を示す図である。
【図4】 本発明に係るゴルフクラブの製造工程における特徴的な第1工程を示す断面図である。
【図5】 本発明に係るゴルフクラブの製造工程における特徴的な第2工程を示す断面図である。
【図6】 図2に示すフェース部構造の変形例を示す断面図である。
【図7】 (a)は鍛造で成形された従来のフェースにおけるフェースセンターの表面側の断面の金属組織を示す図であり、(b)は鍛造で成形された従来のフェースにおけるフェースセンターの厚み方向中央部に位置する断面の金属組織を示す図であり、(c)は鍛造で成形された従来のフェースにおけるフェースセンターの裏面側における断面の金属組織を示す図である。
【図8】 打球時にフェース部が変形し、それによりフェース部に引張応力あるいは圧縮応力が生じている状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ヘッド部、2 フェース部、2a,8a センター部、2b,8b 周辺部、3 トー部、4 クラウン部、5 ヒール部、6 ソール部、7a 第1領域、7b 第2領域、8 金属材料、9,11 凸部、10 ボール。
Claims (6)
- フェース部(2)を有する金属製のヘッド部(1)を備えたゴルフクラブであって、
前記フェース部(2)のセンター部(2a)の裏面側に凸部(11)を有し、前記凸部(11)の表面近傍の部分の平均結晶粒径が、前記フェース部(2)のセンター部(2a)における表面側の平均結晶粒径よりも小さいことを特徴とする、ゴルフクラブ。 - フェース部(2)を有する金属製のヘッド部(1)を備えたゴルフクラブであって、
前記フェース部(2)のセンター部(2a)の断面と、該センター部(2a)の周囲に位置する周辺部(2b)の断面に、相対的に平均結晶粒径の大きい第1領域(7a)と、相対的に平均結晶粒径の小さい第2領域(7b)とがそれぞれ存在し、
前記センター部(2a)の断面において、前記第1領域(7a)が前記センター部(2a)の表面側に位置し、前記第2領域(7b)が前記センター部(2a)の裏面側に位置し、
前記周辺部(2b)の断面において、前記第2領域(7b)が前記周辺部(2b)の表面側に位置し、前記第1領域(7a)が前記周辺部(2b)の裏面側に位置する、ゴルフクラブ。 - 前記第2領域(7b)は、帯状の領域であり、前記センター部(2a)の裏面側から前記周辺部(2b)の表面側に向かって連続的に延びる、請求項2に記載のゴルフクラブ。
- 前記センター部(2a)の裏面側に凸部(11)を有し、前記第2領域(7b)は、前記凸部(11)内に延在する、請求項2または請求項3に記載のゴルフクラブ。
- センター部(8a)の裏面側における塑性流動がセンター部(8a)の表面側における塑性流動よりも大きくなるように鍛造によって金属素材(8)を板状に塑性変形させる工程と、
前記鍛造後の前記金属素材(8)に機械加工または塑性加工を施すことにより、ゴルフクラブのヘッド部(1)におけるフェース部(2)の形状に前記金属素材(8)を成形する工程と、
を備えた、ゴルフクラブの製造方法。 - 前記鍛造工程は、前記金属素材(8)のセンター部(8a)の表面側に凸部(9)を形成するように前記金属素材(8)を塑性変形させることにより、前記金属素材(8)のセンター部(8a)の表面側における塑性流動を抑制する工程を含む、請求項5に記載のゴルフクラブの製造方法。
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